JPH07330614A - 遺伝子の細胞内導入用脂肪乳剤 - Google Patents

遺伝子の細胞内導入用脂肪乳剤

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JPH07330614A
JPH07330614A JP14221794A JP14221794A JPH07330614A JP H07330614 A JPH07330614 A JP H07330614A JP 14221794 A JP14221794 A JP 14221794A JP 14221794 A JP14221794 A JP 14221794A JP H07330614 A JPH07330614 A JP H07330614A
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fat emulsion
gene
dna
interleukin
carbon atoms
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JP14221794A
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Shinichi Kawai
眞一 川合
Naokazu Hachiman
直和 八幡
Mitsuko Takenaga
美津子 武永
Yutaka Mizushima
裕 水島
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L T T KENKYUSHO KK
Original Assignee
L T T KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 個体に遺伝子DNAを導入する、遺伝子の細
胞内導入用脂肪乳剤に係り、脂肪乳剤中のリピッドマイ
クロスフェアーが、導入遺伝子DNAに対しキャリヤと
して作用し、遺伝子導入ができる脂肪乳剤の提供。 【構成】 少なくとも以下の組成、(a)導入遺伝子D
NA、(b)植物油、炭素原子数8〜12個の中鎖脂肪
酸のトリグリセリドならびに炭素原子数6〜18の脂肪
酸のジ−およびモノグリセリドから選択される少なくと
も1種の脂肪乳剤基剤、(c)リン脂質および非イオン
系界面活性剤から選択される少なくとも1種の乳化剤、
(d)必要に応じ、コレステロール誘導体、および、
(e)水、からなる、個体に遺伝子DNAを導入する脂
肪乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、個体に遺伝子DNAを
導入する、遺伝子の細胞内導入用脂肪乳剤に係り、詳細
には、遺伝子治療において患者の細胞に外来遺伝子を導
入することによって疾患の治療を行なうため、個体に遺
伝子DNAを導入する脂肪乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学の進歩により、疾患の分子レ
ベルでの病態学的側面や、その原因遺伝子が解明され、
体細胞を遺伝子レベルで改変し、難治性疾患の治療に役
立たせようとする、いわゆる遺伝子治療の試みが最近注
目を浴びてきている。例えば、一部の癌は遺伝子異常に
より引き起こされ、様々な遺伝子異常を蓄積した遺伝子
病と考えられるが、仮にこれらの遺伝子異常を修復する
ことができるものであれば、癌を治癒することができ
る。しかしながら、遺伝子工学が進歩したといっても、
現在の遺伝子操作は未熟なものであり、正確かつ高率
に、遺伝子を特定の細胞あるいはDNA上の特定の部位
に挿入することはできない。したがって、このような背
景のもとに、欧米、特にアメリカにおいては遺伝子治療
の試みがしだいに多く行なわれてきているものの、あく
まで実験的医療としての遺伝子治療であり、その対象に
は、致命的な進行癌、AIDS、先天性代謝異常などの
致命的疾患患者が選ばれ、その遺伝子治療効果の有効性
が期待されている現状である。
【0003】しかしながら、遺伝子を正確に、また確実
に特定の細胞あるいはDNA上の特定部位に挿入するこ
とができれば、遺伝子治療の有用性が確立し、難治病疾
患患者に多大の光明を与えるものである。その第一歩
は、遺伝子DNAを細胞内に効率よく安全に導入するこ
とであるといえる。これまでに確立している遺伝子治療
の方法としては、遺伝子導入細胞を患者に移植する方法
(ex vivo法)と、細胞を介さずに直接個体に遺
伝子自体を注入する方法(in vivo法)の2方法
がある。この場合、in vivo法は、標的細胞の採
取、分離、保存、培養、移植などの操作を必要としない
という点で、施行し易い利点を有しているが、ex v
ivo法の方が、目的とする細胞への遺伝子導入がより
確実にできることより、現時点において広く採用されて
いる。特に、ex vivo法における遺伝子導入に際
しては、ウイルス・ベクターを用いる方法が主流を占
め、レトロウイルス・ベクター、アデノウイルス・ベク
ター、アデノ関連ウイルス・ベクター等が挙げられる。
これらのなかでも特に、レトロウイルス・ベクターにつ
いては、その安全性と導入遺伝子の長い発現期間がほぼ
確認されてきたことより、これらレトロウイルス・ベク
ターの性状を生かして、ex vivo法における導入
法として汎用されてきている。
【0004】しかしながら、最近急速に研究が行なわれ
てきた細胞ターゲッティング法が確立すれば、遺伝子治
療の主流は、in vivo法に変わっていくものと考
えられる。かかる考え方を採用した方法として、遺伝子
DNAそのものに細胞親和性を持つ物質を結合させる
か、または細胞親和性を持つ物質でくるむか、あるいは
結合させた人工の粒子を作り、それを細胞内に導入する
方法がある。たとえば、in vitroで遺伝子DN
Aと適当な脂質、例えばリン脂質とを混合し、超音波処
理すると、DNAを含んだ小胞体、すなわちリポソーム
ができる。また、すでに作製したリポソームにDNAを
添加し、電荷により結合させることができる。これらの
リポソームを細胞へ与えて接触させると、リポソーム膜
と細胞膜は融合して、リポソーム内のDNAは細胞へ移
行する。さらに一部のDNAは核内へ入って遺伝子の導
入が行なわれるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
遺伝子治療におけるリポソームに代わる遺伝子導入技法
として、脂肪小粒子(リピッドマイクロスフェアー)を
用いたDDS(ドラッグデリバリーシステム)に着目し
た。この方法を用いれば、ex vivoにおいても、
またin vivoにおいても、安全にまた効率よく遺
伝子DNAを細胞内に導入し得ることが期待される。す
なわち、導入遺伝子DNAを、脂肪乳剤中のリピッドマ
イクロスフェアーに結合してやれば、該リピッドマイク
ロスフェアーがキャリアとなって、選択的に癌(腫瘍)
細胞等に移送され、その場でリピッドマイクロスフェア
ーに結合された遺伝子DNAが核内に入って、遺伝子の
導入が行なわれ、有効な遺伝子治療法の確立ができ得る
ものと考えられる。その点について本発明者らは鋭意検
討を加えた結果、脂肪乳剤中のリピッドマイクロスフェ
アーが、導入遺伝子DNAに対しキャリヤとしての役目
を果たし、効率よく遺伝子DNAを癌(腫瘍)細胞等の
細胞へ移送し、遺伝子導入ができ得ることを確認し、そ
の結果本発明を完成させるに至ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、遺伝
子DNAを細胞内に導入する遺伝子DNAキャリヤ用脂
肪乳剤に係り、具体的には、少なくとも以下の組成、
(a)導入遺伝子DNA、(b)植物油、炭素原子数8
〜12個の中鎖脂肪酸のトリグリセリドならびに炭素原
子数6〜18の脂肪酸のジ−およびモノグリセリドから
選択される少なくとも1種の脂肪乳剤基剤、(c)リン
脂質および非イオン系界面活性剤から選択される少なく
とも1種の乳化剤、(d)必要に応じ、コレステロール
誘導体、および、(e)水、からなる、個体に遺伝子D
NAを導入する脂肪乳剤;を提供する。
【0007】本発明は、その目的とする脂肪乳剤を調製
する成分の配合量において、より具体的には、(a)導
入遺伝子DNA、(b)植物油、炭素原子数8〜12個
の中鎖脂肪酸のトリグリセリドならびに炭素原子数6〜
18の脂肪酸のジ−およびモノグリセリドから選択され
る少なくとも1種の脂肪乳剤基剤:5〜50%(W/
V)、(c)リン脂質および非イオン系界面活性剤から
選択される少なくとも1種の乳化剤:0.05〜25%
(W/V)、(d)必要に応じ、コレステロール誘導
体:0.001〜1%(W/V)、および、(e)水、
からなる、個体に遺伝子DNAを導入する脂肪乳剤;を
提供する。
【0008】本発明は、前記した如く、(a)の導入遺
伝子DNAを脂肪乳剤とした場合に、導入遺伝子DNA
が脂肪乳剤を構成するリピッドマイクロスフェアーに結
合し、ex vivoにおいて試験内の細胞に遺伝子を
導入することにおいて、さらにそのリピッドマイクロス
フェアーが腫瘍細胞などに移送され、その場で結合され
た遺伝子DNAが核内に入って、遺伝子の導入が行なわ
れ、遺伝子治療ができ得る点で特異的なものである。
【0009】
【発明の作用・効果】本発明が提供しようとする、個体
に遺伝子DNAを導入する遺伝子DNAキャリヤ用脂肪
乳剤において、リピッドマイクロスフェアーに結合する
遺伝子DNAとしては、癌に関連する遺伝子DNA、先
天性代謝異常に関連する遺伝子DNA、AIDSなどウ
イルス性疾患に関連する遺伝子DNA、各種サイトカイ
ンなど炎症や動脈硬化にかかわる生体内活性物質に関連
する遺伝子DNAなど、各種遺伝子治療における遺伝子
DNAであればどのようなものでもよい。具体的には、
癌抑制遺伝子DNA、サイトカイン遺伝子DNA、同種
抗原遺伝子DNA、薬剤感受性遺伝子DNA、多剤耐性
遺伝子DNA等が挙げられる。より具体的な導入遺伝子
DNAとしては、インターロイキン−1β(IL−1
β)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロ
イキン−4(IL−4)、インターロイキン−6(IL
−6)、インターロイキン−7(IL−7)、GM−C
SF、腫瘍壊死因子(TNF−α)、インターフェロン
−γ(IFN−γ)、PDGF(血小板由来成長因
子)、ジフテリアトキシンA、HVS−tk、シトシン
デアミナーゼの遺伝子DNAなど、従来から遺伝子治療
に使用されている導入遺伝子DNAがあげられる。これ
らの導入遺伝子DNAは、いわゆるホスホロチオエート
型などの合成オリゴヌクレオチドであるか、あるいは種
々のベクターに組み込まれた構造遺伝子としてのもので
あり、センス配列あるいはアンチセンス配列のいずれで
あってもよい。
【0010】本発明における、個体に遺伝子DNAを導
入する遺伝子DNAキャリヤ用脂肪乳剤は、通常の脂肪
乳剤であり、そのなかでもカチオン性の脂肪乳剤が好ま
しく、その脂肪乳剤と、遺伝子導入を行なおうとする遺
伝子DNAとを混合することにより調製される。この場
合、カチオン性の脂肪乳剤とするためには、上記(d)
成分のコレスレロール誘導体を配合してやれば良い。こ
の混合により、導入遺伝子DNAは、脂肪乳剤を構成す
るリピッドマイクロスフェアーの表面に結合し、リピッ
ドマイクロスフェアーがDNAのキャリヤとして癌(腫
瘍)細胞等に、ex vivoでもin vivoでも
安全にかつ効率よく細胞内への導入が行われるのであ
る。特にin vivoでは、腫瘍細胞などに特異的に
移送されて、さらに効率よく遺伝子DNAを導入できる
のである。
【0011】したがって本発明は、その具体的態様にお
いて、(a)インターロイキン−1(IL−1)、イン
ターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−4
(IL−4)、インターロイキン−6(IL−6)、イ
ンターロイキン−7(IL−7)、GM−CSF、腫瘍
壊死因子(TNF−α)、インターフェロン−γ(IF
N−γ)、PDGF(血小板由来成長因子)、ジフテリ
アトキシンA、HVS−tk、シトシンデアミナーゼの
遺伝子DNAから選択される1種の遺伝子DNA、
(b)植物油、炭素原子数8〜12個の中鎖脂肪酸のト
リグリセリドならびに炭素原子数6〜18の脂肪酸のジ
−およびモノグリセリドから選択される少なくとも1種
の脂肪乳剤基剤、(c)リン脂質および非イオン系界面
活性剤から選択される少なくとも1種の乳化剤、(d)
コレステロール誘導体、および、(e)水、からなる、
個体に遺伝子DNAを導入する脂肪乳剤;を提供する。
【0012】また本発明は、その別な具体的態様におい
て、(a)インターロイキン−1(IL−1)、インタ
ーロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−4
(IL−4)、インターロイキン−6(IL−6)、イ
ンターロイキン−7(IL−7)、GM−CSF、腫瘍
壊死因子(TNF−α)、インターフェロン−γ(IF
N−γ)、PDGF(血小板由来成長因子)、ジフテリ
アトキシンA、HVS−tk、シトシンデアミナーゼの
遺伝子DNAから選択される1種の遺伝子DNA、
(b)植物油、炭素原子数8〜12個の中鎖脂肪酸のト
リグリセリドならびに炭素原子数6〜18の脂肪酸のジ
−およびモノグリセリドから選択される少なくとも1種
の脂肪乳剤基剤、(c)リン脂質および非イオン系界面
活性剤から選択される少なくとも1種の乳化剤、およ
び、(e)水、からなる、個体に遺伝子DNAを導入す
る脂肪乳剤;を提供する。
【0013】しかして、本発明の脂肪乳剤の調製に際し
て使用される脂肪乳剤基剤としては、従来からいわゆる
脂肪乳剤の調製に際して通常用いられている製剤学的に
許容される任意の油脂類が包含される。具体的には、大
豆油、綿実油、菜種油、サフラワー油などの植物油:通
常MCTと略称されている炭素原子数8〜12個の中鎖
脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸
など)のトリグリセリド;炭素原子数6〜18個の脂肪
酸(例えば、カプロン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸など)のモノ
−またはジ−グリセリド等が挙げられ、これらはそれぞ
れ単独または2種もしくはそれ以上の組み合わせで使用
することができる。これらのなかでも、特に大豆油、パ
ナセート810(日本油脂株式会社製、MCTの混合
物)が好適に使用される。
【0014】これら脂肪乳剤基剤の使用量は厳密に制限
されるものではなく、広範に変えることができるが、一
般に、1〜50%(W/V)、好ましくは3〜30%
(W/V)、より好ましくは5〜20%(W/V)の範
囲とするのが好都合である。なお、本明細書において、
脂肪乳剤の配合成分の含量または使用量について使用す
る百分率「%(W/V)」は、特にことわらない限り、
最終の脂肪乳剤100容量部あたりの重量部を意味す
る。
【0015】また、上記脂肪乳剤を水中に安定に分散さ
せるための乳化剤としては、生理学的に許容されるリン
脂質および非イオン系界面活性剤から選択される少なく
とも1種の乳化剤が使用される。生理学的に許容される
リン脂質としては、例えば、卵黄リン脂質、大豆リン脂
質、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミン等が挙げられる。また、非イオン系界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシアルキレン共重合体、(例
えば、平均分子量が1,000〜20,000の範囲の
ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン誘導体;例
えば、硬化ヒマシ油ポリオキシエチレン−(40)−エ
ーテル、硬化ヒマシ油ポリオキシエチレン−(20)−
エーテル)等が包含される。これらの乳化剤は、それぞ
れ単独で使用できるほか、2種あるいはそれ以上を併用
し、使用してもよい。本発明で使用する乳化剤は、一般
に、6〜15、好ましくは10〜14の範囲にあるHL
Bを持つことが好ましい。またその使用量としては、脂
肪乳剤基剤を水中に安定に分散保持するのに必要な量で
使用され、乳化剤の種類に応じるものの、一般的には
0.05〜25 %(W/V)、好ましくは0.2〜6
%(W/V)、さらに好ましくは0.6〜2.4%(W
/V)の範囲であり、また、前記脂肪乳剤基剤を基準に
すれば、該基剤100重量部当たり6〜24重量部、特
に、6〜15重量部の範囲が好適である。
【0016】さらに本発明の脂肪乳剤において分散溶媒
となる水としては蒸留水またはイオン交換水を適量使用
することができ、場合によってはエタノールのような水
混和性の有機溶媒を少量混合してもよい。
【0017】本発明の脂肪乳剤には、通常行なわれてい
るように、必要に応じて、等張化剤乳化助剤、安定化
剤、pH調製剤等の添加剤をさらに含有させることがで
きる。配合し得る等張化剤としては、例えば、グリセリ
ン;ソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール;
ブドウ糖、果糖などの単糖類;マルトースのような二糖
類;L−アラニン、L−バリン、グリシンなどのアミノ
酸等が挙げられ、これらのなかから適宜1種またはそれ
以上を選んで使用される。これらの等張化剤は、脂肪乳
剤が体液の浸透圧とほぼ同等になるように調製するため
に添加されるものであり、その量は脂肪乳剤中の最終濃
度が一般に0.1〜0.5モル/l、好ましくは0.2
5〜0.35モル/lの範囲になるようなものである。
【0018】また、適宜配合し得る乳化補助剤として
は、例えば、炭素原子数10〜20個の脂肪酸(例え
ば、ステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレ
ン酸など)およびその塩(例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩など)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスフ
ァチジルセリン、ステアリルアミン等が挙げられ、これ
らは一般に、0.04%(W/V)までの範囲、好まし
くは0.01〜0.2%(W/V)の範囲で使用するこ
とができ、特に上記脂肪酸またはその塩は、0.01〜
0.1%(W/V)の範囲で、ホスファチジルエタノー
ルアミン、ホスファチジルセリン、ステアリルアミンは
0.05〜0.3%(W/V),特に0.1〜0.2%
%(W/V)の範囲で有利に使用することができる。
【0019】さらに、安定化剤としてはコレステロール
またはトコフェロールを用いることができる。コレステ
ロールは一般には1.2%(W/V)まで、好ましくは
0.2〜0.4%(W/V)の範囲で使用するのが好ま
しい。
【0020】また、安定化剤としては、アルブミンまた
はその脂肪酸アミド誘導体、多糖類またはその脂肪酸エ
ステル誘導体等も使用することができる。アルブミンと
しては、ヒト用の製剤を調製することより、抗原性の観
点よりヒト由来のものが好ましく、その脂肪酸アミド誘
導体としては、アルブミン中に存在する全アミノ基の5
〜40%を、炭素原子数14〜18個の脂肪酸(例え
ば、パルミチン酸、ステアリン酸など)でアミド化した
ものが挙げられる。他方、多糖類としては、デキストラ
ン、プルラン、ヒドロキシエチルデンプン等が包含さ
れ、これら脂肪酸エステル誘導体としては、当該多糖類
に存在する全水酸基の5〜40%を、炭素原子数14〜
18個の脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸
など)によりエステル化したものが挙げられる。これら
の安定化剤は一般には0.02〜5%(W/V)、好ま
しくは0.2〜2.5%(W/V)の範囲で添加するこ
とができる。
【0021】本発明の脂肪乳剤は、通常の脂肪乳剤であ
り、そのなかでもカチオン性の脂肪乳剤が好ましい。カ
チオン性の脂肪乳剤とするには、乳剤処方においてコレ
ステロール誘導体を加えるのが良く、かかるコレステロ
ール誘導体としては、本発明の脂肪乳剤をカチオン性に
するものであれば、一般的に使用されているコレステロ
ール誘導体でよく、3β{N−(N´、N´−ジメチル
アミノエタン)カルバモイル}コレステロール、2−
(コレステリルオキシカルボニルアミノ)エチルアミン
等があげられる。その添加量は、0.001〜10%
(W/V)、好ましくは0.01〜5%(W/V)、よ
り好ましくは0.1〜2%(W/V)である。
【0022】本発明の脂肪乳剤にあっては、脂肪乳剤中
に占めるリピッドマイクロスフェアーの濃度として、
0.01〜5%、好ましくは0.01〜3%、さらに好
ましくは0.01〜1%の濃度で存在するのが、リピッ
ドマイクロスフェアーに対する導入遺伝子DNAの結合
効率が良いことが判明した。したがって、上記してきた
脂肪乳剤を構成する配合処方成分の配合量を適宜調製
し、目的の濃度のリピッドマイクロスフェアーを含有す
る脂肪乳剤とするのが良い。
【0023】また、脂肪乳剤中における遺伝子DNAの
リピッドマイクロスフェアーに対する配合量は、種々変
更することができるが、一般的には、リピッドマイクロ
スフェアー25〜50μgに対し、1〜20μgの遺伝
子DNAを使用するのが良い。
【0024】本発明の脂肪乳剤は、それ自体公知の乳化
方法により製造することができる。その際、乳化機とし
ては通常のホモジナイザーを使用することができるが、
安定で微細な脂肪乳剤を調製するためには、2種類のホ
モジナイザーを併用するのが良い。具体的な製法として
は、通常の脂肪乳剤の調製においては、例えば、所定量
の大豆油に、所定量の乳化剤、例えば精製卵黄リン脂質
(精製卵黄レシチン)を加え、90℃にて5分間程度、
15,000rpm条件下でホモジナイズする。次いで
水および必要に応じて他の添加剤、例えば等張化剤とし
てのグリセリンを加え、90℃にて20分程度、20,
000rpm条件下でホモジナイズする。かくして得ら
れた乳化物を更にFrench Pressure C
ell Pressで5回程度処理することにより脂肪
乳剤を作製する。ついで、目的とする導入遺伝子DNA
(オリゴヌクレオチド、または種々のベクターに組み込
んだ構造遺伝子)を混合することにより、リピッドマイ
クロスフェアーの表面に導入遺伝子DNAが結合した本
発明の脂肪乳剤が調製される。
【0025】また、カチオン性の脂肪乳剤の調製におい
ては、例えば、所定量の大豆油に、コレステロール誘導
体、例えば3β{N−(N´、N´−ジメチルアミノエ
タン)カルバモイル}コレステロールあるいは2−(コ
レステリルオキシカルボニルアミノ)エチルアミン、お
よび所定量の乳化剤、例えば精製卵黄リン脂質(精製卵
黄レシチン)を加え、90℃にて5分間程度、15,0
00rpm条件下でホモジナイズする。次いで水および
必要に応じて他の添加剤、例えば等張化剤としてのグリ
セリンを加え、90℃にて20分程度、20,000r
pm条件下でホモジナイズすることにより乳化物を得
た。次いでこの乳化物を、FrenchPressur
e Cell Pressを5回程度処理することによ
り、脂肪乳剤を作製する。目的とする導入遺伝子DNA
(オリゴヌクレオチドまたは種々のベクターに組み込ん
だ構造遺伝子)を混合することにより、リピッドマイク
ロスフェアーの表面に導入遺伝子DNAが結合した本発
明の脂肪乳剤が調製される。
【0026】以下に本発明を、実施例に代わる試験例で
詳細に説明する。なお、本発明は以下に記載の試験例に
限定されるものでないことはいうまでもない。導入遺伝
子としてインターロイキン−1β遺伝子の開始コドンを
含む20量体のホスホロチオエート型アンチセンスDN
Aを用い、脂肪乳剤中のリピッドマイクロスフェアーの
表面に、アンチセンスDNAを結合させた具体的脂肪乳
剤について検討した。
【0027】アンチセンスとは、標的となる塩基配列と
相補的な配列を意味する。すなわち、二重鎖DNA構造
遺伝子で、情報を読み取られる側のDNAをセンス、も
う一方の相補的なDNAをアンチセンスという。したが
って、タンパク質の遺伝情報を担うmRNAのセンス鎖
のなかで、標的となる部分塩基配列に対して相補的なア
ンチセンス鎖を細胞内に導入して、その遺伝情報の発現
を抑制して病因となるタンパク質産生を疎外して疾患を
治療することができる(アンチセンス法)。インターロ
イキン−1β(IL−1β)は、炎症などの病態に中心
的に関与するサイトカインであり、このIL−1βの産
生を抑制すれば、慢性関節リウマチなどIL−1がかか
わる病態を著しく改善できるものと期待される。
【0028】試験例1:リピッドマイクロスフェアーは
次のようにして作製した。大豆油1g、3β{N−(N
´、N´−ジメチルアミノエタン)カルバモイル}コレ
ステロール2.4mgおよび卵黄レシチン117.6m
gを90℃にて5分間、15,000rpm回転でホモ
ジナイズした。次いで、このものに注射用蒸留水9ml
およびグリセリン0.25gを加え、90℃にて20分
間、20,000rpmでホモジナイズした。得られた
乳化物を、French Pressure Cell
Pressを5回程度処理することにより、粒子径
0.2μmのリピッドマイクロスフェアーを作製した。
ついで、上記方法で得たリピッドマイクロスフェアーを
用い、その0.01%、0.1%ならびに1%溶液
(各、LM0.01%、LM0.1%、LM1%と表示
する。)に、5´端を32Pで標識したIL−1βのホス
ホロチオエート型アンチセンスDNAを混合し、リピッ
ドマイクロスフェアー表面に32P標識アンチセンスDN
Aが結合した脂肪乳剤を作製した。このものを、ヒト単
球系の細胞株、U937細胞に作用させ、その細胞内へ
の遺伝子DNA(IL−1βアンチセンスDNA)の取
り込みを観察した。その結果、図1に示すごとく、LM
0.01%、LM0.1%、LM1%溶液は、コントロ
ールに比較し、有意にIL−1βアンチセンスDNAで
あるオリゴヌクレオチドが取り込まれており、本発明の
脂肪乳剤は、遺伝子の細胞内導入用キャリヤすなわち、
脂肪乳剤中のリピッドマイクロスフェアーが、導入遺伝
子DNAに対しキャリヤとしての役目を果たしているこ
とが理解される。
【0029】試験例2:試験例1で得たリピッドマイク
ロスフェアーを用い、その0.01%(LM0.01%
と表示する。)の脂肪乳剤を使用し、IL−1βアンチ
センスDNAのオリゴヌクレオチドの添加混合量を変化
(2、5、10、20μM)させ、IL−1β細胞株に
作用させたのち、その細胞が実際にどの程度IL−1β
の産生を抑制しているかを観察した。IL−1β産生細
胞としては、前述のヒト単球系細胞株、U937細胞を
使用した。U937細胞は、10%ウシ胎児血清を含む
RPMI−1640倍地中で2×104 /mlとし、1
2−O−tetradecacyl−phorbol−
13−acetateを1ng/mlおよびlipop
olysaccharideを1μg/ml加え、さら
にIL−1βアンチセンスDNAの脂肪乳剤を加え、3
7℃にて24時間培養し、IL−1βの産生を測定し
た。その結果を図2に示した。図中の結果からも明らか
な如く、本発明の脂肪乳剤(LM0.01%溶液)を作
用させた細胞は、遺伝子DNAの導入が行なわれた結
果、コントロールと比較し、有意にIL−1βの産生を
抑制していることが判明した。
【0030】以上の実験は、遺伝子DNAをオリゴヌク
レオチドとしてリピッドマイクロスフェアの表面に結合
させ、標的細胞と作用させ、細胞内に遺伝子DNAを導
入させたものであるが、導入遺伝子DNAとしては、種
々のベクターに組み込んだ構造遺伝子であってもよい。
そこで、構造遺伝子が組み込まれたベクターの一つとし
てpMAMneoを用い、本発明の脂肪乳剤を作製し、
その導入効果を調べた。
【0031】試験例3:実験には、構造遺伝子が組み込
まれたベクターとしてのpMAMneoは、ニックトラ
ンスレーション法による32Pラベル化したものを使用し
た。ベクター濃度としてそれぞれ1、5、10、20μ
g/50μl蒸留水溶液を用いた。この溶液50μl
を、蒸留水50μl、あるいは25,または50μgリ
ピッドマイクロスフェアー/50μl蒸留水と混合し、
この各100μl混合溶液を室温にて30分間緩やかに
混合したのち、細胞(CHO−K1)に滴下しながら加
え、できるだけ均質にした。5%二酸化炭素雰囲気湿度
下、37℃にて4時間細胞を培養した。ついで、10%
胎児血清含有のHAM培地に加え、上記条件下にて48
時間培養した。培養後、細胞を5mlのPBSで2回洗
浄し、細胞のDNAをエタノールで抽出し、DNAの放
射活性を測定した。なお、リピッドマイクロスフェアー
濃度としては、0.01%(LM0.01%)、0.0
05%(LM0.005%)に該当するものである。ま
た、対照として、in vivo法で汎用されているリ
ポフェクチン(Lipofectin)の0.01%溶
液を同様実験した。その結果を、図3に示す。図中の結
果から明らかな如く、リピッドマイクロスフェアー濃度
として0.01%の本発明の脂肪乳剤(LM0.01
%)で、そこにpMAMneoのベクター濃度が1、
5、10、20μg/50μlで添加させた場合も、い
ずれも導入遺伝子ベクターが細胞内に効率よく導入され
ていることが理解できる。
【0032】試験例4:脂肪乳剤成分の変化による、導
入遺伝子DNAの導入効果:以下に記載の成分ならびに
配合量により、2種のリピッドマイクロスフェアーを作
製した。 リピッドマイクロスフェアーNo.1(5ml中) 大豆油(脂肪乳剤基剤) ホスファチジルコリン 60mg ジオレイルホスファチジル エタノールアミン 10mg 3β{N−(N´、N´−ジメチル アミノエタン)カルバモイル}コレステロール 10mg リピッドマイクロスフェアーNo.2(5ml中) 大豆油(脂肪乳剤基剤) ホスファチジルコリン 60mg ジオレイルホスファチジル エタノールアミン 10mg 2−(コレステリルオキシカルボニル アミノ)エチルアミン 10mg
【0033】上記で得たリピッドマイクロスフェアーを
1%溶液とした脂肪乳剤とし、そこに前記試験例3で使
用した遺伝子ベクター(32Pラベル化pMAMneo)
と混合し、試験対象の脂肪乳剤を得た。この脂肪乳剤を
試験例3に記載した方法と同様に処理し、細胞内に導入
された遺伝子ベクターの放射活性を測定した。実験は、
リピッドマイクロスフェアー各群で遺伝子ベクターの混
合量を変化させものとして、3回行なった。なお、コン
トロールとしては、脂肪乳剤に混合しないpMAMne
oの放射活性をおいた。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表中の結果より明らかな如く、コントロー
ル群に比較し、本発明の脂肪乳剤は、有意に遺伝子ベク
ターDNAを細胞内に取り込んでいることが判明する。
【発明の効果】
【0036】以上記載のように、本発明の脂肪乳剤は、
導入遺伝子DNAを、脂肪乳剤中のリピッドマイクロス
フェアーに結合してやることにより、該リピッドマイク
ロスフェアーがキャリアとなって、選択的に癌(腫瘍)
細胞等に移送され、その場でリピッドマイクロスフェア
ーに結合された遺伝子DNAが核内に入って、遺伝子の
導入が行なわれており、有効な遺伝子治療法の確立がで
き得るものである。したがって、本発明は、難治性疾患
患者に多大の光明を与えるものであり、その利用価値は
優れたものであるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験例1における細胞内への遺伝子D
NA(IL−1βアンチセンスDNA)の取り込み効果
の結果を示す図である。
【図2】本発明の試験例2におけるIL−1βの産生抑
制効果の結果を示す図である。
【図3】本発明の試験例3におけるpMAMneoの遺
伝子ベクターの細胞内取り込み効果の結果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武永 美津子 神奈川県川崎市宮前区菅生2丁目16番1号 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究セ ンター内 (72)発明者 水島 裕 神奈川県川崎市宮前区菅生2丁目16番1号 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究セ ンター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも以下の組成、(a)導入遺伝
    子DNA、(b)植物油、炭素原子数8〜12個の中鎖
    脂肪酸のトリグリセリドならびに炭素原子数6〜18の
    脂肪酸のジ−およびモノグリセリドから選択される少な
    くとも1種の脂肪乳剤基剤、(c)リン脂質および非イ
    オン系界面活性剤から選択される少なくとも1種の乳化
    剤、(d)必要に応じ、コレステロール誘導体、およ
    び、(e)水、からなる、個体に遺伝子DNAを導入す
    る脂肪乳剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の脂肪乳剤であって、少な
    くとも、(a)導入遺伝子DNA、(b)植物油、炭素
    原子数8〜12個の中鎖脂肪酸のトリグリセリドならび
    に炭素原子数6〜18の脂肪酸のジ−およびモノグリセ
    リドから選択される少なくとも1種の脂肪乳剤基剤:5
    〜50%(W/V)、(c)リン脂質および非イオン系
    界面活性剤から選択される少なくとも1種の乳化剤:
    0.05〜25%(W/V)、(d)コレステロール誘
    導体:0.001〜1%(W/V)、および、(e)
    水、からなる、請求項1記載の脂肪乳剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の脂肪乳剤であって、少な
    くとも、(a)導入遺伝子DNA、(b)植物油、炭素
    原子数8〜12個の中鎖脂肪酸のトリグリセリドならび
    に炭素原子数6〜18の脂肪酸のジ−およびモノグリセ
    リドから選択される少なくとも1種の脂肪乳剤基剤:5
    〜50%(W/V)、(c)リン脂質および非イオン系
    界面活性剤から選択される少なくとも1種の乳化剤:
    0.05〜25%(W/V)、および、(e)水、から
    なる、請求項1記載の脂肪乳剤。
  4. 【請求項4】 導入遺伝子DNAが、インターロイキン
    −1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−
    2)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロ
    イキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL
    −7)、GM−CSF、腫瘍壊死因子(TNF−α)、
    インターフェロン−γ(IFN−γ)、PDGF(血小
    板由来成長因子)、ジフテリアトキシンA、HVS−t
    k、シトシンデアミナーゼの遺伝子DNAから選択され
    る1種の遺伝子DNAである、請求項1記載の脂肪乳
    剤。
  5. 【請求項5】 少なくとも以下の組成、(a)インター
    ロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(I
    L−2)、インターロイキン−4(IL−4)、インタ
    ーロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7
    (IL−7)、GM−CSF、腫瘍壊死因子(TNF−
    α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、PDGF
    (血小板由来成長因子)、ジフテリアトキシンA、HV
    S−tk、シトシンデアミナーゼの遺伝子DNAから選
    択される1種の遺伝子DNA、(b)植物油、炭素原子
    数8〜12個の中鎖脂肪酸のトリグリセリドならびに炭
    素原子数6〜18の脂肪酸のジ−およびモノグリセリド
    から選択される少なくとも1種の脂肪乳剤基剤、(c)
    リン脂質および非イオン系界面活性剤から選択される少
    なくとも1種の乳化剤、(d)必要に応じ、コレステロ
    ール誘導体、および、(e)水、からなる、請求項2ま
    たは3記載の脂肪乳剤。
  6. 【請求項6】 植物油が大豆油である、請求項5記載の
    脂肪乳剤。
  7. 【請求項7】 リン脂質が大豆リン脂質または卵黄リン
    脂質である請求項5記載の脂肪乳剤。
  8. 【請求項8】 コレステロール誘導体が、3β{N−
    (N´、N´−ジメチルアミノエタン)カルバモイル}
    コレステロールまたは2−(コレステリルオキシカルボ
    ニルアミノ)エチルアミンである、請求項5記載の脂肪
    乳剤。
  9. 【請求項9】 グリセリン、糖アルコール、単糖類、二
    糖類およびアミノ酸から選択される少なくとも1種の等
    張化剤をさらに含有する、請求項5記載の脂肪乳剤。
  10. 【請求項10】 炭素原子数10〜20の脂肪酸および
    その塩、フォスファチジルエタノールアミン、フォスフ
    ァチジルセリンおよびステアリルアミンから選択される
    少なくとも1種の乳化補助剤をさらに含有する、請求項
    5記載の脂肪乳剤。
  11. 【請求項11】 コレステロールおよびトコフェロール
    から選択される安定化剤をさらに含有する、請求項5記
    載の脂肪乳剤。
  12. 【請求項12】 アルブミンおよびその脂肪酸アミド誘
    導体ならびに多糖類およびその脂肪酸エステル誘導体か
    ら選択される少なくとも1種の安定化剤をさらに含有す
    る、請求項5記載の脂肪乳剤。
JP14221794A 1994-06-02 1994-06-02 遺伝子の細胞内導入用脂肪乳剤 Pending JPH07330614A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8691785B2 (en) 1997-07-01 2014-04-08 Isis Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for non-parenteral delivery of oligonucleotides

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8691785B2 (en) 1997-07-01 2014-04-08 Isis Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for non-parenteral delivery of oligonucleotides

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