JPH07329245A - 炭素−ガラス複合炭化シート部材およびその製造方法 - Google Patents

炭素−ガラス複合炭化シート部材およびその製造方法

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JPH07329245A
JPH07329245A JP12509394A JP12509394A JPH07329245A JP H07329245 A JPH07329245 A JP H07329245A JP 12509394 A JP12509394 A JP 12509394A JP 12509394 A JP12509394 A JP 12509394A JP H07329245 A JPH07329245 A JP H07329245A
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勝 志賀
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MOKUSHITSU FUKUGOU ZAIRYO GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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MOKUSHITSU FUKUGOU ZAIRYO GIJU
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • C03C14/004Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シート自体が優れた高強度を有する炭素−ガ
ラス複合炭化シート部材と、その製造方法を提供するこ
とである。 【構成】 本発明の炭素−ガラス複合シート部材は、ガ
ラス繊維基材から成るシート内に木炭とガラスがマトリ
ックス状に形成されていることを特徴とする。本発明の
炭素−ガラス複合シート部材の製造方法は、ガラス繊維
基材に木粉を付着させた後、焼成、炭化処理を施して、
ガラス繊維基材から成るシート内に木炭とガラスをマト
リックス状に形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素−ガラス複合炭化シ
ート部材に関し、更に詳しくは、 木炭の多孔質性を利用した吸音用壁或いは天井用部
材 スピーカー用振動部材 燃料電池用セパレータ部材 脱臭剤並びに臭気防止用マスク 抗菌・防菌用シート部材 油や有害物質等の吸着用部材 空気清浄用並びに排ガス浄化用フィルター 土壌改質用下地材 等の産業用材料として広く用いる炭素−ガラス複合炭化
シート部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、これら産業用材料に用いる炭化質
シート部材としては木粉に焼成処理を施して炭化させた
炭素質薄板が知られている。そして炭素質薄板を、木粉
から製造する場合には、次の2例(製造例A、製造例
B)に示すような工程で製造する。
【0003】製造例A 1) 先ず、スプルース、スギ、モミ、ツガ、ヒノキ、マ
ツ、竹等から成る粒度0.2〜0.6mmの木粉を炉内
で200〜800℃に焼成・炭化処理を施して、一旦粒
度0.05〜0.15mmの木炭粉末を作製する。 2) 作製された木炭粉末100重量部に、コークス、黒
鉛から成る炭素質フィラー150〜200重量部および
フェノール樹脂から成る熱硬化性バインダー60〜20
0重量部を混合し、混練する。 3) 混練を完了後、炭素質薄板の使用目的に合わせて縦
500〜900mm×横500〜900mm×厚さ2〜
5mmの薄板に成形加工する。 4) 上記薄板を80〜140℃に加熱し、硬化させた
後、再び炉内で500〜800℃に焼成・炭化処理を施
して、縦400〜700mm×横400〜700mm×
厚さ1.5〜3mmの炭素質薄板を作製する。
【0004】製造例B 1) 先ず、スプルース、スギ、モミ、ツガ、ヒノキ、マ
ツ、竹等から成る粒度0.2〜0.6mmの木粉を炉内
で200〜800℃に焼成・炭化処理を施して、一旦粒
度0.05〜0.15mmの木炭粉末を作製する。 2) 作製された木炭粉末100重量部に、コークス、黒
鉛から成る炭素質フィラー5〜40重量部および水から
成る分散媒500〜1000重量部を混合して液状のス
ラリーを作製する。 3) 作製されたスラリーから和紙を抄紙する要領で抄紙
して厚さ0.2mmシートを成形する。 4) 成形されたシートにバインダーとしてフェノール樹
脂を含浸処理して半硬化状態のシート状に成形する。 5) 成形された半硬化状態のシートを100〜120℃
に加熱して予備硬化させる。 6) 硬化されたシートを再び炉内で600〜800℃に
焼成・炭化処理を施して、縦500mm×横500mm
×厚さ0.1mmの炭素質薄板を作製する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の炭素質薄板の製
造方法では、炭素質薄板を得るまでの製造工程数が極め
て多く、当然のことながら、多大な労力とコストが必要
とされている。これらについて、以下に説明を加える。
【0006】1. 前記工程説明で明らかなように、従来
の製造工程においては、「焼成・炭化」処理工程を前後
2度行わなければならず、更に最終(2度目)の焼成・
炭化工程では薄板にソリ、ネジレ、割れ等が生じないよ
うにするために、焼成・炭化工程をおよそ20〜40時
間という長時間をかけなければならないという問題があ
ること、 2. また、ひとたび炭化した木炭粉末を薄板に形成する
ためには、高額な成形機や、或いは抄紙するための設備
導入が必要になるという問題があること、 3. このような工程で作製された薄板は、その後最終
(2度目)の焼成・炭化処理を施すことになるわけでは
あるが、その際、移動/運搬プロセスでは薄板に割れや
欠けが生じないようにしなければならず、そのためにバ
インダーとしてフェノール樹脂等の熱硬化型接着剤(バ
インダーとしては高価)で仮の圧締工程を行う必要があ
ること、 4. 更に決定的な弱点は、製造された木炭粉末から成る
薄板は他の素材での補強がなされていないため、非常に
脆く、用途に限界があること、等である。
【0007】本発明は、前記従来の炭素質薄板の問題点
を解消し、製造が容易で、低コストで、高強度の炭素質
薄板である、木炭−ガラス複合炭化シート部材と、その
製造方法を提供することを目的とする。即ち、(1)製造
に要する工程数の省略化、(2)焼成・炭化時間の短縮
化、(3)部材の高強度化、の3つの課題を解決すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素−ガラス複
合炭化シートおよびその製造方法は、従来の製造工程と
は全く発想が異なる手法を用いて解決を図ったものであ
る。即ち、本発明では、製造工程は、ガラス繊維基材と
木粉を貼着するという全く新しい発想によって、 1) シート用基材と木粉の貼着工程、 2) 焼成・炭化処理工程 の、僅か2工程で構成することが可能である。
【0009】つまり、従来の工程は、 木粉を焼成・炭化処理により一旦炭化して木炭粉末
とし、 それを固めて薄板の成形物とし、 更に再び、焼成・炭化処理を施す、 という工程であるため、多大な工程数と、不要な製造コ
ストが必要とされていたものであるが、本発明では、最
初の工程から薄板とすべくシート基材を用意し、その基
材の片面或いは両面に木粉を貼着するだけでシートが完
成し、その後はこのシートに焼成・炭化処理を施すだけ
で終了するという極めて容易なものである。
【0010】また、本発明の製造方法では、 木炭とガラス繊維がマトリックスを形成するため
に、焼成・炭化後であっても全く「ソリ、ねじれ、割
れ」が発生しないだけではなく、寸法安定性がよいこ
と、 焼成・炭化処理への移動/運搬プロセスにおいて
は、ガラス繊維基材から成るシート自体にフレキシビリ
テイがあるため、割れ、欠けが生じないこと、等も特徴
とすることが出来る。
【0011】本発明の炭素−ガラス複合シート部材は、
ガラス繊維基材から成るシート内に木炭とガラスがマト
リックス状に形成されていることを特徴とする。
【0012】本発明の炭素−ガラス複合シート部材の製
造方法は、ガラス繊維基材に木粉を付着させた後、焼
成、炭化処理を施して、ガラス繊維基材から成るシート
内に木炭とガラスをマトリックス状に形成することを特
徴とする。
【0013】また、前記木粉は木粉とバインダーとの混
合物としてもよい。
【0014】また、前記混合物の木粉とバインダーとの
混合比率は、木炭とバインダーを重量比で10:1〜
1:10としてもよい。
【0015】
【作用】ガラス繊維基材に木粉を付着させた後、焼成
し、炭化処理を施すために、焼成・炭化した木炭と溶融
したガラスはマトリックス状に形成された炭素−ガラス
の複合炭化シートとなる。
【0016】この炭素−ガラスの複合炭化シートは焼
成、炭化後であっても全くソリ、ねじれ、割れが発生し
ない。
【0017】また、ガラス繊維基材に木粉を付着させる
ようにしたので、ガラス繊維基材自体にフレキシビリテ
ィがあり、その後、焼成・炭化処理を施すべく移動/運
搬を行っても基材に割れ、欠けが生じない。
【0018】ガラス繊維基材に付着させる木粉として、
木粉とバインダーとの混合物を用いるときは、焼成、炭
化処理の処理前、および処理中にガラス繊維基材より木
粉の脱落或いは飛散がない。
【0019】
【実施例】本発明で用いるガラス繊維基材としては、そ
の表面に付着し、更には内部に木粉が入り込み、焼成・
炭化処理後、炭化した木炭と溶融したガラスがマトリッ
クス状に形成されるものであればよく、その構成として
は不織布、メッシュ状シート、格子状シート、平織り布
等が挙げられる。また、ガラス繊維基材は、木粉の付着
性、生産性、経済性等の理由から、厚さ0.1〜0.5
mm、重量25〜100g/m2、引張強度(タテ)
2.7〜8.0kg/15mm幅とする。
【0020】ガラス繊維基材に付着させる木粉として
は、木材の廃材、特に量的にまとまっていて樹種も明確
な間伐材、樹種を問わず、また、形状の不均一性を問わ
ず、有効に再利用することが出来て、焼成処理によって
炭化するものであればよく、スプルース、スギ、ヒノ
キ、ツガ、モミ等が挙げられる。また、木粉の粒度とし
ては、ガラス繊維基材への付着性、容易に炭化しやすい
点、廃材利用性、生産性、経済性等の理由から、0.1
〜1mm程度とする。
【0021】また、木粉をガラス繊維基材中に十分に付
着させ、更にその内部まで含浸せしめ、その後の焼成、
炭化処理までの間および焼成、炭化処理中にガラス繊維
基材より木粉が脱落、或いは飛散することを防止する観
点から、木粉とバインダーを混合させた混合物を用いる
ことがよい。そして、木粉と混合するバインダーとして
は、PVA(ポリビニルアルコール)、水性ビニルウレ
タン等が挙げられ、その混合比率は緻密な炭化シートが
必要な場合は木粉の比率を多くし、また、ポーラス
(疎)な炭化シートが必要な場合はバインダーの比率を
多くする等、作製する炭素−ガラス複合炭化シート部材
の炭化度合いにより適宜選択すればよく、その混合比率
は木粉とバインダーを重量比で10:1〜1:10程度
とする。
【0022】次に本発明の具体的実施例を比較例と共に
説明する。
【0023】実施例1 図1は本発明の炭素−ガラス複合炭化シートの製造方法
の1例の工程概略図である。
【0024】図1中、1は厚さ0.5mm、重量75g
/m2、引張強度(タテ)8.0kg/15mm幅の不
織布(株式会社日本バイリーン製、商品名キュムラス不
織布)から成るガラス繊維基材を示す。図示例では長尺
状のガラス繊維基材1を巻芯にロール状に巻き付けたも
のとした。
【0025】2は木粉とバインダーの混合物(液状)3
を収容せる含浸槽を示す。本実施例では木粉として粒度
0.1〜1mmで平均粒度0.5mmのスプルースを用
い、また、バインダーとして10%のPVA(ポリビニ
ルアルコール)を用い、木粉とバインダーの混合比率を
重量比で14.7:100(体積比で約60:100)
とした。
【0026】そして長尺状のガラス繊維基材1を巻き戻
しながら、含浸槽2内の木粉とバインダーの混合物(液
状)3中を通過させて、ガラス繊維基材1に木粉とバイ
ンダーの混合物3を付着させて木粉とバインダーの混合
物を付着させたシート4を作製した。
【0027】尚、含浸槽2内の通過時間はガラス繊維基
材への木粉の含浸状態を把握しながら2〜5分程度とし
た。
【0028】従って、ガラス繊維基材1が含浸槽2内の
木粉とバインダーの混合物3中を通過する際、ガラス繊
維基材1には混合物3が付着し、更にその内部まで含浸
付着することとなる。
【0029】5はガラス繊維基材1に木粉とバインダー
の混合物3を付着させて作製したシート4に焼成、炭化
処理を施す例えば電気炉を示す。電気炉5は温度勾配が
設けられており、ガラス繊維基材1の入り口側付近の室
温から徐々に昇温し、電気炉5中央付近では500〜8
00℃の高温度となり、出口に向かって降温するように
設定されている。電気炉5内雰囲気は空気遮断雰囲気が
必要とされるため、電気炉5の出入口には夫々窒素ガス
カーテンを設ければよい。
【0030】尚、木粉は炭化する際にタール分が大量に
含んだガスを発生するために、必然的に酸素濃度が1%
程度に低く押さえられるので、電気炉5の出入口での窒
素ガスの消費は大量にはならない。
【0031】そして、ガラス繊維基材1に木粉とバイン
ダーの混合物3を付着させて作製したシート4を、電気
炉内温度500〜800℃であって中央部分の温度を8
00±10℃に設定した電気炉5内を通過させながら、
木粉とバインダーに焼成・炭化処理を施して炭化せし
め、図1および図2に示すようなガラス繊維基材から成
るシート内に木粉の炭化した木炭6とガラス繊維の溶融
したガラス7がマトリックス状に形成された炭素−ガラ
ス複合炭化シート部材8を作製した。
【0032】尚、電気炉5内の通過時間は2時間とし
た。
【0033】そして、作製された炭素−ガラス複合炭化
シート部材8の強度を測定し、その結果を表1に示すと
共に、表1に本発明の炭素−ガラス複合炭化シート部材
の製造に要する工程数、炭化に要する時間を示した。
【0034】一般には作製された炭素−ガラス複合炭化
シート部材8は、その長さ、幅を用途に応じて所定寸法
に截断するようにした。
【0035】尚、図1中、9は含浸槽2の前後に配置し
たガイドロール、10は電気炉5の前後に配置したガイ
ドロールを夫々示す。
【0036】比較例1 図3は前記従来の製造例Aにおける炭化シート部材の製
造方法の工程概略図である。
【0037】先ず、スプルース材から成る粒度0.2〜
0.6mmで平均粒度0.4mmの木粉11を温度80
0℃に設定したマッフル炉12内で焼成・炭化処理を施
して粒度0.05〜0.15mmで平均粒度0.1mm
の木炭13粉末を作製した。尚、焼成・炭化処理時間は
2時間とした。
【0038】次に、木炭13粉末と、フィラー14と、
バインダー(アイカ株式会社製、商品名フェノール樹脂
P−70)15とを混合(重量)比率1:1.5:0.
6となるように計量し、これらを混合・混練機16内に
投入し、木炭と、フィラーと、バインダーとを混練した
後、押出し成形機から成る薄板製造機17内に投入し
た。
【0039】そして、薄板製造機(押出し成形機)17
の口金18より押出成形して厚さ2mm、幅500m
m、長さ500mmの薄板19に成形した。
【0040】成形された薄板19を入り口側付近の室温
から徐々に昇温し、炉中央付近では500〜800℃の
高温度となり、出口に向かって降温するように設定され
た電気炉20内を通過せしめて、薄板19に再び、焼成
・炭化処理を施して炭化シート21を作製する。電気炉
20内でのプロセスは、主に薄板19内の残存するフィ
ラーやバインダーを炭化するためである。これは、炭化
シート21内にフィラー、バインダー等の有機成分が残
存していると、製品としての使用温度条件等が限定され
てしまい、用途が限定されて不利となるからである。
【0041】尚、電気炉20内の通過時間は24時間と
した。
【0042】そして、作製された炭化シート21の強度
を測定し、その結果を表1に示すと共に、表1に製造法
Aにおける炭化シート部材の製造に要する工程数、炭化
に要する時間を示した。
【0043】比較例2 図4は従来の前記製造例Bにおける炭化シート部材の製
造方法の工程概略図である。
【0044】先ず、スプルース材から成る粒度0.2〜
0.6mmで平均粒度0.4mmの木粉31を温度80
0℃に設定したマッフル炉32内で焼成・炭化処理を施
して粒度0.05〜0.15mmで平均粒度0.1mm
の木炭33粉末を作製した。尚、焼成・炭化処理時間は
2時間とした。この木粉の焼成・炭化処理工程は前記比
較例1の木粉の炭化処理工程と同じである。
【0045】次に、木炭33粉末と、繊維質フィラー
と、分散媒として水とを混合(重量)比率1:0.2:
10となるように計量し、これらを混合したスラリー
(液状)34を作製した。
【0046】このスラリー34から和紙を抄紙する要領
で木炭−フィラーの薄板35を形成し、続いて、この薄
板35にバインダー(アイカ株式会社製、商品名フェノ
ール樹脂P−70)を含浸させた後、薄板35を上下1
対の熱圧プレス36間で半硬化処理を施して、半硬化状
態の薄板37を作製した。尚、熱圧プレス36で半硬化
状態の薄板37とするのは、半硬化させていないと、薄
板自体が非常に脆く、割れ、欠けが発生し易いために、
その後の製造作業が困難となるからである。
【0047】作製された半硬化状態の薄板37を入り口
側付近の室温から徐々に昇温し、炉中央付近では500
〜800℃の高温度となり、出口に向かって降温するよ
うに設定された電気炉38内を通過せしめて、薄板37
に再び、焼成・炭化処理を施して炭化シート39を作製
した。電気炉38内でのプロセスは、主に薄板37内の
残存するフィラーやバインダーを炭化するためである。
これは、炭化シート39内にフィラー、バインダー等の
有機成分が残存していると、製品としての使用温度条件
等が限定されてしまい、用途が限定されて不利となるか
らである。
【0048】尚、電気炉38内の通過時間は36時間と
した。また、この電気炉による焼成、炭化処理は前記比
較例1の電気炉による焼成、炭化処理と同じである。
【0049】そして、作製された炭化シート39の強度
を測定し、その結果を表1に示すと共に、表1に製造法
Bにおける炭化シート部材の製造に要する工程数、炭化
に要する時間を示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、本発明の実施例
では製造に要する工程数が少なく、また、炭化に要する
時間が極めて短いのに対し、従来法の比較例1,2は製
造に要する工程数が多いばかりではなく、炭化に要する
時間も極めて長い。また、本発明の実施例で作製された
炭化シートは優れた強度を有しているのに対し、従来法
の比較例1,2で作製された炭化シートの強度は極めて
低い。従って、本発明では高強度の炭素−ガラス複合炭
化シートを連続的に製造し得るメリットがあり、製造コ
ストの面からも極めて容易に安価に製造出来ることが分
かる。
【0052】一般にガラスの軟化点は、400〜500
℃程度である。また、木粉の焼成・炭化温度は、500
〜800℃であり、この温度域ではガラスが軟化、或い
は溶融を起こし始める。即ち、この焼成・炭化温度を適
宜設定し、その温度まで加熱することにより、木炭とガ
ラスのマトリックスが形成されることとなる。
【0053】木粉は、炭化して木炭と変化しても互いの
木炭粉同士が融着することがない(セラミック等では高
温に加熱されることにより原料粉の表面が溶け、互いの
粒子が溶融することによって、強固な結合が得られる:
これを焼結と称する)。従って、木粉とバインダー(バ
インダー自身も高温加熱により炭化するだけであるた
め)からのみから出来上がった炭化シートは、一般に強
度的には非常に脆いものである。
【0054】図5は本発明法で製造された炭素−ガラス
複合炭化シート部材を用いて作製した音響パネル41を
示す。該音響パネル41は背面板42と、炭素−ガラス
複合炭化シート部材43と、化粧板44の積層体であ
る。
【0055】図6は本発明法で製造された炭素−ガラス
複合炭化シート部材を用いて作製したスピーカーコーン
45を示す。該スピーカーコーン45は炭素−ガラス複
合炭化シート部材46で構成されている。
【0056】図7は本発明法で製造された炭素−ガラス
複合炭化シート部材を用いて作製した汚水の浄化フィル
タ47を示す。該浄化フィルタ47は炭素−ガラス複合
炭化シート部材48で構成で構成されており、汚水49
が洗浄フィルター47内を通過して浄化水50となって
得られる。
【0057】
【発明の効果】本発明の炭素−ガラス複合炭化シート部
材によるときは、木炭とガラスがマトリックス状に形成
されたシートであるため、炭素−ガラス複合炭化シート
自体が優れた高強度を有するから、従来の炭化シートで
は使用不可能であった、例えば建築部材等の産業用材料
として広く利用することが出来る等の効果を有する。
【0058】また、本発明の炭素−ガラス複合炭化シー
ト部材の製造方法によるときは、優れた高強度の炭素−
ガラス複合炭化シート部材を従来法に比して製造に要す
る工程数の省力化、焼成、炭化時間の短縮化を計ること
が出来て、該炭化シート部材を極めて容易に製造する方
法を提供する効果を有する。
【0059】ガラス繊維基材に付着させる木粉として、
木粉とバインダーとの混合物を用いるときは、焼成、炭
化処理の処理前、および処理中にガラス繊維基材より木
粉の脱落或いは飛散を防止することが出来ると共に、木
炭をガラスに強力に付着させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の炭素−ガラス複合炭化シート部材の
製造方法の1実施例の工程概略図、
【図2】 (A)は本発明の製造方法で作製された炭素
−ガラス複合炭化シート部材の1例の斜視図、(B)は
その要部の拡大截断面図、
【図3】 従来の炭化シートの製造方法の1例の工程概
略図、
【図4】 従来の炭化シートの製造方法の他例の工程概
略図、
【図5】 本発明の製造方法で作製された炭素−ガラス
複合炭化シート部材を用いて作製した音響パネル、
【図6】 本発明の製造方法で作製された炭素−ガラス
複合炭化シート部材を用いて作製したスピーカーコー
ン、
【図7】 本発明の製造方法で作製された炭素−ガラス
複合炭化シート部材を用いて作製したス浄化フィルタ。
【符号の説明】
1 ガラス繊維基材、 2 木粉、3 木粉とバ
インダーとの混合物、 5 電気炉、 6 木炭、
7 ガラス、 8 炭素−ガラス複合炭
化シート部材、41 音響パネル、 45 ス
ピーカーコーン、47 洗浄フィルタ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維基材から成るシート内に木炭
    とガラスがマトリックス状に形成されていることを特徴
    とする炭素−ガラス複合炭化シート部材。
  2. 【請求項2】 ガラス繊維基材に木粉を付着させた後、
    焼成、炭化処理を施してガラス繊維基材から成るシート
    内に木炭とガラスをマトリックス状に形成することを特
    徴とする炭素−ガラス複合炭化シート部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記木粉は木粉とバインダーとの混合物
    から成ることを特徴とする請求項第2項に記載の炭素−
    ガラス複合炭化シート部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混合物の木粉とバインダーとの混合
    比率は、木炭とバインダーを重量比で10:1〜1:1
    0としたことを特徴とする請求項第3項に記載の炭素−
    ガラス複合炭化シート部材の製造方法。
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