JPH07330823A - プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物 - Google Patents

プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物

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JPH07330823A
JPH07330823A JP14390694A JP14390694A JPH07330823A JP H07330823 A JPH07330823 A JP H07330823A JP 14390694 A JP14390694 A JP 14390694A JP 14390694 A JP14390694 A JP 14390694A JP H07330823 A JPH07330823 A JP H07330823A
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JP
Japan
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compound
propylene
resin composition
olefin copolymer
olefin
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JP14390694A
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English (en)
Inventor
Tsugio Haneda
次夫 羽田
Yasuto Nakai
康人 中井
Mitsukuni Mori
充邦 毛利
Shuzo Shimizu
修三 志水
Takefumi Osada
健文 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Kasei Kogyo KK
Toyo Kasei Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nagase Kasei Kogyo KK
Toyo Kasei Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリオレフイン樹脂素材のみならずナイロ
ン、ポリエステル樹脂素材に対する塗装性、密着性、低
温安定性、スプレ−特性等を改善するプロピレン・α−
オレフイン系共重合体樹脂組成物。 【構成】 プロピレン・α−オレフイン系共重合体に
α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物から選ばれ
た一種を有機溶剤の存在下0.5 〜20重量%グラフト共重
合させた後、その分子中に1個のグリシジル基を有する
各種の化合物を付加させてなる変性共重合体と有機溶剤
とを含むプロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフイン系樹脂成
形品、フイルム等の表面の塗装用又はナイロン、ポリエ
ステル等の汎用樹脂へのコ−テイング用のプライマ−や
インキ、塗料の接着剤として他の素材を接着する場合又
はインキとして接着性、密着性、低温安定性、スプレ−
適性及び顔料の分散性に優れたコ−テイング組成物及び
プライマ−組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン等のオレフイン系
樹脂は化学的安定性が高く、廉価であり、物性のバラン
スに優れていて、リサイクルが可能である等の理由によ
り、その使用量は自動車部品、家庭用電化製品、家庭用
雑貨類向けを中心に年々増加している。しかしながらオ
レフイン系樹脂は分子鎖中に極性基を含まないため、塗
装、接着等が困難であるという欠点を有している。かよ
うな欠点を克服するため、従来はオレフイン系樹脂成形
品の塗装前に、オレフイン系樹脂成形品の表面を火炎処
理したり、コロナ放電処理、プラズマ処理を行つて表面
を活性化したり、或は,1,1,1−トリクロロエタン
等の塩素系有機溶剤の蒸気又は溶液の洗浄処理による表
面粗化によつて接着性の改善が行われてきた。しかしな
がら火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等はその
操作が煩雑であり、また多大な設備投資を必要とする等
の問題がある。更に、特に複雑な形状をした成形品の場
合には、処理効果が一様でない等により実用性に欠けて
いる。また1,1,1−トリクロロエタン等のオゾン層
破壊物質はその使用が近々使用禁止され使用不可能とな
る。
【0003】上記のような前処理の工程を必要としない
オレフイン系樹脂表面に塗装する方法として、(1) プロ
ピレン−ブテン共重合体をα,β−不飽和ジカルボン酸
又はその誘導体により変性されたコ−テイング剤の発明
がある(特開平4−114072号)、また(2) ポリプ
ロピレンを不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の無
水物で変性した変性ポリプロピレンを固体状態で、炭化
水素系溶剤に分散させる発明がある(特開昭64−17
50号)、更に(3) 塩素化変性ポリオレフインを主成分
とするプライマ−組成物の発明としては、例えば特公昭
50−10916号、特開昭57−36128号、特公
昭63−36624号等がある。これらの塩素化ポリオ
レフインからなるプライマ−は、ポリオレフイン等への
密着性には優れているという利点はあるが耐候性、耐溶
剤性に劣つている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等の研究によ
ると上記(1) 特開平4−114072号発明の如くプロ
ピレン−ブテン共重合体を無水マレイン酸等のα,β−
不飽和ジカルボン酸の無水物で変性したのみではトルエ
ン等の有機溶剤への溶解性が充分ではなく、貯蔵安定性
が悪く、また顔料の分散性もよくないなどの問題があ
る。また(2) 特開昭64−1750号発明では顔料の分
散や固形分の高濃度化が困難であり、更に分散固体の沈
降による貯蔵安定性が充分でない等の問題がある。更に
(3) の塩素化ポリオレフインからなるプライマ−の発明
は、上記したようにポリオレフイン素材等への密着性は
優れているが、耐候性や耐溶剤性に劣るという問題があ
る。上記のようにポリオレフイン系樹脂素材に塗装を行
うためにはプライマ−処理をすることが一般的である
が、何れの技術も欠点を有しており、ポリオレフイン系
樹脂素材への密着性、耐候性、耐溶剤性、樹脂の溶剤へ
の溶解性、保存安定性、スプレ−特性、他の樹脂への相
溶性等の要求性能をバランスよく満たすものがないのが
現状である。本発明はこのような諸問題を解決し、ポリ
オレフイン系樹脂の塗装性や密着性、低温安定性、スプ
レ−特性等を改善することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意研究した結果、本発明に到達した
もので、本発明はプロピレン・α−オレフイン系共重合
体にα,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物から
選ばれた少なくとも一種を有機溶剤の存在下、0.5〜
20重量%グラフト共重合した後、その分子中に1個の
グリシジル基を有する各種化合物を付加させてなる変性
共重合体と有機溶剤とを含むことを特徴とするプロピレ
ン・α−オレフイン系共重合体組成物であり、更に上記
α,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物によるグ
ラフト共重合によつて変性を行うに際し、芳香族系有機
溶媒を使用することを特徴とするプロピレン・α−オレ
フイン系共重合体樹脂組成物に関するものである。
【0006】本発明のプライマ−組成物の原料であるプ
ロピレン・α−オレフイン系共重合体としてはプロピレ
ンを主成分として、これにα−オレフインを共重合した
ものである。α−オレフイン成分としては、例えばエチ
レン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ヘキセン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等、
又はこれらを組合わせた3元共重合体も使用可能であ
る。例えばプロピレン、エチレン、1−ブテン又はプロ
ピレンと上記化合物を二種組合わせた3元共重合体が好
適に使用される。
【0007】本発明においてはプロピレン成分とα−オ
レフイン成分との組成比については特に制限はないが、
プロピレン成分が50モル%以上であることが望まし
い。またエチレン成分を含む場合には、α,β−不飽和
ジカルボン酸による変性時にゲル化等の問題が生じるこ
とより、エチレン成分が10モル%以下であることが望
ましい。またプロピレン・α−オレフイン共重合体のグ
ラフト変性に用いるα,β−不飽和ジカルボン酸又はそ
の酸無水物としては、例えばマレイン酸又は無水マレイ
ン酸〔(無水)マレイン酸と略称、以下同様〕、(無
水)イタコン酸、(無水)アコニツト酸、(無水)シト
ラコン酸等が好適である。特に無水マレイン酸が好適に
使用される。
【0008】本発明においてプロピレン・α−オレフイ
ンに対する、α,β−不飽和ジカルボン酸のグラフト共
重合量は0.5〜20重量%である。0.5重量%以下
ではグラフト量が少なくグリシジル基を含む化合物を付
加しても有機溶剤への溶解性が不充分であり、又20重
量%を超えるとポリプロピレン等のポリオレフイン系樹
脂素材への接着性が著しく低下するため好ましくない。
α,β−不飽和ジカルボン酸によるグラフト共重合を行
う方法としては、樹脂の融解温度よりも高温で、バンバ
リ−ミキサ−、ニ−ダ−、押出機等を用いて、樹脂と
α,β−不飽和ジカルボン酸と有機過酸化物とを混練す
ることにより行うことができるが、高グラフト率を得る
のが困難であること、またグラフト率の安定性の観点か
ら見れば、好ましい方法ではない。安定的に高付加率を
得る方法として、樹脂をトルエン等の芳香族系有機溶媒
に溶解し、撹拌しながら所定温度でα,β−不飽和ジカ
ルボン酸と有機過酸化物とを滴下し反応させる方法が挙
げられる。上記有機過酸化物としては、ベンゾイルパ−
オキサイド、ジ−tert−ブチルパ−オキサイド、ジクミ
−ルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、tert
−パ−オキシベンゾエイト、クメンヒドロパ−オキサイ
ド等がある。
【0009】α,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無
水物をグラフト共重合したプロピレン・α−オレフイン
共重合体樹脂においては、そのカルボキシル基又は酸無
水物基を用いて、グリシジル基との反応が可能である。
その分子中に1個のグリシジル基を含む化合物としては
下記一般式(1) で表される構造を有するものをさす。
【0010】ここにRは以下に示す化学式を有する基で
ある。 R;Cn2n+1−(n=1〜13の整数) R;C65 − R;C611− R;(CH33 CC64R;CH3 (CH211O(C24 −O)15− R;CH3 (CH2764 − R;C65 O(C24 O)n −(n=1〜8の整数
を表す) これらの化合物は単独で使用してもよいが、また何れを
組合わせて使用してもよい。
【0011】グリシジル基を変性プロピレン・α−オレ
フイン共重合体に付加導入する方法は、前記α,β−不
飽和ジカルボン酸及び/又はその酸無水物による変性の
項においても記載したように、トルエン等の有機溶媒中
で反応を行うのが、高付加率で、かつ反応副生物の生成
が少ないため好ましい方法である。また付加反応を行う
に際しては、4級アンモニウム塩等の触媒の使用が好ま
しい。
【0012】
【作用】本発明の特徴とするところは、本来分子中に極
性を有しないプロピレン・α−オレフイン共重合体に
α,β−不飽和ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を
グラフト共重合することにより、極性基を導入すると共
に、該極性基の一部又は全てに、その分子中に1個のグ
リシジル基を有する各種化合物を付加することにより、
分子鎖の嵩高さが増加して、トルエン等の有機溶剤への
溶解性が高められるところにある。更に極性基の導入に
より顔料の分散性が改善されると共に、従来オレフイン
系プライマ−はナイロン、ポリエステル等の極性基を有
する樹脂に対する密着性並びに接着性は極めて低いもの
しか得られなかつたが、本発明によるとこれらの極性基
を有する樹脂に対しても強力な密着力、接着力が得られ
る。
【0013】
【実施例】次に本発明を製造例及び実施例により詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお以下において特に断らない限り部は重量部を表す。
【0014】
【製造例1】1リツトル容量のオ−トクレ−プに、プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体〔プロピレン成分76
モル%、1−ブテン成分24モル%、MI( Melt Inde
x )、230℃において3.2g/10分、荷重216
0g〕100部に対し、溶媒としてトルエン200部、
有機過酸化物としてジクミ−ルパ−オキサイド5部、
α,β−不飽和ジカルボン酸として無水マレイン酸15
部を仕込み、系の温度を145℃に保ち、2時間反応を
行ない、該反応液を2000部のアセトン中に強撹拌しなが
ら投入し、未反応の無水マレイン酸及び有機過酸化物を
除去して精製した。得られた無水マレイン酸グラフトプ
ロピレン・α−オレフイン共重合体(以下、変性樹脂と
略記する。)の無水マレイン酸のグラフト率は5.4w
t%であつた。
【0015】
【製造例2】1リツトル容量のオ−トクレ−ブに、無水
マレイン酸5部及び有機過酸化物としてジ−tert−ブチ
ルパ−オキサイド0.5部を使用した以外は、製造例1
と同様に反応を行つたところ、得られた変性プロピレン
・α−オレフイン共重合体への無水マレイン酸の付加率
は0.84wt%であつた。
【0016】
【製造例3】プロピレン成分76モル%、1−ブテン成
分24モル%からなるプロピレン・α−オレフイン共重
合体100部に対して、α,β−不飽和ジカルボン酸と
して無水マレイン酸を15部、有機過酸化物としてジク
ミ−ルパ−オキサイド5部をヘンシエルミキサ−により
充分に混合後、池貝鉄工株式会社製2軸押出機(軸径3
0mmφ)を用い、バレル温度200℃で混練し、ペレ
ツトを得た。得られた樹脂のマレイン酸の付加率は0.
38wt%であつた。
【0017】
【実施例1】撹拌機、冷却管、温度計、滴下ロ−トを備
えた容量2リツトルの4つ口フラスコに、製造例1で作
成した変性樹脂150gとトルエン300gを仕込み、
80〜95℃まで加熱し溶解した。フエニルモノグリシ
ジルエ−テル(ナガセ化成工業株式会社製 デナコ−ル
EX141)を10.2g滴下し撹拌を続ける。続いて
触媒として塩化トリエチルベンジルアンモニウム50%
水溶液を9.6g加え撹拌し反応を行つた。1時間毎に
反応液をサンプリングし、赤外分光分析より酸無水物の
カルボキシル基に起因する吸収ピ−クが変化しなくなる
まで、12時間反応を継続した。次いで、この反応液に
アセトン600gを強撹拌しながら滴下し、樹脂を析出
させ濾別した。濾別した樹脂を更に少量のアセトンで洗
浄し、60℃で12時間乾燥し、目的の樹脂を得た。得
られた樹脂の酸価の実測値は9.5mgKOH/gであ
つた。この樹脂をトルエンにより固形分15%となるよ
うに溶解した。
【0018】
【実施例2】製造例2で作成したサンプルを用い、実施
例1で用いたデナコ−ルEX−141をナガセ化成工業
株式会社製 デナコ−ルEX192に変えた以外は実施
例1と同様の方法でモノグリシジルエ−テル変性を行つ
た。得られた変性樹脂を固形分濃度15wt%となるよ
うにトルエンを加え溶液とした。
【0019】
【実施例3】製造例3で作成したサンプルを用い、実施
例1で用いたEX−141をナガセ化成工業株式会社製
EX−146に変える以外は実施例1と同様の方法で
モノグリシジルエ−テル変性を行つた。得られた変性樹
脂を固形分濃度15wt%となるようにトルエンを加え
溶解した。
【0020】
【比較例1】製造例1で作成したサンプルをモノグリシ
ジルエ−テル変性を行わず、マレイン酸変性樹脂をトル
エンにより固形分濃度15wt%となるように加熱し溶
解した。
【0021】
【比較例2】製造例2で作成したサンプルをモノグリシ
ジルエ−テル変性を行わず、マレイン酸変性樹脂をトル
エンにより固形分濃度15wt%となるように加熱し溶
解した。
【0022】
【比較例3】撹拌機、温度計、冷却管及び滴下ロ−トを
備えた2リツトル容量の4つ口フラスコに、製造例1で
作成した変性樹脂150g、トルエン300g及びn−
ブタノ−ル130gを仕込み、加熱溶解し、内温110
℃でリフラツクスを行つた。次いで、パラトルエンスル
ホン酸を加え引続きリフラツクスを行つた。赤外分光分
析により反応を追跡し、カルボン酸に起因する吸収ピ−
クが消滅した時点で反応を終了した。反応を36時間継
続して行つた後、0.03%の水酸化ナトリウム水溶液
の50gで水洗し、残存した触媒を取除いた。次いで、
30mmHg、90℃で減圧濃縮を行い、30分間維持した
後トルエンにより再希釈した。この溶液を濾過し、固形
分を15%に調整して目的の樹脂溶液を得た。実施例1
〜3及び比較例1〜3により作成したプライマ−組成物
の溶液の状態を〔表1〕に纏めた。
【0023】
【表1】
【0024】〔表1〕より明らかなように、実施例3で
はα,β−不飽和ジカルボン酸の付加量が少ないため、
グリシジル変性を行つても完全には溶解せず、更にグリ
シジル変性を行わない比較例1、比較例2の場合には
5.4wt%の酸付加率にも係らずゲル状となり完全に
は溶解しない。また比較例3では、溶解部分と未溶解部
分とに相分離が起こり、均一な溶液にならない。これは
アルコ−ルによる変性が均一に進まず、変性が充分に進
行した部分は溶剤へ可溶となるが、変性が充分に進行し
ていない部分は、ゲル状になることに起因している。次
にプライマ−としての性能を評価するには、実施例3及
び比較例1〜3で作成した試料においては、そのままで
は評価できないため、トルエン中に固体状態で分散した
溶液として評価した。高分子固体の分散方法としては有
機溶媒中で樹脂を溶解後。強撹拌しながら、特定の速度
で冷却し、トルエン等の有機溶媒中に固体で分散すると
いう公知の方法により行える。
【0025】
【実施例4】実施例3で作成したプライマ−組成物を、
冷却管、温度計、撹拌機を備えた1リツトル容量のフラ
スコに仕込み、105℃で15分間溶解し、撹拌回転数
300rpmで80℃から30℃まで0.17℃/分の
冷却速度で冷却し、更に内温を5℃まで冷却し、600
rpmの撹拌回転数を継続したところ、やや蛍光を帯び
た樹脂分散液が得られた。 〔比較例4〕実施例4と同様に比較例1を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 〔比較例5〕実施例4と同様に比較例2を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 〔比較例6〕実施例4と同様に比較例3を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 塗膜の試験結果を〔表2〕に示した。
【0023】
【表2】 なお試験方法は以下によつた。
【0024】
【試験方法】
プライマ−組成物の塗布方法。 各試料の固形分を12%に調整した後、イソプロピルア
ルコ−ルで脱脂したポリプロピレン(PPと略記す
る)、ポリエチレンテレフタレ−ト(PETと略記す
る)およびナイロン(NYと略記する)製成形板の表面
に、バ−コ−タ−により5g/m2 となるように塗布
し、溶剤のトルエンを自然乾燥させた後、120℃で3
0分間焼付け処理を行つた。 長期安定性 100ml容量のスクリユ−バイアルに各試料を70ml
秤取り、0℃の冷蔵庫中に静置し、30日後の溶液の状
態を観察した。 光沢性 株式会社堀場製作所製グロスチエツカ−IG310型を
用い、60°反射法により反射率を測定した。 1次密着性 JIS K5400に記載の碁盤目法による塗膜の評価
法に準じ、塗膜表面にカツタ−により素地に達する1mm
間隔の100個の碁盤目を作り、その上にニチバン株式
会社セロハンテ−プ(商品名)を密着させて180°方
向に引き剥し、残存する碁盤目の数を数えX/100で
表示した。 耐ガソリン性 塗膜表面に素地に達するX字形の切れ目を入れ、レギユ
ラ−ガソリンに4時間浸漬し、塗膜の状態を目視により
評価した。 耐湿性 50℃、相対湿度95%の雰囲気中に10日間放置後、
塗膜の状態を目視により評価した。 顔料分散性 実施例1,2,4及び比較例4,5,6で作製した樹脂
溶液(固形分濃度15wt%)350gに酸化チタン2
5gを混合しサンドミルにより1時間顔料を分散させた
後、トルエンにより適当な粘度に調整し、イソプロピル
アルコ−ルにより表面の油脂等を取り除いたポリプロピ
レン成形板にスプレ−塗装し、室温で10分間風乾、乾
燥後、2液型ウレタン塗料をスプレ−塗布し10分間室
温で風乾後、80℃に設定した熱風乾燥器中で30分間
焼付け処理を行い、表面外観により評価した。結果は
〔表2〕の顔料分散性の項に示した通りである。 2次密着性 上塗塗装を施した各種成形板にJIS K5400に記
載の碁盤目による塗膜の評価法に準じて塗装表面にカツ
タ−により素地に達する1mm間隔の100個の碁盤目を
作り、その上にニチバン株式会社製セロハンテ−プ(商
品名)を密着させて180°方向に急速に引き剥し、残
存する碁盤目の数を数えX/100で表示した。
【0025】
【発明の効果】本発明のモノグリシジル基をその分子中
に含む化合物を付加反応させたα・β不飽和ジカルボン
酸変性プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成
物は有機溶剤への溶解性が高められ、ポリオレフイン成
形物又はフイルム素材のみならずポリエステル、ナイロ
ン樹脂などの素材へ何等前処理を施すことなく、密着性
並びに接着性に優れている。またこのコ−テイング組成
物は低温安定性、スプレ−適性、顔料分散性も良好なこ
とから汎用樹脂のプライマ−やインキ及び塗料のバイン
ダ−、或は上記素材間の接着剤として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 充邦 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内 (72)発明者 志水 修三 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内 (72)発明者 長田 健文 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン・α−オレフイン系共重合体
    にα,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物から選
    ばれた一種を有機溶剤の存在下、0.5〜20重量%グ
    ラフト共重合させた後、その分子中に1個のグリシジル
    基を有する各種の化合物を付加させてなる変性共重合体
    と有機溶剤とを含むことを特徴とするプロピレン・α−
    オレフイン系共重合体樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のα,β−不飽和カルボン
    酸又はその酸無水物による変性を芳香族系有機溶媒の存
    在下で行うことを特徴とするプロピレン・α−オレフイ
    ン系共重合体樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
    る各種化合物として芳香族化合物及び脂環式化合物及び
    脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
    わせた置換基を有する化合物又は組成物を用いて付加さ
    せてなることを特徴とする請求項1記載のプロピレン・
    α−オレフイン系共重合体樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
    る各種化合物として芳香族化合物又は脂環式化合物又は
    脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
    わせた置換基を有する化合物又は組成物を付加してなる
    ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン・α−オレ
    フイン系共重合体樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
    る各種化合物として芳香族化合物又は脂環式化合物及び
    脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
    わせた置換基を有する化合物又は組成物を付加してなる
    ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン・α−オレ
    フイン系共重合体樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
    る各種化合物として芳香族化合物及び脂環式化合物又は
    脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
    わせた置換基を有する化合物又は組成物を付加してなる
    ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン・α−オレ
    フイン系共重合体樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記請求項1,2,3,4,5又は6に
    記載のプロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成
    物を使用する塗装方法として被塗装物の表面を塩素系溶
    剤等の蒸気等による前処理をすることなく、該被塗装物
    の表面に上記プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹
    脂組成物のプライマ−組成物の塗膜を形成した後、塗装
    することを特徴とする塗装方法。
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