JPH06241274A - 動吸振器型制振装置およびインターナルポンプ用制振装置 - Google Patents

動吸振器型制振装置およびインターナルポンプ用制振装置

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JPH06241274A
JPH06241274A JP5029199A JP2919993A JPH06241274A JP H06241274 A JPH06241274 A JP H06241274A JP 5029199 A JP5029199 A JP 5029199A JP 2919993 A JP2919993 A JP 2919993A JP H06241274 A JPH06241274 A JP H06241274A
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movable
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栄二 馬目
Yoshiyuki Sakurai
義行 桜井
Yasuhiko Aida
安彦 相田
Yasushi Hattori
靖 服部
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】制振対象構造物が水平2次元方向に振動し、異
方性を持たない場合、1つの可動重量を水平2次元の任
意方向の振動にも追従できるように支持した動吸振器型
制振装置を提供する。 【構成】吸振器となる可動重量部1と、この可動重量部
1に設置され隣り合う円筒磁石が交互に異磁極を有して
同心状に配列された可動部磁石列2と、この可動部磁石
列2と対向して設けられた固定部4,5と、この固定部
4,5側に静止状態で可動重量部2側の円筒磁石と対向
する位置に各々異磁極が配置された固定部磁石列6とを
備え、可動重量部1と固定部4,5との間に作用する磁
気力にて可動重量部1を水平支持したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造物の制振装置の中で
も、1つの可動重量を用いて水平2次元方向の振動に対
し、方向に関係なく制振効果が得られる動吸振器型制振
装置およびインターナルポンプ用制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の動吸振器型制振装置は、制振対象
構造物の振動方向を特定し、その方向に対して制振効果
を発揮できるように、付加重量を振動させる構成となっ
ており、制振すべき振動方向が複数存在する場合、その
各方向に対応した個数分、動吸振器を設置する必要があ
った。
【0003】図14は従来の動吸振器型制振装置の設置
状態を概略的に示し、この制振装置は制振対象構造物1
01の振動方向に対応して付加重量102を剛性要素1
03および減衰要素104により支持した動吸振器を複
数個設置している。
【0004】図15は従来のインターナルポンプの防振
装置の一例を示し、この防振装置は原子力圧力容器の下
鏡105に設けられた貫通孔106に装着したノズル1
07内にインターナルポンプ用のモータケース108の
下端部をスナッバなどの衝撃吸収機109を介して基礎
部材110に連結する構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、建築構造物
などの大型構造物のように動吸振器の設置スペースが十
分に確保できる場合には、複数設置する上で問題はなか
った。
【0006】一方、機械構造物のように動吸振器の設置
スペースが制限され、且つ複数方向の制振が必要な場
合、付加重量の振動方向が規定されている従来構造のま
までは制振効果を得るための適切な配置設定を行うこと
が困難であった。
【0007】また、図15に示す防振装置において、原
子力圧力容器の下鏡105に取り付けられるモータケー
ス108と基礎部材110との間には、圧力容器が高温
になるにつれて熱および内圧などによる相対変位が生じ
るため、これを逃がす構造とする必要がある。
【0008】さらに、衝撃吸収機109は、インターナ
ルポンプの運転による振動変位に対し、モータケース1
08を拘束する機能が必要なため、構造が極めて複雑と
なり、大型となる問題点がある。
【0009】そして、振動の方向の任意性に対処するた
めには、水平断面において少なくとも2方向からモータ
ケース108を支持する必要があり、原子力圧力容器の
下鏡105に、通常8〜10台設置されるインターナル
ポンプの各々に対して2方向のサポートを行うと、その
占有スペースは膨大なものとなり、圧力容器部のスペー
スを増大させる結果となるばかりでなく、サポート付近
に配置された熱交換器などへのアクセス性にも影響する
問題点がある。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、制振対象構造物が水平2次元方向に振動し、異
方性を持たない場合、1つの可動重量を水平2次元の任
意方向の振動にも追従できるように支持した動吸振器型
制振装置を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明の他の目的とするところは、
運転によって発生する振動を低く抑えることができると
ともに、圧力容器の下部付近へのアクセス性および作業
性を高めることのできるインターナルポンプ用制振装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の動吸振器型制
振装置は、上述した課題を解決するために、吸振器とな
る可動重量部と、この可動重量部に設置され隣り合う円
筒磁石が交互に異磁極を有して同心状に配列された可動
部磁石列と、この可動部磁石列と対向して設けられた固
定部と、この固定部側に静止状態で上記可動重量部側の
円筒磁石と対向する位置に各々異磁極が配置された固定
部磁石列とを備え、上記可動重量部と上記固定部との間
に作用する磁気力にて上記可動重量部を水平支持したも
のである。
【0013】また、請求項2の動吸振器型制振装置は、
円筒容器の内部に設置され動吸振器を構成する可動重量
部と、この可動重量部と上記円筒容器の固定側との間で
複数介在しこれらを接続する剛性ばねとを備え、この剛
性ばねの付勢力にて上記可動重量部を水平支持したもの
である。
【0014】さらに、請求項3の動吸振器型制振装置
は、請求項2の可動重量部が内部に仕切板を有し、この
仕切板にて形成される各ブロック内に可動重量部の支持
剛性を調整する流体を収容している。
【0015】そして、請求項4の動吸振器型制振装置
は、請求項2の可動重量部が内部に複数枚の多孔円板を
有し、この多孔円板がスペーサを介して重ね合わされ、
多孔円板間に可動重量部の支持剛性を調整する流体を収
容している。
【0016】また、請求項5のインターナルポンプ用制
振装置は、ポンプ本体下部に設置されたケーシングと、
このケーシング内に配置された可動重量部と、この可動
重量部と上記ケーシングの固定部とを結合し有効長さが
調整可能な可変剛性ばねとを備え、上記ポンプ本体の卓
越振動数と共振するように上記可動重量部を振動させ、
この可動重量部の振動を上記固定部に設置した永久磁石
により減衰させるものである。
【0017】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1におい
て、可動重量部が静止状態から動いた場合、すなわち対
向している可動部磁石列と固定部磁石列との中心がずれ
た場合、静止位置にて対向している異磁石の間では、元
の状態に戻ろうとして吸引力が作用する。そして、円筒
磁石位置がずれることにより、隣接する同一の磁極を有
する磁石に近づくことになり、そこでは反発力が作用す
る。これらはいずれも中心が径方向にずれた分を元に戻
す復元力として作用する。しかも、円筒磁石を同心状に
配置していることにより、水平2次元の任意方向の変位
に対しても同一復元力が得られる。
【0018】また、請求項2においては、制振対象構造
物上に設置され、地震などの振動外乱により構造物に伝
達される振動エネルギは、可動重量部が振動することに
よって効率よく吸収され、構造物の共振を回避すること
ができる。しかも、水平2次元の任意方向に振動しても
制振できる。
【0019】さらに、請求項3,4においては、動吸振
器を構成する可動重量部の水平支持剛性の最適調整が流
体量または多孔円板を変えることにより容易に行うこと
ができ、性能の高い制振装置を得ることができる。
【0020】さらに、請求項5のインターナルポンプ用
制振装置においては、可変剛性ばねの有効長さを変えて
剛性を調整し、ポンプ本体の卓越振動数と共振するよう
に可動重量部を振動させ、この可動重量部の振動を固定
部に設置した永久磁石により減衰させることにより、イ
ンターナルポンプの運転によって発生する振動を低く抑
えることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1は本発明に係る動吸振器型制振装置の
第1実施例を示す縦断面図であり、図2は図1の横断面
図である。
【0023】図1において、吸振器となる可動重量部1
には、隣り合う円筒磁石が交互に異磁極有して同心状且
つ多重円筒状に配列された可動部磁石列2が設置され、
この可動部磁石列2と対向する静止側には固定部を構成
する円筒容器3の上板4および底板5が設けられてい
る。
【0024】円筒容器3の上板4および底板5で形成さ
れる空間内には、動吸振器の各要素が収納されるととも
に、上板4および底板5には各々可動部磁石列2と同一
形状をなす固定部磁石列6が、可動部磁石列2に対して
上下に一定の隙間7を保持して設置されている。固定部
磁石列6は可動重量部1の静止状態において可動部磁極
列2の各円筒磁石の対向位置に、各々異磁極が配置され
るように構成されている。
【0025】可動重量部1の上面および底面には、各々
ベアリング(球面軸受)8が水平方向面内で90度毎に
4つ固定される一方、これらのベアリング8と対向する
上板4および底板5には各々受座9が固定されている。
これらの受座9にベアリング8が当接することにより、
可動重量部1の上下位置は拘束されて隙間7の距離が一
定に保持されている。したがって、本実施例では可動部
磁石列2および固定部磁石列6の磁石が発生する起磁力
とともに、この隙間7の距離を調節することにより、可
動重量部1の水平方向の支持剛性を調整することができ
る。
【0026】また、本実施例では可動重量部1に働く減
衰力を最適調整するために、可動重量部1の周面に導体
板10を水平方向面内で90度毎に4つ設置するととも
に、円筒容器3に固定されたヨーク11の先端に2つの
磁極12を配置し、これらの磁極12の隙間13に導体
板10を挟み込む構造として、磁気ダンパを構成してい
る。
【0027】したがって、本実施例では磁極12による
起磁力および隙間13の距離調節、および設置する磁気
ダンパの個数に基づいて可動重量部1に働く減衰力を調
整することができる。
【0028】ここで、動吸振器の性能を発揮させるため
には、可動重量部1に要求される変位量に応じて、多重
円筒間の距離を調節すれば、可動重量部1には常に静止
位置に戻す復元力が得られる。例えば、可動部磁極列2
の中央のN極が、対向する固定部磁石列6における隣接
するN極を越えてその隣のS極との間で吸引力が作用す
ることがないように、円筒磁石間の距離を調整すればよ
い。
【0029】次に、本実施例の作用について説明する。
【0030】可動重量部1が静止状態から動いた場合、
すなわち対向している可動部磁極列2と固定部磁石列6
との中心ずれた場合は、静止位置にて対向している異磁
石の間では、元の状態に戻ろうとして吸引力が作用す
る。また、磁石位置がずれることにより、隣接する同一
の磁極を有する磁石に近づくことになり、そこでは反発
力が作用する。これらはいずれも中心が径方向にずれた
分を元に戻す復元力として作用する。しかも磁石は同心
状に配置されていることにより、水平2次元の任意方向
の変位に対しても同一復元力が得られる。
【0031】なお、本実施例の変形例としては、固定部
磁石列6において永久磁石と電磁石を併用すれば、固定
部磁石列6から発生する起磁力を可変とすることができ
るため、可動重量部1の水平方向の支持剛性を容易に調
整することが可能となる。
【0032】このように本実施例によれば、可動重量部
1はベアリング8と受座9により上下方向位置が拘束さ
れている部分を除くと、完全に非接触状態に水平支持さ
れているため、振動に伴う接触摩擦、支持部材の疲労な
どの心配もなく、信頼性の高い制振装置が得られる。
【0033】図3は本発明に係る動吸振器型制振装置の
第2実施例を示す縦断面図であり、図4は図3の横断面
図である。なお、前記第1実施例と同一または対応する
部分には同一の符号を付して説明する。
【0034】図3において、動吸振器の各要素を収納し
ている円筒容器3内の中央部には、吸振器となる可動重
量部1が設置される一方、容器固定側である上板4には
剛性ばね取付板15が固定されている。この剛性ばね取
付板15と可動重量部1上面に設けた剛性ばね取付部1
6(可動側)との間には、90度毎に剛性ばね17が複
数介装されている。
【0035】また、可動重量部1の底面には水平方向面
内で90度毎にベアリング(球面軸受)8が4つ転動可
能に固定され、円筒容器3の底板5には受座9が複数設
けられている。これにより、可動重量部1は剛性ばね1
7のばね力とベアリング8とで水平に支持されていると
ともに、水平2次元の任意方向に追従可能な構造とな
る。
【0036】また、本実施例では可動重量部1に働く減
衰力を最適調整するために、前記第1実施例と同様に、
可動重量部1の周面に導体板10を設置するとともに、
円筒容器3に固定されたヨーク11の先端に2つの磁極
12を配置し、これらの磁極12の隙間13に導体板1
0を挟み込む構造として、磁気ダンパを構成している。
【0037】したがって、本実施例でも前記第1実施例
と同様に、磁極12による起磁力および隙間13の距離
調節、および設置する磁気ダンパの個数に基づいて可動
重量部1に働く減衰力を調整することができる。
【0038】図5(A),(B)は可動重量部1の内部
構造を示し、動吸振器の性能を高めるため、可動重量部
1の水平方向の支持剛性を流体18の増減により容易に
調整することができる。
【0039】すなわち、可動重量部1の内部は液面揺動
を防止するための仕切板19によってブロック化され、
この仕切板19に穿設した流通孔20を通して流体18
を均一に収容できる構造となっている。ここで、流体1
8の増減調節は可動重量部1の上面に設けた流体供給口
21と、その下面に設けた流体排出口22から流体18
を供給・排出することにより行う。
【0040】次に、本実施例の作用について説明する。
【0041】本実施例の動吸振器型制振装置は制振対象
構造物上に設置される。そして、地震などの振動外乱に
よって構造物に伝達される振動エネルギは、可動重量部
1が振動することにより、または磁気ダンパにより得ら
れる減衰力により効率よく吸収され、対象構造物の共振
を回避することができる。しかも、本実施例では水平2
次元の任意方向に振動しても制振できる。
【0042】したがって、本実施例では可動重量部1の
水平方向の支持剛性を流体18の量を増減することによ
り容易に調整することができ、その結果、動吸振器の性
能を高めることができる。
【0043】また、本実施例では可動重量振動系の水平
方向の支持剛性を流体18の量により調整し、可動重量
部1の固有振動数を制振対象構造物の固有振動数に近付
けるか、あるいは一致させるようにすれば、大きな制振
効果を得ることができる。
【0044】図6(A),(B)は第2実施例に係る動
吸振器型制振装置の変形例を示す。なお、前記第2実施
例と同一または対応する部分には同一の符号を付して説
明する。
【0045】図6(A),(B)は可動重量部1の内部
構造を示し、可動重量部1の内部は複数枚の多孔円板2
3をスペーサ24を介して上下方向に重ね合わせ、多孔
円板23に多数の孔25を穿設して流体18を連通さ
せ、多孔円板23間に流体18を均一に収容できる構造
となっている。流体18の量の増減調節は、流体供給口
21および流体排出口22により行う。
【0046】したがって、本実施例では可動重量部1の
水平方向の支持剛性を複数枚の多孔円板23および流体
18の量を増減することにより容易に調整することがで
き、その結果、動吸振器の性能を高めることができる。
その他の構成および作用は前記第2実施例と同一である
のでその説明を省略する。
【0047】図7はインターナルポンプ用制振装置の一
実施例を示し、図7はポンプ本体30に動吸振器31を
締付けボルト32で取り付けた状態を示す。図8および
図9は動吸振器31の内部構造を示し、インターナルポ
ンプ重量の約5%程度の可動重量部33は、下部に取り
付けたベアリング34を介して動吸振器ケーシング35
内に収納されている。
【0048】可動重量部33の周面には、例えば銅板製
の電導板36が90度毎に取り付けられ、これらの電導
板36は4つの各永久磁石37で上下方向から隙間を有
して挟み込んで磁気ダンパを構成し、この磁気ダンパは
インターナルポンプの通常運転時、可動重量部33の動
きに伴い永久磁石37によって磁場内を動く際に起電力
を発生させ、振動エネルギーを吸収して振動を減衰させ
る働きをする。
【0049】可動重量部33の中央部上側には、円筒形
の突起38が設けられる一方、4つの永久磁石37の中
間角に相当する動吸振器ケーシング35の上側内面位置
には、4つの円筒形の突起39が突出形成されている。
そして、円筒形の突起38と4つの円筒形の突起39と
は可変剛性ばね40で連結されている。
【0050】この可変剛性ばね40は、図10に示すよ
うにコイルばね41とねじ42とから構成され、コイル
ばね41の一端43は円筒形の突起38にピン結合さ
れ、他端44は解放されている。コイルばね41の他端
44には、ねじ42が回転可能に取り付けられ、このね
じ42が円筒形の突起39のねじ孔にねじ込まれてい
る。したがって、コイルばね41へのねじ込み部45の
長さをねじ42で可変することにより、ばねの剛性が可
変となる。
【0051】ここで、円筒形の突起39は動吸振器ケー
シング35に対して回転できるようにしておけば、可変
剛性ばね40は水平面内で常に軸方向のみの弾性変形と
なる。そこで、このばねの変形量を有効ばね長さに対し
て例えば1/4程度に設定すると、ばね剛性の異方性は
5%にすることができ、任意の方向に対してほぼ均等な
固有振動数とすることができる。
【0052】次に、本実施例の作用について説明する。
【0053】インターナルポンプが振動する場合、イン
ターナルポンプと共振するように調整された可動重量部
33、コイルばね41、および磁気ダンパにより構成さ
れる付加系が振動することにより、ポンプ本体30の振
動を抑制する。
【0054】図11にポンプ本体の応答倍率Aと、付加
系を加えたときの応答倍率Bと、さらに付加系の減衰定
数を調整して適性にしたときの応答倍率Cを示す。図1
1によれば、付加系によってポンプ本体30の応答のピ
ークが2つに分かれて小さくなり、さらに減衰定数を調
整することにより、2つのピークがさらに小さくなるこ
とが分かる。
【0055】また、コイルばね41を水平方向面内で9
0度毎に4つ配置し、コイルばね41と可動重量部3
3、コイルばね41と固定部をピン結合することによ
り、コイルばね41の変形方向を常にばね軸方向に制限
し、水平面内でのばね剛性の異方性を小さくすることが
できる。
【0056】ここで、有効ばね長さをL、ばね剛性kを
4本のコイルばね41に共通とし、可動重量部33が中
心から距離r、回転角θだけずれたときに働く復元力
は、変形前の任意の1本のばねの方向をx、これに直角
な方向をyとして次のように表される。すなわち、
【数1】
【数2】
【0057】上記数1および数2において、Fxは復元
力のx方向成分、Fyは復元力のy方向成分を表す。ま
た、εはd/Lを、dは有効ばね径を表す。上式より4
本のばねを等価な1本のばねと考えると、微小変形の極
限である方向性のない理想的なばね剛性2kに対して図
12に示すような誤差が生ずる。さらに、回転角θに対
しては図13に示すような誤差が生ずる。
【0058】一般に、ばねはεが大きくなるに伴い、誤
差が大きくなる傾向があるが、使用時のεの範囲を制限
することで、異方性の非常に少ない等価ばね剛性を実現
することができる。この等価ばね剛性の異方性は、振動
方向による応答倍率曲線のピーク位置をずらす効果があ
るが、図11に示した曲線Cから判るように、若干の異
方性は応答性にほとんど影響を与えない。
【0059】このように本実施例によれば、4本のコイ
ルばね41を可動重量部33、固定部に対してピン結合
することにより、ばね剛性の異方性を小さくすることが
でき、その結果任意の振動方向に対してほぼ均等な制振
効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、吸振器となる可動重量部と、この可動重量部
に設置され隣り合う円筒磁石が交互に異磁極を有して同
心状に配列された可動部磁石列と、この可動部磁石列と
対向して設けられた固定部と、この固定部側に静止状態
で上記可動重量部側の円筒磁石と対向する位置に各々異
磁極が配置された固定部磁石列とを備え、上記可動重量
部と上記固定部との間に作用する磁気力にて上記可動重
量部を水平支持したことにより、動吸振器を構成する可
動重量部が水平2次元の任意方向に対して、同一剛性に
より支持されており、1つの可動重量で方向に拘らず、
制振効果が得られる。
【0061】また、本発明の請求項2によれば、円筒容
器の内部に設置され動吸振器を構成する可動重量部と、
この可動重量部と上記円筒容器の固定側との間で複数介
在しこれらを接続する剛性ばねとを備え、この剛性ばね
の付勢力にて上記可動重量部を水平支持したことによ
り、地震などの振動外乱により構造物に伝達される振動
エネルギは、可動重量部が振動することによって効率よ
く吸収され、構造物の共振を回避することができる。し
かも、水平2次元の任意方向に振動しても制振できる。
【0062】さらに、本発明の請求項3,4によれば、
動吸振器を構成する可動重量部の水平支持剛性の最適調
整が流体量または多孔円板を変えることにより容易に行
うことができ、性能の高い制振装置を得ることができ
る。
【0063】またさらに、本発明の請求項5によれば、
ポンプ本体下部に設置されたケーシングと、このケーシ
ング内に配置された可動重量部と、この可動重量部と上
記ケーシングの固定部とを結合し有効長さが調整可能な
可変剛性ばねとを備え、上記ポンプ本体の卓越振動数と
共振するように上記可動重量部を振動させ、この可動重
量部の振動を上記固定部に設置した永久磁石により減衰
させるので、可変剛性ばねの剛性を調節し、付加系の固
有振動数をインターナルポンプの卓越振動数に近付ける
ことにより、インターナルポンプの運転によって発生す
る応力を緩和することができる。そして、原子炉圧力容
器の下部付近へのアクセス性および作業性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動吸振器型制振装置の第1実施例
を示す縦断面図。
【図2】図1の動吸振器型制振装置を示す横断面図。
【図3】本発明に係る動吸振器型制振装置の第2実施例
を示す縦断面図。
【図4】図3の動吸振器型制振装置を示す横断面図。
【図5】(A)は図3および図4の可動重量部の内部構
造を示す一部縦断面図,(B)は(A)のA−A線断面
図。
【図6】(A)は可動重量部の内部構造の変形例を示す
一部縦断面図,(B)は(A)のB−B線断面図。
【図7】本発明に係るインターナルポンプ用制振装置の
一実施例を示す概略図。
【図8】図7における制振装置を示す概略縦断面図。
【図9】図7における制振装置を示す概略横断面図。
【図10】図8および図9における可変剛性ばねを示す
拡大図。
【図11】付加系を取り付けたときのインターナルポン
プの応答曲線の変化を示すグラフ図。
【図12】(A)〜(E)はばね剛性の異方性を示す説
明図。
【図13】(A)〜(E)はばね剛性による復元力方向
の異方性を示す説明図。
【図14】従来の動吸振器型制振装置の設置状態を示す
概略図。
【図15】従来のインターナルポンプ防振装置の取付状
態を示す概略図。
【符号の説明】
1 可動重量部 2 可動部磁石列 3 円筒容器 4 上板 5 底板 6 固定部磁石列 7 隙間 8 ベアリング 9 受座 10 導体板 11 ヨーク 12 磁極 15 剛性ばね取付板 16 剛性ばね取付部 17 剛性ばね 18 流体 19 仕切板 20 流通孔 21 流体供給口 22 流体排出口 23 多孔円板 24 スペーサ 25 孔 30 ポンプ本体 31 動吸振器 33 可動重量部 35 動吸振器ケーシング 36 電導板 37 永久磁石 40 可変剛性ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 靖 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸振器となる可動重量部と、この可動重
    量部に設置され隣り合う円筒磁石が交互に異磁極を有し
    て同心状に配列された可動部磁石列と、この可動部磁石
    列と対向して設けられた固定部と、この固定部側に静止
    状態で上記可動重量部側の円筒磁石と対向する位置に各
    々異磁極が配置された固定部磁石列とを備え、上記可動
    重量部と上記固定部との間に作用する磁気力にて上記可
    動重量部を水平支持したことを特徴とする動吸振器型制
    振装置。
  2. 【請求項2】 円筒容器の内部に設置され動吸振器を構
    成する可動重量部と、この可動重量部と上記円筒容器の
    固定側との間で複数介在しこれらを接続する剛性ばねと
    を備え、この剛性ばねの付勢力にて上記可動重量部を水
    平支持したことを特徴とする動吸振器型制振装置。
  3. 【請求項3】 上記可動重量部は内部に仕切板を有し、
    この仕切板にて形成される各ブロック内に上記可動重量
    部の支持剛性を調整する流体を収容した請求項2記載の
    動吸振器型制振装置。
  4. 【請求項4】 上記可動重量部は内部に複数枚の多孔円
    板がスペーサを介して重ね合わされ、上記多孔円板間に
    上記可動重量部の支持剛性を調整する流体を収容した請
    求項2記載の動吸振器型制振装置。
  5. 【請求項5】 ポンプ本体下部に設置されたケーシング
    と、このケーシング内に配置された可動重量部と、この
    可動重量部と上記ケーシングの固定部とを結合し有効長
    さが調整可能な可変剛性ばねとを備え、上記ポンプ本体
    の卓越振動数と共振するように上記可動重量部を振動さ
    せ、この可動重量部の振動を上記固定部に設置した永久
    磁石により減衰させることを特徴とするインターナルポ
    ンプ用制振装置。
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