JPH07329054A - スライシングマシンのウエハ回収装置及びウエハ回収方法 - Google Patents

スライシングマシンのウエハ回収装置及びウエハ回収方法

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JPH07329054A
JPH07329054A JP13230494A JP13230494A JPH07329054A JP H07329054 A JPH07329054 A JP H07329054A JP 13230494 A JP13230494 A JP 13230494A JP 13230494 A JP13230494 A JP 13230494A JP H07329054 A JPH07329054 A JP H07329054A
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JP
Japan
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wafer
workpiece
inner peripheral
cutting
peripheral blade
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Application number
JP13230494A
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English (en)
Inventor
Seiichi Abe
誠一 安部
Taisuke Sekikawa
泰輔 関川
Misao Mori
美佐雄 森
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D5/00Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor
    • B28D5/0058Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material
    • B28D5/0082Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material for supporting, holding, feeding, conveying or discharging work
    • B28D5/0094Accessories specially adapted for use with machines for fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material for supporting, holding, feeding, conveying or discharging work the supporting or holding device being of the vacuum type

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断されたウエハの回収率を向上させる。 【構成】 コラム17で支持する内周刃2に対して、把
持手段16で把持する被加工物pを径方向に移動して、
インゴット13を切断する。把持手段16は、カーボン
ベッド14に未切断の残部14aを残して切断を終了
し、被加工物pを初期位置に戻す。吸着パッド61を有
する吸引手段54を、初期位置の被加工物pに対面する
位置に保持し、残部14aを残した静止状態のウエハ1
5を吸着する。高さ調整可能な残部切断手段18は、砥
石軸モータ23で砥石22を回転させつつ、送り軸モー
タ35で送り方向に移動して、残部14aを切り離すよ
うになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スライシングマシン
に配設され、インゴットから切り出されたウエハを回収
するためのウエハ回収装置及びウエハ回収方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のスライシングマシンの一例とし
て、図12及び図13に示すものがある。図12に示す
スライシングマシン1において、図示しないスピンドル
によって回転駆動させられるリング状の内周刃2は図示
しないコラムに装着され、その内周縁全周に亘って切刃
2aが形成されており、図ではその一部のみが断面とし
て示されている。コラムの内側には、ウエハ回収装置3
が配設されており、このウエハ回収装置3は、吸引手段
4とこの吸引手段4を上下動可能に支持する支持機構5
とを有している。ウエハ回収装置3の吸引手段4におい
て、支持機構5に一端が固定保持されたアーム6の他端
は吸引板7に固定され、この吸引板7の他方の面にはウ
エハを吸着させるための吸着パッド8が配設されてい
る。吸着パッド8は、図13に示すように、例えば4個
設けられ、吸引板7の略四角形状表面の各コーナー部に
取り付けられている。各吸着パッド8内の吸引口8a
は、支持機構5のアーム6を介して図示しない吸引機に
接続されている。これによって、各パッド8の吸引口8
aから空気を吸引してウエハを吸着できるようになって
いる。そして、支持機構5では、アーム6を支持する支
持部材10と、この支持部材10を上下方向に移動可能
に支持するすべり式スライド部材11とが設けられてい
る。
【0003】又、スライシングマシン1のカーボンベッ
ド14には、切断加工されるインゴット13が接着固定
されて、被加工物pを構成している。インゴット13は
その長手方向に沿う側面部分でカーボンベッド14に支
持された状態で把持手段16に支持されて、カーボンベ
ッド14を介して作動制御される。即ち、内周刃2の回
転軸線方向(A方向)の切断面領域内に送られ、次いで
内周刃2の径方向(B方向)に送られる。これによっ
て、回転駆動する内周刃2によってインゴット13はカ
ーボンベッド14と共に所定の厚さに切断されて、ウエ
ハ15が製造されることになっている。そして、被加工
物pを繰り返してA方向とB方向に往復作動させること
で、順次ウエハ15が製造される。ところで、このよう
なスライシングマシン1のウエハ回収装置3にあって
は、ウエハ15の回収ミスによる破損をできるだけ防止
して、ウエハ回収の歩留まりを上げるために、内周刃2
でインゴット13を切断する間、インゴット13の上下
動(B方向の運動)に追従させて、吸引手段4の支持部
材10を上下方向に往復移動させている。これによっ
て、吸着パッド8を、移動しながら切断されるウエハ1
5に常に対面させた状態に保持して、吸引口8aから吸
引し続けることで、ウエハ15が切り落とし前に自動的
に吸着パッド8に吸着され、切断後に吸引手段4で回収
されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなウエハ回収装置3にあっては、切断時にインゴット
13の上下動に応じて、吸引手段4を追従させて上下動
させなければならず、このため、ウエハ15と吸着パッ
ド8の位置のバランスが取りにくく、吸着と切断の動作
は確実性に劣るという問題がある。しかも、ウエハの吸
着を良くして効率よく回収するために、インゴットの切
断開始前に予め(インゴットの端面の代わりに)内周刃
2の面に対する吸着パッド8の角度等を測定して、吸着
パッド8が内周刃2と平行になるよう調整する必要があ
り、測定は隙間ゲージ等を用いて行われていた。しかし
ながら、隙間ゲージによる内周刃2と吸着パッド8との
間の隙間の測定を、インゴット13端面に対応する内周
刃2の全周に亘って行うことは困難であった。又、内周
刃2の位置ズレや作動によるたわみ等のために正確な測
定ができず、精密に平行に調整できなかった。
【0005】更に、ウエハ15が切断される時には、イ
ンゴット13は、内周刃2の上端側に移動した状態にあ
るためにコラムや内周刃2の陰になり、作業者は吸着時
にウエハ15表面に対する吸着パッド8の角度、姿勢を
視認できない。そのために、この点でも、ウエハ15に
対する吸着パッド8の吸着姿勢の調整等が精密にできな
いために、吸着パッド8によるウエハ15の吸着が十分
できず、ウエハ15が落下するなどして回収できない場
合もあった。以上のような理由のために、従来のスライ
シングマシンにおけるウエハ回収装置のウエハ回収率は
90数パーセントに留まっていた。そのため、被加工物
が、半導体ウエハ製造用のシリコンの単結晶インゴット
等、高価なものである場合、一層の回収率の向上が要求
されている。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みて、ウエ
ハの回収率を向上できて、ほぼ確実にウエハを回収でき
るようにしたスライシングマシンのウエハ回収装置を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるスライシン
グマシンのウエハ回収装置は、その回転軸線を中心にし
て回転駆動させられる内周刃に対して、この被加工物を
回転軸線と交差する方向に相対的に移動させることによ
ってウエハとして切断し、このウエハを吸引手段によっ
て吸着して回収するようにしたスライシングマシンにお
いて、被加工物の切断時に、被加工物の一部を残部とし
て未切断の状態に残してウエハの切断を終了させる駆動
手段と、残部が残された静止状態のウエハを吸着把持す
る吸引手段と、残部を切断する切刃を有する残部切断手
段と、が備えられていることを特徴とするものである。
【0008】又、被加工物は、インゴットの長手方向に
沿ってカーボンベッドが固着されて構成されており、残
部はこのカーボンベッドに形成されている。駆動手段
は、被加工物を把持する把持手段を移動させ、残部を残
した被加工物を所定の非切断位置に移動させる被加工物
駆動部である。又、駆動手段は、内周刃を保持する部材
を移動させ、残部を残して内周刃を所定の非切断位置に
移動させる内周刃駆動部であってもよい。本発明による
スライシングマシンのウエハ回収装置は、その回転軸線
を中心にして回転駆動させられる内周刃に対して、この
被加工物を回転軸線と交差する方向に相対的に移動させ
ることによってウエハとして切断し、このウエハを吸引
手段によって吸着して回収するようにしたスライシング
マシンのウエハ回収装置において、内周刃による被加工
物の切断に際して、被加工物の一部を残部として未切断
の状態に残してウエハの切断を一旦終了させる第1段階
の切断と、上記残部の切断を行う第2段階の切断とを行
う駆動手段と、残部が残された静止状態のウエハを吸着
把持する吸引手段と、が備えられていることを特徴とす
るものである。又、被加工物は、インゴットの長手方向
に沿ってカーボンベッドが固着されて構成されており、
残部はこのカーボンベッドに形成されていることを特徴
とする。
【0009】本発明によるスライシングマシンのウエハ
回収方法は、その回転軸線を中心にして回転駆動させら
れる内周刃に対して、この被加工物を回転軸線と交差す
る方向に相対的に移動させることによってウエハとして
切断し、このウエハを吸引手段によって吸着して回収す
るようにしたスライシングマシンのウエハ回収方法にお
いて、内周刃に対して被加工物を相対的に移動して被加
工物を切断し、被加工物の一部を残部として未切断の状
態に残して被加工物の切断を一旦終了し、残部が残され
た静止状態のウエハの端面を、吸引手段を作動して吸着
把持し、その後、残部を切断してウエハを被加工物から
切り離すようにしたことを特徴とするものである。
【0010】又、残部を切り残した被加工物は内周刃に
対して離間した非切断位置に相対的に戻され、この残部
は内周刃とは別個の残部切断手段によって切断されるよ
うにしたことを特徴とする。又、残部を切り残した状態
で内周刃に対する被加工物の相対移動は停止され、吸引
手段によってウエハが吸着された後、再度内周刃に対し
て被加工物が同一方向に相対移動することで残部が切断
されるようにしてもよい。また、被加工物は、インゴッ
トの長手方向に沿ってカーボンベッドが固着されて構成
されており、残部はこのカーボンベッドに形成されてい
ることを特徴とする。
【0011】又、本発明によるスライシングマシンのウ
エハ回収装置は、その回転軸線を中心にして回転駆動さ
せられる内周刃に対して、この被加工物を回転軸線と交
差する方向に相対的に移動させることによってウエハと
して切断し、このウエハを吸引手段によって吸着して回
収するようにしたスライシングマシンのウエハ回収装置
において、吸引手段は、エア吸引機によってウエハの表
面を吸着する吸着パッドを有すると共に、この吸着パッ
ドを支持する吸着プレートが球面運動可能なボール部に
連結されており、このボール部を球面運動可能に支持す
る受け部が支持機構に設けられ、このボール部を受け部
に対して固定する固定部材が備えられていて、吸着プレ
ートを任意の三次元的角度に調整して固定できるように
したことを特徴とする。又、吸着パッドは被加工物の端
面に当接するように角度調整される。
【0012】
【作用】回転駆動させられる内周刃に対して、駆動手段
によって被加工物を相対的に移動することで、被加工物
が内周刃で切断され、一部の残部を切り残した状態で駆
動手段によるウエハ切断動作を終了させるため、一部が
被加工物につながった状態のウエハは静止状態で吸引手
段によって確実に吸着保持でき、その後に残部を残部切
断手段で切断して、ウエハを完全に切り離し、回収す
る。
【0013】残部はカーボンベッド部分に形成されるか
ら、インゴットは内周刃で完全に切断されており、ウエ
ハの品質に悪影響を与えない。被加工物駆動部によっ
て、被加工物が移動させられ、内周刃は移動しない。内
周刃駆動部によって、内周刃が移動させられ、被加工物
は移動しない。内周刃に対して被加工物を相対移動して
切断する際、第1段階の切断でウエハを切断して残部を
未切断の状態に残し、そして静止状態のウエハを吸引手
段で吸着把持した後、第2段階として内周刃で残部を切
断する。
【0014】回転駆動させられる内周刃に対して、被加
工物を相対的に移動させることによってウエハとして切
断し、被加工物の残部を切り残して被加工物の切断を一
旦終了し、静止状態でウエハの端面を吸引手段で確実に
吸着把持し、その後、残部を切断してウエハを被加工物
から完全に切り離す。残部は残部切断手段で切断する。
残部は、内周刃に対して被加工物を再度相対移動するこ
とで切り離す。スライシングマシンの駆動に先だって、
吸引手段の吸着パッドの吸着角度等を、吸着が確実に行
われるよう、予め受け部に対してボール部を球面運動さ
せることで三次元的に調整して、固定部材で固定するよ
うにする。吸着パッドを被加工物の端面に当接させるこ
とで、これに平行になり、吸着角度の調整ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図9によ
り説明するが、上述の従来技術と同様の部分または部材
には同一の符号を用いてその説明を省略する。図1はウ
エハ回収装置の残部切断手段の平面図、図2は図1の連
結板部の拡大図、図3は図1の駆動部の拡大図、図4は
図1の残部切断手段をI方向から見た図、図5はウエハ
回収装置のアンローダー部を、その吸引手段を一部破断
して示す要部側面図、図6は図5の吸引手段を90度異
なる角度で見た要部側面図、図7は内周刃と吸着プレー
トの位置関係を示す図、図8は駆動系の要部ブロック
図、図9は残部を残した状態の被加工物切断状態を示す
断面図である。図1乃至4において、スライシングマシ
ン1のコラム17には、内周端全周に亘って切刃2aが
形成された内周刃2が取り付けられており、この内周刃
2は図示しない駆動モータによって回転して、送り込ま
れる被加工物pをウエハ15として切断するようになっ
ている。
【0016】本実施例では、把持手段16は、カーボン
ベッド14が切断方向最後端(下側)に取り付けられた
インゴット13を把持して内周刃2で切断させるよう駆
動制御する。この把持手段16は、ウエハ切断時に内周
刃2の径方向(矢印B方向)へ被加工物pを移動させる
際、被加工物全体が切り離されるまで移動させず、イン
ゴット13全体を切断した後、カーボンベッド14の下
側の一部に切り残し残部(以下、残部という)14aが
存在する位置で切削のための移動を終了させるように駆
動制御される(図9参照)。コラム17内には、このカ
ーボンベッド14の残部を切断するための残部切断手段
18が設けられている。この残部切断手段18は、図1
に示すように、切削部19と、駆動部20と、切削部1
9及び駆動部20を一体に連結して略階段状に形成され
た連結板部21と、駆動部20に取り付けられていて切
削部19の砥石22を回転作動させる砥石軸駆動モータ
23と、を有している。そして、残部切断手段18は、
駆動部20において、コラム17に対して水平移動可能
に支持されている。
【0017】切削部19において、内周刃2の回転軸線
方向に延在するハウジング25が設けられており、その
後端はチューブ26に内蔵された駆動ワイヤ等を介し
て、砥石軸駆動モータ23の出力軸に連結されている。
ハウジング25の先端には駆動ワイヤ等に直接または間
接的に連結された砥石シャフト27が設けられ、その先
端にカーボンベッド14の残部14aを切り落とすため
の上述した砥石22が固定されている。そして、切削部
19は内周刃2の回転軸線方向に配置され、砥石軸駆動
モータ23はこの回転軸線にほぼ直交する方向に配置さ
れており、砥石22は、砥石軸駆動モータ23の回転力
の伝達を受けて、しかも回転軸方向をほぼ90度変えて
回転駆動させられることになる。
【0018】又、切削部19には、クーラントノズル調
整器28が取り付けられており、この調整器28から管
を介して砥石22にクーラントが供給されるようになっ
ている。切削部19のハウジング25は、その一側部に
ハウジング25の長手方向に延びるフランジ29が固定
されており、このフランジ29と連結板部21の一端と
がスライドシリンダ31を介して接続されている。この
スライドシリンダ31は、図2の拡大図に示されている
ように、シリンダ本体32が連結板部21の一端に固定
されて、シリンダ本体32内にシリンダ筒32aが内周
刃2の回転軸線方向に進退自在に配設されている。又、
シリンダ筒32aの先端には、一端がフランジ29に連
結された位置決めブロック33が固着されている。この
スライドシリンダ31を作動制御することによって、切
削部19を砥石22が内周刃2の位置から引っ込んだ初
期位置(図1の実線位置)と、砥石22が内周刃2の面
上に位置する残部切断位置(図1の二点鎖線位置)との
間で進退させることができる。
【0019】図3の拡大図に示すように、連結板部21
の他端が連結された駆動部20のボディ34において、
連結板部21の反対側に、駆動部20を内周刃2の回転
軸線と直交する(水平)方向に送り移動させる送り軸モ
ータ35が取り付けられている。この送り軸モータ35
の出力側は、例えば図示しないボールネジに連結されて
おり、コラム17に固定されたボール(鋼球)と嵌合さ
せる等したカップリング構造によって、送り軸モータ3
5の回転力を送り方向の直線運動に変換できるようにな
っている。従って、送り軸モータ35によって、残部切
断手段18を内周刃の回転軸線と直交する方向に往復運
動させるようになっている。尚、この機構に代えて、送
り軸モータ35にピニオンを取り付け、コラム17上の
ラックに歯合させることで、同様な駆動を行わせてもよ
い。
【0020】又、駆動部20のボディ34は、上下方向
に位置する二対のガイド板37にその上下面を摺動可能
に挟持され、その送り往復運動がガイドされる。そし
て、このガイド板37を固着する可動板38には、駆動
部20と反対側の側面に蟻溝38aが形成されている。
一方、この蟻溝38aに対面するコラム17の側面に
は、蟻溝38aに嵌合する蟻部39aが形成された固定
板39が固着されている。そして、蟻部39aと蟻溝3
8aとが嵌合した状態で両者の間にわずかの幅の空間4
0が形成され、この空間40に進退可能なくさび状のス
ペーサ41が挿入されて、固定板39と可動板38が堅
固に固定されるようになっている。又、固定板39の上
部には、可動板38の上面領域に延びる支持板43が固
着されている。この支持板43の可動板38上に穿設さ
れた孔と同軸に、可動板38にネジ穴38bが形成され
(図4参照)、調整ネジ44の雄ネジ44aが可動板3
8の孔を介してネジ穴38bに螺合されている。
【0021】このため、固定板39の蟻部39aに対し
て可動板38の蟻溝38aが移動可能の状態にあれば、
調整ネジ44を回転操作することで、固定板39に対し
て可動板38を上下動させることができ、ガイド板37
を介して残部切断手段18を上下動させることができ
る。これにより、インゴット13の外径が異なる場合、
切削時のカーボンベッド14の残部14aの高さ位置が
異なることになるが、これに応じて残部切断手段18の
高さ調整ができることになる(図4参照)。次に、可動
板38の一側面には、所定角度範囲だけ往復動可能なレ
バー46が螺合状態で設けられており、レバー46は一
方の回動端から他方の回動端へ往復回動させられること
で、その先端が可動板38内で所定距離進退するように
なっている(図4参照)。そのため、レバー46の先端
を図示しない連動部材を介してスペーサ41に連動させ
ることで、スペーサ41を蟻部39aと蟻溝38aとの
隙間で進退させて、両者を締め込んだり緩めたりするこ
とができ、固定板39に対する可動板38の固定状態と
高さ調整可能状態とに切り替えることができることにな
る。
【0022】又、駆動部20のボディ34において、送
り軸モータ35とガイド板37との間にはブラケット4
8が固定されており、このブラケット48に設けられた
ナット部49に、駆動部20(残部切断手段18)の送
り範囲の一方の限界を設定するための、ネジ部を有する
第1ストッパ45が螺合されて、可動板38方向に突出
して固定されており、第1ストッパ45の頭部45aの
操作によって第1ストッパ45を進退させて、送り範囲
を増減調整できるようになっている。又、連結板21の
駆動部20との連結部付近には、可動板38を挟んで第
1ストッパ45と対向するように、ボディ34方向に沿
って第2ストッパ50が固定されている。第1及び第2
ストッパ45,50がそれぞれ可動板38に当接するこ
とによって、残部切断手段18の送り範囲が設定される
ことになる。
【0023】次に図5〜図7に基づいてアンローダー部
52を説明する。アンローダー部52は、上述の従来技
術と同様に、支持機構53の先端に吸引手段54が固定
保持されている。支持機構53は、支持アーム55と、
この支持アーム55に支持されていて吸引手段54で吸
着したウエハ15を次工程へ搬送するためのエアシリン
ダ56と、支持アーム55の先端に取り付けられていて
吸引手段54を受ける受け部57と、この受け部57及
びエアシリンダ56aを連結するナックルジョイント部
58とを有している。尚、このアンローダー部52は、
本実施例では切断時に被加工物pに追従して上下動しな
いので、従来技術のように、吸引手段54を上下方向に
移動可能に支持するすべり式スライド部材等は設けられ
ていない。又、吸引手段54において、吸着プレート6
0は例えば略正方形板状で、内周刃2側を向く先端面の
4つのコーナー部には、例えば円盤状の吸着パッド61
がそれぞれ取り付けられている。各吸着パッド61の中
央には、それぞれ吸引口61aが形成され、吸引口61
aから吸着プレート60の裏面側に接続される継ぎ手6
2を介して、図示しないエア吸引機に接続されるように
なっている。
【0024】又、吸着プレート60の裏面側は蛇腹状連
結部63を介してボールシャフト64に接続されてい
る。そして、このボールシャフト64のボール部64a
は、支持機構53の受け部57に形成された球面状の球
面凹部57aに、球面運動可能に嵌合されて、ボールジ
ョイント部を構成している。しかも、受け部57には、
外面とボール部64aとを固定する固定ネジ65が穿設
されている(図6参照)。そして、固定ネジ65を、受
け部57にボール部64aが押圧されるまで締め込むこ
とで、ボールシャフト64即ち吸着プレート60を任意
の三次元的な角度で固定できることになり、緩めれば、
吸着プレート60の三次元的な角度調整が可能になる。
【0025】本実施例の場合、図7から理解できるよう
に、内周刃2の回転軸線に対して上側の内周刃2a寄り
にずれた位置に、吸着プレート60等のアンローダー部
52が設けられている。被加工物pもこれに対向する位
置を初期位置として切断が開始される。又、図8は本実
施例によるウエハ回収装置の駆動系の要部ブロック図を
示すものであり、把持手段16を移動させる被加工物駆
動部16aは、制御手段67によって、その移動を制御
される。
【0026】本実施例によるスライシングマシンのウエ
ハ回収装置は、上述のような構成を有しており、つぎに
ウエハの回収方法について説明する。被加工物pとし
て、例えば、シリコンの単結晶インゴットを切断して半
導体ウエハを製造する場合について説明する。この円柱
状のインゴット13の外径として、5インチのものと6
インチのものがあるとして、一方を選択した場合、これ
に応じて残部切断手段18の高さを予め調節する。その
ために、先ずレバー46を回動させて、蟻部39aと蟻
溝部38aとの小幅の空間に嵌合されているスペーサ4
1を外して緩める。次いで、調整ネジ44を所定量だけ
回転操作させることで、コラム17に連結された固定板
39に対して所定距離だけ可動板38を上下動させる。
例えば、図4において、インゴット13が比較的大径
(6インチ)であれば、実線で示すようにアンローダー
部52から離れる方向の所定位置に、又、比較的小径
(5インチ)であれば、(一点鎖線で示すように)アン
ローダー部52に近付く方向の所定位置に、残部切断手
段18を移動させる。
【0027】このようにして、選択されたインゴット1
3の径に応じて、残部切断手段18を上下動させて、そ
の高さ調整が終了する。そして、レバー46を元の角度
位置に戻すことで、固定板39の蟻部39aと可動板3
8の蟻溝部38aとが、その位置でスペーサ41によっ
て堅固に固定される。
【0028】次に、インゴット13の長手方向の下端面
にカーボンベッド14が固着された被加工物pを把持手
段16で所定の高さ位置に把持して、初期位置に移動さ
せる(A方向)。次に、吸引手段54を移動して吸着パ
ッド61を被加工物端面に押しつける。この状態で、ボ
ールジョイント部の固定ネジ65を緩めて、受け部57
の球面凹部57aに対してボールシャフト64や吸着プ
レート60を含む吸引手段54を三次元的に任意角度に
回動させ、吸着プレート60の各吸着パッド61がすべ
てインゴット13の端面に当接した吸着状態となった
ら、その角度で固定ネジ65を締め付け、受け部57に
対してボールシャフト64を固定する。ここで、外径の
異なるインゴット13への交換に関わらず、アンローダ
ー部52の高さは変更されず、いずれの場合もウエハ1
5の中央部付近を吸着できるような吸着パッド61間の
寸法が設定されている。又、被加工物pの把持手段16
による把持高さも、被加工物pの切削開始点(即ち上端
部)がインゴット13の径に関わらず同一高さ位置にあ
るようになっている。
【0029】上述の調整が終了した後に、被加工物pの
切削を行う。把持手段16で把持された被加工物pは、
内周刃2の回転軸線方向に所定距離送られ、内周刃2の
切断領域面内の所定位置(初期位置)に至ると、今度は
この回転軸線方向に直交する内周刃2の径方向に送られ
る。この時、アンローダー部52は被加工物pの径方向
移動に追従することなく、図7に示す初期位置での停止
状態を維持する。そして、図示しない駆動モータによっ
て回転する内周刃2によって、被加工物pのインゴット
13は徐々に切断される。内周刃2によって、被加工物
の9割程が切り出される所定位置まで、被加工物pが切
刃2a側に移動すると、把持手段16による被加工物p
の切断のための移動が終了する。この状態で、被加工物
pは、図9に示されるように、インゴット13がウエハ
15として完全に切断され、カーボンベッド14の一部
が残部14aとして切断されずに残された状態にある。
この残部14aの厚みは、制御手段67による、被加工
物p切断のために設定された被加工物pの径方向移動距
離によって決定され、例えば20〜30μ程度のオーダ
ーに設定される。
【0030】次に、この被加工物pは把持手段16によ
って、初期位置に戻されて静止状態になる。ここで、制
御手段67によって、アンローダー部駆動部52aでア
ンローダー部52が回転軸線方向に移動させられて、吸
着プレート60の各吸着パッド61がウエハ15の一方
の面に押圧されて、確実にウエハ15を吸着した状態に
なる。そして、所定時間経過後に、残部切断手段18が
作動させられる。即ち、初期位置にある残部切断手段1
8は、図1に示すように、切削部19の砥石22が回転
軸線方向に引っ込んだ位置にあり、しかも水平方向送り
範囲の一方の端部に位置している。そして、スライドシ
リンダ31が駆動させられることで、シリンダ筒32a
がシリンダ本体32から回転軸線と平行な方向に所定距
離だけ繰り出され、そのため、切削部19が移動させら
れ、砥石22が残部切断位置に保持される。
【0031】次に、送り軸モータ35と砥石軸モータ2
3が駆動させられる。送り軸モータ35の駆動によっ
て、送り軸モータ35とボディ34とを含む駆動部20
が上下二対のガイド板37でガイドされて、送り方向
(図1で、矢印C方向)に送られ、残部切断手段18が
送られる。又、砥石軸モータ23の駆動によって、チュ
ーブ26、砥石シャフト27を介して砥石22が高速回
転させられる。従って、残部切断手段18の水平方向の
送り移動によって、被加工物pのカーボンベッド14の
残部14aは砥石22で切断される。この時、ウエハ1
5は既にアンローダー部52によって吸着されているか
ら、吸着ミス等が発生することもなく、吸着状態のウエ
ハ15は、残部14a切断後に確実に回収されることに
なる。
【0032】このようにして、被加工物pから、1枚の
ウエハ15の切断と吸着による回収工程が終了する。そ
の後、把持手段16によって、被加工物pを再度、A方
向とB方向に移動させて同一の工程が繰り返され、順
次、ウエハ15の切断と回収が行われる。
【0033】上述のように、本実施例によれば、ウエハ
切断のための被加工物pの移動に吸引手段54を追従さ
せてウエハ15を吸着するものではなく、静止状態のウ
エハ15を吸引手段54で吸着するようにしたから、吸
着作業をより簡単且つ確実に行うことができる。又、本
実施例の場合、内周刃2による被加工物pの切断残部1
4aはカーボンベッド14の部分であり、インゴット1
3は完全に切断されているので、ウエハの製品精度に悪
影響を与えない。しかも、吸引手段54の各吸着パッド
61の角度は予め三次元的に球面運動で調整できて、し
かも調整作業は被加工物pの端面に対して行われるか
ら、従来内周刃2に対して調整していた方法と比較し
て、より正確であり、回収時のウエハ15への吸着パッ
ド61の吸着が一層確実になる。更に、吸着プレート6
0の角度調整に際して、従来の方法のように内周刃2と
の隙間を隙間ゲージ等で測定したり、視認する必要もな
く、被加工物pの端面に吸着するように吸着パッド61
を押しつければ平行度が得られ、かつ、その調整もボー
ルジョイント部によって三次元的に簡単にしかも正確に
調整できる。このようにして、ウエハをよりいっそう確
実に回収できて、回収効率をほぼ100%に高めること
ができる。
【0034】尚、上述の実施例は、コラム17に保持さ
れた移動しない内周刃2に対して、被加工物pを内周刃
2の径方向に移動して、ウエハ15を切り出す方法に関
するものであるが、これに代えて、被加工物pを移動し
ないで静止状態に保持し、内周刃2をその径方向に移動
させてウエハ15を切り出す方法に、本発明を採用して
もよい。この場合、内周刃2は被加工物pの切断時にカ
ーボンベッド14の一部を残部14aとして切り残した
状態で、切断作業を終了して初期位置に復帰作動するこ
とになる。その後、吸引手段54でウエハ15を吸着し
て、残部切断手段18で残部14aを切断する。尚、こ
の変形例では、内周刃2は図8に示す内周刃駆動部2b
によって制御手段67で駆動制御される。
【0035】次に図10は本発明の第二実施例を示すも
のであり、本実施例においては残部切断手段18は用い
られていない。本第二実施例においては、被加工物pを
保持する把持手段16による内周刃2の径方向の移動距
離は、上述の従来技術と同一であるが、図8に示す駆動
系ブロック図の制御手段67によって、被加工物駆動部
16aで2段階に移動制御されるようになっている。即
ち、図10において、被加工物pが内周刃2の回転軸線
方向のウエハ切断用の所定位置にある二点鎖線で示す状
態を、初期位置とすると、第1段階においては、把持手
段16によって、被加工物pが内周刃2aの径方向(B
方向)に移動させられてウエハ15を切り出し且つ残部
14aを残してカーボンベッド14の一部を切断した位
置まで移動させられて、静止状態となる。そして、第2
段階においては、第1段階の終了位置から更に同一方向
に被加工物pが同一方向に移動させられて、カーボンベ
ッド14の残部14aを完全に切り落とした状態とな
る。
【0036】又、吸引手段54の吸着パッド61は、第
1段階終了位置にある被加工物pの端面に対面する位置
に保持されており、第1段階が終了した被加工物pのウ
エハ15の端面に吸着パッド61が吸着されるようにな
る。この状態から、アンローダー部52は第2段階を被
加工物pと一体に移動するように制御される。そのた
め、被加工物pの第2段階のストロークだけ、吸引手段
54がウエハ15に吸着された状態で被加工物pに追従
することになるため、図8に示すアンローダー部52の
アンローダー部駆動部52aとして、従来技術で述べ
た、すべり式スライド部材や空圧シリンダ等が設けられ
ていてもよい。
【0037】次に、本第二実施例のウエハ回収方法につ
いて説明する。把持手段16によって把持された被加工
物pは、図10で二点鎖線で示す初期位置までA方向に
送られる。次いで、径方向(図10ではB方向)に送ら
れて、内周刃2の内周刃2aによって徐々にインゴット
13部分が切断され、ウエハ15が完全に切断された
後、カーボンベッド14の一部を切断して被加工物pの
移動が停止させられる。これによって第1段階の切断作
業が終了となり、カーボンベッド14の残部が切り残さ
れている。この状態で、吸引手段54の吸着プレート6
0は切り出されたウエハ15に対面する位置にあり、ア
ンローダー部52の前進移動で吸着パッド61がこのウ
エハ15に確実に吸着される。次に、被加工物pは第1
段階から更に径方向(図10ではB方向)に送られ、回
転する内周刃2によってカーボンベッド14の残部14
aが切り落とされ、ウエハ15はインゴット13を含む
被加工物pから完全に切り離される。これによって第2
段階の切断作業が終了し、被加工物pは初期位置に戻さ
れ、ウエハ15はアンローダー部52によって次工程へ
運ばれる。
【0038】本実施例によれば、残部切断手段18がな
いから、ウエハ回収装置の構成がいっそう簡単になり、
しかも被加工物pの把持手段16の作動制御も単純化さ
れる等の利点がある。吸引手段54は第2段階で被加工
物pに追従するが、吸着後であるから、回収率に影響を
与えない。尚、第1段階で、被加工物pを移動して残部
14aを残してウエハを切断し、第2段階で内周刃2を
径方向に移動して残部14aを切断するようにしてもよ
い。これにより、アンローダー部52を径方向に追従さ
せることがなくなる。
【0039】図11は第二実施例の変形例を示すもので
あり、被加工物pの切断を、被加工物pを移動させず
に、内周刃2の径方向の移動によって行うものである。
本例においては、図11に示すように、内周刃2の面上
に位置する被加工物pに対して、二点鎖線で示す切断開
始前の位置を初期位置とする。そして、内周刃2が径方
向に移動して残部14aを残して被加工物pを切断す
る、実線で示す状態が第1段階の作動である。この後、
内周刃2の静止状態で、切断されたウエハ15の面に吸
引手段54の吸着パッド61が吸着される。この状態か
ら、更に第2段階として、内周刃2が径方向に移動させ
られて残部14aが切り落とされる。尚、内周刃2は図
8に示す内周刃駆動部2bによって制御手段67で駆動
制御される。本実施例の場合、第1及び第2段階の切断
時に移動するのは内周刃2だけであり、被加工物pや吸
引手段54は移動しないから、ウエハ回収装置の構成と
ウエハ15の切断及び回収作業がいっそう単純化し、作
動制御もいっそう容易になる。
【0040】
【発明の効果】上述のように、本発明に係るスライシン
グマシンのウエハ回収装置は、被加工物の切断時に、被
加工物の一部を残部として未切断の状態に残してウエハ
の切断を終了させる駆動手段と、残部が残された状態の
ウエハを吸着把持する吸引手段と、残部を切断する切刃
を有する残部切断手段とが備えられているものである。
又、本発明によるスライシングマシンのウエハ回収方法
は、内周刃に対して被加工物を相対的に移動して被加工
物を切断し、被加工物の一部を残部として未切断の状態
に残して被加工物の切断を一旦終了し、残部が残された
静止状態のウエハの端面を、吸引手段を作動して吸着把
持し、その後、残部を切断してウエハを被加工物から切
り離すようにしたものである。従って、被加工物の切断
のための移動に吸引手段を追従させてウエハを吸着する
必要がなく、静止状態のウエハを吸引手段で確実に吸着
でき、吸着作業をより簡単且つ確実に行うことができ、
ウエハをよりいっそう確実に回収できて、回収効率が非
常に高いという実用上重要な利点がある。しかも、吸引
手段の作動制御が簡単になる。又、被加工物の残部は、
カーボンベッドに形成されているから、内周刃による切
断時に残部が切り残されていても、インゴットは完全に
切断されており、ウエハの製品精度に悪影響を与えな
い。又、残部を切り残した状態で内周刃に対する被加工
物の相対移動は停止され、吸引手段によってウエハが吸
着された後、再度内周刃に対して被加工物が同一方向に
相対移動することで残部が切断されるようにしたから、
切断のための作動制御がいっそう単純化して、作業が容
易になると共にコストが低下する。
【0041】又、本発明によるスライシングマシンのウ
エハ回収装置は、内周刃による被加工物の切断に際し
て、被加工物の一部を残部として未切断の状態に残して
ウエハの切断を一旦終了させる第1段階の切断と、残部
の切断を行う第2段階の切断とを行う駆動手段と、残部
が残された静止状態のウエハを吸着把持する上記吸引手
段と、が備えられているから、上述の効果に加えて、ウ
エハ回収装置の構成と制御が比較的簡単になり、回収コ
ストがより低廉になる。又、本発明によるスライシング
マシンのウエハ回収装置は、吸引手段が、ウエハの表面
を吸着する吸着パッドを有すると共に、この吸着パッド
を支持する吸着プレートは球面運動可能なボール部に連
結されていて、このボール部を球面運動可能に支持する
受け部に対して固定する固定部材が備えられていて、吸
着プレートを任意の三次元的角度に調整して固定できる
ようにしたから、吸引手段の各吸着パッドの角度は予め
三次元的に球面運動で調整できて、しかも調整作業は被
加工物の端面に対して行われるから、従来内周刃に対し
て調整していた方法と比較して、回収時のウエハへの吸
着パッドの吸着動作が一層確実になり、ウエハをよりい
っそう確実に回収できて、回収効率が非常に高くなる。
更に、吸着プレートの角度調整に際して、従来の方法の
ように内周刃との隙間を隙間ゲージ等で測定したり、視
認する必要もなく、被加工物の端面に吸着するように吸
着パッドを押しつければよいのであり、かつ、その調整
もボールジョイント部によって三次元的に簡単にしかも
正確に調整できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例によるウエハ回収装置の残
部切断手段の平面図である。
【図2】図1のスライドシリンダ、フランジ及び連結板
部の拡大図である。
【図3】図1の残部切断手段の駆動部の拡大図である。
【図4】図1の残部切断手段をI方向から見た図であ
る。
【図5】ウエハ回収装置のアンローダー部を、その吸引
手段及びボールジョイント部を一部破断して示す要部側
面図である。
【図6】図5の吸引手段を下方から見た要部平面図であ
る。
【図7】内周刃と吸着プレートの位置関係を示す図であ
る。
【図8】駆動系の要部ブロック図である。
【図9】残部を残した状態の被加工物切断状態を示す断
面図である。
【図10】本発明の第二実施例を示す、被加工部と内周
刃と吸引手段との位置関係を示す図である。
【図11】本発明の第二実施例の変形例を示す、図10
と同様な図である。
【図12】従来のウエハ回収装置の要部構成図である。
【図13】図12の吸着パッドの正面図である。
【符号の説明】
2…内周刃、p…被加工物、13…インゴット、14…
カーボンベッド、14a…残部、16…把持手段、16
a…被加工物駆動部、17…コラム、18…残部切断手
段、52…アンローダー部、54…吸引手段、57…受
け部、60…吸着プレート、61…吸着パッド、64…
ボールシャフト、64a…受け部。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その回転軸線を中心にして回転駆動させら
    れる内周刃に対して、この被加工物を回転軸線と交差す
    る方向に相対的に移動させることによってウエハとして
    切断し、このウエハを吸引手段によって吸着して回収す
    るようにしたスライシングマシンのウエハ回収装置にお
    いて、 上記被加工物の切断時に、被加工物の一部を残部として
    未切断の状態に残して内周刃によるウエハの切断を終了
    させる駆動手段と、 上記残部が残された静止状態のウエハを吸着把持する上
    記吸引手段と、 上記残部を切断する切刃を有する残部切断手段と、が備
    えられていることを特徴とするウエハ回収装置。
  2. 【請求項2】上記被加工物は、インゴットの長手方向に
    沿ってカーボンベッドが固着されて構成されており、上
    記残部はこのカーボンベッドに形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のウエハ回収装置。
  3. 【請求項3】上記駆動手段は、被加工物を把持する把持
    手段を移動させ、残部を残した被加工物を所定の非切断
    位置に移動させる被加工物駆動部であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載のウエハ回収装置。
  4. 【請求項4】上記駆動手段は、内周刃を保持する部材を
    移動させ、上記残部を残して内周刃を所定の非切断位置
    に移動させる内周刃駆動部であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のウエハ回収装置。
  5. 【請求項5】その回転軸線を中心にして回転駆動させら
    れる内周刃に対して、この被加工物を回転軸線と交差す
    る方向に相対的に移動させることによってウエハとして
    切断し、このウエハを吸引手段によって吸着して回収す
    るようにしたスライシングマシンのウエハ回収装置にお
    いて、 上記内周刃による被加工物の切断に際して、被加工物の
    一部を残部として未切断の状態に残してウエハの切断を
    一旦終了させる第1段階の切断と、上記残部の切断を行
    う第2段階の切断とを行う駆動手段と、 上記残部が残された静止状態のウエハを吸着把持する上
    記吸引手段と、が備えられていることを特徴とするウエ
    ハ回収装置。
  6. 【請求項6】上記被加工物は、インゴットの長手方向に
    沿ってカーボンベッドが固着されて構成されており、上
    記残部はこのカーボンベッドに形成されていることを特
    徴とする請求項7に記載のウエハ回収装置。
  7. 【請求項7】その回転軸線を中心にして回転駆動させら
    れる内周刃に対して、この被加工物を回転軸線と交差す
    る方向に相対的に移動させることによってウエハとして
    切断し、このウエハを吸引手段によって吸着して回収す
    るようにしたスライシングマシンのウエハ回収方法にお
    いて、 上記内周刃に対して被加工物を相対的に移動して被加工
    物を切断し、被加工物の一部を残部として未切断の状態
    に残して被加工物の切断を一旦終了し、 上記残部が残された静止状態のウエハの端面を、上記吸
    引手段を作動して吸着把持し、 その後、残部を切断してウエハを被加工物から切り離す
    ようにしたことを特徴とするウエハ回収方法。
  8. 【請求項8】上記残部を切り残した被加工物は内周刃に
    対して離間した非切断位置に相対的に戻され、この残部
    は内周刃とは別個の残部切断手段によって切断されるよ
    うにしたことを特徴とする請求項7に記載のウエハ回収
    方法。
  9. 【請求項9】上記残部を切り残した状態で内周刃に対す
    る被加工物の相対移動は停止され、上記吸引手段によっ
    てウエハが吸着された後、再度内周刃に対して被加工物
    が同一方向に相対移動することで残部が切断されるよう
    にしたことを特徴とする請求項7に記載のウエハ回収方
    法。
  10. 【請求項10】上記被加工物は、インゴットの長手方向
    に沿ってカーボンベッドが固着されて構成されており、
    上記残部はこのカーボンベッドに形成されていることを
    特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のウエハ回
    収方法。
  11. 【請求項11】その回転軸線を中心にして回転駆動させ
    られる内周刃に対して、この被加工物を回転軸線と交差
    する方向に相対的に移動させることによってウエハとし
    て切断し、このウエハを吸引手段によって吸着して回収
    するようにしたスライシングマシンのウエハ回収装置に
    おいて、 上記吸引手段は、エア吸引機によってウエハの表面を吸
    着する吸着パッドを有すると共に、この吸着パッドを支
    持する吸着プレートが球面運動可能なボール部に連結さ
    れており、このボール部を球面運動可能に支持する受け
    部が支持機構に設けられ、このボール部を受け部に対し
    て固定する固定部材が備えられていて、吸着プレートを
    任意の三次元的角度に調整して固定できるようにしたこ
    とを特徴とするウエハ回収装置。
  12. 【請求項12】上記吸着パッドは被加工物の端面に当接
    するように角度調整されることを特徴とする請求項11
    に記載のウエハ回収装置。
JP13230494A 1994-06-14 1994-06-14 スライシングマシンのウエハ回収装置及びウエハ回収方法 Pending JPH07329054A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6776841B2 (en) 2001-10-30 2004-08-17 Hynix Semiconductor Inc. Method for fabricating a semiconductor epitaxial wafer having doped carbon and a semiconductor epitaxial wafer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6776841B2 (en) 2001-10-30 2004-08-17 Hynix Semiconductor Inc. Method for fabricating a semiconductor epitaxial wafer having doped carbon and a semiconductor epitaxial wafer

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