JPH07331415A - 真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着装置

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JPH07331415A
JPH07331415A JP6122317A JP12231794A JPH07331415A JP H07331415 A JPH07331415 A JP H07331415A JP 6122317 A JP6122317 A JP 6122317A JP 12231794 A JP12231794 A JP 12231794A JP H07331415 A JPH07331415 A JP H07331415A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大型化およびまたは高温化した蒸発源の熱効率
を高めながら、周辺部品の破損と蒸着フィルムの品質低
下を招かない真空蒸着装置の提供。 【構成】蒸発源を、垂直面に対して45度以上の角度で
傾斜し蒸発原料が蒸発する開口部を有する蒸発源遮熱構
造体により囲んでなり、開口部先端の温度が蒸発粒子の
蒸発温度以上であることを特徴とする真空蒸着装置。 【効果】発熱量の大きな蒸発源を用いても、蒸発源周辺
部品の破損、フィルムの皺の発生、バリヤ性能の低下、
引き裂き強度の低下などの品質の低下、品質斑などのト
ラブル無しに、熱効率と生産加工速度の高い蒸着加工が
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装、医薬品包
装、電子機器部品包装、たばこ包装、写真製版、感光性
写真材料などの分野に利用可能な各種機能を有したフレ
キシブルプラスチックフィルムの真空蒸着加工に好適に
用いられる真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、真空蒸着法によりフレキシブルプ
ラスチックフィルムの表面に金属または金属酸化物をコ
ーティングし、装飾性、ガスバリヤ性、耐薬品性、濡れ
特性、磁気特性、電導性、寸法安定性などの機能性を付
与し、食品包装,医薬品包装,電子機器部品包装,たば
こ包装,写真製版及び感光性写真材料などの分野に利用
されるようになった。特にアルミニウム蒸着フィルム
は、装飾、包装用途に広く利用されるようになってい
る。また、最近では環境汚染の少ない透明ハイバリヤー
素材として珪素酸化物蒸着フィルムの研究開発も盛んに
行われ、広く普及することも期待されるなど金属酸化物
の蒸着技術の開発に対する要求も日増しに強くなってい
る。
【0003】これらの用途の広がりに対応し、大量生産
および加工コストの低減が必要となった。そのため、蒸
発温度を高温にして加工速度を高速化することによる加
工時間の短縮、装着するフィルム幅を広くすることによ
る1回の加工工程で生産可能な面積の拡大、加工長の延
長などが実用化され、蒸着装置が大型化してきた。その
中でも、加工速度の高速化をはかるため、蒸発源を大型
化すると共に蒸着温度を高温化することにより蒸発量と
蒸発速度を増加させた真空蒸着装置が増えつつある。し
かしながら、蒸発源の大型化と蒸着温度の高温化は、何
れも蒸発源からの発熱量を増大させることになり、しか
も蒸発源を遮熱/保温する構造を有していないため、蒸
発源の熱効率が低い上、蒸発源周辺の部品の熱変形や熱
疲労による破損、基材フィルムの熱劣化による皺の発
生、蒸着フィルムのバリヤ性能の低下、引き裂き強度の
低下などの品質低下を招くという問題点があった。
【0004】さらに、アルミニウム、クロム、銅、銀な
どの金属蒸着では、蒸発源からの熱線を蒸着膜であるア
ルミニウムなどの金属が反射してしまうが、珪素酸化物
やアルミニウム酸化物などの透明蒸着フィルムを蒸着加
工する場合は、蒸着膜は蒸発源からの熱線を反射しない
で基材フィルムと共に吸収してしまうため、基材フィル
ムの熱劣化による蒸着フィルムの品質低下の問題は特に
大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
生産を目的し大型化およびまたは高温化した蒸発源の熱
効率を高めながら、周辺部品の破損と蒸着フィルムの品
質低下を招かない真空蒸着装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、蒸発源
を、垂直面に対して45度以上の角度で傾斜し蒸発原料
が蒸発する開口部を有する蒸発源遮熱構造体により囲ん
でなり、開口部先端の温度が蒸発粒子の蒸発温度以上で
あることを特徴とする真空蒸着装置により達成すること
ができる。
【0007】蒸発源の加熱方式は、抵抗加熱方式、高周
波誘導加熱方式、電子線加熱方式など公知の方式の中か
ら特に限定なく選択することができる。蒸発原料が連続
供給式であるか否かについても特に限定するものではな
いが、特開平1−252768号公報及び特開平2−2
77774号公報に記載されるような、蒸発源を上方か
ら見た場合に蒸発原料が蒸発しない部分の面積が比較的
大きい抵抗加熱方式での蒸発原料連続供給機構を有する
蒸発源を本発明の蒸発源遮熱構造体により囲んでなる真
空蒸着装置を用いて、透明蒸着フィルムを形成する場合
に、特に優れた効果を発揮する。図1にその概略図を示
す。蒸発源を囲む蒸発源遮熱構造体は、外側から蒸発源
へ向って、金属板/中間断熱層/内側断熱層で構成さ
れ、それぞれ具体的には水冷パイプで冷却された金属板
/グラファイト繊維圧縮成形板/グラファイト板または
窒化ホウ素成形板の順序で構成されていることが好まし
い。
【0008】蒸発源遮熱構造体の外側表面は、できるだ
け低温にし遮熱効果を高くする必要があるため、冷却の
ための水冷パイプを付加した金属板であることが好まし
い。金属材料としては、耐熱性、加工性、重量だけを考
慮するならばほとんどの金属を使用することができる
が、水冷パイプで効率よく冷却するためには、熱伝導の
良い状態で接続できるハンダ、銀ロウなどの溶接手段が
容易な銅、鉄、ステンレスなどが適当である。中間断熱
層の材料は、保温効果を高くする必要があるため、高温
となる蒸発源の温度に耐えられる材料の中から、断熱効
果が高くかつ高温真空下での放出ガスが少ないものを選
択しなければならない。断熱性、耐熱性、放出ガス等の
点から、断熱層にはグラファイト繊維が適しており、そ
の中でも特に、グラファイト繊維を板状に圧縮成形した
ものが最適である。
【0009】蒸発源遮熱構造体の内側断熱層は、高温
(蒸発原料や蒸着条件などによって異なるが通常130
0℃以上)となる蒸発源からの放射熱に曝されるため、
中間断熱層以上に耐熱性が必要であり、特に昇温降温時
の急加熱急冷却による破損が発生しない材料で構成され
るなければならない。また、蒸発原料ガスに直接曝され
るため、蒸発原料によってはそのガスに対する耐腐食性
(例えば、珪素酸化物などの酸化物を蒸着する場合には
酸化消耗が少ないこと)が必要となる。蒸発源遮熱構造
体の内側断熱層の材料は、これらの条件を満たすものの
中から、高温真空下での放出ガスが少ないものを選択し
なければならない。耐熱性、耐腐食性及び放出ガス特性
に加え、材料の価格、加工性、強度なども考慮に入れる
と、等方性黒鉛板(グラファイト等方圧縮成形板)が最
適である。但し、電気的に絶縁しなければならない場所
に用いる場合は、窒化ホウ素成形体が最適である。この
場合、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの絶縁
体を用いると、高純度品を用いても冷熱サイクルを繰り
返すことにより破損を招いてしまう。
【0010】蒸発源遮熱構造体においては、特に、蒸発
原料を蒸発飛行させるための穴である上部開口部の形状
と開口部先端の温度が重要である。蒸発源遮熱構造体の
上部開口部は、蒸着フィルムの品質の均一性を確保する
ため、蒸発粒子の飛行経路を妨害しないように設計され
ていなければならない。具体的には、1.上部開口部
を、蒸発粒子の飛行を妨げないよう、垂直面に対して4
5度以上の角度で傾斜させる。2.蒸発源に最も近い上
部開口部先端の温度を、蒸発粒子が付着堆積しないよ
う、蒸発粒子の蒸発温度以上にする。上部開口部先端の
温度は、ヒーターを用いて蒸発粒子の蒸発温度以上にし
てもよいが、上部開口部先端を蒸発源に接触させ熱伝導
により蒸発粒子の蒸発温度以上にしてもよい。なお、熱
伝導による蒸発源のエネルギー損失を極力少なくするた
め、蒸発源と上部遮熱構造体が接触する面積は可能な限
り小さくすることが好ましい。上記のように設計されて
いない場合、図6及び図7に示すように、水冷された開
口部の金属板または開口部先端に蒸発粒子が衝突付着
し、その上に更に蒸発物が付着することにより付着物の
成長を招く。成長した付着物は、蒸発粒子の飛行を妨害
するため均一な蒸着を阻害し、結果として蒸着膜の品質
の均一性が保てなくなってしまう。
【0011】蒸発源遮熱構造体の蒸発源上部を覆う部分
の全厚は、蒸発粒子の飛行経路の保持、蒸発源と冷却ロ
ールとの間の距離を蒸着効率、蒸着フィルム物性などの
観点から蒸発源と蒸着フィルムとを可能な限り接近させ
る必要があるため、できるだけ薄くすることが好まし
い。また、蒸発源遮熱構造体の蒸発源上部を覆う部分
は、蒸発源のメインテナンス時には取り外し、持ち上げ
などの作業が必要となるため、できるだけ軽量であるこ
とが好ましい。図3及び図4に、アルミニウムワイヤー
を連続的に供給する機構を持った抵抗加熱方式の蒸発源
を、本発明の蒸発源遮熱構造体により囲んだ場合の蒸発
源周辺の断面図を示す。この場合、蒸発源遮熱構造体の
上部開口部先端は、蒸発源からの熱伝導による方法で加
熱している。なお、蒸発源遮熱構造体の上部開口部先端
は、ヒーター等の加熱手段により加熱することもでき
る。
【0012】特開平1−252768号及び特開平2−
277774号に記載されるような、蒸発源を上方から
見た場合に蒸発原料が蒸発しない部分の面積が比較的大
きい蒸発原料連続供給排出機構を備えた抵抗加熱方式の
蒸発源を用いて昇華性蒸発原料を真空蒸着する場合、蒸
発源の高温部分の面積は広くなり、蒸発源遮熱構造体が
受ける熱量も当然増加する。この場合、その熱負荷をで
きるだけ軽減するため、上記のような蒸発源遮熱構造体
の設置に加えて、図1及び図2に示すように、ヒーター
(図1及び図2−A)、るつぼ(図2−B)、ボートな
どの蒸発源の外側に、窒化ホウ素成形体、酸化アルミニ
ウム成形体、酸化マグネシウム成形体などの遮熱成形体
を密着させて設置することができる。その結果、遮熱効
果、保温効果、さらには蒸発源の酸化消耗などのガスに
対する腐食を軽減する効果が得られる。特に、窒化ホウ
素成形体は耐熱性に優れるため、好適に用いられる。透
明蒸着フィルムを製造する場合は、熱線の反射がなく、
蒸着膜は蒸発源からの熱線を基材フィルムと共に吸収し
てしまい、基材フィルムへの熱負荷が大きくなるため、
図1及び図2に示すように蒸発源に蒸発源遮熱構造体を
密着させることにより蒸着フィルムの品質低下を防止す
る効果が大きい。
【0013】蒸発原料としては、蒸着フィルムとなった
時に透明蒸着フィルムなるもので有れば良く、具体的に
は珪素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化
物、チタン酸化物、インジウム酸化物、錫酸化物などの
化合物を単独または混合して使用することができる。ま
た、反応させながら蒸着を行う反応蒸着法を使用する場
合は、珪素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、イ
ンジウム、錫などを使用することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で得
られた蒸着フィルムの評価および遮熱構造体の観察は、
以下のように行った。酸素バリヤー性:ASTM D
3985に準拠し、米国モダンコントロールズ社のOX
TRAN−TWINを用いて酸素ガス透過率を測定し、
測定値は平均値と最大値−最小値で表した。遮熱構造体
への付着物の観察:真空蒸着加工を開始してから50分
後に、遮熱構造体の上部開口部における蒸着付着物の有
無を目視で観察した。蒸発源に密着させた遮熱成形体の
破損観察:真空蒸着加工後、蒸発源に密着させた遮熱成
形体を解体し、破損の有無を目視で観察した。蒸着フィ
ルムの外観観察:得られた蒸着フィルムの外観を目視で
評価した。
【0015】〔実施例1〕図1に示すような、特開平1
−252768号公報に記載される蒸発源(上方から見
た総面積:270cm2 )に蒸発源遮熱構造体を設けた
真空蒸着装置を用い、真空蒸着を行った。蒸発原料に
は、珪素と二酸化珪素(非晶質)との等モル混合物を、
直径40mm,高さ35mmの円柱状に圧縮成形した成
形物を用いた。この成形物を、蒸発原料連続供給排出機
構の供給口から、5mm/分の供給速度で連続供給し
た。蒸発源は、1×10-4torrの真空下で抵抗加熱
により1350℃に加熱し、厚さ12μm、幅1500
mmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに
珪素酸化物を真空蒸着した。蒸発源に投入した総電力か
ら計算した蒸発源の発熱量は150kJ/秒であった。
その条件のまま加工速度は50m/分で、1時間真空蒸
着加工を行った。蒸着膜の厚みを水晶式膜厚モニターを
用いて測定したところ、約1000オングストロームで
あった。また、蒸発源遮熱構造体の上部開口部先端の温
度をR熱電対を用いて測定したところ、1280℃であ
り、上部開口部先端には蒸発物の付着はなかった。
【0016】〔実施例2〕図3及び図4に示すような、
アルミニウムワイヤーを連続供給する機構を備えた抵抗
加熱方式の蒸発源に遮熱構造体を設けた真空蒸着装置を
用い、針金状に巻いてあるアルミニウムワイヤーを供給
口から10mm/分の供給速度で連続供給した。蒸発源
は、1×10-4torrの真空下で抵抗加熱により14
00℃に加熱し、厚さ12μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムにアルミニウムを真空蒸着した。蒸発源
に投入した総電力から計算した蒸発源の発熱量は120
kJ/秒であった。その条件のまま加工速度は100m
/分で、1時間真空蒸着加工を行った。蒸着膜の厚みを
水晶式膜厚モニターを用いて測定したところ、約500
オングストロームであった。また、蒸発源遮熱構造体の
上部開口部先端の温度をR熱電対を用いて測定したとこ
ろ、1320℃であり、上部開口部先端には蒸発物の付
着はなかった。
【0017】〔実施例3〕実施例1で使用した蒸発源遮
熱構造体のうち蒸発源の外側に密着させた窒化ホウ素成
形体を取り外し、それ以外は実施例1と同様に行った。
蒸発源に投入した総電力から計算した蒸発源の発熱量は
170kJ/秒であった。その条件のまま加工速度は5
0m/分で、1時間真空蒸着加工を行った。蒸着膜の厚
みを水晶式膜厚モニターを用いて測定したところ、約1
000オングストロームであった。また、蒸発源遮熱構
造体の上部開口部先端の温度をR熱電対を用いて測定し
たところ、1340℃であり、上部開口部先端には蒸発
物の付着はなかった。
【0018】〔実施例4〕実施例1で使用した蒸発源遮
熱構造体のうち蒸発源の外側に密着させた窒化ホウ素成
形体を酸化アルミニウム焼結体に変更し、それ以外は実
施例1と同様に行った。蒸発源に投入した総電力から計
算した蒸発源の発熱量は150kJ/秒であった。その
条件のまま加工速度は50m/分で、1時間真空蒸着加
工を行った。蒸着膜の厚みを水晶式膜厚モニターを用い
て測定したところ、約1000オングストロームであっ
た。また、蒸発源遮熱構造体の上部開口部先端の温度を
R熱電対を用いて測定したところ、1280℃であり、
上部開口部先端には蒸発物の付着はなかった。
【0019】〔比較例1〕実施例1で使用した蒸発源遮
熱構造体の上部のみ取り除き、それ以外は実施例1と同
様に行った。蒸発源に投入した総電力から計算した蒸発
源の発熱量は200kJ/秒であった。その条件のまま
加工速度は50m/分で、1時間真空蒸着加工を行っ
た。加工中に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの
熱負け現象が起きていることが観察された。蒸着膜の厚
みを水晶式膜厚モニターを用いて測定したところ、約1
000オングストロームであった。
【0020】〔比較例2〕実施例1で使用した蒸発源遮
熱構造体の上部開口部を垂直面に対して30度の角度
(蒸発粒子の飛行を妨げる角度)に傾斜させ、それ以外
は実施例1と同様に行った。蒸発源に投入した総電力か
ら計算した蒸発源の発熱量は150kJ/秒であった。
その条件のまま加工速度は50m/分で、1時間真空蒸
着加工を行った。蒸着膜の厚みを水晶式膜厚モニターを
用いて測定したところ、約1000オングストロームで
あった。また、蒸発源遮熱構造体の上部開口部先端の温
度をR熱電対を用いて測定したところ、1280℃であ
った。しかし、蒸発源遮熱構造体の上部開口部には、図
7に示すような蒸発物の付着があった。
【0021】〔比較例3〕図5に示すように、実施例1
で使用した蒸発源遮熱構造体の上部開口部が蒸発源と接
触している先端部を削除し、それ以外は実施例1と同様
に行った。蒸発源に投入した総電力から計算した蒸発源
の発熱量は150kJ/秒であった。その条件のまま加
工速度は50m/分で、1時間真空蒸着加工を行った。
蒸着膜の厚みを水晶式膜厚モニターを用いて測定したと
ころ、約1000オングストロームであった。また、蒸
発源遮熱構造体の上部開口部先端の温度をR熱電対を用
いて測定したところ、480℃であり、上部開口部の先
端には図6に示すような蒸発物が付着していた。
【0022】実施例および比較例で得られた蒸着フィル
ムのうち蒸着加工の最後の部分のフィルム幅方向の20
箇所について、酸素バリヤー性試験を行った。また、遮
熱構造体を解体し、各部品の破損について観察を行っ
た。結果を表1に示す。
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明により、100kJ/sec以上
の発熱量の大きな蒸発源を用いても、蒸発源周辺部品の
破損、フィルムの皺の発生、バリヤ性能の低下、引き裂
き強度の低下などの品質の低下、品質斑などのトラブル
無しに、熱効率と生産加工速度の高い蒸着加工ができる
ようになった。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮熱構造体により囲んだ蒸発源の斜視
図。
【図2】本発明の遮熱構造体を密着させた蒸発源の斜視
図。
【図3】本発明の遮熱構造体により囲んだ蒸発源の断面
図。
【図4】本発明の遮熱構造体により囲んだ蒸発源の断面
図。
【図5】遮熱構造体の開口部先端が蒸発源と接触しない
ようにして遮熱構造体により囲んだ蒸発源の断面図。
【図6】遮熱構造体の開口部先端が蒸発源と接触しない
ようにして遮熱構造体により囲んだ蒸発源の断面図。
【図7】垂直面に対して30度の角度で傾斜している開
口部を有する遮熱構造体により囲んだ蒸発源の断面図。
【符号の説明】
1:蒸発源 2:蒸発源遮熱構造体
3:蒸発原料供給部 4:上部開口部 5:金属板 6:グラファイト繊維圧縮成形板
7:等方性黒鉛板 8:窒化ホウ素成形体 9:水冷パイプ 1
0:電極 11:アルミニウム蒸発原料 12:溶融アルミニウム 1
3:付着蒸発物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸発源を、垂直面に対して45度以上の角
    度で傾斜し蒸発原料が蒸発する開口部を有する蒸発源遮
    熱構造体により囲んでなり、開口部先端の温度が蒸発粒
    子の蒸発温度以上であることを特徴とする真空蒸着装
    置。
  2. 【請求項2】遮熱構造体が、外側から蒸発源へ向って、
    水冷パイプで冷却された金属板、グラファイト繊維圧縮
    成形板、グラファイト板または窒化ホウ素成形板の順序
    で構成されていることを特徴とする請求項1記載の真空
    蒸着装置。
  3. 【請求項3】蒸発源の外側に、窒化ホウ素成形体を密着
    させて設けることを特徴とする請求項1または2記載の
    真空蒸着装置。
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