JPH07334866A - 光ディスク及びその製造方法 - Google Patents

光ディスク及びその製造方法

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JPH07334866A
JPH07334866A JP7014657A JP1465795A JPH07334866A JP H07334866 A JPH07334866 A JP H07334866A JP 7014657 A JP7014657 A JP 7014657A JP 1465795 A JP1465795 A JP 1465795A JP H07334866 A JPH07334866 A JP H07334866A
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JP
Japan
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film
dry
recording
dry photocurable
light
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Pending
Application number
JP7014657A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
健二 鈴木
Takahiro Kobayashi
高広 小林
Naoto Ozasa
直人 小笹
Jiro Fujimori
二郎 藤森
Kiyohide Ogasawara
清秀 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Video Corp
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Video Corp
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
Application filed by Pioneer Video Corp, Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Video Corp
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Publication of JPH07334866A publication Critical patent/JPH07334866A/ja
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産工程における光透過性基板の機械的特性
の劣化やドライ光硬化性フィルム中の気泡残存がなく、
生産性と品質安定性に優れた光ディスク、高記録密度と
高転送レートを有する光ディスク、及びこれらの光ディ
スクを簡易な設備で効率良く製造できる方法を提供する 【構成】 光透過性基板1上に、室温・未硬化状態での
粘度が3500〜400000ポイズで且つ未硬化状態
での厚さが5〜200μmである未硬化状態のドライ光
硬化性フィルム2を積層し、室温下、このフィルム2に
ピット・グルーブ5を加圧成形し、紫外線で硬化させた
後、反射膜又は記録膜3を順次積層して光ディスクとす
る。また、光透過性基板1とドライ光硬化性フィルム2
の間に、さらにピット・グルーブ5aと半透光性の反射
膜又は記録膜3aを付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスク及びその製造
方法に関し、より詳しくは、生産過程において光透過性
基板の機械特性の劣化がないとともにドライ光硬化性フ
ィルム中に気泡の残存がなく、安定した品質を有し、し
かも生産性に優れる光ディスク、及びディスク面積を拡
大したりピットサイズを縮小したりすることなく大量の
情報を記録することができ、記録の高密度化と情報の高
転送レート化を図ることができる光ディスク、さらに
は、それらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】照射されたレーザ光を記録された情報信
号に応じて反射する光ディスクは、例えば音声、映像等
の記録媒体として広く用いられるに至っている。
【0003】たとえば図1に示すように、この光ディス
クの構造としては、情報信号を担持するピット101が
形成された光透過性基板102上に、光を反射する反射
膜103が積層され、この反射膜103上に、さらに保
護膜104が積層されたものが一般的である。
【0004】そして、このような光ディスクは、例えば
図2に示す工程により製造されている。すなわち、ま
ず、図2(a)に示すように、フォトレジスト材料20
1を塗布したガラスディスク202にレーザ光を照射し
て情報を記録し、これをエッチング現像して凹凸のマス
ターディスクを作製する。
【0005】次に、図2(b)に示すように、上記のマ
スターディスクを用いてニッケル電鋳することにより図
2(c)に示すニッケルスタンパー203を作製する。
その後、図2(d)に示すように、上記のニッケルスタ
ンパー203を用いて光透過性基板102に情報信号を
担持するピット101を形成する。
【0006】次いで、図2(e)に示すように、光透過
性基板102の情報記録面にアルミニウム(Al)等の
反射膜103を蒸着し、さらに図2(f)に示すよう
に、この反射膜103上にプラスチックからなる保護膜
104を塗設する。
【0007】たとえば以上のような製造工程において、
ニッケルスタンパー203を用いて光透過性基板102
にピット101を形成する工程では、熱と圧力とを加え
るインジェクションモールディングが採用されている。
【0008】また、光透過性基板にピットを形成せず
に、光透過性基板上にドライ光硬化性フィルムを積層
し、このドライ光硬化性フィルムにエンボス加工を施す
ことにより情報信号を記録する光学的に読み取り可能な
媒体の製造方法も提案されている(特開平3−1164
60号公報参照)。そして、この方法において使用され
るドライ光硬化性フィルムのクリープ粘度は例えば20
メガポイズ以上である。
【0009】しかしながら、前述のようにして製造され
る従来の光ディスクにおいては、上記のインジェクショ
ンモールディングの工程で加熱しながらかなり高い圧力
をかける必要があるので、光透過性基板に反りが生じる
ことがあり、光透過性基板の機械特性が劣化するという
問題があり、また加熱装置および大型の加圧装置を必要
とするという問題もある。さらに、光透過性基板の粘度
が高いため、ピットの成形精度が未だ充分ではなく、ピ
ットの転写性に改善の余地がある。
【0010】また、前述のドライ光硬化性フィルムにエ
ンボス加工を施すことにより情報信号を光学的に読み取
り可能な媒体の製造方法を光ディスクの製造に適用する
場合には、使用に供するドライ光硬化性フィルムについ
ての検討が必要である。また、この方法で使用されるド
ライ光硬化性フィルムは前述の如く粘度が高いものであ
るため、光ディスクの生産工程で未硬化のドライ光硬化
性フィルムに混入した気泡がドライ光硬化性フィルム中
に残存し易く、得られる光ディスクの品質が安定しない
という問題がある。
【0011】一方、光ディスクの分野においては、さら
なる高密度記録化と高転送レート化を図ることが常に求
められているが、近年、特にDVD(デジタルビデオデ
ィスク)の分野においては高画質の映像情報を記録再生
する必要があることから、その要求が高まっている。
【0012】従来、光ディスクの記録再生方式として
は、CD、CD−ROMのように1枚の基板の片面側に
ピット又はグルーブを形成した単板タイプの光ディスク
を用い、鏡面側からレーザービームを照射して記録信号
を読み取る方式や、LDのようにピット又はグルーブを
形成した2枚の基板を貼り合わせたタイプの光ディスク
を用い、A面側の記録信号はA面側からレーザービーム
を照射して読み取り、B面側の記録信号はB面側からレ
ーザービームを照射して読み取る方式等があるが、いず
れにしても高密度記録化と高転送レート化を図るため
に、ディスク面積を拡大するか又はピットサイズを縮小
するという方法を採っていた。しかし、ディスク面積の
拡大化には実用上の制限があり、またピットサイズの縮
小化には技術的な限界があるので、高密度記録化と高転
送レート化には一定の限界がある。
【0013】また、ピット又はグルーブを形成した2枚
の基板を透光性の中間層を介して貼り合わせたタイプの
光ディスクを用い、ディスクの片面側から再生用レーザ
ービームを照射して複数の層にそれぞれ担持されている
記録信号を同時に読み取ることによって、高密度記録化
と高転送レート化を図る試みも行われている。しかし、
従来は、エポキシ型接着剤、溶剤型接着剤、ホットメル
ト型接着剤(特開平2−48984号公報)、2P接着
剤等によって2枚の基板を貼り合わせており、これらの
接着剤によって形成される中間層は光学的に不均一で厚
みむらもある。そのため、この試みにおいては、再生用
レーザービームの照射側からみて中間層の向こう側にあ
る層に担持されている記録信号をうまく読み取ることが
できず、未だ充分な成果を挙げていないのが実情であ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
基づいてなされたものであり、その第一の目的は、生産
工程における光透過性基板の機械特性の劣化及びドライ
光硬化性フィルム中の気泡の残存がなく、しかも生産性
に優れた光ディスクを提供することにある。
【0015】また第二の目的は、ディスク面積を拡大し
たりピットサイズを縮小したりすることなく大量の情報
を記録することができ、記録の高密度化と情報の高転送
レート化を図ることができる光ディスクを提供すること
にある。
【0016】さらに第三の目的は、上記のような光ディ
スクを簡易な設備で効率良く得ることのできる製造方法
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明においては上記第
一の目的を達成するために、第一の発明として、(1)
少なくとも光透過性基板、前記光透過性基板上に積層さ
れた透光性のドライ光硬化性フィルム、及び前記ドライ
光硬化性フィルム上に積層された反射膜又は記録膜から
なり、(2)前記ドライ光硬化性フィルムは室温・未硬
化状態での粘度が3,500〜400,000ポイズで
あるとともに未硬化状態での厚さが5〜200μmであ
り、(3)前記ドライ光硬化性フィルムの反射膜又は記
録膜側表面には情報信号を担持するピット又はグルーブ
が形成されていることを特徴とする光ディスクを提供す
る。
【0018】また、上記第二の目的を達成するために、
第二の発明として、(1)少なくとも光透過性基板、前
記光透過性基板上に積層され入射した光ビームの一部が
透過可能な第一の反射膜又は記録膜、前記第一の反射膜
又は記録膜上に積層された透光性のドライ光硬化性フィ
ルム、及び前記ドライ光硬化性フィルム上に積層された
第二の反射膜又は記録膜からなり、(2)前記光透過性
基板と前記第一の反射膜又は記録膜の間には、第一の情
報信号を担持するピット又はグルーブが形成されてお
り、この第一の情報信号を担持するピット又はグルーブ
は、光透過性基板の第一の反射膜又は記録膜側表面に直
接形成されているか又は光透過性基板と第一の反射膜又
は記録膜との間に積層された透光性のドライ光硬化性フ
ィルムの第一の反射膜又は記録膜側表面に形成されてお
り、(3)前記いずれのドライ光硬化性フィルムも室温
・未硬化状態での粘度が3,500〜400,000ポ
イズであるとともに未硬化状態での厚さが5〜200μ
mであり、(4)前記第一の反射膜又は記録膜上に積層
されたドライ光硬化性フィルムの第二の反射膜又は記録
膜側表面には、第二の情報信号を担持するピット又はグ
ルーブが形成されていることを特徴とする光ディスクを
提供する。
【0019】さらに、上記第三の目的を達成するため
に、以下の第三〜第五の発明を提供する。すなわち第三
の発明は上記第一発明の光ディスクを製造する方法であ
り、光透過性基板上に、室温・未硬化状態での粘度が
3,500〜400,000ポイズであるとともに未硬
化状態での厚さが5〜200μmである透光性のドライ
光硬化性フィルムを積層する工程と、前記ドライ光硬化
性フィルムの露出面にスタンパーを重ね合わせて室温下
で加圧成形することにより前記ドライ光硬化性フィルム
の露出面に情報信号を担持するピット又はグルーブを形
成する工程と、前記スタンパーを重ね合わせたままの状
態で前記ドライ光硬化性フィルムに紫外線を照射して該
ドライ光硬化性フィルムを硬化させる工程と、前記スタ
ンパーをドライ光硬化性フィルムから分離する工程と、
前記ドライ光硬化性フィルム上に反射膜又は記録膜を積
層する工程とを有する構成とされている。
【0020】第四の発明は上記第二発明の光ディスクを
製造する方法であり、(1)表面に第一の情報信号を担
持するピット又はグルーブが形成された光透過性基板を
準備する工程と、(2)前記光透過性基板のピット又は
グルーブが形成された側の表面に、入射した光ビームの
一部が透過可能な第一の反射膜又は記録膜を積層する工
程と、(3)前記第一の反射膜又は記録膜の上に室温・
未硬化状態での粘度が3,500〜400,000ポイ
ズであるとともに未硬化状態での厚さが5〜200μm
である透光性のドライ光硬化性フィルムを積層する工程
と、前記ドライ光硬化性フィルムの露出面にスタンパー
を重ね合わせて室温下で加圧成形することにより前記ド
ライ光硬化性フィルムの露出面に第二の情報信号を担持
するピット又はグルーブを形成する工程と、前記スタン
パーを重ね合わせたままの状態で前記ドライ光硬化性フ
ィルムに紫外線を照射して該ドライ光硬化性フィルムを
硬化させる工程と、前記スタンパーをドライ光硬化性フ
ィルムから分離する工程と、前記ドライ光硬化性フィル
ム上に第二の反射膜又は記録膜を積層する工程とを有す
る構成とされている。
【0021】第五の発明も上記第二発明の光ディスクを
製造する方法であり、(1)光透過性基板上に、室温・
未硬化状態での粘度が3,500〜400,000ポイ
ズであるとともに未硬化状態での厚さが5〜200μm
である透光性のドライ光硬化性フィルムを積層する工程
と、前記ドライ光硬化性フィルムの露出面にスタンパー
を重ね合わせて室温下で加圧成形することにより前記ド
ライ光硬化性フィルムの露出面に第一の情報信号を担持
するピット又はグルーブを形成する工程と、前記スタン
パーを重ね合わせたままの状態で前記ドライ光硬化性フ
ィルムに紫外線を照射して該ドライ光硬化性フィルムを
硬化させる工程と、前記スタンパーをドライ光硬化性フ
ィルムから分離する工程と、(2)前記ドライ光硬化性
フィルム上に、入射した光ビームの一部が透過可能な第
一の反射膜又は記録膜を積層する工程と、(3)前記第
一の反射膜又は記録膜の上に室温・未硬化状態での粘度
が3,500〜400,000ポイズであるとともに未
硬化状態での厚さが5〜200μmである透光性のドラ
イ光硬化性フィルムを積層する工程と、前記ドライ光硬
化性フィルムの露出面にスタンパーを重ね合わせて室温
下で加圧成形することにより前記ドライ光硬化性フィル
ムの露出面に第二の情報信号を担持するピット又はグル
ーブを形成する工程と、前記スタンパーを重ね合わせた
ままの状態で前記ドライ光硬化性フィルムに紫外線を照
射して該ドライ光硬化性フィルムを硬化させる工程と、
前記スタンパーをドライ光硬化性フィルムから分離する
工程と、前記ドライ光硬化性フィルム上に第二の反射膜
又は記録膜を積層する工程とを有する構成とされてい
る。
【0022】
【作用】上記第一発明にかかる光ディスクは、光透過性
基板と、情報信号を担持するピット又はグルーブが形成
されたドライ光硬化性フィルムと、反射膜又は記録膜と
の積層体である。ここで、情報信号を担持するピット又
はグルーブが形成されているドライ光硬化性フィルム
は、室温・未硬化状態での粘度が3,500〜400,
000ポイズであるとともに未硬化状態での厚さが5〜
200μmである。すなわち、このドライ光硬化性フィ
ルムの室温・未硬化状態での粘度は、光透過性基板の室
温下での粘度及び従来のドライ光硬化性フィルムの室温
・未硬化状態での粘度よりも低い。したがって、光透過
性基板に直接にピット又はグルーブを形成する場合に比
較して加圧に要する圧力が低く、光透過性基板の機械特
性の劣化を招くことがないとともに大型の加圧装置を必
要としない。しかも、ピットの成形精度が高く、ピット
の転写性が良好である。また、未硬化状態での粘度が高
いドライ光硬化性フィルムを使用する場合に比較してド
ライ光硬化性フィルム中に気泡が残存しにくく、品質が
安定している。さらに、このドライ光硬化性フィルムの
未硬化状態での厚さは5〜200μmであるため、深い
ピットを形成する場合にも転写性が良好であり、フィル
ム保存中に皺が発生することがなく、また硬化収縮によ
る応力が過大になることがない。
【0023】上記第二発明にかかる光ディスクは、光透
過性基板の表面又は光透過性基板上に積層された透光性
のドライ光硬化性フィルムの表面に第一の情報信号を担
持するピット・グルーブが形成され、この第一のピット
・グルーブ層上に、入射した光ビームの一部が透過可能
な第一の反射膜又は記録膜、第二のピット・グルーブが
形成された透光性のドライ光硬化性フィルム、そして第
二の反射膜又は記録膜が順次積層された構造を有してい
る。
【0024】このような層構造を有する第二発明にかか
る光ディスクにおいて、光透過性基板側から光ディスク
に入射した光ビームの一部は、第一の反射膜又は記録膜
及びドライ光硬化性フィルムの層を透過し、第二の情報
信号を担持するピット・グルーブに到達する。従って、
第二発明にかかる光ディスクに光透過性基板側から1個
あるいは複数個の再生ビームを照射すると共に、これら
の再生ビームのフォーカス位置をDCオフセットさせ
て、第一の情報信号を担持するピット・グルーブの層と
第二の情報信号を担持するピット・グルーブの層を同時
にあるいは連続的に再生できることとなり、高密度の記
録再生が可能になるだけでなく、複数のピックアップを
使用すれば高転送レート化を図ることも可能になる。
【0025】しかも、第一の情報信号を担持するピット
・グルーブの層と第二の情報信号を担持するピット・グ
ルーブの層との間に積層されているドライ光硬化性フィ
ルムは、室温・未硬化状態での粘度が3,500〜40
0,000ポイズであるとともに未硬化状態での厚さが
5〜200μmであることから、ピット・グルーブ転写
性に支障をきたさずにフィルム形状を維持して厚みむら
を防止でき、また、フィルム内部に気泡が残存しにくい
ので、光学的均一性が高い。従って、再生ビームが該ド
ライ光硬化性フィルムを通過する際に読取障害を起こす
ことがなく、第二の情報信号を担持するピット・グルー
ブの層についても正確に再生することができる。
【0026】さらに、第一の情報信号を担持するピット
・グルーブの上あるいは第二の情報信号を担持するピッ
ト・グルーブの上のうちのいずれか一方又は両方に、反
射膜ではなくて記録膜を積層すれば、書込可能な光ディ
スクとすることもできる。
【0027】上記第三発明にかかる光ディスクの製造方
法においては、光透過性基板に直接にピットを形成せず
に、光透過性基板上に、室温・未硬化状態での粘度が
3,500〜400,000ポイズであるとともに未硬
化状態での厚さが5〜200μmであるドライ光硬化性
フィルムを積層した後、このドライ光硬化性フィルムに
スタンパーを重ね合わせて室温下で加圧成形することに
より該ドライ光硬化性フィルムにピットを形成するの
で、光透過性基板に直接にピットを形成する場合に比較
して加圧に要する圧力が低く、光透過性基板の機械特性
の劣化を招くことがない。しかも、大型の加圧装置を必
要とせず、また加熱装置は不要である。さらに、未硬化
状態での粘度が高いドライ光硬化性フィルムを使用する
場合に比較してドライ光硬化性フィルム中に気泡が残存
しにくく、得られる光ディスクは品質が安定している。
さらに、このドライ光硬化性フィルムの未硬化状態での
厚さは5〜200μmであるため、深いピットを形成す
る場合にも転写性が良好であり、フィルム保存中に皺が
発生することがなく、また硬化収縮による応力が過大に
なることがない。
【0028】上記第四発明にかかる光ディスクの製造方
法においては、第三発明でピット・グルーブを形成する
方法と同じ方法によって第二の情報信号を担持するピッ
ト・グルーブを形成し、また、第五発明においては第二
の情報信号を担持するピット・グルーブだけでなく第一
の情報信号を担持するピット・グルーブも第三発明と同
様に形成する。したがって、2枚の光透過性基板に直接
ピット・グルーブを形成して貼り合わせる場合と比べ
て、ピット・グルーブを形成するための加圧力が低くて
すみ、光透過性基板の機械特性の劣化を招くことがな
い。しかも、大型の加圧装置を必要とせず、また加熱装
置は不要である。さらに、未硬化状態での粘度が高いド
ライ光硬化性フィルムを使用する場合に比較してドライ
光硬化性フィルム中に気泡が残存しにくく、得られる光
ディスクは品質が安定している。さらに、このドライ光
硬化性フィルムの未硬化状態での厚さは5〜200μm
であるため、深いピットを形成する場合にも転写性が良
好であり、フィルム保存中に皺が発生することがなく、
また硬化収縮による応力が過大になることがない。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図3は第一発明の光ディスクの層構成を示
す説明図である。
【0030】図3に示すように、この光ディスクは、光
透過性基板1とドライ光硬化性フィルム2と反射膜3と
保護膜4との積層体であり、ドライ光硬化性フィルム2
には情報信号に相当するピット5が形成されている。な
お、図3には、ドライ光硬化性フィルム2にピット5が
形成されている光ディスクを示したが、このドライ光硬
化性フィルム2にはグルーブが形成されていてもよい。
【0031】光透過性基板1の形成材料としては、光透
過性を有しているものであればよく、たとえばポリカー
ボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)等の樹脂、光学ガラスなどの透明材料が挙げられ
る。各種透明材料のなかでも、ポリカーボネート(P
C)は、耐環境性に優れ、また寸法安定性にも優れてい
ることから好適に用いられる。
【0032】この光透過性基板1は、その形成材料が樹
脂である場合には、たとえば射出成形により一体的に形
成されるが、そのような射出成形樹脂基板に限らず、た
とえば樹脂シートから所定形状に切り抜いたり、打ち抜
いたりして得られたものであってもよい。また、いわゆ
る2P(photo polymarization)法で形成したものであ
ってもよい。
【0033】光透過性基板1の形状および大きさは、こ
の光ディスクの用途に応じて適宜に決定されるが、たと
えばコンパクトディスク(CD)の場合、直径120m
mで中心部に直径15mmのセンターホールを有する円
盤状であり、その厚さは、1.2mmである。
【0034】光透過性基板1には、ピット5が形成され
たドライ光硬化性フィルム2が積層されている。このド
ライ光硬化性フィルム2は、室温・未硬化状態での粘度
が3,500〜400,000ポイズ、好ましくは2
0,000〜40,000ポイズであり、かつ紫外線の
照射により硬化する性質を有し、実質的に溶剤を含まな
いものである。
【0035】ドライ光硬化性フィルム2の室温・未硬化
状態での粘度が3,500ポイズ未満であると、ほぼ液
体となりフィルム形状が維持されなくなったり、硬化収
縮が過大になる等の問題を生じることがある。一方、こ
の粘度が400,000ポイズを超えると、ピットある
いはグルーブの形成に要する加圧力が数10t以上にな
り、光透過性基板1の機械特性の劣化を招くことがある
とともに、光ディスクの生産工程において混入した気泡
が残存し易くなり、また光透過性基板1への密着力が低
下して実用に供せなくなることがある。
【0036】未硬化状態のドライ光硬化性フィルム2の
厚さは5〜200μm、好ましくは30〜80μmであ
る。ドライ光硬化性フィルム2の厚さが5μm未満であ
ると、そのようなドライ光硬化性フィルム2に転写する
ピットまたはグルーブが例えば0.3〜1.0μm程度
と深い場合に転写性が悪化することがある。一方、ドラ
イ光硬化性フィルム2の厚さが200μmを超えると、
そのようなドライ光硬化性フィルム2は未硬化状態で保
存中にフィルムに皺が発生し易くなり、また硬化収縮に
よる応力が過大になることがある。
【0037】このようなドライ光硬化性フィルム2は、
架橋および/または重合により高分子量ポリマーに変化
する光硬化性樹脂組成物により形成され、そのような光
硬化性樹脂組成物としては、例えば光重合型感光性樹脂
組成物が挙げられる。
【0038】この光重合型感光性樹脂組成物は、エチレ
ン性不飽和モノマー、光重合開始剤およびバインダーポ
リマーを含有する。ここで、エチレン性不飽和モノマー
としては、たとえばt−ブチルアクリレート、1,5−
ペンタンジオールジアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジ
オールジアクリレート、デカメチレングリコールジアク
リレート、デカメチレングリコールジメタクリレート、
1,4−シクロヘキセンジオールジアクリレート、2,
2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロー
ルジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールト
リアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、2,2−ジ(p−
ヒドロキシフェニル)−プロパンジアクリレート、2,
2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタク
リレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエ
チル−2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパン
トリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ブチレングリコールジメタクリレート、1,3−プ
ロパンジオールジメタクリレート、1,2,4−ブタン
トリオールトリメタクリレート、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオールジメタクリレート、ペン
タエリトリトールテトラメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、1,5−ペンタンジオ
ールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0039】たとえばこれらのエチレン性不飽和モノマ
ーは一種単独で、あるいは二種以上が組み合わされて用
いられる。光重合型感光性樹脂組成物におけるエチレン
性不飽和モノマーの含有率は、通常、5〜90重量%、
好ましくは15〜50重量%である。
【0040】光重合開始剤としては、たとえば9,10
−アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−ク
ロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−
エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノ
ン、9,10−フェナントレキノン、1,2−ベンズア
ントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−メ
チル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロナフト
キノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジ
クロロナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノ
ン、2,3−ジメチルアントラキノン、2,3−ジフェ
ニルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、ア
ントラキノンα−スルホン酸のナトリウム塩、3−クロ
ロ−2−メチルアントラキノン、レテンキノン、7,
8,9,10−テトラヒドロナフタセンキノン等の多核
キノン類、ベンゾイン、ピバロイン、アシロインエーテ
ル、α−炭化水素置換芳香族アシロイン、フェナジン、
オキサジン、ミヒラーケトン、ベンゾフェノン、シクロ
ヘキサジエン化合物などが挙げられる。たとえばこれら
の光重合開始剤とともに増感剤を用いることも好まし
い。
【0041】たとえばこれらの光重合開始剤は一種単独
で、あるいは二種以上が組み合わされて用いられる。光
重合型感光性樹脂組成物における光重合開始剤の含有率
は、通常、0.5〜30重量%、好ましくは1〜5重量
%である。
【0042】バインダーポリマーとしては、たとえばポ
リメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、
ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート/アクリ
レート、ポリビニルアセテート/メタクリレート、エチ
レン/ビニルアセテートコポリマー、ポリスチレンポリ
マーおよびコポリマー、ビニリデンクロリド/アクリロ
ニトリル、ビニリデンクロリド/メタクリレートとビニ
リデンクロリド/ビニリデンアセテートとのコポリマ
ー、ポリビニルクロリドおよびコポリマー、ブタジエン
/アクリロニトリル、アクリロニトリル/ブタジエン/
スチレン、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジ
エン/スチレンコポリマー、2−クロロブタジエン−
1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン
/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック
コポリマー、アクリレート基またはメタクリレート基を
含むエポキシド、コポリエステル、ポリアミド、セルロ
ースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール、ポリホルムアルデヒドなど
が挙げられる。
【0043】たとえばこれらのバインダーポリマーは一
種単独で、あるいは二種以上が組み合わせされて用いら
れる。光重合型感光性樹脂組成物におけるバインダーポ
リマーの含有率は、通常、5〜90重量%、好ましくは
15〜50重量%であるたとえばこれらの成分を含有す
る光重合型感光性樹脂組成物は、ドライ光硬化性フィル
ム2の室温・未硬化状態における粘度が前記の範囲を逸
脱しない範囲で他の成分、例えば可塑剤、増粘剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、螢光漂白剤、熱安定剤、離型剤
等を含有していてもよい。
【0044】光重合型感光性樹脂組成物におけるこれら
の成分の含有率は、可塑剤については、通常、0〜25
重量%、好ましくは5〜15重量%であり、その他の成
分については、通常、0〜5重量%、好ましくは1〜4
重量%である。
【0045】また、ドライ光硬化性フィルム2を形成す
る光硬化性組成物としては、前記光重合感光性樹脂組成
物のほかに、たとえば光二量型感光性樹脂組成物、光架
橋型感光性樹脂組成物が挙げられる。
【0046】ドライ光硬化性フィルム2は、未硬化状態
で光透過性基板1上に積層され、その後、この未硬化状
態のドライ光硬化性フィルム2にピット形状が転写され
ピット5が形成された後、紫外線が照射されて硬化され
る。そして、ドライ光硬化性フィルム2と光透過性基板
1との接着は、このドライ光硬化性フィルム2の粘着力
を利用して行われる。したがって、この光ディスクにお
いて、ドライ光硬化性フィルム2と光透過性基板1との
間に接着剤層を設ける必要はない。
【0047】使用に供されるドライ光硬化性フィルム2
の未硬化状態での厚さは、5〜200μm、好ましくは
30〜80μmである。この厚さが5μm未満である
と、そのようなドライ光硬化性フィルム2に転写するピ
ットまたはグルーブが例えば0.3〜1.0μm程度と
深い場合に転写性が悪化することがある。一方、ドライ
光硬化性フィルム2の厚さが200μmを超えると、そ
のようなドライ光硬化性フィルム2は保存中に皺が発生
し易く、また硬化収縮による応力が過大になるという不
都合が生じる。
【0048】また、ドライ光硬化性フィルム2の光硬化
後の屈折率は、通常、1.40〜1.60であり、光透
過性基板1の屈折率との差が0.05以下であることが
好ましい。
【0049】このドライ光硬化性フィルム2に形成され
ているピット5の深さは、通常、0.02〜1μm、好
ましくは0.05〜0.3μmである。この深さが0.
02μm未満であると、情報の読出しが正確に行えない
ことがある。一方、1μmよりも深くしても、それに相
当する効果は奏されず、かえって光透過性基板1に歪み
を生じることがある。
【0050】図3に示すように、ドライ光硬化性フィル
ム2には、接着剤層を介することなく、反射膜3が積層
され、さらにこの反射膜3には接着剤層を介してあるい
は介することなく保護膜4が積層されている。
【0051】反射膜3の形成材料としては、たとえばア
ルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金、金
(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)などが挙げられる。
これらのなかでも、好ましいのはアルミニウム(A
l)、アルミニウム(Al)合金である。
【0052】反射膜3の形成方法としては、たとえばス
パッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法
などが挙げられる。このような反射膜3の厚さは、通
常、0.05〜0.2μm、好ましくは0.08〜0.
12μmである。
【0053】ここで、反射膜の代わりに記録膜を積層す
ることによって、光ディスクを書込可能型のディスクと
することができる。記録膜の材料は特に限定されない
が、例えば光磁気記録型、相変化型、色素膜型、金属膜
型等に属する公知の記録材料を用いることができる。
【0054】この反射膜3又は記録膜に積層される保護
膜4の形成材料としては、例えばエポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢
酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。また、この保護
膜4は、いわゆる2P(photo polymarization)法によ
り塗設された紫外線硬化性樹脂であってもよい。
【0055】このような保護膜4の厚さは、通常、2〜
200μm、好ましくは5〜20μmである。この光デ
ィスクにおいて、情報信号に相当するピット5またはグ
ルーブに記録されている情報は、通常、光透過性基板1
側から照射されたレーザ光の反射光により読み取られ
る。
【0056】以上の構成の光ディスクは、室温・未硬化
状態での粘度が3,500〜400,000ポイズであ
るとともに未硬化状態での厚さが5〜200μmである
ドライ光硬化性フィルム2にピット5またはグルーブが
形成されているため、ピット形成過程において光透過性
基板1の機械的特性の劣化がなく、またピット形成に要
する加圧力が小さくてすむため、大型の加圧装置を必要
としない。しかも、ピット形成が室温で行われるため、
加熱装置も不要である。さらに、ドライ光硬化性フィル
ム2中に気泡の残存がない。
【0057】したがって、この光ディスクは、光透過性
基板1の機械的特性の劣化がなく、またドライ光硬化性
フィルム2における気泡の残存がなく品質が安定してお
り、さらに生産性に優れているという利点を有してい
る。
【0058】次に、第二発明の光ディスクの層構成を図
4に示す。図4に示すように、この光ディスクは、光透
過性基板1、入射した光ビームの一部が透過する第一の
反射膜3a、ドライ光硬化性フィルム2、第二の反射膜
3b、そして保護膜4が順次積層された構造を有する積
層体であり、光透過性基板1には第一の情報信号を担持
するピット5aが形成され、ドライ光硬化性フィルム2
には第二の情報信号を担持するピット5bが形成されて
いる。なお、図4にはピットが形成されている光ディス
クを示したが、ピット5a、5bの代わりにそれぞれグ
ルーブが形成されていてもよい。
【0059】光透過性基板1は第一発明の光ディスクで
用いたものと同様に、PC等の各種透明材料を射出成形
するなどして得られたものを用いればよい。形状・大き
さも、やはり光ディスクの用途に応じて適宜に決定され
る。
【0060】ただし第二発明においては、光透過性基板
1と第一の反射膜3a又は記録膜との間に第一の情報信
号を担持するピット又はグルーブを形成する必要があ
る。図4においては、光透過性基板用の樹脂を射出成形
することによって、光透過性基板の表面に第一の情報信
号を担持するピット5aを直接形成したものを用いてい
る。しかし、第一の情報信号を担持するピット又はグル
ーブは、光透過性基板に直接形成しなくてもよい。例え
ば、樹脂シートを打ち抜くなどして準備したピットを有
しない光透過性基板の上に、第一の反射膜3a上に積層
されるドライ光硬化性フィルム2あるいは他の樹脂フィ
ルムを積層し、積層されたフィルムの表面に第一の情報
信号を担持するピット・グルーブを形成することができ
る。
【0061】ピット5aの上に積層されている第一の反
射膜3aは、入射した光ビームの一部が透過する必要が
ある。このように第一の反射膜を半透光性とした場合に
は、光ディスクに光透過性基板側から1個あるいは複数
個の再生ビームを照射すると共に、これらの再生ビーム
のフォーカス位置をDCオフセットさせることによっ
て、第一の情報信号を担持するピット・グルーブの層と
第二の情報信号を担持するピット・グルーブの層を同時
にあるいは連続的に再生できる。したがって、高密度の
記録再生が可能になるだけでなく、複数のピックアップ
を使用すれば高転送レート化を図ることも可能になる。
【0062】上記のように、第一の反射膜3aは半透光
性であり、入射光の30%程度を反射し、入射光の60
%程度を透過するものが好ましい。具体的には、一般的
な反射膜よりも薄い金属膜を例示することができ、より
具体的には、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニ
ウム(Al)等からなる厚さ100〜200Å程度の金
属膜を例示することができる。反射膜3aの形成方法と
しては、たとえばスパッタリング法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法などが挙げられる。
【0063】ここで、反射膜の代わりに記録膜を積層す
ることによって、光ディスクを書込可能型のディスクと
することができる。第一の反射膜に代えて積層される記
録膜は、やはり半透光性であることが必要であり、入射
光の30%程度を反射し、入射光の60%程度を透過す
るものが好ましい。記録膜の材料は特に限定されず、例
えば光磁気記録型、相変化型、色素膜型、金属膜型等に
属する公知の記録材料を例示することができ、より具体
的には、セレン化亜鉛、酸化ビスマス、硫化カドミウ
ム、テルル化カドミウム等の誘電体を例示することがで
きる。
【0064】第一の反射膜3a上には、第二の情報信号
を担持するピット5bが形成されたドライ光硬化性フィ
ルム2が積層されている。このドライ光硬化性フィルム
2は第一発明の光ディスクで用いたものと同じであり、
室温・未硬化状態での粘度が3,500〜400,00
0ポイズ、好ましくは20,000〜40,000ポイ
ズであり、かつ紫外線の照射により硬化する性質を有
し、実質的に溶剤を含まないものである。
【0065】また、未硬化状態のドライ光硬化性フィル
ム2の厚さは、やはり第一の発明で用いた場合と同様に
5〜200μmである。ただし第二の発明の光ディスク
においては、好ましくは20〜80μmであり、より好
ましくは50μm程度である。
【0066】このようなドライ光硬化性フィルムを用い
ることによって、第一発明の場合と同様に良好なピット
・グルーブ転写性を確保でき、保存中における皺発生や
硬化収縮による過大な応力発生を防止できる。
【0067】また、室温・未硬化状態でのドライ光硬化
性フィルムの粘度を3,500〜400,000ポイズ
で且つ未硬化状態での厚さを5〜200μmとすること
によって、ピット・グルーブ転写性に支障をきたすこと
なくフィルム形状を維持できるので厚みむらを防止で
き、また、フィルム内部に気泡も残存しなくなるのでフ
ィルムの光学的均一性を向上させることが可能となる。
従って、ピット5b又はグルーブに担持された第二の情
報信号を再生するためにドライ光硬化性フィルム2の層
を再生用ビームが通過しても、読取障害を引き起こすこ
とがない。
【0068】ドライ光硬化性フィルム2は、未硬化状態
で第一の反射膜3a又は記録膜の上に積層され、その
後、この未硬化状態のドライ光硬化性フィルム2にピッ
ト形状が転写されピット5bが形成された後、紫外線が
照射されて硬化される。そして、ドライ光硬化性フィル
ム2と第一の反射膜3a又は記録膜との接着は、このド
ライ光硬化性フィルム2の粘着力を利用して行われる。
したがって、この光ディスクにおいて、ドライ光硬化性
フィルム2と第一の反射膜3a又は記録膜との間に接着
剤層を設ける必要はない。
【0069】このドライ光硬化性フィルム2に形成され
ているピット5bの深さは、第一発明の光ディスクにお
いてドライ光硬化性フィルムに形成されたものと同様で
あり、通常、0.02〜1μm、好ましくは0.05〜
0.3μmである。
【0070】図4に示すように、ドライ光硬化性フィル
ム2には、接着剤層を介することなく、第二の反射膜3
bが積層され、さらにこの反射膜3bには接着剤層を介
してあるいは介することなく保護膜4が積層されてい
る。
【0071】第二の反射膜3bは、第一の反射膜3aと
異なり半透光性である必要はない。反射膜3bの形成材
料としては、たとえばアルミニウム(Al)、アルミニ
ウム(Al)合金、金(Au)、銀(Ag)、銅(C
u)などが挙げられる。これらのなかでも、好ましいの
はアルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)合金で
ある。
【0072】反射膜3bの形成方法としては、たとえば
スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング
法などが挙げられる。このような反射膜3の厚さは、通
常、0.05〜0.2μm、好ましくは0.08〜0.
12μmである。
【0073】反射膜の代わりに記録膜を積層することに
よって、光ディスクを書込可能型のディスクとすること
ができる。記録膜の材料は特に限定されないが、例えば
光磁気記録型、相変化型、色素膜型、金属膜型等に属す
る公知の記録材料を用いることができる。
【0074】反射膜3b又は記録膜の上に積層される保
護膜4は、第一発明の光ディスクで用いるものと同じも
のを用いることができる。第二発明においては、第二の
反射膜又は記録膜の上に、さらに第三、第四、あるいは
それ以上のピット・グルーブ層と反射膜・記録膜を設け
てもよい。すなわち、第二の情報信号を担持するドライ
光硬化性フィルム及び第二の反射膜又は記録膜と同じよ
うにして、さらにドライ光硬化性フィルムと反射膜又は
記録膜を積層していくことが可能である。但し、この場
合には、光透過性基板側から見て一番奥に位置する反射
膜又は記録膜以外の反射膜又は記録膜を、第一の反射膜
又は記録膜と同様に半透光性にする必要がある。第三、
第四、あるいはそれ以上のピット・グルーブ層を設けた
場合には、さらに光ディスクの光記録密度化と高転送レ
ート化を図ることができる。
【0075】図4において、光透過性基板1側のピット
5aに担持されている第一の情報信号と保護膜4側のピ
ット5bに担持されている第二の情報信号とは、通常、
光透過性基板1側から照射されたレーザ光の反射光によ
り読み取られる。
【0076】以上説明したような第二発明の光ディスク
は、積層された複数のピット・グルーブ層にそれぞれ担
持されている情報信号を、光透過性基板側から再生ビー
ムを照射することによって、読取障害を起こすことな
く、同時あるいは連続的に再生することが可能である。
従って、単位ディスク面積当たりの記録密度を向上さ
せ、再生時間を長くし、さらに、複数のピックアップを
使用すれば転送レートを高めることもできる。例えば、
図4のようにピット・グルーブ層を2層有する場合に
は、同一フォーマットで同一の記録密度を有するピット
・グルーブ層を1層だけ有する場合に比べて、再生時間
又はデータ転送レートが1.5〜2倍になる。
【0077】上記第一及び第二発明の光ディスクは、以
下に説明する方法により効率よく製造される。図5は第
三発明の製造方法の一例を示す工程図であり、この方法
によって第一発明の光ディスクを製造することができ
る。
【0078】図5(a)に示すように、この方法におい
ては、先ず、フィルム供給ロール51からドライ光硬化
性フィルム2を供給する。ここで、ドライ光硬化性フィ
ルム2は、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムからなるベースフィルム21と例えばポリ
エチレン(PE)フィルムからなるカバーフィルム22
との積層体の形態でフィルム供給ロール51に巻き付け
られている。このドライ光硬化性フィルム2は、例えば
カバーフィルム巻取ロール52でカバーフィルム22を
巻取ることにより露出した未硬化のドライ光硬化性フィ
ルム2の一面が光透過性基板1と対向する状態でフィル
ム供給ロール51から引き出される。このようにして引
き出された未硬化のドライ光硬化性フィルム2は、オー
バーロール53とアンダーロール54とにより光透過性
基板1と重ね合わされた状態で押圧され、光透過性基板
1と未硬化のドライ光硬化性フィルム2とが積層され、
圧着される。なお、未硬化のドライ光硬化性フィルム2
の一面に積層されているベースフィルム21は、このド
ライ光硬化性フィルム2にスタンパーが重ね合される前
のいずれかの段階で剥離除去される。
【0079】ここで、使用に供されるドライ光硬化性フ
ィルム2は、室温・未硬化状態での粘度が3,500〜
400,000ポイズ、好ましくは20,000〜4
0,000ポイズである。この粘度が3,500ポイズ
未満であると、ほぼ液体となりフィルム形状が維持され
なくなったり、硬化収縮が過大になる等の問題を生じる
ことがある。一方、この粘度が400,000ポイズを
超えると、ピット形成に要する加圧力が数10t以上に
なり、光透過性基板1の機械特性の劣化を招くことがあ
り、またドライ光硬化性フィルム2中に気泡が残存し易
くなるとともに光透過性基板1への密着力が低下して実
用に供せなくなることがある。
【0080】次に、上記の工程で得られた光透過性基板
1と未硬化のドライ光硬化性フィルム2との積層体を、
例えば図5(b)に示す破線に沿ってカットすることに
より該積層体を光ディスクの所定の形状とし、該積層体
の不要部分を除去する。
【0081】その後、図5(c)に示すように、上記の
工程で得られた光ディスク形状の積層体を転写ベース3
1に載置し、位置合わせ治具32を用いてスタンパー3
3の位置合わせを行う。
【0082】次いで、図5(d)に示すように、転写ベ
ース31に載置した光ディスク形状の積層体と位置合わ
せを行ったスタンパー33とを重ね合わせた状態で、オ
ーバーロール61とアンダーロール62とにより光ディ
スク形状の積層体とスタンパー33とを押圧して未硬化
のドライ光硬化性フィルム2にスタンパー33に形成さ
れたピット形状を転写してピット5を形成し、あるいは
所定のグルーブを形成する。この転写工程は、室温下で
行われ、加圧力は、通常、0.5〜50kg/cm2
好ましくは5〜20kg/cm2 である。また、オーバ
ーロール61とアンダーロール62とによる送り速度
は、通常、0.05〜10m/分、好ましくは0.1〜
2m/分程度である。そして、ドライ光硬化性フィルム
2に混入することのある気泡は、オーバーロール61と
アンダーロール62とを使用したこの転写工程において
脱泡され、ドライ光硬化性フィルム2中に気泡が残存す
ることはない。
【0083】このようにして形成するピット5またはグ
ルーブの深さは、通常、0.02〜1μm、好ましくは
0.05〜0.3μmである。この深さが0.02μm
未満であると、得られる光ディスクの情報の読出しが正
確に行えないことがある。一方、1μmよりも深くして
も、それに相当する効果は奏されず、かえって光透過性
基板1に歪みを生じることがある。
【0084】その後、図5(e)に示すように、光ディ
スク形状の積層体をスタンパー33が重ねられたままの
状態で転写ベース31から取り出し、光透過性基板1側
から未硬化のドライ光硬化性フィルム2に紫外線を照射
して該ドライ光硬化性フィルム2の全領域を硬化させ
る。この硬化に要する紫外線の照射エネルギーは、通
常、100mJ/cm2 以上であり、好ましくは1,0
00mJ/cm2 程度である。
【0085】次に、図5(f)に示すように、上記のよ
うにして紫外線を照射した光ディスク形状の積層体から
スタンパー33を分離する。その後、上記のようにして
硬化させたドライ光硬化性フィルム2上に反射膜又は記
録膜3を形成する。
【0086】反射膜3の形成方法としては、たとえばス
パッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法
などが挙げられる。このような反射膜3の厚さは、通
常、0.05〜0.2μm、好ましくは0.08〜0.
12μmである。
【0087】反射膜3に代えて積層することができる記
録膜3は、上述のように種々の記録膜材料を用いて形成
でき、実際に採用する材料に応じて公知の方法により積
層すればよい。
【0088】次いで、この反射膜又は記録膜3上に、接
着剤層を介してあるいは介することなく保護膜4を形成
する。保護膜4の形成材料としては、例えばエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など
が挙げられる。また、この保護膜4は、いわゆる2P
(photo polymarization)法により塗設された紫外線硬
化性樹脂であってもよい。
【0089】このような保護膜4の厚さは、通常、2〜
20μm、好ましくは5〜15μmである。このように
して製造される光ディスクは、光透過性基板1の機械特
性の劣化がないとともに、ドライ光硬化性フィルム2中
に気泡の残存がなくて安定した性能を有している。
【0090】この製造方法においては、室温・未硬化状
態での粘度が3,500〜400,000ポイズである
ドライ光硬化性フィルム2を用い、室温下で該ドライ光
硬化性フィルム2にピット5を形成するので、ピット形
成に要する加圧力が小さく、したがって大型の加圧装置
を必要としない。また、加熱装置も不要である。さら
に、未硬化状態のドライ光硬化性フィルム2中に混入す
ることのある気泡は転写工程において容易に脱泡される
ため、ドライ光硬化性フィルム2中に気泡が残存するこ
とがない。また、未硬化状態での厚さが5〜200μm
であるドライ光硬化性フィルム2に情報信号に相当する
ピットまたはグルーブを形成するので、ピットまたはグ
ルーブを深く形成する場合にも転写性が良好で成形精度
の高いピットまたはグルーブを形成することができると
ともにドライ光硬化性フィルム2の硬化収縮による応力
が過大になることもない。したがって、この方法によれ
ば、光透過性基板の機械特性の劣化がないとともに、ド
ライ光硬化性フィルム中に気泡の残存がなくて安定した
品質の光ディスクを簡略化された設備で効率良く製造す
ることができる。
【0091】図6は第四発明の製造方法の一例を示す工
程図であり、この方法によって第二発明の光ディスクを
製造することができる。図6(a)に示すように、この
方法においては、先ず、表面に第一の情報信号を担持す
るピット又はグルーブが直接形成された光透過性基板1
を準備する。このような光透過性基板1は、従来の光デ
ィスクの場合と同様にインジェクションモールディング
によって製造できる。
【0092】なお、第五発明の方法においては、光透過
性基板1にピット又はグルーブを直接形成せずに、第三
発明の方法と同様にしてピット・グルーブを有しない光
透過性基板上にドライ光硬化性フィルムを積層し、その
フィルムの露出面にスタンパーを重ね合わせてピット又
はグルーブを形成した後で紫外線硬化させることによっ
て第一の情報信号を担持するピット又はグルーブを形成
する。第五発明の方法において第四発明と異なる手順を
経るのはこの工程までである。
【0093】次に、図6(b)に示すように、第一の情
報信号を担持するピット又はグルーブが形成されている
面に、入射した光ビームの一部が透過可能な第一の反射
膜又は記録膜3aを積層する。第一の反射膜又は記録膜
3aは半透光性でなければならず、入射光の30%程度
を反射し、入射光の60%程度を透過するものが好まし
い。
【0094】第一の反射膜3aとしては、例えば、一般
的な反射膜よりも薄い金属膜を例示することができ、よ
り具体的には、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミ
ニウム(Al)等からなる厚さ100〜200Å程度の
金属膜を例示することができる。このような反射膜3a
は、たとえばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法などの方法によって形成する。
【0095】また、第一の記録膜3aとしては、例えば
光磁気記録型、相変化型、色素膜型、金属膜型等に属す
る公知の記録材料を例示することができ、より具体的に
は、セレン化亜鉛、酸化ビスマス、硫化カドミウム、テ
ルル化カドミウム等の誘電体を例示することができる。
このような記録膜3aは、実際に採用された材料に応じ
て、公知の方法により積層すればよい。
【0096】この工程以降は、図6(c)〜(f)に示
すように、第三発明の方法と同様にしてドライ光硬化性
フィルム2を積層し、位置合わせを行い、スタンパーを
重ね合わせ、紫外線照射し、スタンパーを分離し、第二
の反射膜又は記録膜を積層し、さらに保護膜を積層する
ことによって第二発明の光ディスクが完成する。
【0097】
【発明の効果】第一発明にかかる光ディスクは、光透過
性基板、ドライ光硬化性フィルム、及び反射膜又は記録
膜の積層体とし、室温・未硬化状態での粘度が特定の範
囲にあるとともに未硬化状態での厚さが特定の範囲にあ
るドライ光硬化性フィルムにピットまたはグルーブが形
成されている構成とした。従って、この第一発明によれ
ば、光透過性基板の機械特性の劣化がなく、またドライ
光硬化性フィルム中に気泡の残存がなくて品質が安定し
ており、しかも簡易な設備により効率良く製造可能な光
ディスクが提供される。
【0098】第二発明にかかる光ディスクは、光透過性
基板、半透光性を有する第一の反射膜又は記録膜、ドラ
イ光硬化性フィルム、及び第二の反射膜又は記録膜の積
層体とし、光透過性基板と第一の反射膜又は記録膜との
間に第一の情報信号を担持するピット・グルーブが形成
され、さらに、室温・未硬化状態での粘度が特定の範囲
にあると共に未硬化状態での厚さが特定の範囲にあるド
ライ光硬化性フィルムに第二の情報信号を担持するピッ
ト・グルーブが形成されている構成とした。従って、こ
の第二発明によれば、光ディスクに光透過性基板側から
再生ビームを照射することによって、読取障害を起こす
ことなく、第一の情報信号を担持するピット・グルーブ
の層と第二の情報信号を担持するピット・グルーブの層
とを同時にあるいは連続的に再生できることとなり、高
記録密度と高転送レートを有する光ディスクが提供され
る。
【0099】また、第三、第四、及び第五発明の製造方
法は、室温・未硬化状態での粘度が特定の範囲にあると
ともに未硬化状態での厚さが特定の範囲にあるドライ光
硬化性フィルムを用い、このドライ光硬化性フィルムに
ピットまたはグルーブを形成する構成とした。従って、
これらの発明によれば、ピットまたはグルーブの形成工
程において光透過性基板の機械特性の劣化を招くことが
ないとともにドライ光硬化性フィルム中に気泡の残存が
なく、またピットまたはグルーブの成形精度が高く、し
かも簡易な設備により効率良く安定した品質の光ディス
クを製造することのできる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ディスクの一例を示す説明図である。
【図2】従来の光ディスクの製造方法の一例を示す工程
図である。
【図3】第一発明の光ディスクの一例を示す説明図であ
る。
【図4】第二発明の光ディスクの一例を示す説明図であ
る。
【図5】第三発明の製造方法を示す工程図である。
【図6】第四発明の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…光透過性基板 2…ドライ光硬化性フィルム 3…反射膜又は記録膜 3a…第一の反射膜又は記録膜 3b…第二の反射膜又は記録膜 4…保護膜 5…ピット 5a…第一の情報信号を担持するピット 5b…第二の情報信号を担持するピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笹 直人 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内 (72)発明者 藤森 二郎 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内 (72)発明者 小笠原 清秀 山梨県中巨摩郡田富町西花輪2680番地 パ イオニアビデオ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)少なくとも光透過性基板、前記光
    透過性基板上に積層された透光性のドライ光硬化性フィ
    ルム、及び前記ドライ光硬化性フィルム上に積層された
    反射膜又は記録膜からなり、(2)前記ドライ光硬化性
    フィルムは室温・未硬化状態での粘度が3,500〜4
    00,000ポイズであるとともに未硬化状態での厚さ
    が5〜200μmであり、(3)前記ドライ光硬化性フ
    ィルムの反射膜又は記録膜側表面には情報信号を担持す
    るピット又はグルーブが形成されていることを特徴とす
    る光ディスク。
  2. 【請求項2】 (1)少なくとも光透過性基板、前記光
    透過性基板上に積層され入射した光ビームの一部が透過
    可能な第一の反射膜又は記録膜、前記第一の反射膜又は
    記録膜上に積層された透光性のドライ光硬化性フィル
    ム、及び前記ドライ光硬化性フィルム上に積層された第
    二の反射膜又は記録膜からなり、(2)前記光透過性基
    板と前記第一の反射膜又は記録膜の間には、第一の情報
    信号を担持するピット又はグルーブが形成されており、
    この第一の情報信号を担持するピット又はグルーブは、
    光透過性基板の第一の反射膜又は記録膜側表面に直接形
    成されているか又は光透過性基板と第一の反射膜又は記
    録膜との間に積層された透光性のドライ光硬化性フィル
    ムの第一の反射膜又は記録膜側表面に形成されており、
    (3)前記いずれのドライ光硬化性フィルムも室温・未
    硬化状態での粘度が3,500〜400,000ポイズ
    であるとともに未硬化状態での厚さが5〜200μmで
    あり、(4)前記第一の反射膜又は記録膜上に積層され
    たドライ光硬化性フィルムの第二の反射膜又は記録膜側
    表面には、第二の情報信号を担持するピット又はグルー
    ブが形成されていることを特徴とする光ディスク。
  3. 【請求項3】 光透過性基板上に、室温・未硬化状態で
    の粘度が3,500〜400,000ポイズであるとと
    もに未硬化状態での厚さが5〜200μmである透光性
    のドライ光硬化性フィルムを積層する工程と、前記ドラ
    イ光硬化性フィルムの露出面にスタンパーを重ね合わせ
    て室温下で加圧成形することにより前記ドライ光硬化性
    フィルムの露出面に情報信号を担持するピット又はグル
    ーブを形成する工程と、前記スタンパーを重ね合わせた
    ままの状態で前記ドライ光硬化性フィルムに紫外線を照
    射して該ドライ光硬化性フィルムを硬化させる工程と、
    前記スタンパーをドライ光硬化性フィルムから分離する
    工程と、前記ドライ光硬化性フィルム上に反射膜又は記
    録膜を積層する工程とを有することを特徴とする光ディ
    スクの製造方法。
  4. 【請求項4】 (1)表面に第一の情報信号を担持する
    ピット又はグルーブが形成された光透過性基板を準備す
    る工程と、(2)前記光透過性基板のピット又はグルー
    ブが形成された側の表面に、入射した光ビームの一部が
    透過可能な第一の反射膜又は記録膜を積層する工程と、
    (3)前記第一の反射膜又は記録膜の上に室温・未硬化
    状態での粘度が3,500〜400,000ポイズであ
    るとともに未硬化状態での厚さが5〜200μmである
    透光性のドライ光硬化性フィルムを積層する工程と、前
    記ドライ光硬化性フィルムの露出面にスタンパーを重ね
    合わせて室温下で加圧成形することにより前記ドライ光
    硬化性フィルムの露出面に第二の情報信号を担持するピ
    ット又はグルーブを形成する工程と、前記スタンパーを
    重ね合わせたままの状態で前記ドライ光硬化性フィルム
    に紫外線を照射して該ドライ光硬化性フィルムを硬化さ
    せる工程と、前記スタンパーをドライ光硬化性フィルム
    から分離する工程と、前記ドライ光硬化性フィルム上に
    第二の反射膜又は記録膜を積層する工程とを有すること
    を特徴とする光ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 (1)光透過性基板上に、室温・未硬化
    状態での粘度が3,500〜400,000ポイズであ
    るとともに未硬化状態での厚さが5〜200μmである
    透光性のドライ光硬化性フィルムを積層する工程と、前
    記ドライ光硬化性フィルムの露出面にスタンパーを重ね
    合わせて室温下で加圧成形することにより前記ドライ光
    硬化性フィルムの露出面に第一の情報信号を担持するピ
    ット又はグルーブを形成する工程と、前記スタンパーを
    重ね合わせたままの状態で前記ドライ光硬化性フィルム
    に紫外線を照射して該ドライ光硬化性フィルムを硬化さ
    せる工程と、前記スタンパーをドライ光硬化性フィルム
    から分離する工程と、(2)前記ドライ光硬化性フィル
    ム上に、入射した光ビームの一部が透過可能な第一の反
    射膜又は記録膜を積層する工程と、(3)前記第一の反
    射膜又は記録膜の上に室温・未硬化状態での粘度が3,
    500〜400,000ポイズであるとともに未硬化状
    態での厚さが5〜200μmである透光性のドライ光硬
    化性フィルムを積層する工程と、前記ドライ光硬化性フ
    ィルムの露出面にスタンパーを重ね合わせて室温下で加
    圧成形することにより前記ドライ光硬化性フィルムの露
    出面に第二の情報信号を担持するピット又はグルーブを
    形成する工程と、前記スタンパーを重ね合わせたままの
    状態で前記ドライ光硬化性フィルムに紫外線を照射して
    該ドライ光硬化性フィルムを硬化させる工程と、前記ス
    タンパーをドライ光硬化性フィルムから分離する工程
    と、前記ドライ光硬化性フィルム上に第二の反射膜又は
    記録膜を積層する工程とを有することを特徴とする光デ
    ィスクの製造方法。
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