JPH07330388A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

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JPH07330388A
JPH07330388A JP6127587A JP12758794A JPH07330388A JP H07330388 A JPH07330388 A JP H07330388A JP 6127587 A JP6127587 A JP 6127587A JP 12758794 A JP12758794 A JP 12758794A JP H07330388 A JPH07330388 A JP H07330388A
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JP
Japan
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plasticizer
weight
polyvinyl acetal
laminated glass
acetal resin
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Application number
JP6127587A
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English (en)
Inventor
Naoki Ueda
直樹 植田
Hajime Shobi
初 松扉
Akihiko Bando
明彦 坂東
Masahiro Yasuda
昌弘 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】膜の透明性、衝撃エネルギー吸収性、低自着
性、ガラスとの接着性などの基本性能を損なうことな
く、常温付近の広い温度範囲で優れた遮音性能を有する
合わせガラス用中間膜を提供する。 【構成】酢酸ビニル含有量が8〜30モル%で、且つ、
炭素数4〜6のアルデヒドでアセタール化されたポリビ
ニルアセタール樹脂、可塑剤ならびに分子中にイソシア
ネート基を2個以上含む多価イソシアネート化合物から
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遮音性に優れた合わせ
ガラス用中間膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、可塑剤を添加することにより
可塑化したポリビニルブチラール樹脂膜に代表される中
間膜が、ガラス板の間に積層された合わせガラスはよく
知られており、この合わせガラスは飛散防止性に優れて
いるため、例えば、自動車等の車両用窓ガラス、建築物
などの窓ガラス等の用途に広く用いられている。ポリビ
ニルブチラール樹脂膜は、そのガラスに対する優れた接
着性と、安全ガラスとして高い透明性を兼ね備えた膜と
して、長年自動車用の窓ガラスに使用されてきた。しか
し、近年、窓ガラスとしては、破損時に破片が飛散しな
いような安全性ばかりでなく、広い温度範囲で優れた遮
音性が要求されるようになってきた。
【0003】ガラス板は、2000Hzを中心とする周
波数領域でコインシデンス効果により遮音性が低下する
ことが知られている。このコインシデンス効果とは、ガ
ラスに音波が入射する際にガラスと入射音が共鳴を起こ
し、その結果、音の透過(遮音性の低下)が起こる現象
をいい、等ラウドネス曲線から人間の聴覚では1000
Hz〜6000Hzで他の周波数領域と比較として感度
が非常に高いこと知られており、コインシデンス効果に
よる遮音性能の低下を解消することが、窓ガラス、壁等
の遮音にとって非常に重要な課題である。
【0004】上記コインシデンス効果による遮音性能の
低下が問題となるのは、このコインシデンス効果によっ
て生ずる透過損失の極小部〔以下、この極小部の透過損
失のdB(デシベル)値をTL値という〕であり、遮音
性能を向上させるためには、このコインシデンス効果を
緩和させることであり、具体的にはTL値の低下を防ぐ
必要がある。
【0005】従来のポリビニルブチラール樹脂膜を用い
た合わせガラスは、飛散防止面では優れているものの、
コインシデンス効果による遮音性能の低下は避けられ
ず、さらに、温度変化によって遮音性能は大きく変化す
るため、2000Hzを中心とする周波数領域での遮音
性能は十分とはいえなかった。
【0006】このような遮音性の低下を改善するため
に、分子間結合により軽度に架橋結合されたポリビニル
ブチラール樹脂膜が提案されている(特開昭62−10
106号公報)。しかしながら、分子間アセタール結合
を形成させて微架橋させる方法では、物性の均一な樹脂
を合成するのが困難であり、さらに、これらの樹脂に可
塑剤を添加した中間膜を用いた合わせガラスでは、室温
付近で約30dBの遮音性能しか得られないという問題
点があった。
【0007】また、ポリビニルアルコールを炭素数4〜
6のアルデヒドでアセタール化した、酢酸ビニル含有量
8〜30モル%のポリビニルアセタールと可塑剤からな
る膜と、炭素数4〜6のアルデヒドでアセタール化し
た、酢酸ビニル含有量が4モル%以下のポリビニルアセ
タールと可塑剤からなる膜とが積層された中間膜が開示
されている(特開平4−10106号公報)。
【0008】しかしながら、温度変化による遮音性能の
大きな変動はなく、遮音性能の向上は認められるが多層
成形する必要があり、従来の一般的な成形法で成形する
ことが困難であるという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜の透明
性、衝撃エネルギー吸収性、低自着性、ガラスとの接着
性などの基本性能を損なうことなく、常温付近の広い温
度範囲で優れた遮音性能を有する合わせガラス用中間膜
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の合わせガラス用
中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部、可
塑剤30〜60重量部ならびに分子中にイソシアネート
基を2個以上含むイソシアネート化合物からなる。
【0011】上記ポリビニルアセタール樹脂中の酢酸ビ
ニル含有量は、少なくなると室温より高い温度領域では
遮音性能が良好であるものの、常温付近での遮音性能が
低下し、多くなると低い温度領域では遮音性能が良好で
あるものの、常温付近での遮音性能が低下するので、8
〜30モル%に限定され、好ましくは12〜24モル%
である。
【0012】上記ポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化度は、低くなると可塑剤との相溶性が悪くなり、遮
音性能を発揮するのに必要な量の可塑剤を添加するのが
難しくなるので、40モル%以上が好ましく、より好ま
しくは50モル%以上である。
【0013】上記ポリビニルアセタール樹脂のアセター
ル化に用いられるアルデヒドの炭素数は、小さくなると
遮音性能が十分に発揮されず、大きくなると反応性が著
しく低下するので、4〜6に限定される。炭素数4〜6
のアルデヒドとしては、例えば、n−ブチルアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘ
キシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙
げられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が
併用されてもよい。特に、n−ブチルアルデヒドを使用
することにより、従来のブチラール樹脂の合成方法と同
様に行うことができる。
【0014】上記ポリビニルアセタール樹脂を調製する
方法としては、ポリビニルアルコールを熱水に溶解して
ポリビニルアルコール水溶液とし、この水溶液を所定温
度に保持した後、アルデヒドと触媒を加えアセタール化
反応を進行させ、所定の温度で保持し中和、水洗、乾燥
の工程を経て樹脂粉末を得る方法が挙げられる。
【0015】上記ポリビニルアセタール樹脂の調製に用
いられるポリビニルアルコールの平均重合度は、300
〜3,000の範囲が好ましい。
【0016】上記可塑剤としては、一塩基酸エステル、
多塩基酸エステル等の有機系可塑剤;有機燐酸系可塑
剤;有機亜燐酸系可塑剤等が挙げられ、特に、トリエチ
レングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチ
レングリコール−ジ−2−エチルヘキソエート、ジブチ
ルセバケート、ジブチルカルビトールアジペートなどが
好ましい。
【0017】上記可塑剤の使用量は、少なくなると合わ
せガラスの十分な遮音性が得られず、多くなると可塑剤
がブリードアウトしてポリビニルアセタール樹脂の透明
性や接着性を阻害するので、ポリビニルアセタール樹脂
100重量部に対して30〜70重量部に限定され、好
ましくは45〜60重量部である。
【0018】また、上記ポリビニルアセタール樹脂の耐
候性を向上させるために、紫外線吸収剤が添加されても
よい。紫外線吸収剤としては、有効紫外線吸収波長域が
300〜340nmのものが好ましく、このような紫外
線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾフェノン系、シアノアクリレート系のものが挙げら
れる。
【0019】上記ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤
としては、2−(2'-ヒドロキシ−5'-メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2'-ヒドロキシ−5'-
t−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'-
ヒドロキシ−3',5'-ジ−t−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2'-ヒドロキシ−3'-ジ−t−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'-ヒドロ
キシ−3'-t−ブチル−5'-メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2'-ヒドロキシ−3',
5'-ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2'-ヒドロキシ−3',5'-ジ−t−ア
ミンフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2'-ヒドロ
キシ−3'-(3'', 4'', 5'', 6''- テトラヒドロフ
タルイミドメチル)−5'-メチルフェニル〕ベンゾトリ
アゾール等が挙げられる。
【0020】また、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤と
しては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロ
キシ−4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が挙
げられる。
【0021】また、上記シアノアクリレート系の紫外線
吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3'-ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ
−3,3'-ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0022】上記紫外線吸収剤の使用量は、少なくなる
と耐候性を向上させる効果がなく、多くなると中間膜の
強度低下や全光線透過率の低下がおこるので、ポリビニ
ルアセタール樹脂100重量部に対して0.01〜5重
量部が好ましい。
【0023】上記紫外線吸収剤は、ポリビニルアセター
ルと可塑剤との混合時、又はポリビニルアセタールの製
造工程において添加されるのが好ましい。
【0024】上記紫外線吸収剤には、紫外線に対する安
定性を向上させるために、ヒンタードアミン系や金属錯
塩系の紫外線安定剤が添加されてもよい。上記ヒンター
ドアミン系紫外線安定剤としては、ビス(2, 2, 6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テト
ラキス(2, 2, 2, 6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−1, 2, 3, 4−ブタンテトラカルボキシレート
等が挙げられる。これらの市販品としては、三共社製
「Sanol LS−770」、「Sanol LS−
765」、「Sanol LS−2626」;チバガイ
ギー社製「Chimassob 944LD」、「Th
inuvin 662」、「Thinuvin 662
LD」;アデカアーガス社製「MarkLA−57」、
「Mark LA−77」、「Mark LA−6
2」、「MarkLA−67」、「Mark LA−6
3」、「Mark LA−68」、「Mark LA−
82」、「Mark LA−87」;グッドリッチ社製
「Goodraite UV3404」(いずれも商品
名)等が挙げられる。
【0025】上記金属錯塩系の紫外線安定剤としては、
ニッケル〔2,2'-チオビス(4−t−オクチル)フェ
ノレート〕−n−ブチルアミン、ニッケルジブチルチオ
カルバメート、ニッケルビス〔o−エチル−3,5(ジ
−t−ブチル−4−ヒドロオキシベンジル)〕ホスフェ
ート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、
〔1−フェニル,3−メチル,4−デカノニル,ピラゾ
レート(5)2 〕ニッケル等が挙げられる。
【0026】上記紫外線安定剤の使用量は、少なくなる
と十分な安定効果が得られず、多くなると中間膜の物性
低下や全光線透過率の低下がおこるので、ポリビニルア
セタール樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部
が好ましい。
【0027】上記紫外線安定剤は、ポリビニルアセター
ルと可塑剤との混合時、又はポリビニルアセタールの製
造工程において添加されるのが好ましい。
【0028】また、上記ポリビニルアセタール樹脂の熱
安定性を向上させるために、酸化防止剤が添加されても
よい。上記酸化防止剤としては、フェノール系、硫黄
系、リン系のものが好適に使用される。
【0029】上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロ
キシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−
4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、2,2'-メチレン−ビス−(4−メチル−6−ブチ
ルフェノール)、2,2'-メチレン−ビス−(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'-チオビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'-
ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス
〔メチレン−3−(3' ,5'-ブチル−4'-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリ
ス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、ビス〔3,3'-ビス−(4'-ヒド
ロキシ−3'-t−ブチルフェノール)ブチリックアシッ
ド〕グリコールエステル等が挙げられる。
【0030】上記酸化防止剤の使用量は、少なくなると
十分な酸化防止効果が得られず、多くなると中間膜の物
性低下や全光線透過率の低下を招くので、ポリビニルア
セタール樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部
が好ましく、より好ましくは0.2〜1.5重量部であ
る。
【0031】上記紫外線安定剤は、ポリビニルアセター
ル樹脂と可塑剤との混合時、又はポリビニルアセタール
樹脂の製造工程において添加されるのが好ましい。
【0032】上記ポリビニルアセタール樹脂には、該樹
脂とガラス板との接着性を調整するための添加剤とし
て、カルボン酸の金属塩、例えば、オクチル酸、ヘキシ
ル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカリウム、ナトリウム、カ
ルシウム、マグネシウム塩等が添加されてもよい。これ
らの添加剤は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との
混合時、又はポリビニルアセタール樹脂の製造工程にお
いて添加されるのが好ましい。
【0033】上記分子中にイソシアネート基を2個以上
含む多価イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネート及びその誘導体、エチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びそ
の誘導体等の脂肪族ジイソシアネート;2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト(TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、メチレン−ビス−4−フェニルイソシアネート
(MDI)、水素添加MDI、o−キシレンジイソシア
ネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイ
ソシアネート等が挙げられ、これらの二量体、三量体等
の多量体や混合物、イソシアネートをカプロラクタム等
でマスキングしたブロックイソシアネート、TDIをト
リメチロールプロパンで等に付加したTDI系アダクト
ポリイソシアネートなども使用可能である。
【0034】上記多価イソシアネート化合物の使用量
は、少なくなると架橋度が低くなって遮音性能を向上さ
せる効果がなく、多くなると架橋が進行し過ぎて成膜が
困難となるので、上記ポリビニルアセタール樹脂のモル
数に対して、0.2〜2モル%が好ましく、より好まし
くは0.5〜1.2モル%である。
【0035】上記多価イソシアネート化合物による微架
橋を速やかに進行させるために、触媒を少量添加するの
が好ましく、触媒としては、ジブチル錫ラウレート、ト
リエチルアミン、オクトエ酸錫、N−エチルモルフォリ
ン等が好適である。上記触媒の使用量は、上記ポリビニ
ルアセタール樹脂のモル数に対して、0.001〜0.
5モル%が好ましい。
【0036】上記ポリビニルアセタール樹脂に均一な微
架橋を形成するためには、樹脂や可塑剤として含水量が
低いものを用い、且つ、多価イソシアネート化合物を予
め可塑剤に溶解させておくのが好ましい。上記微架橋
は、ポリビニルアセタール樹脂に可塑剤を添加した組成
物をロールミル、押出機、加熱・混練機等で混練するこ
とにより得られるが、特に、中間膜の押出機中で微架橋
を生じさせ、そのままシート状中間膜に成膜する方法が
好ましい。
【0037】本発明の合わせガラス用中間膜に十分な耐
貫通強度及び遮音性を付与するためには、その厚さは
0.1〜1.6mmが好ましい。
【0038】本発明の合わせガラス用中間膜を使用して
合わせガラスを製造する方法としては、通常の合わせガ
ラスの製造に用いられている方法が採用可能であり、例
えば、シート状中間膜をその両側からガラス板で鋏み込
み、熱圧プレスにより積層して合わせガラスを得る。
【0039】上記ガラス板に代えて、ポリカーボネート
樹脂板等、上記ポリビニアセタール樹脂より剛性の高い
透明体で鋏み込み、熱圧プレスにより積層して合わせガ
ラスを得ることもできる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)ポリビニルアセタール樹脂の調製 純水2890gに、重合度1700のポリビニルアルコ
ール190gを加えて加温溶解した。次いで、反応系を
温度調節し、濃度35重量%塩酸200g及びn−ブチ
ルアルデヒド125gを加えてポリビニルアセタールを
析出させた後、50℃で5時間保って反応を完了させ、
ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末を得た。このポリ
ビニルアセタール樹脂のアセタール化度は62.3モル
%、酢酸ビニル成分12.0モル%であった。
【0041】上記ポリビニルアセタール樹脂100重量
部、トリエチレングリコール−ジ−エチルブチレート
(可塑剤)50重量部、2−(2'-ヒドロキシ−5'-メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)
0.1重量部、BHT(酸化防止剤)0.1重量部及び
ジブチル錫ジラウレート0.1重量部、ならびに、ポリ
ビニルアセタール樹脂のモル数に対して0.5モル%の
ヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアネート化合
物)を加えて、120℃のミキシングロールで20分間
混練した後、プレス成形機で150℃、30分間保持す
ることにより、厚さ0.38mmの合わせガラス用中間
膜を得た。
【0042】上記で得られたガラス用中間膜を、その両
側から30cm角、厚さ3のmmの2枚のフロートガラ
スで挟み込んでゴムバッグへ入れ、20Torrの真空
中で20分間脱気持した後、90℃のオーブンに脱気状
態のままで移し、さらに30分間保持し、真空プレスし
た。次いで、ゴムバッグから仮接着されたガラスと中間
膜との積層体を取り出し、130℃、12kg/cm2
のオートクレーブ中で透明な合わせガラスを調製した。
【0043】(実施例2)n−ブチルアルデヒドの使用
量を125gから130gに変えたこと以外は、実施例
1と同様にして、アセタール化度55.0モル%、酢酸
ビニル成分20.4モル%のポリビニルアセタール樹脂
を調製した。上記ポリビニルアセタール樹脂100重量
部に対して、トリエチレングリコール−ジ−エチルブチ
レート(可塑剤)55重量部、2−(2'-ヒドロキシ−
5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収
剤)0.1重量部、BHT(酸化防止剤)0.1重量部
及びジブチル錫ジラウレート0.1重量部、ならびに、
ポリビニルアセタール樹脂のモル数に対して1.0モル
%のヘキサメチレンジイソシアネート(イソシアネート
化合物)を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、
厚さ0.76mmの合わせガラス用中間膜を調製し、こ
の中間膜より実施例1と同様にして、合わせガラスを作
製した。
【0044】(実施例3)n−ブチルアルデヒドに代え
て、n−ヘキシルアルデヒド160gを使用したこと以
外は、実施例1と同様にして、アセタール化度56.2
モル%、酢酸ビニル成分10.3モル%のポリビニルア
セタール樹脂を調製した。上記ポリビニルアセタール樹
脂100重量部に対して、トリエチレングリコール−ジ
−エチルブチレート(可塑剤)40重量部、2−(2'-
ヒドロキシ−5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
(紫外線吸収剤)0.1重量部、BHT(酸化防止剤)
0.1重量部及びジブチル錫ジラウレート0.1重量
部、ならびに、ポリビニルアセタール樹脂のモル数に対
して1.5モル%のイソホロンジイソシアネート(イソ
シアネート化合物)を加えたこと以外は、実施例1と同
様にして、厚さ0.76mmの合わせガラス用中間膜を
調製し、この中間膜より実施例1と同様にして、合わせ
ガラスを作製した。
【0045】(実施例4)実施例1と同様にして得られ
たポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、ト
リエチレングリコール−ジ−エチルブチレート(可塑
剤)50重量部、2−(2'-ヒドロキシ−5'-メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)0.1重
量部、BHT(酸化防止剤)0.1重量部及びジブチル
錫ジラウレート0.1重量部、ならびに、ポリビニルア
セタール樹脂のモル数に対して0.5モル%のMDI
(イソシアネート化合物)を加えたこと以外は、実施例
1と同様にして、厚さ0.38mmの合わせガラス用中
間膜を調製し、この中間膜より実施例1と同様にして、
合わせガラスを作製した。
【0046】(比較例1)n−ブチルアルデヒドを12
3gを使用し、反応時間を4時間としたこと以外は、実
施例1と同様にして、アセタール化度65.9モル%、
酢酸ビニル成分0.9モル%のポリビニルアセタール樹
脂を調製した。上記ポリビニルアセタール樹脂100重
量部に対して、トリエチレングリコール−ジ−エチルブ
チレート(可塑剤)40重量部、2−(2'-ヒドロキシ
−5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸
収剤)0.1重量部、BHT(酸化防止剤)0.1重量
部及びジブチル錫ジラウレート0.1重量部を加え、ジ
イソシアネート化合物を全く加えなかったこと以外は、
実施例1と同様にして、厚さ0.76mmの合わせガラ
ス用中間膜を調製し、この中間膜より実施例1と同様に
して、合わせガラスを作製した。
【0047】(比較例2)比較例1と同様にして得られ
たポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、ト
リエチレングリコール−ジ−エチルブチレート(可塑
剤)40重量部、2−(2'-ヒドロキシ−5'-メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)0.1重
量部、BHT(酸化防止剤)0.1重量部及びジブチル
錫ジラウレート0.1重量部、ならびに、ポリビニルア
セタール樹脂のモル数に対して0.5モル%のヘキサメ
チレンジイソシアネート(イソシアネート化合物)を加
えたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.76
mmの合わせガラス用中間膜を調製し、この中間膜より
実施例1と同様にして、合わせガラスを作製した。
【0048】(比較例3)実施例1と同様にして得られ
たポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、ト
リエチレングリコール−ジ−エチルブチレート(可塑
剤)45重量部、2−(2'-ヒドロキシ−5'-メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)0.1重
量部、BHT(酸化防止剤)0.1重量部及びジブチル
錫ジラウレート0.1重量部、ならびに、ポリビニルア
セタール樹脂のモル数に対して5.0モル%のヘキサメ
チレンジイソシアネート(イソシアネート化合物)を加
えたこと以外は、実施例1と同様にして、合わせガラス
用中間膜を調製しようとしたが、架橋し過ぎて成膜が不
可能であった。
【0049】
【表1】
【0050】合わせガラスの性能評価 上記実施例及び比較例で得られたポリビニルアセタール
樹脂及び合わせガラスにつき、下記の測定を行い、その
結果を表1に示した。 (1)ポリビニルアセタール樹脂の組成 アセタール化度及びアセチル基量を、JIS K672
8「ポリビニルブチラール試験法」に準拠して測定し
た。このアセチル基量を酢酸ビニル成分の含有量とし
た。 (2)合わせガラスの耐貫通性試験 通常用いられているダンピング法により、損失係数と曲
げ剛性を求め透過損失を算出した。この結果から、コイ
ンシデンス効果による極小の透過損失をもってTL値と
した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の合わせガラス用中間膜の構成
は、上述の通りであり、常温付近の広い温度範囲で優れ
た遮音性能を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸ビニル含有量が8〜30モル%で、且
    つ、炭素数4〜6のアルデヒドでアセタール化されたポ
    リビニルアセタール樹脂100重量部、可塑剤30〜7
    0重量部ならびに分子中にイソシアネート基を2個以上
    含む多価イソシアネート化合物からなることを特徴とす
    る合わせガラス用中間膜。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303140A (ja) * 2003-08-22 2008-12-18 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008303140A (ja) * 2003-08-22 2008-12-18 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

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