JPH07325553A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH07325553A
JPH07325553A JP11712494A JP11712494A JPH07325553A JP H07325553 A JPH07325553 A JP H07325553A JP 11712494 A JP11712494 A JP 11712494A JP 11712494 A JP11712494 A JP 11712494A JP H07325553 A JPH07325553 A JP H07325553A
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JP
Japan
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electron
line
signal
image forming
forming apparatus
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JP11712494A
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English (en)
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Eiji Yamaguchi
英司 山口
Hidetoshi Suzuki
英俊 鱸
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子源基板上の2次元的に配列した電子放出
素子をライン単位に駆動する場合、配線抵抗による電圧
降下の影響を低減させ、各位置における放出電流をより
均一にさしめる。 【構成】 NTSC信号は同期信号分離回路106で同
期信号と画素信号とに分離される。画素信号はシフトレ
ジスタ104に格納され、1走査ライン分が格納される
と、格納された画素データ中の前半部分がまずラインメ
モリ105aに読出され、変調信号発生器107aに出
力される。そこで、駆動信号を生成し、着目しているラ
インの全半分を表示パネル101に表示させる。この
後、着目しているラインの後半部分の駆動信号も変調信
号発生器107bから出力され、ラインの後半部分を表
示パネル101に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子源を応用した画像
形成装置に関わり、特に表面伝導型電子放出素子を多数
個備える電子源を応用した表示装置等の新規な画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として、熱電子源と
冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極線は、電
界放出型(以下FE型と略す)、金属/絶縁層/金属型
(MIM型と略す)や表面伝導型電子放出素子(以下、
SCEと略す)等がある。
【0003】FE型の例に関して記述されている文献と
しては、以下のものが知られている。
【0004】1.W.P.Dyke & W.W.Dolan, "Field emiss
ion", Advance in Electron Physics,8, 89(1956); 2.C.A.Spindt, "PHYSICAL Properties of thin-film
field emission cathodes with molybdenium cones",
J.Appl.Phys.,32,(1961) また、MIM型の例に関する文献としては、C.A.Mead,
"The tunnel-emission amplifier", J.Appl.Phys.,32,
(1961)が知られている。
【0005】SCE型の例に関する文献としては、M.I.
Ellinson, Radio Eng.Electron Phy.,10,(1965)があ
る。
【0006】SCE型は、基板上に形成された小面積の
薄膜に。膜面に並行に電流を流すことにより、電子放出
が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電
子放出素子としては、前記エリンソン(M.I.Ellinson)
によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer: "Thin Solid Films",9,317(1972)]、I
n2O3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.
Fonstad: "IEEE Trans. ED Conf.", 519 (1975)]、カ
ーボン薄膜によるもの[荒木久他:真空、第26巻、第
1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0007】これら表面伝導型放出素子の典型的な素子
構成として、前述のM.ハートウェル(M.Hartwell)の
文献による素子構成を図28に示す。図示において、1
は絶縁性基板である。2は電子放出部形成用薄膜で、H
型形状のパターンにスパッタで形成された金属酸化物薄
膜等からなり、後述のフォーミングと呼ばれる通電処理
により電子放出部3が形成される。4を電子放出部を含
む薄膜と呼ぶことにする。2は素子電極となる。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に、電子放出部形成用薄膜
2を、予めフォーミングとよばれる通電処理によって電
子放出部3を形成するのが一般的であった。すなわち、
フォーミングとは前記電子放出部形成用薄膜2の両端に
電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜を局所的に破
壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態に
した電子放出部3を形成することである。尚、電子放出
部3は、電子放出部形成用薄膜2の一部に亀裂が発生
し、その亀裂付近から電子放出が行われる。以下、フォ
ーミングにより形成した電子放出部を含む電子放出部形
成用薄膜2を、電子放出部を含む薄膜4と呼ぶ。前記フ
ォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述
の電子放出部を含む薄膜4に電圧を印加し、素子に電流
を流すことにより、上述の電子放出部3より電子を放出
させめるものである。しかしながら、これら従来の表面
伝導型電子放出素子においては、実用化にあたっては様
々な問題があったが、本出願人等は、様々な改善を検討
し、実用化を行う際の様々な問題点を解決してきた。
【0009】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であことから、大面積にわたって多数素子
を半列できる利点がある。そこで、この特徴を生かせる
ような色々な応用が研究がされている。例えば、荷電ビ
ーム現、形成装置等が挙げられる。多数の表面伝導型放
出素子を配列した例としては、並列に表面伝導型電子放
出素子を配列し、個々の素子の両端を配線にてそれぞれ
結線した行を多数配列した電子源が挙げられる(例え
ば、特開平1−31332号)。また、特に表示装置等
の画像形成装置においては、近年、液晶を用いた平板型
形成装置が、CRTに替わって普及してきたが、自発光
型でないため、バックライト等を持たなければならない
等の問題があり、自発光型の形成装置の開発が望まれて
いた。表面伝導型放出素子を多数配置した電子源と電子
源より放出された電子によって、可視光を発光せしめる
蛍光体とを組み合わせた形成装置である画像形成装置
は、大画面の装置でも比較的容易に製造でき、且つ、視
野角の優れた自発光型の形成装置である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】発明者等は、上記従来
技術で記述した表面伝導型放出素子、MIM型放出素
子、FE型放出素子等の冷陰極を多数個並べてマルチ電
子源を作成し、これを画像形成装置に用いるための研究
を行ってきた。例えば、発明者等は、表面伝導型放出素
子を基板上に2次元的に多数並べ、これらを行方向配線
及び列方向配線を用いて電気的にはマトリクス状に結線
した電子源(単純マトリクス電子源)を試みている。
【0011】このような単純マトリクス電子源において
は、所望の電子ビームを出力させるため、行方向配線お
よび列方向配線に適宜の駆動信号を印加する。例えば、
行方向には所望の1行を選択するための選択信号を印加
し、これと同期して列方向配線に駆動信号を印加すれ
ば、選択された行方向配線に接続する表面伝導型放出素
子から、列方向配線に印加された駆動信号に応じて電子
ビームを出力させることができる。
【0012】しかしながら、実際には各表面伝導型放出
素子から放出された電子ビームの電流(放出電流)にむ
らが生じるという問題が発生した。このために、例えば
この電子源と蛍光体を組み合わせて表示装置を構成した
場合には、表示画像の輝度にむらが発生し問題となって
いた。
【0013】発明者等は鋭意研究した結果、この問題
は、配線の有する電気抵抗のために電圧降下が発生し、
各電子放出素子に本来意図した駆動信号が印加されてい
ないために発生したことを見い出した。特に、行方向配
線には、選択した行に接続する全表面伝導型放出素子の
電流が流れるため、電圧降下が無視できない大きさとな
り、同じ行に接続する放出素子でありながら印加される
電圧に分布が生じていた。
【0014】より具体的に説明する。電子源基板1の一
部である6×6のマトリクス部分について、電気的な等
価回路で示すと図22となる。同図において、(a)
は、素子単位部分の行方向配線及び列方向配線とその交
差部に接続される表面伝導型電子素子を示してあり、抵
抗成分をそれぞれrx,ry及びrdで表した。これを
電子源基板全体について表わしたものが同図(b)であ
る。
【0015】しかしながら、後述するMI特性により、
表面伝導型電子放出素子の抵抗成分rdは、素子の両端
に印加される電圧により例えば2桁程度その大きさが変
わる。即ち、単純マトリクス構造における半選択駆動を
受けている状態では、選択駆動を受けている場合に比べ
抵抗成分が大きい値を示す。従って、半選択駆動を受け
ている表面伝導型電子放出素子は、解放状態と見做す事
ができる。従って、図22(b)は、選択駆動している
ライン上の表面伝導型電子放出素子のみを用いた図23
の等価回路で表わす事ができる。同図において、列方向
配線dy1ないしdynを通りそれぞれの表面伝導型電子放
出素子に流れた駆動電流は、行方向配線dxkに合流して
流れる。従って、行方向配線dxkの配線抵抗分であるr
xによる電圧降下を生じ、表面伝導型電子放出素子に印
加される電圧は図24に示したようになり、電子放出量
に分布が生じ、結果的に表示輝度の分布(ムラ)を生じ
てしまう事になる。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記表面伝導型電子放出
素子は駆動電圧に対する放出電流は閾値をもつ非線形特
性を示し、かつ、電子放出電流を駆動電流で割った値が
駆動電圧に対して単調に増加する特性を示す。
【0017】そこで、本発明では、電子源基板上の2次
元的に配列した電子放出素子を走査ライン単位で駆動
し、さらに、前記駆動ライン上に接続される電子放出素
子を複数のブロックに分割し、それぞれのブロックを互
いに重ならないタイミングで駆動する事により、ライン
走査配線を流れる駆動電流の瞬時値の大きさを小さくす
る事により配線抵抗による電圧降下の影響を低減し、各
位置における放出電流をより均一にさしめる画像形成装
置を提供しようとするものである。
【0018】この課題を解決するため、本発明の画像形
成装置は以下に示す構成を備える。すなわち、画素信号
を受け、2次元的に配設された電子放出素子を順に駆動
することで、前記画素信号に対応する電子放出素子から
電子を放出させ、像を形成する画像形成装置であって、
表示しようとする画像中の1ライン分の画素信号を記憶
する記憶手段と、各ラインの電子放出素子群を少なくと
も2つのブロックに分割し、各々のブロックを独立して
駆動する駆動手段と、前記記憶手段に記憶された画素信
号を対応するブロックに割り当て、前記駆動手段を制御
し、各ブロックの駆動期間が互いに重ならないタイミン
グで順に駆動させる制御手段とを備える。
【0019】
【作用】かかる本発明の構成において、像を形成する場
合、複数のブロックに分け、各々のブロックを互いに重
ならないタイミングで駆動し、もって配線抵抗による影
響を低減する。
【0020】
【実施例】本発明にかかわる画像形成装置は基本的に
は、薄型の真空容器内に、基板上に多数の冷陰極素子を
配列して成るマルチ電子ビーム源と、電子ビームの照射
により画像を形成する画像形成部材とを対向して備えて
いる。
【0021】冷陰極素子は、例えばフォトリソグラフィ
ー・エッチングのような製造技術を用いれば基板上に精
密に位置決めして形成できるため、微小な間隔で多数個
を配列することが可能である。しかも、従来からCRT
等で用いられてきた熱陰極と比較すると、陰極自身や周
辺部が比較的低温な状態で駆動できるため、より微細な
配列ピッチのマルチ電子ビーム源を容易に実現すること
ができる。
【0022】本発明は、上述した冷陰極素子をマルチ電
子ビーム源として用いた画像形成装置にかかるものであ
る。
【0023】また、冷陰極素子のなかでもとりわけ好ま
しいのは、表面伝導型放出素子である。すなわち、前記
MIM型素子は絶縁層や上部電極の厚さを比較的精密に
制御する必要があり、またFE型は針状の電子放出部の
先端形状を精密に制御する必要がある。そのため、これ
らの素子は比較的製造コストが高くなり、製造プロセス
上の制限から大面積のものを作成するのが困難となる場
合があった。
【0024】これに対して、表面伝導型放出素子は、製
造が単純で製造が簡単であり、大面積のものも容易に作
成できる。近年、特に大画面で安価な表示装置が求めら
れている状況においては、とりわけ好適な冷陰極素子で
あるといえる。
【0025】また、本願出願人は、表面伝導型放出素子
の中では、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜か
ら形成したものが特性上、あるいは大画面化する上で好
ましいことを見い出している。
【0026】そこで、以下に述べる本発明の実施例の項
では、微粒子膜を用いて形成した表面伝導型放出素子を
マルチ電子ビーム源として用いた画像表示装置を、本発
明の画像形成装置の好ましい例として説明する。
【0027】以下に本出願人による本発明に関わる素子
の基本的な構成と製造方法およびその特徴(例えば、特
開平2−56822,4−28139等を参考にして)
及び発明者等が鋭意検討した結果見出した本発明の原理
となる特性について概説する。
【0028】本発明に関わる表面伝導型電子放出素子の
構成、及び製法の特徴は、次のようなものがあげられ
る。
【0029】1)フォーミングとよばれる“通電処理”
前の電子放出部形成用薄膜2は、微粒子分散体を分散し
形成された微粒子からなる薄膜、あるいは、有機金属等
を加熱焼成し形成された微粒子からなる薄膜等、基本的
には、微粒子より構成される。
【0030】2)フォーミングとよばれる通電処理後の
電子放出部を含む薄膜4は、電子放出部3、電子放出部
を含む薄膜4とも基本的には、微粒子より構成される。
【0031】本発明に係わる表面伝導型電子放出素子の
基本的な構成について説明する。図1(a),(b)
は、それぞれ、本発明にかかわる基本的な表面伝導型電
子放出素子の構成を示す平面図及び断面図である。図1
において、1は絶縁性基板、5と6は素子電極、4は電
子放出部を含む薄膜、3は電子放出部である。絶縁性基
板1としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減
少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法な
どにより形成したSiO2を積層したガラス基板等及び
アルミナ等のセラミックス等があげられる。対向する素
子電極5,6の材料としては導電性を有するものであれ
ばどのようなものであっても構わないが、例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,
Pd等の金属或は合金及びPd,Ag,Au,RuO
2,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等から
構成される印刷導体、In2O3−SnO2等の透明導
電体及びポリシリコン等の半導体材料等が挙げられる。
【0032】また、素子電極間隔L1は、数百オングス
トローム〜数百ミクロンであり、素子電極の製法の基本
となるフォトリソグラフィー技術、即ち、露光機の性能
とエッチング方法等、及び、素子電極間に印加する電圧
と電子放出し得る電界強度等により設定されるが、好ま
しくは数ミクロンより数十ミクロンである。素子電極長
さW1、素子電極5,6の薄膜dは、電極の抵抗値、前
述したX,Y方向配線との結線、多数配置された電子源
の配置上の問題より適宜設計され、通常は、素子電極長
さW1は数ミクロンより数百ミクロンである。素子電極
5,6の膜厚dは、好ましくは数百オングストロームよ
り数百ミクロンである。絶縁性基板1上に設けられた対
向する素子電極5と素子電極6間及び素子電極5,6上
設置された電子放出部を含む薄膜4は、電子放出部3を
含むが、図1(b)に示された場合だけでなく素子電極
5,6上には、設置されない場合もある。即ち、絶縁性
基板1上に電子放出部形成用薄膜2、対向する素子電極
5,6の電極順に積層構成した場合である。また、対向
する素子電極5と素子電極6間全てが、製法によっては
電子放出部として機能する場合もある。この電子放出部
を含む薄膜4の膜厚は、数オングストロームより数千オ
ングストローム、好ましくは数十オングストロームより
数百オングストロームであり、素子電極5,6へのステ
ップカバレージ、電子放出部3と素子電極5,6間の抵
抗値及び電子放出部3の導電性微粒子の粒径、後述する
通電処理条件等によって、適宜設定される。その抵抗値
は、10の3乗より10の7乗オーム/平方センチメー
トルのシート抵抗値を示す。
【0033】電子放出部を含む薄膜4を構成する材料の
具体例を挙げるならばPd,Ru,Ag,Au,Ti,
In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb
等の金属、PdO,SnO2,In2O3,PbO,S
b2O3等の酸化物、HfB2,ZrB2,LaB6,
CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiC,Zr
C,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、Ti
N,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導
体、カーボン、AgMg,NiCu,Pb,Sn等であ
り、微粒子膜からなる。なおここで述べる微粒子膜と
は、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造と
して微粒子が個々に分散配置した状態のみならず微粒子
が互いに隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含
む)の膜を意味する。
【0034】電子放出部3は、数オングストロームより
数千オングストローム、好ましくは10オングストロー
ムより200オングストロームの粒径の導電性微粒子多
数個からなり、電子放出部を含む薄膜4の膜厚及び後述
する通電処理(フォーミング)条件等の製法等に依存し
ており、適宜設定される。電子放出部3を構成する材料
は、電子放出部を含む薄膜4を構成する材料の元素の一
部あるいは全てと同様の物である。
【0035】電子放出部3を有する電子放出素子の製造
方法としては様々な方法が考えられるが、その一例を図
2に示す。2は電子放出部形成用薄膜で例えば微粒子膜
が挙げられる。以下、順を追って製造方法の説明を図1
及び図2に基づいて説明する。
【0036】(1)絶縁性基板1を洗剤、純水および有
機溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等
により素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技
術により該絶縁性基板1の面上に素子電極5,6を形成
する(図2(a))。
【0037】(2)絶縁性基板1上に設けられた素子電
極5と素子電極6との間、及び、素子電極5と6を形成
した絶縁性基板上に有機金属溶液を塗布して放置するこ
とにより有機金属薄膜を形成する。なお、有機金属溶液
とは、前記Pd,Ru,Ag,Au,Ti,In,C
u,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属
を元素とする有機化合物の溶液である。この後、有機金
属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等に
よりパターニングし、電子放出部形成用薄膜2を形成す
る(図2(b))。尚、ここでは、有機金属溶液の塗布
法により説明したが、これに限る物でなく、真空蒸着
法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディ
ッピング法、スピンナー法等によって形成される場合も
ある。
【0038】(3)続いて、フォーミングと呼ばれる通
電処理を素子電極5,6間に電圧を不図示の電源により
パルス状あるいは、高速の昇電圧による通電処理が行わ
れると、電子放出部形成用薄膜2の部位に構造の変化し
た電子放出部3が形成される(図2(c))。この通電
処理により電子放出部形成用薄膜2を局所的に破壊、変
形もしくは変質せしめ、構造の変化した部位を電子放出
部3と呼ぶ。先に説明したように、電子放出部3は導電
性微粒子で構成されていることを本出願人らは観察して
いる。フォーミング処理の電圧波形を図3に示す。図3
中、T1およびT2は電圧波形のパルス幅と間隔であ
り、T1を1マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイ
クロ秒〜100ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミ
ング時のピーク電圧)は4V〜10V程度とし、フォー
ミング処理は実質的に真空下で数十秒間程度で適宜設定
した。
【0039】以上説明した電子放出部を形成する際に、
素子の電極間に三角波パルスを印加してフォーミング処
理を行っているが、素子の電極間に印加する波形は三角
波に限定することはなく、矩形波など所望の波形を用い
ても良く、その波高値及びパルス幅・パルス間隔等につ
いても上述の値に限ることなく、電子放出部が良好に形
成されれば所望の値を選択することが出来る。
【0040】上述のような素子構成と製造方法によって
作成された本発明にかかわる電子放出素子の基本特性に
ついて図4,図5を用いて説明する。
【0041】図4は、図1で示した構成を有する素子の
電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成
図である。図4において、1は絶縁性基板、5及び6は
素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部
である。また、31は素子に素子電圧Vfを印加するた
めの電源、30は素子電極5,6間の電子放出部を含む
薄膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、
34は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを
捕捉するためのアノード電極、33はアノード電極34
に電圧を印加するための高圧電源、32は素子の電子放
出部3より放出される放出電流Ieを測定するための電
流計である。電子放出素子の上記素子電流If、放出電
流Ieの測定にあたっては、素子電極5,6に電源31
と電流計30とを接続し、該電子放出素子の上方に電源
33と電流計32とを接続したアノード電極34を配置
している。また、本電子放出素子及びアノード電極34
は真空装置内に設置され、その真空装置には不図示の排
気ポンプ及び真空計等の真空装置に必要な機器が具備さ
れており、所望の真空下で本素子の測定評価を行えるよ
うになっている。なお、アノード電極の電圧は1kV〜
10kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは3
mm〜8mmの範囲で測定した。
【0042】更に、本発明者等は、上述の本発明に係わ
る表面伝導型電子放出素子の特性を鋭意検討した結果、
本発明の原理となる特性上の特徴を見いだした。図4に
示した測定評価装置により測定された放出電流Ieおよ
び素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を図
5に示す。なお、図4は著しくIf,Ieの大きさが異
なるため任意単位で示されており、(放出電流Ieは素
子電流Ifのおおよそ2000分の1程度である。)図
5からも明らかなように、本電子放出素子は放出電流I
eに対する三つの特性を有する。
【0043】まず第1に、本素子はある電圧(しきい値
電圧と呼ぶ、図5中のVth)以上の素子電圧を印加する
と急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vt
h以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。すな
わち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vth
を持った非線形素子である。
【0044】第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
【0045】第3に、アノード電極34に捕捉される放
出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。す
なわち、アノード電極34に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間により制御できる。以上のよう
な特性を有するため、本発明にかかわる電子放出素子
は、多方面への応用が期待できる。
【0046】また、素子電流Ifは素子電圧Vfに対し
て単調増加する(MI特性と呼ぶ)。この場合、Vfに
対してIfの増加よりも放出電流Ieの増加率が大きい
ために図6に示したように素子電圧Vfに対する放出電
流効率Ie/Ifも単調増加する特性を示す。
【0047】また、図5に示した素子電流Ifの特性
が、素子電流Ifが素子電圧Vfに対して電圧制御型負
性抵抗(VCNR特性と呼ぶ)特性を示す場合もある。
なおこの場合も、本電子放出素子は上述した三つの特性
上の特徴を有する。
【0048】なお、上述の基本的な製造方法に限ること
なく、前記本発明の基本的な素子構成の基本的な製造方
法のうち一部を変更してもよい。
【0049】次に、本発明の主眼である電子源及び画像
形成装置について述べる。前述した本発明にかかわる表
面伝導型電子放出素子の基本的特性の3つの特徴よれ
ば、表面伝導型電子放出素子からの放出電子は、しきい
値電圧以上では、対向する素子電極間に印加するパルス
状電圧の波高値と幅に制御される。一方、しきい値電圧
以下では放出されない。この特性によれば、多数の電子
放出素子を配置した場合においても、個々の素子に上記
パルス状電圧を適宜印加すれば、任意の表面伝導型電子
放出素子を選択し、その電子放出量が制御出来る事とな
る。
【0050】以下この原理に基づき構成した電子源基板
の構成について図7を用いて説明する。
【0051】71は絶縁性基板、72はX方向配線、7
3はY方向配線、74は表面伝導型電子放出素子、75
は結線である。同図において、絶縁性基板71は前述し
たガラス基板等であり、その大きさ及びその厚みは絶縁
性基板71に設置される表面伝導型電子素子の個数及び
個々の素子の設計上の形状、更には電子源の使用時容器
の一部を構成する場合には、その容器を真空に保持する
ための条件等に依存して適宜設定される。
【0052】m本のX方向配線72は、Dx1,Dx2,
…,Dxmからなり、絶縁性基板1上に、真空蒸着法、印
刷法、スパッタ法等で形成し、所望のパターンとした導
電性金属等からなり、多数の表面伝導型電子素子にほぼ
均等な電圧が供給される様に、材料、膜厚、配線幅が設
定される。
【0053】Y方向配線73は、Dy1,Dy2,…Dynの
n本の配線よりなり、X方向配線72と同様に、真空蒸
着法、印刷法、スパッタ法等で形成し、所望のパターン
とした導電性金属等からなり、多数の表面伝導型電子素
子にできるだけほぼ均等な電圧が供給される様に、材
料、膜厚、配線幅等が設定される。
【0054】これらm本のX方向配線72とn本のY方
向配線73間には、不図示の層間絶縁層が設置され、電
気的に分離されて、マトリクス配線を構成する(この
m,nは、共に正の整数)。電気的に分離させるための
層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形
成されたSiO2等であり、X方向配線72を形成した
絶縁性基板51の全面或は一部に所望の形状で形成さ
れ、特に、X方向配線72とY方向配線73の交差部の
電位差に耐え得る様に、膜厚、材料、製法が、適宜設定
される。また、X方向配線72とY方向配線73の交差
部のみに設置される場合もあり、この時は、結線75と
X方向配線72あるいはY方向配線73の電気的接続
は、コンタクトホールを介さずに行う事ができる。ま
た、X方向配線72とY方向配線73は、それぞれ外部
端子として引き出されている。
【0055】尚、m本のX方向配線62の上にn本のY
方向配線73を、層間絶縁層を介して設置した例で説明
したが、n本のY方向敗戦73の上にm本のX方向配線
72を、層間絶縁層を介して設置する場合もある。更
に、前述と同様にして表面伝導型電子放出素子74の対
向する電極(不図示)が、m本のX方向配線Dx1,Dx
2,…,Dxmとm本のX方向配線72とn本のY方向配
線73と、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成さ
れた導電性金属等からなる結線55によって電気的に接
続されているものである。
【0056】尚、m本のX方向配線72とn本のY方向
配線73と結線5と対向する素子電極の導電性金属は、
その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、ま
たそれぞれ異なっても良く、Ni,Cr,Au,Mo,
E,Pt,Ti,Ai,Cu,Pd等の金属或は合金及
びPd,Ag,Au,RuO2,Pd−Ag等の金属或
は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In
2O3−SnO2等の透明導体及びポリシリコン等の半
導体導体材料等より適宜選択される。また、表面伝導型
電子放出素子は、絶縁性基板51あるいは、不図示の層
間絶縁層上どちらに形成してもよい。
【0057】また、前記X方向配線72には、X方向に
配列する表面伝導型電子放出素子74の行を任意に走査
するための走査信号を印加するための不図示の走査信号
発生手段が電気的に接続されている。一方、Y方向配線
73には、Y方向に配列する表面伝導型電子放出素子7
4の列の各列を任意に変調するための変調信号を印加す
るための不図示の変調信号発生手段が電気的に接続され
ている。更に、表面伝導型電子放出素子の各素子に印加
される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変
調信号の差電圧として供給されたものである。
【0058】つぎに、以上のようにして作成した電子源
を用いた表示等にもちいる画像形成装置について図7と
図8を用いて説明する。図8は、画像形成装置の基本構
成図であり、図9は、蛍光膜である。1は、上述のよう
にして電子放出素子を作製した電子源、81は、電子源
1を固定したリアプレート、86は、ガラス基板83の
内面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成されたフ
ェースプレート、82は、支持枠であり、リアプレート
81及びフェースプレート86をフリットガラス等で封
着して、外囲器88を形成する。外囲器88は、上述の
如く、フェースプレート86、支持枠82、リアプレー
ト81で外囲器88を構成したが、リアプレート81は
主に基板1の強度を補強する目的で設けられるため、基
板1自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート
81は不要であり、基板1に直接支持枠82を封着し、
フェースプレート86、支持枠82、基板1にて外囲器
88を構成してもよい。
【0059】図9は、蛍光膜である。蛍光膜84は、モ
ノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍
光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプ
あるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導伝材
91と蛍光体92とで構成される。ブラックストライ
プ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表
示の場合に必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体92間
の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくする
ことと、蛍光膜84における外光反射によりコントラス
トの低下を抑制することである。ブラックストライプの
材料としては、通常良く用いられている黒鉛を主成分と
する材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射
が少ない材料であればこれに限るものではない。ガラス
基板83に蛍光体を塗布する方法はモノクローム、カラ
ーによらず、沈殿法や印刷法が用いられる。また、蛍光
膜84の内面側には通常メタルバック85が設けられ
る。メタルバックの目的は、蛍光体の発光のうち内面側
への光をフェースプレート86側へ鏡面反射することに
より輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加す
るための電極として作用すること、外囲器内で発生した
負イオンの衝突によりダメージからの蛍光体の保護等で
ある。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側
表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行
い、その後Al(アルミ)を真空蒸着等で堆積すること
で作製できる。フェースプレート86には、更に蛍光膜
84の導伝性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明
電極(不図示)が設けてもよい。前述の封着を行う際、
カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させ
なくてはいけないため、十分な位置合わせを行なう必要
がある。外囲器88は、不図示の排気管を通じ、10の
マイナス6乗トール程度の真空度にされ、外囲器811
の封止をおこなう。尚、容器外端子Dx1ないしDxm
とDy1ないしDynを通じ素子電極5,6間に電圧を
印加し、上述のフォーミングを行い、電子放出部3を形
成し電子放出素子を作製した。また、外囲器88の封止
後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行なう場
合もある。これは、外囲器88の封止を行う直前あるい
は封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法に
より、外囲器88内の所定の位置(不図示)に配置され
たゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲ
ッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作
用により、たとえば1×10マイナス5乗ないしは1×
10マイナス7乗[Torr]の真空度を維持するもの
である。以上のように完成した本発明の画像表示装置に
おいて、各電子放出素子には、容器外端子Dx1ないしD
xm,Dy1ないしDynを通じ、電圧を印加することにより
電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバック8
5、あるいは透明電極(不図示)に数kV以上の高圧を
印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、
励起・発光させることで画像を表示するものである。
【0060】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像装置の用途に適するよう適宜
選択する。
【0061】また、本発明の思想によれば、表示に用い
られる好適な画像形成装置に限るものでなく、感光性ド
ラムと発光ダイオード等で構成された光プリンタの発光
ダイオード等の代替の発光源として、上述の画像形成装
置の用いることもできる。またこの際、上述のm本の行
方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、
ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても
応用できる。
【0062】前述のようにして作成された表示パネル
で、表示動作を行う為の電気回路構成を以下に例示す
る。図10は、NTSC方式のテレビ信号に基きテレビ
ジョン表示を行う為の駆動回路の概略構成ブロック図で
ある。図中、101は前記表示パネルであり、また、1
02は走査回路、103は制御回路、104はシフトレ
ジスタ、105はラインメモリ、106は同期信号分離
回路、107は変調信号発生器、VxおよびVaは直流
電圧源である。以下、各部の機能を説明してゆくが、ま
ず表示パネル101は、端子Dx1ないしDxm、および端
子Dy1ないしDyn、および高圧端子Hvを介して外部の
電気回路と接続されている。このうち、端子Dx1ないし
Dxmには、前記表示パネル内に設けられているマルチ電
子ビーム源、すなわちM行N列の行列状にマトリクス配
線された表面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ず
つ順次駆動してゆく為の走査信号が印加される。一方、
端子Dy1ないしDynには、前記走査信号により選択され
た一行の表面伝導型電子放出素子の各素子の出力電子ビ
ームを制御する為の変調信号が印加される。また、高圧
端子Hvには、直流電圧源Vaより、たとえば10k
[V]の直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型電
子放出素子より出力される電子ビームに蛍光体を励起す
るのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧であ
る。
【0063】次に、走査回路102について説明する。
同回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えるもの
で(図中、S1ないしSmで模式的に示している)、各
スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしく
は0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択
し、表示パネル101の端子Dx1ないしDxmと電気的に
接続するものである。S1ないしSmの各スイッチング
素子は、制御回路103が出力する制御信号Tscan
に基づいて動作するものであるが、実際にはたとえばF
ETのようなスイッチング素子を組み合わせることによ
り容易に構成することが可能である。
【0064】尚、前記直流電圧源Vxは、本実施例の場
合には、前記表面伝導型電子放出素子の特性にもとづき
7[V]の一定電圧を出力するように設定している。
【0065】また、制御回路103は、外部より入力す
る画像信号にもとづいて適切な表示が行われるように各
部の動作を整合させる働きをもつものである。そして、
次に説明する同期信号分離回路106より送られる同期
信号Tsyncにもとづいて、各部に対してTscan
およびTsftおよびTmryの各制御信号を発生す
る。尚、各制御信号のタイミングに関しては、後に図1
5を用いて詳しく説明する。
【0066】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られてい
るように周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容
易に構成できるものである。同期信号分離回路106に
より分離された同期信号は、良く知られるように垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として図示した。一方、前記テレビ
信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DAT
A信号と表す。DATA信号はシフトレジスタ104に
順に入力される。ここで、シフトレジスタ104は、画
像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのも
ので、前記制御回路103より送られる制御信号Tsf
tにもとづいて動作する(すなわち、制御信号Tsft
は、シフトレジスタ104のシフトクロックであると言
い換えても良い)。
【0067】シリアル/パラレル変換された画像1ライ
ン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当する)
のデータは、Id1ないしIdnのN個の並列信号とし
て前記シフトレジスタ104より出力される。
【0068】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryにし
たがって適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記
憶された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力さ
れ、変調信号発生器107に入力される。変調信号発生
器107は、前記画像データI’d1ないしI’dnの
各々に応じて、表面伝導型電子放出素子の各々を適切に
駆動変調する為の信号源で、その出力信号は、端子Dy
1ないしDynを通じて表示パネル101内の表面伝導
型電子放出素子に印加される。
【0069】前述したように、本発明に関わる電子放出
素子は放出電流Ieに対して3つの基本特性を有してい
る。このため、例えば図16(a)に示すように電子放
出閾値以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、
同図(b)に示すように電子放出閾値以上の電圧を印加
する場合にはパルスの長さPwもしくはパルスの波高値
Vmを変化させる事により出力電子ビームを制御する事
が可能である。したがって、変調信号発生器107とし
ては、一定電圧のパルスを発生するが入力されるデータ
に応じて適宜パルスの長さを変調するようなパルス幅変
調方式のもの、もしくは、一定の長さの電圧パルスを発
生するが入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式のもを用いることが
可能である。つまり、人間の視覚上、明るさ(輝度)は
時間積分した結果であるからである。
【0070】以上、図10に示された各部の機能につい
て述べたが、全体動作の説明に移る前に図11ないし図
14を用いて前記表示パネル101の動作についてより
詳しく説明しておく。図示の便宜上、表示パネルの画素
数を6×6(すなわち M=N=6)として説明する
が、実際に用いる表示パネル101はこれよりもはるか
に多数の画素を備えたものである事は言うまでもない。
【0071】図11に示すのは、6行6列の行列状に表
面伝導型放出素子をマトリクス配線したマルチ電子ビー
ム源であり、説明上、各素子はD(1,1),D(1,
2)、…、D(6,6)のように(X,Y)座標で位置
を示しているものとする。
【0072】このようなマルチ電子ビーム源を駆動して
画像を表示していく際には、X軸と平行な画像の1ライ
ンを単位として、ライン順次に画像を形成する方法をと
る。画像の1ラインに対応した電子放出素子を駆動する
には、Dx1ないしDx6のうち表示ラインに対応する行の
端子に0[V]を、それ以外の端子には7[V]を印加
する。それと同期して、当該ラインの画像パターンにし
たがってDy1ないしDy6の各端子に変調信号を印加す
る。
【0073】たとえば、図12に示すような画像パター
ンを表示する場合を例にとって説明する。説明の便宜
上、画像パターンの発光部の輝度は等しく、たとえば1
00[フートランバート]相当であるとする。前記表示
パネル101においては、蛍光体に従来公知のP−22
を用い、加速電圧を10k[V]とし、画像表示の繰り
返し周波数を60[Hz]とし、電子放出素子として前
記特性の表面伝導型放出素子を用いたが、この場合には
14[V]の電圧を印加するのが適当であった(尚、こ
の数値は各パラメータを変更すれば当然変わるべきもの
である)。
【0074】そこで、図12の画像のうち、たとえば第
3ライン目を発光させる期間中を例にとって説明する。
図13は、前記画像の第3ライン目を発光させる間に、
端子Dx1ないしDx6、および、端子Dy1ないしD
y6を通じてマルチ電子ビーム源に印加する電圧値を示
したもので、同図から明らかなように、D(2,3),
D(3,3),D(4,3)の各表面伝導型電子放出素
子には、14[V]が印加されて電子ビームが出力され
る一方、上記3素子以外は7[V](図中斜線で示す素
子)もしくは0[V](図中白ぬきで示す素子)が印加
されるが、これは電子放出のしきい値電圧以下である
為、これらの素子からは電子ビームは出力されない。
【0075】同様の方法で、他のラインについても図1
2の表示パターンに従ってマルチ電子ビーム源を駆動し
てゆくが、この様子を時系列的に示したのが図14のタ
イムチャートである。同図に示すように、第1ラインか
ら順次1ラインずつ駆動していくことにより、ちらつき
のない画像表示が可能であった。
【0076】尚、表示パターンの発光輝度を変更する場
合、輝度をより大きく(小さく)するには端子Dy1な
いしDy6に印加される変調信号のパルスの長さを10
マイクロ[秒]よりも長く(短く)するか、またはパル
スの電圧波高値を14[V]よりも大きく(小さく)す
る事により変調が可能である。
【0077】以上、6×6のマルチ電子ビーム源を例に
とって、表示パネル101の駆動方法を説明したが、次
に図10の装置の全体動作について、図15のタイムチ
ャートを参照しながら説明する。
【0078】図15中(1)に示すのは、外部から入力
するNTSC信号から同期信号分離回路106により分
離された輝度信号DATAのタイミングであり、図に示
すように1ライン目、2ライン目、3ライン目…と順に
送られてくる。また、これと同期して制御回路103か
らシフトレジスタ104に対して図示(2)の如くシフ
トクロックTsftが出力される。シフトレジスタ10
4に1ライン分のデータが蓄積されると、同図(3)に
示すタイミングで、制御回路103からラインメモリ1
05に対してメモリ−ライト信号Tmryが出力され、
1ライン(N素子分)の駆動データが記憶保持される。
その結果、ラインメモリ105の出力信号であるI’d
1ないしI’dnの内容は同図(4)に示すタイミング
で変化する。
【0079】一方、走査回路102の動作を制御する制
御信号Tscanの内容は同図(5)に示すようなもの
となる。すなわち、1ライン目を駆動する場合には、走
査回路102内のスイッチング素子S1のみが0[V]
で他のスイッチング素子は7[V]、また2ライン目を
駆動する場合には、スイッチング素子S2のみが0
[V]で他のスイッチング素子は7[V]、以下同様、
というように動作が制御される。また、これと同期して
変調信号発生器107から表示パネル101に対して
は、図15の(6)に示すタイミングて変調信号が出力
される。
【0080】尚、上記説明中、特に記載しなかったが、
シフトレジスタ104やラインメモリ105は、デジタ
ル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差し支え
なく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度及びタイミングで行なわれればよい。尚、デ
ジタル信号式を用いる場合には、同期信号分離回路10
6の出力信号DATAをデジタル信号化する必要がある
が、これは106の出力部にA/D変換器を備えれば容
易に可能であることは言うまでもない。
【0081】以上に説明した動作により、表示パネル1
01を用いてテレビジョンの表示を行う事が可能とな
る。
【0082】さて、ここで表示パネルがある程度の大き
さになると、先に説明した電圧降下の影響を受け、パネ
ル上での発光輝度に分布(ムラ)が発生する。本発明は
かかる点を一掃する。
【0083】本発明による表示パネルの駆動方法につい
て図17及び図18を用いて詳しく説明する。ここで
は、便宜上行方向に中央から2つのグループに分けて、
1ライン走査時間中のそれら2つのグループを別々に表
示させる。いわゆる時分割駆動法による画像表示を行う
駆動方法について詳しく説明する。同図において、図1
0と同様の機能を持つものについては同じ番号を付し
た。
【0084】図10同様にNTSC信号が同期信号分離
回路106によりDATA信号及び同期信号Tsync
に分割される。DATA信号は制御回路103からのシ
フトクロックTsftに応じてシフトレジスタ104に
順次入力される(図18(1)及び(2)参照)。こう
して、シフトレジスタ104に1ライン分のデータが格
納されると、制御回路103は不図示のラッチ信号をラ
インメモリ105a、105bに出力させ、ラインメモ
リ105a、105b内のデータを更新させると共に、
シフトレジスタ104に次のラインデータの格納を可能
にさせる。
【0085】さて、1ライン分データが更新された時点
で、制御回路103からのTmryをもとに、メモリロ
ード制御回路1ー8はメモリロードタイミング信号Tm
rya(この場合Tmry信号に同じ)及びTmryb
を図18(3)及び(5)のタイミングで発生する。つ
まり、1ライン分のDATA信号(Id1〜Idn)がシフ
トレジスタ104に入力されるたびに、TmryaとT
mryb信号をそれぞれ1つずつ出力する。
【0086】ラインメモリ(実際には1/2ライン分の
容量で済む)105aは、自身に出力されてきたn/2
個のDATA信号のId1〜Idn/2(1ライン分の前半
部に相当する)をTmrya信号に従ってラッチし、そ
れを出力する。また、ラインメモリ105bもTmry
b信号に従って、DATA信号Id(n/2+1)〜Idnをラッ
チし、それを出力する。
【0087】変調信号発生器107aは、上記ラインメ
モリ105aからのDATA信号に基づいて、表示パネ
ル101の該当するラインの前半部分の駆動信号Dy1〜
Dyn/2を出力し、該当部分のみの表示を行なわせる。続
いて、変調信号発生器107bは、ラインメモリ105
bからのDATA信号に基づいて、表示パネル101の
該当ラインの後半部分の駆動信号Dy(n/2+1)〜Dynを出
力し、該当部分のみの表示を行なわせる。
【0088】但し、素子単体で見ると、実質的に1ライ
ン走査期間内の駆動時間が1/2(図18参照)になる
ために、例えば前述のパルス幅変調法による駆動法を行
う為には電子放出量が1/2になり、所望の輝度が得ら
れない事になる。そこで、本出願人による表面伝導型電
子放出素子が図5,図6に示したような特性を示すの
で、電子放出量が2倍になるように駆動電圧を上げる事
により駆動電流の上昇を抑えつつ、輝度を所望の値にす
ることができる。つまり、変調信号発生器107a,1
07bは、電子放出量を2倍にする信号を出力する。
【0089】以上の処理を図19を用いて更に詳しく説
明する。同図において、先に説明した時分割駆動を行わ
ない場合の素子の駆動電圧はVf1であり、このときの
素子電流はIf1、放出電流はIe1である。
【0090】一方、本実施例の時分割駆動を行う場合に
は、前述のように放出電流を2倍のIe2(Ie2=2
Ie1)にする必要があるために駆動電圧はVf2に選
択され、駆動電流はIf2となる。同図で明らかなよう
にVf2はわずかにVf1より大きい値であり、If2
は、If1の3/2倍程度となる。この事は、駆動電流
の増加及び消費電力の増加が低く抑えられた状態で放出
電流を増加させ得るという本発明に関わる表面伝導型電
子放出素子の駆動法上の特徴を表わしている事を意味す
る。
【0091】したがって、本駆動法によれば1ラインの
表面伝導型電子放出素子のうち同時に駆動される素子数
が1/2に減少する事と輝度の確保の為の駆動電流アッ
プ分から、図23におけるdxkに流れる駆動電流の瞬
時値が約2/3になる。したがって、図24に示したよ
うな印加電圧の分布が図20のようになり、電圧降下量
が改善される。尚、図20においては1ライン分の印加
電圧分布を示したが、実際には時間的に2つに分割して
駆動するために瞬時的な印加電圧分布は、1ないしn/
2番目の素子が駆動されている場合とn/2+1ないし
n番目の素子が駆動されている場合とに分けられるが、
視覚的に輝度そして見た場合には視覚系の応答が遅いた
めに図20のような分布として感じられる。
【0092】尚、上記実施例では、1ラインの行方向の
中央より2つにグループ分けして時分割駆動を行う場合
について説明したが、グループ分けする単位は、これに
限らず任意でよく、例えば隣接画素単位(モノクロの場
合には素子単位、カラーの場合にはRGBの画素単位)
で2グループに分けて時分割駆動を行った場合にも図2
1に示したような図24よりも改善された分布となる。
【0093】また、前述のグループ分けも2つに限らず
所望の輝度との兼ね合いで任意に設定することができる
事は明らかである。
【0094】また、本実施例においてはNTSC方式の
テレビ信号にもとづきテレビジョン表示を行う例を示し
たが、本発明適用の表示パネルの応用はこれに限るもの
ではない。他の方式のテレビジョン信号、あるいは、計
算機や画像メモリ、通信ネットワークなど種々の画像信
号源と直接あるいは間接に接続する表示装置に広く用い
ることが可能であり、とりわけ大容量の画像を表示する
大画面の表示に好適である。
【0095】<第2の実施例の説明>次に第2の実施例
を説明する。図25及び図26は本発明の第2の実施例
の装置構成を示している。同図において図17及び図1
8と同様の機能を有するものについては同じ番号で示し
た。この場合も、1ライン上の電子放出素子を2つの駆
動グループに分けた例について説明する。
【0096】さて、本第2の実施例と前述した実施例
(第1の実施例)との違いは、第1の実施例では、1ラ
インを前半、後半の2つに分けて駆動したのに対し、本
第2の実施例では1ラインの奇数番目の画素群と、偶数
番目の画素群とに分けで駆動する。つまり、表示パネル
101の奇数端子Dy1、Dy3、…、Dy(n-1)をまず駆動
し、その後でDy2、Dy4、…、Dynを駆動する。そし
て、次のラインに移って、同様の処理を繰りかえす。
【0097】駆動方法について図26のタイミングチャ
ートを用いて説明すると、まず、前述と同様にNTSC
信号から得られたDATA信号をシフトクロックTsf
tにより順次シフトレジスタ110に入力して行く。1
ライン分のデータがシフトレジスタ110に格納された
ところで、制御回路103はメモリロードタイミング信
号Tmryを出力し、シフトレジスタ110に格納され
ている1ライン分のデータをラインメモリ111に格納
する。尚、1ラインのデータがシフトレジスタ110に
格納さたか否かは、同期信号分離回路106から出力さ
れたDATAの転送クロックを計数するカウンタを設
け、1ライン分の画素数を計数した時点でTmry信号
を出力すればよい。
【0098】さて、ラインメモリ111に格納されたデ
ータは、スイッチマトリックス113aに供給される
(この間、シフトレジスタ110には、次のラインのデ
ータが格納されはじめている)。スイッチマトリックス
113aは、制御回路103から出力される画素選択信
号Tselの信号レベルがhigh(=1)の場合には、
ラインメモリ111からのデータ中、偶数番目の画素デ
ータを選択し、そのレベルがlow(=0)の場合には
奇数番目の画素データを選択する。従って、スイッチマ
トリックス113aからの出力信号の数はn/2本にな
る。
【0099】変調信号発生器112は、与えられた画素
データ(スイッチマトリックス113aで選択された画
素データ)に基づいて駆動信号を生成する。そして、生
成された駆動信号は、スイッチマトリックス113bに
供給される。このスイッチマトリックス113bは、先
に説明したスイッチマトリックス113aと同様、画素
選択信号Tselの論理レベルがhighの場合には表示
パネルの奇数端子に駆動信号を供給し、その論理レベル
がlowの場合には偶数端子に駆動信号を出力する。
【0100】制御回路103としては、例えば、Tsy
ncの入力を画素選択信号Tselをhighにするト
リガにし、所定クロック計数後その論理をlowにす
る。また、制御回路103は、Tsyncに含まれる水
平同期信号が入力される度に、Tscan信号を出力
し、走査回路102がある1つのラインにたいしてのみ
“0”ボルトを出力させ、その他を所定電圧Vxにさせ
る。0ボルトを出力する順序は、第1ライン、第2ライ
ン、…、第mライン、第1ライン、…という順である。
【0101】以上の結果、本第2の実施例においても、
第1の実施例と同様に、電圧効果による輝度ムラの発生
を減少させることが可能になる。特に、第1の実施例で
は、1ラインを前半部分と後半部分とに分けて駆動した
ので、場合によっては表示パネルの真ん中あたりで輝度
が変化する部分が発生する危惧があるのに対し、本第2
の実施例のようにすることで、そのような危惧を懸念す
ることもない。
【0102】<第3の実施例の説明>上記第1、第2の
実施例では、表示する対象がNTSC信号であるとして
説明したが、例えば、パーソナルコンピュータ等のVR
AMに描画された画像を表示するようにしてもよい。こ
の場合の例を第3の実施例として説明する。
【0103】図示の如く、上記第2の実施例と異なるの
は、画像メモリ109、ラインメモリ114が追加さ
れ、同期信号分離回路106がなくなった点である。
尚、説明を簡単にするため、画像メモリ(一般にVRA
Mと呼ばれている)109はデュアルポートRAMであ
り、不図示のCPU等が画像メモリ109にイメージの
展開を行っている間でも、その内容を読み取れるもので
ある。
【0104】さて、図示の構成を説明すると、次のよう
になる。
【0105】画像メモリ109から1ライン分のデータ
を取り出すため、制御回路103は1ライン分のデータ
を順にアドレスし、ラインメモリ114に対して書き込
み信号、画像メモリ109に対してはリード信号を出力
する。1ライン分のデータがラインメモリ114に格納
されると、メモリロードタイミング信号Tmryを出力
すると共に、次のラインのデータの読出しを行う。
【0106】ラインメモリ114に格納されたデータ
は、メモリロードタイミング信号Tmryによって、ラ
インメモリ111に格納される。ラインメモリ111以
降の処理については、上記第2の実施例と同様であるの
で説明は省略する。
【0107】以上説明したように、本第3の実施例によ
れば、NTSC信号の如く、リアルタイムに変化する映
像を表示するばかりでなく、パーソナルコンピュータ等
のVRAM内の画像を表示することが可能になる。
【0108】また、第2の実施例と第3の実施例の両方
を適宜選択できるようにしてもよい。
【0109】尚、上記第3の実施例では、画素データを
偶数番目と、奇数番目とにわけで表示駆動させたが、こ
れによって本願発明が限定されるものではない。例え
ば、3n、3n+1,3n+2で表わされる3つのグル
ープをそれぞれのタイミングで駆動して良いし、4つの
グループやあるいはそれ以上のグループを別々に駆動す
るようにしても良い。
【0110】但し、あまり多数のグループに分けると、
スイッチマトリックスが選択する候補の数が増えること
になると共に、スイッチマトリックスに対する選択信号
の本数(ビット数)も増え、回路構成が複雑になる。表
示ディスプレイの大きさにもよるが、グループの数はせ
いぜい数個であろう。
【0111】また、上記第3の実施例では、画像メモリ
109を本発明の装置の一構成要素として説明したが、
これに限定されるものではなく。画像メモリはパーソナ
ルコンピュータ等の電子機器に備えられたVRAMと
し、表示パネル101を除く回路構成を電子機器に装着
可能なカード(もしくはボード)とし、更に、表示パネ
ル101を独立した装置として分ける様にしても良い。
【0112】以上説明したように本実施例によれば、電
子源基板の表面伝導型電子放出素子として駆動電圧に対
する駆動電流及び電子放出電流は閾値を持つ非線形特性
を示し、かつ、電子放出電流を駆動電流で割った値が駆
動電圧にたいして単調に増加するような素子を用いる。
そして、電子源基板状の2次元的に配列した表面伝導型
電子放出素子を走査ライン単位で駆動し、さらに、前記
駆動ライン上に接続される表面伝導型電子放出素子を複
数のブロックに分割し、それぞれのグループを1ライン
走査時間内の異なる時間に選択的に駆動する。これによ
り、ライン単位で駆動する際に複数の電子放出素子から
共通側配線に流れ込む駆動電流の瞬時値を低減し、配線
抵抗における駆動電流による電圧降下に伴う駆動電圧の
分布を低減し、より均一な発光を行なわせることが可能
になる。
【0113】尚、上記実施例では表面伝導型の冷陰極電
子源について説明したが、MIM、FE型素子に適応し
た場合にもある程度の効果を得ることができた。従っ
て、本願発明は上記実施例に限定されるものではない。
【0114】また、実施例では、画像表示装置に適応さ
せた例を説明したが、それ以外としてはプリンタ用の光
源、電子ビーム描画装置等の他の画像形成装置にも適応
できる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、1
ラインを複数のブロックに分け、そして各々のブロック
を互いに重ならないタイミングで駆動することで、配線
抵抗による電圧降下の影響を低減し、各位置における放
出電流をより均一にさせ、良好な画像を表示させること
が可能になる。
【0116】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる平面型表面伝導電子放出素子の
基本構成図である。
【図2】本発明に係わる表面伝導型電子放出素子の基本
的な製法図である。
【図3】本発明に係わる表面伝導型電子放出素子の通電
伝処理の電圧波形である。
【図4】本発明に係わる表面伝導型電子放出素子の基本
的な測定評価装置図である。
【図5】本発明に係わる表面伝導型電子放出素子の基本
的な特性図である。
【図6】本発明に係わる表面伝導型電子放出素子の基本
的な特性図である。
【図7】本発明に関わる電子源構成図である。
【図8】本発明に関わる画像形成装置図である。
【図9】蛍光膜の説明図である。
【図10】本発明に関わる画像表示装置のブロック構成
図である。
【図11】電子放出素子が行列状に配線されたマルチ電
子源の一部回路図である。
【図12】原画像の一例を示す図である。
【図13】マルチ電子源に印加する駆動電圧を示す図で
ある。
【図14】1画面を順次1ラインずつ表示してゆく際の
タイムチャートである。
【図15】本発明に関わる回路の全体動作を説明するた
めのタイムチャートである。
【図16】電子放出素子に印加される駆動電圧を説明す
るための図である。
【図17】本発明の第1の実施例における画像表示装置
のブロック構成図である。
【図18】本発明の回路の全体動作を説明するためのタ
イムチャートである。
【図19】本発明の駆動方法による電子放出素子の駆動
特性を説明する図である。
【図20】本発明の駆動方法により1ライン上の電子放
出素子の印加電圧分布を説明する図である。
【図21】本発明の別の駆動方法による1ライン上の電
子放出素子の印加電圧分布を示す図である。
【図22】マルチ電子源の電気的等価回路を説明する図
である。
【図23】マルチ電子源の電気的等価回路を説明する図
である。
【図24】従来の駆動方法による1ライン上の電子放出
素子の印加電圧分布を示す図である。
【図25】本発明の第2の実施例における画像表示装置
のブロック構成図である。
【図26】本発明の別の回路の全体動作を説明するため
のタイムチャートである。
【図27】本発明の第3の実施例における画像表示装置
のブロック構成図である。
【図28】表面伝導型放出素子の典型的な構成を示す図
である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 電子放出部形成用薄膜 3 電子放出部 4 電子放出部を含む薄膜 5,6 素子電極 30 電流計 31 電源 32 電流計 33 電源 34 アノード電極 67 段差形成部 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 表面伝導型電子放出素子 75 結線 81 電子源を1を固定したリアプレート 82 支持枠 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 88 外囲器 91 黒色導伝材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 108 メモリロード制御回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 5/68 B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素信号を受け、2次元的に配設された
    電子放出素子を順に駆動することで、前記画素信号に対
    応する電子放出素子から電子を放出させ、像を形成する
    画像形成装置であって、 表示しようとする画像中の1ライン分の画素信号を記憶
    する記憶手段と、 各ラインの電子放出素子群を少なくとも2つのブロック
    に分割し、各々のブロックを独立して駆動する駆動手段
    と、 前記記憶手段に記憶された画素信号を対応するブロック
    に割り当て、前記駆動手段を制御し、各ブロックの駆動
    期間が互いに重ならないタイミングで順に駆動させる制
    御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記電子放出素子は、x方向配線とy方
    向配線でマトリクス配線されていることを特徴とする請
    求項第1項に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記画素信号はNTSC信号であって、 前記制御手段は、NTSC信号中の1走査ライン周期内
    で、1ラインに対して割り当てられた各ブロックを順に
    駆動することを特徴とする請求項第1項に記載の画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 前記ブロックは1ライン中に一様に並ん
    だ電子放出素子群を複数等分したうちの1つであること
    を特徴とする請求項第1項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記ブロックは1ライン中に一様に並ん
    だ電子放出素子群を所定間隔毎にサンプリングして得ら
    れた電子放出素子群の集合であることを特徴とする請求
    項第1項に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記電子放出素子は、表面伝導型の冷陰
    極電子源であることを特徴とする請求項第1項に記載の
    画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記表面伝導型の冷陰極電子源は、その
    電子放出電流が駆動電圧に対して閾値を持つ非線形特性
    を持つことを特徴とする請求項第6項に記載の画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記表面伝導型の冷陰極電子源は、その
    電子放出電流を駆動電流で割った値が駆動電圧に対して
    略単調増加する特性を持つことを特徴とする請求項第6
    項に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 1ラインに対するブロック数が多いほ
    ど、各ブロックの駆動電圧を高くすることを特徴とする
    請求項第1項に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子は、MIM型(金属
    /絶縁層/金属型)素子であることを特徴とする請求項
    第1項に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記電子放出素子は、FE型(電界放
    出型)素子であることを特徴とする請求項第1項に記載
    尾画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09297556A (ja) * 1996-05-01 1997-11-18 Canon Inc 画像形成装置及びその駆動回路及び電子ビーム発生装置及びその電子放出源の駆動方法
JPH11288247A (ja) * 1998-04-03 1999-10-19 Canon Inc 電子源駆動装置及び方法およびそれを用いた画像形成装置
WO2020059336A1 (ja) 2018-09-18 2020-03-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 ディスプレイ駆動装置およびディスプレイの駆動方法

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US11403996B2 (en) 2018-09-18 2022-08-02 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Display driving device and display driving method

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