JPH04304630A - マイクロ波プラズマ生成装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ生成装置

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JPH04304630A
JPH04304630A JP6968991A JP6968991A JPH04304630A JP H04304630 A JPH04304630 A JP H04304630A JP 6968991 A JP6968991 A JP 6968991A JP 6968991 A JP6968991 A JP 6968991A JP H04304630 A JPH04304630 A JP H04304630A
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JP
Japan
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microwave
magnetic field
plasma
slit
discharge chamber
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JP6968991A
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Inventor
Takashi Iga
尚 伊賀
Yasunori Ono
康則 大野
Kenichi Natsui
健一 夏井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波放電によっ
てプラズマを生成するマイクロ波プラズマ生成装置に関
し、特に、複数枚基板の同時処理、液晶ディスプレイ等
の大型基板への非質量分離イオン注入・エッチング・薄
膜形成等に用いるマイクロ波プラズマ処理装置における
プラズマ生成に好適なマイクロ波プラズマ生成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、有磁場マイクロ波放電によっ
てプラズマを生成する技術が知られている。このプラズ
マ生成装置は、比較的低ガス圧で高密度、低イオン温度
のプラズマが得られることや、無電極放電であるために
活性ガスを使用しても寿命が長いという利点が有り、半
導体基板のエッチング装置等のプラズマ源として広く用
いられている。
【0003】この装置では、直径200mm程度までは
均一なプラズマが生成できるが、さらに、大きな径のプ
ラズマを生成することは、マイクロ波放電室を空洞共振
器として用いるので、その構成上困難である。そのため
、従来の電極を用いる高周波放電によってプラズマを生
成する装置をプラズマ源として用いれば、多数の基板を
同時に処理できるのに対して、上記のマイクロ波放電を
利用するプラズマ生成装置を用いる場合では、基板は一
枚ずつ処理されるために生産のスル−プットの点で劣る
という問題がある。この問題を解決するために、従来は
、特開昭62−200730号公報に記載されている図
12および図13に示すような装置が考案されている。
【0004】図12は上記装置の長手方向の断面図であ
り、図13は、図12のXIIIーXIII断面図であ
る。図12および図13において、1はマイクロ波放電
室、2は図示しない真空排気手段を備えた処理室、3は
イオン引出し電極、4はマイクロ波導入窓、5は図示し
ないマイクロ波発振器につながる矩形導波管、6はソレ
ノイドコイルである。マイクロ波放電室1は、隔壁7に
よって1aから1dの4室に仕切られている。13はマ
イクロ波放電室を冷却するための冷却水通路、14は絶
縁物、15は第2のガス導入口である。
【0005】ガス導入口8から導入されたガスは、マイ
クロ波放電室1内に導入されたマイクロ波の電場と、ソ
レノイドコイル6によりマイクロ波の進行方向に平行に
印加された磁場との相互作用でプラズマ化される。通常
は、マイクロ波の発振器として、2.45GHzのマグ
ネトロンが用いられるため、マイクロ波放電室1内の適
当な領域で電子サイクロトロン共鳴が起こるような磁束
密度(この場合は、875G)の磁場が形成される。
【0006】次に、イオンの引出しについて説明する。 イオン引出し電極3は、通常、2枚の多孔電極3a,3
bからなる。多孔電極3aはマイクロ波放電室1と等電
位であり、加速電源9aによって接地電位に対して、通
常、0〜2kVの電位が与えられている。多孔電極3b
には、図示しない減速電源によって、接地電位に対して
、通常、0〜−300Vの電位が与えられている。この
ように、イオン引出し電極3に電位を与えると、マイク
ロ波放電室1内に生成されたプラズマから、所望のエネ
ルギ−を得てイオンビ−ム10が引出され、処理室2内
の試料ホルダ−11上の試料12に照射される。
【0007】上記装置において、水平断面が略長方形状
のマイクロ波放電室1に、均一な密度をもつプラズマを
生成するためには、図12に示したように、マイクロ波
放電室1に隔壁7を設けて略正方形状の放電室とし、さ
らに、各放電室1a〜1dにそれぞれ独立にマイクロ波
を入射する必要がある。この理由は、各マイクロ波放電
室1a〜1dをマイクロ波に対する空洞共振器としてい
るためである。つまり、マイクロ波放電室を空洞共振器
としてプラズマを生成する方法では、長方形状のマイク
ロ波放電室に単一のマイクロ波を入射し、放電室内にお
いて均一な密度をもつプラズマを生成することは、長方
形状のマイクロ波放電室内では、マイクロ波の強度が均
一ではないので、原理的に極めて困難だからである。そ
のため、均一な密度をもつプラズマを生成するためには
、マイクロ波を並列に複数入射する必要があり、装置の
構成を複雑にするという問題がある。
【0008】さらに、ソレノイドコイル6によって1k
G以上の磁場を発生させて、電子サイクロトロン共鳴を
起こすので、イオン引出電極3付近での発散磁場が大き
い。そのため、上記従来の装置を用いる場合は、薄膜素
子の微細加工で多用される500eV程度の低いエネル
ギ−で引出されるイオンビ−ム10の発散角を大きくし
、その結果、試料の場所によってイオンビームの強度が
一定でないので、試料12の加工精度を低下させる要因
となるという問題がある。また、このソレノイドコイル
6及びその電源は大がかりなものとなる。
【0009】次に、イオンビームの発散角を小さくする
技術としては、特開平2ー222532号公報に記載の
技術がある。この技術は、プラズマ生成室とは別に、拡
散室を設け、この拡散室の外周に永久磁石を配置したも
のである。この永久磁石によって形成されるカスプによ
り、プラズマの拡散方向を制御しようとするものである
。プラズマを生成する技術は、上記従来のマイクロ波プ
ラズマ生成装置と同じであるので、均一プラズマを、例
えば、略長方形状に生成することはできない。
【0010】次に、特開昭63ー172429号公報に
は、放電室の外周に永久磁石を配置してカスプ磁場を形
成し、均一プラズマを生成する技術が記載されている。 この技術でも、上記技術と同様に、放電室をマイクロ波
の共振器として用いるので、生成されたプラズマの形状
は、共振器の形状と略同じであり、プラズマの形状が、
例えば、略長方形状になるように生成することはできな
い。
【0011】一方、マイクロ波放電室を空洞共振器とす
るプラズマ生成技術以外に、マイクロ波放電室にアンテ
ナを用いてマイクロ波電力を供給するプラズマ生成技術
が知られている。この技術は、例えば、「プロダクショ
ン  オブ  クワイエスントディスチャ−ジ  ウィ
ズ  ハイ  エレクトロン  テンパラチャ−ズ( 
 Production  of Quiescent
 Discharge with High Elec
tron Temperatures )」[ジ−リジ
タノ  その他、レビュ−  オブ  サイエンティフ
ィック  インストルメンツ( G.Lisitano
 et al.,Rev Sci. Instrum.
)39,1968 ]に開示されている。この技術の基
本的構成は、図14に示すように、スリット付金属円筒
16を用いるものである。スリット17は、マイクロ波
のほぼ半波長に相当する長さごとに、逆方向に折り曲げ
られており、一端からマイクロ波が導入され、その終端
18は短絡されている。この結果、スリット17にマイ
クロ波を供給すると、各々の長スリット19には定在波
が立ち、スリット付金属円筒16内には強い電場が形成
される。その電場の中心軸に垂直な断面での様子は、図
15に示した円形導波管のTE01モ−ドの電磁場の様
子と似ている。
【0012】図15は、円形導波管21の中心軸方向か
らみた断面図であり、22は電気力線、23は磁力線を
示す。このモ−ドは円形導波管に特有のモ−ドであり、
他の導波管には存在しないものである。
【0013】断面が円形の空洞共振器を用いて、このモ
−ドで共振させるときには、共振器の直径はマイクロ波
の周波数によって決まってしまう。ところが、スリット
付金属円筒16を用いれば、断面が円形であれば、その
直径の大きさによらず円形TE01モ−ドに類似の共振
モ−ドをつくり出すことができる。そのために、従来は
、スリット付金属円筒16の形状は円形に限られていた
。 すなわち、生成されるプラズマは、その水平断面が略円
形である。
【0014】また、電子サイクロトロン共鳴を効果的に
起こすためには、円形空洞共振器の場合、その中心軸に
平行に磁場を印加する必要があるため、スリット付金属
円筒16で電子サイクロトロン共鳴を効果的に起こす場
合にも、図14に示すように、その中心軸に平行な磁場
20が必要と考えられている。この磁場20は、イオン
を引出す際の発散磁場となり、低いエネルギ−で引出さ
れるイオンビ−ムの発散角を大きくし、試料の加工精度
を低下させることになる。
【0015】一方、スリット付金属円筒16でつくられ
る電磁場にたいして、上述のものと別の解釈もなされて
いる。この解釈は、スリット付金属円筒16の各々の長
スリット19はマイクロ波のスロットアンテナであり、
そこからマイクロ波を放射していると考えるもので、た
とえば、「プロダクション  オブ  ア  ラ−ジ 
 ダイアミタ−  ユニフォ−ム  イ−シ−ア−ル 
 プラズマ  ウィズ  ア  リジタノコイル( P
roduction of a Large−diam
eter Uniform ECR Plasma w
ith a Lisitana Coil)」[ヨネス
  アキラ  その他.,ジャパニ−ズ  ジャ−ナル
  オブ  アプライド  フィジックス  (A. 
Yonesu et al.,Japanese Jo
urnal of Applied Physics)
 27,1988]に開示されている。この中で、直径
40cmのスリット付金属筒体内において、均一な密度
をもつプラズマが生成できることが実証されている。し
かし、そのスリット付金属筒体の形状と磁場の印加方法
は従来と同じである。このため、イオンを引出す際の発
散磁場が大きく、低いエネルギ−で引出されるイオンビ
−ムの発散角を大きくし、試料の加工精度を低下させる
という問題がある。
【0016】また、特開平2ー170979号公報には
、マイクロ波放電によってプラズマを生成する際に、ス
リット付金属円筒を用いる技術が記載されている。この
技術では、上記の技術と同じく、放電室をマイクロ波の
共振器として用いるので、生成されたプラズマの形状は
、共振器の形状と略同じであり、例えば、略長方形状に
することはできない。また、放電室の外周に配置したコ
イルによって、発散磁界が生じ、プラズマの発散が起き
て、基板上では均一密度のプラズマとならないという問
題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術では、マイクロ波放電室をマイクロ波共振器として用
いるので、実用的な方法で、長方形状のマイクロ波放電
室に均一にプラズマを生成することができない。このた
め、長方形状のプラズマを生成しようとすれば、複数の
マイクロ波入射が必要となり、装置の構成が複雑になる
【0018】また、プラズマを生成する際に、ECR(
電子サイクロトロン共鳴)を利用するので、ソレノイド
コイルで強い磁場を発生させる。その結果、この磁場の
影響によって、イオンビ−ムを引出したときにその発散
角が大きくなり、試料の加工精度を低下させるという問
題がある。
【0019】本発明の目的は、単一のマイクロ波入射に
よって、目的とする形状のマイクロ波放電室に、均一な
密度をもつプラズマを生成できるマイクロ波プラズマ生
成装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は、マイクロ波
放電室にマイクロ波を入射してプラズマを生成するマイ
クロ波プラズマ生成装置において、上記マイクロ波放電
室の内壁に沿って設けられる、マイクロ波を伝播するス
リットを有するスリット付金属筒体と、このスリット付
金属筒体の外周に沿って、スリット近傍のカスプを形成
する位置に配置される複数の磁場発生手段とを備えて構
成され、上記スリットは、マイクロ波を放射するアンテ
ナであるマイクロ波プラズマ生成装置によって達成でき
る。
【0021】
【作用】マイクロ波発振器から発振されたマイクロ波は
、スリット付金属筒体のスリットに伝送される。スリッ
トは、終端が短絡されているので、終端が節となって、
定在波が形成される。また、スリットは、マイクロ波の
半波長に相当する長さごとに逆方向に折り曲げられてい
るので、長スリットの中央は定在波の腹となる。各長ス
リットからは、同位相のマイクロ波が、マイクロ波放電
室内に放射されるため、スリット付金属筒体の内側には
強い電場が形成される。
【0022】マイクロ波放電室の外周に配置される磁場
発生手段によって、スリット付金属筒体の内側に多極ラ
インカスプ磁場が形成される。この多極ラインカスプ磁
場のカスプラインは、スリット付金属筒体の長スリット
に沿って形成される。
【0023】ここで、ガス導入口からガスを導入すると
、スリット付金属筒体の各々の長スリットから放射され
るマイクロ波の電場と、多極ラインカスプ磁場との相互
作用で、電子がサイクロトロン運動し、この結果、ガス
分子に衝突し、電離することにより、プラズマが生成さ
れる。
【0024】マイクロ波を放射する長スリットに沿って
、カスプラインが形成されているため、各々の長スリッ
トの近傍において、電子サイクロトロン共鳴が起こり高
密度のプラズマが生成される。この高密度のプラズマは
、多極ラインカスプ磁場の磁束密度がスリット付金属筒
体の内側で急激に小さくなる磁場勾配のために、内側に
向かって拡散する。また、多極ラインカスプ磁場は、プ
ラズマを生成するとともに、効率良く閉じ込める効果を
もっている。さらに、マイクロ波放電室内では、主なプ
ラズマ生成部となる長スリットが均等に分布し、かつ、
スリット付金属筒体の内側は、周辺部を除いてほとんど
無磁場であるために、プラズマの密度分布は均一になる
【0025】
【実施例】本発明に係るプラズマ生成装置を、イオン源
として適用したプラズマ処理装置の第1実施例を図1、
図2に基づき説明する。
【0026】図1は、第1実施例に係るマイクロ波プラ
ズマ処理装置の長手方向の垂直断面図、図2は、図1の
IIーII断面図であり、図14と同一の部分は同じ符
号で示した。同図において、1は筒体を扁平にし、その
長手方向と短手方向の比が1以上である略長方形状のマ
イクロ波放電室、2は図示しない真空排気手段を備えた
処理室、3はイオン引出し電極である。扁平スリット付
金属筒体24は、マイクロ波放電室1の内壁に沿って、
壁面から5mm程度離れて設置されている。スリット1
7は終端18が短絡されている。38は扁平スリット付
金属筒体24を支持するための絶縁物、14は接地電位
の処理室2と高電位となるイオン源部分とを絶縁するた
めの絶縁物、39はマイクロ波放電室1の上部へのプラ
ズマ37の拡散損失を抑制するためのカスプ磁場形成用
永久磁石などの磁場発生手段である。  マイクロ波放
電室1の外周には、永久磁石34等の磁場発生手段が、
N極とS極とが交互に内側を向くように取付けられてい
る。
【0027】マイクロ波発振器25で発振された2.4
5GHzのマイクロ波は、順次、アイソレ−タ26、方
向性結合器27、チュ−ナ28、絶縁チョ−クフランジ
29、同軸導波管変換器30、同軸管31、同軸コネク
タ32、同軸管33を経て、扁平スリット付金属筒体2
4のスリット17に伝送される。スリット17は、終端
18が短絡されているため、終端18が節となって定在
波が形成される。また、スリット17は、マイクロ波の
半波長に相当する長さごとに逆方向に折り曲げられてい
るので、長スリット19の中央は定在波の腹となる。各
長スリット19からは、同位相のマイクロ波が、マイク
ロ波放電室1内に放射されるため、扁平スリット付金属
筒体24の内側には強い電場が形成される。
【0028】また、マイクロ波放電室1は非磁性ステン
レス、スリット付金属筒体24はアルミニュ−ムや銅な
どの非磁性体からなり、図2に示すように、扁平スリッ
ト付金属筒体24の内側に多極ラインカスプ磁場35を
形成している。本実施例では、多極ラインカスプ磁場3
5のカスプライン36が、扁平スリット付金属筒体24
の長スリット19に沿って形成されている。
【0029】永久磁石34として、Nd−Fe−B磁石
等の強力な希土類磁石を用いると、マイクロ波放電室1
の内側に形成される多極ラインカスプ磁場35のカスプ
ライン36近榜での磁束密度は1kG程度となり、扁平
スリット付金属筒体24の長スリット19の内側に、8
75G(2.45GHzのマイクロ波に対して電子サイ
クロトロン共鳴を起こす磁束密度)の領域を形成するこ
とができる。
【0030】ここで、ガス導入口8からガスを導入する
と、扁平スリット付金属筒体24の各々の長スリット1
9から放射されるマイクロ波の電場と、多極ラインカス
プ磁場35との相互作用で、電子がサイクロトロン運動
し、この結果、ガス分子に衝突し、電離することにより
、プラズマ37が生成される。
【0031】本実施例では、マイクロ波を放射する長ス
リット19に沿ってカスプライン36が形成されている
ため、各々の長スリット19の近傍において、電子サイ
クロトロン共鳴が起こり高密度のプラズマ37が生成さ
れる。この高密度のプラズマ37は、多極ラインカスプ
磁場35の磁束密度が扁平スリット付金属筒体24の内
側で急激に小さくなる磁場勾配のために、内側に向かっ
て拡散する。また、多極ラインカスプ磁場35は、プラ
ズマ37を生成するとともに、効率良く閉じ込める効果
をもっている。さらに、マイクロ波放電室1内では、主
なプラズマ生成部となる長スリット19が均等に分布し
、かつ、扁平スリット付金属筒体24の内側は、周辺部
を除いてほとんど無磁場であるために、プラズマ37の
密度分布は均一になる。
【0032】次に、図16を用いてプラズマの生成と拡
散の原理について説明する。図16は、スリットの近傍
におけるプラズマの生成と拡散とを示す説明図である。
【0033】スリット付金属筒体24の内側に形成され
る電場の電気力線は、破線で示すEのようになる。この
電気力線Eの向きは、マイクロ波の半周期ごとに反転す
る。一方、永久磁石34によって形成される多極ライン
カスプ磁場の磁力線は、実線で示すEのようになる。電
気力線Eと磁力線Bとは、スリット付金属筒体24の内
側、特に、スリット近傍において、符号50で示すよう
に略直交する。さらに、この部分では、永久磁石34に
よって、875ガウス以上の磁場が形成されている。す
なわち、このスリットの近傍では、局所的にECR条件
が満たされ、高密度のプラズマ発生源51となる。つま
り、本装置では、スリット部が、主な、プラズマ発生源
となる。さらに、この高密度プラズマは、多極ラインカ
スプ磁場の急激な磁場勾配によって、無磁場領域52へ
と矢印53の方向へ拡散する。また、多極ラインカスプ
磁場は、プラズマの閉じ込め効果をもっているので、無
磁場領域52では、高密度かつ均一なプラズマが維持さ
れる。
【0034】イオンビ−ム10はイオン引出し電極3か
ら引出される。イオン引出し電極3は通常2枚の多孔電
極3a,3bからなる。多孔電極3aは、マイクロ波放
電室1と同電位であり、加速電源9aによって接地電位
に対して通常0〜2kVの電位が与えられ、多孔電極3
bには減速電源9bによって、接地電位に対して通常0
〜−300Vの電位が与えられる。このように、イオン
引出し電極3に電位を与えると、マイクロ波放電室1内
に生成されたプラズマ37から、所望のエネルギ−を得
てイオンビ−ム10が引出され、処理室2内の試料ホル
ダ−11上の試料12に照射される。このとき、イオン
引出し電極3の近傍はほとんど無磁場であるため、50
0eV程度の低エネルギ−でイオンビ−ム10を引出し
た場合でも、イオンビ−ム10の発散角が磁場の影響で
大きくなることはない。
【0035】本実施例によれば、単一のマイクロ波放射
によって、長さに制限のない略長方形状のマイクロ波放
電室に、均一かつ高密度のマイクロ波プラズマを生成す
ることができる。また、局所的な磁場でプラズマを生成
するために、発散角の小さいイオンビ−ムが得られる。 そのため、複数枚の基板を同時に処理することが可能と
なり、優れた加工精度と高い生産性とをもつマイクロ波
プラズマ処理装置を実現できる。また、一辺がマイクロ
波放電室の長手方向の寸法と同程度の大型基板またはロ
−ル状の被処理物であっても、この大型基板をマイクロ
波放電室の短手方向に搬送しつつ処理することにより、
均一にプラズマ処理を行うことができる。
【0036】次に、図3を用いて、本発明の第2の実施
例を説明する。図3は、スリット近傍の一部を拡大した
説明図である。本実施例が第1実施例と異なるのは、永
久磁石34の配置である。第1実施例においては、長ス
リットから磁力線が出て、隣接する長スリットに向かう
ように、永久磁石34が配置されている。これに対し、
第2実施例では、図3に示すように、隣接する2つのス
リットの間から磁力線が出て、次の隣接する2つのスリ
ットの間に向かうように、永久磁石34が配置されてい
る。
【0037】本実施例では、多極ラインカスプ磁場35
のカスプライン36は、長スリット19の中間に形成さ
れている。このような磁場配位でも、プラズマ生成と閉
じ込めの効果は第1実施例とほぼ同様である。しかし、
本実施例では、マイクロ波の伝送線路である長スリット
19部にはプラズマ37はほとんど存在しないため、伝
送線路のインピ−ダンスはプラズマ37が生成されても
真空中の値とほとんど変わらない。そのため、プラズマ
37が生成された後でもインピ−ダンス整合が容易にな
るという効果がある。
【0038】次に、図4、図5を用いて、本発明の第3
実施例を説明する。図4は、本実施例のプラズマ処理装
置200の長手方向の垂直断面図であり、図5は、図4
のVーV断面図である。図4において、図1と同一の部
分は同じ符号で示した。本実施例が第1実施例と異なる
のは、永久磁石34を、内部が真空のマイクロ波放電室
1内に置いたことである。永久磁石34は、図示しない
非磁性ステンレス製のホルダ−に入れられて、マイクロ
波放電室1の内壁に固定されている。
【0039】本実施例によれば、永久磁石34と扁平ス
リット付金属筒体24が隣接しているため、扁平スリッ
ト付金属筒体24近傍で875G以上の磁場を発生させ
ることが容易となる。本実施例によっても第1の実施例
と同様の効果がある。
【0040】次に、図6、図7を用いて、本発明の第4
実施例を説明する。図6は、本実施例のプラズマ処理装
置300の長手方向の垂直断面図であり、図7は、図6
のVIIーVII断面図である。図6,7において、図
1と同様の部分は同じ符号で示した。
【0041】本実施例が第1実施例と異なるのは、磁場
発生手段として、多極ラインカスプ磁場35を形成する
永久磁石34のほかに、マイクロ波放電室1の外周にソ
レノイドコイル40を設け、扁平スリット付金属筒体2
4の軸方向の磁場を重畳できるようにしたことである。 そのため、軸方向の磁場が電子サイクロトロン共鳴条件
である875G以下であっても、マイクロ波放電室1の
中心部でのプラズマ37の生成効率が高くなり、プラズ
マ密度を増加させることができるという効果がある。
【0042】次に、図8、図9を用いて、本発明の第5
実施例を説明する。図8は、本発明に係るマイクロ波プ
ラズマ処理装置をイオン源として搭載したイオンビ−ム
ミリング装置400の横断面図である。このイオンビ−
ムミリング装置400は、非質量分離イオン打ち込み装
置としても使用できる。図8において、図1と同一の部
分は同じ符号で示した。図9は、大型基板41を、この
イオンビ−ムミリング装置400によってイオンミリン
グするときの様子を模式的に示した説明図である。
【0043】本実施例では、一辺がマイクロ波放電室1
の長手方向と同程度の大形基板41が試料ホルダ−12
上に置かれ、試料ホルダ−12は、図示しない搬送機構
によってマイクロ波放電室1の短手方向に搬送される構
造となっている。42は搬送方向を示す。図9において
、43は断面が長方形状のイオンビ−ム10の大形基板
41上への照射範囲である。
【0044】本実施例によれば、長手方向の寸法にほと
んど制限がなく、照射範囲43内ではイオンビ−ム10
の強度分布は均一である。この結果、イオンビ−ム10
を照射しつつ搬送することにより、大形基板41面内で
均一性に非常に優れたイオンビ−ムミリングや非質量分
離イオン打ち込み等の処理を行うことができる。
【0045】次に、図10を用いて、本発明の第6実施
例を説明する。図10は、本発明に係るマイクロ波プラ
ズマ生成装置をイオン源として搭載したイオンビ−ムス
パッタ装置500の断面図である。同図において図1と
同一の部分は同じ符号で示した。
【0046】本実施例においても、図8と同様に、一辺
がマイクロ波放電室1の長手方向と同程度の大形基板4
1が試料ホルダ−12と一体となり、図示しない搬送機
構によって、マイクロ波放電室の短手方向に搬送される
。本実施例では、イオンビ−ム10は、図示しないタ−
ゲットホルダ−によって支持されるタ−ゲット44に照
射される。ここで、タ−ゲット44の形状は、イオンビ
−ム10の断面とほぼ同一の長方形状である。イオンビ
−ム10によってスパッタされたタ−ゲット44のスパ
ッタ粒子45は、搬送されている大型基板41上に堆積
して、タ−ゲット物質あるいはその化合物の薄膜46が
形成される。
【0047】本実施例によれば、ターゲット44に照射
されるイオンビーム10強度は広範囲にわたり均一であ
るので、きわめて大型の基板でも均一な膜厚の薄膜を形
成できるイオンビ−ムスパッタ装置を実現できる。
【0048】次に、図11を用いて、本発明の第7実施
例を説明する。図7は、本発明に係るマイクロ波プラズ
マ生成装置をプラズマCVD装置600に適用した例で
あり、マイクロ波放電室の短手方向の断面図である。同
図において、図1と同一の部分は同じ符号で示した。本
実施例においても、図8及び図10と同様に、一辺がマ
イクロ波放電室1の長手方向と同程度の大形基板41が
試料ホルダ−12上に置かれ、図示しない搬送機構によ
ってマイクロ波放電室の短手方向に搬送される。
【0049】本実施例では、イオン引出し電極は設けら
れず、第1のガス導入口8から導入された放電ガスのプ
ラズマ37は、大型基板41上に拡散する。ここで、第
2のガス導入口15から導入された試料ガスはプラズマ
37中で分解され、その分解生成物あるいはその化合物
の膜膜46が大型基板41上に堆積する。本実施例によ
れば、きわめて大型の基板でも均一な膜厚の薄膜を形成
できるマイクロ波プラズマCVD装置を実現できる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、スリット付金属筒体の
スリット近傍でプラズマを発生させるので、プラズマ放
電室の形状は任意に選択でき、この結果、種々の形状の
プラズマを生成できる。従って、例えば、水平断面が略
長方形状であるマイクロ波放電室内に、単一のマイクロ
波入射で均一なプラズマを生成でき、多数枚の基板を同
時処理可能なマイクロ波プラズマ処理装置を提供できる
という効果がある。
【0051】また、ソレノイドコイルを使わずに、水平
断面が長方形状のマイクロ波放電室内に均一かつ高密度
のプラズマを生成できるので、発散角の小さいイオンビ
−ムによって高精度の微細加工が可能なマイクロ波プラ
ズマ処理装置を提供できるという効果がある。
【0052】さらに、本発明に係るマイクロ波プラズマ
生成装置をイオン源として用いれば、きわめて大型の基
板であっても、長方形状のマイクロ波放電室の短手方向
に基板を搬送しつつ処理することにより、大型の基板面
内で均一にイオン注入、ミリング、エッチング、スパッ
タ成膜あるいはCVDなどのプロセスを行うことができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るマイクロ波プラズマ処理装置
の長手方向の垂直断面図
【図2】図1のIIーII断面図
【図3】第2実施例に係るマイクロ波プラズマ処理装置
のスリット近傍の一部を拡大した説明図
【図4】第3実
施例に係るプラズマ処理装置の長手方向の垂直断面図
【図5】図4のVーV断面図
【図6】第4実施例に係るプラズマ処理装置の長手方向
の垂直断面図
【図7】図6のVIIーVII断面図
【図8】本発明に係るマイクロ波プラズマ処理装置をイ
オン源として搭載したイオンビ−ムミリング装置の横断
面図
【図9】大型基板を第8図に示すイオンビ−ムミリング
装置によってイオンミリングするときの様子を模式的に
示した説明図
【図10】本発明に係るマイクロ波プラズマ生成装置を
イオン源として搭載したイオンビ−ムスパッタ装置の断
面図
【図11】本発明に係るマイクロ波プラズマ生成装置を
プラズマCVD装置に適用したときのマイクロ波放電室
の短手方向の断面図
【図12】従来技術に係るマイクロ波プラズマ処理装置
の長手方向の垂直断面図
【図13】図12のXIIIーXIII断面図
【図14
】従来技術に係るマイクロ波プラズマ処理装置のスリッ
ト付金属円筒の斜視図
【図15】円形導波管の中心軸に平行な方向からみたと
きの電気力線と磁力線とを示す説明図
【図16】プラズマの生成と拡散の原理を示す説明図
【符号の説明】
1…マイクロ波放電室、2…処理室、10…イオンビ−
ム、11…複数枚の試料、19…長スリット、24…扁
平スリット付金属筒体、34…永久磁石、35…多極ラ
インカスプ磁場、36…カスプライン、41…大型基板
、42…大型基板の搬送方向、43…イオンビ−ムの照
射範囲。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波放電室にマイクロ波を入射して
    プラズマを生成するマイクロ波プラズマ生成装置におい
    て、上記マイクロ波放電室の内壁に沿って設けられる、
    マイクロ波を伝播するスリットを有するスリット付金属
    筒体と、このスリット付金属筒体の外周に沿って、スリ
    ット近傍のカスプを形成する位置に配置される複数の磁
    場発生手段とを備えて構成され、上記スリットは、マイ
    クロ波を放射するアンテナであることを特徴とするマイ
    クロ波プラズマ生成装置。
  2. 【請求項2】上記磁場発生手段は、上記マイクロ波放電
    室の外壁に沿って設けられることを特徴とする請求項1
    記載のマイクロ波プラズマ生成装置。
  3. 【請求項3】上記磁場発生手段は、上記マイクロ波放電
    室の内壁と上記スリット付金属筒体との間に内装される
    ことを特徴とする請求項1記載のマイクロ波プラズマ生
    成装置。
  4. 【請求項4】上記磁場発生手段は、N極・S極が、交互
    に内側を向くように配置される永久磁石であることを特
    徴とする請求項1,2または3記載のマイクロ波プラズ
    マ生成装置。
  5. 【請求項5】上記磁場発生手段を囲んでソレノイドコイ
    ルを設けることを特徴とする請求項1,2,3または4
    記載のマイクロ波プラズマ生成装置。
  6. 【請求項6】上記磁場発生手段の磁場の強さは、少なく
    とも875ガウスであることを特徴とする請求項1,2
    ,3,4または5記載のマイクロ波プラズマ生成装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6記載の
    マイクロ波プラズマ生成装置を備えて構成されることを
    特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6087778A (en) * 1996-06-28 2000-07-11 Lam Research Corporation Scalable helicon wave plasma processing device with a non-cylindrical source chamber having a serpentine antenna
JP2005236348A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線システム、無線装置、無線通信方法、及びプログラム
TWI785519B (zh) * 2021-03-05 2022-12-01 台灣積體電路製造股份有限公司 微波產生器、紫外光源、與基板處理方法

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