JPH07330991A - 架橋ゴム組成物およびその成形品 - Google Patents
架橋ゴム組成物およびその成形品Info
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- JPH07330991A JPH07330991A JP12615394A JP12615394A JPH07330991A JP H07330991 A JPH07330991 A JP H07330991A JP 12615394 A JP12615394 A JP 12615394A JP 12615394 A JP12615394 A JP 12615394A JP H07330991 A JPH07330991 A JP H07330991A
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- propylene
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- rubber
- rubber composition
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 架橋ゴム組成物同士を接触させてもオイルの
移行が生じないエチレン−プロピレンゴム組成物を提供
する。 【構成】 エチレン−プロピレンゴム100重量部に、
60℃での粘度が200,000cps〜1,000,
000cpsで分子量が3,000〜10,000の液
状エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体からなる
プロセスオイル1〜50重量部および架橋剤を含む配合
剤を加えて混練する。得られた配合ゴムに成形および加
硫処理を施して架橋ゴム組成物を得る。この組成物にお
いて、液状エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
は、エチレン−プロピレンゴムに結合し、ゴム組成物か
ら遊離することがない。
移行が生じないエチレン−プロピレンゴム組成物を提供
する。 【構成】 エチレン−プロピレンゴム100重量部に、
60℃での粘度が200,000cps〜1,000,
000cpsで分子量が3,000〜10,000の液
状エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体からなる
プロセスオイル1〜50重量部および架橋剤を含む配合
剤を加えて混練する。得られた配合ゴムに成形および加
硫処理を施して架橋ゴム組成物を得る。この組成物にお
いて、液状エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
は、エチレン−プロピレンゴムに結合し、ゴム組成物か
ら遊離することがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で液状のエチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)をエチ
レン−プロピレンゴムに添加することによって、従来の
プロセスオイルを用いずに高強度の架橋ゴム組成物を製
造する方法およびその方法によって得られる架橋ゴム組
成物に関する。
−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)をエチ
レン−プロピレンゴムに添加することによって、従来の
プロセスオイルを用いずに高強度の架橋ゴム組成物を製
造する方法およびその方法によって得られる架橋ゴム組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、エチレン−プロピレンゴム組成物には、成形性を高
めるため、プロセスオイルと呼ばれるパラフィン系、芳
香族系またはナフナン系の比較的分子量の高い鉱油が用
いられてきた。
来、エチレン−プロピレンゴム組成物には、成形性を高
めるため、プロセスオイルと呼ばれるパラフィン系、芳
香族系またはナフナン系の比較的分子量の高い鉱油が用
いられてきた。
【0003】しかし、組成の異なるエチレン−プロピレ
ンゴム組成物成形体同士を長期間接触させておくと、ゴ
ム組成物中のプロセスオイルが接触面より移行しあい、
ゴム組成物に係る本来の物性が変化する要因の1つとな
っていた。オイルの移行が著しい場合には、プロセスオ
イルが表面から浮き出し(ブリードし)、物性のみなら
ずその外観も悪くなり、製品としての価値が低下する。
ンゴム組成物成形体同士を長期間接触させておくと、ゴ
ム組成物中のプロセスオイルが接触面より移行しあい、
ゴム組成物に係る本来の物性が変化する要因の1つとな
っていた。オイルの移行が著しい場合には、プロセスオ
イルが表面から浮き出し(ブリードし)、物性のみなら
ずその外観も悪くなり、製品としての価値が低下する。
【0004】本発明の目的は、このようなオイルの移行
が生じないエチレン−プロピレンゴム組成物を提供する
ことにある。
が生じないエチレン−プロピレンゴム組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来のプロ
セスオイルがゴム組成物中に遊離状態で存在するため、
オイルの濃度や他の組成が異なるエチレン−プロピレン
ゴム組成物同士を接触させると、プロセスオイルの濃度
勾配や溶解度の違いによりオイルの移行が起こると考え
た。そこで、このような遊離状態を解消できる材料につ
いて検討した結果、プロセスオイルとしてエチレン−プ
ロピレンゴムと混合した後、架橋反応により固定化する
ことができる材料に着目した。そのような材料について
鋭意検討を重ねた結果、分子中に不飽和結合が導入され
た比較的低い分子量の液状エチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合体(EPDM)をエチレン−プロピレンゴ
ム原料100重量部あたり1重量部以上添加すれば、プ
ロセスオイルとしての効果が十分に得られることを見出
し本発明を完成するに至った。
セスオイルがゴム組成物中に遊離状態で存在するため、
オイルの濃度や他の組成が異なるエチレン−プロピレン
ゴム組成物同士を接触させると、プロセスオイルの濃度
勾配や溶解度の違いによりオイルの移行が起こると考え
た。そこで、このような遊離状態を解消できる材料につ
いて検討した結果、プロセスオイルとしてエチレン−プ
ロピレンゴムと混合した後、架橋反応により固定化する
ことができる材料に着目した。そのような材料について
鋭意検討を重ねた結果、分子中に不飽和結合が導入され
た比較的低い分子量の液状エチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合体(EPDM)をエチレン−プロピレンゴ
ム原料100重量部あたり1重量部以上添加すれば、プ
ロセスオイルとしての効果が十分に得られることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の架橋ゴム組成物は、エチレン−プ
ロピレンゴム100重量部と、60℃での粘度が20
0,000cps−1,000,000cpsで分子量
が3,000〜10,000の液状エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体1〜50重量部との混合物を架
橋してなるゴムを主成分とする。
ロピレンゴム100重量部と、60℃での粘度が20
0,000cps−1,000,000cpsで分子量
が3,000〜10,000の液状エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体1〜50重量部との混合物を架
橋してなるゴムを主成分とする。
【0007】本発明に従う架橋ゴム組成物の成形品は、
エチレン−プロピレンゴム100重量部に、60℃での
粘度が200,000cps〜1,000,000cp
sで分子量が3,000〜10,000の液状エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体からなるプロセスオ
イル1〜50重量部および架橋剤を含む配合剤を加えて
混練し、得られた配合ゴムに成形および加硫処理を施す
ことにより形成され、非移行性でかつ電気絶縁性を有す
ることを特徴とする。
エチレン−プロピレンゴム100重量部に、60℃での
粘度が200,000cps〜1,000,000cp
sで分子量が3,000〜10,000の液状エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体からなるプロセスオ
イル1〜50重量部および架橋剤を含む配合剤を加えて
混練し、得られた配合ゴムに成形および加硫処理を施す
ことにより形成され、非移行性でかつ電気絶縁性を有す
ることを特徴とする。
【0008】本発明の最も重要な特徴は、60℃での粘
度が200,000cps〜1,000,000cps
で分子量が3,000〜10,000の液状エチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体(液状EPDM)をプ
ロセスオイルとして用いることである。液状EPDMが
エチレン−プロピレンゴムを可塑化するため、ゴム組成
物の製造に際し配合剤の混ざりはよりよくなり、加工性
および作業性も向上する。分子量および粘度がこの範囲
よりも低い液状EPDMの場合、可塑化の程度は大きく
なる一方、配合物が耐熱性に劣るようになり、成形加工
時の熱によっても配合物は劣化を被るおそれがある。分
子量および粘度がこの範囲よりも高くなると、耐熱性は
良好である一方、EPDMはペースト状、ロウ状、樹脂
状というように固体に近付いていき、分散性が悪くな
り、十分な可塑化の効果も得られなくなってくる。十分
な可塑化の効果を得るためには、上記範囲の粘度および
分子量が必要であり、より好ましい粘度は、60℃にお
いて250,000〜700,000であり、より好ま
しい分子量は5,000〜8,000である。
度が200,000cps〜1,000,000cps
で分子量が3,000〜10,000の液状エチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体(液状EPDM)をプ
ロセスオイルとして用いることである。液状EPDMが
エチレン−プロピレンゴムを可塑化するため、ゴム組成
物の製造に際し配合剤の混ざりはよりよくなり、加工性
および作業性も向上する。分子量および粘度がこの範囲
よりも低い液状EPDMの場合、可塑化の程度は大きく
なる一方、配合物が耐熱性に劣るようになり、成形加工
時の熱によっても配合物は劣化を被るおそれがある。分
子量および粘度がこの範囲よりも高くなると、耐熱性は
良好である一方、EPDMはペースト状、ロウ状、樹脂
状というように固体に近付いていき、分散性が悪くな
り、十分な可塑化の効果も得られなくなってくる。十分
な可塑化の効果を得るためには、上記範囲の粘度および
分子量が必要であり、より好ましい粘度は、60℃にお
いて250,000〜700,000であり、より好ま
しい分子量は5,000〜8,000である。
【0009】液状EPDMの添加量は、エチレン−プロ
ピレンゴム100重量部に対し、1〜50重量部、好ま
しくは5〜30重量部である。添加量が1重量部より低
いと、可塑化の効果は十分でない。一方、50重量部を
超えて添加すると、液状EPDMの架橋点間分子量が小
さいため、組成物は脆くなり弾性を失うようになる。
ピレンゴム100重量部に対し、1〜50重量部、好ま
しくは5〜30重量部である。添加量が1重量部より低
いと、可塑化の効果は十分でない。一方、50重量部を
超えて添加すると、液状EPDMの架橋点間分子量が小
さいため、組成物は脆くなり弾性を失うようになる。
【0010】液状エチレン−プロピレン−ジエン三元共
重合体は、ジエン成分として、たとえばジシクロペンタ
ジエン(DCPD)、エチリデンノルボルネン(EN
B)および1,4−ヘキサジエンからなる群から選択さ
れる非共役ジエンを含有する。三元共重合体におけるジ
エン成分の含量は、3重量%〜15重量%の範囲が好ま
しい。ジエン成分が3重量%より少ないと液状EPDM
のゴムにおける架橋への寄与が少なくなり、遊離の状態
で存在するプロセスオイルが生じてくる。一方、ジエン
含量が15重量%より高くなると、過剰な架橋によって
ゴムの三次元構造に大きな変化が生じ、機械的特性の低
下を招くおそれがある。一方、この範囲では、エチレン
−プロピレンゴムとともに良好な架橋状態が得られ、好
ましい強度および特性を有するゴム組成物を提供するこ
とができる。本発明に必要な液状EPDMは、市販品と
して購入することができる。
重合体は、ジエン成分として、たとえばジシクロペンタ
ジエン(DCPD)、エチリデンノルボルネン(EN
B)および1,4−ヘキサジエンからなる群から選択さ
れる非共役ジエンを含有する。三元共重合体におけるジ
エン成分の含量は、3重量%〜15重量%の範囲が好ま
しい。ジエン成分が3重量%より少ないと液状EPDM
のゴムにおける架橋への寄与が少なくなり、遊離の状態
で存在するプロセスオイルが生じてくる。一方、ジエン
含量が15重量%より高くなると、過剰な架橋によって
ゴムの三次元構造に大きな変化が生じ、機械的特性の低
下を招くおそれがある。一方、この範囲では、エチレン
−プロピレンゴムとともに良好な架橋状態が得られ、好
ましい強度および特性を有するゴム組成物を提供するこ
とができる。本発明に必要な液状EPDMは、市販品と
して購入することができる。
【0011】エチレン−プロピレンゴムは、エチレンお
よびプロピレン、またはエチレン、プロピレンおよびジ
エンをチーグラー・ナッタ触媒によって重合して得るこ
とができるゴムであり、エチレン−プロピレン共重合体
(EPM)とエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体(EPDM)の2つに分類される。ジエン成分には、
ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエンなどが用いられる。
よびプロピレン、またはエチレン、プロピレンおよびジ
エンをチーグラー・ナッタ触媒によって重合して得るこ
とができるゴムであり、エチレン−プロピレン共重合体
(EPM)とエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体(EPDM)の2つに分類される。ジエン成分には、
ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエンなどが用いられる。
【0012】本発明において、エチレン−プロピレンゴ
ム100重量部に対し、液状EPDM1〜50重量部の
他、架橋剤を含む配合剤が添加される。架橋剤(加硫
剤)として、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド(DCP)等の有機過酸化物
および硫黄などを挙げることができる。エチレン−プロ
ピレンゴムとしてEPMを用いる場合、加硫剤には有機
過酸化物が用いられる。一方、エチレン−プロピレンゴ
ムとしてEPDMを用いる場合、硫黄によって架橋が可
能である。その他の配合剤として、充填剤(たとえばタ
ルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ等の無機充填
剤)、老化防止剤、架橋助剤(加硫促進剤)、含量(た
とえばカーボンブラック)等、エチレン−プロピレンゴ
ム組成物に一般的に添加される配合剤を添加してもよ
い。
ム100重量部に対し、液状EPDM1〜50重量部の
他、架橋剤を含む配合剤が添加される。架橋剤(加硫
剤)として、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド(DCP)等の有機過酸化物
および硫黄などを挙げることができる。エチレン−プロ
ピレンゴムとしてEPMを用いる場合、加硫剤には有機
過酸化物が用いられる。一方、エチレン−プロピレンゴ
ムとしてEPDMを用いる場合、硫黄によって架橋が可
能である。その他の配合剤として、充填剤(たとえばタ
ルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ等の無機充填
剤)、老化防止剤、架橋助剤(加硫促進剤)、含量(た
とえばカーボンブラック)等、エチレン−プロピレンゴ
ム組成物に一般的に添加される配合剤を添加してもよ
い。
【0013】エチレン−プロピレンゴムに液状EPD
M、加硫剤および必要に応じて他の配合剤を加えたもの
は混練される。混練方法は、特に限定されるものではな
く、たとえば、バンバリー、ニーダー、インターナルミ
キサー、ロール等、通常広く用いられている装置によっ
て行なうことができる。得られた配合ゴムには、成形お
よび加硫処理が施され、ゴム組成物の成形体が得られ
る。成形および加硫処理の方法は、特に限定されるもの
ではないが、たとえば、押出機、プレス成形機、射出成
形機等によって成形し、水蒸気、金型加圧、LCM、H
FB、UHF等で加硫処理を完了させることができる。
M、加硫剤および必要に応じて他の配合剤を加えたもの
は混練される。混練方法は、特に限定されるものではな
く、たとえば、バンバリー、ニーダー、インターナルミ
キサー、ロール等、通常広く用いられている装置によっ
て行なうことができる。得られた配合ゴムには、成形お
よび加硫処理が施され、ゴム組成物の成形体が得られ
る。成形および加硫処理の方法は、特に限定されるもの
ではないが、たとえば、押出機、プレス成形機、射出成
形機等によって成形し、水蒸気、金型加圧、LCM、H
FB、UHF等で加硫処理を完了させることができる。
【0014】
【発明の作用効果】エチレン−プロピレンゴム組成物の
製造において、所望の機械的特性および電気的特性をゴ
ム組成物に付与するため、原料ゴムには、充填剤、架橋
剤、老化防止剤等が添加される。ゴム自体は弾性が非常
に高く、これらを混合するには困難が伴なう。そこで、
ゴムに粘性を与え可塑化し、添加剤の混ざりをよくする
ために、ゴムの素練りやプロセスオイルの添加等が行な
われる。本発明では、このプロセスオイルとして上述し
た液状EPDMを用いる。本発明に従えば、液状EPD
Mによりエチレン−プロピレンゴムを十分に可塑化し、
配合ゴムの調製を容易に行なうことができる。
製造において、所望の機械的特性および電気的特性をゴ
ム組成物に付与するため、原料ゴムには、充填剤、架橋
剤、老化防止剤等が添加される。ゴム自体は弾性が非常
に高く、これらを混合するには困難が伴なう。そこで、
ゴムに粘性を与え可塑化し、添加剤の混ざりをよくする
ために、ゴムの素練りやプロセスオイルの添加等が行な
われる。本発明では、このプロセスオイルとして上述し
た液状EPDMを用いる。本発明に従えば、液状EPD
Mによりエチレン−プロピレンゴムを十分に可塑化し、
配合ゴムの調製を容易に行なうことができる。
【0015】液状EPDMは、エチレン−プロピレン骨
格を有し、エチレン−プロピレンゴムに対して高い相溶
性又は親和性を有する。また、液状EPDMは、加硫工
程(架橋工程)により、そのジエン成分を介してエチレ
ン−プロピレンゴムに結合される。これにより、プロセ
スオイルは固定化されゴム組成物から遊離しなくなる。
以下の実施例に示すように本発明に従ってゴム組成物を
調製した結果、液状EPDMは、ゴム成分と添加剤との
混合、押し出し、射出成形時にはプロセスオイルとして
機能し、架橋後はあたかもエチレン−プロピレンゴムと
同等の機能を有することが明らかとなった。
格を有し、エチレン−プロピレンゴムに対して高い相溶
性又は親和性を有する。また、液状EPDMは、加硫工
程(架橋工程)により、そのジエン成分を介してエチレ
ン−プロピレンゴムに結合される。これにより、プロセ
スオイルは固定化されゴム組成物から遊離しなくなる。
以下の実施例に示すように本発明に従ってゴム組成物を
調製した結果、液状EPDMは、ゴム成分と添加剤との
混合、押し出し、射出成形時にはプロセスオイルとして
機能し、架橋後はあたかもエチレン−プロピレンゴムと
同等の機能を有することが明らかとなった。
【0016】本発明に従って得られた架橋ゴム組成物
は、移行するオイル成分を含んでいないため、たとえば
これを電力ケーブルに用いた場合、その接続末端部で組
成の異なるゴム組成物同士が接触したとしても、従来み
られるようなオイルの移行の問題は生ぜず、長期にわた
って組成物の電気的および機械的特性が維持される。
は、移行するオイル成分を含んでいないため、たとえば
これを電力ケーブルに用いた場合、その接続末端部で組
成の異なるゴム組成物同士が接触したとしても、従来み
られるようなオイルの移行の問題は生ぜず、長期にわた
って組成物の電気的および機械的特性が維持される。
【0017】本発明は、特に、ゴム組成物同士の接触に
よるオイル移行の問題を重視する電気絶縁体たとえば電
力ケーブルの絶縁材、電力ケーブルの端末附属品、自動
車用グロメット等に有用である。
よるオイル移行の問題を重視する電気絶縁体たとえば電
力ケーブルの絶縁材、電力ケーブルの端末附属品、自動
車用グロメット等に有用である。
【0018】
【0019】
【表1】
【0020】表1に示す配合物をそれぞれ調製した。エ
チレン−プロピレンゴムとしてはEPDMである市販品
が用いられ、充填剤としてタルク、老化防止剤としてノ
ンフレックスRDまたはアンテージMBの酸化防止剤、
加硫剤として硫黄またはジクミルペルオキシド(DC
P)が添加された。また、本発明に従うプロセスオイル
である液状EPDM(A)として、60℃における粘
度:26,000cps、平均分子量:5,200、ジ
エン含量:13重量%、ジエン成分:ジシクロペンタジ
エン(DCPD)の市販品が用いられ、液状EPDM
(B)として、60℃における粘度:690,000、
平均分子量:7,500、ジエン含量:9重量%、ジエ
ン成分:エチリデンノルボルネン(ENB)の市販品が
用いられた。一方、比較例のプロセスオイルとして、ナ
フテン系オイルであるコモレックスオイル♯2が用いら
れた。
チレン−プロピレンゴムとしてはEPDMである市販品
が用いられ、充填剤としてタルク、老化防止剤としてノ
ンフレックスRDまたはアンテージMBの酸化防止剤、
加硫剤として硫黄またはジクミルペルオキシド(DC
P)が添加された。また、本発明に従うプロセスオイル
である液状EPDM(A)として、60℃における粘
度:26,000cps、平均分子量:5,200、ジ
エン含量:13重量%、ジエン成分:ジシクロペンタジ
エン(DCPD)の市販品が用いられ、液状EPDM
(B)として、60℃における粘度:690,000、
平均分子量:7,500、ジエン含量:9重量%、ジエ
ン成分:エチリデンノルボルネン(ENB)の市販品が
用いられた。一方、比較例のプロセスオイルとして、ナ
フテン系オイルであるコモレックスオイル♯2が用いら
れた。
【0021】表1に示す配合物は、オープンロールによ
り混練され、得られたコンパウンドについて、プレス成
形装置により、170℃×30分の条件下で加硫および
成形を行ない、架橋ゴム組成物の成形体をそれぞれ得
た。
り混練され、得られたコンパウンドについて、プレス成
形装置により、170℃×30分の条件下で加硫および
成形を行ない、架橋ゴム組成物の成形体をそれぞれ得
た。
【0022】得られた成形体を5cm×5cm×2mm
のシートに加工したものを2つ準備し、一方を基体、他
方を貼合せ体として貼り合わせ、アルミ箔で成分が揮発
しないようにくるみ、100℃の恒温槽で48時間経過
後の基体および貼合せ体の重量変化を測定した。その結
果を表2に示す。
のシートに加工したものを2つ準備し、一方を基体、他
方を貼合せ体として貼り合わせ、アルミ箔で成分が揮発
しないようにくるみ、100℃の恒温槽で48時間経過
後の基体および貼合せ体の重量変化を測定した。その結
果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】その結果、液状EPDMをプロセスオイル
として用いると、実施例1〜4の異なる配合間で、プロ
セスオイルの移行は認められなかった。したがって、液
状EPDMをもちいれば、特性に合わせた自由な配合を
個別に組むことができる。一方、プロセスオイルとして
ナフテン系オイルを用いた場合、配合組成が異なるとオ
イルの移行が生じることが確認された。
として用いると、実施例1〜4の異なる配合間で、プロ
セスオイルの移行は認められなかった。したがって、液
状EPDMをもちいれば、特性に合わせた自由な配合を
個別に組むことができる。一方、プロセスオイルとして
ナフテン系オイルを用いた場合、配合組成が異なるとオ
イルの移行が生じることが確認された。
Claims (4)
- 【請求項1】 エチレン−プロピレンゴム100重量部
と、60℃での粘度が200,000cps−1,00
0,000cpsで分子量が3,000〜10,000
の液状エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体1〜
50重量部との混合物を架橋してなるゴムを主成分とす
る架橋ゴム組成物。 - 【請求項2】 前記液状エチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体におけるジエン含量が3重量%〜15重量
%の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の架
橋ゴム組成物。 - 【請求項3】 エチレン−プロピレンゴム100重量部
に、60℃での粘度が200,000cps〜1,00
0,000cpsで分子量が3,000〜10,000
の液状エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体から
なるプロセスオイル1〜50重量部および架橋剤を含む
配合剤を加えて混練し、得られた配合ゴムに成形および
加硫処理を施すことによって形成された、非移行性でか
つ電気絶縁性を有することを特徴とする、架橋ゴム組成
物成形品。 - 【請求項4】 前記液状エチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体におけるジエン含量が3重量%〜15重量
%の範囲にあることを特徴とする、請求項3に記載の架
橋ゴム組成物成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12615394A JPH07330991A (ja) | 1994-06-08 | 1994-06-08 | 架橋ゴム組成物およびその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12615394A JPH07330991A (ja) | 1994-06-08 | 1994-06-08 | 架橋ゴム組成物およびその成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330991A true JPH07330991A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=14927994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12615394A Withdrawn JPH07330991A (ja) | 1994-06-08 | 1994-06-08 | 架橋ゴム組成物およびその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330991A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002080662A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Jsr Corp | ゴム組成物 |
WO2005044912A1 (ja) * | 2003-11-11 | 2005-05-19 | Nok Corporation | Epdm組成物 |
JP2009197198A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Nissin Kogyo Co Ltd | 炭素繊維複合材料及び炭素繊維複合材料の製造方法 |
CN112940402A (zh) * | 2019-12-11 | 2021-06-11 | 现代自动车株式会社 | 用于降低电偶腐蚀的具有改善的电绝缘特性的橡胶组合物 |
-
1994
- 1994-06-08 JP JP12615394A patent/JPH07330991A/ja not_active Withdrawn
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