JPH0619028B2 - 剥離性被覆用オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

剥離性被覆用オルガノポリシロキサン組成物

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JPH0619028B2
JPH0619028B2 JP1008136A JP813689A JPH0619028B2 JP H0619028 B2 JPH0619028 B2 JP H0619028B2 JP 1008136 A JP1008136 A JP 1008136A JP 813689 A JP813689 A JP 813689A JP H0619028 B2 JPH0619028 B2 JP H0619028B2
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保昭 原
憲一 磯部
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は剥離性被覆用オルガノポリシロキサン組成物に
係り、特には、硬化性に優れ、得られた硬化皮膜の剥離
性が低速度〜高速度引張りにおいて優れている剥離性被
覆用オルガノポリシロキサン組成物に関するものであ
る。
[従来の技術] セルロース類、合成樹脂、合成繊維などから作られたフ
ィルム、シートなどの基材の表面に剥離性を付与するた
め、剥離性を有する硬化皮膜を形成するシリコーン系組
成物を塗布することはよく知られている。実用例とし
は、オルガノポリシロキサンを被覆した紙を使用し、粘
着テープ、粘着ラベルに汎用されるほか、生ゴム、アス
ファルトあるいは一部の食品などの粘着性をもつ物体の
包装紙としてもよく利用されている。
この目的のためのシリコーン系組成物として、ビニル基
を含有するオルガノポリシロキサンとけい素原子に結合
した水素原子を有するオルガノハイドロジエンポリシロ
キサンとを主成分とするいわゆる付加反応型のシリコー
ン組成物が知られている。そして、この付加反応型のシ
リコーン組成物を基材表面に塗布し硬化させて皮膜を形
成させるに際し、使用される基材が一般に100μm以下
の薄いものであり、耐熱性もないこと、さらには加工処
理の経済性などを考慮して、通常100〜200℃で5〜60秒
程度の短時間の加熱処理が行われている。したがって、
この加工条件で硬化皮膜を形成することが可能なシリコ
ーン系の剥離性組成物がいくつか知られている。
しかし、これらの剥離性組成物は未解決の問題点を有し
ている。すなわち、最近、感圧粘着剤あるいは感圧接着
剤についてこれらの粘着性ないし粘着性の一層の向上が
要求されるようになっており、これらに組合せて使用さ
れるべきオルガノポリシロキサン組成物にも剥離性の一
層優れた硬化皮膜を与えることが要望されるに至った
が、この剥離性について満足すべきものが見当らないの
が現状である。
例えば、粘着テープ、特に両面テープなどについては、
テープの製造工程あるいは場合によっては使用過程にお
いて、20〜200m/分のような高速度で粘着剤表面から
硬化したオルガノポリシロキサン皮膜で被覆された基材
を剥離することが求められるので、このような高速剥離
に際しての剥離抵抗の大きさは極めて重要な実用特性と
なる。すなわち、剥離性抵抗が大きいと基材としてグラ
シン紙を用いた場合は基材が破れてしまったり、あるい
は基材としてポリエチレンラミネート紙を用いた場合は
ラミネートされているポリエチレンが浮いてしまうとい
った不都合が生じる。また、ラベルなどにおいては、そ
のカス取りの工程で、オルガノポリシロキサン皮膜で被
覆された基材から粘着ラベル紙のカスなどを剥ぎ取る際
に、最近では増々高速で処理することが求められている
し、カスの大きさもコストダウンのため小さくなってき
ており、ここでも剥離抵抗の大きさは重要な実用特性と
なっている。すなわち、剥離抵抗が大きいと簡単にカス
が破れてしまい、工程上トラブルあるいは生産性の低下
につながる。そこで、硬化性に優れ、低速度域(0.3m
/分以下)から高速度域(200m/分以上)での剥離抵
抗が優れているものが望まれている。さらに、高速度で
加工される際には、オルガノポリシロキサンの硬化皮膜
面が各種ロールと高速で接触する場合もあり、この皮膜
面がすべり性を有する方が良い。すなわち、オルガノポ
リシロキサン硬化皮膜と各種ロール間との摩擦係数が小
さい方が良い。
そこで、これらの問題を解決するため、種々の剥離性皮
膜用オルガノポリシロキサン組成物が提案されている。
その主流は高重合度のビニル基を含有するオルガノポリ
シロキサン(ビニル生ゴム)を主ベースとした組成物で
あるが、比較的低ビニル価の生ゴムを用いると、低速度
では確かに剥離性に優れるものの高速域では剥離抵抗が
大きく不満足なものとなり、比較的高ビニル価の生ゴム
を用いると、高速域で剥離抵抗が小さくなるが、低速域
での剥離抵抗が大きくなってしまい、低ビニル価と高ビ
ニル価の生ゴムを混合したものを用いると、特性は中途
半端であり、かえって残留接着率を大巾に低下させてし
まう。いずれにしても、低速〜高速域を通して剥離抵抗
を満足させるものはなかった。剥離抵抗の問題を解決す
るための他の方法として、オルガノポリシロキサン硬化
皮膜の厚さを大きくする試みもなされている。しかし、
この方法は通常の皮膜の厚さ1μ内外に対して2μ以上
が必要であり、経済上の不利を伴うものであった。
また、高重合度のビニル生ゴムを主ベースとした剥離性
被覆用オルガノポリシロキサン組成物にあっては、低速
域〜高速域の剥離抵抗を同時に小さくすることは本来無
理であるとの報告もある(包装技術 昭和60年9月号
60頁参照)。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は前記のオルガノポリシロキサン組成物が有する
問題点を解決し、硬化性が良く、硬化皮膜の剥離抵抗が
低速域から高速域にわたって軽減され、硬化皮膜の摩擦
係数が小さく、接触する粘着性物質に悪影響を及ぼさな
い剥離性被覆用オルガノポリシロキサン組成物を提供す
るためになされたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究の結果、
比較的高ビニル価でフェニル基を含有し直鎖状で高重合
度のオルガノポリシロキサン(フェニル基含有ビニル生
ゴム)を主ベースとし、この生ゴムよりも低ビニル価の
メチル基含有オルガノポリシロキサン(メチル生ゴム)
を併用することにより目的を達成することができる可能
性があることを見出し、さらに生ゴム中のフェニル基量
やビニル基量などについて検討を重ねて本発明を完成し
た。
すなわち本発明の剥離性被覆用オルガノポリシロキサン
組成物は、 (1)イ)一般式 [式中、Rは水酸基、ビニル基およびメチル基から選
択される同一または異種の基を表わし、Rはメチル
基、エチル基、プロピル基および3,3,3−トリフルオロ
プロピル基から選択される同一または異種の基を表わ
し、Rはメチル基およびフェニル基から選択される同
一または異種の基(ただし、同一けい素原子に結合した
のうち少くとも1個はフェニル基である)を表わ
し、x,y,zはそれぞれ0.9≦x/(x+y+z)≦
0.975、0.005≦y/(x+y+z)≦0.03、0.03≦z/
(x+y+z)≦0.07となる整数を表わし、x+y+z
はトルエンに溶かしてなる30重量%溶液の25℃におけ
る粘度が1000センチストークス以上となる重合度の値を
表わす。]で示されるオルガノポリシロキサン およびロ )一般式 (式中、Rは水酸基、ビニル基およびメチル基から選
択される同一または異種の基を表わし、Rはメチル
基、エチル基、プロピル基および3,3,3−トリフルオロ
プロピル基から選択される同一または異種の基を表わ
し、p,qはそれぞれ0.97≦p/(p+q)≦1.0、0
≦q/(p+q)≦0.03となる整数を表わし、p+qは
トルエンに溶かしてなる30重量%溶液の25℃における
粘度が1,000センチストークス以上となる重合度の値を
表わす。)で示されるオルガノポリシロキサン の混合物 100重量部 (2)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を少なく
とも3個含有するオルガノハイドロジエンポリシロキサ
ン 5〜100重量部 (3)触媒量の白金または白金化合物 からなることを特徴とするものである。
以下に本発明について詳細に説明する。
第1成分を構成するイ)成分のオルガノポリシロキサン
は一般式 で示されるものである。式中のRは水酸基、ビニル基
およびメチル基から選ばれる基であるが、好ましくはビ
ニル基である。Rはメチル基、エチル基、プロピル基
および3,3,3−トリフルオロプロピル基から選ばれる同
一または異種の基であるが、Rの90%以上がメチル基
であることが好ましい。Rはメチル基またはフェニル
基から選ばれる同一または異種の基(ただし同一けい素
原子に結合したRのうち少くとも1個はフェニル基で
ある)である。x,y,zはそれぞれ0.9≦x/(x+
y+z)≦0.975、0.005≦y/(x+y+z)≦0.03、
0.03≦z/(x+y+z)≦0.07となる整数であるが、 これは が90〜97.5モル%、 が0.5〜3モル%、 が3〜7モル%、3者の合計が100モル%であることを
示す。
が0.5モル%未満では、このようなイ)成分を用いて得
られる硬化皮膜の低速剥離領域での剥離抵抗はある程度
目標を達成できるが、硬化皮膜からこれに接触する粘着
物質への移行物が多く(マイグレーション)、著しく残
留接着力を下げて粘着物質の性能を低下させてしまう。
また、3モル%を超えると併用するロ)成分との相溶性
が悪くなり、硬化性が低下するとともに得られる硬化皮
膜の剥離抵抗は低速度および高速度領域とも大きいもの
となってしまう。従って は0.5〜3モル%とする必要があるが、好ましい範囲は
1〜2.5モル%である。
が3モル%未満では、得られる硬化皮膜の低速度領域で
の剥離抵抗は小さく満足できるものであるが、高速度領
域では剥離抵抗が大きくなってしまう。また、7モル%
を越えると得られる硬化皮膜の高速度領域での剥離抵抗
は小さく満足すべきものであるが、低速度領域での剥離
抵抗が大きくなってしまう。従って は3〜7モル%とする必要があるが、好ましい範囲は4
〜6モル%である。
は前記した他の2種の単位のモル%によって90〜97.5モ
ル%の範囲内に定まるものであるが、好ましくは91.5〜
95.0モル%の範囲である。x+y+zの値はこのオルガ
ノポリシロキサンのトルエンに溶かしてなる30重量%溶
液の25℃における粘度が1,000センチストークス以上と
なる重合度を示すものであることが必要であり、けい素
原子に結合する基の種類などによって多少の変動はある
が、通常2,000以上の値である。x+y+zの好ましい
範囲は前記の溶液粘度で表わして3,000〜15,000センチ
ストークスであり、このようなオルガノポリシロキサン
自体はガム状の高重合度のものである。
第1成分を構成する他方の成分であるロ)成分は一般式 で示されるオルガノポリシロキサンである。式中のR
は水酸基、ビニル基およびメチル基から選ばれる基であ
るが、好ましくは水酸基である。Rはメチル基、エチ
ル基、プロピル基および3,3,3−トリフルオロプロピル
基から選ばれる同一または異種の基であるが、好ましく
はメチル基であり、90%以上がメチル基であることがよ
り好ましい。p,qはそれぞれ0.97≦p/(p+q)≦
1.0、0≦q/(p+q)≦0.03となる整数であるが、
これは が97〜100モル%、 が0〜3モル%、両者の合計が100モル%であることを
示す。qが0の場合にはRとして水酸基またはビニル
基がよく、メチル基の場合には得られる硬化皮膜が残留
接着力を低下させるものとなる。
が3モル%を越えると、得られる硬化皮膜の低速度領域
での剥離抵抗が大きいものとなってしまうし、摩擦係数
が大きくなり、すべり性がなくなるので3モル%以下と
する必要があるが、好ましい範囲は0〜0.5モル%であ
る。
は前記した のモル%によって97〜100モル%の範囲内に定まるもの
である。p+qの値はこのオルガノポリシロキサンのト
ルエンに溶かしてなる30重量%溶液の25℃における粘度
が1000センチストークス以上となる重合度を示すもので
あることが必要であり、このようなオルガノポリシロキ
サンの中から目的に応じて選ばれるが、粘度としては上
記の30重量%溶液粘度が3000〜15000センチストークス
のものが好ましい。イ )成分とロ)成分の重量比は特に制限されるものではない
が、好ましくはイ)成分/ロ)成分=70/30〜95/5の範囲
であり、これによって本発明の組成物の特徴をより良く
発現されることができる。
また、イ)成分とロ)成分は互に相溶と非相溶の中間領
域のものであることが好ましく、これによって低速度領
域と高速度領域の両方における剥離抵抗の目標をより良
く発現させることができる。
つぎに、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を構成
する第2成分としてのオルガノハイドロジエンポリシロ
キサンはこの種の付加反応型オルガノポリシロキサン組
成物に使用される公知のものでよく、これは1分子中に
少くとも3個のけい素原子に結合した水素原子を有する
ものであればよい。この水素原子以外のけい素原子に結
合する有機基はその90モル%以上をメチル基とすること
がよい。この種のポリシロキサンとしては(CH3)HSiO単
位、HSiO1.5単位、(CH3)2SiO単位、CH3SiO1.5単位、(CH
3)2HSiO0.5単位あるいは(CH3)3SiO0.5単位からなるホモ
ポリマーまたはコポリマーが例示されるが、これは直鎖
状、分岐状、環状のいずれであってもよく、25℃での粘
度が10〜1000センチストークスの範囲のものが好まし
い。
このオルガノハイドロジエンポリシロキサンの配合量は
第1成分に含有されるビニル基量に応じたものとすれば
よいが、硬化皮膜の形成、皮膜のすべり性および剥離性
能からみて、第1成分100重量部に対し5〜100重量部と
することが必要であり、好ましくは7〜70重量部の範囲
である。
また、本発明の組成物における第3成分は上記した第1
および第2成分を付加反応させるための触媒であるが、
この種の反応触媒として公知のものでよく、これには塩
化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、アルデヒド溶
液、塩化白金酸と各種オレフィン、ビニルシロキサンと
の錯塩などが例示されるが、これは白金黒、各種担体に
白金を担持させたものでもよい。なお、この第3成分の
添加量は触媒量とすればよく、良好な硬化皮膜を得るた
め、また経済的な見地からは第1成分100重量部に対し
白金量として1〜1,000ppmの範囲とすればよい。
本発明の組成物は上記した第1〜第3成分の所定量を配
合することによって得られるが、第1成分と第2成分を
あらかじめ均一に混合したのち第3成分を添加すること
が好ましく、また第3成分である白金触媒の活性を抑制
する目的で、各種有機窒素化合物、有機りん化合物、ア
セチレン系化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物
などの活性抑制剤を必要に応じて添加してもよい。
本発明の組成物は密着向上剤や補強用充填剤などを添加
しなくても基材に対して充分な密着性を示し、これから
得られる硬化皮膜はすぐれた耐摩耗性をもつものであ
る。しかし、必要に応じて基材に対する密着性向上助剤
としてのγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランま
たはこれらの(共)加水分解物を添加してもよいし、さ
らにはヒュームドシリカなどの乾式法シリカ、湿式法シ
リカ、酸化チタン、酸化セリウム、カーボンブラック、
マイカなどの無機質充填剤、顔料などを添加してもよ
い。
本発明の組成物を基材に均一に塗布するために、必要に
応じて溶剤で希釈することができる。この溶剤としては
本発明の組成物を溶解し、かつ各成分に対して不活性な
ものであればよく、例えばトルエン、キシレン、ベンゼ
ン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素のほか塩素化
炭化水素などが用いられる。
なお、本発明の組成物で処理した基材は、これを80〜20
0℃の温度で2〜30秒間加熱するか、あるいは紫外線照
射機により例えば80W/cmの紫外線を0.2秒以上照射す
ることによって、その表面に硬化皮膜を形成させればよ
い。
[発明の効果] 本発明の組成物は、比較的低温度かつ短時間の硬化条件
で十分な結合性をもち脱落のない硬化皮膜を形成し、硬
化した皮膜は剥離速度の低速域から高速域にわたって従
来のものに比べて著しく軽減された剥離抵抗を有し、ま
た摩擦係数も小さく、硬化皮膜からのマイグレーション
物質もほとんどないので皮膜上に接する粘着性物質に悪
影響を及ぼさないという特性を実現したものであり、工
業的に極めて有利である。
[実施例] つぎに本発明の実施例をあげるが、例中の部は重量部、
または粘度は25℃での測定値を示したものである。
実施例1 トルエンに溶かしてなる30重量%溶液の粘度が5,000セ
ンチストークスであり、分子鎖の両末端がジメチルビニ
ルシリル基で封鎖され、メチルビニルシロキサン単位が
5モル%、ジフェニルシロキサン単位が1モル%、ジメ
チルシロキサン単位が94モル%である共重合体(I)90
部と、トルエンに溶かしてなる30重量%溶液の粘度が7,
500センチストークスであり、分子鎖両末端がジメチル
ビニルシリル基で封鎖されたジメチルシロキサン(II)
10部をトルエン2,000部に溶解し、これに、分子鎖末端
がトリメチルシリル基で封鎖され、 で表わされる単位を95モル%含有し、粘度が25センチス
トークスであるメチルハイドロジエンポリシロキサン8
部、3−メチル−1−ブチル−3−オール4部を添加
し、均一に混合した後、白金とビニルシロキサンとの錯
塩3部(上記共重合体(I)およびジメチルシロキサン
(II)の合計量に対し白金換算100ppm)を添加して組成
物を調製した。
つぎに、得られた組成物の硬化性、硬化皮膜のすべり
性、残留接着率、剥離抵抗を下記の方法によって測定し
た。測定結果は第1表のとおりであった。なお、下記の
測定法は後記の実施例2〜3、比較例1〜5においても
同様に適用した。
試料の作成 触媒添加後10分間経過した組成物を秤量80g/mのグ
ラシン紙(巴川製紙(株)製)に固形分で約1.0g/m
になるように塗布し、180℃の熱風循環式乾燥炉で5
秒間加熱処理して硬化皮膜を形成させて硬化性測定用試
料を作成した。
また剥離抵抗、すべり性及び残留接着率の測定用試料
は、組成物を上記のグラシン紙に固形分で約1.0g/m
になるように塗布し、180℃で8秒間上記乾燥炉で加
熱処理して硬化させて作成した。
硬化性の測定 試料の硬化皮膜表面を指でこすり、曇り及び脱落の度合
いを観察し、以下の基準で評価した。
A…曇り及び脱落が全くない。
B…曇り又は脱落がわずかに生じる。
C…曇り及び脱落が生じる。
すべり性 試料の硬化皮膜表面上に重さ200gのスチレンーブタジ
エンゴムを載せ、このゴムを300mm/分で試料表面と平
行に引っ張った。引っ張りに要した力を測定し、引っ張
りに要した力/200gを動摩擦係数として計算した。
残留接着率 試料の硬化皮膜表面に、ポリエステルテープ・ルミラー
31B(日東電気工業(株)製、商品名)を貼り合わせ、2
0g/cm2の荷重を載せた状態で、70℃で20時間エイジン
グした後、テープを剥がし、ステンレス板に貼りつけ
た。次いで、このテープをステンレス板表面に対し180
°の角度で剥離速度300mm/分で引張り、剥離するのに
要する力(g)を測定した。
一方、エイジング処理をしない未処理のテープをステン
レス板に貼り付け、剥離するのに要する力(g)を測定
した。未処理のテープを剥離するのに要した力を100と
して、前記のエイジング処理したテープを剥離するのに
要した力を百分率で示し、残留接着率とした。
剥離抵抗 試料の硬化皮膜の表面にアクリル樹脂粘着テープ(日東
電気工業(株)製)およびSBR粘着テープ(積水化学
工業(株)製)を貼付け、温度70℃、圧力20g/cm2で2
0時間圧着後、剥離速度0.3m/分、60m/分もしくは18
0m/分において高速引張り試験機を用いて180°の角度
で引張り、剥離するのに要する力(g)を測定した。
比較例1 実施例1で使用したジメチルシロキサン(II)を使用し
ないほかは実施例1と同様にして組成物を調製した。得
られた組成物の硬化性および他の特性は第1表に示した
とおりであった。
比較例2 実施例1で使用したジメチルシロキサン(II)の代わり
に、分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖さ
れ、メチルビニルシロキサン単位が4モル%で、ジメチ
ルシロキサン単位が96モル%である共重合体(トルエン
に溶かしてなる30重量%溶液の粘度が7,500センチスト
ークス)を10部使用した以外は、実施例1と同様にして
組成物を調製した。得られた組成物の硬化性および他の
特性は第1表に示しがとおりであった。
比較例3 実施例1で使用した共重合体(I)の代りに、分子鎖両
末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、メチルビニ
ルシロキサン単位が5モル%、ジメチルシロキサン単位
が95モル%である共重合体(トルエンに溶かしてなる30
重量%溶液の粘度が5,500センチストークス)90部を使
用した以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し
た。得られた組成物の硬化性および他の特性は第1表に
示したとおりであった。
実施例2 25℃におけるトルエン中の30%溶液の粘度が12,000セン
チストークスであり、分子鎖の両末端がジメシルビニル
シリル基で封鎖され、メチルビニルシロキサン単位が3.
5モル%、ジフェニルシロキサン単位が2モル%、ジメ
チルシロキサン単位が94.5モル%である共重合体(II
I)80部と、トルエンに溶かしてなる30重量%溶液の粘
度が15,000センチストークスであり、分子鎖両末端がジ
メチルヒドロキシシリル基で封鎖され、メチルビニルシ
ロキサン単位が0.2モル%、ジメチルシロキサン単位が9
9.8モル%である共重合体(IV)20部をトルエン2,000部
に溶解し、これに、分子鎖両末端がトリメチルシリル基
で封鎖され、CH3HSiO単位が75モル%で粘度が50センチ
ストークスであるメチルハイドロジエンポリシロキサン
6部と、実施例1で使用した3−メチル−1−ブチン−
3−オール4部を添加し、均一に混合した後、白金とビ
ニルシロキサンとの錯塩3部(上記共重合体(III)お
よび(IV)の合計量に対し、白金換算100ppm)を添加し
て組成物を調製した。得られた組成物の硬化性および他
の特性は第1表に示したとおりであった。
比較例4 実施例2で使用した共重合体(III)の代りに、トルエ
ンに溶かしてなる30重量%溶液の粘度が12,000センチス
トークスであり、分子鎖の両末端がジメチルヒドロキシ
シリル基で封鎖され、メチルビニルシロキサン単位が3.
5モル%、ジフェニルシロキサン単位が5モル%、ジメ
チルシロキサン単位が91.4モル%である共重合体80部を
使用した以外は、実施例2と同様にして組成物を調製し
た。得られた組成物の硬化性および他の特性は第1表に
示したとおりであった。
比較例5 実施例2で使用した共重合体(IV)の代りに、トルエン
に溶かしてなる30重量%溶液の粘度が15,000センチスト
ークスであり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で
封鎖され、ジメチルシロキサン単位が100モル%のジメ
チルポリシロキシ20部を使用した以外は、実施例2と同
様にして組成物を調製した。得られた組成物の硬化性お
よび他の特性は第1表に示したとおりであった。
第1表に示された結果のとおり、実施例1はどの特性も
満足できるものであった。これに対し、比較例1および
2は残留接着率は良い値を示したが、低速〜高速のどの
剥離速度においても剥離抵抗が大きく、特に低速剥離
(0.3m/分)における剥離抵抗は実施例1の約3倍で
あった。また、比較例3は硬化性、すべり性および低速
剥離(0.3m/分)での剥離性は良い結果を示したが、
残留接着率が劣るものであったし、剥離速度の上昇に対
する剥離抵抗の増加率が大きく、特に高速剥離では剥離
抵抗の大きいものであった。実施例2は実施例1と同様
満足できる特性を有していたが、比較例4はすべての項
目で特性が劣り、比較例5は残留接着率、高速剥離の剥
離抵抗において劣るものであった。
実施例3 実施例1において試料作成のための基材に用いたグラシ
ン紙の代りに、ポリエチレンラミネート紙(PEラミネ
ート紙)、ポリエステルフイルムおよびアルミニウム箔
を用い、実施例1の組成物で同様に処理し、硬化皮膜の
剥離抵抗を測定した。結果は第2表のとおりであった。
第2表に示された結果のとおり、基材をPE−ラミネー
ト紙、ポリエステルフイルムあるいはアルミニウム箔に
代えても、グラシン紙の場合と同様に低速〜高速のどの
剥離速度においても剥離抵抗は小さく満足できるもので
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−40661(JP,A) 特開 昭63−234062(JP,A) 特開 昭50−25644(JP,A) 特開 昭61−159480(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)イ)一般式 [式中、R1は水酸基、ビニル基およびメチル基から選択
    される同一または異種の基を表わし、R2はメチル基、エ
    チル基、プロピル基および3,3,3−トリフルオロプロピ
    ル基から選択される同一または異種の基を表わし、R3
    メチル基およびフェニル基から選択される同一または異
    種の基(ただし、同一けい素原子に結合したR3のうち少
    くとも1個はフェニル基である)を表わし、x,y,z
    はそれぞれ0.9≦x/(x+y+z)≦0.975、0.005≦y/(x+y
    +z)≦0.03、0.03≦z/(x+y+z)≦0.07となる整数を表わ
    し、x+y+zはトルエンに溶かしてなる30重量%溶液の2
    5℃における粘度が1,000センチストークス以上となる
    重合度の値を表わす。] で示されるオルガノポリシロキサン およびロ )一般式 (式中、R4は水酸基、ビニル基およびメチル基から選択
    される同一または異種の基を表わし、R5はメチル基、エ
    チル基、プロピル基および3,3,3−トリフルオロプロピ
    ル基から選択される同一または異種の基を表わし、p,
    qはそれぞれ0.97≦p/(p+q)≦1.0、0≦q/
    (p+q)≦0.03となる整数を表わし、p+qはトルエ
    ンに溶かしてなる30重量%溶液の25℃における粘度が
    1,000センチストークス以上となる重合度の値を表わ
    す。) で示されるオルガノポリシロキサン の混合物 100重量部 (2)1分子中にけい素原子に結合した水素原子を少なく
    とも3個含有するオルガノハイドロジエンポリシロキサ
    ン 5〜100重量部 (3)触媒量の白金または白金化合物 からなることを特徴とする剥離性被覆用オルガノポリシ
    ロキサン組成物。
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