JPH07331238A - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JPH07331238A
JPH07331238A JP6132744A JP13274494A JPH07331238A JP H07331238 A JPH07331238 A JP H07331238A JP 6132744 A JP6132744 A JP 6132744A JP 13274494 A JP13274494 A JP 13274494A JP H07331238 A JPH07331238 A JP H07331238A
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JP
Japan
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transport layer
hole transport
layer
electrode
group
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Pending
Application number
JP6132744A
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English (en)
Inventor
Mutsumi Suzuki
木 睦 美 鈴
Masao Fukuyama
山 正 雄 福
Mutsuaki Murakami
上 睦 明 村
Hiromitsu Tomiyama
山 裕 光 富
Ikuko Ihara
原 郁 子 伊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hodogaya Chemical Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Hodogaya Chemical Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 有機EL素子の発光安定性および保存安定性
を改善する。 【構成】 正孔輸送層の材料として新規な一般式1のテ
トラアミン化合物、ヘキサアミン化合物を用いる。 ただしR1 、R2 は水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、置換または無置換のフェニル基を、R3
水素原子、メチル基、メトキシ基、または塩素原子を表
す。別の正孔輸送層として上記2テトラアミン化合物お
よびまたはヘキサアミン化合物の中から選定された2種
類以上を含む材料を用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の表示装置として
広範囲に利用される発光素子であって、低い印加電圧、
高輝度、かつ安定性にも優れた有機電界発光素子(有機
EL素子)に関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子は、自己発光のために液晶
素子にくらべて明るく、鮮明な表示が可能であるため古
くから多くの研究者によって研究されてきた。現在実用
レベルに達した電界発光素子としては、無機蛍光体であ
るZnSを用いた素子がある。しかし、この様な無機の
電界発光素子は、発光のための印加電圧として200V
以上が必要で広く使用されるには至っていない。
【0003】これに対して有機材料を用いた電界発光素
子である有機EL素子は、従来実用的なレベルからは遠
いものであったが、1987年にコダック社のC.W.
Tangらによって開発された積層構造素子によりその
特性が飛躍的に進歩した。彼らは蒸着膜の構造が安定で
電子を輸送することのできる蛍光体と、正孔を輸送する
ことのできる有機物を積層し、両方のキャリヤーを蛍光
体中に注入して発光させることに成功した。これによっ
て有機EL素子の発光効率が向上し、10V以下の電圧
で1000cd/m2 以上の発光が得られる様になっ
た。その後多くの研究者によってその特性向上のための
研究が行われ、現在では10000cd/m2 以上の発
光特性が得られている。
【0004】この様な有機EL素子の基本的な発光特性
は、すでに十分実用範囲にあり、現在その実用化を妨げ
ている最も大きな原因は、(1)その駆動時の発光特性
の安定性の不足、(2)保存安定性の不足にある。ここ
で言う駆動時の劣化とは、素子に電流を印加して駆動し
た時に発光輝度が低下したり、ダークスポットと呼ばれ
る発光しない領域が発生したり、素子の短絡により破壊
が起こる現象を言い、保存時の安定性とは作製した素子
を保存しているだけでも発光特性が低下する現象を言
う。
【0005】本発明者らはこの様な有機EL素子の発光
の安定性、保存安定性に関する問題点を解決するためそ
の劣化の機構を検討した。その結果、特性劣化の大きな
原因の一つがその正孔輸送層にあることが分かった。即
ち、正孔輸送層として一般に利用される(化4:略称T
PD)、(化5:略称TPAC)の様な正孔輸送材料
は、(1)湿度、温度、電流により結晶化して薄膜形状
が一様でなくなる、(2)正孔輸送層が通電により変質
する、などの変化を起こし、それによって発光特性が著
しく劣化することが分かった。
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
様な知見に基づき、発光安定性、保存安定性に優れた有
機EL素子を実現できる新しい正孔輸送材料を提供する
ことにある。この様な正孔輸送材料の具備しなければな
らない条件としては、(1)優れた正孔輸送能力を持つ
こと、(2)熱的に安定で、ガラス状態が安定であるこ
と、(3)薄膜を形成できること、(4)電気的、化学
的に安定であること、等を挙げることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明者らは、ITO電極、正孔輸送層、発光層お
よびマグネシュウム/銀電極からなる有機EL素子を試
作し、新たに合成した数多くの正孔輸送材料の評価を行
なった。発光層としては、おもに電子輸送層を兼ねるア
ルミキノリン3量体を用いた。上記正孔輸送層の材料と
して、(化6)で記述されるテトラアミン化合物および
(化7)で記述されるヘキサアミン化合物を使用した。
【0010】
【化6】
【0011】
【化7】 ただし、(化6)および(化7)におけるR1 、R2
水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換ま
たは無置換のアリール基を表し、R3 は水素原子、メチ
ル基、メトキシ基、塩素原子を表す。また(化7)にお
けるXは以下の構造を有する置換基を表し、R4 は水素
原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子を表す。
【0012】
【化8】
【0013】
【作用】本発明は、上記のような正孔輸送材料を使用し
た結果、それらが優れた正孔輸送能力を有しているばか
りでなく、良好な薄膜を形成し、さらに熱的にも安定で
あることが分かった。この結果、優れた発光安定性、保
存安定性を有する有機EL素子が実現できることが明ら
かになり、表示素子として広範囲に利用することができ
た。
【0014】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例について、合成につ
いての第1の実施例と素子についての第2の実施例とに
分けて説明する。本発明の正孔輸送材料であるテトラア
ミン化合物は、例えば相当するハロゲン化ビフェニリル
ジフェニルアミン化合物とアセトアミドまたはベンズア
ミドとの縮合反応による生成物を加水分解して得られる
トリアミン化合物と、相当するハロゲン化ビフェニリル
ジフェニルアミン化合物とを縮合反応させることにより
合成することができる。これら縮合反応はウルマン反応
として知られる方法である。
【0015】また、本発明の別の正孔輸送材料であるヘ
キサアミン化合物は、新規な化合物であり、これらは例
えば相当するハロゲン化ビフェニリルジフェニルアミン
4当量と相当するジアミン化合物1当量を縮合反応させ
ることにより合成することができる。これら縮合反応は
ウルマン反応として知られる方法である。
【0016】これらの化合物の同定は、元素分析、赤外
吸収スペクトル測定により行ない、さらに再結晶法、真
空昇華法により精製し、純度を99.8%以上とした。
純度の確認はTLCスキャナー、TG−DTA、融点測
定により行った。融点、分解点は正孔輸送層の熱安定性
の目安となり、ガラス転移点はガラス状態の安定性の目
安となる。
【0017】(合成実施例1)ジフェニルアミン16.
9g(0.10モル)と4,4’−ジヨードビフェニル
48.7g(0.12モル)、無水炭酸カリウム16.
6g(0.12モル)、銅粉1.27g(0.02モ
ル)、ニトロベンゼン20mlを混合し、190〜20
5℃で20時間反応させた。反応生成物をトルエン20
0mlで抽出し、不溶分をろ別除去後、濃縮乾固した。
これをカラムクロマトにより精製して(担体;シリカゲ
ル、溶離液;トルエン/n−ヘキサン=1/3)、N−
(4’−ヨード−4ビフェニリル)−N,N−ジフェニ
ルアミン24.9g(収率55.6%)を得た。融点
は、139.5〜140.5℃であった。
【0018】続いてN−(4’−ヨード−4−ビフェニ
リル)−N,N−ジフェニルアミン15.2g(0.0
34モル)、アセトアミド0.95g(0.016モ
ル)、無水炭酸カリウム4.70g(0.034モル)
及び銅粉0.19g(0.003モル)、ニトロベンゼ
ン10mlを混合し、200〜212℃で15時間反応
させた。反応生成物をトルエン150mlで抽出し、不
溶分をろ別除去後、濃縮してオイル状物とした。オイル
状物はイソアミルアルコール120mlに溶解し、水1
ml、85%水酸化カリウム1.35g(0.024モ
ル)を加え、130℃で加水分解した。水蒸気蒸留でイ
ソアミルアルコールを除去後、トルエン200mlで抽
出し、水洗、乾燥して濃縮した。濃縮物はカラムクロマ
トにより精製して(担体;シリカゲル、溶離液;トルエ
ン/n−ヘキサン=1/1)、N,Nビス(4’−ジフ
ェニルアミノ−4−ビフェニリル)アミン7.47g
(収率71.2%)を得た。融点は212.5〜21
3.5℃であった。
【0019】更に、N,N−ビス(4’−ジフェニルア
ミノ−4−ビフェニリル)アミン6.56g(0.01
モル)、N−(4’−ヨード−4−ビフェニリル)−
N,N−ジフェニルアミン4.92g(0.011モ
ル)、無水炭酸カリウム1.52g(0.011モ
ル)、銅粉0.13g(0.002モル)、ニトロベン
ゼン10mlを混合し、195〜210℃で15時間反
応させた。反応生成物をトルエン100mlで抽出し、
不溶分をろ別除去後、n−ヘキサン120mlを加えて
粗結晶を取りだした。粗結晶はカラムクロマトにより精
製して(担体;シリカゲル、溶離液;トルエン/n−ヘ
キサン=2/3)、N,N,N−トリス(4’−ジフェ
ニルアミノ−4−ビフェニリル)アミン4.89g(収
率;50.2%)を得た。得られた物は250〜278
℃で融解し、明瞭な融点を示さなかった。元素分析値及
び赤外線吸収特性は以下の通りである。
【0020】元素分析値; 炭素:測定値88.78%
(理論値88.67%)、水素:測定値5.51%(理
論値5.58%)、窒素:測定値5.82%(理論値
5.75%)。
【0021】赤外線吸収特性;3028cm-1、159
0cm-1、1487cm-1、1322cm-1、1277
cm-1、1176cm-1、820cm-1、753c
-1、697cm-1
【0022】(合成実施例2)ジフェニルアミン20.
3g(0.12モル)と4,4’−ジヨードビフェニル
60.9g(0.15モル)、無水炭酸カリウム19.
3g(0.14モル)、銅粉1.52g(0.024モ
ル)、ニトロベンゼン20mlを混合し、190〜20
5℃で21時間反応させた。反応生成物をトルエン20
0mlで抽出し、不溶分をろ別除去後、濃縮乾固した。
これをカラムクロマトにより精製して(担体;シリカゲ
ル、溶離液;トルエン/n−ヘキサン=1/3)、N−
(4’−ヨード−4ビフェニリル)−N,N−ジフェニ
ルアミン29.0g(収率54.1%)を得た。融点
は、139.5〜140.5℃であった。
【0023】続いてN−(4’−ヨード−4−ビフェニ
リル)−N,N−ジフェニルアミン22.8g(0.0
51モル)、o−トリジン2.55g(0.012モ
ル)、無水炭酸カリウム6.91g(0.050モル)
及び銅粉0.64g(0.001モル)、ニトロベンゼ
ン10mlを混合し、200〜212℃で28時間反応
させた。反応生成物をトルエン160mlで抽出し、不
溶分をろ別除去後、濃縮乾固した。得られた固形物はカ
ラムクロマトにより精製して(担体;シリカゲル、溶離
液;トルエン/n−ヘキサン=1/1)、N,N,
N’,N’−テトラキス(4’−ジフェニルアミノ−4
−ビフェニリル)−o−トリジン9.94g(収率;5
5.6%)を得た。得られた物は196〜203℃で融
解し明瞭な融点を示さなかった。元素分析値及び赤外線
吸収特性は以下の通りである。
【0024】元素分析値; 炭素:測定値88.67%
(理論値88.68%)、水素:測定値5.78%(理
論値5.68%)、窒素:測定値5.56%(理論値
5.64%)。
【0025】赤外線吸収特性;3026cm-1、158
9cm-1、1486cm-1、1314cm-1、1270
cm-1、1176cm-1、816cm-1、752c
-1、696cm-1
【0026】(合成実施例3)ジフェニルアミン20.
3g(0.12モル)と3,3’−ジメチル−4,4’
−ジヨードビフェニル65.1g(0.15モル)、無
水炭酸カリウム19.3g(0.14モル)、銅粉1.
52g(0.024モル)、ニトロベンゼン20mlを
混合し、190〜205℃で21時間反応させた。反応
生成物をトルエン200mlで抽出し、不溶分をろ別除
去後、濃縮乾固した。これをカラムクロマトにより精製
して(担体;シリカゲル、溶離液;トルエン/n−ヘキ
サン=2/7)、N−(3,3’−ジメチル−4’−ヨ
ード−4ビフェニリル)−N,N−ジフェニルアミン3
2.6g(収率57.2%)を得た。
【0027】続いてN−(3,3’−ジメチル−4’−
ヨード−4ビフェニリル)−N,N−ジフェニルアミン
24.2g(0.051モル)、o−トリジン2.55
g(0.012モル)、無水炭酸カリウム6.91g
(0.050モル)及び銅粉0.64g(0.001モ
ル)、ニトロベンゼン10mlを混合し、200〜21
2℃で30時間反応させた。反応生成物をトルエン15
0mlで抽出し、不溶分をろ別除去後、濃縮乾固した。
得られた固形物はカラムクロマトにより精製して(担
体;シリカゲル、溶離液;トルエン/n−ヘキサン=3
/4)、N,N,N’,N’−テトラキス(3,3’−
ジメチル−4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリ
ル)−o−トリジン9.48g(収率;49.3%)を
得た。得られた物は196〜212℃で融解し、明瞭な
融点を示さなかった。元素分析値及び赤外線吸収特性は
以下の通りである。
【0028】元素分析値; 炭素:測定値88.53%
(理論値88.46%)、水素:測定値6.23%(理
論値6.29%)、窒素:測定値5.33%(理論値
5.25%)。
【0029】赤外線吸収特性;3020cm-1、295
0cm-1、2920cm-1、1587cm-1、1482
cm-1、1376cm-1、1267cm-1、1124c
-1、877cm-1、818cm-1、752cm-1、6
95cm-1
【0030】
【実施例2】次に、これらを実際に有機EL素子として
評価し、その素子の発光特性、発光特性の安定性、保存
安定性を検討した。有機EL素子は、図1に示すよう
に、ガラス基板1上に透明電極2としてITO電極をあ
らかじめ形成したものの上に、正孔輸送層3、電子輸送
層兼発光層4、Mg/Ag電極5の順に蒸着して作製し
た。まず、十分に洗浄したガラス基板(ITO電極は成
膜済み)、正孔輸送材、電子輸送性発光材として精製し
たアルミキノリン3量体を蒸着装置にセットした。10
-6torrまで排気した後、0.1nm/秒の速度で正
孔輸送層を蒸着した。膜厚は50nmとした。アルミキ
ノリン3量体の蒸着は同じく0.1nm/秒の速度で行
い、その膜厚は50nmとした。Mg/Ag電極は0.
4nm/秒の速度で行い、その厚さを100nmとし
た。これらの蒸着はいずれも真空を破らずに連続して行
った。また膜厚は水晶振動子によってモニターした。素
子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、
引続き特性測定を行った。
【0031】得られた素子の発光特性は100mA/c
2 の電流を印加した場合の発光輝度で定義した。ま
た、発光の安定性は200cd/m2 の発光が得られる
電流を連続で印加し、その時の発光輝度の変化を測定し
た。発光の寿命を輝度が半分の100cd/m2 になる
までの時間と定義した。保存安定性は室温、乾燥空気中
に一定時間素子を放置後、20mA/cm2 の電流を印
加し、輝度が初期発光特性の半分になるまでの時間で定
義した。
【0032】本発明の正孔輸送材料の評価のために発光
層としてアルミキノリン3量体を用いたが、むろん本発
明では発光層の材料として各種の希土類錯体、オキサゾ
ール誘導体、ポリパラフェニレンビニレンなどの各種の
材料を用いることができる。また、発光層にキナクリド
ンやクマリンなどのドーパントを添加することによりさ
らに高性能の有機EL素子を作製することができる。さ
らに電子輸送層、発光層、正孔輸送層の3層からなる有
機EL素子とすることもできる。また、本発明の正孔輸
送材料と適当な電子輸送材料とを組み合わせることによ
り、正孔輸送層を発光層として用いることもできる。
【0033】この様な検討の結果、正孔輸送材料が13
0℃以上の融点、300℃以上の分解点を有する場合に
は優れた発光の安定性、保存安定性が得られることが分
かった。したがって、上記化合物の置換基は本発明の置
換基に限らず、上記以上の融点、分解点を持つものであ
れば使用できる。
【0034】本発明の正孔輸送材料は単独で用いること
もできるが、2種類以上を共蒸着法などで蒸着して混合
状態で用いることができる。また、本発明の正孔輸送材
を従来の正孔輸送材であるTPACやTPDとの共蒸着
によって使用することができる。2種類以上を同時蒸着
して用いると、しばしばその結晶化を起こし難くする効
果がある。
【0035】(素子実施例1)十分に洗浄したガラス基
板(ITO電極は成膜済み)、正孔輸送材としてテトラ
アミン化合物(1)(R1 =H、R2 =H、R3
H)、電子輸送性発光材として精製したアルミキノリン
3量体を蒸着装置にセットした。0.1nm/秒の速度
で化合物(1)を50nmの厚さで蒸着した。なお膜厚
は水晶振動子によってモニターした。アルミキノリンの
蒸着は同じく0.1nm/秒の速度で行い、その膜厚は
50nmとした。Mg/Ag電極は0.4nm/秒の速
度で行い、その厚さを100nmとした。これらの蒸着
はいずれも真空を破らずに連続して行った。素子作製
後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引続き
特性測定を行った。発光特性は1500cd/m2 、発
光の寿命は950Hr、保存安定性は2700Hrであ
った。
【0036】比較のために正孔輸送材として(化4:略
称TPD)、(化5:略称TPAC)を用いて同じ条件
で有機EL素子を作製しその特性を調べた。TPDでの
発光特性、発光の寿命特性、保存安定性はそれぞれ、2
200cd/m2 、220Hr、460Hrであった。
一方、TPACでの発光特性、発光の寿命特性、保存安
定性はそれぞれ、2500cd/m2 、280Hr、5
60Hrであった。このことから本実施例によるテトラ
アミン化合物(1)は発光寿命、保存安定性に優れてい
ることが分かった。
【0037】(素子実施例2)素子実施例1と同様の方
法でそれぞれ、テトラアミン化合物(2)(R1 =4−
CH3 、R2 =4−CH3 、R3 =H)、(3)(R1
=H、R2 =H、R3=CH3 )、(4)(R1 =4−
CH3 、R2 =4−CH3 、R3 =CH3 )、(5)
(R1 =4−tBu、R2 =4−tBu、R3 =H)、
(6)(R1 =4- tBu、R2 =4−tBu、R3
CH3 )、(7)(R1 =4−isoBu、R2 =4−
isoBu、R3 =H)、(8)(R1 =3−C
6 4 、R2 =3−C6 4 、R3 =H)、(9)(R
1 =4−(p−CH3 −C6 4 )、R2=4−(p−
CH3 −C6 4 )、R3 =OCH3 )(10)(R1
=4−OCH3 、R2 =4−OCH3 、R3 =H)、
(11)(R1 =4−CH3 、R2 =4−CH3 、R3
=Cl)を正孔輸送材として使用した有機EL素子を作
製し、その特性を評価した。その結果を図2に示す。こ
のことから本実施例によるテトラアミン化合物(2)〜
(11)は発光寿命、保存安定性に優れていることが分
かった。
【0038】(素子実施例3)素子実施例1と同様の方
法でそれぞれ、ヘキサアミン化合物(12)(R1
H、R2 =H、R3 =H、X=(A))、(13)(R
1 =H、R2 =H、R3=H、X=(B))、(14)
(R1 =H、R2 =H、R3 =Cl、X=(B))、
(15)(R1 =H、R2 =H、R3 =H、X=
(C))、(16)(R1=H、R2 =H、R3 =H、
X=(D)、R4 =H)、(17)(R1 =4−tB
u、R2 =4- tBu、R3 =H、X=(D)、R4
H)、(18)(R1=4−tBu、R2 =4−tB
u、R3 =H、X=(E))、(19)(R1 =4−C
6 4 、R2 =4−C6 4 、R3 =H、X=
(F))、(20)(R1=4−(p−CH3 −C6
4 )、R2 =4−(p−CH3 −C6 4 )、R3
H、X=(G))(21)(R1 =4−OCH3 、R2
=4−OCH3 、R3=H、X=(H))(22)(R
1 =H、R2 =H、R3 =Cl、X=(I))、(2
3)(R1 =4−CH3 、R2 =4−CH3 、R3
H、X=(J))を正孔輸送材として使用した有機EL
素子を作製し、その特性を評価した。その結果を図3に
示す。このことから本実施例によるヘキサアミン化合物
(12)〜(23)は発光寿命、保存安定性に優れてい
ることが分かった。
【0039】(素子実施例4)素子実施例1と同様の方
法でそれぞれ、テトラアミン化合物(1)(R1 =H、
2 =H、R3 =H)とヘキサアミン化合物(16)
(R1 =H、R2 =H、R3 =H、R4 =H、X=
(D))を共蒸着し、正孔輸送材として使用した有機E
L素子を作製し、その特性を評価した。発光特性は19
00cd/m2 、発光の寿命は1100Hr、保存安定
性は3500Hrであった。その結果から本実施例によ
るテトラアミン化合物(1)とヘキサアミン化合物(1
6)の共蒸着によって形成された正孔輸送層は発光寿
命、保存安定性に優れていることが分かった。
【0040】
【発明の効果】以上の様に本発明は、正孔輸送層の材料
として、テトラアミン化合物、ヘキサアミン化合物を用
いたことを特徴とする電界発光素子であり、本発明の材
料を用いることにより、従来の有機EL素子の最も大き
な問題点であった発光安定性、保存安定性を格段に改良
したEL素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における電界発光素子の構成
を示す部分断面拡大斜視図
【図2】本発明の一実施例における正孔輸送層としてテ
トラアミン化合物を用いた電界発光素子の特性を示す一
覧図
【図3】本発明の別の実施例における正孔輸送層として
ヘキサアミン化合物を用いた電界発光素子の特性を示す
一覧図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明電極 3 正孔輸送層 4 電子輸送層兼発光層 5 Mg/Ag電極
フロントページの続き (72)発明者 村 上 睦 明 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 富 山 裕 光 茨城県つくば市御幸が丘45番地 保土谷化 学工業株式会社筑波研究所内 (72)発明者 伊 原 郁 子 茨城県つくば市御幸が丘45番地 保土谷化 学工業株式会社筑波研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で記述されるテトラアミン化
    合物を用いたことを特徴とする電界発光素子。 【化1】 ただし、R1 、R2 は水素原子、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、置換または無置換のフェニル基を表し、
    3 は水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子を表
    す。
  2. 【請求項2】 下記一般式で記述されるヘキサアミン化
    合物を用いたことを特徴とする電界発光素子。 【化2】 ただし、R1 、R2 は水素原子、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、置換または無置換のアリール基を表し、
    3 は水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子を表
    す。またXは以下の構造を有する置換基を表す。 【化3】 このうちR4 は水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素
    原子を表す。
  3. 【請求項3】 基板の上に下層から順番に積層された電
    極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電極を有す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の電界発光素
    子。
  4. 【請求項4】 基板の上に下層から順番に積層された電
    極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電極を有
    し、上記正孔輸送層として、請求項1記載のテトラアミ
    ン化合物およびまたは請求項2記載のヘキサアミン化合
    物の内から選定された少なくとも2種類を含む材料を用
    いたことを特徴とする電界発光素子。
  5. 【請求項5】 電子輸送層が発光層を兼ねていることを
    特徴とする請求項3または4記載の電界発光素子。
  6. 【請求項6】 正孔輸送層が発光層を兼ねていることを
    特徴とする請求項3または4記載の電界発光素子。
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