JPH0733452Y2 - 透明アンテナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は全体として略透明なシート状アンテナに関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来、柔軟でアンテナ機能を具えたシート状の平面アン
テナとしては、種々のものが提案されているが、それら
は唯単にアンテナをシート状の平面に形成したに過ぎな
い。

しかし、アンテナがシート状の平面に形成されただけで
は、従来のフィーダ線を屋内の天井や壁面に平面状に止
めて形成する屋内アンテナと大差はなく、アンテナがあ
ることが一見して判ってしまう。即ち、提案されている
平面アンテナは、柔軟なシート状基材上に金属被膜等に
よる金属色を有する不透明なアンテナパターンが形成さ
れているにすぎないからである。

そのため、透明なフィルム基板上に透明な導電膜をアン
テナパターンに積層して設け、アンテナパターンが目立
たないようにすると共に、全体としての透明性，透視性
を高めたシート状のアンテナが実開昭63-171014号，実
開昭64-30914号において提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕 しかし乍ら、上記提案に係るシート状のアンテナは、透
明導電膜の抵抗値が高いためアンテナとしての性能が満
足されないという問題点がある。

本考案はこのようなシート状の平面アンテナの現状に鑑
み、一見してもアンテナであることが判らず、かつ、ア
ンテナとしての性能も満足し得る透明アンテナを提供す
ることを課題をとしてなされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記の課題を解決することを目的としてなされ
たもので、その構成は、透明乃至は略透明な合成樹脂製
フィルムや板ガラス等のシート状基材の片面又は両面
に、この基材の透視性に近い透視性を実現するため孔径
400〜500μ，線幅80μ程度の多数の微細透孔が面積比で
70〜75％程度の開口率を以て略均一に設けられたアンテ
ナパターンをなす導電性薄層を積層して形成したことを
特徴とするものである。

〔作用〕

本考案アンテナは、透明乃至は略透明であるシート状基
材の面に導電性材料を積層して形成されたアンテナパタ
ーンを、孔径400〜500μ，線幅80μ程度の多数の微細透
孔によってその開口率を面積比で70〜75％程度に高め、
上記基材の透視性に近い透視性を実現しているので、一
見してアンテナであると識別できない。従って、このア
ンテナは、屋内のガラス窓やガラス戸等に貼っても、ガ
ラスの透視性を殆んど損なわない。また、屋内の着色が
施されたり図柄等が描かれている天井や壁等に本考案ア
ンテナを貼設しても、天井や壁等の着彩や模様等が遮蔽
されることもない。更に、アンテナ全体が透明乃至は略
透明であるゆえ、このアンテナ自体に直接印刷等を施し
ても、アンテナパターンが当該印刷の着彩等の邪魔にな
ることも殆んどない。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図に拠り説明する。

第１図は本考案アンテナの一例の部分断面拡大図、第２
図は同じく正面図、第３図は同じく要部の構造を示す部
分拡大斜視図である。

図において、１は厚さが10〜50μ程度の透明乃至は略透
明な合成樹脂フィルムから成る柔軟なシート状基材、２
は該シート状基材１の上面に、アンテナパターンに積層
した導電性薄層で、この導電性薄層２がアンテナとして
機能する。３は前記導電性薄層２にそれと同材料により
接続して形成したリード線、４は出力端子、５は導電性
薄層２を含めたシート状基材１の上面に積層した合成樹
脂フィルム等から成るコート層であり、以上により本考
案アンテナの一例を構成する。

上記のように構成される本考案アンテナは、次に述べる
ような方法によりアンテナパターンの導電性薄層２がシ
ート状基材１の透視性に近い透視性を実現し得るように
製造される。

即ち、シート状基材１に略透明なフィルムシートを用
い、この基材１に、孔径400〜500μ，線幅80μ程度の微
細透孔2aを略均一に有し、この透孔2aによる開口率が面
積比で70〜75％程度となるように不透明な導電性材料に
よってアンテナパターンを形成することにより、略透明
な導電性金属薄層２を設けるのである。

このための方法は、一例として次の通りである。

ほぼ透明なシート状基材１の上面全面に、銀，銅，銀合
金，銅合金，アルミニウム等をスパッタリング，蒸着等
の手段によって薄く積層し、この金属薄層の表面に前記
微細透孔2aと同様の微細透孔の多数を均一に形成した着
色フォトレジスト樹脂フィルムを貼着，積層した後、紫
外線を照射して該樹脂を硬化させ、次いで、前記フォト
レジスト樹脂フィルムの微細透孔を通し金属薄層にエッ
チング加工を施して、この金属薄層に微細透孔を形成す
ると共に当該金属薄層をアンテナパターンに形成し、然
る後に、フォトレジスト樹脂層を除去するのであって、
このようにして得られたものは、上述のものと同じく、
その上に適宜の合成樹脂等から成るコート層５を積層し
て形成するのである。

上記のようにしてアンテナパターンが形成されたシート
状基材１は、その上に適宜の合成樹脂等から成るコート
層５を積層する。

更に、上記の導電性薄層２はシート状基材１の片面にの
み形成したが、本考案は導電性薄層２をシート状基材１
の両面に設けるようにしても良い。

上記のように構成され、製造される本考案透明アンテナ
は、導電性薄層２の出力端子４に電子機器等のアンテナ
用リード線６を接続すれば、FM放送,TV放送等の受信用
など広範なアンテナとして使用できる。

この場合、アンテナリード線６は本考案アンテナと同様
のシート状基材11に導電性薄層22をリード線状に形成し
たものを使用することが望ましい。重量を嵩張らせず、
また外見上も目立ち難くするためである。

〔考案の効果〕

本考案は上述の通りであって、シート状の平面アンテナ
全体が透明乃至は略透明に形成できるから、本考案アン
テナは、屋内のガラス窓やガラス戸等に貼っても、ガラ
スの透視性を殆んど損なわない。また、屋内の着色や図
柄等が描かれた天井や壁等に貼設しても、透明であるた
め天井や壁等の着彩や図柄，模様等をアンテナが遮蔽す
ることもない。更に、アンテナ全体が透明であるゆえ、
このアンテナ自体に直接印刷等を施しても、アンテナパ
ターンが当該印刷の着彩の邪魔になることもないという
固有の諸効果を奏する。しかも、本考案アンテナの製造
は、印刷配線板製造等の技術の一部を応用することによ
り極めて容易且つ高精度に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案アンテナの一例の部分断面拡大図、第２
図は同じく正面図、第３図は同じく要部の構造を示す部
分拡大斜視図である。 １……透明乃至は略透明なシート状基材、２……導電性
薄層、2a……微細透孔、３……リード線、４……出力端
子、５……コート層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透明乃至は略透明な合成樹脂製フィルムや
   板ガラス等のシート状基材の片面又は両面に、この基材
   の透視性に近い透視性を実現するため孔径400〜500μ，
   線幅80μ程度の多数の微細透孔が面積比で70〜75％程度
   の開口率を以て略均一に設けられたアンテナパターンを
   なす導電性薄層を積層して形成したことを特徴とする透
   明アンテナ。