JPH07331388A - 熱間加工性および温水中での耐食性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

熱間加工性および温水中での耐食性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼

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JPH07331388A
JPH07331388A JP12128794A JP12128794A JPH07331388A JP H07331388 A JPH07331388 A JP H07331388A JP 12128794 A JP12128794 A JP 12128794A JP 12128794 A JP12128794 A JP 12128794A JP H07331388 A JPH07331388 A JP H07331388A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱間加工性および温水中での耐食性に優れる
オーステナイト系ステンレス鋼を提案すること。 【構成】 主として、Si:2.0 〜4.0 wt%、Ti:0.05〜
0.20wt%、S:0.003 wt%以下を含み、かつ、SiとTiと
は下記式; 2.0 ≦ Si ≦7(Ti+0.4 ) を満足して含有し、残部がFeと不可避的不純物からな
り、かつ、下記式に示す凝固時のδ−フェライト量; δ=1.3 ( 1.5Si(wt%) + Cr(wt%)+ Mo(wt%)+
0.5Ti(wt%)) −(30C(wt%)+30N(wt%)+0.5
Mn(wt%)+ Ni(wt%)+ Cu(wt%)) −8.5 が 1.0〜7.0 の範囲内であるオーステナイト系ステンレ
ス鋼。 【効果】 塩化物含有温水環境下における応力腐食割れ
性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼の量産化を可
能にして安価に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間加工性および温
水中での耐食性、特に塩化物含有温水環境下における応
力腐食割れ性に優れ、石油焚き温水器や電気温水器など
の材料として好適に用いられる高Si含有オーステナイト
系ステンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は、その優れた耐食性ゆえ
に、温水器や食品加工用機械、あるいは厨房用品等の中
性塩化物環境下用の材料としてで広く使用されており、
特に温水器については発熱量の増大やコンパクト化が進
んだこともあって、従来のホーロー製品からこのステン
レス鋼への転換が急速に進んできた。こうした用途に用
いられているステンレス鋼としては、応力腐食割れが生
じにくいSUS 444 などのフェライト系ステンレス鋼が一
般的であるが、複雑な加工を必要とする温水器用缶体な
どの場合、成形性や溶接性に難があるSUS 444 では加工
不可能な場合が生じる。また、高温温水中で無防食で使
用すると、すき間構造部分や気液界面で著しい腐食が生
じるため、Al防食等の対策を取らざるを得ず、このこと
が製品のコスト高につながるという問題点を抱えてい
た。
【0003】こうしたフェライト系ステンレス鋼の欠点
を補うものとして、成形性や溶接性の良いオーステナイ
ト系ステンレス鋼、例えばSUS 304 などの汎用オーステ
ナイト系ステンレス鋼の利用が検討されたが、この鋼種
のものは成形加工部や溶接構造部において残留応力によ
る応力腐食割れが生じやすく、これは温水温度が高い場
合にとくに顕著にあらわれ、水漏れが早期に発生して使
用不能に到るという欠点が見られた。
【0004】このことから従来、上記各鋼種の優れた特
性はそのまま生かしながら、欠けている特性、即ち、耐
応力腐食割れ性、あるいは耐すき間腐食性、耐酸性を向
上させる努力が払われている。例えば、特開昭56−4755
1 号公報、特開昭57−158359号公報、特開昭60−194016
号公報などでは、上述した耐食性を改善するために、2
wt%程度のCuを添加した鋼種である。しかしながら、こ
のCu添加ステンレス鋼もまた、中性塩化物温水中、特に
80℃位での応力腐食割れに対しては不十分なものであっ
た。
【0005】そこで、こうした問題点を解決するものと
して、特開昭59−185763号公報では、Cuを0.30〜2.00wt
%添加すると同時にSiを2wt%以上4wt%以下添加した
鋼種を提案しており、耐応力腐食割れ性の臨界温度は80
℃を超えるものである。また、特開平1−159351号公報
では、上記の特開昭59−185763号公報において積極的に
添加したNが、すき間腐食が生じた時の浸食深さを助長
させ、これが起点となって応力腐食割れが生じやすくな
ることを突き止めて、その弊害を除くために、このNを
0.05wt%以下にした成分系のステンレス鋼を提案してい
る。すなわち、この鋼によれば、耐応力腐食割れ性臨界
温度は100 ℃を超えるものになった。しかしながら、上
記特開平1−159351号公報に開示の上記鋼も、Cuは熱間
加工性を劣化させる元素であるから、これを2wt%まで
添加している成分系に、さらに熱間での延性を大幅に低
下させかつ熱間で脆弱なσ相を形成しやすいSiを添加し
ていることで、熱間圧延が極めて困難で、コストアップ
につながるという問題があった。
【0006】これに対して従来、高Siを含有する成分系
の熱間加工性を改善するために、BやCa, REM を添加し
たステンレス鋼を提案しているが(特開昭52−4418号公
報参照)、この技術の場合、逆にこれらの成分の析出物
が起点となって耐食性、とくに耐孔食性を劣化させると
いう新たな問題を生み、改善が必要であった。また、同
じような意図のもとに、本発明者は先に、熱間加工性に
有害なSを低減する方法(特開平2−48614 号公報参
照)を提案したが、高Si含有鋼、特に2wt%以上のSiを
含有する鋼の場合、それだけでは熱間での十分な延性を
確保することは極めて困難であった。しかも、最近の温
水器はますます小型化と性能の向上が求められており、
それに伴い伝熱面の温度は100 ℃を大幅に超え、使用材
料の耐応力腐食割れ性臨界温度上昇に対する要求性能は
ますます強くなっているのが実情である。
【0007】本発明の目的は、かかる従来技術が抱える
問題点を解決できる熱間加工性および温水中での耐食性
に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を提案するとこ
ろにある。本発明の他の目的は、塩化物含有温水環境下
における応力腐食割れ性に優れるオーステナイト系ステ
ンレス鋼の量産化を可能にして安価に製造することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究による
と、熱間加工性の改善にはSを低減することが有効なこ
とはもちろんであるが、高Si含有鋼、特に2wt%以上の
Siを含有する鋼の場合、凝固時のδ−フェライト量を適
正範囲にコントロールし、かつTiを0.05〜0.20wt%の範
囲内でしかも 2.0≦Si≦7(Ti+0.4)を満足するように
添加することで、熱間加工性が著しく改善できると同時
に、耐食性、特に耐応力腐食割れ性が向上し、温水中で
の耐応力腐食割れ性臨界温度が上昇することを見出し
た。
【0009】このような知見に基づいて構成した本発明
は、C:0.02〜0.08wt%、 Si:2.0 〜4.0 wt%、Mn:
1.0 wt%以下、 Cr:15〜25wt%、Ni:8 〜20wt%、
Mo:0.1 〜2.0 wt%、Ti:0.05〜0.20wt%、 C
u:1.5 〜4.0 wt%、N:0.05wt%以下、 P:0.030
wt%以下、S:0.003 wt%以下を含み、かつ、SiとTi
とは下記式; 2.0 ≦ Si ≦7(Ti+0.4 ) を満足して含有し、残部がFeと不可避的不純物からな
り、かつ、下記式に示す凝固時のδ−フェライト量; δ=1.3 ( 1.5Si(wt%) + Cr(wt%)+ Mo(wt%)+
0.5Ti(wt%)) −(30C(wt%)+30N(wt%)+0.5
Mn(wt%)+ Ni(wt%)+ Cu(wt%)) −8.5 が 1.0〜7.0 の範囲内である、熱間加工性および温水中
での耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼であ
る。
【0010】
【作用】以下に、本発明オーステナイト系ステンレス鋼
を開発するに至った経緯について述べる。本発明者はま
ず、先に提案した低S鋼(特開平2−48614 号公報参
照)をベースにして、この鋼の耐食性をより一層改善す
ることを目指して研究をすすめた。そうした中で、多量
のSiを添加し、それによって耐応力腐食割れ性の他、耐
孔食性を改善する方法を考えた。しかしながら、Siを多
量に添加すると熱間加工性が著しく低下する。即ち、13
00℃超え、または1100℃未満の熱間延性が、Si添加量の
増加とともに急激に低下することから、熱間圧延可能な
温度域が実質的に狭くなり、そのため量産化が阻害され
ることがわかった。この点、上記先行提案技術では、S
およびOをそれぞれ0.0010wt%以下、0.0060wt%以下に
低減し、かつBを所定量添加することがこの熱間加工性
を改善させている。しかし、高Si含有オーステナイト系
ステンレス含有鋼では、それだけでは必ずしも十分では
なく、例えば、1300℃超えあるいは1100℃未満の熱間延
性に対しては殆ど効果がないことが判った。これは、高
Si含有により鋼中Oの影響を敏感に受ける状態となって
熱間強度が高くなるからである。このことはまた、Bを
添加したとしても、単に低融点化合物を生成するだけ
で、結局のところOの固定が不十分であるためと考えて
いる。
【0011】そこで、本発明者は、そのOに対してより
親和力の強いTiに着目した。即ち、極低Sにした高Si含
有鋼の熱間加工性に対するTiの影響についてさらに研究
した。その結果、Ti含有量を0.05〜0.20wt%の範囲内と
し、かSi含有量とこのTi含有量との相関関係を求めて、
その関係を適正に維持することによって熱間加工性が向
上することが判った。特に、1パスで90%以上の圧下率
があり、スラブエッジ部分の温度低下を起こしやすいプ
ラネタリーミルでの熱間圧延においては、高温引張試験
での絞り値が80%を上回る温度範囲が 400℃以上であれ
ば耳割れもなく十分な歩留りも確保でき、工業的に量産
が可能である。
【0012】そこで、上述した知見を前提としてさら
に、TiとSiの含有量の関係を詳細に検討した結果、Si%
≦7(Ti%+0.4)なる関係式を満たせば、熱間延性が量
産化が可能な領域となることを知り、本発明を完成し
た。また、同時に、Tiの適量添加により、耐応力腐食割
れ性臨界温度も上昇することもわかった。図1は、 3.5
wt%Siを含有する鋼の熱間加工性に及ぼすTi、B添加の
影響を示すが、この種の成分系の鋼において、Tiの適量
添加により優れた熱間加工性を示すことがわかる。ま
た、図2には、SiとTiの熱間加工性に及ぼす影響を示す
が、Tiが0.05〜0.2wt%の範囲ではSi%≦7(Ti%+0.
4)の領域において、絞り値80%以上を示し、量産化が可
能でかつ十分な歩留りを確保できる領域ということがで
き、良好な熱間延性を有している。
【0013】以上説明したところから明らかなように、
本発明オーステナイト系ステンレス鋼は、低S、低O化
を前提としてTiの所定量を添加することにより、Bを添
加しなくても優れた耐食性を示し、かつ量産化の可能な
熱間加工特性を有するものである。
【0014】次に、本発明鋼における各成分元素の組成
限定の理由について説明する。 C:0.02〜0.08wt% Cは、オーステナイトを安定させる元素であり、また適
量添加は耐応力腐食割れ性の向上に寄与するが、過剰添
加は溶接時の粒界腐食感受性を増大させ、溶接熱影響部
の耐食性を劣化させるので、0.02〜0.08wt%とする。な
お、好ましくは0.03〜0.07wt%である。
【0015】Si:2.0 〜4.0 wt% Siは、本発明において重要な元素であり、耐応力腐食割
れ性を改善させる効果が極めて強い。その効果を得るに
は 2.0wt%未満では十分ではなく、2.0 wt%以上の添加
が必要である。ところが、4.0 wt%を超えて添加すると
熱間延性が大幅に劣化するので、その範囲を 2.0〜4.0
wt%とする。なお、前述のようにTiの適量添加により高
Siを含有しても良好な熱間延性が得られるので、耐応力
腐食割れ性の観点から好ましい範囲としては 2.5〜4.0
wt%である。
【0016】Mn:1.0 wt%以下 Mnは、製鋼時の脱炭剤として使用されるが、不純物とし
て多量に含有していると鋼中のSと化合物を形成し孔食
の起点となって耐食性の劣化を招くので、1.0wt%以下
とする。
【0017】Cr:15〜25wt% Crは、耐食性確保の点で必須の元素であり、15wt%以上
の添加が必要である。このCrは添加量が多いほど良い
が、25wt%までで十分な耐食性が得られるので、Crの範
囲を15〜25wt%とする。
【0018】Ni:8〜20wt% Niは、オーステナイト生成元素であり、得られる組織が
オーステナイト単相組織とするためには少なくとも8wt
%以上の添加が必要である。しかしながら、Niは非常に
高価な元素であり、また、20wt%も添加すれば十分にオ
ーステナイト単相組織が得られるので、Niの範囲を8〜
20wt%とする。
【0019】Mo:0.1 〜2.0 wt% Moは、耐孔食性および耐すき間腐食性に有効な元素であ
るが、耐応力腐食割れ性には有害な元素である。本発明
鋼では、Siの多量添加やTiの適量添加により耐応力腐食
割れ性に対するMoの有害性は抑制されるが、Moは高価な
元素であり、また多量添加によってσ相を生成しやすく
なるので、Moの範囲を 0.1〜2.0 wt%とする。
【0020】Ti:0.05〜0.20wt% Tiは、本発明において極めて重要な役割を担う元素であ
り、熱間加工性および耐応力腐食割れ性を改善させる効
果が大きい。その効果は、0.05wt%未満の添加では十分
ではなく、また、0.20wt%を超える添加量だと熱間での
延性が低下するので、Tiの範囲を0.05〜0.20wt%とす
る。なお、このTiは、後述するように、Siとの関連にお
いてさらに制限される。
【0021】Cu:1.5 〜4.0 wt% Cuは、耐応力腐食割れ性および耐酸性、耐すき間腐食性
に極めて有効な元素であり、本発明において極めて重要
な役割を担う成分である。所定の耐食性を得るには1.5
wt%以上の添加が必要であるが、4%を超えると熱間加
工性が急激に劣化するので、Cuの範囲は1.5 〜4.0 wt%
に制限する。好ましくは 1.5〜3.0 wt%とする。
【0022】N:0.05wt%以下 Nは、耐孔食性および耐すき間腐食性を改善させる元素
であるが、一方で耐応力腐食割れ性や熱間加工性に対し
ては有害である。また、Nが多量添加されていると、本
発明鋼において必須となるTiと結合して粗大な析出物を
形成し、鋼板製造時にスリーバー状の疵が発生し易くな
るので、できるだけ低減させることが望ましい。従っ
て、Nの上限は0.05wt%以下とする。好ましくは0.03wt
%以下とする。
【0023】P:0.030 wt%以下 Pは、耐応力腐食割れ性および熱間での延性を劣化させ
るので、0.030 wt%を上限とする。
【0024】S:0.003 wt%以下 Sは、熱間加工性に極めて有害な元素であり、本発明に
おいては特に熱間加工性の改善を主眼においているわけ
であるから、S含有量は極力低減させる必要がある。し
かしながら、工業的に限界があるので、その上限を0.00
3 wt%以下とする。
【0025】なお、上記Siについては、Tiとの関係にお
いて、下記式を満足するように添加しなければならな
い。 2.0 ≦ Si ≦7(Ti+0.4 ) 耐応力腐食割れ性を改善させるためには、上記式のよう
にSiを2.0 wt%以上添加する必要があるが、Siを多量添
加すると熱間加工性が劣化する。これを補うためには、
Tiの適量添加が必須となるが、熱間加工性が量産化を可
能にならしめる程度にするためには、δ−フェライト量
を示す下記式を満足するように成分調整する必要があ
る。 δ=1.3 ( 1.5Si(wt%) + Cr(wt%)+ Mo(wt%)+
0.5Ti(wt%))−(30C(wt%)+30N(wt%)+0.5M
n(wt%)+ Ni(wt%)+ Cu(wt%))−8.5
【0026】上記式にて表わすことのできる凝固時のδ
−フェライト量は、熱間加工性を左右する指標であり、
1.0 未満あるいは 7.0を超えると熱間加工性が著しく低
下するので、上記式で表されるδ−フェライト量の範囲
は 1.0〜7.0 とする。
【0027】
【実施例】表1に示す成分組成の鋼を実験室規模で溶製
して10kg鋼塊とし、この鋼塊から試験用試料を調整し
た。即ち、その一部は鋳込み状態で超高温引張試験を行
って絞り値から熱間加工性を評価する試料とし、その他
のものは、確性試験用として熱間鍛造、冷間圧延で 1.0
mmt×100 mmw×lの大きさとし、1100℃×10分水冷の
熱処理を施して供試材とした。これらの試験片は、いず
れも#400 湿式研磨仕上としたものを用いた。表2に、
熱間加工性および確性試験結果を示す。この表2に示す
結果からわかるように、本発明鋼1〜6は、高Si含有鋼
にも拘わらず最終熱間圧延温度に近い900 ℃での絞り値
が80%を上回り、さらに高温で絞り値が急激に低下する
温度(Ni1温度)が比較鋼に対して上昇し、絞り値が80
%を上回る温度範囲が400 ℃以上になり、特に、プラネ
タリーミルでの量産化が可能であることが明白である。
さらに本発明鋼種は、いずれも温水中での耐応力腐食割
れ性臨界温度が100 ℃を上回り、高SiおよびTi複合添加
による比較鋼と比べて耐応力腐食割れ性が向上している
ことが判る。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、温水中で
の耐応力腐食割れ性を改善するためにSiを多量に添加し
たオーステナイト系ステンレス鋼について、さらにTiを
Siとの関連において適量添加することによって、その耐
食性を劣化させることなく量産化を可能にするための熱
間加工性をも有するものである。しかも、耐食性に優れ
た高Si含有オーステナイト系ステンレス鋼を比較的安価
に提供できる。特に、本発明にかかるステンレス鋼は、
温水器やボイラーなどの高温中性塩化物水環境下で長期
にわたり安定して使用できることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】3.5 wt%のSiを含有する鋼についての熱間加工
性に及ぼすB、Ti添加の影響を示すグラフ。
【図2】高Si含有鋼の熱間加工性に及ぼすSi、Tiの複合
添加の影響を示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.02〜0.08wt%、 Si:2.0 〜4.0 wt
    %、 Mn:1.0 wt%以下、 Cr:15〜25wt%、 Ni:8 〜20wt%、 Mo:0.1 〜2.0 wt%、 Ti:0.05〜0.20wt%、 Cu:1.5 〜4.0 wt%、 N:0.05wt%以下、 P:0.030 wt%以下、 S:0.003 wt%以下を含み、 かつ、SiとTiとは下記式; 2.0 ≦ Si ≦7(Ti+0.4 ) を満足して含有し、残部がFeと不可避的不純物からな
    り、 かつ、下記式に示す凝固時のδ−フェライト量; δ=1.3 ( 1.5Si(wt%) + Cr(wt%)+ Mo(wt%)+
    0.5Ti(wt%)) −(30C(wt%)+30N(wt%)+0.5
    Mn(wt%)+ Ni(wt%)+ Cu(wt%)) −8.5 が 1.0〜7.0 の範囲内である、熱間加工性および温水中
    での耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01159351A (ja) * 1987-09-02 1989-06-22 Nisshin Steel Co Ltd 温水中での耐食性にすぐれたオーステナイトステンレス鋼
JPH03191039A (ja) * 1989-12-20 1991-08-21 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱用オーステナイト系ステンレス鋼

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