JPH07332433A - 動吸振器 - Google Patents

動吸振器

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JPH07332433A
JPH07332433A JP27199494A JP27199494A JPH07332433A JP H07332433 A JPH07332433 A JP H07332433A JP 27199494 A JP27199494 A JP 27199494A JP 27199494 A JP27199494 A JP 27199494A JP H07332433 A JPH07332433 A JP H07332433A
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安彦 相田
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Katsuhiko Motai
勝彦 馬渡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振対象構造物が水平二次元方向に振動する
場合に、1つの可動重量を水平二次元の任意の方向の振
動にも追従できるように支持した動吸振器を提供する。 【構成】 本発明に係る動吸振器は、吸振器となる可動
重量部5と、この可動重量部5に設置され隣り合う円筒
磁石6,7が交互に異磁極の磁石を有して同心状に配列
された可動部磁石列9と、この可動部磁石列9と対向し
て設けられた固定部1と、この固定部1側に静止状態で
上記可動重量部5側の円筒磁石6,7と対向する位置に
各々異磁極の磁石が配置された固定部磁石列12とを備
え、前記可動部磁石列9と固定部磁石列12との間には
導体板16が配置され、前記可動重量部5と固定部1と
の間には当該間隙13を確保する剛球15とから構成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の制振装置に係
り、1つの可動重量を用いて水平二次元方向の振動に対
応し、方向に係わらず振動効果が得られる動吸振器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の動吸振器は、制振対象構造物の振
動方向を特定し、その方向に対して制振効果を発揮する
ように、付加重量を振動させる構成となっている。そし
て、制振すべき振動方向が複数ある場合、その各方向に
対応した個数分、動吸振器を設置する必要があった。
【0003】図23は、従来の動吸振器の設置方向を模
式的に示したものである。図23において、制振対象構
造物1の振動方向に対応して、付加重量2に並列に剛性
要素3と減衰要素4を介して支持した支持構造物1aを
有する動吸振器を複数個設置している。建築構造物等の
大型構造物のように、動吸振器の設置スペースが十分に
確保できる場合には、複数設置する上で問題はなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の構成において、
機械構造物の様に、動吸振器の設置スペースが限られ、
しかも複数方向の制振が必要な場合、付加重量の振動方
向が一定している従来構造のままでは、制振効果を得る
ための適切な配置設定を行うことが困難であった。
【0005】本発明は以上の点に基づいてなされたもの
で、特に制振対象構造物が水平二次元方向に振動する場
合に、1つの可動重量を水平二次元の任意の方向の振動
にも追従できるように支持した動吸振器を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明においては、吸振器となる可動
重量部と、この可動重量部に設置され隣り合う円筒磁石
が交互に異磁極の磁石を有して同心状に配列された可動
部磁石列と、この可動部磁石列と対向して設けられた固
定部と、この固定部側に静止状態で上記可動重量部側の
円筒磁石と対向する位置に各々異磁極の磁石が配置され
た固定部磁石列とを備え、前記可動部磁石列と固定部磁
石列との間には導体板が配置され、前記可動重量部と固
定部との間には当該間隙を確保する剛球が配設された動
吸振器を提供する。
【0007】また、請求項2に係る発明は、前記剛球に
代えて積層弾性体が配設されてなる動吸振器を提供す
る。請求項3に係る発明は、前記可動部磁石列と固定部
磁石列の隙間を調整する機構を備えた動吸振器を提供す
る。
【0008】請求項4に係る発明は、前記剛球が水平方
向に複数配設され、各々の剛球はリテイナーを介して相
対位置が一定に保持されて成る動吸振器を提供する。請
求項5に係る発明は、前記剛球が垂直方向に移動自在な
剛球受座に支持されて成る動吸振器を提供する。
【0009】請求項6に係る発明は、前記剛球が可動重
量部の垂直方向設定位置に応じてその垂直方向の厚さを
変えられる着脱自在な剛球受座にて支持されて成る動吸
振器を提供する。
【0010】請求項7に係る発明は、前記隙間を調整す
る機構が、前記可動部磁石列または固定部磁石列を固定
するヨークをこのヨークが取り付けられる前記可動重量
部または固定部と上下移動可能なはめ合い構造とし、ヨ
ークと一体に形成されて前記可動重量部または固定部に
挿通された複数のボルトと、前記可動重量部または固定
部側に設けられ前記ボルトを固定するナットと、前記可
動重量部または固定部側に設けられたメネジ部と、この
メネジ部に嵌合し前記ヨークに当接する押しネジと、こ
の押しネジを固定するナットとを有する動吸振器を提供
する。
【0011】請求項8に係る発明は、前記隙間を調整す
る機構が、前記可動部磁石列または固定部磁石列を固定
するヨークをこのヨークが取り付けられる前記可動重量
部または固定部と上下移動可能なはめ合い構造とし、ヨ
ークと一体に形成されて可動重量部または固定部に挿通
されるボルトと、可動重量部または固定部側に設けられ
前記ボルトに嵌合するメネジ部と、ボルトを固定するナ
ットとを有する動吸振器を提供する。
【0012】請求項9に係る発明は、前記可動重量部に
設置され隣り合う円筒磁石が交互に異磁極の磁石を有し
て同心状に配列された可動部磁石列に代えて、可動重量
部に設けられた矩形の磁石と、この磁石の四片にそれぞ
れ所定の距離をおいて水平に対向して設置され前記磁石
と異方性の極を有する四個の周辺磁石とを配設して成る
可動部磁石列を有する動吸振器を提供する。
【0013】請求項10に係る発明は、前記可動重量部
に設置され隣り合う円筒磁石が交互に異磁極の磁石を有
して同心状に配列された可動部磁石列に代えて、可動重
量部に断続的に同心状に設置され隣合う磁石が交互に異
磁極の磁石を配して成る可動部磁石列を有する動吸振器
を提供する。
【0014】請求項11に係る発明は、前記可動部磁石
列と固定部磁石列は設定ばね定数に応じてその水平方向
の厚さを変えまたは削除して成る動吸振器を提供する。
請求項12に係る発明は、前記可動重量部に水平方向に
対向して設けられた異磁極の磁石と、前記固定部に水平
に対向して設けられた異磁極の磁石とを有し、この固定
部側に設けられた磁石と前記可動重量部側に設けられた
磁石とが異方性の極が対向するように配設された動吸振
器を提供する。
【0015】請求項13に係る発明は、動吸振器を構成
する可動重量部、可動重量部磁石列、固定部磁石列およ
び導体板から成る本体を一体の筐体内に収納した動吸振
器を提供する。
【0016】
【作用】上記構成の動吸振器においては、請求項1記載
の発明では可動重量部が静止位置から動いた場合、すな
わち対向している磁石が水平方向にずれた場合に、静止
位置にて対向している異磁極の間では、吸引力が働く一
方、隣接する同一磁極に近づくことにより反発力が働
く。これらは、いずれも水平任意方向の移動に対して可
動重量部の移動量を元に戻す復元力として作用する。さ
らに対向磁石間に設置した導体板を通過する磁束は、可
動重量部の移動に伴い、導体板と相対運動とになり、こ
れは導体板に発生する渦電流損による磁気減衰力として
作用する。
【0017】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の発明と同様に可動重量部が静止位置から動いた場
合、異磁極の間で働く吸引力と、隣接する同一磁極に近
づくことにより働く反発力は、いずれも二次元の任意方
向の移動に対して可動重量部の移動量を元に戻す復元力
として作用し、可動重量部の移動に伴う、導体板との相
対運動による磁気減衰力が作用する。これらの力により
動吸振器として一定のばね定数、減衰係数を得るため
に、可動重量部と固定部を積層ゴムにより結合し、対向
する磁石間の隙間を一定に保ったものである。
【0018】請求項3、請求項7または請求項8記載の
発明では、可動部磁石列または固定部磁石列を上下移動
させた上で固定できる構造であり、対向する磁石間の隙
間が調整できることにより、磁気ばね定数を可変にする
ことができる。
【0019】請求項4記載の発明では、可動重量部と固
定部の間に、剛球を直接挟み込み、荷重伝達することに
より、固体摩擦の影響を極力減らした上、小型で耐荷重
の高いベアリング構造が得られる。
【0020】請求項5および6記載の発明では、剛球の
受け座を上下移動可能とすることにより、対向磁石間の
隙間を調整することができる。請求項9記載の発明で
は、矩形磁石の縦横比を変えることで、方向による磁気
ばね定数を変えることができ、異方性のある二次元振動
にも対応することができる。
【0021】請求項10記載の発明では、外側磁石を円
周位置に分割した構成としても、一体をなす多重構造磁
石と同様に磁気ばね特性、磁気減衰特性が得られる。請
求項11記載の発明では、外側磁石あるいは内側磁石に
ついて円周位置により欠損部を設ける、磁石厚さを変え
る、あるいは部分的に磁石を付加することにより、内側
磁石が外側磁石に近づくに従い働く反発力の大きさが方
向により変わることになる。これを利用し、方向により
復元力特性(磁気ばね定数)を調節することができる。
【0022】請求項12記載の発明では、特に多重構造
磁石が円形形状の場合、ねじり方向の拘束力がないた
め、周辺に小型の磁石を対向配置することで、可動部の
ねじり方向への移動を防止することができる。請求項1
3記載の発明では、本体を筐体に収納したので、外気か
ら本体を遮断でき本体内に異物が付着しないので耐久性
を向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る動吸振器の実施例につい
て添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る動
吸振器の第1の実施例を示す縦断面図であり、図2は図
1のA−A矢視である横断面図を示している。本発明で
は、動吸振器の可動重量5に、隣接する可動部内側磁石
6と可動部外側磁石7が互いに異磁極を持つように構成
した多重構造磁石を、磁性材から成るヨーク8を介して
固定している。ここで可動部内、可動部内側磁石6、可
動部外側磁石7およびヨーク8の一組を総称して可動部
磁石列9と呼ぶ。これと対向する制振対象構造物1にも
静止状態にて、可動部磁石列9に対して各々異磁極が対
向配置されるような多重構造磁石をヨーク33を介して
設置している。すなわち可動部内側磁石6がN極の場
合、対向する位置の固定部内側磁石10はS極、そして
可動部外側磁石7がS極であり、固定部外側磁石11は
N極となる。ここで、固定部内側磁石10、固定部外側
磁石11およびヨーク33の一組を総称して固定部磁石
列12と呼ぶ。可動部磁石列9と固定部磁石列12は上
下に一定の隙間13を保って設置されているが、これは
可動重量5と制振対象構造物1に各々固定された受け座
14a、34を介して複数の剛球15を直接挟み込むこ
とにより確保している。さらにこの隙間13には導体板
16を磁石と非接触になるように設置している。導体板
16は制振対象構造物1、可動重量5のいずれに固定し
てもよく、固定した側の磁石とは接触してもかまわな
い。可動重量5の周囲には、過大な振動による逸脱を防
ぐためにストッパブロック17を設ける。尚、ここでは
多重構造磁石として二重円筒磁石を示したが、さらに複
数を同心状に磁石を配置してもよい。この実施例につい
ては、後に第8の実施例として、図17を用いて説明す
る。
【0024】以上示した動吸振器は、固定部磁石列12
等を制振対象構造物1の一部に組み込む方式としていた
が、図3に示す第2の実施例のように、動吸振器の構成
要素を全て筐体18の内部に収納し、ボルト19で制振
対象構造物1に固定する方式とすれば、重量増加とはな
るが、制振対象構造物1への着脱が簡便となり、汎用性
のある動吸振器が得られる。
【0025】さらに可動部が全て筐体18で囲まれてい
るので蒸気、粉体等の雰囲気中においても可動部に粉体
等の異物が入り込まず不具合の発生を防止できる。以
上、図1,3に示した実施例では、動吸振器を制振対象
構造物の上面に設置する場合を示したが、同様な構成で
制振対象構造物の下面あるいは側面においても設置する
ことができる。
【0026】図4にて、対向磁石間の隙間δを変えるこ
とにより、磁気ばね定数(荷重−変位関係の傾き)が調
整できることが実験的に確かめられている。ここで磁石
は2−17系希土類コバルト磁石(最大磁気エネルギ
積:26MGOe、残留磁束密度:1.02T)を使用、ヨー
ク材質はSUS403 とし、厚さはいずれも10mmとし
た。図5,6にて、導体板の板厚tを変えることによ
り、動吸振器の減衰を大幅に調整できることも実験的に
確かめられている。ここで、導体板は銅板(C1100P)
を使用した。さらに図7にて、導体板の有無は磁気復元
力特性に有意な影響を与えないことも確認されており、
本発明による動吸振器の磁気復元力と磁気減衰力は独立
して扱えることがわかる。
【0027】図8(a),(b)は本発明の第3の実施
例を示すもので、可動部磁石列9と固定部磁石列12の
両方あるいはいずれか一方の可動部外側磁石7または固
定部外側磁石11において、円周位置により欠損部20
を設け、磁石厚さを変えたものである。方向により磁気
ばね定数が調整でき、制振対象構造物に異方性がある場
合に対応できる。他の磁石列の実施例としては、図9に
示すように、可動部外側磁石7、固定部外側磁石11に
おいて、円周位置の部分的に付加磁石21を設けること
で方向により磁気ばね定数が調整できる。さらに図10
においては可動部内側磁石6,固定部内側磁石10に付
加磁石21を設けている。よって図9と同様に可動部内
側磁石6,固定部内側磁石10の水平方向の磁気ばね定
数を調整することができる。
【0028】さらに本発明の第4の実施例として、振動
方向が直行2方向に定まっている場合には、図11に示
すように、矩形磁石にて内側磁石22および外側磁石2
3を構成し、可動部磁石列9、固定部磁石列12として
もよい。この場合、矩形のため製造が容易であり、かつ
各々が分離しているので水平方向の調整を磁石の力およ
び位置にて調整することができる。
【0029】図12は本発明の第5の実施例を示すもの
で、制振対象構造物1と可動重量5に設けられた受け座
14a,34を介して複数の剛球15を直接挟み込んで
いるが、剛球15どうしの相対位置は円周状に一体を成
すリテイナー24により一定に保たれている。ここで、
リテイナー24は剛球15との当たり面25をテーパ状
にし、上下二つ割りで、ボルト26、ナット27により
固定され、全周にわたり一体に構成されている。リテイ
ナー24の自重は剛球15に加わる構成としているが、
リテイナー24の自重を支えるベアリングを別途リテイ
ナー24に設けてもよい。またリテイナー24は上部と
下部を一体にした例で示したが、上部のみでも上方に移
動することもあるが通常時においては上方への移動は少
ないため使用することも可能である。
【0030】図13は本発明の第6の実施例を示すもの
で、剛球15の受け座14aを可動重量5とはめ合い構
造にし、可動重量5に形成されたスライド面28に沿っ
て上下移動可能としている。そして、受け座14aの上
方に配設されたネジ部29、ナット30により可動重量
5に固定した構成になっている。これにより対向磁石間
の隙間δが調節できる。また固定部側に同様な構造を設
けて、受け座34を移動させてもよい。
【0031】さらに剛球の受座の他の実施例として、剛
球受け座の厚さを変える、あるいは図13に示すように
受け座14aを可動重量5に固定する際に、ライナー3
1を挟み込みボルト32で締め付け、ライナー31の厚
さを変えることにより対向磁石間の隙間δが調節でき
る。尚、ライナー31を設けるのは制振対象構造物1側
の受け座でもよい。
【0032】次に、本発明に係る動吸振器の第7の実施
例を図15および図16に基づき説明する。図15は本
実施例に係る動吸振器の縦断面図であり、図16は横断
面図である。本発明では、動吸振器の可動重量5に隣接
する可動部内側磁石6と可動部外側磁石7が互いに異磁
極を持つように構成した多重構造磁石を磁性材から成る
ヨーク33を介して設置している。すなわち可動部内側
磁石6がN極の場合、固定部内側磁石10はS極、可動
部外側磁石7はS極、固定部外側磁石11はN極とな
る。ここで、固定部内側磁石10、固定部外側磁石1
1、ヨーク33の一組を総称して固定部磁石列12と呼
ぶ。可動部磁石列9と固定部磁石列12は上下に一定の
隙間13を保って設置されているが、これは可動重量5
と制振対象構造物1に各々固定された取付座14bを介
して複数の積層ゴム35を設置し、両者を結合すること
により確保している。さらに、この隙間13には導体板
16を磁石と非接触となるように設置している。導体板
16は制振対象構造物1、可動重量5のいずれに固定し
てもよく、固定した側の磁石とは接触してもかまわな
い。尚、ここでは多重構造磁石として、二重円筒磁石を
示したが、さらに複数円筒状に磁石を配置してもよい。
【0033】次に、本発明に係る動吸振器の第8の実施
例について図17を用いて説明する。第7の実施例の動
吸振器では、多重構造磁石として二重円筒状の一体構造
としていたが、第8の実施例では内側磁石36を中心
に、円周上に複数に分割した外側磁石37を配置するこ
とにより多重構造磁石を構成したものである。ここで、
外側磁石37を内側磁石36に対して点対象配置とすれ
ば方向によらず、等しい磁気ばね定数が得られ、外側磁
石37の中心からの設置距離を方向により変えることに
より、方向による磁気ばね定数を調整することができ
る。
【0034】さらに、本発明に係る動吸振器の第9の実
施例について図18を用いて説明する。第9の実施例で
は内側矩形磁石38の周辺に外側矩形磁石39を配置す
ることで、多重構造磁石を構成している。内側矩形磁石
38の縦横比を調整し、隣接する外側矩形磁石39の隣
接対向面を内側矩形磁石38の縦横長さと等しく構成す
ることで、方向により磁気ばね定数を調整することがで
きる。
【0035】図19には、矩形磁石の縦横比を変えるこ
とで、方向により磁気ばね定数が調整できることがわか
る。また、本図でY方向の形状を変えてばね定数を変え
ても、X方向には影響を及ぼさず、方向により磁気ばね
定数は独立して扱えることがわかる。
【0036】また、本発明に係る動吸振器の第10の実
施例について図20を参照して説明する。本実施例で
は、可動部磁石列9を取り付ける可動重量5とヨーク3
3との間に上下移動可能なはめ合い部40を設けるとと
もに、ヨーク33と一体を成すボルト41を可動重量5
に設けた貫通部42を通し、ナット43で固定し、さら
に可動重量5に設けたメネジ部44を通る押しネジ45
をヨーク33の背面に押しつけた上で、ナット46で固
定している。以上により対向する固定部磁石列12との
隙間を調整した上で、可動部磁石列9を固定することが
できる。本実施例は可動部磁石列9の取付部について示
したが、固定部磁石列12を制振対象構造物1に取り付
ける際にも同様な構成を取ることができる。
【0037】次に、本発明に係る動吸振器の第11の実
施例について図21を用いて説明する。本実施例では、
可動部磁石列9を取り付ける可動重量5とヨーク33と
の間に上下移動可能なはめ合い部40を設けるととも
に、ヨーク33と一体を成すボルト47を可動重量5に
設けたメネジ部48を通し、ナット49で固定してい
る。可動部磁石列9全体を回転させながら上下移動さ
せ、対向する固定部磁石列12との隙間を調整した上
で、可動部磁石列9を固定することができる。本実施例
は可動部磁石列9の取付部について示したが、固定部磁
石列12を制振対象構造物1に取り付ける際にも同様な
構成を取ることができる。
【0038】最後に、本発明に係る動吸振器の第12の
実施例について図22を参照して説明する。本実施例で
は、可動重量5の周辺部に周方向に隣接する磁極が互い
に異磁極を成す周辺磁石50をヨーク51を介して固定
するとともに、制振対象構造物1にも周辺磁石50に対
して異磁極が対向するように、同一形状の周辺磁石52
をヨーク53および台座54を介して固定している。以
上の構成により可動部のねじり方向への移動を防止する
ことができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る動吸振
器によれば、可動重量部は水平二次元も任意の方向に対
して、磁気復元力により支持されており、そのばね定数
が調整できることから、1つの可動重量部で方向に係わ
らず、制振効果が得られる。さらに対向磁石間に導体板
を配置することで、磁気ダンパとしても併用し、ばね要
素と減衰要素が全て可動重量部の下部に収納できること
から、動吸振器を大幅に小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動吸振器の第1の実施例を示す縦
断面図。
【図2】図1のA−A矢視断面図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す動吸振器の縦断面
図。
【図4】本発明による磁気復元力特性における対向磁石
間隙間の影響を示す特性図。
【図5】本発明による導体板の変化における動吸振器の
周波数応答曲線図。
【図6】本発明による動吸振器の減衰比を導体板の変化
に応じて示す特性図。
【図7】本発明による磁気復元力特性における導体板の
影響を示す特性図。
【図8】本発明に係る動吸振器の第3の実施例を示す、
(a)は横断面図、(b)は側面図。
【図9】本発明の磁石列の他の実施例を示す横断面図。
【図10】本発明の磁石列の他の実施例を示す横断面
図。
【図11】本発明に係る動吸振器の第4の実施例を示す
横断面図。
【図12】本発明に係る動吸振器の第5の実施例を示す
拡大側面図。
【図13】本発明に係る動吸振器の第6の実施例を示す
横断面図。
【図14】本発明に係る剛球の受座の他の実施例を示す
拡大縦断面図。
【図15】本発明に係る動吸振器の第7の実施例を示す
縦断面図。
【図16】図15のB−B矢視断面図。
【図17】本発明に係る動吸振器の第8の実施例を示す
横断面図。
【図18】本発明に係る動吸振器の第9の実施例を示す
横断面図。
【図19】本発明に係る矩形磁石の磁気復元力特性にお
ける磁石形状の影響を示す特性図。
【図20】本発明に係る動吸振器の第10の実施例を示
す縦断面図。
【図21】本発明に係る動吸振器の第11の実施例を示
す縦断面図。
【図22】本発明に係る動吸振器の第12の実施例を示
す、(a)は縦断面図、(b)は図22(a)のC−C
矢視図、(c)は図22(a)のD−D矢視図。
【図23】動吸振器の従来例を示し、(a)は側面図、
(b)は平面図。
【符号の説明】
1…制振対象構造物 1a…支持構造物 2…付加重量 3…剛性要素 4…減衰要素 5…可動重量 6…可動部内側磁石 7…可動部外側磁石 8…ヨーク 9…可動部磁石列 10…固定部内側磁石 11…固定部外側磁
石 12…固定部磁石列 13…隙間 14a…受け座 14b…取付座 15…剛球 16…導体板 17…ストッパブロック 18…筐体 19…ボルト 20…欠損部 21…付加磁石 22…内側磁石 23…外側磁石 24…リテイナー 25…当たり面 26…ボルト 27…ナット 28…スライド面 29…ネジ部 30…ナット 31…ライナー 32…ボルト 33…ヨーク 34…受け座 35…積層ゴム 36…内側磁石 37…外側磁石 38…内側矩形磁石 39…外側矩形磁石 40…はめ合い部 41…ボルト 42…貫通部 43…ナット 44…メネジ部 45…押しネジ 46…ナット 47…ボルト 48…メネジ部 49…ナット 50…周辺磁石 51…ヨーク 52…周辺磁石 53…ヨーク 54…台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 靖 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 馬渡 勝彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸振器となる可動重量部と、この可動重
    量部に設置され隣り合う円筒磁石が交互に異磁極の磁石
    を有して同心状に配列された可動部磁石列と、前記可動
    重量部と対向して設けられた固定部と、この固定部側に
    静止状態で前記可動重量部側の円筒磁石と対向する位置
    に各々異磁極の磁石が配置された固定部磁石列とを備
    え、前記可動部磁石列と固定部磁石列との間には導体板
    が配置され、前記可動重量部と固定部との間には当該間
    隙を確保する剛球が配設されて成ることを特徴とする動
    吸振器。
  2. 【請求項2】 前記剛球に代えて積層弾性体が配設され
    てなることを特徴とする請求項1記載の動吸振器。
  3. 【請求項3】 前記可動部磁石列と固定部磁石列の隙間
    を調整する機構を備えることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の動吸振器。
  4. 【請求項4】 前記剛球は水平方向に複数配設され、各
    々の剛球はリテイナーを介して相対位置が一定に保持さ
    れて成ることを特徴とする請求項1記載の動吸振器。
  5. 【請求項5】 前記剛球は垂直方向に移動自在な剛球受
    座に支持されて成ることを特徴とする請求項1記載の動
    吸振器。
  6. 【請求項6】 前記剛球は可動重量部の垂直方向設定位
    置に応じてその垂直方向の厚さを変えられる着脱自在な
    剛球受座にて支持されて成ることを特徴とする請求項1
    記載の動吸振器。
  7. 【請求項7】 前記隙間を調整する機構は、前記可動部
    磁石列または固定部磁石列を固定するヨークをこのヨー
    クが取り付けられる前記可動重量部または固定部と上下
    移動可能なはめ合い構造とし、ヨークと一体に形成され
    て前記可動重量部または固定部に挿通された複数のボル
    トと、前記可動重量部または固定部側に設けられ前記ボ
    ルトを固定するナットと、前記可動重量部または固定部
    側に設けられたメネジ部と、このメネジ部に嵌合し前記
    ヨークに当接する押しネジと、この押しネジを固定する
    ナットとを有することを特徴とする請求項3記載の動吸
    振器。
  8. 【請求項8】 前記隙間を調整する機構は、前記可動部
    磁石列または固定部磁石列を固定するヨークをこのヨー
    クが取り付けられる前記可動重量部または固定部と上下
    移動可能なはめ合い構造とし、ヨークと一体に形成され
    て可動重量部または固定部に挿通されるボルトと、可動
    重量部または固定部側に設けられ前記ボルトに嵌合する
    メネジ部と、ボルトを固定するナットとを有することを
    特徴とする請求項3記載の動吸振器。
  9. 【請求項9】 前記可動重量部に設置され隣り合う円筒
    磁石が交互に異磁極の磁石を有して同心状に配列された
    可動部磁石列に代えて、可動重量部に設けられた矩形の
    磁石とこの磁石の四片にそれぞれ所定の距離をおいて水
    平に隣接して設置され前記磁石と異方性の極を有する四
    個の周辺磁石とを配設して成る可動部磁石列を有し、さ
    らに前記、固定部側に静止状態で前記可動重量部側の円
    筒磁石と対向する位置に各々異磁極の磁石が配置された
    固定部磁石列に代えて、固定部側に静止状態で前記矩形
    の磁石と四個の周辺磁石とから成る可動部磁石列と対向
    する位置に各々異磁極の磁石が配列された固定部磁石列
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の動吸振器。
  10. 【請求項10】 前記可動重量部に設置され隣り合う円
    筒磁石が交互に異磁極の磁石を有して同心状に配列され
    た可動部磁石列に代えて、可動重量部に断続的に同心状
    に設置され隣合う磁石に交互に異磁極の磁石を配して成
    る可動部磁石列を有し、さらに前記、固定部側に静止状
    態で前記可動部重量部側の円筒磁石と対向する位置に各
    々異磁極の磁石が配置された固定部磁石列に代えて、固
    定部側に静止状態で前記断続的に同心状に設置された可
    動部磁石列と対向する位置に各々異磁極の磁石が配列さ
    れた固定部磁石列を有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の動吸振器。
  11. 【請求項11】 前記可動部磁石列と固定部磁石列は設
    定ばね定数に応じてその水平方向の厚さを変えまたは欠
    損部を有して成ることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の動吸振器。
  12. 【請求項12】 前記可動重量部に周方向に隣接して設
    けられた異磁極の磁石と、前記固定部に周方向に隣接し
    て設けられた異磁極の磁石とを有し、この固定部側に設
    けられた磁石と前記可動重量部側に設けられた磁石とが
    異磁極で対向するように配設されたことを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の動吸振器。
  13. 【請求項13】 動吸振器を構成する可動重量部、可動
    重量部磁石列、固定部磁石列および導体板から成る本体
    を一体の筐体内に収納したことを特徴とする請求項1乃
    至請求項12記載の動吸振器。
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