JPH07326495A - マイクロ波プラズマ発生装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ発生装置

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JPH07326495A
JPH07326495A JP6116659A JP11665994A JPH07326495A JP H07326495 A JPH07326495 A JP H07326495A JP 6116659 A JP6116659 A JP 6116659A JP 11665994 A JP11665994 A JP 11665994A JP H07326495 A JPH07326495 A JP H07326495A
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Japan
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plasma
magnets
container
discharge vessel
magnetic field
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JP6116659A
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Kiyoshi Hashimoto
清 橋本
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 略一様な分布の密度で大面積のプラズマやビ
ームの引き出しが行えるようにしたマイクロ波プラズマ
発生装置を提供する。 【構成】 マイクロ波を導入し内部にプラズマを生成す
る放電容器22に、これを取り囲むように第1、第2、
第3の永久磁石23,24,25が引き出し方向に互い
に離間して配設されていて、各永久磁石が着磁方向を引
き出し方向の交差方向とし且つ隣接するものの極性を相
反する向きとするよう着磁されているので、引き出し方
向の上方側の第1、第2の永久磁石23,24で放電容
器22内にプラズマを生成するための磁場を形成する。
そして引き出し方向の最下方の第3の永久磁石25の起
磁力を第1、第2の永久磁石23,24よりも弱いもの
とし、放電容器22の引き出し開口26部分を広い範囲
にわたり弱磁場とする。これにより引き出し開口26部
分でのプラズマの密度を略一様な分布とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波プラズマ発
生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、マイクロ波放電は磁場があ
る場合により効率よく放電する。特にマイクロ波の角周
波数がωであり、磁場の強さがBであって ω=e・B/m e:電荷素量 m:電子の質量 の条件を満たす関係にあるときには、電子サイクロトロ
ン共鳴(ECR)が起こり効率的にプラズマの生成が行
われる。例えば、マイクロ波の周波数を工業的に汎用さ
れている2.45GHzとした場合には共鳴磁場の強さ
は875Gである。
【0003】このような2.45GHzのマイクロ波を
用いECRを利用するマイクロ波イオン源は、従来、放
電容器が直径1〜5cm程度の大きさに構成された半導
体装置の製造や材料の解析等に用いられていた。すなわ
ち、ECRを利用したマイクロ波イオン源は低圧力で放
電が発生し、維持できることで10-5〜10-4Torr
台の1010〜1011cm-3の密度のプラズマ生成に利用
されることが多く、このような領域の放電では電子の平
均自由行程が1〜2m程度と放電容器の大きさに比べて
充分長く、放電容器内に一様な密度のプラズマを生成す
ることはそれほど困難ではなかった。
【0004】一方、核融合に用いられるNBI(Neu
tral Beam Injection:中性粒子入
射)イオン源に用いる場合のように、大きな電流容量が
要求されるようなものでは、生成されるプラズマを密度
を高くすると共にイオン引き出し電極を大きくして引き
出すイオンの量を多くしなければならず、放電容器の大
きさも直径が10〜20cm以上のものとなってくる。
【0005】以下、マイクロ波プラズマ発生装置の一つ
であるマイクロ波イオン源の従来例について図6を参照
して説明する。図6はマイクロ波イオン源の概略断面図
である。なお、説明を簡単にするために、紙面上の左右
方向にX軸を取り、上下方向にY軸を取り、さらに紙面
に垂直な方向にZ軸を取り、原点は放電容器の中心面P
におき、また放電容器はZ軸方向には無限長と仮定して
説明を行う。
【0006】図6において、1はマイクロ波イオン源
で、これは放電容器2と、この放電容器2の外壁面にこ
れを取り囲むようにしてY軸方向に略等間隔に配設した
4つの永久磁石3,4,5,6を備えて構成され、2a
は放電容器2の内壁である。4つの永久磁石3,4,
5,6はそれぞれ着磁方向がX軸方向であって、隣接す
るものが相反する向きとなるように着磁されている。こ
れにより放電容器2内の磁力線7は、図に示すように隣
接する磁石の間に渡るように形成される。
【0007】また、放電容器2の閉塞された上端面には
内部に周波数が2.45GHzのマイクロ波を導入する
導波管8が開口するように設けてあり、放電容器2の開
口した下端面には複数の引き出し電極9がそれぞれの間
に絶縁材10を介在させて取着されており、引き出し電
極9に所定の電圧を印加することによって内部に生成さ
れたプラズマからイオンが引き出される。さらに放電容
器2には、図示しないが内部にプラズマを生成するため
のガス、例えば水素ガスを導入するガス導入口が設けら
れている。
【0008】そしてNBIイオン源に用いるような場合
は、より密度の高い1012cm-3以上のプラズマを放電
容器2内に生成する必要があり、このためには放電容器
2の内部の圧力を10-3Torr台として放電を行うこ
とが必要になる。
【0009】このようなガス圧領域では電子の平均自由
行程が放電容器2の大きさ程度か、あるいはそれ以下に
なる。電子の平均自由行程が短くなると生成されたプラ
ズマは局在化するようになり、ECR条件を利用する場
合には共鳴磁場領域にプラズマが集中することになる。
【0010】4個の永久磁石3,4,5,6を配置して
ECR条件を利用する本例では放電容器2の内壁2a付
近の磁場が強く、中心面P付近での磁場は弱いものとな
っていて、放電容器2内には中心面P近傍に殆ど無磁場
に近い磁場強度の領域が形成される。
【0011】このため、放電容器2の中心面P付近での
プラズマ密度を高くしようとする場合には、拡散によっ
てプラズマを中心面P付近にまで移動させなければなら
ないが、プラズマの拡散係数は、それが横切って行かな
ければならない磁場の強さの程度によって変わる。すな
わち、本例ではマイクロ波の周波数が2.45GHz
で、875Gの強磁場の共鳴磁場を横切らなければなら
ず、このときの拡散係数は必然的に小さくなってしま
う。
【0012】その結果、プラズマは放電容器2の内壁2
a近傍に閉じ込められることになり、放電容器2内の中
心面P近傍の無磁場に近い磁場強度の領域部分にプラズ
マが閉じ込められることがなく、放電容器2の中心面P
付近のプラズマ密度を高くすることが困難な状況にあっ
た。このため放電容器2内から引き出し電極9を介しマ
イクロ波イオン源1の外へと引き出せるイオンの密度は
低く、電流量も少なく、より多くの電流が取り出せるも
のが求められていた。
【0013】このような要求に対して本出願人は、比較
例として図7乃至図9に示す装置を提案している。以
下、この比較例を図7乃至図9により説明する。図7は
マイクロ波イオン源の概略断面図であり、図8は磁場計
算による磁場ベクトルを示すベクトル図であり、図9は
磁場計算による放電容器内部に面した引き出し電極上で
の磁束密度分布を示す分布図である。
【0014】図7乃至図9において、11はマイクロ波
イオン源で、これは放電容器2の外壁面にこれを取り囲
みY軸方向に離間するよう配設した一対の永久磁石1
2,13を備え、引き出し電極9側の永久磁石13が引
き出し電極9に対して所定間隔を有するように設けて構
成される。そして、これらの永久磁石12,13は着磁
方向がX軸方向で、相反する向きに着磁され、放電容器
2内の磁力線14は図に示すように隣接する磁石の間に
渡るように形成される。
【0015】このように構成されたものでは、放電容器
2内にプラズマを生成するためのガス、例えば水素ガス
を導入すると共に、導波管8から周波数が2.45GH
zのマイクロ波を導入してプラズマを生成する。そし
て、引き出し電極9に所定の電圧を印加することによっ
て放電容器2の内部に生成されたプラズマからイオンが
引き出される。
【0016】このとき、永久磁石12,13がイオンを
引き出す方向(Y軸方向)に離間するよう配設されてい
るので、放電容器2の内壁2a付近の磁場は、永久磁石
12,13が取り付けられた部位近傍の限られた部位を
除き弱いものとなる。また一対の永久磁石12,13に
より形成される磁力線14が放電容器2の中心面P方向
に張り出すものであるため、プラズマの生成が内壁2a
付近に局在化するものでなく中心面P近傍でも生成され
る。そしてプラズマの拡散係数も大きくなってプラズマ
密度が放電容器2内の中心面P近傍で増大し、高電流密
度のイオン引き出しが行えるようになる。
【0017】しかし、さらにイオン源を大型化して大面
積のビームを引き出そうとする場合には、引き出し電極
9の近傍における磁場は弱磁場あるいは無磁場に近い一
様な領域となっていることがより必要となってくる。
【0018】ここで、図7に示したものについての磁場
計算結果を説明する。磁場計算は、放電容器2のX軸方
向の内幅寸法が25cmで、一対の永久磁石12,13
は同じ大きさのもので、それらのX軸方向及びY軸方向
の断面長さが16cm及び5.5cmで、共にSmCo
で形成され、さらに2つの永久磁石12,13は、Y軸
方向に5.5cmの間隔で配設されているものとして行
った。
【0019】この磁場計算による磁場ベクトルは図8に
示す通りのものとなっており、矢印の示す方向がその部
分での磁場の方向を示し、矢印の長さが磁束密度の大き
さを表していて、磁束密度が非常に大きいところについ
ては記載を省略している。なお、永久磁石12,13中
の矢印は各磁石の着磁方向を示している。また、放電容
器2の内部に面した引き出し電極9上での電極面に沿っ
た磁束密度の分布は図9に示す通りのものとなってい
る。
【0020】図8及び図9に示されたものから明らかで
あるように、磁束密度は放電容器2の中心面で最小とな
っていて、内壁2aに近付くにしたがい大きくなる。こ
の様な磁場分布の場合には、引き出し電極9近くのプラ
ズマ密度は略一様な分布とはならない。
【0021】したがって、引き出されるイオン・ビーム
も空間的に一様なビームとはならず局在化してしまい、
マイクロ波イオン源を大型化して大面積のビームを引き
出すことができない。ビームの大面積化を行うには、引
き出し電極9付近の磁場分布を、さらに一様に近い状態
にする必要がある。
【0022】また、上述のマイクロ波イオン源に限ら
ず、例えば放電容器2の開口した下端面に配置した引き
出し電極9に替えて試料を配置し、この試料にプラズマ
の照射を行うようにした半導体製造装置や化学処理装置
などのマイクロ波プラズマ源においても同様に、試料の
大形化や効率的な照射等が行えるように、装置を大型化
し大面積のプラズマが得られるようにしたマイクロ波プ
ラズマ発生装置の実現が望まれている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術等にお
いては外部にプラズマや粒子を取り出す放電容器の開口
近傍でのプラズマ密度は略一様な分布とならず、装置を
大型化し大面積のプラズマやビームを引き出すことがで
きなかった。このような状況に鑑みて本発明はなされた
もので、その目的とするところは装置を大型化すること
ができ、また大型化しても放電容器の引き出し部分での
プラズマ密度が略一様な分布であって、大面積のプラズ
マやビームの引き出しが行えるようにしたマイクロ波プ
ラズマ発生装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明のマイクロ波プラ
ズマ発生装置は、放電容器の内部にマイクロ波を導入し
てプラズマを生成し、生成したプラズマあるいはプラズ
マの粒子を放電容器外へ引き出すよう構成されたマイク
ロ波プラズマ発生装置において、放電容器には該放電容
器を取り囲むように3つの永久磁石が引き出し方向に互
いに離間して配設されていると共に、永久磁石は着磁方
向が引き出し方向の交差方向であって且つ隣接するもの
の極性が相反する向きとなるように着磁されていること
を特徴とするものである。
【0025】また、引き出し方向の最下方側位置に配設
された永久磁石が、他の永久磁石よりも小さな起磁力を
有するものであることを特徴とするものである。
【0026】また、放電容器が取出し開口を有すると共
に、引き出し方向の最下方側位置の永久磁石が取出し開
口の近傍に配設されていることを特徴とするものであ
る。
【0027】
【作用】上記のように構成されたマイクロ波プラズマ発
生装置は、マイクロ波を導入して内部にプラズマを生成
する放電容器に、これを取り囲むように3つの永久磁石
が引き出し方向に互いに離間して配設されていると共
に、各永久磁石が着磁方向を引き出し方向の交差方向と
し且つ隣接するものの極性を相反する向きとするよう着
磁されているので、引き出し方向の上方側の2つの永久
磁石で放電容器内にプラズマを生成することができる磁
場を形成する。そして引き出し方向の最下方の永久磁石
の起磁力を他の2つの永久磁石と異なるように設定する
ことで、放電容器の引き出し部分での磁場をプラズマを
生成する領域での磁場と異ならせ、引き出し部分で広い
範囲にわたりプラズマの密度が略一様な分布となるよう
にする。このようにすることで、装置を大型化したもの
でも放電容器から引き出すプラズマ密度を略一様な分布
とすることができ、大面積のプラズマやビームの引き出
しが行えるようになる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。先ず、第1の実施例のマイクロ波プラズマ発生装
置のひとつであるマイクロ波イオン源を図1乃至図4に
より説明する。図1はマイクロ波イオン源の概略縦断面
図であり、図2は一部を縦断面で示す斜視図であり、図
3は磁場計算による磁場ベクトルを示すベクトル図であ
り、図4は磁場計算による放電容器内部に面した引き出
し電極上での磁束密度分布を示す分布図である。
【0029】図1乃至図4において、21はマイクロ波
イオン源で、これは内幅寸法が25cm、内高寸法が2
5cmの角筒状の放電容器22と、この放電容器22の
外壁面にこれを取り囲むように高さ方向(図1における
上下方向)に離間して配設された第1、第2、第3の永
久磁石23,24,25を備えて構成されており、22
aは放電容器22の内壁である。
【0030】そして、第1、第2、第3の永久磁石2
3,24,25はSmCoで形成され、上方側に位置す
る第1、第2の永久磁石23,24は断面形状が幅寸法
16cm、厚さ寸法5.5cmとなっていて、両永久磁
石23,24の上下方向の離間間隔が5.5cmとなっ
ている。また最下方に位置する第3の永久磁石25は断
面形状が幅寸法2.5cm、厚さ寸法4cmとなってい
て、上方に位置する第2の永久磁石24との離間間隔が
1.5cmとなっている。
【0031】さらに第1、第2、第3の永久磁石23,
24,25は、隣接する磁石相互間の極性が相反する向
きに着磁されていると共に、それぞれの離間配設方向の
交差方向(図1における左右方向)に着磁されている。
そして、第3の永久磁石25は放電容器22の下端部の
取り出し開口26の近傍に設けられている。
【0032】これにより放電容器22内には、磁力線2
7が模式的に図1に示すように隣接する磁石の間に渡る
ように形成される。すなわち、第1、第2の永久磁石2
3,24による放電容器22内の磁力線27は大きく中
心部方向に張り出すようなものとなっている。これに対
し第2、第3の永久磁石24,25による放電容器22
内の磁力線27は、第3の永久磁石25の着磁方向長さ
が短いために中心部方向の張り出しは少ないものとなっ
ている。
【0033】このため、875ガウスの強磁場は2つの
第1、第2の永久磁石23,24が設けられている放電
容器22の内壁22aに極めて近い部分に存在すること
になる。また放電容器22の中央付近の磁場の強さは5
00ガウス程度となっている。
【0034】さらに、放電容器22の閉塞された上端面
には内部に2.45GHzのマイクロ波を導入する導入
口28が形成されており、この導入口28には図示しな
い単一または複数のマイクロ波発振源に片端部が接続さ
れた導波管29の他端部が接続されている。さらに放電
容器22の下端部の取り出し開口26には、引き出し孔
30が形成された複数の引き出し電極31がそれぞれの
間に絶縁材32を介在させて取着されている。
【0035】そして引き出し電極31には図示しない電
源が接続されていて、それぞれに所定の電圧が印加され
るようになっている。なお放電容器22には、図示しな
いが内部にプラズマを生成するためのガス、例えば水素
ガスを導入するガス導入口が設けられている。
【0036】このように構成されたものでは、プラズマ
を生成するに際し放電容器22の内部が10-3Torr
台の内部圧力に保たれ、プラズマ生成ガスである例えば
水素ガスの導入が行われ、導入口28から周波数が2.
45GHzのマイクロ波の導入がなされてプラズマを生
成する。そして、引き出し電極31に所定の電圧を印加
することによって放電容器22の内部に生成されたプラ
ズマからイオンが引き出される。
【0037】この時の放電容器22内の磁場の様子は、
図3に示す磁場ベクトルのベクトル図の通りのものとな
っている。これは説明を簡単にするために、紙面上の左
右方向にX軸を取り、上下方向にY軸を取り、さらに紙
面に垂直な方向にZ軸を取り、原点は放電容器22の中
心面におき、また放電容器22はZ軸方向には無限長と
仮定して磁場計算を行っている。そして磁場の方向を矢
印方向とし磁場の強さを矢印の長さとし、磁束密度が非
常に大きいところについては記載を省略して表してい
る。また、図4は同じ磁場計算による放電容器22内部
に面した引き出し電極31上での電極面に沿った磁束密
度分布を示す分布図である。
【0038】そして、第1、第2の永久磁石23,24
がイオンを引き出す方向(上下方向)に離間して配設さ
れているので、放電容器22の内壁22a付近の磁場
は、第1、第2の永久磁石23,24が取り付けられた
部位近傍の限られた部位を除き弱いものとなり、また両
永久磁石23,24により形成される磁力線27が放電
容器22の中心面方向に張り出すものであるため、プラ
ズマの生成が内壁22a付近に局在化するものでなく中
心面近傍でも生成される。
【0039】さらに、第3の永久磁石25が放電容器2
2の取り出し開口26の近傍であると共に引き出し方向
の最下方側の位置に設けられているので、第2の永久磁
石24から放出された磁力線のうち、引き出し方向の下
方側に張り出していた磁力線27は第3の永久磁石25
に引き寄せられ、放電容器22の中心面近くには至らな
いことになる。その結果、引き出し電極31が配設され
た放電容器22の取り出し開口26の近くに、弱磁場領
域が大きく広がることになる。
【0040】この様子は、図4に放電容器22の内部に
面した引き出し電極31上での磁束密度分布を示した分
布図のように、磁束密度が50ガウス以下の弱磁場領域
が、左右方向に約20cm(X−Y面内で)にわたって
確保されている。
【0041】また、第3の永久磁石25を着磁方向長さ
の短い磁石で構成したため、放電容器22の中央部付近
への影響は小さく、中央部付近での磁束密度は500ガ
ウス程度となっていて、マイクロ波と相互作用して高密
度のプラズマを生成するに充分な磁束密度が保たれてい
る。このような磁場分布の場合には、放電容器22の内
部に面した引き出し電極31付近でのプラズマ密度も、
略一様な分布となる。以上のように本実施例によれば、
放電容器22の中央部付近の磁場にほとんど影響を与え
ることなしに、放電容器22の内部に面した引き出し電
極31近傍を略一様な弱磁場領域とすることができ、引
き出し電極31の近傍に一様な密度分布の大面積のプラ
ズマを得ることができる。
【0042】次に、第2の実施例のマイクロ波プラズマ
発生装置のひとつである半導体製造装置や化学処理装置
などのマイクロ波プラズマ源を図5により説明する。図
5はマイクロ波プラズマ源の概略縦断面図である。
【0043】図5において、41はマイクロ波プラズマ
源で、これは放電容器42と下容器43とによって形成
された角筒状の本体44に、放電容器42の外壁面にこ
れを外壁面を取り囲むように高さ方向(図5における上
下方向)に離間して配設された第1、第2、第3の永久
磁石45,46,47を備え、下容器43内に試料の半
導体基板48等の載置台49を備えて構成されている。
【0044】第1、第2、第3の永久磁石45,46,
47はSmCoで形成され、上方側に位置する第1、第
2の永久磁石45,46の断面形状は、最下方に位置す
る第3の永久磁石47よりも幅及び厚さ共に寸法が大き
なものとなっている。
【0045】そして第1、第2、第3の永久磁石45,
46,47は、上方側に位置する第1、第2の永久磁石
45,46の上下方向の離間間隔が、最下方に位置する
第3の永久磁石47と第2の永久磁石46との離間間隔
よりも大きく取ってあり、第3の永久磁石47は放電容
器42の下端開口50の近傍に設けられている。
【0046】さらに第1、第2、第3の永久磁石45,
46,47は、隣接する磁石相互間の極性が相反する向
きに着磁されていると共に、それぞれの離間配設方向の
交差方向(図5における左右方向)に着磁されている。
【0047】これにより放電容器42内には、磁力線5
1が模式的に図5に示すように隣接する磁石の間に渡る
ように形成される。すなわち、第1、第2の永久磁石4
5,46による放電容器42内の磁力線51は大きく中
心部方向に張り出すようなものとなっている。これに対
し第2、第3の永久磁石46,47による放電容器42
内の磁力線51は、第3の永久磁石47の着磁方向長さ
が短いために中心部方向の張り出しは少ないものとなっ
ている。
【0048】そして、放電容器42の中央部付近の磁場
の強さは、マイクロ波と相互作用して高密度のプラズマ
を生成するに充分な磁束密度が保たれ、また強磁場は2
つの第1、第2の永久磁石45,46が設けられている
放電容器42の内壁面に極めて近い部分に存在すること
になる。
【0049】また放電容器42の下端開口50には、絶
縁部材52を介在させるようにして下容器43の上端開
口53が気密に取着されている。さらに放電容器42の
上端を閉塞する上端板には、本体44の内部に2.45
GHzのマイクロ波を導入する導入口28が形成されて
おり、この導入口28には図示しないマイクロ波発振源
に片端部が接続された導波管29の他端部が接続されて
いる。
【0050】またさらに下容器43の下部には排出口5
4が形成されており、この排出口54には本体44内を
所定ガスによる所定圧力の雰囲気にするための図示しな
い排気ポンプを連結する排出管55が接続されている。
なお、本体44には、図示しないが内部にプラズマを生
成するためのガスを導入するガス導入口が設けられてい
る。
【0051】このように構成されたものでは、先ず下容
器43内の上端開口53と略同一面をなす載置台49上
に、試料の半導体基板48を載置する。続いて本体44
内を所定圧力状態となるように排気しながら内部にプラ
ズマを生成するためのガスを導入し、導入口28から周
波数が2.45GHzのマイクロ波の導入を行ってプラ
ズマを生成する。そして、プラズマを放電容器42の下
端開口50から直接下容器43に向けて引き出すように
し、試料の半導体基板48上面にプラズマの照射を所定
の時間だけ行う。
【0052】この時の放電容器42内の磁場の様子は、
放電容器42の下端開口50近傍に第3の永久磁石47
が設けられているので第1の実施例の場合のベクトル図
と同様傾向の磁場ベクトルを示すものとなっている。そ
して第1の実施例と同様に、プラズマ照射を行う試料の
半導体基板48を載置する載置台49が設けられている
下容器43の上端開口53、すなわち、放電容器42の
下端開口50近傍に、弱磁場領域が大きく広がることに
なり、ここでのプラズマ密度も、略一様な分布となる。
【0053】以上のように本実施例によっても、放電容
器42の中央部付近の磁場にほとんど影響を与えること
なしに、放電容器42の下端開口50近傍を略一様な弱
磁場領域とすることができる。そして、この部位に配設
される下容器43の載置台49部分に一様な密度分布の
大面積のプラズマを得ることができる。
【0054】なお、上記の各実施例では放電容器22,
42の形状を角筒状とした直方体様としたが、円筒状や
その他の形状であってもよく、放電容器22,42の外
壁面に取り囲むように配設される第1、第2、第3の永
久磁石23,24,25,45,46,47も、放電容
器22,42の形状にあわせ、それを取り囲む形であれ
ばよい。また、第1、第2、第3の永久磁石23,2
4,25,45,46,47は、それぞれ放電容器2
2、42の壁面内に埋設するものであっても、また壁面
に取着するようにしても実施例と同様の効果が得られ
る。
【0055】またなお、本発明は上記のイオン源やプラ
ズマ源の実施例のみに限定されるものではなく、マイク
ロ波放電を用いる他の半導体製造装置や化学処理装置等
のマイクロ波プラズマ装置に適用されるもので、要旨を
逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものであ
る。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、マイクロ波を導入して内部にプラズマを生成する放
電容器に、これを取り囲むように3つの永久磁石が引き
出し方向に互いに離間して配設されていると共に、各永
久磁石が着磁方向を引き出し方向の交差方向とし且つ隣
接するものの極性を相反する向きとするよう着磁されて
いる構成としたことにより、大型化したものでも放電容
器から引き出すプラズマ密度を略一様な分布とすること
ができ、大面積のプラズマやビームの引き出しが行える
等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるマイクロ波イオン
源を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の一部を縦断面で示す斜
視図である。
【図3】本発明の第1の実施例における磁場ベクトルを
示すベクトル図である。
【図4】本発明の第1の実施例における放電容器内部に
面した引き出し電極上での磁束密度分布を示す分布図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例であるマイクロ波プラズ
マ源を示す概略縦断面図である。
【図6】従来のマイクロ波イオン源の概略断面図であ
る。
【図7】比較例として示すマイクロ波イオン源の概略断
面図である。
【図8】比較例における磁場ベクトルを示すベクトル図
である。
【図9】比較例における放電容器内部に面した引き出し
電極上での磁束密度分布を示す分布図である。
【符号の説明】
22…放電容器 23…第1の永久磁石 24…第2の永久磁石 25…第3の永久磁石 26…引き出し開口 27…磁力線 29…導波管 31…引き出し電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電容器の内部にマイクロ波を導入して
    プラズマを生成し、生成したプラズマあるいはプラズマ
    の粒子を前記放電容器外へ引き出すよう構成されたマイ
    クロ波プラズマ発生装置において、前記放電容器には該
    放電容器を取り囲むように3つの永久磁石が引き出し方
    向に互いに離間して配設されていると共に、前記永久磁
    石は着磁方向が引き出し方向の交差方向であって且つ隣
    接するものの極性が相反する向きとなるように着磁され
    ていることを特徴とするマイクロ波プラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】 引き出し方向の最下方側位置に配設され
    た永久磁石が、他の永久磁石よりも小さな起磁力を有す
    るものであることを特徴とする請求項1記載のマイクロ
    波プラズマ発生装置。
JP6116659A 1994-05-30 1994-05-30 マイクロ波プラズマ発生装置 Pending JPH07326495A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999049705A1 (fr) * 1998-03-20 1999-09-30 Tokyo Electron Limited Dispositif de traitement plasmique
CN103766002A (zh) * 2011-06-09 2014-04-30 韩国基础科学支援硏究所 包括带状磁铁的等离子产生源及利用此的薄膜沉积系统

Cited By (3)

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