JPH07325607A - ロボットの経路制御方法 - Google Patents

ロボットの経路制御方法

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JPH07325607A
JPH07325607A JP6118599A JP11859994A JPH07325607A JP H07325607 A JPH07325607 A JP H07325607A JP 6118599 A JP6118599 A JP 6118599A JP 11859994 A JP11859994 A JP 11859994A JP H07325607 A JPH07325607 A JP H07325607A
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JP
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robot
path
time
route
data
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JP6118599A
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Yasutaka Nakao
康孝 中尾
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】互いに干渉し合う複数のサーボ軸を有する多関
節ロボットにおいて、ある姿勢から他の任意の姿勢まで
の位置決め動作を高速化する。 【構成】干渉し合う複数のサーボ軸を有する多関節ロボ
ットと、前記ロボットの制御装置よりなるロボットシス
テムにおいて、ロボットの動作領域をそれぞれの関節位
置より構成される座標系で表し、その座標系を複数の小
領域に分割し、その分割された小領域の2つの代表点間
を前記ロボットが移動する場合の最短時間経路をオフラ
インで求め、経路の時系列データとしてロボット制御装
置に予め記憶させておくことにより、ロボットがある姿
勢から他の任意の姿勢まで動作を開始する場合に、前記
記憶された経路データを読み出し、移動量に関する変
換、補正処理を行うことによって、近似的に最短時間経
路動作を行うことができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに干渉し合う複数
のサーボ軸を有する多関節型ロボットにおいて、特に速
い作業速度が要求される多関節型ロボットのアームの動
作経路および加減速パターン発生に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多関節型ロボットアームの動作経路およ
び加減速パターン生成に関する従来技術を、2リンクの
水平多関節型ロボットを例にして以下に説明する。図6
は始点と終点104、105(Pi、Pj)間をロボッ
トアームが移動する場合の各関節ごとの加減速パターン
を示したものである。701、705、702より構成
される第1軸の速度曲線と、703、706、704よ
り構成される第2軸の速度曲線は台形状のものを採用す
るのが最も一般的であり、各関節軸を駆動するモータの
仕様によって加速領域701、703での加速度や、最
大速度領域705、706での速度、減速領域702、
704での加速度が制限を受ける。さらにつけ加えるな
らば、従来技術における加速度に関しては、アームの姿
勢によって関節軸回りの慣性モーメントが変化すること
や、アーム動作時に発生する遠心力、コリオリ力等を考
慮して、最もきびしい姿勢の条件下において許容される
加速度を一律に最大値としてしまうため、本来はもっと
高加速度で動作できる条件でも加速度が低く抑えられて
しまうという問題があった。
【0003】前記従来技術の問題点を改善するための簡
単な方法として、多関節型ロボットのアーム先端が位置
する領域を複数の矩形の小領域に分割し、アーム動作の
開始時点および終了時点のみの姿勢に着目して、開始時
点および終了時点でアーム先端の位置する点が属する任
意の2つの領域の組み合わせごとに、許容できる加減速
度の最大値をデータテーブルとして持ち、動作パターン
を作成する段階で随時それらを読み出し、演算すること
により加減速パターンを決定していく方法がある。この
方法によれば、高速に動作できる条件と、そうではない
条件を段階的に切り分けることができ、必要以上に加速
度を低く抑える必要はなくなる。実際には、さらにこの
データテーブルにアーム先端に把持した負荷慣性の大き
さの異なる場合も加えて、よりきめ細かな加減速動作を
行う方法もある。
【0004】前記データテーブルの作成に関しては、ロ
ボットの力学的条件を考慮した動作シミュレーションを
行えば、ある程度の値を求めることができる。しかし、
関節軸内部における駆動トルク伝達系の損失など、シミ
ュレーションでは予想できない因子がある場合には、実
際に動作可能な加減速度を測定する必要がある。実測す
ることによって、各関節軸が互いにおよぼし合ういろい
ろな干渉力に加えて、力の伝達系の損失も含めた駆動ト
ルクが求められ、このようにして求められた駆動トルク
を基に、動作に応じたそれぞれの姿勢に対して、それぞ
れの関節軸に許容される最大の加速度を決定することに
よって、より実際に沿った加減速動作の高速化を達成す
ることができる。
【0005】しかし、改善された前記従来技術において
も、多関節ロボット特有の力学的条件、すなわち各軸相
互の干渉力を考慮するため、それぞれの動作に関するシ
ミュレーションや、力の伝達系の損失が大きい場合に
は、さらに実測によって許容される加速度の最大値を求
めてはいるものの、基本的には第1軸と第2軸をそれぞ
れ独立に台形状の加減速パターンで動作させていること
になる。中には動きがより滑らかになるように、台形状
の加減速曲線において速度の不連続点を滑らかに接続し
た加減速パターンで動作経路を決めているものもある
が、数多く存在する動作経路と加減速パターンの中から
最適なものが選ばれているのではなく、従って必ずしも
動作時間に関する最適経路と最適加減速パターンで動作
しているわけではない。
【0006】そこで最適な動作経路と加減速パターンを
求めるために、ロボットの位置決め動作に関して最短時
間制御問題を解く方法がある。これは最適制御技術のう
ちの一つの手法であり、限りある駆動力、その他の拘束
条件下で、ある状態から別の状態までを最も短い時間で
移動させる技術である。前述した最短時間制御問題を解
く手段としては、Pontryaginの最大原理が理
論的な基礎となるが、具体的な解法としては、例えば制
御入力u(t)の最大値と最小値のみが制限されている
条件下での最短時間制御問題を、数4で示すような
【数4】 動作の開始から終了までの時間と制御入力の自乗の時間
積分の和を評価関数とし、この評価関数の最小値を求め
る、参考文献「TIME−OPTIMAL CONTR
OL OF TWO−DEGREE OF FREED
OM ROBOTARMS」(1988,YAOBIN
CHEN AND ALAN A.DESROCHE
RS,PROCEEDINGS OF THE IEE
E INTERNATIONAL CONFERENC
E ON ROBOTICS AND AUTOMAT
ION,PHILADELPHIA,PENNSYLV
ANIA)記載の従来技術や、
【数5】 数5で示される様な、動作の終了時点tfでの状態変数
χ(tf)の自乗と、動作開始から終了までに要する時
間の和を評価関数とし、この評価関数の最小値を求める
公開特許公報平4−192008の従来技術などがあ
る。
【0007】また、制御入力の大きさが拘束されている
場合に加えて、数6に示す運動方程式、
【数6】 における状態変数χ(t)に不等式拘束条件が課せられ
ている場合、すなわち各関節軸の関節変位や関節速度が
制限されている場合の最短時間経路の時間関数を求める
ためには、例えばある動作終了時間tfを仮定して、数
7で示される様な評価関数を考える。ここでP(χ,
u)は拘束条件を表したものであり、条件が満たされる
範囲のみで0に近い値をとる関数である。
【数7】 ただし最初は状態変数χ(t)、および制御入力u
(t)の関数形が未知であるので、適当な関数形を仮定
する。この段階ではχ’(t)−g(χ,u)=0は満
足されておらず、繰り返し計算を行ないJの最小値を求
める。すなわち、上式において仮定した動作終了時間t
fに対して、状態変数χ(t)、制御入力u(t)につ
いて評価関数を最小にする関数形を求める問題に置き換
え、最適関数を最急降下法等の従来技術を用いて求る。
次に別のtfに対して同様の手法を用いて最適関数を求
める。このようにして得られた最適関数群の中で、評価
関数をあるしきい値J0より小さくできるもののうち、
tfの最も小さい時に得られた関数を最適解とするする
方法もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の方法に
より最短時間経路および最適加減速パターンを求めたと
しても、その計算手法が繰り返しの収束計算であること
から、莫大な時間を要してしまい、実時間の処理ができ
ないという問題点があり、実際のロボット作業において
は実用的でない。また実時間処理が可能なように予め計
算して最短時間経路を求めておき、それらを全てデータ
テーブルとして保存しておくには膨大な記憶領域が必要
になり、現実的でない。また、公開特許公報平4−19
2008では最短時間制御問題を解き、ロボットの動作
領域を5×5の領域に分割して、625通りの時系列経
路データを記憶し、動作時に前記データを呼び出す方法
について触れてあるが、任意の経路データを生成する方
法については明らかにされていない。そこで本発明で
は、従来のロボットシステムが有する範囲の記憶領域を
用いて、実時間で最短時間制御のロボット動作を、簡単
な計算手法を用いて実現する方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては以上述
べた問題を解決するために、適当な最短時間制御問題の
解法を用いて、予め最短時間経路と最適加減速パターン
を求め、その結果をデータテーブルとして、ロボットの
記憶装置に記憶しておき、実動作段階でそれらのデータ
を読み出すことにより、実時間でロボットアームを最短
時間経路に沿って動作させることを実現する。実際に
は、オフラインで求められた最短時間経路はロボットの
姿勢に応じて数多く存在するが、動作の始点と終点がそ
れぞれ近接した経路については、その形状が類似である
と見なせることを利用して、最短時間経路が類似である
と見なせるような小領域ごとに、各関節位置より構成さ
れる座標系を分割する。前記分割された小領域に対し
て、ある図示しない領域aに始点を有し、別の図示しな
い領域bに終点を有する最短時間経路において、始点が
領域aと同一領域にあり、終点が領域bと同一領域にあ
るような最短時間経路群は類似であると見なせるから、
各小領域間の経路データは各小領域内に唯一1点定めら
れたそれぞれの代表点を結ぶ経路データで代表させるこ
とができる。この経路データを基準経路データとして記
憶しておき、ロボットが動作する場合には前記基準経路
データのテーブルを参照して実際の経路データを生成す
ることにより、動作経路および加減速パターンの最適化
を行う。この様にして経路データテーブルのサイズを縮
小することにより、実際のロボットシステムが有するメ
モリ空間で、最短時間制御の経路データを保持すること
を可能とし、ロボットの姿勢に応じた最適動作を簡単な
方法で実現する。
【0010】
【作用】以上述べた様に、基準の経路データから任意の
経路データを求めることができるようにしたので、ロボ
ットの一般的な作業例であるピックアンドプレース作業
等の単なる始点から終点までの位置決め動作を、最も短
い時間で行なうことができるように生成された最短時間
経路の経路データテーブルを、現行のロボットシステム
でも実現可能な記憶領域のサイズで保有することができ
る。その結果として、実時間でほぼ最短時間制御に近い
動作を行なうことができるので、ロボットの作業時間を
短縮することができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図2
は本発明の構成の概略を説明するため、構造の簡単な2
リンクのロボットアームを制御する場合を例にとって示
したものである。図では第1関節軸の関節変位212を
θ1、第2関節の関節変位213をθ2としてある。ロ
ボットのアーム先端の位置決めは、第1軸、第2軸をそ
れぞれ駆動するモータ210、211にロボット制御装
置200からトルクの制御入力が与えられることにより
行われるようになっている。ロボット制御装置200
は、主にロボットの各関節軸の駆動モータの位置決めを
制御するモータドライバ221と、入出力装置の制御や
ロボットの動作を制御する制御部220、ロボットのプ
ログラムや位置や経路のデータが格納されている記憶部
224より構成されている。
【0012】以下にロボットの動作についての概略を説
明する。まず操作者はロボットの動作シーケンスや周辺
装置226の動作タイミングをロボット言語で記述した
プログラムをホストコンピュータ225よりロボット制
御装置へロードする。制御部220内の汎用制御部22
9はロボット言語で記述されたプログラムを解釈し、プ
ログラムに従って多関節ロボットの動作やロボットの周
辺装置226を制御する。汎用制御部の解釈に従ってロ
ボットがある点から別の点へ移動する場合、まずモータ
ドライバ221はロボットの関節軸駆動モータ210、
211から送られる現在の関節変位θ1、θ2を受取
り、制御部220内にある動作制御部222へ送る。動
作制御部は受け取った現在の関節変位と、要求されてい
る移動すべき点への動作指令に基づいて各関節軸がそれ
ぞれ移動すべき関節変位を算出し、経路データ発生部2
23へ送る。次に経路データ発生部223はそれぞれの
関節軸の現在の関節変位と到達すべき関節変位に基づ
き、記憶部224の基準経路データ領域227から対応
する基準経路データを読み込み、後術する方法により変
換、補正することにより経路データを生成する。この経
路データ、すなわち位置指令値の時系列データがモータ
ドライバへ送られ、モータドライバがこの指令値に従っ
て関節軸を動かすことによりロボットの動作が完了す
る。
【0013】ここで記憶部224に格納されているデー
タについて図3に従って説明する。記憶部は、概念とし
て図3に示すようにロボット制御装置の制御に必要なソ
フトウェア部分であるロボットシステム領域303、操
作者がロボットやロボットの周辺装置をそれぞれの用途
に応じて使用するために、ロボットやロボットの周辺装
置の動作をロボット言語で記述したプログラムが格納さ
れるロボットアプリケーション領域304、ロボットア
プリケーションが参照する座標値や動作パラメータが格
納されるポイントデータ、パラメータデータ領域305
と、最短時間の経路を生成する時の計算の基になるデー
タテーブルである基準経路データ領域227から構成さ
れる。
【0014】次に基準経路データから、基準経路データ
を変換、補正して経路データを生成する方法について、
はじめに図1を用いて説明する。図1は、第1軸と第2
軸の関節位置で構成される座標系を、複数の矩形の小領
域に分割した例を示している。前記複数の小領域は、あ
る図示しない領域aに始点を有し、別の図示しない領域
bに終点を有する最短時間経路において、始点が領域a
と同一領域にあり、終点が領域bと同一領域にあるよう
な最短時間経路群が類似であると見なせるように分割さ
れている。経路が互いに類似であるとは、時間tの関数
で表わされるある第1の線分f(t)、(0≦t≦tf
f)、と第2の線分g(t)、(0≦t≦tfg)の2
つの線分の類似度を表わす指標として以下の数8で示さ
れる評価関数を導入し、
【数8】 Sがあるαより小さい場合、第1の線分f(t)と第2
の線分g(t)は類似していると言うことにする。ここ
で、αはロボット固有の値であり、数8におけるF
(ζ)、G(ζ)はそれぞれf(t)、g(t)を変数
tについてスケーリングして(0≦ζ≦1)となるよう
にしたものであり、f(t)に関してはζ=t/tf
f、g(t)に関してはζ=t/tfgと変換すること
を意味する。また経路が互いに類似であるような小領域
の分割は幾通りも考えられるが、類似度Sの値がα以下
になる条件を満たすものであればどのようなものでもか
まわない。本実施例においては、図1に示すような矩形
の領域で分割した場合について説明する。
【0015】基準経路データの基になる基準経路は、前
記小領域のうちの任意の2つの領域の代表点間を最短時
間で移動できる経路であり、前述した従来技術により予
め最短時間制御問題を解いて求めておく。例えば領域E
s106とEf107における基準経路は、それぞれの
代表点である2点102、103(Ri,Rj)を図1
の様な曲線Lg[t]100で結んだ経路で表される。
【0016】ロボットのアプリケーションプログラムに
おいて、2点104、105(Pi、Pj)間をロボッ
トアームの先端が移動する動作が要求された場合の最短
時間経路である曲線L[t]101は、予め求められて
いる経路ではないので、この段階ではまだ要求された動
作の最短時間経路データは生成されていない。従って、
ロボットの動作領域を小領域に分割した図1において、
(Pi,Pj)を含む領域内のそれぞれの代表点(R
i,Rj)より形成される最短時間経路の曲線Lg
[t]を変換することによって、2点(Pi,Pj)間
の最短時間経路の曲線L[t]を求める。
【0017】図1における曲線Lg[t]からL[t]
を求めるための方法について以下に説明する。図1にお
ける基準経路の始点、および終点を図4に示すようにベ
クトル量でそれぞれRi、およびRjと表し、また同様
に求めたい経路の始点、および終点をベクトル量でそれ
ぞれPi、およびPjと表わすことにする。Lg
[t]、およびL[t]の時系列データは、それぞれ図
4のRi+rk、Pi+pk、(k=0、1、2、・・
・、N)で表わされるから、rkよりpkを求めること
ができればL[t]が求められることになる。ここでr
k、およびpkは、図4より分かるように、始点からの
移動量ベクトルを表わしている。RiとPi、およびR
jとPjがそれぞれ近くにあることを考えれば、数9の
変換を用いてrkよりpkを求め、Pi+pkとして近
似的な最短時間経路L[t]を求めることができる。数
9においてγ=‖Pj−Pi‖/‖Rj−Ri‖とし、
‖‖はベクトルのユークリッド・ノルムを表わすものと
する。
【数9】 ここで、
【数10】 とし、数10におけるθはベクトルRj−Riからベク
トルPj−Piへの角度、・はベクトルの内積を表わす
ものとする。
【0018】上述した変換において、‖Pj−Pi‖が
‖Rj−Ri‖より大きい場合、すなわちγ>1の場合
は数11、数12に従ってPi+pkをPi+p’k’
に変更する。ここで△tを時系列データの時間間隔と
し、Pi+pkは(θp1[k△t],θp2[k△
t])、(k=0、1、2、・・・、N)、Pi+p’
kは(θp’1[k’△t],θp’2[k’△
t])、(k’=0、1、2、・・・、M)と表わされ
ることにする。
【数11】 ただし、k’=Mのときは、
【数12】
【0019】本実施例で、ロボットの動作領域を(0.
5[m],0[deg])から(1.0[m],90
[deg])と限定すれば、類似度Sを規定するαの値
を0.005程度にした場合に、ロボットの動作領域を
矩形の小領域で分割すると、図5の様にθ1軸を0.1
[m]毎に、またθ2軸を10[deg]毎の矩形領域
に分割することができる。また代表点は図5に点で示し
た、それぞれの矩形領域の幾何学的重心である。この場
合、分割された小領域の総数は45個であり、この小領
域の組み合わせに対する基準経路の数は990になる。
本実施例ではほとんどの動作が1.0秒前後で終了する
ので△t=0.02秒毎に動作点が指示された場合、一
つの基準経路データは100個程度のデータから構成さ
れる。1個のデータは2バイト必要であるから、全体と
して198Kバイトのメモリが必要になるが、現在のシ
ステムで十分実現可能である。
【0020】また、本実施例における代表的な効果を説
明すると、例えば類似度Sの値の大きい、すなわち互い
の経路曲線が類似していないθ1=0.7[m]、θ2
=0[deg]からθ1=0.5[m]、θ2=90
[deg]の経路データ502をθ1=0.65
[m]、θ2=5[deg]からθ1=0.55
[m]、θ2=85[deg]の基準経路501から求
める場合で、0.726秒の動作時間が0.792秒と
約10%時間が長くなるが、図6で示した従来の経路制
御方法では約1.15秒を要し、動作時間に関して言え
ば、依然として約30%の短縮効果を発揮できる。また
別の経路に関してθ1=0.6[m]、θ2=0[de
g]からθ1=0.5[m]、θ2=90[deg]の
経路データをθ1=0.55[m]、θ2=5[de
g]からθ1=0.55[m]、θ2=85[deg]
の基準経路から求める場合でも、0.664秒の動作時
間が0.744秒と約10%時間が長くなるが、図6で
示した従来の経路制御方法では約1.00秒を要し、動
作時間として約25%の短縮効果が得られる。
【0021】また基準経路データテーブルの構成は、図
3に示す様に、データIDの領域301と基準経路デー
タ302とから構成されている。データIDはそれに続
く基準経路データの属性を示しており、基準経路データ
長や基準経路データの始点と終点の座標に関する数値デ
ータ、すなわち図1の例ではRi、Rjと‖Rj−Ri
‖の値を含んでいる。この対になったデータは、図2の
ロボット制御装置200の記憶部224に格納されてお
り、この基準経路データテーブルを基に変換、補正を行
って任意の経路データを生成する。
【0022】次にデータテーブルを参照する手順につい
て説明する。Pi+p0(θp1[0],θp2
[0])、Pj+pN(θp1[N△t],θp2[N
△t])の2点よりなる経路について以下のように、 k=int(θp1[0]/δθ1) l=int(θp2[0]/δθ2) m=int(θp1[N△t]/δθ1) n=int(θp2[N△t]/δθ2) を計算する。ここでは説明を簡単にするため、図1に示
したように、矩形の小領域におけるそれぞれの辺の長さ
をδθ1、δθ2とし、intは実数の整数部分を取り
出す処理を表すものとする。
【0023】Es=f[k,l]、Ef=f[m,n]
として、f[χ,y]はχ、yに対応するエレメントナ
ンバーを出力する処理系であり、前述したk、l、m、
nより動作の始点と終点が属するエレメントナンバーを
求めることができる。算出されたEs、Efを基にして
図3のデータIDiのアドレスが求められるようにし、
データIDiの情報に従って基準経路データ領域のデー
タを読みだすことによって、ロボットコントローラは基
準経路データを獲得する。
【0024】データIDに格納された基準経路データの
始点と終点の座標に関する数値データと、前述した数
9、数10、数11、数12の式を用いることによって
基準経路データより実際の経路データを簡単に算出する
ことができる。
【0025】この様に構成することによって、最短時間
制御の解に近い経路を、実時間で生成し、近似的に最短
時間制御による動作を実現することができるようにな
る。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、適当
な最短時間制御問題の解法を用いて、予め最短時間経路
と最適加減速パターンを求め、その結果を最短時間経路
が類似であると見なせる範囲ごとに分割された小領域の
組み合わせに対してデータテーブルとして記憶してお
き、任意の2点間の経路データは、前記2点を含む小領
域の代表点間の基準経路データテーブルを参照して、実
際の動作パターンを生成するようにしたので、少ない記
憶領域しか持たない多関節ロボットにおいても、簡単な
演算により近似的な最短時間制御の動作を実時間で実現
できるようになる。
【0027】また、多関節ロボットのある姿勢から他の
任意の姿勢までの動作経路群に関して、一つの基準経路
データテーブルの時系列データrk、(k=0、1、
2、・・・、N)を変換して任意の経路の時系列データ
pkを求める方法において、それぞれの始点と終点が一
致する様な回転、並行移動、伸縮の変換を用いて、基準
経路データテーブルを変換するようにしたので、基準経
路データと類似した任意の経路データを簡単な演算によ
り発生することができる。
【0028】さらに、前記基準経路データが、多関節ロ
ボットのある姿勢から他の任意の姿勢までの動作経路群
に関して、動作時間を最短にする経路およびその経路上
の加減速パターンを予め最短時間制御問題を解くことに
よって得られた各関節位置の時系列データである場合、
ロボットの任意の動作経路に対して近似的に最短時間制
御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の経路データ算出方法の概略を説明する
ための図
【図2】本発明を適用するロボットシステムの概略図
【図3】ロボット制御装置内の記憶部の詳細を示す図
【図4】本発明の基準経路データ変換の方法を説明する
ための図
【図5】本発明の小領域の構成を説明するための図
【図6】従来技術による経路データ発生の方法を説明す
るための図
【符号の説明】
200 ロボット制御装置 210 第1軸駆動モータ 211 第2軸駆動モータ 220 制御部 221 モータドライバ 222 動作制御部 223 経路データ発生部 224 記憶部 225 ホストコンピュータ 226 周辺装置 227 基準経路データ領域 228 入力装置 229 汎用制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 19/4093 19/416 G05D 3/12 305 Z G05B 19/407 K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに干渉し合う複数のサーボ軸を有す
    る多関節ロボットと、前記ロボットの動作シーケンスや
    動作経路等をプログラマブルに制御できる制御装置より
    なるロボットシステムにおいて、多関節ロボットのある
    姿勢から他の任意の姿勢までの動作経路群に関して、動
    作時間を最短にする経路およびその経路上の加減速パタ
    ーンを、最短時間制御問題を解くことによって予め求め
    ておき、求められた経路およびその経路上の加減速パタ
    ーンを、各関節位置の時系列データとして記憶し、この
    記憶したデータを用いて位置決め動作を高速に行うロボ
    ットの経路制御方法であって、 時間tの関数として表されたある2つの経路f(t)と
    g(t)の類似度を表わす評価関数Sとして以下の数1
    を用いて、 【数1】 ここで、F(ζ)、G(ζ)はそれぞれf(t)、g
    (t)を変数tについてスケーリングして(0≦ζ≦
    1)となるようにしたものであり、 ロボットの動作領域を、それぞれの関節位置より構成さ
    れる座標系で表し、前記座標系を、最短時間経路が互い
    に類似であるような、すなわち数1におけるSが、ある
    ロボット固有の値α以下であるような複数の矩形の小領
    域に分割し、その分割された小領域の幾何学的重心で表
    わされる一点を代表点として、任意の一組の代表点より
    決まるロボットの動作経路群に関して、ロボットの動作
    時間を最短にする経路およびその経路上の加減速パター
    ンを予め求めておき、ロボットの制御装置内に設けられ
    た記憶装置に各々の基準経路データテーブルとして記憶
    し、前記データテーブルにない任意の始点から任意の終
    点までの経路を、ロボットの動作開始時に前記始点と前
    記終点が含まれるそれぞれの小領域の組み合わせより唯
    一決定される前記基準経路データテーブルを変換、補正
    して求めることにより、近似的に最短時間経路で動作を
    行うことを特徴とするロボットの経路制御方法。
  2. 【請求項2】 ロボットのある姿勢から他の任意の姿勢
    までの動作経路群に関し、ロボットの動作領域で、ある
    一組の代表点が含まれるそれぞれの領域間より生成され
    る全ての前記動作経路群において、前記一組の代表点を
    それぞれRj、Riとして、これより構成される基準経
    路の時系列データRi+rk、(k=0、1、2、・・
    ・、N)を基に、始点Pi、および終点Pjよりなる前
    記動作経路群の任意の経路Pi+pkを以下の数2、数
    3式に従って求めることを特徴とするロボットの経路制
    御方法。 【数2】 ここで、 【数3】
  3. 【請求項3】 基準経路の時系列データは、多関節ロボ
    ットのある姿勢から他の任意の姿勢までの動作経路群に
    関して、動作時間を最短にする経路およびその経路上の
    加減速パターンを予め最短時間制御問題を解くことによ
    って得られた各関節位置の時系列データである請求項2
    記載のロボットの経路制御方法。
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