JPH07330823A - プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物 - Google Patents
プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH07330823A JPH07330823A JP14390694A JP14390694A JPH07330823A JP H07330823 A JPH07330823 A JP H07330823A JP 14390694 A JP14390694 A JP 14390694A JP 14390694 A JP14390694 A JP 14390694A JP H07330823 A JPH07330823 A JP H07330823A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- propylene
- resin composition
- olefin copolymer
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリオレフイン樹脂素材のみならずナイロ
ン、ポリエステル樹脂素材に対する塗装性、密着性、低
温安定性、スプレ−特性等を改善するプロピレン・α−
オレフイン系共重合体樹脂組成物。 【構成】 プロピレン・α−オレフイン系共重合体に
α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物から選ばれ
た一種を有機溶剤の存在下0.5 〜20重量%グラフト共重
合させた後、その分子中に1個のグリシジル基を有する
各種の化合物を付加させてなる変性共重合体と有機溶剤
とを含むプロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組
成物。
ン、ポリエステル樹脂素材に対する塗装性、密着性、低
温安定性、スプレ−特性等を改善するプロピレン・α−
オレフイン系共重合体樹脂組成物。 【構成】 プロピレン・α−オレフイン系共重合体に
α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物から選ばれ
た一種を有機溶剤の存在下0.5 〜20重量%グラフト共重
合させた後、その分子中に1個のグリシジル基を有する
各種の化合物を付加させてなる変性共重合体と有機溶剤
とを含むプロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組
成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフイン系樹脂成
形品、フイルム等の表面の塗装用又はナイロン、ポリエ
ステル等の汎用樹脂へのコ−テイング用のプライマ−や
インキ、塗料の接着剤として他の素材を接着する場合又
はインキとして接着性、密着性、低温安定性、スプレ−
適性及び顔料の分散性に優れたコ−テイング組成物及び
プライマ−組成物に関するものである。
形品、フイルム等の表面の塗装用又はナイロン、ポリエ
ステル等の汎用樹脂へのコ−テイング用のプライマ−や
インキ、塗料の接着剤として他の素材を接着する場合又
はインキとして接着性、密着性、低温安定性、スプレ−
適性及び顔料の分散性に優れたコ−テイング組成物及び
プライマ−組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン等のオレフイン系
樹脂は化学的安定性が高く、廉価であり、物性のバラン
スに優れていて、リサイクルが可能である等の理由によ
り、その使用量は自動車部品、家庭用電化製品、家庭用
雑貨類向けを中心に年々増加している。しかしながらオ
レフイン系樹脂は分子鎖中に極性基を含まないため、塗
装、接着等が困難であるという欠点を有している。かよ
うな欠点を克服するため、従来はオレフイン系樹脂成形
品の塗装前に、オレフイン系樹脂成形品の表面を火炎処
理したり、コロナ放電処理、プラズマ処理を行つて表面
を活性化したり、或は,1,1,1−トリクロロエタン
等の塩素系有機溶剤の蒸気又は溶液の洗浄処理による表
面粗化によつて接着性の改善が行われてきた。しかしな
がら火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等はその
操作が煩雑であり、また多大な設備投資を必要とする等
の問題がある。更に、特に複雑な形状をした成形品の場
合には、処理効果が一様でない等により実用性に欠けて
いる。また1,1,1−トリクロロエタン等のオゾン層
破壊物質はその使用が近々使用禁止され使用不可能とな
る。
樹脂は化学的安定性が高く、廉価であり、物性のバラン
スに優れていて、リサイクルが可能である等の理由によ
り、その使用量は自動車部品、家庭用電化製品、家庭用
雑貨類向けを中心に年々増加している。しかしながらオ
レフイン系樹脂は分子鎖中に極性基を含まないため、塗
装、接着等が困難であるという欠点を有している。かよ
うな欠点を克服するため、従来はオレフイン系樹脂成形
品の塗装前に、オレフイン系樹脂成形品の表面を火炎処
理したり、コロナ放電処理、プラズマ処理を行つて表面
を活性化したり、或は,1,1,1−トリクロロエタン
等の塩素系有機溶剤の蒸気又は溶液の洗浄処理による表
面粗化によつて接着性の改善が行われてきた。しかしな
がら火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等はその
操作が煩雑であり、また多大な設備投資を必要とする等
の問題がある。更に、特に複雑な形状をした成形品の場
合には、処理効果が一様でない等により実用性に欠けて
いる。また1,1,1−トリクロロエタン等のオゾン層
破壊物質はその使用が近々使用禁止され使用不可能とな
る。
【0003】上記のような前処理の工程を必要としない
オレフイン系樹脂表面に塗装する方法として、(1) プロ
ピレン−ブテン共重合体をα,β−不飽和ジカルボン酸
又はその誘導体により変性されたコ−テイング剤の発明
がある(特開平4−114072号)、また(2) ポリプ
ロピレンを不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の無
水物で変性した変性ポリプロピレンを固体状態で、炭化
水素系溶剤に分散させる発明がある(特開昭64−17
50号)、更に(3) 塩素化変性ポリオレフインを主成分
とするプライマ−組成物の発明としては、例えば特公昭
50−10916号、特開昭57−36128号、特公
昭63−36624号等がある。これらの塩素化ポリオ
レフインからなるプライマ−は、ポリオレフイン等への
密着性には優れているという利点はあるが耐候性、耐溶
剤性に劣つている。
オレフイン系樹脂表面に塗装する方法として、(1) プロ
ピレン−ブテン共重合体をα,β−不飽和ジカルボン酸
又はその誘導体により変性されたコ−テイング剤の発明
がある(特開平4−114072号)、また(2) ポリプ
ロピレンを不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の無
水物で変性した変性ポリプロピレンを固体状態で、炭化
水素系溶剤に分散させる発明がある(特開昭64−17
50号)、更に(3) 塩素化変性ポリオレフインを主成分
とするプライマ−組成物の発明としては、例えば特公昭
50−10916号、特開昭57−36128号、特公
昭63−36624号等がある。これらの塩素化ポリオ
レフインからなるプライマ−は、ポリオレフイン等への
密着性には優れているという利点はあるが耐候性、耐溶
剤性に劣つている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等の研究によ
ると上記(1) 特開平4−114072号発明の如くプロ
ピレン−ブテン共重合体を無水マレイン酸等のα,β−
不飽和ジカルボン酸の無水物で変性したのみではトルエ
ン等の有機溶剤への溶解性が充分ではなく、貯蔵安定性
が悪く、また顔料の分散性もよくないなどの問題があ
る。また(2) 特開昭64−1750号発明では顔料の分
散や固形分の高濃度化が困難であり、更に分散固体の沈
降による貯蔵安定性が充分でない等の問題がある。更に
(3) の塩素化ポリオレフインからなるプライマ−の発明
は、上記したようにポリオレフイン素材等への密着性は
優れているが、耐候性や耐溶剤性に劣るという問題があ
る。上記のようにポリオレフイン系樹脂素材に塗装を行
うためにはプライマ−処理をすることが一般的である
が、何れの技術も欠点を有しており、ポリオレフイン系
樹脂素材への密着性、耐候性、耐溶剤性、樹脂の溶剤へ
の溶解性、保存安定性、スプレ−特性、他の樹脂への相
溶性等の要求性能をバランスよく満たすものがないのが
現状である。本発明はこのような諸問題を解決し、ポリ
オレフイン系樹脂の塗装性や密着性、低温安定性、スプ
レ−特性等を改善することを目的とするものである。
ると上記(1) 特開平4−114072号発明の如くプロ
ピレン−ブテン共重合体を無水マレイン酸等のα,β−
不飽和ジカルボン酸の無水物で変性したのみではトルエ
ン等の有機溶剤への溶解性が充分ではなく、貯蔵安定性
が悪く、また顔料の分散性もよくないなどの問題があ
る。また(2) 特開昭64−1750号発明では顔料の分
散や固形分の高濃度化が困難であり、更に分散固体の沈
降による貯蔵安定性が充分でない等の問題がある。更に
(3) の塩素化ポリオレフインからなるプライマ−の発明
は、上記したようにポリオレフイン素材等への密着性は
優れているが、耐候性や耐溶剤性に劣るという問題があ
る。上記のようにポリオレフイン系樹脂素材に塗装を行
うためにはプライマ−処理をすることが一般的である
が、何れの技術も欠点を有しており、ポリオレフイン系
樹脂素材への密着性、耐候性、耐溶剤性、樹脂の溶剤へ
の溶解性、保存安定性、スプレ−特性、他の樹脂への相
溶性等の要求性能をバランスよく満たすものがないのが
現状である。本発明はこのような諸問題を解決し、ポリ
オレフイン系樹脂の塗装性や密着性、低温安定性、スプ
レ−特性等を改善することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意研究した結果、本発明に到達した
もので、本発明はプロピレン・α−オレフイン系共重合
体にα,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物から
選ばれた少なくとも一種を有機溶剤の存在下、0.5〜
20重量%グラフト共重合した後、その分子中に1個の
グリシジル基を有する各種化合物を付加させてなる変性
共重合体と有機溶剤とを含むことを特徴とするプロピレ
ン・α−オレフイン系共重合体組成物であり、更に上記
α,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物によるグ
ラフト共重合によつて変性を行うに際し、芳香族系有機
溶媒を使用することを特徴とするプロピレン・α−オレ
フイン系共重合体樹脂組成物に関するものである。
めに本発明者等が鋭意研究した結果、本発明に到達した
もので、本発明はプロピレン・α−オレフイン系共重合
体にα,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物から
選ばれた少なくとも一種を有機溶剤の存在下、0.5〜
20重量%グラフト共重合した後、その分子中に1個の
グリシジル基を有する各種化合物を付加させてなる変性
共重合体と有機溶剤とを含むことを特徴とするプロピレ
ン・α−オレフイン系共重合体組成物であり、更に上記
α,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物によるグ
ラフト共重合によつて変性を行うに際し、芳香族系有機
溶媒を使用することを特徴とするプロピレン・α−オレ
フイン系共重合体樹脂組成物に関するものである。
【0006】本発明のプライマ−組成物の原料であるプ
ロピレン・α−オレフイン系共重合体としてはプロピレ
ンを主成分として、これにα−オレフインを共重合した
ものである。α−オレフイン成分としては、例えばエチ
レン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ヘキセン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等、
又はこれらを組合わせた3元共重合体も使用可能であ
る。例えばプロピレン、エチレン、1−ブテン又はプロ
ピレンと上記化合物を二種組合わせた3元共重合体が好
適に使用される。
ロピレン・α−オレフイン系共重合体としてはプロピレ
ンを主成分として、これにα−オレフインを共重合した
ものである。α−オレフイン成分としては、例えばエチ
レン、1−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ヘキセン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等、
又はこれらを組合わせた3元共重合体も使用可能であ
る。例えばプロピレン、エチレン、1−ブテン又はプロ
ピレンと上記化合物を二種組合わせた3元共重合体が好
適に使用される。
【0007】本発明においてはプロピレン成分とα−オ
レフイン成分との組成比については特に制限はないが、
プロピレン成分が50モル%以上であることが望まし
い。またエチレン成分を含む場合には、α,β−不飽和
ジカルボン酸による変性時にゲル化等の問題が生じるこ
とより、エチレン成分が10モル%以下であることが望
ましい。またプロピレン・α−オレフイン共重合体のグ
ラフト変性に用いるα,β−不飽和ジカルボン酸又はそ
の酸無水物としては、例えばマレイン酸又は無水マレイ
ン酸〔(無水)マレイン酸と略称、以下同様〕、(無
水)イタコン酸、(無水)アコニツト酸、(無水)シト
ラコン酸等が好適である。特に無水マレイン酸が好適に
使用される。
レフイン成分との組成比については特に制限はないが、
プロピレン成分が50モル%以上であることが望まし
い。またエチレン成分を含む場合には、α,β−不飽和
ジカルボン酸による変性時にゲル化等の問題が生じるこ
とより、エチレン成分が10モル%以下であることが望
ましい。またプロピレン・α−オレフイン共重合体のグ
ラフト変性に用いるα,β−不飽和ジカルボン酸又はそ
の酸無水物としては、例えばマレイン酸又は無水マレイ
ン酸〔(無水)マレイン酸と略称、以下同様〕、(無
水)イタコン酸、(無水)アコニツト酸、(無水)シト
ラコン酸等が好適である。特に無水マレイン酸が好適に
使用される。
【0008】本発明においてプロピレン・α−オレフイ
ンに対する、α,β−不飽和ジカルボン酸のグラフト共
重合量は0.5〜20重量%である。0.5重量%以下
ではグラフト量が少なくグリシジル基を含む化合物を付
加しても有機溶剤への溶解性が不充分であり、又20重
量%を超えるとポリプロピレン等のポリオレフイン系樹
脂素材への接着性が著しく低下するため好ましくない。
α,β−不飽和ジカルボン酸によるグラフト共重合を行
う方法としては、樹脂の融解温度よりも高温で、バンバ
リ−ミキサ−、ニ−ダ−、押出機等を用いて、樹脂と
α,β−不飽和ジカルボン酸と有機過酸化物とを混練す
ることにより行うことができるが、高グラフト率を得る
のが困難であること、またグラフト率の安定性の観点か
ら見れば、好ましい方法ではない。安定的に高付加率を
得る方法として、樹脂をトルエン等の芳香族系有機溶媒
に溶解し、撹拌しながら所定温度でα,β−不飽和ジカ
ルボン酸と有機過酸化物とを滴下し反応させる方法が挙
げられる。上記有機過酸化物としては、ベンゾイルパ−
オキサイド、ジ−tert−ブチルパ−オキサイド、ジクミ
−ルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、tert
−パ−オキシベンゾエイト、クメンヒドロパ−オキサイ
ド等がある。
ンに対する、α,β−不飽和ジカルボン酸のグラフト共
重合量は0.5〜20重量%である。0.5重量%以下
ではグラフト量が少なくグリシジル基を含む化合物を付
加しても有機溶剤への溶解性が不充分であり、又20重
量%を超えるとポリプロピレン等のポリオレフイン系樹
脂素材への接着性が著しく低下するため好ましくない。
α,β−不飽和ジカルボン酸によるグラフト共重合を行
う方法としては、樹脂の融解温度よりも高温で、バンバ
リ−ミキサ−、ニ−ダ−、押出機等を用いて、樹脂と
α,β−不飽和ジカルボン酸と有機過酸化物とを混練す
ることにより行うことができるが、高グラフト率を得る
のが困難であること、またグラフト率の安定性の観点か
ら見れば、好ましい方法ではない。安定的に高付加率を
得る方法として、樹脂をトルエン等の芳香族系有機溶媒
に溶解し、撹拌しながら所定温度でα,β−不飽和ジカ
ルボン酸と有機過酸化物とを滴下し反応させる方法が挙
げられる。上記有機過酸化物としては、ベンゾイルパ−
オキサイド、ジ−tert−ブチルパ−オキサイド、ジクミ
−ルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、tert
−パ−オキシベンゾエイト、クメンヒドロパ−オキサイ
ド等がある。
【0009】α,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無
水物をグラフト共重合したプロピレン・α−オレフイン
共重合体樹脂においては、そのカルボキシル基又は酸無
水物基を用いて、グリシジル基との反応が可能である。
その分子中に1個のグリシジル基を含む化合物としては
下記一般式(1) で表される構造を有するものをさす。
水物をグラフト共重合したプロピレン・α−オレフイン
共重合体樹脂においては、そのカルボキシル基又は酸無
水物基を用いて、グリシジル基との反応が可能である。
その分子中に1個のグリシジル基を含む化合物としては
下記一般式(1) で表される構造を有するものをさす。
【0010】ここにRは以下に示す化学式を有する基で
ある。 R;Cn H2n+1−(n=1〜13の整数) R;C6 H5 − R;C6 H11− R;(CH3 )3 CC6 H4 − R;CH3 (CH2 )11O(C2 H4 −O)15− R;CH3 (CH2 )7 C6 H4 − R;C6 H5 O(C2 H4 O)n −(n=1〜8の整数
を表す) これらの化合物は単独で使用してもよいが、また何れを
組合わせて使用してもよい。
ある。 R;Cn H2n+1−(n=1〜13の整数) R;C6 H5 − R;C6 H11− R;(CH3 )3 CC6 H4 − R;CH3 (CH2 )11O(C2 H4 −O)15− R;CH3 (CH2 )7 C6 H4 − R;C6 H5 O(C2 H4 O)n −(n=1〜8の整数
を表す) これらの化合物は単独で使用してもよいが、また何れを
組合わせて使用してもよい。
【0011】グリシジル基を変性プロピレン・α−オレ
フイン共重合体に付加導入する方法は、前記α,β−不
飽和ジカルボン酸及び/又はその酸無水物による変性の
項においても記載したように、トルエン等の有機溶媒中
で反応を行うのが、高付加率で、かつ反応副生物の生成
が少ないため好ましい方法である。また付加反応を行う
に際しては、4級アンモニウム塩等の触媒の使用が好ま
しい。
フイン共重合体に付加導入する方法は、前記α,β−不
飽和ジカルボン酸及び/又はその酸無水物による変性の
項においても記載したように、トルエン等の有機溶媒中
で反応を行うのが、高付加率で、かつ反応副生物の生成
が少ないため好ましい方法である。また付加反応を行う
に際しては、4級アンモニウム塩等の触媒の使用が好ま
しい。
【0012】
【作用】本発明の特徴とするところは、本来分子中に極
性を有しないプロピレン・α−オレフイン共重合体に
α,β−不飽和ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を
グラフト共重合することにより、極性基を導入すると共
に、該極性基の一部又は全てに、その分子中に1個のグ
リシジル基を有する各種化合物を付加することにより、
分子鎖の嵩高さが増加して、トルエン等の有機溶剤への
溶解性が高められるところにある。更に極性基の導入に
より顔料の分散性が改善されると共に、従来オレフイン
系プライマ−はナイロン、ポリエステル等の極性基を有
する樹脂に対する密着性並びに接着性は極めて低いもの
しか得られなかつたが、本発明によるとこれらの極性基
を有する樹脂に対しても強力な密着力、接着力が得られ
る。
性を有しないプロピレン・α−オレフイン共重合体に
α,β−不飽和ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を
グラフト共重合することにより、極性基を導入すると共
に、該極性基の一部又は全てに、その分子中に1個のグ
リシジル基を有する各種化合物を付加することにより、
分子鎖の嵩高さが増加して、トルエン等の有機溶剤への
溶解性が高められるところにある。更に極性基の導入に
より顔料の分散性が改善されると共に、従来オレフイン
系プライマ−はナイロン、ポリエステル等の極性基を有
する樹脂に対する密着性並びに接着性は極めて低いもの
しか得られなかつたが、本発明によるとこれらの極性基
を有する樹脂に対しても強力な密着力、接着力が得られ
る。
【0013】
【実施例】次に本発明を製造例及び実施例により詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお以下において特に断らない限り部は重量部を表す。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお以下において特に断らない限り部は重量部を表す。
【0014】
【製造例1】1リツトル容量のオ−トクレ−プに、プロ
ピレン・α−オレフイン共重合体〔プロピレン成分76
モル%、1−ブテン成分24モル%、MI( Melt Inde
x )、230℃において3.2g/10分、荷重216
0g〕100部に対し、溶媒としてトルエン200部、
有機過酸化物としてジクミ−ルパ−オキサイド5部、
α,β−不飽和ジカルボン酸として無水マレイン酸15
部を仕込み、系の温度を145℃に保ち、2時間反応を
行ない、該反応液を2000部のアセトン中に強撹拌しなが
ら投入し、未反応の無水マレイン酸及び有機過酸化物を
除去して精製した。得られた無水マレイン酸グラフトプ
ロピレン・α−オレフイン共重合体(以下、変性樹脂と
略記する。)の無水マレイン酸のグラフト率は5.4w
t%であつた。
ピレン・α−オレフイン共重合体〔プロピレン成分76
モル%、1−ブテン成分24モル%、MI( Melt Inde
x )、230℃において3.2g/10分、荷重216
0g〕100部に対し、溶媒としてトルエン200部、
有機過酸化物としてジクミ−ルパ−オキサイド5部、
α,β−不飽和ジカルボン酸として無水マレイン酸15
部を仕込み、系の温度を145℃に保ち、2時間反応を
行ない、該反応液を2000部のアセトン中に強撹拌しなが
ら投入し、未反応の無水マレイン酸及び有機過酸化物を
除去して精製した。得られた無水マレイン酸グラフトプ
ロピレン・α−オレフイン共重合体(以下、変性樹脂と
略記する。)の無水マレイン酸のグラフト率は5.4w
t%であつた。
【0015】
【製造例2】1リツトル容量のオ−トクレ−ブに、無水
マレイン酸5部及び有機過酸化物としてジ−tert−ブチ
ルパ−オキサイド0.5部を使用した以外は、製造例1
と同様に反応を行つたところ、得られた変性プロピレン
・α−オレフイン共重合体への無水マレイン酸の付加率
は0.84wt%であつた。
マレイン酸5部及び有機過酸化物としてジ−tert−ブチ
ルパ−オキサイド0.5部を使用した以外は、製造例1
と同様に反応を行つたところ、得られた変性プロピレン
・α−オレフイン共重合体への無水マレイン酸の付加率
は0.84wt%であつた。
【0016】
【製造例3】プロピレン成分76モル%、1−ブテン成
分24モル%からなるプロピレン・α−オレフイン共重
合体100部に対して、α,β−不飽和ジカルボン酸と
して無水マレイン酸を15部、有機過酸化物としてジク
ミ−ルパ−オキサイド5部をヘンシエルミキサ−により
充分に混合後、池貝鉄工株式会社製2軸押出機(軸径3
0mmφ)を用い、バレル温度200℃で混練し、ペレ
ツトを得た。得られた樹脂のマレイン酸の付加率は0.
38wt%であつた。
分24モル%からなるプロピレン・α−オレフイン共重
合体100部に対して、α,β−不飽和ジカルボン酸と
して無水マレイン酸を15部、有機過酸化物としてジク
ミ−ルパ−オキサイド5部をヘンシエルミキサ−により
充分に混合後、池貝鉄工株式会社製2軸押出機(軸径3
0mmφ)を用い、バレル温度200℃で混練し、ペレ
ツトを得た。得られた樹脂のマレイン酸の付加率は0.
38wt%であつた。
【0017】
【実施例1】撹拌機、冷却管、温度計、滴下ロ−トを備
えた容量2リツトルの4つ口フラスコに、製造例1で作
成した変性樹脂150gとトルエン300gを仕込み、
80〜95℃まで加熱し溶解した。フエニルモノグリシ
ジルエ−テル(ナガセ化成工業株式会社製 デナコ−ル
EX141)を10.2g滴下し撹拌を続ける。続いて
触媒として塩化トリエチルベンジルアンモニウム50%
水溶液を9.6g加え撹拌し反応を行つた。1時間毎に
反応液をサンプリングし、赤外分光分析より酸無水物の
カルボキシル基に起因する吸収ピ−クが変化しなくなる
まで、12時間反応を継続した。次いで、この反応液に
アセトン600gを強撹拌しながら滴下し、樹脂を析出
させ濾別した。濾別した樹脂を更に少量のアセトンで洗
浄し、60℃で12時間乾燥し、目的の樹脂を得た。得
られた樹脂の酸価の実測値は9.5mgKOH/gであ
つた。この樹脂をトルエンにより固形分15%となるよ
うに溶解した。
えた容量2リツトルの4つ口フラスコに、製造例1で作
成した変性樹脂150gとトルエン300gを仕込み、
80〜95℃まで加熱し溶解した。フエニルモノグリシ
ジルエ−テル(ナガセ化成工業株式会社製 デナコ−ル
EX141)を10.2g滴下し撹拌を続ける。続いて
触媒として塩化トリエチルベンジルアンモニウム50%
水溶液を9.6g加え撹拌し反応を行つた。1時間毎に
反応液をサンプリングし、赤外分光分析より酸無水物の
カルボキシル基に起因する吸収ピ−クが変化しなくなる
まで、12時間反応を継続した。次いで、この反応液に
アセトン600gを強撹拌しながら滴下し、樹脂を析出
させ濾別した。濾別した樹脂を更に少量のアセトンで洗
浄し、60℃で12時間乾燥し、目的の樹脂を得た。得
られた樹脂の酸価の実測値は9.5mgKOH/gであ
つた。この樹脂をトルエンにより固形分15%となるよ
うに溶解した。
【0018】
【実施例2】製造例2で作成したサンプルを用い、実施
例1で用いたデナコ−ルEX−141をナガセ化成工業
株式会社製 デナコ−ルEX192に変えた以外は実施
例1と同様の方法でモノグリシジルエ−テル変性を行つ
た。得られた変性樹脂を固形分濃度15wt%となるよ
うにトルエンを加え溶液とした。
例1で用いたデナコ−ルEX−141をナガセ化成工業
株式会社製 デナコ−ルEX192に変えた以外は実施
例1と同様の方法でモノグリシジルエ−テル変性を行つ
た。得られた変性樹脂を固形分濃度15wt%となるよ
うにトルエンを加え溶液とした。
【0019】
【実施例3】製造例3で作成したサンプルを用い、実施
例1で用いたEX−141をナガセ化成工業株式会社製
EX−146に変える以外は実施例1と同様の方法で
モノグリシジルエ−テル変性を行つた。得られた変性樹
脂を固形分濃度15wt%となるようにトルエンを加え
溶解した。
例1で用いたEX−141をナガセ化成工業株式会社製
EX−146に変える以外は実施例1と同様の方法で
モノグリシジルエ−テル変性を行つた。得られた変性樹
脂を固形分濃度15wt%となるようにトルエンを加え
溶解した。
【0020】
【比較例1】製造例1で作成したサンプルをモノグリシ
ジルエ−テル変性を行わず、マレイン酸変性樹脂をトル
エンにより固形分濃度15wt%となるように加熱し溶
解した。
ジルエ−テル変性を行わず、マレイン酸変性樹脂をトル
エンにより固形分濃度15wt%となるように加熱し溶
解した。
【0021】
【比較例2】製造例2で作成したサンプルをモノグリシ
ジルエ−テル変性を行わず、マレイン酸変性樹脂をトル
エンにより固形分濃度15wt%となるように加熱し溶
解した。
ジルエ−テル変性を行わず、マレイン酸変性樹脂をトル
エンにより固形分濃度15wt%となるように加熱し溶
解した。
【0022】
【比較例3】撹拌機、温度計、冷却管及び滴下ロ−トを
備えた2リツトル容量の4つ口フラスコに、製造例1で
作成した変性樹脂150g、トルエン300g及びn−
ブタノ−ル130gを仕込み、加熱溶解し、内温110
℃でリフラツクスを行つた。次いで、パラトルエンスル
ホン酸を加え引続きリフラツクスを行つた。赤外分光分
析により反応を追跡し、カルボン酸に起因する吸収ピ−
クが消滅した時点で反応を終了した。反応を36時間継
続して行つた後、0.03%の水酸化ナトリウム水溶液
の50gで水洗し、残存した触媒を取除いた。次いで、
30mmHg、90℃で減圧濃縮を行い、30分間維持した
後トルエンにより再希釈した。この溶液を濾過し、固形
分を15%に調整して目的の樹脂溶液を得た。実施例1
〜3及び比較例1〜3により作成したプライマ−組成物
の溶液の状態を〔表1〕に纏めた。
備えた2リツトル容量の4つ口フラスコに、製造例1で
作成した変性樹脂150g、トルエン300g及びn−
ブタノ−ル130gを仕込み、加熱溶解し、内温110
℃でリフラツクスを行つた。次いで、パラトルエンスル
ホン酸を加え引続きリフラツクスを行つた。赤外分光分
析により反応を追跡し、カルボン酸に起因する吸収ピ−
クが消滅した時点で反応を終了した。反応を36時間継
続して行つた後、0.03%の水酸化ナトリウム水溶液
の50gで水洗し、残存した触媒を取除いた。次いで、
30mmHg、90℃で減圧濃縮を行い、30分間維持した
後トルエンにより再希釈した。この溶液を濾過し、固形
分を15%に調整して目的の樹脂溶液を得た。実施例1
〜3及び比較例1〜3により作成したプライマ−組成物
の溶液の状態を〔表1〕に纏めた。
【0023】
【表1】
【0024】〔表1〕より明らかなように、実施例3で
はα,β−不飽和ジカルボン酸の付加量が少ないため、
グリシジル変性を行つても完全には溶解せず、更にグリ
シジル変性を行わない比較例1、比較例2の場合には
5.4wt%の酸付加率にも係らずゲル状となり完全に
は溶解しない。また比較例3では、溶解部分と未溶解部
分とに相分離が起こり、均一な溶液にならない。これは
アルコ−ルによる変性が均一に進まず、変性が充分に進
行した部分は溶剤へ可溶となるが、変性が充分に進行し
ていない部分は、ゲル状になることに起因している。次
にプライマ−としての性能を評価するには、実施例3及
び比較例1〜3で作成した試料においては、そのままで
は評価できないため、トルエン中に固体状態で分散した
溶液として評価した。高分子固体の分散方法としては有
機溶媒中で樹脂を溶解後。強撹拌しながら、特定の速度
で冷却し、トルエン等の有機溶媒中に固体で分散すると
いう公知の方法により行える。
はα,β−不飽和ジカルボン酸の付加量が少ないため、
グリシジル変性を行つても完全には溶解せず、更にグリ
シジル変性を行わない比較例1、比較例2の場合には
5.4wt%の酸付加率にも係らずゲル状となり完全に
は溶解しない。また比較例3では、溶解部分と未溶解部
分とに相分離が起こり、均一な溶液にならない。これは
アルコ−ルによる変性が均一に進まず、変性が充分に進
行した部分は溶剤へ可溶となるが、変性が充分に進行し
ていない部分は、ゲル状になることに起因している。次
にプライマ−としての性能を評価するには、実施例3及
び比較例1〜3で作成した試料においては、そのままで
は評価できないため、トルエン中に固体状態で分散した
溶液として評価した。高分子固体の分散方法としては有
機溶媒中で樹脂を溶解後。強撹拌しながら、特定の速度
で冷却し、トルエン等の有機溶媒中に固体で分散すると
いう公知の方法により行える。
【0025】
【実施例4】実施例3で作成したプライマ−組成物を、
冷却管、温度計、撹拌機を備えた1リツトル容量のフラ
スコに仕込み、105℃で15分間溶解し、撹拌回転数
300rpmで80℃から30℃まで0.17℃/分の
冷却速度で冷却し、更に内温を5℃まで冷却し、600
rpmの撹拌回転数を継続したところ、やや蛍光を帯び
た樹脂分散液が得られた。 〔比較例4〕実施例4と同様に比較例1を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 〔比較例5〕実施例4と同様に比較例2を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 〔比較例6〕実施例4と同様に比較例3を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 塗膜の試験結果を〔表2〕に示した。
冷却管、温度計、撹拌機を備えた1リツトル容量のフラ
スコに仕込み、105℃で15分間溶解し、撹拌回転数
300rpmで80℃から30℃まで0.17℃/分の
冷却速度で冷却し、更に内温を5℃まで冷却し、600
rpmの撹拌回転数を継続したところ、やや蛍光を帯び
た樹脂分散液が得られた。 〔比較例4〕実施例4と同様に比較例1を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 〔比較例5〕実施例4と同様に比較例2を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 〔比較例6〕実施例4と同様に比較例3を用いて、固体
樹脂分散液を作成した。 塗膜の試験結果を〔表2〕に示した。
【0023】
【表2】 なお試験方法は以下によつた。
【0024】
プライマ−組成物の塗布方法。 各試料の固形分を12%に調整した後、イソプロピルア
ルコ−ルで脱脂したポリプロピレン(PPと略記す
る)、ポリエチレンテレフタレ−ト(PETと略記す
る)およびナイロン(NYと略記する)製成形板の表面
に、バ−コ−タ−により5g/m2 となるように塗布
し、溶剤のトルエンを自然乾燥させた後、120℃で3
0分間焼付け処理を行つた。 長期安定性 100ml容量のスクリユ−バイアルに各試料を70ml
秤取り、0℃の冷蔵庫中に静置し、30日後の溶液の状
態を観察した。 光沢性 株式会社堀場製作所製グロスチエツカ−IG310型を
用い、60°反射法により反射率を測定した。 1次密着性 JIS K5400に記載の碁盤目法による塗膜の評価
法に準じ、塗膜表面にカツタ−により素地に達する1mm
間隔の100個の碁盤目を作り、その上にニチバン株式
会社セロハンテ−プ(商品名)を密着させて180°方
向に引き剥し、残存する碁盤目の数を数えX/100で
表示した。 耐ガソリン性 塗膜表面に素地に達するX字形の切れ目を入れ、レギユ
ラ−ガソリンに4時間浸漬し、塗膜の状態を目視により
評価した。 耐湿性 50℃、相対湿度95%の雰囲気中に10日間放置後、
塗膜の状態を目視により評価した。 顔料分散性 実施例1,2,4及び比較例4,5,6で作製した樹脂
溶液(固形分濃度15wt%)350gに酸化チタン2
5gを混合しサンドミルにより1時間顔料を分散させた
後、トルエンにより適当な粘度に調整し、イソプロピル
アルコ−ルにより表面の油脂等を取り除いたポリプロピ
レン成形板にスプレ−塗装し、室温で10分間風乾、乾
燥後、2液型ウレタン塗料をスプレ−塗布し10分間室
温で風乾後、80℃に設定した熱風乾燥器中で30分間
焼付け処理を行い、表面外観により評価した。結果は
〔表2〕の顔料分散性の項に示した通りである。 2次密着性 上塗塗装を施した各種成形板にJIS K5400に記
載の碁盤目による塗膜の評価法に準じて塗装表面にカツ
タ−により素地に達する1mm間隔の100個の碁盤目を
作り、その上にニチバン株式会社製セロハンテ−プ(商
品名)を密着させて180°方向に急速に引き剥し、残
存する碁盤目の数を数えX/100で表示した。
ルコ−ルで脱脂したポリプロピレン(PPと略記す
る)、ポリエチレンテレフタレ−ト(PETと略記す
る)およびナイロン(NYと略記する)製成形板の表面
に、バ−コ−タ−により5g/m2 となるように塗布
し、溶剤のトルエンを自然乾燥させた後、120℃で3
0分間焼付け処理を行つた。 長期安定性 100ml容量のスクリユ−バイアルに各試料を70ml
秤取り、0℃の冷蔵庫中に静置し、30日後の溶液の状
態を観察した。 光沢性 株式会社堀場製作所製グロスチエツカ−IG310型を
用い、60°反射法により反射率を測定した。 1次密着性 JIS K5400に記載の碁盤目法による塗膜の評価
法に準じ、塗膜表面にカツタ−により素地に達する1mm
間隔の100個の碁盤目を作り、その上にニチバン株式
会社セロハンテ−プ(商品名)を密着させて180°方
向に引き剥し、残存する碁盤目の数を数えX/100で
表示した。 耐ガソリン性 塗膜表面に素地に達するX字形の切れ目を入れ、レギユ
ラ−ガソリンに4時間浸漬し、塗膜の状態を目視により
評価した。 耐湿性 50℃、相対湿度95%の雰囲気中に10日間放置後、
塗膜の状態を目視により評価した。 顔料分散性 実施例1,2,4及び比較例4,5,6で作製した樹脂
溶液(固形分濃度15wt%)350gに酸化チタン2
5gを混合しサンドミルにより1時間顔料を分散させた
後、トルエンにより適当な粘度に調整し、イソプロピル
アルコ−ルにより表面の油脂等を取り除いたポリプロピ
レン成形板にスプレ−塗装し、室温で10分間風乾、乾
燥後、2液型ウレタン塗料をスプレ−塗布し10分間室
温で風乾後、80℃に設定した熱風乾燥器中で30分間
焼付け処理を行い、表面外観により評価した。結果は
〔表2〕の顔料分散性の項に示した通りである。 2次密着性 上塗塗装を施した各種成形板にJIS K5400に記
載の碁盤目による塗膜の評価法に準じて塗装表面にカツ
タ−により素地に達する1mm間隔の100個の碁盤目を
作り、その上にニチバン株式会社製セロハンテ−プ(商
品名)を密着させて180°方向に急速に引き剥し、残
存する碁盤目の数を数えX/100で表示した。
【0025】
【発明の効果】本発明のモノグリシジル基をその分子中
に含む化合物を付加反応させたα・β不飽和ジカルボン
酸変性プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成
物は有機溶剤への溶解性が高められ、ポリオレフイン成
形物又はフイルム素材のみならずポリエステル、ナイロ
ン樹脂などの素材へ何等前処理を施すことなく、密着性
並びに接着性に優れている。またこのコ−テイング組成
物は低温安定性、スプレ−適性、顔料分散性も良好なこ
とから汎用樹脂のプライマ−やインキ及び塗料のバイン
ダ−、或は上記素材間の接着剤として最適である。
に含む化合物を付加反応させたα・β不飽和ジカルボン
酸変性プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成
物は有機溶剤への溶解性が高められ、ポリオレフイン成
形物又はフイルム素材のみならずポリエステル、ナイロ
ン樹脂などの素材へ何等前処理を施すことなく、密着性
並びに接着性に優れている。またこのコ−テイング組成
物は低温安定性、スプレ−適性、顔料分散性も良好なこ
とから汎用樹脂のプライマ−やインキ及び塗料のバイン
ダ−、或は上記素材間の接着剤として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 充邦 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内 (72)発明者 志水 修三 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内 (72)発明者 長田 健文 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内
Claims (7)
- 【請求項1】 プロピレン・α−オレフイン系共重合体
にα,β−不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物から選
ばれた一種を有機溶剤の存在下、0.5〜20重量%グ
ラフト共重合させた後、その分子中に1個のグリシジル
基を有する各種の化合物を付加させてなる変性共重合体
と有機溶剤とを含むことを特徴とするプロピレン・α−
オレフイン系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のα,β−不飽和カルボン
酸又はその酸無水物による変性を芳香族系有機溶媒の存
在下で行うことを特徴とするプロピレン・α−オレフイ
ン系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項3】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
る各種化合物として芳香族化合物及び脂環式化合物及び
脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
わせた置換基を有する化合物又は組成物を用いて付加さ
せてなることを特徴とする請求項1記載のプロピレン・
α−オレフイン系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項4】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
る各種化合物として芳香族化合物又は脂環式化合物又は
脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
わせた置換基を有する化合物又は組成物を付加してなる
ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン・α−オレ
フイン系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項5】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
る各種化合物として芳香族化合物又は脂環式化合物及び
脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
わせた置換基を有する化合物又は組成物を付加してなる
ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン・α−オレ
フイン系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項6】 その分子中に1個のグリシジル基を有す
る各種化合物として芳香族化合物及び脂環式化合物又は
脂肪族化合物から選ばれた一種及び/又はそれらを組合
わせた置換基を有する化合物又は組成物を付加してなる
ことを特徴とする請求項1記載のプロピレン・α−オレ
フイン系共重合体樹脂組成物。 - 【請求項7】 前記請求項1,2,3,4,5又は6に
記載のプロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成
物を使用する塗装方法として被塗装物の表面を塩素系溶
剤等の蒸気等による前処理をすることなく、該被塗装物
の表面に上記プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹
脂組成物のプライマ−組成物の塗膜を形成した後、塗装
することを特徴とする塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14390694A JPH07330823A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14390694A JPH07330823A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07330823A true JPH07330823A (ja) | 1995-12-19 |
Family
ID=15349835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14390694A Pending JPH07330823A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07330823A (ja) |
-
1994
- 1994-06-01 JP JP14390694A patent/JPH07330823A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3203881B2 (ja) | 水性塗料組成物、塗装方法および塗膜 | |
EP1887026B1 (en) | Aqueous resin dispersion, method for producing same, coating material, and multilayer body | |
JP2004500441A (ja) | ポリオレフィン基体用接着促進プライマー組成物 | |
CN1529718A (zh) | 可紫外线固化的非氯化助粘剂 | |
JP2610559B2 (ja) | 水性被覆組成物 | |
JP3531159B2 (ja) | 変性ポリオレフィン樹脂組成物及びその用途 | |
JP4848592B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物の製造方法 | |
JP2700526B2 (ja) | 水性分散液及びその製造方法 | |
JP5019693B2 (ja) | 水性樹脂分散組成物およびその製造方法 | |
JPH09165547A (ja) | 酸改質ポリオレフィンとモノエポキシド/高分子酸付加物の水性分散液 | |
JP2603174B2 (ja) | 水性樹脂組成物及びポリオレフィンの水性化方法 | |
JP2603172B2 (ja) | 水性樹脂組成物 | |
JP2004277617A (ja) | 低温流動性良好なバインダー樹脂溶液組成物 | |
JPWO2007113922A1 (ja) | バインダー樹脂組成物 | |
JPH0747705B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 | |
JPH06306227A (ja) | 低温流動性が良好なバインダー樹脂溶液組成物 | |
JP3538836B2 (ja) | 水性分散液及びその用途 | |
JPH07330823A (ja) | プロピレン・α−オレフイン系共重合体樹脂組成物 | |
JP3727744B2 (ja) | 塩素化ポリオレフィン組成物の製造法 | |
JP3470331B2 (ja) | 水性分散液 | |
JPS63150304A (ja) | 紫外線硬化性樹脂 | |
KR100799642B1 (ko) | 바인더 수지 용액 조성물, 도료, 잉크, 접착제 및 프라이머 | |
JPH0673250A (ja) | 樹脂成形品用水性分散液及びその製造方法 | |
JP2561191B2 (ja) | ポリオレフィン変性物の製造方法及びポリオレフィン系樹脂用コーティング組成物 | |
JP2001072723A (ja) | 変性ポリオレフィン樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |