JPH07331078A - 剥離紙用シリコーン組成物およびその塗工物品 - Google Patents

剥離紙用シリコーン組成物およびその塗工物品

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JPH07331078A
JPH07331078A JP13154694A JP13154694A JPH07331078A JP H07331078 A JPH07331078 A JP H07331078A JP 13154694 A JP13154694 A JP 13154694A JP 13154694 A JP13154694 A JP 13154694A JP H07331078 A JPH07331078 A JP H07331078A
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匡彦 小川
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和彦 松岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は剥離特性がよく、ドライタッチで耐
ブロッキング性のすぐれた硬化皮膜を与える剥離紙用シ
リコーン組成物の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明の剥離紙用シリコーン組成物は、付加
反応型シリコーン組成物または縮合反応型のシリコーン
組成物 100重量部に対して、平均粒径が 0.1〜5μmの
疎水性球状シリカ粉末を 0.1〜10重量部添加してなるこ
とを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は剥離紙用シリコーン組成
物、特には剥離特性がよく、ドライタッチで耐ブロッキ
ング性にすぐれた硬化皮膜を与えることから、フィルム
セパレーターを生産性よく製造することのできる剥離紙
用シリコーン組成物およびこれを塗工した物品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】紙、プラスチックフィルムなどの基材と
粘着性物質との剥離を容易にしたり、基材同士の密着を
防止するために、この基材表面に剥離紙用シリコーン組
成物を塗布し、ここに硬化皮膜を形成させることはよく
知られているところであり、この剥離紙用シリコーン組
成物については1分子中にけい素原子に結合したアルケ
ニル基を有するオルガノポリシロキサンと1分子中にけ
い素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロ
ジエンポリシロキサンおよび白金系の硬化触媒とからな
る付加反応型のもの、また1分子中にけい素原子に結合
した水酸基を有するオルガノポリシロキサンと1分子中
にけい素原子に結合した加水分解可能な基を有するオル
ガノポリシロキサンまたはオルガノシランおよび硬化促
進剤とからなる縮合反応型のものが公知とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基材がプラス
チックフィルムのように平滑性の高いものである場合、
また基材の両面にシリコーン処理を施そうとする場合
に、塗工皮膜面とその背面あるいは塗工面同志のすべり
がよくないために塗工処理後の巻取り工程でしわが発生
したり、均一な巻取りができないなどの問題があり、ま
た一般にシリコーン組成物を塗布して基材表面に剥離性
の硬化皮膜を形成させるためには通常 100〜180℃での
数秒〜数十秒の加熱が必要とされるのであるが、とくに
基材がポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなど
のようなプラスチックフィルムで耐熱性の乏しいもので
ある場合には比較的低温かつ短時間での熱処理となるた
めにシリコーン塗膜の硬化が不完全となり、巻取った製
品がブロッキングを起しやすいという欠点がある。
【0004】そのため、このシリコーン組成物にシリコ
ーンパウダーのようなすべり性改良剤を添加する方法
(特開昭63-15848号、特開昭63-15849号公報参照)、シ
リコーン塗工とフィルムの延伸を同時に行なう方法(特
公昭60-30265号公報参照)などが提案されているが、こ
のすべり性改良剤を添加する方法ではそれが沈降し易
く、分散安定性に欠ける点や、硬化皮膜の密着性、剥離
特性、残留接着率が低下するという不利があり、またフ
ィルムを同時に延伸する方法は適用する基材が限定され
るし、耐熱性のよくない基材には適用することができな
いという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した剥離紙用シリコーン組成物に関するものであ
り、これは1)けい素原子に結合したアルケニル基を1
分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン
100重量部、2)けい素原子に結合した水素原子を1分
子中に少なくとも3個有するオルガノハイドロジエンポ
リシロキサン 0.2〜50重量部、3)平均粒径 0.1〜5μ
mの疎水性球状シリカ粉末 0.1〜10重量部、4)触媒量
の白金族系化合物とからなること、またはイ)けい素原
子に結合した水酸基を1分子中に少なくとも2個有する
オルガノポリシロキサン 100重量部、ロ)けい素原子に
結合した加水分解可能な基を1分子中に少なくとも2個
有するオルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン
0.5〜20重量部、ハ)平均粒径 0.1〜5μmの疎水性球
状シリカ粉末 0.1〜10重量部、ニ)触媒量の硬化促進剤
とからなることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは剥離特性がよく、
ドライタッチで耐ブロッキング性にすぐれた硬化皮膜を
与える剥離紙用シリコーン組成物を開発すべく種々検討
した結果、これには従来公知の付加反応型または縮合反
応型の剥離紙用シリコーン組成物に平均粒径が 0.1〜5
μmの球状シリカ粉末の表面を疎水化したものを添加す
ると、シリコーン処理をしたプラスチック基板表面と背
面とのブロッキング、両面をシリコーン処理した紙基材
のシリコーン処理面同志のブロッキングが防止される
し、この塗布面の風合いがドライタッチのものとなり、
またしわの発生が防止され、さらにはシリコーン溶液中
での分散安定性が良好になることを見出し、これら各成
分の配合比などについての研究を進めて本発明を完成さ
せた。以下にこれをさらに詳述する。
【0007】
【作用】本発明の剥離紙用シリコーン組成物は前記した
ように従来公知の付加反応型または縮合反応型の剥離紙
用シリコーン組成物に平均粒径が 0.1〜5μmの疎水性
球状シリカ粉末を添加したものであるが、これはつぎの
各成分から構成される。まず、この公知の付加反応型の
剥離紙用シリコーン組成物を構成する第1成分としての
オルガノシロキサンは1分子中にけい素原子に結合した
アルケニル基を少なくとも2個有するものであるが、こ
のアルケニル基は分子鎖末端でも鎖中であってもよい。
したがって、これは分子鎖末端がアルケニルジメチルシ
リル基またはトリメチルシリル基とされた実質的に直鎖
状のジオルガノポリシロキサンとすればよく、このアル
ケニル基としてはビニル基、アリル基、ブテニル基など
が例示される。
【0008】また、このアルケニル基以外のけい素原子
に結合した有機基としてはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル
基などのアリール基、またはこれらの基の炭素原子に結
合した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シア
ノ基などで置換した同種または異種の非置換または置換
の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で好ましくはそ
の少なくとも50モル%がメチル基であるものであるが、
このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混
合物であってもよい。また、このジオルガノポリシロキ
サンは塗工作業性および形成される皮膜の性能上から粘
度が50cS以上のものが好ましい。
【0009】また、この付加反応型の剥離紙用シリコー
ン組成物を構成する第2成分としてのオルガノハイドロ
ジエンポリシロキサンは1分子中にけい素原子に結合し
た水素原子を少なくとも3個有するものであるが、実用
上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをそ
の全量の50重量%までとし、残余を分子中に少なくとも
3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。この
オルガノポリシロキサンとしては (CH3)HSiO単位、 HSi
O1.5単位、 (CH3)2HSiO0.5単位のホモポリマーまたはこ
れらと CH3SiO1.5単位、(CH3)2SiO 単位、(CH3)3SiO0.5
単位を含むコポリマーなどが例示され、これらは線状、
環状、分岐状のいずれであってもよいが、この粘度は25
℃における測定値が10〜500cS のものが好ましい。な
お、このオルガノポリシロキサンの添加量は硬化皮膜の
形成およびその皮膜の剥離性能から考えて、上記第1成
分 100重量部に対し 0.2〜50重量部とすることが好まし
い。
【0010】なお、この付加反応型剥離紙用シリコーン
組成物を構成する第4成分としての白金族系化合物は上
記した第1成分と第2成分との付加反応用触媒として公
知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白
金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合
物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフ
ィンとの錯塩などがあげられ、この添加量は触媒量とす
ればよいが、これは良好な硬化皮膜を得るため、また経
済的見地からは前記した第1成分に対して白金量として
1〜1,000ppmの範囲、好ましくは2〜500ppmの範囲とす
ればよい。
【0011】つぎにこの公知の縮合反応型の剥離紙用シ
リコーン組成物を構成する(イ)成分としてのオルガノ
ポリシロキサンは1分子中にけい素原子に結合する水酸
基を少なくとも2個有するものであるが、これは直鎖状
でも分岐状であってもよく、この水酸基以外のけい素原
子に結合した有機基は前記した付加反応型シリコーン組
成物の第1成分におけるアルケニル基以外の有機基と同
様のアルキル基、アリール基またはその炭素原子に結合
した水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ
基などで置換した基とすればよい。また、このオルガノ
ポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってよ
いが、このものはその塗工作業性および形成される皮膜
の性能上から粘度が50cS以上のものとすることが好まし
い。
【0012】また、この縮合反応型シリコーン組成物を
構成する(ロ)成分としてのオルガノポリシロキサン、
オルガノシランはこの組成物を硬化させるための架橋剤
となるものであり、これは1分子中にけい素原子に結合
した加水分解可能な基を少なくとも2個有するものであ
るが、この加水分解可能な基としては水素原子、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのア
ルコキシ基、アシロキシ基、アミノ基、アミノキシ基、
ケトオキシム基などが例示される。
【0013】したがってこのオルガノポリシロキサンと
してはメチルハイドロジエンポリシロキサンが、またこ
のオルガノシランとしてはメチルトリメトキシシラン、
エチルシリケートなどのアルコキシシラン、メチルトリ
アセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン、メチルトリス(N,N−ジメチルア
ミノ)シランなどのアミノシラン、メチルトリス(N,
N−ジエチルアミノキシ)シランなどのアミノキシシラ
ン、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シラン
などのケトオキシムシランが例示されるが、これはこれ
らオルガノシランの1種または2種以上の部分加水分解
物であってもよい。なお、このオルガノポリシロキサン
またはオルガノシランの使用量は前記した(イ)成分 1
00重量部に対し、 0.5重量部未満では硬化性不良となっ
て得られる硬化皮膜も強度の弱いものとなり、20重量部
を越えると得られる皮膜がもろくなるので 0.5〜20重量
部の範囲とすることがよい。
【0014】なお、この縮合反応型シリコーン組成物を
構成する(ニ)成分としての硬化促進剤も従来より用い
られている公知のものとすればよく、これにはジブチル
すずジアセテート、ジブチルすずジオクトエート、ジブ
チルすずジラウレートなどのような有機すず化合物、オ
クタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸すずなど
の有機酸の金属塩などが例示される。また、この添加量
は触媒量とすればよいが、これは(イ)成分と(ロ)成
分の縮合反応によって硬化皮膜を形成させるのに充分の
量とするということから(イ)成分 100重量部に対して
0.1〜10重量部とすればよい。
【0015】本発明の剥離紙用シリコーン組成物は上記
した公知の付加反応型または縮合反応型の剥離性シリコ
ーン組成物に平均粒径が 0.1〜5μmの疎水性粒状シリ
カ粉末を添加することによって作られるが、この疎水性
球状シリカ粉末は金属けい素を爆燃することによって合
成された、表面にシラノール基を多量に有する粒径が0.
1〜5μmの球状シリカの微粒子を、いわゆるシリル化
剤を用いてその表面を疎水化処理したものである。
【0016】また、金属けい素粉の粉塵雲の形成方法と
しては、反応ガスを形成するガスに金属けい素粉を同伴
させて反応容器中に送入する方法が好適に採用され、こ
の場合、金属けい素粉の粉塵雲中の金属濃度は少なくと
も20g/m3、通常 500g/m3以上、より好ましくは 1,000g/
m3以上であり、粉塵雲中の金属けい素粉濃度は安定な着
火のために濃い方が好ましい。
【0017】かかる金属けい素粉の粉塵雲に着火すると
金属けい素粉表面に熱エネルギーが与えられ、金属けい
素粉の表面温度が上昇し、金属けい素粉表面から金属け
い素の蒸気が周囲に広がる。この金属けい素蒸気が反応
ガスと混合して発火火災を生じる。そして、生じた金属
けい素蒸気と反応ガスが混合され連鎖的に発火伝播する
が、この時、金属けい素粉末自体も破裂して飛散し、火
炎伝播を促す。燃焼後は、シリカのガスが自然冷却され
ることによりシリカ微粒子が成長し、通常平均粒径が0.
01〜20μmの球状ないしは多面体の微粒子が得られる。
【0018】上記爆燃により合成されたシリカ微粒子
は、自然冷却過程で成長した粒子であるので、高温下で
溶融球状化された従来の球状粒子に比較して表面活性に
富んだものであるという特徴があり、例えばこの方法で
合成された球状シリカは表面に活性なシラノール基を多
量に有する。
【0019】この爆燃により合成されたシリカ微粒子
は、さらに有機けい素化合物で表面処理することが好ま
しい。表面処理法としては、従来から知られているよう
な湿式処理あるいは高速撹拌装置を用い直接無機粉末に
有機けい素化合物を噴霧したのち熱処理を加える方法が
ある。本発明においては、さらに効果的な表面処理法と
して、一般に表面処理に用いられる有機けい素化合物を
用いて上述した爆燃により得られた直後のシリカ微粒子
に反応容器内で有機けい素化合物を噴霧する方法が推奨
される。この方法によればシリカ微粒子の表面活性が非
常に高いので効果的に表面処理が行われる。
【0020】表面処理に用いる有機けい素化合物として
は、例えば次のような化合物が挙げられ、これらの化合
物又はその加水分解物の1種を単独で又は2種以上を併
用して使用することができる。CH3Si(OCH3)3, (CH3)2Si
(OCH3)2, CH3(CH2)7Si(OCH3)3, NH2(CH2)3Si(OCH3)3, H
S(CH2)3Si(OCH3)3, (CH3)3SiNHSi(CH3)3, CH2=C(CH3)CO
OCH2CH2Si(OCH3)3,
【0021】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【0022】これらの有機けい素化合物の使用量は、シ
リカ微粒子の比表面積と有機けい素化合物の分子占有面
積で決定されるものであるが、通常シリカ微粒子の0.05
〜5重量%、望ましくは 0.1〜1重量%である。また、
これらの有機けい素化合物を噴霧する場合、有機けい素
化合物をそのまま噴霧したり、あるいは純水、望ましく
はDBUなどの強塩基を含んだ純水とあらかじめ混合し
て噴霧する方法等を採用することができる。
【0023】しかし、この疎水性球状シリカ粉末も平均
粒子径が5μmを越えるものであると、シリコーン組成
物で分散性がわるくなってこれを添加した組成物から作
られる硬化皮膜の均一性が損なわれ、透明性も低下する
ようになるので、平均粒子径が5μm以下、好ましくは
2μm以下のものとすることがよい。なお、この疎水性
球状シリカ粉末の添加量は上記した付加反応型シリコー
ン組成物の第1成分、縮合反応型シリコーン組成物の
(イ)成分としてのオルガノポリシロキサン 100重量部
に対して 0.1重量部未満では添加効果が乏しく、10重量
部を越えるとこの組成物の基材への密着性、残留接着率
などが低下するので 0.1〜10重量部の範囲とすることが
必要とされるが、この好ましい範囲は 0.5〜5重量部と
される。
【0024】本発明の剥離紙用シリコーン組成物は上記
した付加反応型シリコーン組成物としての第1〜第4成
分の所定量または縮合反応型シリコーン組成物としての
(イ)〜(ニ)成分の所定量を配合し、均一に混合する
ことによって得ることができるが、これには第1〜第3
成分または(イ)〜(ハ)成分を予め均一に混合したの
ち、これに第4成分または(ニ)成分を添加することが
望ましい。なお、この組成物に目的、用途に応じて塗
料、顔料あるいは紫外線吸収剤、反応遅延剤などを添加
することは任意とされる。
【0025】本発明の剥離紙用シリコーン組成物による
基材の処理はこれをそのまま使用してもよいが、この使
用に当っては必要に応じてこれをトルエン、キシレン、
メチルエチルケトン、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン
などの有機溶媒に分散、溶解して用いてもよい。この組
成物による基材の処理はロールコーター、グラビヤコー
ター、バーコーターなど公知の塗工機を用いてこれを基
材面に塗工すればよく、この塗膜はついで80℃以上に加
熱するか、紫外線を短時間照射して硬化させればよい
が、このようにして得られた硬化皮膜はすぐれた剥離特
性を示すし、このものはドライタッチでブロッキング防
止性もすぐれているので、この組成物で処理した、離型
性を有する紙、プラスチックフィルム類は、生産性もよ
く、かつ粘着剤加工する際にもすべりがよいため加工性
にすぐれた離型基材となる。
【0026】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中における部は重量部を、粘度は25℃での測定値を示
したものであり、例中における剥離抵抗、残留接着率、
ブロッキング性、すべり性、密着性、分散安定性はそれ
ぞれ下記による測定、試験結果を示したものである。
【0027】[剥離抵抗]組成物を薄膜状フィルムまた
はシート状の基材表面に所定量塗布し、所定温度の熱風
式乾燥機中で所定時間加熱して硬化皮膜を形成させたの
ち、その硬化皮膜面にアクリル系溶剤型粘着剤・オリバ
インBPS−8170[東洋インキ製造(株)製商品名]ま
たはアクリル系エマルジョン型粘着剤・オリバインBP
W−3110H(同社製商品名)を塗布して 100℃で3分間
加熱処理した。つぎにこの処理面に坪量64g/m2の貼り合
わせ紙を貼り合わせ、室温で20時間エイジングさせ、エ
イジング後の試料を5cm巾に切断し、引張り試験機を用
いて 180°の角度で剥離速度300mm/分で貼り合わせ紙を
引張り、剥離するのに要する力(g)を測定した。
【0028】[残留接着率]剥離抵抗の場合と同様にし
てシート状基材表面に組成物の硬化皮膜を形成させたの
ち、その表面にポリエステルテープ・ルミラー31B[日
東電気工業(株)製商品名]を貼り合わせ、20g/cm2
荷重をのせて70℃で20時間加熱処理してからそのテープ
をはがし、ステンレス板に貼りつけた。また、このテー
プをテフロン板に貼り合わせ、同様処理してからテープ
をはがし、ステンレス板に貼りつけた。つぎにこの処理
テープをステンレス板から 180°の角度で剥離速度300m
m/分ではがし、剥離するのに要する力(g)を測定し、
テフロン板に貼り合わせたテープをステンレス板から剥
離するに要する力に対する百分率で表わした。
【0029】[ブロッキング性]剥離抵抗の場合と同様
にして基材表面に硬化皮膜を形成させ、その硬化皮膜面
を重ね合わせ、 100kg/cm2の荷重をのせて室温で20時間
処理し、(g)を測定して、これをブロッキング性とし
た。 [すべり性]剥離抵抗の場合と同様にして基材表面に硬
化皮膜を形成させ、硬化皮膜面とSBRゴム面の動的摩
擦係数を測定してこれをすべり性とした。
【0030】[密着性]剥離抵抗の場合と同様にして基
材表面に硬化皮膜を形成させ、硬化皮膜面を指先で数回
摩擦し、皮膜の脱落、密着性をみた。 〇…密着性良好、 ×…密着性不良 [分散安定性]シリコーン組成物100gをガラスびんにと
り、静置下で添加剤が沈降するまでの日数で比較した。
【0031】実施例1 分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖され、全
有機基の97.8モル%がメチル基、 0.9モル%がフェニル
基、 1.3モル%がビニル基であり、30重量%のトルエン
溶液の粘度が 10,000cpsであるオルガノポリシロキサン
生ゴム30部に、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封
鎖され、≡SiH基を 1.6モル/100g 含有する、粘度が
25cpsのメチルハイドロジエンポリシロキサン 1.3部と
【化6】 で示される反応制御剤 0.7部を添加し、これらをトルエ
ン68部に溶解させてポリシロキサン組成物Iを作った。
【0032】ついでこの組成物I 10gに平均粒径が 0.4
μmの疎水性球状シリカ粉末0.1gを加え、トルエン 50g
で希釈したのち、白金ビニルシロキサン錯体0.1g(白金
0.5%含有)を添加して剥離紙用シリコーン組成物(以
下処理液Aと略記する)を作った。
【0033】つぎにこの処理液Aを厚さ40μmのOPP
フィルムにワイヤードクター#8を用いて塗工し、熱風
循環式乾燥器を用いて 120℃で20秒間熱処理をして乾燥
量が0.3g/m2の硬化皮膜を形成させたのち、この皮膜に
ついての剥離抵抗、残留接着率、ブロキング性、すべり
性、密着性、分散安定性をしらべたところ、後記する第
1表に示したとおりの結果が得られた。
【0034】実施例2〜4 実施例1における疎水性球状シリカ粉末の添加量を0.02
5g、0.25g としたほかは実施例1と同様に処理して剥離
紙用シリコーン組成物としての処理液B、Cを作ったの
ち、この処理液を用いて実施例1と同様に処理して硬化
皮膜を作り、その物性をしらべたところ、後記する第1
表に示したとおりの結果が得られた。
【0035】比較例1〜5 実施例1で得られたオルガノポリシロキサン組成物I 1
0gをトルエン 50gで希釈したのち、これに白金ビニルシ
ロキサン錯体(白金 0.5%含有)0.1gを添加して剥離紙
用シリコーン組成物としての処理液Dを作った(比較例
1)。また、実施例1で使用した疎水性球状シリカ粉末
の代わりに、フュームドシリカ・アエロジル 200[日本
アエロジル(株)製商品名]0.1gまたはこれをヘキサメ
チルジシラザンを用いて表面を疎水化したフュームドシ
リカ0.1gを添加したほかは実施例1と同様に処理して剥
離紙用シリコーン組成物としての処理液E(比較例
2)、処理液F(比較例3)を作った。
【0036】また、これについては同様の方法で平均粒
径2μmの球状シリコーンパウダー・KMP-590[信越
化学工業(株)製商品名]および平均粒径1μmの疎水
性溶融シリカをそれぞれ0.1g添加して処理液G、Hを作
った。つぎにこれらの処理液D〜Hを用いて実施例1と
同様に処理して硬化皮膜をつくり、これらの物性をしら
べたところ、つぎの表1に示したとおりの結果が得られ
た。
【0037】
【表1】
【0038】この結果から、実施例1〜3の処理液A〜
Cで処理したフィルムは疎水性球状シリカ粉末の添加に
よってシリコーン特有のぬめり感が減少し、剥離抵抗、
残留接着性などに影響を与えるブロッキング性が改良さ
れており、この処理したフィルムは重ねておいても板状
とならず、容易に1枚ずつはがすことができるが、比較
例1〜2の処理剤D〜Eでは板状となってしまい、1枚
ずつはがすにはかなり力がかかることが確認され、比較
例3の処理剤Fはブロッキング性は改良されたが基材と
の密着性や保存安定性に劣ることが確認された。
【0039】実施例4、比較例6 分子鎖両末端がジメチルヒドロキシシリル基で封鎖され
た、重合度が 5,000であるポリジメチルポリシロキサン
30部に、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖さ
れ、鎖中に≡SiH基を 1.6モル/100g 有する粘度が 2
5cpsのメチルハイドロジエンポリシロキサン1部と平均
粒径 0.4μmの疎水性球状シリカ粉末1部を添加し、ト
ルエン66部を加えてオルガノポリシロキサン組成物IIを
作り、この組成物10g をトルエン50g で希釈したのちジ
ブチルすずジアセテート1g を添加して剥離紙用シリコ
ーン組成物としての処理液Iを作った。
【0040】また、比較のために上記において疎水性球
状シリカ粉末を添加しないほかは上記と同様に処理して
剥離紙用シリコーン組成物としての処理液Jを作った。
つぎに、この処理液I、Jを厚さ50μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムにワイヤードクター#8を用い
て塗工し、熱風循環乾燥器を用いて 140℃で30秒間処理
して乾燥量が 0.3g/m2の硬化皮膜を形成させたのち、こ
の皮膜についての物性をしらべたところ、つぎの表2に
示したとおりの結果が得られた。
【0041】
【表2】
【0042】実施例5、比較例7 分子鎖両末端がビニルジメチル基で封鎖され、粘度が40
0cpsであるジメチルポリシロキサン 100部に、分子鎖両
末端がトリメチルシリル基で封鎖され、≡SiH基を
1.6モル/100g 有する、粘度が 25cpsのメチルハイドロ
ジエンポリシロキサン1部と式
【化7】 で示される反応制御剤 0.7部を添加し、これらをトルエ
ン68部に溶解させてポリシロキサン組成物III を作り、
ついでこの組成物III 10g に平均粒径 0.4μmの疎水性
球状シリカ粉末0.1gを加え、白金ビニルシロキサン錯体
0.1g(白金 0.5%含有)を添加して剥離紙用シリコーン
組成物Kを作ると共に、比較のために上記において疎水
性球状シリカ付末を添加しないほかは上記と同様に処理
して同様の組成物Lを作った。
【0043】つぎにこの組成物K、Lを厚さ40μmのO
PPフィルムに印刷適性試験機を用いて塗工し、熱風循
環式乾燥器を用いて 120℃で20秒間熱処理をして乾燥量
が 0.3g/m2の硬化皮膜を形成させたのち、この皮膜につ
いての剥離抵抗、残留接着率、ブロッキング性、すべり
性、密着性をしらべたところ、つぎの表3に示したとお
りの結果が得られた。
【0044】
【表3】
【0045】実施例6、比較例8 実施例1で作った処理液Aと比較例1の処理液Dに、増
感剤・(4−イソプロピル)フェニル−1−ハイドロキ
シイソプロピルケトンを4部添加して処理液M、Nを作
り、これらを厚さ50μmのポリエチレンフィルムにワイ
ヤードクター#8を用いて塗工し、風乾で溶剤を除去し
たのち、80W/cm紫外線ランプをフィルム面上8cmに置
き、3秒間紫外線を照射して塗膜を硬化させ、得られた
硬化皮膜の物性をしらべたところ、つぎの表4に示した
とりの結果が得られた。
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】本発明の剥離紙用シリコーン組成物は、
付加反応型シリコーン組成物または縮合反応型のシリコ
ーン組成物に平均粒径が 0.1〜5μmの疎水性球状シリ
カ粉末を添加したものであるが、このものは剥離抵抗、
残留接着率、ブロッキング性、すべり性、密着性、分散
安定性がいずれもすぐれたものになるという有利性をも
つものになる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKV D21H 27/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)けい素原子に結合したアルケニル基を1分子中に少なくとも2個有するオル ガノポリシロキサン 100重量部、 2)けい素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも3個有するオルガノ ハイドロジエンポリシロキサン 0.2〜50重量部、 3)平均粒径 0.1〜5μmの疎水性球状シリカ粉末 0.1〜10重量部、 4)触媒量の白金族系化合物 とからなることを特徴とする剥離紙用シリコーン組成
    物。
  2. 【請求項2】 イ)けい素原子に結合した水酸基を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポ リシロキサン 100重量部、 ロ)けい素原子に結合した加水分解可能な基を1分子中に少なくとも2個有する オルガノポリシロキサンまたはオルガノシラン 0.5〜20重量部、 ハ)平均粒径 0.1〜5μmの疎水性球状シリカ粉末 0.1〜10重量部、 ニ)触媒量の硬化促進剤 とからなることを特徴とする剥離紙用シリコーン組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の剥離紙用シリ
    コーン組成物を塗工した紙、プラスチックフィルム類。
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