JPH0733415B2 - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物

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JPH0733415B2
JPH0733415B2 JP1245489A JP24548989A JPH0733415B2 JP H0733415 B2 JPH0733415 B2 JP H0733415B2 JP 1245489 A JP1245489 A JP 1245489A JP 24548989 A JP24548989 A JP 24548989A JP H0733415 B2 JPH0733415 B2 JP H0733415B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子部品(半導体または半導体素子も含
む。以下同様)等におけるポッティング,コーティング
等に適用され、封止、接着などに用いられる光硬化性樹
脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
プリント配線板や混成集積回路、IC等の電子部品やその
他の小型部品等を物理的,化学的に保護し、かつ固定,
固着するため、光硬化性樹脂組成物を用いてそれらのポ
ッティングやコーティング等が行われている。また、レ
ンズなどに使われるガラス等の透明材料を面接着(ボン
ディング)したりするのにも、光硬化性樹脂組成物が用
いられている。
光硬化性樹脂組成物として、エポキシアクリレート系、
不飽和ポリエステル系あるいはポリエステルアクリレー
ト系樹脂等を用いたものが提案されている。光硬化性樹
脂は、硬化に加熱を必要とせず、一液性で取り扱いが容
易であり、しかも、熱硬化性のものよりも短時間あるい
ははるかに短時間で硬化が完了しうるという利点を有す
る。
これまで提案されている光硬化性樹脂は、金属やセラミ
ックなどに対する接着力が不足していたり、応力が大き
いためクラックや剥離が発生しやすかったりするという
問題点を有する。
そこで、発明者は、接着力を向上させたり、クラックの
発生を低減したりするために、可撓性を有するポリブタ
ジエン系樹脂を主剤とする光硬化性樹脂組成物を提案し
た(特願昭62−72332号、特願昭62−72350号、特願昭62
−176325号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、発明者のその後の研究によれば、これらの光硬
化性樹脂組成物はポリブタジエンアクリレートをベース
としているため、ヒートサイクルの高温側の温度が高い
と(たとえば150℃であると)、硬化物表面の空気酸化
がすすんで弾性率が上昇し、結果的にクラックが発生す
るということがわかった。
このような事情に鑑み、この発明は、金属やセラミック
ス等の無機材料に対する密着性に優れ、かつ、低モジュ
ラスであり、ヒートサイクルの高温側の温度が高くても
ヒートサイクル性の良好な硬化物を生成することのでき
る光硬化性樹脂組成物を提供することを第1の課題とす
る。
また、前記従来の光硬化性樹脂組成物は、樹脂が高分子
であるため、架橋度が熱硬化エポキシ系樹脂等にくらべ
るとやや低くなり、その結果、透湿度が高くなり、耐湿
寿命が劣る場合があった。
そこで、この発明は、金属やセラミックス等の無機材料
に対する密着性に優れ、かつ、低モジュラスで、ヒート
サイクル性が良好で、さらに、耐湿性も良好な硬化物を
生成することのできる光硬化性樹脂組成物を提供するこ
とを第2の課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1の課題を解決するため、この発明にかかる
(a)光ラジカル重合可能な重合性官能基を分子末端に
有する、水素添加されたポリブタジエン系樹脂と、
(b)ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートおよ
びイソボルニル(メタ)アクリレートからなる群から選
ばれる少なくとも1つの(メタ)アクリレート(以下、
「反応性化合物A」と言うことがある)と、(c)光重
合開始剤とを含む。
上記第2の課題を解決するため、この発明にかかる光硬
化性樹脂組成物は、(a)光ラジカル重合可能な重合性
官能基を分子末端に有する、水素添加されたポリブタジ
エン系樹脂と、(b)反応性化合物Aと、(c)光重合
開始剤と、(d)タルクフィラーとを含む。
この発明に用いられる光硬化性の水素 たポリブタジエン系樹脂(以下、単に「ポリブタジエン
系樹脂」と言う)としては、分子末端に光ラジカル重合
が可能であるような重合性官能基を有するテレケリック
型のものが用いられる。特に限定はされないが、分子末
端が(メタ)アクリロイル基,ビニル基,スチリル基等
であり、水素添加される前の基本骨格が1,2−または1,4
−ポリブタジエン樹脂等であるものが用いられる。たと
えば、下式で表される、水素添加された末端アクリル変
性ポリブタジエン樹脂が挙げられる。
ポリブタジエン系樹脂の分子量は、特に限定はされない
が、500〜5000程度であることが好ましい。分子量が500
未満であると、硬化物の機械的特性が劣る恐れがあり、
他方、5000を越えると、光硬化性樹脂組成物の粘度が高
くなりすぎて、成形性や作業性に問題が生じる傾向がみ
られる。
さらに、上記ポリブタジエン系樹脂にラジカル重合が可
能な重合性末端基を有する反応性化合物が、同ポリブタ
ジエン系樹脂以外のその他の反応性化合物として配合さ
れる。この、その他の反応性化合物としては、反応性化
合物Aだけが使用されたり、または、この反応性化合物
Aと、それ以外の反応性化合物(分子中にジシクロペン
テニル基もイソボルニル基も有しない反応性化合物。以
下、これを「反応性化合物B」と言う)とが併用された
りする。
反応性化合物Aとしては、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート: ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレー
ト: イソボルニル(メタ)アクリレート: をそれぞれ単独でまたは複数併せて用いることができ
る。
反応性化合物Bとしては、特に限定されないが、たとえ
ば、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の反応
性モノマー、および、ポリブタジエン系樹脂と相溶性の
ある変性ポリブタジエンアクリレート、変性エポキシア
クリレート等の反応性オリゴマーが挙げられ、これらを
単独で、あるいは複数種を併せて使用できる。ここで、
モノマーは単官能性であっても多官能性であっても構わ
ない。また、反応性モノマーとオリゴマーとを併用する
ことも可能である。
光重合(硬化)開始剤としては、光照射により分解して
ラジカルを生成する一般的な開始剤が使用され、たとえ
ば、ベンジル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、2,2−ジエトキシ
アセトフェノン、2,2−ジブトキシアセトフェノン、2,2
−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−イソ
プロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒ
ドロキシイソブチルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、2−メチルチオキサントン等が
挙げられるが、例示化合物に限定されることはない。こ
れらは、単独で、あるいは複数種を併せて用いられる。
上記光重合開始剤と共に、ジ−n−ブチルアミン、n−
ブチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラ
ミン等の増感剤を使用することもできる。
上記ポリブタジエン系樹脂,その他の反応性化合物,光
重合開始剤のそれぞれの配合量は、特に限定はされな
い。ポリブタジエン系樹脂100重量部に対してその他の
反応性化合物を20〜230重量部の割合で配合することが
好ましい。その他の反応性化合物の配合量が、上記範囲
を越えると、硬化物に脆さが出てクラックが発生する恐
れがあり、上記範囲に満たない場合は、粘度が高くなり
すぎて作業性に支障をきたす傾向がみられる。なお、そ
の他の反応性化合物が反応性化合物Aおよび反応性化合
物Bを含む場合には、その他の反応性化合物全体中に占
める反応性化合物Aの重量割合が1/4以上であることが
好ましい。反応性化合物Aの割合が1/4未満であると、
この発明における効果が充分に発揮されず、密着性に問
題を残すおそれがある。
また、反応性化合物(ポリブタジエン系樹脂も含む)10
0重量部に対し、光重合開始剤を0.1〜15重量部配合する
ことが好ましい。光重合開始剤の添加量が上記範囲を越
えると、揮発分が増えること等により耐湿信頼性等に問
題を生じる恐れがあり、上記範囲に満たない場合は、反
応を充分に開始させることができず、未硬化に終わる傾
向がみられるため、好ましくない。
この発明にかかる光硬化性樹脂組成物は、この発明の目
的に反しない限りで、また、得ようとする作用効果を阻
害しない量の範囲内で、必要に応じて各種添加剤を含む
ことができる。そのような添加剤としては、たとえば、
酸化アルミニウム類,酸化ケイ素類,炭酸カルシウム,
酸化マグネシウム類等の充填材、過酸化物,アゾ化合物
等の熱重合開始材,消泡剤や陽イオン性,陰イオン性,
非イオン性の各界面活性剤、チクソトロピー剤、カップ
リング剤、アンチモン類やブロム化合物等の難燃剤、無
機,有機顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
この発明の光硬化性樹脂組成物には、充填材として、タ
ルクフィラー(以下、これを「充填材A」と言う)が配
合されていてもよい。充填材Aとしては、特に限定はさ
れないが、たとえば、一般式: 3MgO・4SiO2・H2O で表され、望ましくは純度的に95℃で15時間のイオン交
換水抽出(被抽出物10wt%)にて、電気伝導度が350μs
/cm以下が好ましい。350μs/cmを越える充填材Aは耐湿
信頼性を低下させる危険がある。また、充填材Aの添加
量は、特に限定はないが望ましくは、全体配合重量パー
セントで5wt%〜75wt%の範囲が好ましい。5wt%未満だ
と、充填材Aの添加効果が現れず、また、75wt%を越え
ると、粘度が高くて作業性が極めて悪くなることがあ
る。また、充填材として、他のフィラー(以下、これを
「充填材B」と言う)、たとえば、シリカ、アルミナ、
水和アルミナ等を充填材Aと併用することも可能であ
る。ただし、この併用の場合も、充填材Aと同様に電気
伝導度(抽出条件は上記と同じ)は350μs/cm以下が好
ましい。また、添加量も同様に充填材Aと充填材Bとを
合わせた配合量が、配合全体の5〜75wt%の範囲内であ
ることが好ましい。また、タルクフィラーは平均粒径1
〜30μmが好ましい。
なお、後述するタルクフィラーの作用・効果と同様の作
用・効果をもたらす形状・材質の充填材であれば、タル
クフィラーの代わりに用いることができる。
この発明の光硬化性樹脂組成物は、必須成分および必要
に応じて添加される任意成分が、使用時に全部混合され
ればよく、流通時や貯蔵時などには混合されている必要
はない。この発明の光硬化性樹脂組成物は、混合された
時に液状であり、塗布や注型等により電子部品等の封止
を行うことができる。封止材として、基材表面に直接塗
布または注型された光硬化性樹脂組成物は、その状態で
紫外線等の光照射を受けることにより、数秒から数十秒
程度の短時間内で硬化しうる。また、この発明の光硬化
性樹脂組成物の用途は、金属,ガラス,セラミックなど
の無機材料等を接着面とする電子部品などの封止、金属
板等のコート、金属等との接着など種々可能である。
この発明の光硬化性樹脂組成物は、水素添加型ポリブタ
ジエン系樹脂と反応性化合物Aを含んでいることによ
り、その硬化物と、鉄や亜鉛などの金属、および、ガラ
ス,セラミックなどの金属酸化物との接着性が向上して
おり、密着性に優れている。また、耐ヒートサイクル
性、耐湿性に優れた低モジュラスな硬化物を生成しう
る。また、タルクフィラーの配合により、耐湿性がさら
に格段すぐれた硬化物を生成しうる。
〔作用〕
この発明の光硬化性樹脂組成物は、ポリブタジエン系樹
脂をベースレジンとしているため、封止等に用いられる
樹脂として必要な、低モジュラスで適度な可撓性を有し
ている。したがって、封止される電子部品等の被塗物
(基材)と樹脂との間に伸縮等による寸法変化が生じて
も、この変化を樹脂の可撓性に吸収させて、樹脂中にお
けるクラック等の発生を防止することができる。
前記ポリブタジエン系樹脂が水素添加されていることに
より、分子構造中の不飽和結合(C=C)の一部または
全部が飽和されており、硬化物表面の空気酸化が抑えら
れる。その結果、ヒートサイクル時に高温側の温度が高
くても、硬化物の弾性率の増大が防がれ、クラックの発
生が抑制される。
さらに、光硬化性樹脂組成物に配合されている反応性化
合物A、すなわち、分子中に少なくとも1個のジシクロ
ペンテニル基および/またはイソボルニル基を有する反
応性化合物は、一般に、非常に硬化収縮の小さいもので
あり、セラミックや金属などとのなじみ(ぬれ性)が良
好であるため、この発明の光硬化性樹脂組成物の被塗物
への接着性を向上させることができる。この接着性は、
ヒートサイクルテスト後においても、低下することはな
い。
さらに、充填材として、光硬化性樹脂組成物に充填材
A、すなわち、タルクフィラーが配合されていると、タ
ルクフィラーがりんぺん(鱗片)状の形状をもつため、
ポリブタジエン系樹脂が有しているところの、高分子で
あるがために架橋密度が粗になり、透湿度が高くなると
いう欠点をカバーし、被塗物の耐湿信頼性を向上するこ
とができる。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の具体的な実施例について、比較例と
併せて説明するが、この発明は下記の具体的実施例に限
定されない。
−実施例1〜4− 光硬化性樹脂としてアクリル変性水素添加ポリブタジエ
ン樹脂(日本曹達(株)製TEAI−3000、分子量が500〜5
000の範囲内にあるもの)を、反応性化合物Aとしてイ
ソボルニルアクリレートまたはジシクロペンテニルアク
リレートを、反応性化合物Bとしてフェニルジエチレン
グリコールメタクリレートを、光重合開始剤としてα−
ヒドロキシイソブチルフェノン(メルク・ジャパン
(株)取扱いダロキュア1173)をそれぞれ用い、第1表
に示した割合で混合して光硬化性樹脂組成物を調製し
た。
−比較例1− 光硬化性樹脂として、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂の代わりに水素添加されていないアクリル変性ポリ
ブタジエン樹脂(日本曹達(株)性TE−2000)を用いた
こと以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物
を調製した。
−比較例2− 光硬化性樹脂として、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂の代わりに水素添加されていないアクリル変性ポリ
ブタジエン樹脂(日本曹達(株)製TE−2000)を用いた
こと以外は、実施例3と同様にして光硬化性樹脂組成物
を調製した。
−比較例3− 光硬化性樹脂として、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂の代わりに水素添加されていないアクリル変性ポリ
ブタジエン樹脂(日本曹達(株)製TE−2000)を用いた
こと以外は、実施例4と同様にして光硬化性樹脂組成物
を調製した。
−比較例4− 光硬化性樹脂として、ポリブタジエン系樹脂の代わりに
エポキシアクリレート(大日本インキ化学工業(株)製
UE−8200)を用いるようにする他は、上記実施例1と同
様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
−比較例5− 光硬化性樹脂として、ポリブタジエン系樹脂の代わりに
エポキシアクリレート(大日本インキ化学工業(株)製
UE−8200)を用いるようにする他は、上記実施例4と同
様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
−比較例6− その他の反応性化合物として、反応性化合物Aを用いず
に、反応性化合物Bのみを用いるようにする他は、上記
実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
上記実施例および比較例の光硬化性樹脂組成物を、セラ
ミック板上に厚み約0.8〜1.0mmとなるように塗布し、2k
Wメタルハライドランプを使用した紫外線照射機を用い
て約2000mJ/cm2,ランプ高さ15cmの条件で紫外線照射す
ることにより、光硬化させた。
得られた各硬化塗膜について、JIS K 5400に基づく碁盤
目剥離試験を行い、全ます目数(100)に対する剥がれ
の生じなかったます目数の割合から、塗膜の密着性を評
価した。他方、マイナス65℃/30分間→プラス150℃/30
分間(気相)を1サイクルとするヒートサイクルテスト
を行い、100サイクル後の塗膜外観を観察し、異常なし
(○)か、剥離発生(△)か、クラック発生(×)かを
調べた。
以上の結果を同じく第1表に示す。
第1表にみるように、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂および反応性化合物Aを含んだ実施例の硬化塗膜
は、剥離およびクラックの発生しない優れた性能を有し
ており、たとえばこの実施例の光硬化性樹脂組成物を封
止樹脂や接着樹脂として用いた場合、必要とされる機能
を充分に果たしうることを示している。
他方、比較例では、水素添加されていないポリブタジエ
ン系樹脂をベースレジンとしているものでは、表面酸化
による弾性率増大のためにクラックが発生している。ま
た、エポキシアクリレートをベースレジンとしているも
のでは、可撓性に欠けるためにクラックが発生してい
る。反応性化合物Aを含まないものでは密着性が劣るた
め、剥離が発生している。
つぎに、請求項2記載の発明にかかる光硬化性樹脂組成
物の実施例および比較例を示す。
−実施例5〜10− 光硬化性樹脂としてアクリル変性水素添加1,2−ポリブ
タジエン樹脂(平均分子量約3000)を、反応性化合物A
としてイソボルニルアクリレートまたはジシクロペンテ
ニルアクリレートを、反応性化合物Bとしてトリブロモ
ジエチレングリコールメタクリレートを、充填材Aとし
て、平均粒径9μm、抽出電気伝導度100μs/cmのタル
クI、または、平均粒径5μm、抽出電気伝導度150μs
/cmのタルクIIを、また、充填材Bとして平均粒径6.4μ
m、抽出電気伝導度5μs/cmの溶融シリカを、光重合開
始剤としてα−ヒドロキシイソブチルフェノンを、カッ
プリング剤としてビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シランをそれぞれ用い、第2表に示した割合で混合
して光硬化性樹脂組成物を調製した。
−比較例7− 充填材として充填材Aを用いずに、充填材Bのみを単独
で用いるようにする他は実施例5と同様にして光硬化性
樹脂組成物を調製した。
−比較例8− その他の反応性化合物として、反応性化合物Aを用いず
に反応性化合物Bのみを単独で用いるようにする他は実
施例8と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製した。
−比較例9− 充填材として充填材Aを用いずに、充填材Bのみを単独
で用いるようにする他は実施例6と同様にして光硬化性
樹脂組成物を調製した。
−比較例10− 光硬化性樹脂として、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂の代わりに、水素添加されていないアクリル変性1,
2−ポリブタジエン樹脂(平均分子量約2000)を用いた
こと以外は実施例5と同様にして光硬化性樹脂組成物を
調製した。
−比較例11− 光硬化性樹脂として、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂の代わりに、水素添加されていないアクリル変性1,
2−ポリブタジエン樹脂(平均分子量約2000)を用いた
こと以外は実施例9と同様にして光硬化性樹脂組成物を
調製した。
−比較例12− 光硬化性樹脂として、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂の代わりに、水素添加されていないアクリル変性1,
2−ポリブタジエン樹脂(平均分子量約2000)を用いた
こと以外は実施例10と同様にして光硬化性樹脂組成物を
調製した。
−比較例13− 光硬化性樹脂として、ポリブタジエン系樹脂の代わり
に、ビスフェノールA型エポキシのアクリレート(ベー
スエポキシ樹脂:油化シェルエポキシ(株)製のエピコ
ート828型)を用いるようにする他は実施例6と同様に
して光硬化性樹脂組成物を調製した。
上記実施例5〜10および比較例7〜13の光硬化性樹脂組
成物を、第1図に示す標準アルミパターン素子(パッシ
ベーションなし、ベース基板2:アルミナ)1上に厚みが
約3mm、直径が約10mmとなるように塗布し、2kWメタルハ
ライドランプを使用した紫外線照射機を用いて、約5000
mJ/cm2、ランプ高さ15cmの条件で紫外線照射することに
より、光硬化させた。第1図中、3は線幅5μm、線間
5μmの配線パターン、4は線幅10μm、線間10μmの
配線パターン、5は電極パッドである。
このようにして樹脂封止したものを2気圧、121℃のPCT
(プレッシャー・クッカー・テスト)にかけ、50時間処
理ごとに取り出し、線幅5μm部のアルミ断線不良の有
無を最終300時間まで調べた。
他方では、同様に封止したものに上述のヒートサイクル
テスト(気相)を行い、25サイクルごとに取り出し、線
幅5μm部のアルミ断線不良の有無とクラック等の外観
観察を最終100サイクルまで調べた。
また、同様に封止したものに上述の碁盤目剥離試験を行
い、上記と同様にして塗膜の密着性を評価した。
以上の結果を第2表に示した。また、第2表には、光硬
化性樹脂組成物の配合も示した。
第2表にみるように、水素添加されたポリブタジエン系
樹脂、反応性化合物Aおよび充填材Aを含んだ実施例の
硬化塗膜は、耐湿保護にすぐれ、かつ、クラックの発生
しないすぐれた性能を有しており、たとえば、この実施
例の光硬化性樹脂組成物を封止樹脂や接着樹脂として用
いた場合、必要とされる機能を充分にはたしていること
を示している。
〔発明の効果〕
請求項1記載の発明にかかる光硬化性樹脂組成物は以上
に述べたように、ポリブタジエン系樹脂が水素添加され
たものであるので、その硬化物は基材との密着性に優
れ、しかも、低モジュラスであり、ヒートサイクルの高
温側の温度が高くてもヒートサイクル性に優れたものと
なりうる。
請求項2記載の発明にかかる光硬化性樹脂組成物は以上
に述べたように、ポリブタジエン系樹脂が水素添加され
たものであり、しかも、充填材としてタルクフィラーを
含んでいるので、その硬化物は基材との密着性と耐湿保
護の特性に優れ、しかも、低モジュラスであり、ヒート
サイクルの高温側の温度が高くてもヒートサイクル性に
優れたものとなりうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、請求項2の発明の実施例および比較例の特性
を調べるのに用いた標準アルミパターン素子の配線パタ
ーン図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)光ラジカル重合可能な重合性官能基
    を分子末端に有する、水素添加されたポリブタジエン系
    樹脂と、(b)ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
    ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ
    ートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートからなる
    群から選ばれる少なくとも1つの(メタ)アクリレート
    と、(c)光重合開始剤とを含む、光硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(a)光ラジカル重合可能な重合性官能基
    を分子末端に有する、水素添加されたポリブタジエン系
    樹脂と、(b)ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
    ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ
    ートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートからなる
    群から選ばれる少なくとも1つの(メタ)アクリレート
    と、(c)光重合開始剤と、(d)タルクフィラーとを
    含む、光硬化性樹脂組成物。
JP1245489A 1988-09-24 1989-09-21 光硬化性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0733415B2 (ja)

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