JPH07333510A - レーザ走査顕微鏡装置 - Google Patents

レーザ走査顕微鏡装置

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JPH07333510A
JPH07333510A JP6142226A JP14222694A JPH07333510A JP H07333510 A JPH07333510 A JP H07333510A JP 6142226 A JP6142226 A JP 6142226A JP 14222694 A JP14222694 A JP 14222694A JP H07333510 A JPH07333510 A JP H07333510A
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JP
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light
spot
optical system
sample
laser scanning
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JP6142226A
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Inventor
Yasushi Oki
裕史 大木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共焦点構成の優れた解像力を維持しつつもリ
アルタイムでの試料像の形成が可能な共焦点型レーザ走
査顕微鏡を得る。 【構成】 集光光学系にて集光される試料面を介した戻
り光よるスポット像の結像面上に配置した各々外部から
の電気信号によって結像面に対して予め定められた角度
だけ傾斜可能に設けられた複数の微小ミラーからなるス
ポット選択手段を備え、制御手段によって、複数の微小
ミラーのうち、少なくとも集光光学系によって形成され
たスポット像の中心に位置する微小ミラーに対して電気
信号を与え、該電気信号によって傾斜した微小ミラーに
よる反射光が検出器へ入射するように制御する共焦点型
のレーザ走査顕微鏡装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ走査顕微鏡、特
に共焦点型のレーザ走査顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】共焦点型のレーザ走査顕微鏡は、試料に
レーザスポットを照射し、試料からの戻り光を再び走査
光学系を経て結像し、結像面に設置したピンホールを通
過した光だけを検出するものであり、面内方向及び光軸
方向の何れにも通常の光学顕微鏡より優れた解像力を有
することが特徴である。特にこの方式を蛍光顕微鏡に応
用した場合、そのメリットは甚だ大きく、既に多くの製
品が世に送り出されている。このような共焦点型のレー
ザ走査顕微鏡の一例を図3に示す。
【0003】図3において、レーザ光源101を出たレ
ーザ光はコリメータレンズ102によって平行ビームと
なり、ハーフミラー103を透過し、さらに制御手段1
10からの電気信号によって制御された2次元走査手段
104を介して対物レンズ105によって試料106上
に光スポットを形成する。ビームは2次元走査手段10
4によってX−Y方向に偏向されるため、試料106上
に形成された光スポットは、その試料106面を2次元
走査する。試料6で反射された光は再び対物レンズ10
5、2次元走査手段104を経てデスキャニング(試料
面上を走査したスポットが検出系の受光面では静止する
ように再度走査手段を通過させること)された後ハーフ
ミラー103で反射され、集光レンズ107によって再
びスポット像を形成する。
【0004】このスポット像が形成される位置にはピン
ホール108が配置されており、ピンホール108を通
過した光のみが検出器109で検出される。検出器10
9からの出力信号は制御手段110を経てモニタ111
上に入力され、ここで試料の画像が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き共焦点型のレーザ走査顕微鏡では、走査型光学系で
あるため一画像を得るのに時間がかかってしまう。従っ
て、走査手段には高速のものが必要とされている。そこ
で、モニタ画面上にリアルタイムで試料像を形成するた
めの走査手段としては、音響光学素子(AOD)、ポリ
ゴンミラー、共振型(レゾナント)ミラーなどが提案さ
れている。
【0006】このうち、AODは、超音波セル内にて光
ビームに超音波ビームを作用させて光ビームを屈折さ
せ、超音波周波数を変調することによって光を偏向させ
るものであり、可動部のない高速走査手段として非常に
優れているが、異方性ブラッグ回折を用いたものは往復
での使用ができない。また、超音波波面による回折格子
を形成して光を偏向するため蛍光顕微鏡のように往路と
復路との波長が異なる場合には使用できない。
【0007】また、ポリゴンミラーは、部材の回転によ
ってその周囲に一連に設けられた平面反射面で光を偏向
させる構成であり、装置が大型化し、かつ実質的な光の
利用効率が低いなどの問題がある。また、レゾナンドミ
ラーは走査線速度の自由度がなく正弦波状にしか振動し
ないという欠点を有する。このように、いずれの手段に
おいても共焦点型のレーザ走査顕微鏡、とくに共焦点レ
ーザ走査蛍光顕微鏡の走査手段としては不都合であり、
これをカバーするために装置側に負担がかかりコストア
ップなどの原因となっていた。
【0008】こうした問題の多くは、共焦点構成にする
ために生じるものである。即ち、試料から戻ってきた復
路の光は、空間に固定されたピンホールを通過しなけれ
ばならないので、かならず往路と同じ偏向を復路でも受
け、受光面ではレーザスポットが静止した状態になるよ
う構成しなければならない。厳密な共焦点構成をさけた
場合、例えば、ピンホールの代わりにスリットを用いて
受光面におけるスポットが1次元方向にのみ静止するよ
うに構成すれば、AODの使用も可能と成るが、このと
き共焦点構成本来の解像力は失われてしまう。
【0009】本発明は、上記問題点を鑑み、実質的な共
焦点光学系による優れた解像力を持つレーザ走査顕微鏡
を得ることを主目的とする。また、優れた解像力を維持
しつつもリアルタイムでの試料像の形成が可能な共焦点
型レーザ走査顕微鏡を得ることを目的とする。また、走
査手段に復路の光を通すことなく、即ちデスキャニング
する必要なく厳密な共焦点構成を実現したレーザ走査顕
微鏡を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係るレーザ走査顕微鏡で
は、光源と、該光源からの光によって試料面上に光スポ
ットを形成する照明光学系と、該光スポットを前記試料
面上で2次元的に走査する走査手段と、前記試料面を介
した戻り光をスポット状に集光する集光光学系と、該戻
り光を検出して検出信号を出力する検出器と、前記検出
信号に基づいて画像を表示するモニタとを有する共焦点
型のレーザ走査顕微鏡装置において、前記集光光学系に
よるスポット像の結像面上に配列され、各々外部からの
電気信号によって前記結像面に対して予め定められた角
度だけ傾斜可能に設けられた複数の微小ミラーからなる
スポット選択手段と、前記複数の微小ミラーのうち、少
なくとも前記集光光学系によって形成された前記スポッ
ト像の中心に位置する微小ミラーに対して前記電気信号
を与え、該電気信号によって傾斜した前記微小ミラーに
よる反射光が前記検出器へ入射するように制御する制御
手段と、を備えたものである。
【0011】また、請求項2に記載の発明に係るレーザ
走査顕微鏡装置では、請求項1に記載のレーザ走査顕微
鏡装置において、前記試料面からの戻り光は、前記走査
手段を介さないで前記集光光学系に入射するものであ
る。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明に係るレー
ザ走査顕微鏡装置では、請求項1に記載のレーザ走査顕
微鏡装置において、前記試料面からの戻り光は、前記走
査手段を介して前記集光光学系に入射するものである。
【0013】
【作用】請求項1に記載の本発明は、共焦点型のレーザ
走査顕微鏡装置において、試料からの戻り光を集光光学
系によって複数の微小ミラーからなるスポット選択手段
の受光面上にスポット状に集光するものである。各微小
ミラーは、任意に制御手段からの電気信号によって予め
定められた角度傾けることができるので、スポットが当
った微小ミラーのみを駆動し傾けることによって、そこ
からの反射光を検出器へ導くことができる。従って、本
発明によるレーザ走査顕微鏡装置では、1個の微小ミラ
ーのサイズを従来の共焦点型レーザ走査顕微鏡のピンホ
ールサイズ相当とすれば、この微小ミラーによる反射光
の検出器での検出は、従来装置におけるピンホールを通
過してきた光のみの検出に相当し、面内方向及び光軸方
向への優れた解像力は同等のものである。
【0014】従って、本発明のレーザ型走査顕微鏡によ
れば、集光光学系によって形成される光スポットが、往
路の走査手段による偏向に応じてその結像面上、即ちス
ポット選択手段の受光面上を2次元的に高速で移動して
も、その移動に同期させて順次光スポットのあたる微小
ミラーを所望の角度傾けるように制御手段によって制御
すれば、戻り光によるスポット光のみを選択的に反射し
て常に光信号を検出器に供給することができ、優れた解
像度で試料の像を得ることが可能となる。これは、走
査、又は色収差等に伴って動き回るレーザスポットをあ
たかもピンホールが追いかけ回すような状況を実現し、
厳密な共焦点構成としたものである。
【0015】また、請求項2に記載の本発明は、試料か
らの戻り光を集光光学系によって複数の微小ミラーから
なるスポット選択手段の受光面上にスポット状に集光す
る共焦点型のレーザ走査顕微鏡装置において、試料面か
らの戻り光を、走査手段を介さないで集光光学系に入射
させるものである。スポット選択手段の各微小ミラー
は、任意に制御手段からの電気信号によって予め定めら
れた角度傾けることができるので、スポット選択手段に
よってその受光面上をスポットが2次元的に移動して
も、その移動に同期した微小ミラーの駆動によってスポ
ット光のみを選択的に反射することができる。
【0016】これにより、本発明の共焦点型レーザ走査
顕微鏡では、常に検出器に戻り光からなるスポット光を
導くことができるため、戻り光を復路において再度走査
手段を介してデスキャニングする必要がない。従って、
本発明によれば、蛍光顕微鏡のように往路と復路との波
長が異なる場合でも、高速走査手段であるAODを用い
ることができ、リアルタイムで且つ共焦点光学系の持つ
本来の優れた解像力で試料像を得ることができる。
【0017】さらに、請求項3に記載の本発明は、試料
からの戻り光を集光光学系によって複数の微小ミラーか
らなるスポット選択手段の受光面上にスポット状に集光
する共焦点型のレーザ走査顕微鏡装置において、試料面
からの戻り光を、走査手段を介して集光光学系に入射さ
せるものである。蛍光顕微鏡のように往路と復路とで全
く波長が異なるものだけでなく、往路と復路でほぼ波長
が同じである顕微鏡の場合でも、往復の光に対し色収差
が発生し、同一の走査手段を再び通過させても完全なデ
スキャニングができず、受光面上で光スポットが完全に
静止しないで、僅かな動きが残ってしまう場合がある。
【0018】しかしながら、本発明のスポット選択手段
の各微小ミラーは、任意に制御手段からの電気信号によ
って予め定められた角度傾けることができるので、上記
のような色収差に起因する受光面上での光スポットの僅
かな動きにも、スポット選択手段の各微小ミラーを対応
させて駆動することができる。従って、本発明によれ
ば、受光面上で光スポットが僅かな動きを生じても、常
に光スポットを選択的に検出器へ反射させることができ
るので、従来のようにピンホールの面積を大きくして分
解能を犠牲にすることなく厳密な共焦点光学系を構成で
き、不完全なデスキャニングを補うことができる。
【0019】上記の如きスポット選択手段として、電気
機械変換素子の一つであるDMMD(Degital Micro Mi
rror Device )を用いることができる。以下に、DMM
Dの一例を図4に示す。このDMMDは、支持基板20
2に支持されたミラー部201が、P型シリコン基板2
10のゲートオキサイド209上にポリシリコンゲート
205、絶縁層204、支持部材203を介して設けら
れたものである。さらに、ゲートオキサイド209上に
は、ミラー部201および支持基板202に対向する位
置にフローティング・フィールドプレート206が設け
られ、このフローティング・フィールドプレート206
に対してのゲートオキサイド209下部にはN+ フロー
ティングソース207がある。
【0020】このような構成において、N+ ドレイン2
08のドレイン信号、ポリシリコンゲート205のゲー
ト信号のON,OFFにより、N+ フローティングソー
ス207に電圧V1 がON,OFFされる。この時、電
圧V2 がかかっているミラー部201および支持基板2
02とN+ フローティングソース207との間で該O
N,OFF信号に応じて電位差が増減する。
【0021】そこで、この電位差に応じてフローティン
グ・フィールドプレート206とミラー部201および
支持基板202との間にF KVa (K:定数、a:定
数、V:電位差)で表される力Fが生じる。この力F
は、フローティング・フィールドプレート206による
引っ張り力としてミラー部201および支持基板202
に作用し、電位差Vが大きい時、ミラー部201は支持
基板202と共にヒンジ部で曲げられ、フローティング
・フィールドプレート206の方へ傾斜する(図4中右
側)。電位差Vが小さい時は、ミラー部201は支持基
板202は基板表面と平行なまま(図4中左側)であ
り、ミラー部201へ入射する光は、信号のON,OF
Fに応じて異なる角度で反射される。
【0022】このような素子を本発明のスポット選択手
段に用いる場合、複数の素子を2次元方向に配列し、複
数のミラー部201からなる受光面を形成し、集光光学
系によるスポット像の結像面上に該受光面が来るよう配
置し、スポット像の結像面上での移動に応じて、各素子
へ順次信号を送り、スポットが受光した素子のミラー部
201が傾斜して所定方向へスポット光を反射させる構
成とすれば良い。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例をもって説明する。 (実施例1)まず、本発明の第1実施例として、走査手
段としてAODを用い、試料からの戻り光を走査手段を
介さないで集光光学系へ入射させる構成とした蛍光顕微
鏡を図1に示す。
【0024】図1において、レーザ光源1を出たレーザ
光はコリメータレンズ2によって平行ビームとなり、さ
らに制御手段10からの電気信号によって制御された2
次元走査手段3を通り、ハーフミラー4を透過し、対物
レンズ5によって試料6上に光スポットを形成する。ビ
ームは2次元走査手段3によってX−Y方向に偏向され
るため、試料6上に形成された光スポットは、その試料
6面を2次元走査する。
【0025】スポット光が照射された試料6からは、試
料6に塗布された試薬に応じた波長の蛍光が発せられ
る。この蛍光は、戻り光として光路を逆行し、再び対物
レンズ5を透過した後、ハーフミラー4で反射され、集
光光学系へ入射する。集光光学系において、集光レンズ
7によって集光された戻り蛍光は、スポット選択手段8
の受光面上に再びスポット像を形成する。
【0026】本実施例においては、スポット選択手段8
は、DMMDから形成されたものを使用した。受光面、
即ち集光レンズ7による結像面には、複数のDMMDの
微小ミラー面が2次元配列されており、制御手段10か
らの電気信号によって任意の微小ミラーが前記受光面に
対してある角度傾けられる。この傾斜角度は、微小ミラ
ーで反射された戻り蛍光がちょうど検出器9の検出面に
入射するよう設定されいる。
【0027】また、各微小ミラーの面積は、ほぼ所望の
スポット径、即ち、従来の共焦点型レーザ走査顕微鏡に
おけるピンホールと同程度とする。従って、傾斜した微
小ミラーで反射され、検出器9の検出面に導かれる光B
は、予め定められた結像位置に配置されたピンホール
(図3における108に相当)を透過した戻り光と同様
のものであり、スポット周辺、あるいは所望の試料深度
よりずれた部分からの結像位置のずれた戻り光Aは、周
辺の傾斜していない微小ミラーによって検出器9の検出
面方向とはずれた方向へ反射される。従って、本実施例
による蛍光顕微鏡で得られる試料像は、共焦点型走査顕
微鏡が本来もっている優れた解像力という効果により、
鮮明で解像度の高いものである。
【0028】なお、集光レンズ7によってスポット選択
手段8の受光面上に形成されたスポット光は、試料6上
の光スポットの2次元走査に応じて受光面上を2次元移
動するが、予め、光スポットの走査速度および位置に相
当する受光面上での移動速度および位置に関する情報を
制御手段10に入力しておき、その情報に基づいて、受
光面上でのスポット像の移動に同期させて順次微小ミラ
ーを自動的に駆動、傾斜させるように設定しておけば良
い。
【0029】スポット選択手段8の傾斜微小ミラーによ
って反射された戻り蛍光は、検出器9で検出され、検出
器9からの出力信号は、制御手段10を経てモニタ11
上に試料画像を形成する。本実施例による蛍光顕微鏡で
は、戻り光が再び走査手段3を通る必要がないので、高
速走査手段のAODを用いても従来のような問題は生じ
ず、リアルタイムで試料の鮮明な画像が得られる。この
ような蛍光顕微鏡においては、戻り蛍光が再び走査手段
を通過する必要がないので、AODに限らず様々な高速
走査手段を使用することができる。
【0030】なお、蛍光顕微鏡は、試料に塗布する試薬
によって発生する蛍光の波長が異なる。蛍光顕微鏡に
は、複数の試薬を用いて複数の検出蛍光を得る構成とし
たものもある。この場合、結像面上、即ちスポット選択
手段の受光面上で形成されるスポット像が、異なる位置
にあれば、それぞれのスポット像の移動に同期させて各
微小ミラーを駆動し、各々別個に検出器へ反射させれば
良い。この時、各々のスポット像について微小ミラーの
傾斜角度が互いに異なるように設定し、各々に対応した
位置に配置した各検出器に各々検出させる構成としても
良い。
【0031】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
として、試料からの戻り光を再び走査手段を通過させて
デスキャニングする構成としたレーザ走査蛍光顕微鏡を
図2に示す。
【0032】図2において、レーザ光源21を出たレー
ザ光はコリメータレンズ22によって平行ビームとな
り、ハーフミラー24を透過し、さらに制御手段30か
らの電気信号によって制御された2次元走査手段23を
通り、対物レンズ25によって試料26上に光スポット
を形成する。レーザビームは2次元走査手段23によっ
てX−Y方向に偏向されるため、試料26上に形成され
た光スポットは、その試料26面をX−Y方向に2次元
走査する。
【0033】スポット光が照射された試料26からは、
試料26に塗布された試薬に応じた波長の蛍光が発生す
る。この蛍光は戻り光として光路を逆行し、対物レンズ
24を透過し、再び走査手段23を通過し、ここでX,
Y方向いずれか一方あるいは両方について往路と同じ偏
向を受けてデスキャニングされた後、ハーフミラー24
で反射され、集光光学系へ入射する。集光光学系におい
て、集光レンズ27によって集光された戻り光は、スポ
ット選択手段28の受光面上に再びスポット像を形成す
る。
【0034】本実施例においては、スポット選択手段2
8は、DMMDから形成されたものを使用した。受光
面、即ち集光レンズ27による結像面には、複数のDM
MDの微小ミラー面が2次元配列されており、制御手段
30からの電気信号によって任意の微小ミラーが前記受
光面に対してある角度傾けられる。この傾斜角度は、微
小ミラーで反射された戻り光がちょうど検出器39の検
出面に入射するよう設定されいる。
【0035】また、各微小ミラーの面積は、ほぼ所望の
スポット径、即ち、従来の共焦点型レーザ走査顕微鏡に
おけるピンホールと同程度とする。従って、傾斜した微
小ミラーで反射され、検出器29の検出面に導かれるの
光Bは、予め定められた結像位置に配置されたピンホー
ル(図4における108に相当)を透過した戻り光と同
様のものであり、スポット周辺からの結像位置のずれた
戻り光Aは、周辺の傾斜していない微小ミラーによって
検出器29の検出面方向とはずれた方向へ反射される。
【0036】ここで、レーザ光源21からのレーザ光
と、試料26からの戻り光(蛍光)との波長が異なって
いるため、往復路の光で色収差が生じる。従って、同一
の走査手段23を往復で通過しても集光レンズ27によ
って結像されるスポット像の完全なデスキャニングがで
きない。この場合、形成されるスポット像は、スポット
選択手段の受光面上で僅かに移動している。ここでは、
このスポット像の僅かな移動に同期させるように、制御
手段30からの電気信号によって各微小ミラーを駆動、
傾斜させる構成としている。
【0037】これにより、反射光は検出器29の検出面
へ入射する。検出器29からの出力信号は、制御手段3
0を経てモニタ31上に試料画像を形成する。このよう
に、本実施例の蛍光顕微鏡では、不完全なデスキャニン
グを補い、共焦点型走査顕微鏡が本来もっている優れた
解像力という効果により、鮮明で解像度の高い試料像を
得ることができる。
【0038】なお、微小ミラーおよび素子の配列数は、
スポット像の移動範囲に応じた受光面が形成できる分だ
けで良い。
【0039】なお、以上の第1、第2実施例では、1つ
の微小ミラーの大きさを所望のスポット径と同程度、即
ち従来のピンホールサイズ相当としたが、本発明はこれ
に限られるものではなく、形成されたスポット像中心付
近にある複数の微小ミラーを1単位として駆動させる構
成としても良い。また、同じスポット選択手段であって
も、同時に駆動する微小ミラー数を変化させれば、実質
的にピンホールサイズを変化させたのと同じ効果が得ら
れる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明は、集光光
学系によって結像されるスポット像が結像面上を移動し
ても、常にスポット光を選択的に検出器へ導くことがで
き、鮮明で解像度の高い試料画像が得られるという効果
がある。
【0041】また、本発明によれば、往路で戻り光を再
び走査手段を通過させなくても、実質的な共焦点光学系
が構成できるので、走査手段として種々のものが使用で
きる。また、従来の共焦点型レーザ走査顕微鏡に用いる
のには問題のあったAODなどの高速走査手段も問題な
く使用でき、鮮明で高解像度の試料画像をリアルタイム
で得ることが可能となった。
【0042】さらに、本発明によれば、往路でも戻り光
を再び走査手段を通過させてデスキャニングする構成に
おいて、色収差に起因するデスキャニングの不足を補う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による蛍光顕微鏡を示す
概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例によるレーザ走査顕微鏡
を示す概略構成図である。
【図3】従来技術による共焦点型レーザ走査顕微鏡を示
す概略構成図である。
【図4】本発明のスポット選択手段の1つとして用いら
れるDMMDを示す説明図である。
【符号の説明】
1,21:レーザ光源 2,22:コンデンサレンズ 3,23:AOD(走査手段) 4,14:ハーフミラー 5,15:対物レンズ 6,26:試料 7,17:集光レンズ 8,28:スポット選択手段 9,29:検出器 10,30:制御手段 11,31:モニタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、該光源からの光によって試料面
    上に光スポットを形成する照明光学系と、該光スポット
    を前記試料面上で2次元的に走査する走査手段と、前記
    試料面を介した戻り光をスポット状に集光する集光光学
    系と、該戻り光を検出して検出信号を出力する検出器
    と、前記検出信号に基づいて画像を表示するモニタとを
    有する共焦点型のレーザ走査顕微鏡装置において、 前記集光光学系によるスポット像の結像面上に配列さ
    れ、各々外部からの電気信号によって前記結像面に対し
    て予め定められた角度だけ傾斜可能に設けられた複数の
    微小ミラーからなるスポット選択手段と、 前記複数の微小ミラーのうち、少なくとも前記集光光学
    系によって形成された前記スポット像の中心に位置する
    微小ミラーに対して前記電気信号を与え、該電気信号に
    よって傾斜した前記微小ミラーによる反射光が前記検出
    器へ入射するように制御する制御手段と、を備えたこと
    を特徴とするレーザ走査顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記試料面からの戻り光は、前記走査手
    段を介さないで前記集光光学系に入射することを特徴と
    する請求項1に記載のレーザ走査顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記試料面からの戻り光は、前記走査手
    段を介して前記集光光学系に入射することを特徴とする
    請求項1に記載のレーザ走査顕微鏡装置。
JP6142226A 1994-06-02 1994-06-02 レーザ走査顕微鏡装置 Pending JPH07333510A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001027728A (ja) * 1999-07-15 2001-01-30 Yokogawa Electric Corp 共焦点光スキャナ
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JP2002090628A (ja) * 2000-09-18 2002-03-27 Olympus Optical Co Ltd 共焦点顕微鏡
JP2002113786A (ja) * 2000-06-05 2002-04-16 Leica Microsystems Heidelberg Gmbh 三次元物体の生成方法
JP2004509370A (ja) * 2000-09-18 2004-03-25 ヴァンサン・ロウエ 共焦点用光学走査装置
JP2022104781A (ja) * 2020-12-29 2022-07-11 ソウル大学校産学協力団 グラフェンの品質評価方法

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