JPH0733413B2 - ナフサ油の重合成分を利用した共重合体およびその製造方法と用途 - Google Patents

ナフサ油の重合成分を利用した共重合体およびその製造方法と用途

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JPH0733413B2
JPH0733413B2 JP1186907A JP18690789A JPH0733413B2 JP H0733413 B2 JPH0733413 B2 JP H0733413B2 JP 1186907 A JP1186907 A JP 1186907A JP 18690789 A JP18690789 A JP 18690789A JP H0733413 B2 JPH0733413 B2 JP H0733413B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、インデンを主成分とする反応性二重結合を有
するナフサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合
体およびその製造方法に関する。また、本発明はこの共
重合体のエステル化物およびその製造方法に関する。
また、本発明はこの共重合体の水溶性塩、および該共重
合体の部分エステル化物の水溶性塩からなる分散剤とこ
れを用いた泥水安定剤に関する。
<従来の技術> 反応性の二重結合を有するモノマー(単量体)と無水マ
レイン酸との共重合体およびその製造方法については、
数多くの技術が開示されている。たとえば、スチレンと
無水マレイン酸との共重合体の製造技術については特開
昭60−206808号、特公昭48−43664号、特開昭62−19740
6号などがしめされており重量平均分子量10,000以下の
スチレン−無水マレイン酸共重合体の製造方法、ジアル
キルアニリンをスチレン−無水マレイン酸共重合体の重
合系に加えることにより、分子量分布を規制する技術、
さらに、スチレンと無水マレイン酸のモノマーの混合物
の反応系への添加速度、反応温度、重合開始剤濃度間の
関係を明らかにした技術について開示している。
特開昭60−206808号では、ケトン系の溶媒を用いるスチ
レンと無水マレイン酸との共重合体について述べられて
いる。この製造方法によれば、生成物である共重合体が
容器壁や攪拌翼に付着することなく、安定した操作が行
えるうえ、高収率で共重合体が生産できるが、この共重
合体は使用した溶媒に極めてよく溶解するため、共重合
体の分離回収にはこの共重合体を殆ど溶解しない溶媒
(貧溶媒)に反応後の溶液を投入し、沈殿物として回収
するなどの処理が必要である。
特公昭62−3165号では、置換アルキル−α−メチルスチ
レンを含有するスチレン類とマレイン酸類をラジカル重
合触媒の非存在下、無溶媒で反応を行い、スチレン類と
マレイン酸類との共重合体を製造している。この方法に
よれば、無溶媒下で反応を行っているため、得られる共
重合体は反応釜、攪拌翼に付着するため、取り出しにく
い欠点があり、工業的生産には使用できない。
また、特公昭56−34006号、特公昭61−60084号、特開昭
54−71136号などではブテン、ブタジエン、イソプレン
など炭素数が4個から6個のアルケン類あるいはジエン
類と無水マレイン酸との共重合体の製造方法について開
示している。このように、鎖状のジエン、アルケン等の
炭化水素あるいはスチレン、メチルスチレンと無水マレ
イン酸との共重合体についてはその用途を含め数多くの
技術が公知となっている。
しかし、ナフサ油中の重合成分(反応性二重結合を有す
るモノマー)中の主成分であるインデンはスチレンとは
異なり、ベンゼン環に結合した側鎖が環状となった2環
のモノマーであり、このインデンと無水マレイン酸との
共重合についてはJ.Maorcmol Sci A VOL12,NO8(1978)
で生成速度について報告されているが、速度論的な検討
が主であり工業的な製造方法、用途については、検討さ
れていない。
また、Makromol.Chem.P138(1960)にインデンと無水マ
レイン酸との共重合体の記載があり、さらにアルコール
とのエステル化反応について触れているが、用途につい
ては検討されていない。
また、米国特許4,117,218号や4,082,820号では、モノマ
ーの一部としてインデン、スチレンと無水マレイン酸を
用いた高軟化点の樹脂について開示しているが、スチレ
ンが主成分であり、また各種分散剤、添加剤等その他の
用途については検討されていない。
Makromol.Chem.62.120(1963)では、ナフサ油の重合成
分と無水マレイン酸との共重合体について述べている
が、収率は76%と低く、またナフサ油の組成や得られた
共重合体の用途については全く開始されていない。
すなわち、石炭の乾留時に発生する石炭系ナフサ油ある
いは石油を熱分解処理し、製造される石油系ナフサ油は
沸点が80℃から220℃の中性油であるが、これらにナフ
サ油にはインデンを主成分とする反応性二重結合をもっ
た芳香族炭化水素油が混合物の状態で含まれており、こ
の混合物と無水マレイン酸との共重合体について、その
用途、分離・精製を含めた工業的な製造方法についての
知見はない。
<発明が解決しようとする課題> 石炭系のナフサ油の用途開発については、酸触媒による
クマロン樹脂(新日本製鉄(株)製)以外、溶剤程度
で、それ以外の用途開発は現在まであまり行なわれてい
なかった。そこで我々は、インデンおよび反応性二重結
合を持った芳香族炭化水素(モノマー)に着目し、鋭意
検討した結果、ナフサ油中の前記種々の重合成分(以下
重合成分と略すことがある)と無水マレイン酸から共重
合体をMakromol.Chem.62.120(1963)で報告されている
以上の高収率で得ることができること、かつ回収時に特
定の溶媒を用いることにより共重合体をほゞ定量的に回
収できること、また色調の良好な共重合体を得ることが
できることを見いだし本発明に至った。
また、反応時に特定の溶媒を用いることにより前記共重
合体を高収率で得ることができること、かつ共重合体の
分離が容易に行い得ることを見いだし本発明に至った。
また、本発明の製造方法では、反応条件などの組合せに
より様々な分子量の共重合体が工業的に製造可能である
ことを見いだした。
本共重合体は、アルカリ加水分解物、エステル化物、エ
ステル化物のアルカリ加水分解物として各種顔料やセラ
ミックの分散剤、地層掘削用泥水の添加剤として有効で
あることを見いだし本発明に至った。
また、耐熱性についてナフサ油中の重合成分と無水マレ
イン酸との共重合体を熱天秤等で試験したところ、300
℃近い温度まで熱分解しないことが判明し、本共重合体
は樹脂の改質剤としての用途も期待される。
本発明は、ナフサ油中の重合成分を有効に利用して各種
用途に用いることができる新規な共重合体を提供するこ
とを目的としている。
また、本発明は、インデンおよび反応性二重結合を有す
る芳香族炭化水素を主成分とするナフサ油中の重合成分
と無水マレイン酸との共重合体の製造において、高収率
で、かつ共重合体の分離が容易な製造方法を提供するこ
とを目的としている。
また、本発明は、石炭系または石油系のナフサ油中の反
応性二重結合を有する成分と無水マレイン酸との共重合
体のエステル化共重合体およびその製造方法を提供する
ことを目的としている。
また、本発明は、広範な分野において優れた分散性能を
示す優れた分散剤をナフサ油を有効利用することによ
り、安価に提供することを目的としている。
また、本発明は、この分散剤を用いた各種開発井用の優
れた泥水安定剤をナフサ油を有効利用することにより、
安価に提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するために本発明の第1の態様によれ
ば、下記成分(a)、(b)、(c)で示される重合成
分を5wt%以上含有するナフサ油と無水マレイン酸との
共重合体で、下記繰り返し単位A、B、C、Dからなる
分子量1200〜35000の共重合体が提供される。
(a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
%。
ここで、Dは下記構造単位から選ばれる少なくとも1
種、 また、本発明の第2の態様によれば、下記成分(a)、
(b)、(c)で示される重合成分を5wt%以上含有す
るナフサ油と無水マレイン酸とをラジカル重合反応させ
分子量が1200〜35000の共重合体を製造することを特徴
とするナフサ油中の重合成分と無水マレィン酸との共重
合体の製造方法が提供される。
(a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
%。
共重合体の製造方法において、沈殿回収溶媒として、脂
肪族系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油およびリグロ
インよりなる群から選ばれる一種以上を用いるのが好ま
しい。
また別法として、ラジカル重合反応が、前記ナフサ油お
よび無水マレイン酸は溶解するが、前記共重合体に対す
る溶解度が小さい溶媒を反応溶媒として用い、かつ沈澱
回収溶媒を用いることなく行うのも好ましい。
ここで反応溶媒が、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、キシレンまたはクメンであるのが好ましい。
また、本発明の第3の態様によれば、下記成分(a)、
(b)、(c)で示される重合成分を5wt%以上含有す
るナフサ油と無水マレイン酸との共重合体で、下記繰り
返し単位A、B、C、Dからなる分子量1200〜35000の
共重合体中の酸無水物基を含むカルボン酸基の少なくと
も一部をエステル化してなるエステル化共重合体が提供
される。
(a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
%。
ここで、Dは下記構造単位から選ばれる少なくとも1
種、 また、本発明の第4の態様によれば、下記成分(a)、
(b)、(c)で示される重合成分を5wt%以上含有す
るナフサ油と無水マレイン酸とをラジカル重合反応させ
分子量が1200〜35000の共重合体を製造し、この共重合
体を、100〜200℃の温度でアルコールと反応させてエス
テル化するエステル化共重合体の製造方法。
(a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
%。
また、本発明の第5の態様によれば、共重合体の水溶性
塩またはエステル化共重合体の水溶性塩より選ばれる少
なくとも1つの化合物を含有する分散剤が提供される。
ここで、前記水溶性塩が、前記共重合体のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩および/またはアンモニウム塩
であるのが好ましい。
さらに、本発明の第6の太陽によれば、分散剤を有効成
分として含有する泥水安定剤が提供される。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。なお、各態様の
説明の中で共通する事項については説明の繰り返しを省
略する。
先ず、本発明の第1の態様について説明する。
ナフサ油は石炭および石油を原料として製造された中性
油であり、沸点範囲では80℃から220℃までであり、お
もな成分をあげるとベンゼン、トルエン、キシレン類、
トリメチルベンゼン類、エチルトルエン類、インダン、
テトラメチルベンゼン類、メチルインダン類、プロピル
ベンゼン類、ナフタレン類のような反応性二重結合を持
っていないナフサ油の成分と、反応性二重結合を持って
いる成分、具体的には、スチレン、α−メチルスチレ
ン、メチルスチレン類、ジメチルスチレン類、トリメチ
ルスチレン類、インデン、メチルインデン類、ジシクロ
ペンタジエン、クマロン等で構成されている。その他、
酸性物質、塩基性(含窒素)物質、含硫黄物質も若干含
まれている。
本発明に用いるナフサ油中の重合成分は、ナフサ油中に
存在するインデンおよび反応性二重結合を有する芳香族
炭化水素系油を主成分とする混合物をさす。
ナフサ油の組成は、蒸留方法、原料の違いによっても異
なるが、平均的には、重合成分であるインデンおよび反
応性二重結合を持った芳香族炭化水素油の合計は5%か
ら80%程度である。さらに精密蒸留を行えば、重合成分
の含量を100%にすることは可能であるが、操作上ある
いはコスト上あまり望ましくない。
本発明に用いる場合は、重合成分の含量が多いほど、製
造は容易であるが、反応面からは、重合成分がナフサ油
中5%以上含有されていれば十分である。
本発明に用いるナフサ油中の重合成分は、インデンおよ
び反応性二重結合を有する芳香族炭化水素主成分とする
もので、組成をあげると以下のごとくインデンを主成分
とし、ナフサ油の重合成分が5wt%以上含有されてお
り、その重合成分が下記成分(a)、(b)、および
(c)の重量百分率で構成されており(a)、(b)、
(c)を具体的に示すと、 (a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンのうちの少なくとも1
つ、複数個あるいは全部の総和が0.5〜29.5wt%、 ここで(a)、(b)、(c)の総和が実質的に、
(a)+(b)+(c)=100%である。
本発明の第1の態様は、上述のインデンおよび反応性二
重結合を有する芳香族炭化水素を主成分とするナフサ油
中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体である。
この共重合体は、ナフサ油中の重合成分と無水マレイン
酸とをラジカル重合反応させて製造される。共重合体の
組成は、用いるナフサ油中の反応性二重結合を持った芳
香族炭化水素油の成分によって異なるが、下記の(a)
〜(c)組成範囲の芳香族炭化水素油と無水マレイン酸
との共重合体である。
(a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
る少なくとも1つ、またはその合計0.5〜29.5wt%。
この共重合体は、下記繰り返し単位A、B、C、Dから
なる分子量1200〜35000の共重合体である。
ここで、Dは下記構造単位から選ばれる少なくとも1
種、 なお、ナフサ油中に微量に存在する上記以外の重合成分
が本発明の共重合体中に微量に混入する場合もある。
得られるナフサ油中の重合成分と無水マレン酸との共重
合体は、数平均分子量(Mn)が、1,200〜35,000の、白
色の粉末であり、本発明の共重合体は、そのアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩とすること
により各種顔料の分散剤あるいは地層掘削用泥水の添加
剤(泥水安定剤)として好適に用いることができる。
また、本発明の共重合体は、アルコールによりエステル
化物とすることにより、また、該エステル化物のアルカ
リ金属塩とすることによりセラミック他各種顔料の分散
剤、塗料、インクの分散剤、接着剤、床磨きワックスの
レベリング剤などの用途があり、多彩な分野で使用でき
る。
さらに、スチレンは工業的にエチルベンゼンの脱水素反
応により製造されていることを考えると、高価な原料で
あることから、産業上ナフサ油中の有用成分と無水マレ
イン酸との共重合体は原料の単離工程が不要であること
からも魅力ある製品である。
本発明の第2の態様は、上記共重合体の製造方法であ
り、インデンおよび反応性二重結合を有する芳香族炭化
水素を主成分とするナフサ油の有効成分と無水マレイン
酸とをラジカル重合反応させるものである。
ナフサ油中から重合成分のみを濃縮して無水マレイン酸
と共重合反応させることもできるが、ナフサ油をそのま
ま用いれば、ナフサ油中の重合成分の濃縮工程が省略で
きるばかりでなく、ナフサ油中の重合成分以外の炭化水
素化合物がラジカル重合反応時に溶媒として利用できる
ので好ましい。
ナフサ油中の重合成分と無水マレイン酸とのラジカル反
応による共重合体の製造は0℃から180℃の温度範囲
で、ラジカル重合開始剤を添加するかあるいは反応温度
により発生する熱ラジカルにより、交互共重合反応を利
用することにより製造することが可能である。
しかし、重合成分を5%以上含有したナフサ油と無水マ
レイン酸の全量を最初から重合釜内に仕込み、ラジカル
重合開始剤または反応温度による熱ラジカルによりラジ
カル反応が開始された場合、重合釜内の温度制御が反応
熱により相当困難となるため、工業的には適した方法と
はならない。したがって、ナフサ油および無水マレイン
酸のどちらか一方あるいは両方を重合釜内に適当な反応
温度に制御できる速度で添加する方法が良い。
ラジカル重合反応は、適当な方法でラジカルを発生させ
ることが必須である。この場合、ラジカル反応開始剤を
添加するか、あるいは反応温度を上昇させることにより
熱ラジカルを誘起する方法があるが、ナフサ油中の重合
成分と無水マレイン酸共重合体の場合、熱ラジカルが発
生する温度は130℃以上の高温が必要であり、また得ら
れた共重合体が着色するので、好ましくないため、本方
法ではラジカル反応開始剤を利用する方法を用いる方が
よい。
用いるラジカル反応開始剤としては、アゾ系のラジカル
反応開始剤でも、あるいは過酸化物系ラジカル開始剤の
どちらでもよいが、ラジカルが有効に働く温度域が50〜
130℃までのもので、より詳細に述べると反応温度での
半減期が0.1時間〜10時間のラジカル反応開始剤を選択
するとよい。好ましくは、重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、ジクミルパーオ
キシド、パーブチルI(日本油脂(株)製)、パーブチ
ルZ(日本油脂(株)製)等を用いる。
原料が、ナフサ油の場合には、ナフサ油中に含有される
微量成分のため、過酸化物系の開始剤を使用すると収率
が低下する場合もあるのづ、アゾ系の開始剤のほうがよ
り好ましい。
ラジカル反応開始剤の添加方法としては、全量を重合釜
内に仕込むと、同時に分解を開始するので適当ではな
い。従って、徐々に重合釜内に仕込むとよく、またラジ
カル反応開始剤の種類によっては、固体状のものもある
ため、反応釜内に添加するナフサ油あるいは無水マレイ
ン酸溶液に溶解し添加するとよい。
用いるラジカル反応開始剤の使用量は、ナフサ油中の有
効成分と無水マレイン酸のモル数の合計に対し、0.05モ
ル%から5モル%であればよい。なお、無水マレイン酸
は常温で固体のため徐々に添加する場合は反応に不活性
な溶媒に、あるいはナフサ油に溶かす必要がある。
重合釜内で徐々に生成したナフサ油中の重合成分と無水
マレイン酸との共重合体、例えば、インデンと無水マレ
イン酸との共重合体は、反応温度域では白色の固体であ
るが、未反応物(モノマー)に溶解し、粘凋な溶液また
はスラリーを形成するため、反応を均一に進行するため
の攪拌子や攪拌羽根などによる攪拌が困難となる場合も
ある。本反応原料であるナフサ油には、溶剤としてベン
ゼン、トルエン、キシレン類、プロピルベンゼン類、ト
リメチルベンゼン類、テトラメチルベンゼン類、インダ
ン、メチルインダン類などが含まれており、反応が均一
に進行し、攪拌操作および重合釜からの取り出しが容易
になる利点がある。
しかし、溶剤の含量が少ない(重合成分の含量が多い)
ナフサ油の場合、一部はスラリー化するため、補助的に
溶媒を添加し、反応系を希釈しなければならない。
本反応に採用できる溶媒の性質として、無水マレイン酸
と化学反応を起すことがなく、かつ無水マレイン酸を溶
解し、ナフサ油とも相溶し、生成した共重合体を変質さ
せることがない能力を合せて持たなければならない。そ
のような溶媒として、ナフサ油中にふくまれる重合成分
以外の溶剤成分を含め、ベンゼン、トルエン、キシレン
類、トリメチルベンゼン類、テトラメチルベンゼン類、
インダン、メチルインダンおよびエチルベンゼン、プロ
ピルベンゼンなどの芳香族炭化水素あるいはナフサ油の
成分以外ではアセトン、メチルエチルケトン、メチルプ
ロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類、1,2−ジクロロエタンなどハロゲ
ン化アルキル、エチルエーテル、ジオキサン、アニソー
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類があげられ
る。
本発明に用いる反応溶媒の量は、ナフサ油中の反応性二
重結合を有する成分(以下、重合成分という)と無水マ
レイン酸との合計モル数に対して、1モルあたり300〜2
000mlが適当である。
使用量がこの範囲未満では、生成する共重合体の嵩が溶
媒量以上となり、重合釜や攪拌翼に対する付着の問題は
ないものの攪拌抵抗が大きくなるため、好ましくはな
い。また、溶媒量がかの範囲を越えると、溶媒量が過剰
たなり釜に仕込む原料量が減少し、生産効率が低下する
ためよくない。
反応系を均一にする大きな利点は、ナフサ油中の重合成
分と無水マレイン酸との共重合体が均一溶液か、スラリ
ーのための反応終了後、重合釜から取り出す操作が容易
であり、さらに重合釜の洗浄が簡単に行うことができる
ことである。それ以上に重要なポイントは、反応温度の
制御を複雑な工夫なしに行うことができることである。
重合反応により生じた反応熱を、用いた溶媒の沸点を利
用する方法で、溶媒を気化して適当な熱交換器たとえば
水冷等の冷却方法を持つ冷却管内に還流させて熱交換し
て、容易に除去できる。
用いる反応容器(重合釜等)としては、ガラスやステン
レスなどラジカル反応を阻害しない材質ならばよいが、
たとえば、軟鋼を重合釜の材質として採用した場合、表
面がいくらか空気酸化などにより腐食されてくるとその
部分ではラジカル分解が異常に促進され、反応が急激に
進行することが多いため、反応温度の制御が困難となり
危険である。とくに開始剤として過酸化物系開始剤の場
合、異常な分解反応が軟鋼腐食部位で急激に進行するた
め、特に、注意が必要である。
実施例でより具体的に製造方法について記述するが、概
略を述べると以下のごとくである。
攪拌機、加熱用外部ヒーター、冷却器付のガラス製重合
釜あるいは反応液接触部をガラスコーティングした重合
釜あるいはステンレス製重合釜に、溶媒に溶解した無水
マレイン酸を仕込んでおき、還流温度に保持することに
より、溶液中の溶存酸素を脱気することができる。酸素
はラジカルを捕足するため、一般のラジカル反応では窒
素置換などにより除去しなければならないが、本方法で
は、単に還流温度に保持するだけで除去できる。
なお、溶存酸素の反応系からの除去は、反応形式が変更
されても、ナフサ油中の重合成分と無水マレイン酸との
共重合体を製造する場合、共重合体の収率および平均分
子量(Mn)等の管理の上から必要な操作である。
つぎに重合釜上部の送入口より、ポンプ送入や滴下等適
当な方法で徐々にナフサ油を添加する。
このときナフサ油は前述した不活性溶媒で希釈してもよ
い。さらに、ラジカル重合開始剤の添加は、添加するナ
フサ油に最初から溶解させておき、ナフサ油とともに添
加するか、別途、別の送入口からラジカル重合開始剤を
徐々に添加してもよい。ラジカル重合開始剤が固体のと
き、前述した溶媒に溶解し添加する必要がある。
反応形式については、重合釜内にナフサ油あるいはナフ
サ油を適当な溶媒で希釈したものを仕込んでおき、無水
マレイン酸溶液をラジカル反応開始剤とともに、あるい
はラジカル反応開始剤と別々にポンプ送入あるいは滴下
等適当な方法で重合釜内に添加する方法でもよく、さら
には、反応開始時には溶媒のみを仕込み、還流温度と
し、ナフサ油と無水マレイン酸およびラジカル反応開始
剤の三者を一緒にあるいは適当な組合せに分けて、ポン
プ送入あるいは滴下等適当な方法で重合釜に添加しても
よい。ただし、無水マレイン酸を重合釜内に添加する場
合は、無水マレイン酸が固体であるため、適当量の前述
した溶媒で溶解し、添加する必要がある。
また、ナフサ油中に無水マレイン酸を溶解し添加する場
合でも、ナフサ油のみでは溶解しにくいため、適当量の
溶媒で希釈するほうがよい。
上記の方法にいずれかで重合反応を行い、ナフサ油中の
重合成分と無水マレイン酸との共重合体の製造を行う。
反応原料添加時には反応熱により、添加開始前と比べ、
重合釜内の溶液は冷却管内で激しく還流する現象が観察
できる。添加速度を早めると還流の激しさの程度は大き
くなる。
したがって、突沸しないように反応を制御する必要があ
り、添加速度は0.5時間から5時間必要である。
添加終了後は反応が完結するまで添加時と同じ温度で保
持する必要があるが一般的には、添加時間の0.5倍から
2倍の時間で十分で、反応はほぼ完了する。
このようにしてラジカル重合反応により、ナフサ油と無
水マレイン酸共重合体が得られるが、得られた共重合体
は、後処理を行い固体として回収しなければならない。
回収方法としては、重合釜内を減圧状態として溶媒を留
去する方法等があるが、溶媒を留去すると確かに重合釜
内でナフサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合
体が得られるが、釜の内壁に共重合体が付着し、取り出
しずらい欠点があるため、適していない。一般に溶液に
溶解した樹脂を得るには、樹脂に対する溶解性が低い溶
媒(貧溶媒)に投入し、樹脂を沈殿させ回収する方法が
用いられる。一般的な貧溶媒としてはメタノール、イソ
プロパノール等、アルコール類であるが、本反応液をア
ルコール中に投入すると、ナフサ油中の重合成分と無水
マレイン酸との共重合体の酸無水物基の部位とアルコー
ルがエステル化反応により、エステル結合を形成するた
め、好ましくない。種々検討したところ、ノルマルヘキ
サン、デカンなど脂肪族系の炭化水素、シクロヘキサン
等のナフテン系炭化水素およびリグロインなどの工業ガ
ソリン等およびこれらの混合物が適していることを見出
した。
すなわち、これらの貧溶媒にサフサ油中の重合成分と無
水マレイン酸共重合体を含む反応溶液を投入すると、共
重合体はほぼ定量的に回収できる。用いる貧溶媒の量は
ナフサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体の
体積に対し、0.5倍から5倍で十分である。
これらの貧溶媒にナフサ油中の重合成分と無水マレイン
酸との共重合体溶液を投入すると目的とする白色の共重
合体が沈殿し、濾過および遠心脱溶媒分離等の操作でほ
ぼ定量的に容易に分離・回収することができる。
その後、真空乾燥を行えば、白色粉末のサフサ油中の重
合成分と無水マレイン酸との共重合体が得られる。
収率は、以下の式(1)により求められる。
得られた共重合体の分析は赤外吸収スペクトル(IR)
法、核磁気共鳴(NMR)法およびゲルパーミエイション
クロマトグラフ(GPC)法により分析した。
本発明のナフサ油と無水マレイン酸を原料として得られ
た共重合体の熱特性を測定したところ、300℃付近の温
度までは重量減少がなく、汎用プラスチックなどとの一
般的な混練温度である250℃付近で、窒素ガス雰囲気下
長時間保持しても前記共重合体の重量および分子量にな
んらの変化もなかった。
これは、ナフサ油中の重合主成分であるインデンが2環
式の構造を有しており、従来用いられてきたスチレンに
比べ、熱的に安定であるためである。したがって、ナフ
サ油中の重合成分中インデンの含量が増加するとナフサ
油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体の耐熱性
は向上し、ナフサ油中の重合成分の中でインデンが50wt
%以上含有している通常のナフサ油を原料として無水マ
レイン酸との共重合体を製造しても、熱安定性はスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体に比べ向上し、汎用プラス
チックとの混練を行い、適当な方法で成形しても問題を
生じることはなく、汎用プラスチックの耐熱性が向上す
る。
前記共重合体は、常法によりABS樹脂、PC樹脂、PVC樹
脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン等の熱可塑性樹脂単独
または混合物と所望の割合に配合し、250℃付近で一軸
または二軸の混練機など適当な手段によって混合し、押
出し成形、射出成形などの通常の方法で耐熱性を樹脂組
成物または塗料組成物とすることができる。
また、これらの樹脂組成物には必要により各種充填剤、
混和剤、老化防止剤等を加えることができる。
本発明の第3の態様は、石炭あるいは石油から得られる
インデンを主成分とした反応性二重結合を有する成分を
含む留分(石炭系あるいは石油系ナフサ油留分)と無水
マレイン酸との共重合体のカルボン酸基のうち、5〜50
%をアルコールによりエステル化物としたエステル化共
重合体であり、本発明の第4の態様はその製造方法であ
る。
エステル化共重合体は、もとの共重合体に比べ、物理的
性質としては、有機溶媒に対する溶解性や他の樹脂に対
する相溶性が向上する。
共重合体のエステル化反応に使用可能なアルコールは、
特に限定されないが、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミル
アルコール、ヘキシルアルコールなどの脂肪族アルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、エチ
レングリコール、ジエチルグリコール、1,4−ブタンジ
オールなどの低級ジオール類あるいは、モノクロルエチ
ルアルコール、アリルアルコール、エタノールアミン、
ベンジルアルコールなどの官能基をもったアルコールを
挙げることができる。
得られるエステル化共重合体は、白色の粉末であり、塗
料、インク、染料や顔料の分散剤、あるいは地層掘削用
泥水の添加剤(泥水安定剤)、接着剤、床磨きワックス
のレベリング剤など広く利用できる。
本発明の第4の態様は、上記エステル化共重合体の製造
方法であり、共重合体にアルコールを加えてエステル化
反応させるものである。
共重合体とのエステル化反応に使用可能なアルコール
は、前述のアルコールと同様である。
共重合体とアルコールとのエステル化において、反応温
度が低い場合でもエステル化は徐々に進行するが、所定
のエステル化率に到達するまでの反応時間が長すぎ、場
合によっては1日以上必要な場合もあるため、100〜200
℃で行なう。反応温度が100℃以上であると、アルコー
ルの種類、エステル化率によってもことなるが、およそ
24時間以内に目的のエステル化率に到達する。反応性の
低いアルコールを用いる場合やエステル化率を30%以上
に高めようとする場合は反応温度は100℃では不十分で1
60℃程度の反応温度が必要である。また、200℃を越え
る温度では、共重合体の分解反応が始まるため、好まし
くない。
反応時には、空気雰囲気下では、空気中の酸素によりエ
ステル化物が着色したり、また発火する危険性があるた
め、窒素雰囲気下あるいはアルゴン雰囲気下等、不活性
雰囲気下で行なわねばならない。
反応容器としては、反応温度が100〜200℃温度では、用
いるアルコールの種類によっては沸点以上となるため、
場合によっては耐圧性の反応容器を用いる必要がある。
反応溶媒は、用いても、用いなくてもよいが、アルコー
ルの種類によってはエステル化共重合体の溶解性が良い
ため、貧溶媒中に投入してエステル化共重合体を沈殿さ
せようとしても、回収率が上がらない場合もあるため、
反応溶媒を用いないほうが望ましい場合がある。
エステル化率の決定は、プロトンNMRを測定し、その積
分比により計算した。
本発明の第5の態様は、共重合体の水溶性塩またはエス
テル化共重合体の水溶性塩より選ばれる少なくとも一つ
の化合物を含有する分散剤である。
前記ナフサ油が、下記に示す重合成分を5wt%以上含有
し、かつ該重合成分が下記成分(a)、(b)および
(c)の重量百分率で構成される。
(a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
%。
前記共重合体またはその部分エステル化物の水溶性塩は
アルカリ金属塩またはアンモニウム塩であるのが好まし
い。
本発明の分散剤は、無機、有機系微粉末を分散系で使用
するいずれの分野においても適用されるが、例えば、塗
料、インキ、紙加工、顔料製造、土木、セラミック、フ
ェライト、燃料等の広範囲の分野に適用できる。
一般に分散剤は、無機または有機微粉末を水中または溶
媒に分散させ、低粘度で流動性の優れた均一な分散液を
作成するため少量添加されるものである。分散性の向上
により、最終製品の品質の向上または作業性の向上やひ
いては分散液の高濃度化による経済性の向上等がはから
れる。従って、分散性の問題は各分野において非常に重
要な課題であり、使用される分散剤の性能の重要性はい
うまでもない。
従来より、例えば塗工紙用顔料の分散剤としてヘキサメ
タりん酸ソーダが古くから用いられ、また、ポリアクリ
ル酸ソーダは広い分野において有効な分散剤として知ら
れている。されに、α−オレフィンと無水マレイン酸と
の共重合体、スチレンと無水マレイン酸との共重合体等
も水溶性の塩として顔料用分散剤などに使用されてきて
いる。
しかし、これらの分散剤は、その分散性、経時安定性の
点で必ずしも満足いくものではない。特開昭60−82307
号ではα・β−不飽和ジカルボン酸と共重合可能なビニ
ル系モノマーとしてクマロン、インデンを挙げている
が、これらの共重合体の分子量、組成および水溶性塩の
分散剤としての特性等の記述は一切ない。そこで本発明
者らは、広範な分野において優れた分散性能を示す分散
剤を見出すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したも
のである。
インデンおよび反応性二重結合を有する芳香族炭化水素
を主成分とするナフサ油の重合成分と無水マレイン酸と
の共重合体またはインデンと無水マレイン酸との共重合
体は適当なアルコールを用いて酸無水物基の部分をエス
テル化することにより適度な疎水性を付与することがで
きる。疏水性は、反応に用いるアルコールの種類または
エステル化率によって自由に調節することができ、した
がって広い範囲の無機、有機粉末に適応することができ
る。
ナフサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体の
アルコールによるエステル化反応は、該共重合体の酸無
水物基の部位がアルコールにより開環されることにより
進行するため、通常の条件ではエステル化率は50%を越
えない。従って、50%を越えるエステル化率が必要なと
きは、酸触媒などの適当な触媒の添加が必要となる。
しかし、水系の分散剤として使用する場合は、エステル
化されていない残りのカルボキシル基の一部あるいは全
部を水酸化アルカリやアンモニアで加水分解して水溶性
の塩としなければならないため、エステル化率は、50%
以内がよい。
適切なエステル化率は、分散質(無機微粉末、有機微粉
末)の種類、粒径、比表面積、表面状態により異なる
が、一般的には、3%から50%の範囲である。
本発明の分散剤を構成する共重合体またはその部分エス
テル化物の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩が好ましいが、一部
アルカリ土類金属塩であってもよく、未中和部分を残し
たものでも良い。
このような共重合体またはそのエステル化物の塩よりな
る本発明の分散剤は、分散液の粘度を著しく低下させ、
かつ分散液の経時安定性が良好であるため、例えば炭酸
カルシウム、サチンホワイト、クレー、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン、硫
酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、ベントナイト、アルミナ、ジルコニア、窒化けい
素、窒化アルミニウム等の無機微粉末、また例えば、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、スレン染料、アント
ラキノン系分散染料、石炭粉末等の有機微粉末に対して
有効である。
分散剤に用いる本発明の共重合体の分子量は、1200〜35
000程度のものが好ましい。1200未満であると立体障害
による反発力が小さくなり、十分な分散効果を示さな
い。また、35000超になると増粘作用、凝集作用をもつ
ようになるので好ましくない。
本発明の分散剤は、分散させる微粉末の種類、粒径等に
よっても異なるが、微粉末に対して重量で0.05〜5%、
好ましくは0.1〜3%の範囲の量で使用することができ
る。
本発明の第6の態様の泥水安定剤は、前述の水溶性塩を
有効成分とする。
泥水を利用した地熱開発井、油田開発井および天然ガス
開発井を掘削する方法として、旋回式掘削法である。
旋回式掘削法では、掘りくずを排除するために泥水をポ
ンプにより掘り管内に送り込みビットノズルから噴き出
すようにしている。この泥水はビットに発生する高い摩
擦熱を冷却し、ビット刃先より掘りくずの再破砕を防
ぎ、さらに坑壁と掘り管の間を上昇して坑口まで循環す
る際、掘りくずを地上へと運搬する役目を有すると同時
に、坑内泥水柱の静水圧により地層圧と均衡を保ち、坑
壁の崩壊と地層流体の流入を防止する役割も果たしてい
る。
旋回式掘削法において、このような重要な役割を演ずる
泥水は、一般に水と粘土の懸濁液に種々の添加剤を加え
て調整を行ったものが用いられる。粘土としてはモンモ
リロナイト系粘土鉱物であるベントナイトや繊維状のマ
グネシウムケイ酸塩であるセピロライトが用いられる。
このよえな泥水分散剤には、リグニンスルホン酸ナトリ
ウム、鉄クロムリグニンスルホン酸塩、フミン酸ナトリ
ウム、クロムフミン酸ナトリウム、リグニンとフミン酸
との複合体などが挙げられる。しかし、これらの従来の
分散剤より調整された泥水は熱に対して弱く、高温高圧
地層の掘削に用いると脱水量が増加してゲル化し、坑壁
に厚いマッドケーキを発生し、掘り管抑留の原因となる
問題点がある。その上、近年の公害問題にたいする社会
事情から、多量の重金属類を含有する泥水は使用後に完
全処理を必要とするのでリグニンスルホン酸塩やフミン
酸塩の中でも比較的耐熱性のよい鉄クロムリグニンスル
ホン酸塩やクロムフミン酸塩は、実質的に使用すること
はできない。
特公昭53−35875号では高温度地層の掘削においても使
用可能な泥水を調整するため、フミン酸アルカリに天然
化石樹脂(天然アスベスト)の複合物を用いる方法で耐
熱性を改善しようとしているが、せいぜい180℃までで
あり、それ以上の温度では徐々に劣化し、220℃では完
全にその機能を失ってしまう。特公昭57−36306号で
は、粘土鉱物とニトロフミン酸アルカリと水からなる掘
削泥水にさらに安定剤としてクマロン・インデン樹脂を
添加し、その耐熱性を改善しようとしているが、この場
合でもやはり220℃付近までの耐熱性しか有していな
い。
そのため、米国特許USP3,332,872号やUSP3,764,530号で
は、スチレンと無水マレイン酸との共重合体(SMA)の
アルカリ塩やポリアクリル酸アルカリ塩を泥水の安定剤
として用いることを提案している。これらのポリカルボ
ン酸系の分散剤はリグニンスルホン酸塩類やフミン酸類
に比べると耐熱性はよいが、220℃付近での長時間使用
時のゲルストレングスの増加は著しい。
また、地熱、天然ガスの開発井が今後より深くなること
が予想され、現在使用されている泥水安定剤では問題が
残る。
本発明の各種開発井用の泥水安定剤は、調泥時に清水10
0部に対し、ベントナイト2〜6部の懸濁液に0.1〜5部
添加して用い、さらに場合によっては、テルナイト
(株)の高温安定剤であるテルナイトBHやLignate、BM
−Niteを1〜3部併用してもよい。
また特殊ポリマー泥水は、基本コロイド剤としてのベ
ントナイトまたはセピオライト増粘剤および掘りくず
運搬機能向上剤としてクリソタイル系アスベスト高温
温度安定剤、脱水減少剤、軟弱地層安定剤としてテルナ
イトBH高温度分散安定剤pHコントロール用の苛性ソ
ーダからなり、の高温度分散安定剤には、ポリアクリ
ル酸ソーダやポリアクリル酸エステルソーダやスルホメ
チル化タンニンが使用されているが、これらに替り、本
発明の泥水安定剤を高温度分散安定剤として使用すれ
ば、長時間静置後の粘性、イールドバリューの上昇率は
より小さく、drilled solidを含まない場合はもちろ
ん、含む場合でも240℃付近の高温下でも十分、掘削用
泥水として使用可能である。
なお、本発明の各態様の共重合体は、そのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩とすることに
より各種顔料やセラミックスの分散剤、地層掘削用の泥
水安定剤として好適に用いることができる。
また、本発明の共重合体は、アルコールによりエステル
化物とすることにより、また該エステル化物のアルカリ
金属塩とすることにより各種顔料の分散剤、塗料、イン
クの分散剤、接着剤、床磨きワックスのレベリング剤な
どの用途があり、多彩な分野で使用できる。
<実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 内容積500mlのガラス製重合釜(攪拌機付、滴下ロート
付、水冷冷却器付)に無水マレイン酸24.5g(0.25モ
ル)を100mlのメチルエチルケトンに溶解し、仕込む。
攪拌機により攪拌しながら、外部ヒーターにより還流温
度に保持する。その後、重合釜上部につけた滴下ロート
によりナフサ油60g(重合成分はインデン(分子量116)
換算で48%(0.25モル)含有)とラジカル重合開始剤と
してアゾイソブチロニトリル(AIBN)410mgを加えた溶
液をしこみ、この溶液を1時間かけ、ゆっくりと滴下し
た。
滴下終了後、反応溶液を2時間還流状態で放置し反応を
完結させた。この反応溶液はその後室温に戻し、沈殿槽
として内容積1のビーカーにノルマルヘキサンを300m
l入れておき、この中に徐々に添加し、白色の共重合体
を沈殿させた。次に吸引濾過により分離し、減圧乾燥を
行い、ナフサ油の有用成分と無水マレイン酸との共重合
体95wt%の収率で得た。収率は前述の式(1)からもと
めた。
尚、合成実験に先立ち、ガスクロマトグラフ(GC)分析
法によりナフサ油の組成をもとめたところ以下の組成で
あった。
得られた共重合体は、数平均分子量13,500であった。
(実施例2) 実施例1で用いたナフサ油をさらに蒸留し、以下の留分
を得た。
このナフサ油を116g(有用成分インデン換算0.25モル)
を用いた以外は、実施例1と同じ条件で共重合体を製造
したところ、92wt%の収率で白色の共重合体を得た。
尚、この時に使用した沈殿回収溶媒は、リグロイン、30
0ccであった。
得られた共重合体は、数平均分子量17,500であった。
(実施例3) 実施例1で用いたナフサ油をされに蒸留し、以下の留分
を得た。
このナフサ油を32g(有用成分インデン換算0.25モル)
を用い、重合成分が多いため、反応中に共重合体が析出
するため、ナフサ油をメチルイソブチルケトン100mlで
希釈した以外は、実施例1同じ条件で共重合を行い、収
率96wt%で白色の共重合体を得た。この時用いた回収溶
媒は、メチルシクロヘキサン、400mlであった。
得られた共重合体は、数平均分子量6,500であった。
(実施例4) 内容積1のガス製重合釜(攪拌機、滴下ロート付、水
冷式冷却器付、窒素導入管付)にトルエンを300ml仕込
み、攪拌機により攪拌しながら、少量の窒素ガスを常に
重合釜内に供給するとともに、温度制御機付油浴中で、
重合釜内の溶媒の温度を70℃に保持した。滴下ロートに
ナフサ油138g(重合成分42wt%含有)無水マレイン酸49
g、アゾイソブチロニトリル0.6gおよびトルエン200mlを
均一溶液として仕込み、約1時間かけこの溶液をゆっく
りと滴下したが、滴下開始後約20分で反応溶液は、白濁
しはじめた。
その後、5時間反応温度に保持し、反応を完結させた。
反応終了後、室温に戻し、吸引濾過にて生成微粒子を分
離後、減圧乾燥を行い、ナフサ油中の重合成分と無水マ
レイン酸との共重合体を93wt%の収率で得た。
得られた共重合体の数平均分子量は、GPC法から18,300
であった。
(実施例5) 内容積2のSUS製重合釜(攪拌機、送液ポンプ付、水
冷式冷却器付、窒素導入管付)にキシレン800mlおよび
無水マレイン酸196gを仕込み、攪拌機により攪拌しなが
ら、少量の窒素ガスを常に重合釜内に供給するととも
に、外部ヒーターにて、反応液温度を100℃に反応終了
まで保持した。送液ポンプ専用のタンクにナフサ油(重
合成分65wt%含有)356gとアゾビスイソブチロニトリル
24gとキシレン400mlを仕込み、均一溶液としたのち、送
液ポンプを用いて約1時間かけて重合釜内に添加したの
ち、約4時間放置し、反応を完結させた。
その後、室温に戻し、重合釜の蓋を開けたところ、重合
釜の壁や攪拌翼に生成物は付着しておらず、全体が流動
性のあるクリーム状であった。
吸引濾過にて生成微粒子を分離後、減圧乾燥を行い、ナ
フサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体を97
wt%の収率で得た。
得られた共重合体の数平均分子量は、GPC法から9,600で
あった。
(実施例6) 内容積2のガラス製重合釜(攪拌機、滴下ロート付、
水冷式冷却器付、窒素導入管付)にクメンを500ml仕込
み、攪拌機により攪拌しながら、少量の窒素ガスを常に
重合釜内に供給するとともに、温度制御機付油浴中で、
重合釜内の溶媒の温度を120℃に保持した。滴下ロート
にナフサ油に305g(重合成分38wt%含有)、無水マレイ
ン酸49g、アゾイソブチロニトリル4.0gおよびクメン200
mlを均一溶液として仕込み、約1時間かけこの溶液をゆ
っくりと滴下したが、滴下開始後約10分で反応溶液は、
白濁しはじめた。
その後、2時間反応温度に保持し、反応を完結させた。
反応終了後、室温に戻し、吸引濾過にて生成微粒子を分
離後、減圧乾燥を行い、ナフサ油中の重合成分と無水マ
レイン酸との共重合体を93wt%の収率で得た。
得られた共重合体の数平均分子量は、GPC法から3,800で
あった。
(実施例7) 実験に先立ちガスクロマトグラフ(GC)分析法によりナ
フサ油の組成を求めたところ以下の組成物であった。
内容積2のSUS製重合釜(攪拌機、送液ポンプ付、水
冷式冷却器付、窒素導入管付)にエチルベンゼンを600m
l仕込み、攪拌器により攪拌しながら、少量の窒素ガス
を常に重合釜内に供給するとともに、外部ヒーターに
て、反応液温度を120℃に反応終了まで保持した。送液
ポンプ専用のタンクにナフサ油120g、無水マレイン酸49
g、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル4.0gおよび
エチルベンゼン300mlを仕込み、均一溶液としたのち、
送液ポンプを用いて約1時間かけて重合釜内に添加した
のち、約3時間放置し、反応を完結させた。
その後、室温に戻し、重合釜の蓋を開けたところ、重合
釜の壁や攪拌翼に生成物は付着しておらず、全体が流動
性のあるクリーム状であった。
吸引濾過にて生成微粒子を分離後、減圧乾燥を行い、ナ
フサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体を93
wt%の収率で得た。
得られた共重合体の数平均分子量は、GPC法から3,900で
あった。
(実施例8) 実験に先立ちガスクロマトグラフ(GC)分析法によりナ
フサ油の組成を求めたところ以下であった。
内容積1のガラス製重合釜(攪拌機、滴下ロート付、
水冷式冷却器付)にトルエンを300ml仕込み、攪拌機に
より攪拌しながら、温度制御機付油浴中で、重合釜内の
溶媒が還流する温度に保持した。滴下ロートにナフサ油
464g、無水マレイン酸98g、アゾイソブチロニトリル1.6
gおよびトルエン100mlを均一溶液として仕込み、約1時
間かけこの溶液をゆっくりと滴下したが、滴下開始後約
8分で反応溶液は、白濁しはじめた。
その後、2時間反応温度に保持し、反応を完結させた。
反応終了後、室温に戻し、吸引濾過にて生成微粒子を分
離後、減圧乾燥を行い、ナフサ油中の重合成分と無水マ
レイン酸との共重合体を93wt%の収率で得た。
得られた共重合体の数平均分子量は、GPC法から7,200で
あった。
(実施例9) 実験に先立ちガスクロマトグラフ(GC)分析法によりナ
フサ油の組成を求めたところ以下の組成であった。
内容積2のSUS製重合釜(攪拌機、送液ポンプ付、水
冷式冷却器付、窒素導入管付)にクメンを1000ml仕込
み、攪拌機により攪拌しながら、少量の窒素ガスを常に
重合釜内に供給するとともに、外部ヒーターにて、反応
液温度を120℃に反応終了まで保持した。送液ポンプ専
用のタンクにナフサ油130g、無水マレイン酸98g、アゾ
イソブチロニトリル5gおよびクメン500mlを仕込み、均
一溶液としたのち、送液ポンプを用いて約2時間かけて
重合釜内に添加したのち、約3時間放置し、反応を完結
させた。
その後、室温に戻し、重合釜の蓋を開けたところ、重合
釜の壁や攪拌翼に生成物は付着しておらず、全体が流動
性のあるクリーム状であった。
吸引濾過にて生成微粒子を分離後、減圧乾燥を行い、ナ
フサ油中の重合成分と無水マレイン酸との共重合体を95
wt%の収率で得た。
得られた共重合体の数平均分子量は、GPC法から3,900で
あった。
(実施例10) 内容積500mlのガラス製重合釜(攪拌機付、滴下ロート
付、水冷冷却器付)に、無水マレイン酸24.5g(0.25モ
ル)を100mlのメチルエチルケトンに溶解し、仕込ん
だ。
攪拌機により攪拌しながら、外部ヒーターにより還流温
度に保持した。その後、重合釜上部につけた滴下ロート
によりナフサ油60g(反応性二重結合を有する成分はイ
ンデン(分子量116)換算で48wt%(0.25モル)含有)
にラジカル重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル
(AIBN)410mgを加えた溶液を仕込み、この溶液を1時
間かけ、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、反応溶液を
2時間還流状態で放置し、反応を完結させた。この反応
溶液は、その後室温に戻し、沈澱槽としての内容積1
のビーカーにノルマルヘキサンを300ml入れておき、こ
の中に徐々に添加し、白色の共重合体を沈殿させた。次
に吸引濾過により分離し、減圧乾燥を行い、ナフサ油中
の有用成分と無水マレイン酸との共重合体を95wt%の収
率で得た。収率は次の式(2)からもとめた。
尚、合成実験に先立ち、ガスクロマトグラフ(GC)分析
法によりナフサ油の組成をもとめたところ、以下の組成
であった。
得られた共重合体は、数平均分子量13,500であった。
このようにして合成した共重合体21.4gとメチルアルコ
ール7.0gとトルエン50mlを内容積50mlのSUS304製オート
クレーブに仕込み、窒素雰囲気下とした後、外部ヒータ
ーにて、170℃まで昇温し、2時間反応を行ない、その
後減圧下トルエンとメチルアルコールを留去したのち、
得られたエステル化共重合体50mgを1mlの重水素化クロ
ロホルムに溶解し、プロトンNMRを測定したところ、エ
ステル化率は50%であった。
(実施例11〜15) 使用したメチルアルコールの量の変更した以外は、実施
例13と同じようにエステル化反応を行ったところ、以下
のように結果を得た。
(実施例16) 実施例6で合成した共重合体50gとn−ブチルセルソル
ブ13.8gをオートクレーブに仕込み、反応系を窒素置換
した後、180℃に3時間保持した。その後、得られたエ
ステル化共重合体を実施例10と同様の方法で分析したと
ころ、エステル化率は23%であった。
(実施例17) ビーカーに、ナフサ油中重合成分(ナフサ油は実施例1
の組成のものを用いた)と無水マレイン酸との共重合体
(分子量4,400)のNa塩を所定量(第1表に示した添加
量)溶解させた水溶液200gを入れ、微粒子炭酸カルシウ
ム(白石工業(株)製、日艶華pz)300gを添加し、ホモ
ミキサー(特殊機化工業(株)製)にて1,500rpmで15分
間攪拌した。得られた60%スラリーの調製直後および24
時間後の見掛け粘度を、ブルックフィード粘度計を用い
て、25℃、60rpmの条件で測定した。
結果を第1表に示す。
尚、共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによって求めた数平均分子量で示した。
(実施例18) 実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量4,400)のNa塩の代わりに分子量
9,200の共重合体(ナフサ油は実施例2の組成のものを
用いた)のNa塩を用いた他は実施例17と同様にしてスラ
リーを調製し、見掛け粘度を測定した。
結果を第1表に示す。
(実施例19) 実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量4,400)のNa塩の代わりに分子量2
4,000の共重合体(ナフサ油は実施例3の組成のものを
用いた)のNa塩を用いた他は実施例17と同様にしてスラ
リーを調製し、見掛け粘度を測定した。
結果を第1表に示す。
(比較例1) 実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体のNa塩の代わりに市販のポリアクリル酸Na
塩を用いた他は実施例17と同様にしてスラリーを調製
し、見掛け粘度を測定した。
結果を第1表に示す。
(比較例2) 実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
共重合体のNa塩の代わりに市販のスチレンと無水マレイ
ン酸共重合体のNa塩を用いた他は実施例17と同様にして
スラリーを調製し、見掛け粘度を測定した。
結果を第1表に示す。
(比較例3) 実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
共重合体のNa塩の代わりに市販のα−オレフィンと無水
マレイン酸共重合体のNa塩を用いた他は実施例17と同様
にしてスラリーを調製し、見掛け粘度を測定した。
結果を第1表に示す。
(実施例20〜22) ビーカーに、実施例17〜19で用いた共重合体(分子量4,
400、9,200、24,000)のNa塩のそれぞれを所定量(第2
表に示した添加量)溶解させた水溶液125gを入れ、重質
炭酸カルシウム(白石工業(株)製、ホワイトンP−3
0)375gを添加し、実施例17と同様にスラリーを調製し
た。得られた75%スラリーの、調製直後および24時間後
の見掛け粘度を測定した結果を第2表に示す。
(比較例4〜6) 実施例20〜22で用いた共重合体のNa塩の代わりに比較例
1〜3使用した、市販のポリアクリル酸Na塩、スチレン
と無水マレイン酸共重合体のNa塩、α−オレフィンと無
水マレイン酸との共重合体のNa塩をそれぞれ用いた他は
実施例20〜22と同様にしてスラリーを調製し、見掛け粘
度を測定した。
結果を第2表に示す。
(実施例23〜25) ビーカーに、実施例17〜19で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体(分子量4,400、9,200、
24,000)のNa塩のそれぞれを所定量(第3票に示した添
加量)溶解させた水溶液400gを入れ、カーボンブラック
(三菱化成(株)製、カラーブラックMA100)100gを添
加し、実施例21と同様にスラリーを調製した。得られた
20%スラリーの見掛け粘度を測定した結果を第3表に示
す。
(実施例26) 分散剤として実施例23〜25で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体Na塩の代りに、ナフサ油
中重合成分と無水マレイン酸との共重合体(分子量4,40
0)をイソプロピルアルコールを用いてエステル化率35
%でエステル化したもののNa塩を用いた他は実施例23〜
25と同様にしてスラリーを調製した。得られたカーボン
ブラックの20%スラリーの見掛け粘度を測定した結果を
第3表に示す。
(実施例27) 分散剤として実施例23〜25で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体Na塩の代りに、ナフサ油
中重合成分と無水マレイン酸との共重合体(分子量9,20
0)をノルマルブチルセロソルブを用いてエステル化率4
0%でエステル化したもののNa塩を用いた他は実施例23
〜25同様にしてスラリーを調製した。得られたカーボン
ブラックの20%スラリーの見掛け粘度を測定した結果を
第3表に示す。
(比較例7) 分散剤として実施例23〜25で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体Na塩の代りに、市販のポ
リアクリル酸Na塩を用いた他は実施例23〜25と同様にし
てスラリーを調製した。得られたカーボンブラックの20
%スラリーの見掛け粘度を測定した結果を第3表に示
す。
(比較例8) 分散剤として実施例23〜25で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体Na塩の代りに、市販のス
チレンと無水マレイン酸共重合体のNa塩を用いた他は実
施例23〜25と同様にしてスラリーを調製した。得られた
カーボンブラックの20%スラリーの見掛け粘度を測定し
た結果を第3表に示す。
(比較例9) 分散剤として実施例23〜25で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体Na塩の代りに、市販のα
−オレフィンと無水マレイン酸共重合体のNa塩を用いた
他は実施例23〜25と同様にしてスラリーを調製した。得
られたカーボンブラックの20%スラリーの見掛け粘度を
測定した結果を第3表に示す。
(比較例10) 分散剤として実施例23〜25で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体Na塩の代りに、市販の変
性イソブチレンと無水マレイン酸共重合体のNa塩を用い
た他は実施例23〜25と同様にしてスラリーを調製した。
得られたカーボンブラックの20%スラリーの見掛け粘度
を測定した結果を第3表に示す。
(実施例28〜29) ビーカーに、ナフサ油中重合成分と無水マレイン酸との
共重合体(分子量4,400、9,200)NH4塩のそれぞれ所定
量(第4表に示した添加量)溶解させた水溶液150gを入
れ、アルミナ(昭和軽金属(株)製、超微粒低ソーダア
ルミナAL−160SG)350gを添加し、実施例17と同様にス
ラリーを調製した。得られた70%スラリーの見掛け粘度
を測定した結果を第4表に示す。
(比較例11) 分散剤として実施例28〜29で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
ポリアクリル酸NH4塩を用いた他は実施例28〜29と同様
にしてスラリーを調製した。得られたアルミナの70%ス
ラリーの見掛け粘度を測定した結果を第4表に示す。
(比較例12) 分散剤として実施例28〜29で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
変性イソブチレンと無水マレイン酸共重合体のNH4塩を
用いた他は実施例28〜29と同様にしてスラリーを調製し
た。得られたアルミナの70%スラリーの見掛け粘度を測
定した結果を第4表に示す。
(実施例30〜31) ビーカーに、ナフサ油中重合成分と無水マレイン酸との
共重合体NH4塩、分子量4,400、9,200のそれぞれを所定
量(第5表に示した添加量)溶解させた水溶液195gを入
れ、ジルコニア(東洋曹達(株)製、部分安定化ジルコ
ニアTZ−3Y)455gを添加し、実施例17と同様にスラリー
を調製した。得られた70%スラリーの見掛け粘度を測定
した結果を第5表に示す。
(比較例13) 分散剤として実施例30〜31で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
ポリアクリル酸NH4塩を用いた他は実施例30〜31と同様
にしてスラリーを調製した。得られたジルコニアの70%
スラリーの見掛け粘度を測定した結果を第5表に示す。
(実施例32〜34) ビーカーに、ナフサ油中重合成分と無水マレイン酸との
共重合体(分子量4,400、9,200、28,000)のNH4塩のそ
れぞれを所定量(第6表に示した添加量)溶解させた水
溶液200gを入れ、炭化ケイ素(昭和電工(株)製、DU
A−2)300gを添加し、実施例17と同様にスラリーを調
製した。得られた60%スラリーの見掛け粘度を測定した
結果を第6表に示す。
(比較例14) 分散剤として実施例32〜34で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
ポリアクリル酸NH4塩を用い他は実施例32〜34と同様に
してスラリーを調製した。得られた炭化ケイ素の60%ス
ラリーの見掛け粘度を測定した結果を第6表に示す。
(比較例15) 分散剤として実施例32〜34で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
変性イソブチレンと無水マレイン酸共重合体のNH4塩を
用いた他は実施例32〜34と同様にしてスラリーを調製し
た。得られた炭化ケイ素の60%スラリーの見掛け粘度を
測定した結果を第6表に示す。
(実施例35〜37) ビーカーに、ナフサ油中重合成分と無水マレイン酸との
共重合体(分子量4,400、9,200、28,000)のNH4塩のそ
れぞれを所定量(第7表に示した添加量)溶解させた水
溶液200gを入れ、酸化鉄(粒径0.7μm、比表面積4m2/
g)300gを添加し、実施例17と同様にスラリーを調製し
た。得られた60%スラリーの見掛け粘度を測定した結果
を第7表に示す。
(比較例16) 分散剤として実施例35〜37で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
ポリアクリル酸NH4塩を用いた他は実施例35〜37と同様
にしてスラリーを調製した。得られた酸化鉄の60%スラ
リーの見掛け粘度を測定した結果を第7表に示す。
(比較例17) 分散剤として実施例35〜37で用いたナフサ油中重合成分
と無水マレイン酸との共重合体NH4塩の代りに、市販の
変性イソブチレンと無水マレイン酸共重合体のNH4塩を
用いた他は実施例35〜37と同様にしてスラリーを調製し
た。得られた酸化鉄の60%スラリーの見掛け粘度を測定
した結果を第7表に示す。
(実施例38) 実施例1で合成した共重合体10gに水酸化ナトリウム3.8
gと清水を加え、最終的に溶液重量が128gとなるように
清水を追加し、固形分で10wt%、共重合体のナトリウム
塩を含む水溶液を調製した。
この水溶液30mlをオートクレーブに密閉し、260℃で15
時間保持した後、室温にもどし、GPCにて分子量を測定
したところ、処理前と同じ分子量であり、熱劣化を受け
ていないことが分った。
(実施例39) 実施例9で合成した共重合体を原料として、実施例38と
同じ方法で共重合のナトリウム塩を調製した。この共重
合体のナトリウム塩(固形分)0.2重量部に対し、清水1
00重量部、ベントナイト4重量部を加え、泥水を調製し
た。
B型粘度計で泥水の粘度を測定したところ20cPであっ
た。
この泥水をオートクレーブに充填し、240℃で15時間熱
処理した。
熱処理後室温に戻し、オートクレーブの蓋を開け、観察
したが、全体が均一な泥水のままであり、ゲル化などの
現象は見られなかった。
また、処理後の粘度も処理前と変化していなかった。
(実施例40) 清水100重量部、ベントナイト4重量部、クリストタイ
ル系アスベスト1重量部、フミン酸アルカリ4重量部に
実施例11で合成した共重合体のナトリウム塩0.5重量部
を加え、掘削用のポリマー泥水を調製した。
この泥水を下表を示した条件で泥水特性を測定した。泥
水特性の測定には、Fann VGメーターとA.P.I.規格によ
る脱水量試験機を使用した。
下表より、ナフサ油の重合成分のアルカリ塩を泥水安定
剤として添加することにより、240℃の厳しい条件下で
も泥水として安定であるといえる。
(実施例41) 実施例1で得られた共重合体の重量減少を窒素雰囲気
下、3℃/min(室温から昇温)の条件でRigaku社(株)
製の熱天秤を用いて測定したところ、310℃から重量減
少が認められた。
(比較例18) スチレンと無水マレイン酸との共重合体の重量減少を、
実施例50と同じ条件で測定したところ280℃から重量減
少が認められた。
(実施例42) 実施例8で得られた共重合体を、窒素雰囲気下、270℃
にて3時間保持する条件でRigaku社(株)製の熱天秤を
用いてその重量減少を測定したところ、重量減少は、全
く見られなかった。さらに、測定に使用した共重合体の
分子量をGPCにて測定したところ、分子量の変化はない
ことから、共重合体の主鎖、側鎖の切断は、270℃の温
度では進行しないと考えられる。
(比較例19) スチレンと無水マレイン酸との共重合体(市販品)を実
施例41と同じ条件で重量減少の測定を行ったところ、測
定終了時には、総重量にたいして5%の重量減少が認め
られた。このことからスチレンと無水マレイン酸との共
重合体はナフサ油の重合成分と無水マレイン酸との共重
合体に比べ、熱安定性は悪いと言える。
(実施例43) ビーカーに、実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無
水マレイン酸との共重合体(分子量4400)のNa塩を所定
量(第8表に示した添加量)溶解させた水溶液150gを入
れ、酸化チタン(石原産業(株)製、タイペークR−55
0)450gを添加し、実施例17と同様にスラリーを調整し
た。得られた75%スラリーの見掛け粘度を測定した結果
を第8表に示す。
(比較例20) 実施例43で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量4400)のNa塩の代りに市販のポリ
アクリル酸のNa塩を用いた他は実施例43と同様にしてス
ラリーを調整し、見掛け粘度を測定した。
結果を第8表に示す。
(比較例21) 実施例43で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量4400)のNa塩の代りに市販のスチ
レンと無水マレイン酸との共重合体のNa塩を用いた他は
実施例43と同様にしてスラリーを調整し、見掛け粘度を
測定した。
結果を第8表に示す。
(比較例22) 実施例43で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量4400)のNa塩の代りに市販のα−
オレフィンと無水マレイン酸との共重合体のNa塩を用い
た他は実施例43と同様にしてスラリーを調整し、見掛け
粘度を測定した。
結果を第8表に示す。
(実施例44) ビーカーに、実施例17で用いたナフサ油中重合成分と無
水マレイン酸との共重合体(分子量4400)のNa塩を所定
量(第9表に示した添加量)溶解させた水溶液175gを入
れ、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジラ
イトH−42)325gを添加し、実施例17と同様にスラリー
を調整した。
得られた65%スラリーの見掛け粘度を測定した結果を第
9表に示す。
(比較例23) 実施例44で用いたナフサ油重合成分と無水マレイン酸と
の共重合体(分子量4400)のNa塩の代りに市販のポリア
クリル酸のNa塩を用いた他は実施例44と同様にしてスラ
リーを調整し、見掛け粘度を測定した。
結果を第9表に示す。
(比較例24) 実施例44で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量4400)のNa塩の代りに市販のα−
オレフィンと無水マレイン酸との共重合体のNa塩を用い
た他は実施例44と同様にしてスラリーを調整し、見掛け
粘度を測定した。
結果を第9表に示す。
(実施例45) ビーカーに、ナフサ油重合成分と無水マレイン酸との共
重合体(分子量9200)NH4塩を所定量(第10表に示した
添加量)溶解させた水溶液120gを入れ、窒化アルミニウ
ム(徳山曹達(株)製、Fタイプ)280gを添加し、実施
例17と同様にスラリーを調整した。得られた70%スラリ
ーの見掛け粘度を測定した結果を第10表に示す。
(比較例25) 実施例45で用いたナフサ油中重合成分と無水マレイン酸
との共重合体(分子量9200)のNH4塩の代りに市販のポ
リアクリル酸のNH4塩を用いた他は実施例45と同様にし
てスラリーを調整し、見掛け粘度を測定した。
結果を第10表に示す。
<発明の効果> 本発明は以上説明したように構成されているので、本発
明の共重合体は、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金
属塩、アンモニウム塩とすることにより各種顔料やセラ
ミックスの分散剤、地層掘削用の泥水安定剤として好適
に用いることができる。
また、本発明の共重合体は、アルコールによりエステル
化物とすることにより、また該エステル化物のアルカリ
金属塩とすることにより各種顔料の分散剤、塗料、イン
クの分散剤、接着剤、床磨きワックスのレベリング剤な
どの用途があり、多彩な分野で使用できる。
また、本発明の共重合体の製造方法により、前記各種用
途に有効に用いることができる共重合体を、高収率で、
かつ工業的に容易に効率よく回収することができる。
また、本発明の共重合体の製造方法によりナフサ油中の
重合成分と無水マレイン酸との共重合体を高収率で、か
つほぼ定量的に回収できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査前置に係属中 (72)発明者 成瀬 義弘 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭54−111594(JP,A) 特開 昭54−6092(JP,A) 特開 昭61−246206(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(a)、(b)、(c)で示され
    る重合成分を5wt%以上含有するナフサ油と無水マレイ
    ン酸との共重合体で、下記繰り返し単位A、B、C、D
    からなる分子量1200〜35000の共重合体。 (a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
    ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
    ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
    る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
    %。 ここで、Dは下記構造単位から選ばれる少なくとも1
    種、
  2. 【請求項2】下記成分(a)、(b)、(c)で示され
    る重合成分を5wt%以上含有するナフサ油と無水マレイ
    ン酸とをラジカル重合反応させ分子量が1200〜35000の
    共重合体を製造することを特徴とするナフサ油中の重合
    成分と無水マレイン酸との共重合体の製造方法。 (a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
    ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
    ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
    る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
    %。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の共重合体の製造方法にお
    いて、沈殿回収溶媒として、脂肪族系炭化水素油、ナフ
    テン系炭化水素油およびリグロインよりなる群から選ば
    れる一種以上を用いる請求項2に記載の共重合体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のラジカル重合反応が、前
    記ナフサ油および無水マレイン酸は溶解するが、前記共
    重合体に対する溶解度が小さい溶媒を反応溶媒として用
    い、かつ沈殿回収溶媒を用いることなく行う請求項2に
    記載の共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記反応溶媒が、ベンゼン、トルエン、エ
    チルベンゼン、キシレンまたはクメンである請求項4記
    載の共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】下記成分(a)、(b)、(c)で示され
    る重合成分を5wt%以上含有するナフサ油と無水マレイ
    ン酸との共重合体で、下記繰り返し単位A、B、C、D
    からなる分子量1200〜35000の共重合体中の酸無水物基
    を含むカルボン酸基の少なくとも一部をエステル化して
    なるエステル化共重合体。 (a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
    ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
    ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
    る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
    %。 ここで、Dは下記構造単位から選ばれる少なくとも1
    種、
  7. 【請求項7】下記成分(a)、(b)、(c)で示され
    る重合成分を5wt%以上含有するナフサ油と無水マレイ
    ン酸とをラジカル重合反応させ分子量が1200〜35000の
    共重合体を製造し、この共重合体を、100〜200℃の温度
    でアルコールと反応させてエステル化するエステル化共
    重合体の製造方法。 (a)インデン 70〜99wt% (b)スチレン 0.5〜29.5wt% (c)α−メチルスチレン、メチルスチレン、メチルイ
    ンデン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、クマ
    ロンおよびジシクロペンタジエンよりなる群より選ばれ
    る少なくとも1つまたは2つ以上の合計0.5〜29.5wt
    %。
  8. 【請求項8】請求項1記載の共重合体の水溶性塩および
    請求項6記載のエステル化共重合体の水溶性塩より選ば
    れる少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とす
    る分散剤。
  9. 【請求項9】前記水溶性塩が前記共重合体のアルカリ金
    属塩、アルカリ土類金属塩および/またはアンモニウム
    塩である請求項8に記載の分散剤。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の分散剤を有効
    成分として含有することを特徴とする泥水安定剤。
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