JPH0733429A - Y−b系化合物とその製造方法 - Google Patents
Y−b系化合物とその製造方法Info
- Publication number
- JPH0733429A JPH0733429A JP20451293A JP20451293A JPH0733429A JP H0733429 A JPH0733429 A JP H0733429A JP 20451293 A JP20451293 A JP 20451293A JP 20451293 A JP20451293 A JP 20451293A JP H0733429 A JPH0733429 A JP H0733429A
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- JP
- Japan
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- boron
- yttrium
- ratio
- compound
- mixed
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- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】熱電素子材料、分光素子材料等として有用な、
新しいタイプのY−B系化合物を提供する。 【構成】一般式YB48+X(−8<X<8)で示されるY
−B系化合物で、この化合物の製造に際しては、イット
リュウムに対するホウ素の比を48+X(−8<X<
8)で、かつ酸素とホウ素の比が1となるように、イッ
トリュウム酸化物にホウ素を混合し、その混合物を真空
下または不活性ガス下で温度1400℃以上1750℃以下に加
熱するか、または、イットリュウムに対するホウ素の比
が48+X(−8<X<8)となるように、イットリュ
ウム低ホウ化物にホウ素を混合し、その混合物を真空下
または不活性ガス下で温度1400℃以上1750℃以下に加熱
する。
新しいタイプのY−B系化合物を提供する。 【構成】一般式YB48+X(−8<X<8)で示されるY
−B系化合物で、この化合物の製造に際しては、イット
リュウムに対するホウ素の比を48+X(−8<X<
8)で、かつ酸素とホウ素の比が1となるように、イッ
トリュウム酸化物にホウ素を混合し、その混合物を真空
下または不活性ガス下で温度1400℃以上1750℃以下に加
熱するか、または、イットリュウムに対するホウ素の比
が48+X(−8<X<8)となるように、イットリュ
ウム低ホウ化物にホウ素を混合し、その混合物を真空下
または不活性ガス下で温度1400℃以上1750℃以下に加熱
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Y−B系化合物とそ
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この
発明は、熱電素子材料、分光素子材料等に利用可能な新
しいタイプのY−B系化合物とその製造方法に関するも
のである。
の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この
発明は、熱電素子材料、分光素子材料等に利用可能な新
しいタイプのY−B系化合物とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、機械材料や電気電
子材料などについては、高機能を有する新規材料の研究
開発が盛んに行なわれており、酸化物系材料の他、非酸
化物系の材料の探索も進められてきている。この非酸化
物系材料の一つとして、たとえばY−B系の化合物が知
られており、このY−B系化合物としてはYB12および
YB66がこれまでに提供されている。
子材料などについては、高機能を有する新規材料の研究
開発が盛んに行なわれており、酸化物系材料の他、非酸
化物系の材料の探索も進められてきている。この非酸化
物系材料の一つとして、たとえばY−B系の化合物が知
られており、このY−B系化合物としてはYB12および
YB66がこれまでに提供されている。
【0003】しかしながら、機械材料や電気電子材料な
どについては、さらに良好な性能を有する材料の開発が
望まれており、これまでにはない全くの新しいタイプの
材料の創製と、それを再現性よく、しかも簡便かつ容易
に製造することのできる製造技術の確立が期待されてい
る状況にある。この発明は、以上の通りの事情に鑑みて
なされたものであり、従来知られていない全く新しい組
成を有し、熱電素子材料、分光素子材料等に利用可能な
Y−B系化合物とその製造方法を提供することを目的と
している。
どについては、さらに良好な性能を有する材料の開発が
望まれており、これまでにはない全くの新しいタイプの
材料の創製と、それを再現性よく、しかも簡便かつ容易
に製造することのできる製造技術の確立が期待されてい
る状況にある。この発明は、以上の通りの事情に鑑みて
なされたものであり、従来知られていない全く新しい組
成を有し、熱電素子材料、分光素子材料等に利用可能な
Y−B系化合物とその製造方法を提供することを目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の課題を
解決するものとして、一般式YB48+X(−8<X<8)
で示されてなることを特徴とするY−B系化合物を提供
する。またこの発明は、イットリュウムに対するホウ素
の比が48+X(−8<X<8)で、かつ酸素とホウ素
の比が1となるように、イットリュウム酸化物にホウ素
を混合し、その混合物を真空下または不活性ガス下で温
度1400℃以上1750℃以下に加熱することを特徴とする一
般式YB48+X(−8<X<8)で示されるY−B系化合
物の製造方法を提供するものでもある。
解決するものとして、一般式YB48+X(−8<X<8)
で示されてなることを特徴とするY−B系化合物を提供
する。またこの発明は、イットリュウムに対するホウ素
の比が48+X(−8<X<8)で、かつ酸素とホウ素
の比が1となるように、イットリュウム酸化物にホウ素
を混合し、その混合物を真空下または不活性ガス下で温
度1400℃以上1750℃以下に加熱することを特徴とする一
般式YB48+X(−8<X<8)で示されるY−B系化合
物の製造方法を提供するものでもある。
【0005】さらにまたこの発明は、イットリュウムに
対するホウ素の比が48+X(−8<X<8)となるよ
うに、イットリュウム低ホウ化物にホウ素を混合し、そ
の混合物を真空下または不活性ガス下で温度1400℃以上
1750℃以下に加熱することを特徴とする一般式YB48+X
(−8<X<8)で示されるY−B系化合物の製造方法
をも提供する。
対するホウ素の比が48+X(−8<X<8)となるよ
うに、イットリュウム低ホウ化物にホウ素を混合し、そ
の混合物を真空下または不活性ガス下で温度1400℃以上
1750℃以下に加熱することを特徴とする一般式YB48+X
(−8<X<8)で示されるY−B系化合物の製造方法
をも提供する。
【0006】
【作用】この発明のY−B系化合物は、従来から一般的
に知られているYB12およびYB66のY−B系の化合物
の中間の組成を有している。この化合物の安定存在組成
領域は、その組成を一般式で示すと、YB48+X(−8<
X<8)であり、格子定数a=1.663nm ,b=1.762nm
,c=0.9480nmを持つ斜方晶系の結晶構造を有しても
いる。その代表組成の化合物は、Xが0のYB48であ
る。このYB48で示される化合物の面指数hk1 、面間隔
d(nm)および粉末X線回折の相対強度I/Il(%) は
以下の表1および表2に示す通りである。なお、表1お
よび表2中のdcalcは計算値を、また、dobs は観測値
を示している。
に知られているYB12およびYB66のY−B系の化合物
の中間の組成を有している。この化合物の安定存在組成
領域は、その組成を一般式で示すと、YB48+X(−8<
X<8)であり、格子定数a=1.663nm ,b=1.762nm
,c=0.9480nmを持つ斜方晶系の結晶構造を有しても
いる。その代表組成の化合物は、Xが0のYB48であ
る。このYB48で示される化合物の面指数hk1 、面間隔
d(nm)および粉末X線回折の相対強度I/Il(%) は
以下の表1および表2に示す通りである。なお、表1お
よび表2中のdcalcは計算値を、また、dobs は観測値
を示している。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】また、この発明の一般式YB48+X(−8<
X<8)で示されるY−B系化合物は半導体であり、高
いゼーベック係数を持つ。このため、熱電素子材料とし
ての利用が期待される。また、上記の通り、格子定数が
大きいことから、軟X線分光素子材料としてきわめて有
用である。この一般式YB48+Xで示されるY−B系化合
物を製造するための方法としては、前記の2種類の方法
があるが、これらいずれの方法においても、イットリュ
ウムに対するホウ素の比を40より大きく、しかも56
より小さくする必要がある。イットリュウムに対するホ
ウ素の比が40より小さいと、反応生成物中に低ホウ化
物であるYB12などが不純物として混在してしまう。一
方、イットリュウムに対するホウ素の比が56を超える
場合には、反応生成物中にYB66が不純物として混在す
るようになる。このため、イットリュウムに対するホウ
素の比は、48+x(−8<X<8)とする。
X<8)で示されるY−B系化合物は半導体であり、高
いゼーベック係数を持つ。このため、熱電素子材料とし
ての利用が期待される。また、上記の通り、格子定数が
大きいことから、軟X線分光素子材料としてきわめて有
用である。この一般式YB48+Xで示されるY−B系化合
物を製造するための方法としては、前記の2種類の方法
があるが、これらいずれの方法においても、イットリュ
ウムに対するホウ素の比を40より大きく、しかも56
より小さくする必要がある。イットリュウムに対するホ
ウ素の比が40より小さいと、反応生成物中に低ホウ化
物であるYB12などが不純物として混在してしまう。一
方、イットリュウムに対するホウ素の比が56を超える
場合には、反応生成物中にYB66が不純物として混在す
るようになる。このため、イットリュウムに対するホウ
素の比は、48+x(−8<X<8)とする。
【0010】また、イットリュウム酸化物またはイット
リュウムホウ化物とホウ素とを上記の通りの所定割合に
混合した混合物を加熱する際には、1400℃以上1750℃以
下の温度で、かつ真空下または不活性ガス下で行なうこ
とが必要である。1400℃より低いと、反応速度が遅くな
り、事実上、Y−B系化合物の製造が困難となる。一
方、1750℃より高いと、YB48+Xの相が分解を始め、Y
B12,YB66等の他のY−B系化合物が反応生成物中に
不純物として混在することになる。
リュウムホウ化物とホウ素とを上記の通りの所定割合に
混合した混合物を加熱する際には、1400℃以上1750℃以
下の温度で、かつ真空下または不活性ガス下で行なうこ
とが必要である。1400℃より低いと、反応速度が遅くな
り、事実上、Y−B系化合物の製造が困難となる。一
方、1750℃より高いと、YB48+Xの相が分解を始め、Y
B12,YB66等の他のY−B系化合物が反応生成物中に
不純物として混在することになる。
【0011】以下実施例を示し、さらにこの発明につい
て詳しく説明する。
て詳しく説明する。
【0012】
【実施例】Y2 O3 とBを、Yに対するBの比が50
で、かつOに対するBの比が1となる割合で混合し、こ
れを加圧成形したものを真空中、1700℃で1時間加熱
し、YB48+X(X=2)を合成した。化学分析による測
定では、[B]/[Y]=48.9となり、YB48+X(X=
0.9 )のほぼ所望の組成と近似する新たなY−B系化合
物を得たことが確認された。
で、かつOに対するBの比が1となる割合で混合し、こ
れを加圧成形したものを真空中、1700℃で1時間加熱
し、YB48+X(X=2)を合成した。化学分析による測
定では、[B]/[Y]=48.9となり、YB48+X(X=
0.9 )のほぼ所望の組成と近似する新たなY−B系化合
物を得たことが確認された。
【0013】そして、粉末X線回折、透過電子線回折お
よび光学顕微鏡観察により、得られた化合物中にYB12
およびYB66の相が混在していないことが確認された。
回折パターンは、前記の表1に示したa=1.663nm ,b
=1.762nm ,c=0.9480nmの斜方晶系で指数付けするこ
とができた。もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されることはない。細部については様々な態様が可能
であることは言うまでもない。
よび光学顕微鏡観察により、得られた化合物中にYB12
およびYB66の相が混在していないことが確認された。
回折パターンは、前記の表1に示したa=1.663nm ,b
=1.762nm ,c=0.9480nmの斜方晶系で指数付けするこ
とができた。もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されることはない。細部については様々な態様が可能
であることは言うまでもない。
【0014】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、いままでには存在しなかった、全く新しいタイプ
の、一般式YB48+X(−8<X<8)で示されるY−B
系化合物が提供される。熱電素子材料、分光素子材料等
としての応用展開がきわめて有望視される。
って、いままでには存在しなかった、全く新しいタイプ
の、一般式YB48+X(−8<X<8)で示されるY−B
系化合物が提供される。熱電素子材料、分光素子材料等
としての応用展開がきわめて有望視される。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式YB48+X(−8<X<8)で示さ
れてなることを特徴とするY−B系化合物。 - 【請求項2】 イットリュウムに対するホウ素の比が4
8+X (−8<X<8)で、かつ酸素とホウ素の比が1
となるように、イットリュウム酸化物にホウ素を混合
し、その混合物を真空下または不活性ガス下で温度1400
℃以上1750℃以下に加熱することを特徴とする一般式Y
B48+X(−8<X<8)で示されるY−B系化合物の製
造方法。 - 【請求項3】 イットリュウムに対するホウ素の比が4
8+X(−8<X<8)となるように、イットリュウム
低ホウ化物にホウ素を混合し、その化合物を真空下また
は不活性ガス下で温度1400℃以上1750℃以下に加熱する
ことを特徴とする一般式YB48+X(−8<X<8)で示
されるY−B系化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20451293A JPH0818818B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | Y−b系化合物とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20451293A JPH0818818B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | Y−b系化合物とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733429A true JPH0733429A (ja) | 1995-02-03 |
JPH0818818B2 JPH0818818B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=16491761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20451293A Expired - Lifetime JPH0818818B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | Y−b系化合物とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0818818B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8252419B2 (en) | 1998-08-13 | 2012-08-28 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Adhesive for bonding circuit members, circuit board and process for its production |
-
1993
- 1993-07-27 JP JP20451293A patent/JPH0818818B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8273458B2 (en) | 1997-02-14 | 2012-09-25 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Adhesive for bonding circuit members, circuit board and process for its production |
US8252419B2 (en) | 1998-08-13 | 2012-08-28 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Adhesive for bonding circuit members, circuit board and process for its production |
US8273457B2 (en) | 1998-08-13 | 2012-09-25 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Adhesive for bonding circuit members, circuit board and process for its production |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0818818B2 (ja) | 1996-02-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |