JP3507128B2 - 画像表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

画像表示装置及びその駆動方法

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JP3507128B2
JP3507128B2 JP11711894A JP11711894A JP3507128B2 JP 3507128 B2 JP3507128 B2 JP 3507128B2 JP 11711894 A JP11711894 A JP 11711894A JP 11711894 A JP11711894 A JP 11711894A JP 3507128 B2 JP3507128 B2 JP 3507128B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像表示装置、例え
ば、冷陰極素子を用いた画像表示装置に関し、更にマト
リクス回路を用いた画像表示装置の駆動方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として、熱電子源と
冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極線は、電
界放出型(以下FE型と略す)、金属/絶縁層/金属型
(MIM型と略す)や表面伝導型電子放出素子(以下、
SCEと略す)等がある。
【0003】FE型の例に関して記述されている文献と
しては、以下のものが知られている。
【0004】1.W.P.Dyke & W.W.Dolan, "Field emiss
ion", Advance in Electron Physics,8, 89(1956); 2.C.A.Spindt, "PHYSICAL Properties of thin-film
field emission cathodes with molybdenium cones",
J.Appl.Phys.,32,(1961) また、MIM型の例に関する文献としては、C.A.Mead,
"The tunnel-emission amplifier", J.Appl.Phys.,32,
(1961)が知られている。
【0005】SCE型の例に関する文献としては、M.I.
Ellinson, Radio Eng.Electron Phy.,10,(1965)があ
る。
【0006】SCE型は、基板上に形成された小面積の
薄膜に。膜面に並行に電流を流すことにより、電子放出
が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型電
子放出素子としては、 ・前記エリンソン(M.I.Ellinson)によるSnO2薄膜
を用いたもの、 ・Au薄膜によるもの[G.Dittmer: "Thin Solid Film
s",9,317(1972)]、 ・In2O3/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and
C.G.Fonstad: "IEEE Trans. ED Conf.", 519 (197
5)]、 ・カーボン薄膜によるもの[荒木久他:真空、第26
巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されてい
る。
【0007】これら表面伝導型放出素子の典型的な素子
構成として、前述のM.ハートウェル(M.Hartwell)の
文献による素子構成を図24に示す。図示において、9
01は絶縁性基板である。902は電子放出部形成用薄
膜で、H型形状のパターンにスパッタで形成された金属
酸化物薄膜等からなり、後述のフォーミングと呼ばれる
通電処理により電子放出部903が形成される。904
を電子放出部を含む薄膜と呼ぶことにする。902は素
子電極となる。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に、電子放出部形成用薄膜
902を、予めフォーミングとよばれる通電処理によっ
て電子放出部903を形成するのが一般的であった。す
なわち、フォーミングとは前記電子放出部形成用薄膜9
02の両端に電圧を印加通電し、電子放出部形成用薄膜
を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高
抵抗な状態にした電子放出部903を形成することであ
る。尚、電子放出部903は、電子放出部形成用薄膜9
02の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出
が行われる。以下、フォーミングにより形成した電子放
出部を含む電子放出部形成用薄膜902を、電子放出部
を含む薄膜904と呼ぶ。前記フォーミング処理をした
表面伝導型電子放出素子は、上述の電子放出部を含む薄
膜904に電圧を印加し、素子に電流を流すことによ
り、上述の電子放出部903より電子を放出させめるも
のである。しかしながら、これら従来の表面伝導型電子
放出素子においては、実用化にあたっては様々な問題が
あったが、本出願人等は、様々な改善を検討し、実用化
を行う際の様々な問題点を解決してきた。
【0009】上述の表面伝導型放出素子は、構造が単純
で製造も容易であことから、大面積にわたって多数素子
を半列できる利点がある。そこで、この特徴を生かせる
ような色々な応用が研究がされている。例えば、荷電ビ
ーム現、形成装置等が挙げられる。多数の表面伝導型放
出素子を配列した例としては、並列に表面伝導型電子放
出素子を配列し、個々の素子の両端を配線にてそれぞれ
結線した行を多数配列した電子源が挙げられる(例え
ば、特開平1−31332号)。また、特に表示装置等
の画像形成装置においては、近年、液晶を用いた平板型
形成装置が、CRTに替わって普及してきたが、自発光
型でないため、バックライト等を持たなければならな
い、視野角が狭い等の問題があり、自発光型の形成装置
の開発が望まれていた。表面伝導型放出素子を多数配置
した電子源と電子源より放出された電子によって、可視
光を発光せしめる蛍光体とを組み合わせた形成装置であ
る画像形成装置は、大画面の装置でも比較的容易に製造
でき、且つ、視野角の優れた自発光型の形成装置であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】発明者等は、上記従来
技術で記述した表面伝導型放出素子、MIM型放出素
子、FE型放出素子等の冷陰極を多数個並べてマルチ電
子源を作成し、これを画像形成装置に用いるための研究
を行ってきた。例えば、発明者等は、表面伝導型放出素
子を基板上に2次元的に多数並べ、これらを行方向配線
及び列方向配線を用いて電気的にはマトリクス状に結線
した電子源(単純マトリクス電子源)を試みている。
【0011】このような単純マトリクス電子源において
は、所望の電子ビームを出力させるため、行方向配線お
よび列方向配線に適宜の駆動信号を印加する。例えば、
行方向には所望の1行を選択するための選択信号を印加
し、これと同期して列方向配線に駆動信号を印加すれ
ば、選択された行方向配線に接続する表面伝導型放出素
子から、列方向配線に印加された駆動信号に応じて電子
ビームを出力させることができる。
【0012】しかしながら、実際には各表面伝導型放出
素子から放出された電子ビームの電流(放出電流)にむ
らが生じるという問題が発生していた。このために、例
えばこの電子源と蛍光体を組み合わせて表示装置を構成
した場合には、表示画像の輝度にむらが発生し問題とな
っていた。
【0013】発明者等は鋭意研究した結果、この問題
は、配線の有する電気抵抗のために電圧降下が発生し、
各電子放出素子に本来意図した駆動信号が印加されてい
ないために発生したことを見い出した。特に、行方向配
線には、選択した行に接続する全表面伝導型放出素子の
電流が流れるため、電圧降下が無視できない大きさとな
り、同じ行に接続する放出素子でありながら印加される
電圧に分布が生じていた。
【0014】上記の電子放出素子のような電子源と蛍光
板を組み合わせたような発光型表示素子を従来のマトリ
クス回路の駆動方法によって駆動する場合、液晶などの
光シャッタとバックライト光源を組み合わせたような受
光型表示素子とは異なり、表示輝度が素子に供給される
電流量に略比例するため、十分な表示輝度を得るために
は所定の電流が必要となる。このため、マトリクス回路
を使って大画面ディスプレイを構成する場合には、マト
リクス回路を流れる電流によって表示素子部への駆動電
圧が低下してしまい、表示輝度に影響を及ぼすことにな
る。
【0015】特に、表面伝導型の電子放出素子を一般的
なマトリクス回路の駆動方法によって駆動する場合、素
子の点燈のための駆動電圧を比較的小さくできる反面、
表面を流れる無効電流が大きくなる。このため、十分な
表示輝度を得るためには本質的に相当量の電流が必要と
なる。即ち、マトリクス駆動により所定の表示輝度を得
るためには、本質的に相当量の電流が必要である。表面
伝導型の電子放出素子をマトリクス回路で駆動し、大画
面ディスプレイを構成するような場合には、マトリクス
回路を流れる電流によって、電子放出素子への駆動電圧
が低下することが問題となる。
【0016】本発明は上記の問題に鑑みてなされたもの
であり、表示素子をマトリクス駆動により駆動する際
に、各駆動期間における表示素子の駆動を複数の走査ラ
イン上に分担させることを可能とし、1つの配線におい
て同時に駆動される表示素子の数を減少させ、電圧降下
の影響を低減し、表示画像の品位を向上する画像表示装
置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】及び
【作用】上記の目的を達成するための本発明による画像
表示装置は、複数の行方向配線及び列方向配線を有する
マトリクス回路により、しきい値を越える大きさの電圧
が印加されたときには点燈状態となり該しきい値よりも
小さい電圧が印加されたときには非点燈状態となるしき
い値特性を有する表示素子を駆動して画像表示を行う画
像表示装置であって、前記マトリクス回路の2つ以上
行方向配線に対応する画像データを格納する格納手段
と、前記格納手段に格納された画像データを表示する駆
動期間において、前記2つ以上の行方向配線に接続され
た前記表示素子が駆動可能となるように前記2つ以上の
行方向配線を選択して走査信号を印加する選択手段と、
前記列方向配線に情報信号を印加することにより、前記
走査信号と前記情報信号の組み合わせにより印加される
電圧が前記しきい値を越えた前記表示素子を点燈状態に
する駆動手段とを有しており、 前記選択手段と前記駆動
手段とは、前記駆動期間において、前記2つ以上の行方
向配線の夫々に接続される表示素子を複数のグループに
分割して前記2つ以上の行方向配線の夫々において複数
のグループに属する前記表示素子を時分割で駆動すると
ともに、駆動される表示素子が列方向に重複して存在し
ないようにして前記2つ以上の行方向配線の内の夫々異
なる行方向配線に接続される表示素子を同時に駆動する
ように前記走査信号と前記情報信号を印加するものであ
ことを特徴とする。
【0018】上記の構成により、同時に駆動される複数
のグループは、複数の行方向配線に分散される。即ち、
1つの行方向配線においては、同時には1つのグループ
の表示素子群が駆動されることになる。このため、1つ
の行方向配線における駆動電流が低減し、電圧降下の影
響が抑えられ、表示画質を向上できる。
【0019】好ましくは、前記選択手段は、前記マトリ
クス回路より2つの行方向配線を選択して走査信号を印
加するものであり、前記駆動期間は第1の駆動期間と第
2の駆動期間とからなり、前記グループは前記2つの行
方向配線のうちの第1の行方向配線に接続される第1の
表示素子群と第2の表示素子群、及び前記2つの行方向
配線のうちの第2の行方向配線に接続される第3の表示
素子群と第4の表示素子群からなり、前記選択手段と
記駆動手段は、前記格納手段に格納された画像データ
に基づいて、前記第1の駆動期間に前記第1及び第4の
表示素子群を駆動し、前記第2の駆動期間に前記第2及
び第3の表示素子群を駆動するように前記走査信号と前
記情報信号を印加する
【0020】上記のように構成すれば、2ライン(行方
向配線)分の駆動期間に、夫々の表示素子の駆動期間を
1ライン分確保できる。即ち、行方向配線上の同時に駆
動される表示素子の数を減らして電圧降下の影響を低減
するとともに、各素子の駆動時間を1走査分確保し、表
示画像の品質を向上する。
【0021】また、好ましくは、前記第1の表示素子群
と前記第2の表示素子群の夫々の表示素子が前記第1の
行方向配線交互に接続され、前記第3の表示素子群と
前記第4の表示素子群の夫々の表示素子が前記第2の行
方向配線交互に接続される。1つの行方向配線上にお
いて、分割して駆動される素子が交互に接続されるの
で、分割駆動による表示画像への影響が低減されるから
である。
【0022】また、好ましくは、前記選択手段は、前記
駆動期間において、前記マトリクス回路より選択した所
定数の行方向配線の夫々に異なる態様の走査信号を同時
に印加するとともに、該駆動期間内において走査信号の
態様を順次切り替え、前記駆動手段は、前記列方向配線
を前記所定数のグループに分割して、前記格納手段に格
納された画像データに基づく情報信号を各グループ毎に
異なる態様で印加し、該情報信号の夫々の態様は、前記
走査信号のうちの特定の信号との組み合わせにより表示
素子を駆動する。
【0023】このように構成することで、例えば、前記
情報信号のパルス幅を変調することにより階調情報を表
示することができる。また、前記情報信号の電圧値を変
調することにより階調情報を表示するように構成しても
よい。
【0024】
【実施例】本発明は、冷陰極電子源の中でも、とりわけ
多数個の素子を容易に形成できる表面伝導型電子放出素
子を用いた単純マトリックス方式の冷陰極マルチ電子源
において、優れた効果をもたらすものである。
【0025】本発明にかかわる画像形成装置は基本的に
は、薄型の真空容器内に、基板上に多数の冷陰極素子を
配列して成るマルチ電子ビーム源と、電子ビームの照射
により画像を形成する画像形成部材とを対向して備えて
いる。
【0026】冷陰極素子は、例えばフォトリソグラフィ
ー・エッチングのような製造技術を用いれば基板上に精
密に位置決めして形成できるため、微小な間隔で多数個
を配列することが可能である。しかも、従来からCRT
等で用いられてきた熱陰極と比較すると、陰極自身や周
辺部が比較的低温な状態で駆動できるため、より微細な
配列ピッチのマルチ電子ビーム源を容易に実現すること
ができる。
【0027】本発明は、上述した冷陰極素子をマルチ電
子ビーム源として用いた画像形成装置にかかるものであ
る。
【0028】また、冷陰極素子のなかでもとりわけ好ま
しいのは、表面伝導型放出素子である。すなわち、前記
MIM型素子は絶縁層や上部電極の厚さを比較的精密に
制御する必要があり、またFE型は針状の電子放出部の
先端形状を精密に制御する必要がある。そのため、これ
らの素子は比較的製造コストが高くなり、製造プロセス
上の制限から大面積のものを作成するのが困難となる場
合があった。
【0029】これに対して、表面伝導型放出素子は、製
造が単純で製造が簡単であり、大面積のものも容易に作
成できる。近年、特に大画面で安価な表示装置が求めら
れている状況においては、とりわけ好適な冷陰極素子で
あるといえる。
【0030】また、本願出願人は、表面伝導型放出素子
の中では、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜か
ら形成したものが特性上、あるいは大画面化する上で好
ましいことを見い出している。
【0031】そこで、以下に述べる本発明の実施例の項
では、微粒子膜を用いて形成した表面伝導型放出素子を
マルチ電子ビーム源として用いた画像表示装置を、本発
明の画像形成装置の好ましい例として説明する。
【0032】従って、まず、本実施例で用いる表面伝導
型電子放出素子、及びこれを用いた画像表示パネルにつ
いて説明する。
【0033】表面伝導型電子放出素子の代表的な構成、
製造方法及び特性については、例えば特開平2−568
22に開示されている。以下、本出願人による本発明に
かかわる表面伝導型電子放出素子の基本的な構成と製造
方法及び特性について概説する。
【0034】[基本的な構成]図17は、本実施例に用
いられる模範的な電子放出素子の構成を示す図面であ
る。同図において、1は絶縁性基板、5と6は素子電
極、4は電子放出部を含む薄膜、3は電子放出部であ
る。
【0035】電子放出部を含む薄膜4のうち電子放出部
3としては、粒径が数nmの電気伝導性粒子からなり、
電子放出部3以外の電子放出部を含む薄膜4は、微粒子
膜よりなる。なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造としては、微
粒子が個々に分散した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接或は重なりあった状態(島状をも含む)の膜をもさ
すものである。
【0036】電子放出部を含む薄膜4の具体例として
は、Rd,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金
属、PdO,SnO2,In2O3,PbO,Sb2O3等の酸化物、HfB2,ZrB2,
LaB6,CeB6,YB4,GdB4等のホウ化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,Si
C,WC等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge 等の
半導体、さらにはカーボン、AgMg,NiCu,PbSn等が挙げら
れる。
【0037】[製造方法の概要]上述した薄膜の形成方
法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気
相成長法、分散塗布法、ディッピング法、スピナー法等
が挙げられる。
【0038】電子放出部3を有する電子放出素子の形成
方法としては様々な方法が考えられるが、その一例を図
18に示す。図18において、2は電子放出部形成用薄
膜であり、例えば微粒子膜があげられる。尚、電子放出
部形成用薄膜2とは電子放出部3が形成される前の薄膜
を指す。
【0039】次に、図18を参照しつつ、本実施例の表
面伝導型電子放出素子の形成方法を説明する。
【0040】(1)絶縁性基板1を洗剤、純水及び有機
溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着技術、フォトリング
ラフィー技術により、該絶縁性基板1の面上に素子電極
5、6を形成する(図18(a))。素子電極の材料と
しては伝導性を有するものであればどのようなものであ
っても構わないが、例えばニッケル金属が挙げられ、本
例では、素子電極間隔L1は2μm、素子電極長さW1
は300μm、素子電極5、6の膜厚dは100nmで
ある。
【0041】(2)絶縁性基板1上に設けられた素子電
極5と6との間に、素子電極5と6を形成してある絶縁
性基板1上に有機金属溶液を塗布して放置することによ
り、有機金属薄膜を形成する。なお、有機金属溶液と
は、前記Rd,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等
の金属を主元素とする有機化合物の溶液である。この
後、有機金属薄膜を過熱焼成処理してリフトオフ、エッ
チング等によりパターニングし、電子放出部形成用薄膜
2を形成する(図18(b))。
【0042】(3)続いて、フォーミングと呼ばれる通
電処理を行う。この処理によれば、素子電極5、6間に
電圧を印加することにより、電子放出部形成用薄膜2
に、構造の変化した電子放出部3が形成される(図18
(c))。即ち、この通電処理によって電子放出部形成
用薄膜2を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめるこ
とで得られる構造の変化した部位を電子放出部3と呼
ぶ。先に説明した様に電子放出部3は金属微粒子で構成
されていることを本出願人らは観察している。
【0043】[素子の基本的特性]上述のような製造方
法によって作成され、上述のような素子構成を有する電
子放出素子の基本特性について図19と図20を用いて
説明する。
【0044】図19は、図13で示した構成を有する電
子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評価装
置の概略構成図である。図19において、1は絶縁性基
板、5、6は素子電極、4は電子放出部を含む薄膜、3
は電子放出部を示す。また、2031は素子に素子電圧
Vf を印加するための電源、2030は素子電極5、6
間の電子放出部を含む薄膜4を流れる素子電流If を測
定する為の電流計、2034は素子の電子放出部より放
出される放出電流Ie を捕捉する為のアノード電極、2
033はアノード電極2034に電圧を印加する為の高
圧電源、2032は素子の電子放出部3より放出される
放出電流Ie を測定する為の電流計である。
【0045】電子放出素子の上記素子電流If 、放出電
流Ie の測定にあたっては、素子電極5、6に電源20
31と電流計2030とを接続し、該電子放出素子の上
方に電源2033と電流計2032とを接続したアノー
ド電極2034を配置している。また、本電子放出素子
及びアノード電極2034は真空装置内に設置され、そ
の真空装置には排気ポンプ及び真空計等の真空装置に必
要な機器が具備されており、所望の真空下にて本素子の
測定評価を行なえるようになっている。なお、アノード
電極の電圧は1〜10kV、アノード電極と電子放出素
子との距離Hは3〜8mmの範囲で測定した。
【0046】図19に示した測定評価装置により測定さ
れた放出電流Ie 及び素子電流Ifと素子電圧Vf の関
係の典型的な例を図20に示す。なお、図20は任意単
位で示されており、放出電流Ie は素子電流If のおよ
そ1000分の1程度である。図からも明らかなよう
に、本電子放出素子は放出電流Ie に対して3つの特性
を有する。
【0047】第1に、本素子はある電圧(閾値電圧と呼
ぶ、図20中のVth)以上の素子電圧を印加すると、急
激に放出電流Ie が増加し、一方、閾値電圧以下では放
出電流Ie がほとんど検出されない。即ち、放出電流I
e に対する明確な閾値電圧Vthを持った非線形素子であ
る。
【0048】第2に、放出電流Ie が素子電圧Vf に依
存する為、放出電流Ie は素子電圧Vf で制御できる。
【0049】第3に、アノード電極2034に捕捉され
る電荷量は、素子電圧Vf を印加する時間により制御で
きる。
【0050】以上のような特性を有する為、上述の電子
放出素子は、多方面への応用が期待される。また、素子
電流If は素子電圧Vf に対して単調増加する(MI)
特性の例を図20に示したが、この他にも、素子電流I
f が素子電圧Vf に対して電圧制御型負性抵抗(VCNR)
特性を示す場合もある。この場合も電子放出素子は上述
した3つの特性を有する。なお、予め導電性微粒子を分
散して構成した表面伝導型電子放出素子においては、上
述の基本的な素子構成における基本的な製造方法の一部
を変更しても構成できる。
【0051】[画像表示パネル]次に、上述の表面伝導
型電子放出素子を用いた画像表示パネルの構成例につい
て図21を参照して説明する。
【0052】本発明が適用されるからカラー画像表示装
置の代表的な構成としては、まず、上述の特開平2−5
6822のような製造方法により作成される電子放出素
子を複数個、基板101上に形成する。該基板101を
リアプレート102上に固定した後、基板101の5m
m上方にフェースプレート110(ガラス基板107の
内面に蛍光体膜108とメタルバック109が形成され
て構成される)を支持枠103を介して配置する。フェ
ースプレート110、支持枠103、リアプレート10
2の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中もしくは
窒素雰囲気中にて400℃ないし500℃で10分間以
上焼成することで封着した。また、リアプレート102
への基板101の固定もフリットガラスにて行なった。
【0053】また、図21において、104は電子放出
部、105、106は夫々X方向及びY方向の素子電極
である。なお、ここではフェースプレート110、支持
枠103、リアプレート102で外囲器111を構成し
ているが、リアプレート102は主に基板101の強度
を補強する目的で設けられる為、基板101自体で十分
な強度を有する場合には、別体のリアプレート102は
不要である。この場合、基板101に直接、支持枠10
3を封着し、フェースプレート110、支持枠103、
基板101にて外囲器111を構成する。また、蛍光体
膜108の内面側には、通常、メタルバック109が設
けられる。メタルバックの目的は、蛍光体の発光のうち
内面側への光をフェースプレート110側へ鏡面反射す
ることにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧
を印加する為の電極として作用すること、外囲器内で発
生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光体を保護
すること等である。
【0054】メタルバックは、蛍光体膜作成後、蛍光体
膜の内面の平滑処理(通常フィルミングと呼ばれる)を
行ない、その後Alを真空蒸着することで作成する。フ
ェースプレート110には、さらに蛍光体膜108の伝
導性を高める為、蛍光体膜108の外面側に透明電極
(図示せず)が設けられる場合もある。前述の封着を行
なう際、カラー画像表示装置の場合には、各色に対応す
る蛍光体と電子放出素子との位置合わせを十分に行なう
必要がある。このようにして作成されるガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じて真空ポンプにて排
気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dx1〜Dxm
とDy1〜Dyn を通じ素子電極105、106間に電圧
を印加し、前述のフォーミング処理を実施し、電子放出
部104を形成して電子放出素子を作成する。
【0055】最後に、ガラス容器内が10-6トール程度
の真空度にて排気管を熱して溶着し、外囲器の封止を行
ない完成する。さらに、封止後に容器内の真空度を維持
する為に、ゲッター処理なる工程を実施する。これは、
封止を行なう直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは
高周波加熱により、画像表示装置の所定の位置(図示せ
ず)に配設されたゲッターを加熱して蒸着膜を形成する
処理である。ゲッターとしては、通常、Ba 等が主成分
であり、該蒸着膜の吸着作用により真空度を維持するも
のである。
【0056】以上のような製造方法により構成される画
像表示装置において、各電子放出素子には容器外端子D
x1〜DxmないしDy1〜Dyn を通じて電圧を印加するこ
とにより電子放出させる。また高圧端子Hv を通じてメ
タルバック109または透明電極に数kV以上の高圧を
印加することにより電子ビームを加速し、蛍光体膜10
8に衝突させて蛍光体を励起・発光させることにより画
像が形成される。もちろん、これらの構成は画像表示装
置を作成する上で必要な構成の概略であり、各部材の材
料等は上述の内容に限るものではない。
【0057】蛍光体膜108は、モノクローム表示の場
合には蛍光体のみからなる。一方、カラー表示の場合
は、図22に示すように、蛍光体の配列によりブラック
ストライプ(図22の(A))あるいはブラックマトリ
クス(図22の(B))と呼ばれる黒色電気伝導材料2
012と蛍光体2013とで構成される。黒色電気伝導
材2012が設けられる目的は、カラー表示の場合に必
要となる三原色蛍光体の、各蛍光体2013の塗りわけ
部分を黒くすることで混色等を目立たなくすること、蛍
光体膜108における外光反射によるコントラストの低
下を抑制することでにある。該黒色電気伝導材料201
2としては、通常、黒鉛を主成分とするものが多いが、
電気伝導性があり、光の透過および反射が少ない材料で
あれば、これに限られるものではない。
【0058】また、ガラス基板107に蛍光体を塗布す
る方法としては、モノクロームの場合には沈殿法、印刷
法等がある。カラーでは、スラリー法等がある。もちろ
ん、カラーにて印刷法を用いることも可能である。
【0059】以下に、本発明の好適な実施例を上述の表
面伝導型電子放出素子を有する表示パネルを用いて説明
する。
【0060】[実施例1]図1は実施例1の特徴的な構
成を説明する図である。同図において、11〜14は情
報側電極であり、画像データに基づく情報駆動信号が印
加される。21〜24は走査側電極であり、該情報側電
極と略直交して配置される。走査側電極21〜24に
は、走査駆動信号(選択走査電圧及び非選択走査電圧で
構成される(後述))が印加される。これら11〜14
及び21〜24の各電極によりマトリクス電極が構成さ
れる。尚、図1においては、説明の簡略化のために4×
4配線のマトリクス電極が示されているが、これに限ら
れないことはいうまでもない。31a〜31d,32a
〜32d、33a〜33d、34a〜34dは上述の表
面伝導型電子放出素子を備える表示素子であり、マトリ
クス電極の各交点に配置される。以上のように、実施例
1のマルチ冷陰極電子源91は、上述の情報側電極11
〜14、走査側電極21〜24及び電子放出素子を有す
る表示素子31a〜34dを備えている。
【0061】また、同図において、41は走査側駆動回
路であり、走査側電極21〜24より2つの電極を順次
選択し、所定の駆動電圧を供給する。42は情報側駆動
回路であり、情報側電極11〜14に表示すべき画像デ
ータに基づく電圧(情報駆動信号)を供給する。43は
シフトレジスタであり、シリアルに送られてきた画像情
報40を複数走査ライン分格納する。シフトレジスタ4
3は、例えば2ライン分のラインメモリを有し、シリア
ルに送られてくる画像情報40を2ライン分格納する。
そして、夫々のラインより部分的に抽出した画像情報で
1ライン分相当の表示データを形成し、これをパラレル
に情報側駆動回路42に送出する。この1ライン分相当
のパラレルデータに基づいて、情報側駆動回路42が信
号側電極へ情報信号の印加を行い、マルチ冷陰極電子源
91の分割駆動を実現する。この分割駆動については後
述する。44はタイミング制御回路であり、走査側駆動
回路41、情報側駆動回路42、及びシフトレジスタ4
3の同期をとる機能を有する。
【0062】次に、本実施例における分割駆動について
説明する。例えば、図1において、走査側電極21,2
2は走査側駆動回路41によって同時に選択されており
選択状態となっている。選択状態にある走査側電極2
1,22へは、51,52で示されるような選択走査電
圧が夫々印加される。一方、走査側電極23,24は非
選択状態となっている。53,54は各々非選択状態に
ある走査側電極23,24へ印加される非選択走査電圧
の例を模式的に示すものである。
【0063】また、図1において、61〜64は情報側
駆動回路42によって情報側電極11〜14上に印加さ
れる情報駆動信号の例を模式的に示すものである。以上
のような選択走査電圧、非選択走査電圧及び情報駆動信
号により、選択走査電極21、22上の表示素子31
a、31c、32b及び32dが表示駆動される。
【0064】図1に示した状態では、31a,c及び3
2b,dが、画像情報信号61〜64に応じて点燈する
表示素子であり、31b,d及び32a,cが画像情報
信号61〜64に関係しない非点燈の表示素子となる。
33a〜d及び34a〜dは非選択走査電圧が印加され
る、いわゆる非選択画素の表示素子である。そして、所
定のタイミングで走査電極21及び22に図1の如く印
加されている選択走査電圧を切り替えると、それまで非
点燈の表示素子となっていた表示素子31b,31d,
32a,32cが点燈する表示素子となる。
【0065】以上のように、本実施例1の画像表示装置
は、走査側電極21〜24と情報側電極11〜14とを
略直交配置して構成されるマトリクス電極と、該マトリ
クス電極の各交点に配置した表示素子31a〜34d
と、走査側電極に電圧を供給する走査側駆動回路41と
情報側電極11〜14に電圧を供給する情報側駆動回路
42とを有している。そして、選択された複数(本例で
は2つ)の走査側電極に走査側駆動回路41によって選
択走査電圧が印加される。そして、情報側駆動回路42
によって印加される情報側電極11〜14上の情報駆動
信号により、選択された走査側電極21,22上の表示
素子31a〜dの一部と32a〜dの一部ずつを駆動す
る。このような分割駆動により、マトリクス駆動時の電
流を複数の選択走査電極に分担させることが可能とな
り、1つの配線上を流れる電流が減少し、表示素子部へ
の駆動電圧の低下が抑制される。
【0066】例えば、図1において、71、72は選択
走査電極を流れる電流を示す。このように、マルチ冷陰
極電子源の表示駆動時において、走査側電極に流れる電
流が複数の走査電極(ここでは2つ)に分担されてい
る。このため、1つの走査側電極に流れる電流量が減少
し、抵抗と電流の積に比例する電圧降下が抑制されるこ
とになる。また、図1において、81〜84は、情報側
電極11〜14を流れる電流を示したものである。
【0067】図2〜6を参照して実施例1の駆動方法を
さらに詳しく説明する。図2は図1に示した表示装置の
構成を簡略化して表わすブロック図である。図2では、
マトリクス構成は走査側4配線×情報信号側n配線によ
る、計8n個の冷陰極電子源を有する(図1ではn=2
である)。図2において、121a,122b,123
a,124bは、単位駆動区間の前半で駆動される表示
素子群を示す。同様に、121b,122a,123
b,124aは、単位駆動区間の後半で駆動される表示
素子群を示す。尚、単位駆動区間の前半をA型駆動区
間、後半をB型駆動区間と称することとする。
【0068】又、121aを第1の単位駆動区間におけ
る第1の表示素子群、121bを第1の単位駆動区間に
おける第2の表示素子群、122aを第1の単位駆動区
間における第3の表示素子群、122bを第1の単位駆
動区間における第4の表示素子群と称する。同様に、1
23a、123b、124a、124bをそれぞれ、第
2の駆動区間における第1の表示素子群、第2の表示素
子群、第3の表示素子群、第4の表示素子群と称する。
またv1〜v4は走査側駆動回路41によって印加され
る電圧であり、vs1〜vs2は情報側駆動回路42に
よって印加される電圧である。
【0069】図3は、図2で示した表示装置における素
子駆動のタイミングチャートである。図3において、v
1〜v4は走査側駆動回路41によって印加される電圧
のタイムチャートを示し、vs1〜vs2は情報側駆動
回路42によって印加される電圧のタイムチャートを示
す。
【0070】図3において、131及び132で示され
る区間は、v1〜v2に選択走査電圧が印加される第1
の単位駆動区間である。そして、131、132の区間
はそれぞれA型駆動区間、B型駆動区間である。同様
に、133、134で示される区間は、v3、v4に選
択走査電圧が印加される第2の単位駆動区間であり、そ
れぞれA型駆動区間、B型駆動区間を示している。
【0071】すなわち、図3においては、駆動区間13
1、132においてv1、v2の印加される2つの走査
電極が選択状態となり、次の駆動区間133、133で
はv3、v4の印加される2つの走査電極が選択状態と
なることが示される。
【0072】ここで、ある単位駆動区間において同時に
選択される2つの走査電極をそれぞれ第1の選択走査電
極及び第2の選択走査電極と称する。第1の選択走査電
極に印加される選択走査電圧としては、例えば、A型駆
動区間131において+V0、B型駆動区間132にお
いて−V0 というように2つの駆動区間で互いに極性の
異なるパルスが用いられる。一方、第2の選択走査電極
に印加される第2の選択走査電圧としては、A型駆動区
間131で−V0 、B型駆動区間132で+V 0 という
ように、2つの駆動区間で互いに極性が異なり、かつ、
第1の選択走査電極に印加される選択走査信号とは位相
が異なるパルスを用いる。
【0073】また、情報側電極用信号としては、画像情
報に基づいて、選択走査電圧が+V 0 の表示素子につい
て、点燈状態とすべき場合は−V0 を、非点燈状態とす
べき場合は電位0を印加する。また、選択走査電圧が−
0 の表示素子に対しては、点燈状態とすべき場合には
+V0 を、非点燈状態とすべき場合には電位0を印加す
る。
【0074】ただし、本実施例1では、点燈状態のしき
い値VthがV0 以上であり、Vth以下では非点燈状
態となるような表示素子を用いている。また、ここで
は、前記情報信号の電位0ではない部分のパルス幅を変
えることによって階調情報を表示させている(例えば、
参照番号713、724は表示素子を半点燈状態とする
パルスである)。
【0075】また、図4は図3のタイムチャートに従っ
て、駆動表示させたときの表示状態を表わす図である。
図4において、各四角枠141は、図2における各表示
素子群(121a,b〜124a,b)を示し、各四角
枠内の数字0〜2は階調表示のレベルを示す。ここで、
レベル2は全点燈の明状態、レベル1は半点燈のグレー
状態、レベル0は非点燈の暗状態を示す。
【0076】以上説明したように、図2のような表示素
子及び駆動回路を有する画像表示装置に、図3のような
駆動電圧を印加することにより、図4のような表示が得
られることがわかる。例えば、第1の単位駆動区間にお
けるA型駆動区間131に選択走査電極上の第1の表示
素子群121aと第4の表示素子群122bを画像情報
に基づいて駆動する。このとき、第2の表示素子群12
1bと第3の表示素子群122aは駆動されず、非点燈
状態に保持される。次に、B型駆動区間132におい
て、選択走査電極上の第2の表示素子群121bと第3
の表示素子群122aとを画像情報に基づいて駆動す
る。このとき、第1の表示素子群121aと第4の表示
素子群122bは駆動されず、非点燈状態に保持され
る。
【0077】このように、情報側電極上の画像情報信号
が複数の選択走査電極上の表示素子に分担表示されるの
で、マトリクス駆動時の電流を複数の選択走査電極に分
担させることが可能となり、表示素子への駆動電圧の低
下が抑制される。
【0078】以上、説明の便宜上、n個の表示素子群に
同じ情報駆動信号を印加して説明しているが、情報駆動
信号は画像データに応じて、各表示素子群に個別に駆動
信号を印加できることはいうまでもない。
【0079】また、ここでは2ラインの走査電極を同時
に選択して、ΔT1の区間からなるA型駆動区間に1ラ
イン相当分の画像情報(実際には1ライン目と2ライン
目の画像情報が半分ずつ混在する)信号を2ラインの選
択走査電極上の表示素子に分担表示させる。同じくΔT
1の区間からなるB型駆動区間に残りの1ライン分の画
像情報信号を前記2ラインの選択走査電極上の表示素子
に分担表示させる。このため、2ΔT1の区間に2ライ
ンの情報を表示させることがでる。このことは、通常の
表示方法と比べて1ラインの表示速度を遅くすることな
く、かつ、1画素の駆動時間を短縮することもなく、マ
トリクス駆動時における各選択走査電極の電流を減少さ
せることができることを意味する。
【0080】また、図1の構成を図2にあてはめると、
第1の表示素子群121aは表示素子31a及び31c
であり、第2の表示素子群121bは表示素子31b及
び31dとなる。更に、第3の表示素子群122aは表
示素子32b及び32dであり、第4の表示素子群12
2bは表示素子32a及び32cに相当する。
【0081】更に、図1では特に、第1の表示素子群と
第2の表示素子群及び第3の表示素子群と第4の表示素
子群の各素子を、各走査電極上で交互に配置している。
このようにすることで、上述の分割駆動を目立たなくす
ることができる。すなわち、2つの走査電極を同時に選
択し、画像表示を2つの選択走査電極上で分担表示さ
せ、非点燈状態の表示素子と階調情報を付加した広義の
点燈状態の表示素子とを交互にチェッカー状に配置し、
チェッカー状パターンによる表示駆動を実現する。これ
により、マトリクス駆動時の電流を複数の選択走査電極
に分担させて表示素子部への駆動電圧の低下を抑制する
とともに、このような分割駆動を行っていることが目立
たないようにできる。
【0082】上述した選択走査電圧と、情報側信号とに
よる駆動方法を更に詳細に説明する。図5及び図6は、
実施例1の分割駆動における駆動電圧波形の具体的なパ
ターンを説明する図である。
【0083】図5(a)は第1の選択走査電極に印加さ
れる第1の選択走査信号Vy1を示す。151はパルス
幅ΔT1で+V0 なるパルス電圧を有する第1の選択走
査信号の波形である。図5(b)は第2の選択走査電極
に印加される第2の選択走査信号Vy2を示し、152
はパルス幅ΔT1、パルス電圧−V0 を有する第2の選
択走査信号波形である。図5(c)は他の走査電極(非
選択走査電極)に印加される電位0の非選択走査信号V
y3を示す。すなわち、図5(a)〜(c)は、走査側
駆動回路41が出力する第1の選択信号、第2の選択信
号及び非選択信号を示す。そして、第1と第2の選択走
査信号の極性は互いに異なっており、非選択信号は電位
0の信号であることを示す。
【0084】また、図5(d)は前記第1の走査電極上
の表示素子の1部に画像情報を出力するための第1の情
報信号Vx1の波形パターンである。154は第1の選
択走査信号のパルス幅と同じパルス幅ΔT1を有すると
ともに、パルス電圧の極性が逆になっている全点燈用出
力波形である。155は第1の選択走査信号のパルス幅
より短いパルス幅ΔT2を持ち、パルス電圧極性が逆に
なっている半点燈用の出力波形である。156は、電位
0の非点燈用書き込み波形である。
【0085】また、図5(e)〜(f)は、上述した選
択走査信号と情報信号とによりマトリクス電極の各交点
に印加される合成電圧を示す。図5(e)は前記第1の
走査電極上の表示素子に印加される第1の走査選択信号
Vy1と、第1の情報信号Vx1の合成電圧(Vy1〜
Vx1)を示す。157はパルス幅ΔT1、パルス電圧
+2V0 の全点燈用の合成電圧波形である。158は、
パルス幅がΔT2でパルス電圧が+2V0 であるパルス
と、パルス幅がΔT1−ΔT2でパルス電圧が+V0
あるパルスとからなる半点燈用の合成電圧波形である。
159はパルス幅ΔT1、パルス電圧+V0 の非点燈用
の合成電圧波形である。
【0086】今、表示素子の点燈のためのしきい値Vt
hが、パルス幅に依存せず印加電圧に依存し、|Vth
|>V0 であるとする。この場合、第1の情報信号を画
像情報に基づいて、図5(d)の154〜156の波形
の中から選択することにより、157〜159の3段階
の合成電圧波形に対応した階調表示を第1の走査電極上
に分担表示できることになる。
【0087】図5(f)は、前記第2の選択走査電極上
の表示素子に印加される第2の選択信号Vy2と第1の
情報信号Vx1の合成電圧(Vy2〜Vx1)を示す。
160は電位0の合成電圧波形であり、161はパルス
幅ΔT1−ΔT2、パルス電圧−V0 なるパルスの合成
電圧波形であり、162はパルス幅ΔT1、パルス電圧
−V0 の非点燈用合成電圧波形である。
【0088】ここで、合成波形160〜162はピーク
電圧の絶対値が、いずれもしきい値Vth以下であるた
め、第1の情報信号Vx1の印加によって、第2の走査
電極上の表示素子が点燈することはない。
【0089】図5(g)は第1及び第2の選択走査電極
以外の非選択走査電極上の表示素子に印加される非選択
走査信号Vy3と第1の情報信号Vx1の合成電圧(V
y3〜Vx1)を示す。合成電圧波形163〜165
は、第1の情報信号波形154〜156の極性を反転さ
せた波形となり、ピーク電圧の絶対値が、いずれもしき
い値Vth以下であるため、第1の情報信号Vx1の印
加によって、非選択走査電極の表示素子が点燈すること
はない。
【0090】図6(a)〜(c)は図5(a)〜(c)
と同様であり、図6(a)は第1の選択走査電極に印加
される第1の選択走査信号Vy1を示し、同図(b)は
第2の選択走査電極に印加される第2の選択走査信号V
y2を示し、同図(c)は他の走査電極に印加される電
位0の非選択走査信号Vy3を示す。
【0091】また、図6(d)は第2の走査電極上の表
示素子の1部に画像情報を出力するための第2の情報信
号Vx2の波形パターンである。174は第2の選択信
号のパルス幅と同じパルス幅ΔT1及び電圧V0 を有
し、パルス電圧極性が逆となっている全点燈用の出力波
形である。175は第2の選択信号のパルス幅より短い
パルス幅Δ2を持ち、パルス電圧極性が逆となっている
半点燈用の出力波形である。176は電位0である非点
燈用の出力波形である。以上のように、第2の情報信号
電圧波形174〜176は前述の第1の情報信号波形1
54〜156の極性を反転させた波形である。
【0092】また、図6(e)〜(f)はマトリクス電
極の各交点に印加される合成電圧を示す。図6(e)は
第2の走査電極上の表示素子に印加される第2の走査選
択信号Vy2と第2の情報信号Vx2の合成電圧(Vy
2−Vx2)を示す。177はパルス幅ΔT1及びパル
ス電圧−2V0 の全点燈用合成電圧波形である。178
はパルス幅ΔT2及びパルス電圧−2V0 であるパルス
と、パルス幅ΔT1−ΔT2及びパルス電圧−V0 であ
るパルスからなる半点燈用の合成電圧波形である。17
9は、パルス幅ΔT1及びパルス電圧−V0 の非点燈用
の合成電圧波形である。上述の図5と同様に、第2の情
報信号を画像情報に応じて、174〜176の波形の中
から選択することにより、177〜179の3段階の合
成電圧波形に対応した階調表示を第2の走査電極上に分
担表示できる。
【0093】図6(f)は第1の走査電極上の表示素子
に印加される第1の走査選択信号Vy1と第2の情報信
号Vx2の合成電圧(Vy1−Vx2)を示す。180
は電位0の合成電圧波形である。181はパルス幅ΔT
1−ΔT2、パルス電圧+V 0 なる合成電圧波形であ
る。182はパルス幅ΔT1、パルス電圧+V0 の非点
燈用合成電圧波形である。ここで、合成波形180〜1
82はピーク電圧の絶対値が、いずれもしきい値Vth
以下であるため、第2の情報信号Vx2の印加によっ
て、第1の走査電極上の表示素子が点燈することはな
い。
【0094】図6(g)は第1及び第2の選択走査電極
以外の非選択走査電極上の表示素子に印加される非選択
走査信号Vy3と第2の情報信号Vx2の合成電圧(V
y3−Vx2)を示し、合成電圧波形183〜185は
第2の情報信号波形174〜176の極性を反転させた
波形となる。そして、ピーク電圧の絶対値は、いずれも
しきい値Vth以下であるため、第2の情報信号Vx2
の印加によって、非選択走査電極上の表示素子が点燈す
ることはない。
【0095】以上のように実施例1において、走査側駆
動回路41は上述のごとき第1の選択信号及び第2の選
択信号及び非選択信号を有する。また、情報側駆動回路
42は、上記第1の選択信号との合成電圧信号が表示素
子を駆動するとともに上記第2の選択信号との合成電圧
信号が表示素子を非駆動状態に保持する第1の情報信号
と、上記第2の選択信号との合成電圧信号が表示素子を
駆動するとともに上記第1の選択信号との合成電圧信号
が表示素子を非駆動状態に保持する第2の情報信号とを
有する。そして、上記の第1の選択信号、第2の選択信
号、第1の情報信号、及び第2の情報信号を用いて上記
マトリクス回路を駆動することにより、画像情報信号を
第1及び第2の選択走査電極上の表示素子に分担表示さ
せることを可能としている。これにより、マトリクス駆
動時の電流を前記第1及び第2の選択走査電極に分担さ
せて、走査電極上の電流量を減少し、表示素子部への駆
動電圧が低下することを抑制する。
【0096】また、上述のように、第1及び第2の走査
電極を同時に互いに異なる極性の第1及び第2の選択走
査信号パルスで選択し、互いに極性反転をさせた電圧波
形の関係にある第1及び第2の情報信号パルス群を用い
て各電子放出素子を駆動する際に、該第1の情報信号パ
ルス群と該第2の情報信号パルス群の夫々のパルス幅を
変えることにより階調表示を可能としている。よって、
階調情報を有する画像情報を表示するに際して、上記第
1及び第2の複数走査電極上の表示素子に分割表示する
ことでマトリクス駆動時の電流を前記第1及び第2の複
数走査電極に分担させることにより表示素子部への駆動
電圧が低下することを抑制すると共に、階調表示をも実
現できる。
【0097】また、上記第1の選択信号と第2の選択信
号が、互いに極性の異なるパルスで構成されているこ
と、及び、上記第1の情報信号と第2の情報信号が互い
に極性の異なるパルスで構成されていることにより、第
1及び第2の情報におけるクロストークの発生も防止さ
れ、画質の低下が防止されるという効果もある。
【0098】次に、図7を用いて、実施例1の表示装置
の概要を説明する。図7は実施例1の表示装置の断面を
表わす略図である。表示素子としては、表面伝導型電子
放出素子により構成される電子源を用いる。また、図2
1でも示したように、各電子源と対向して蛍光板が配置
される。同図において図17及び図21と同様の構成に
は同一の参照番号を付し、ここでは説明を省略する。1
96は高圧端子に高圧電源Hvを供給するアノード電源
(加速電圧源)である。また、空間197は1.0×1
-5Torr程度の真空状態となっている。
【0099】特に、上記構成のように、表示素子として
表面伝導型電子放出素子のような電子源と蛍光板を組み
合わせた能動型表示素子を用いた場合、表示輝度は供給
される電流量に略比例する。このため、十分な表示輝度
を得るために所定の電流が必要となる。このような能動
型表示素子をマトリクス回路により駆動する場合、特に
マトリクス回路を使って大画面ディスプレイを構成する
場合には、マトリクス回路を流れる電流によって、表示
素子部への駆動電圧が低下することが問題となる。
【0100】本実施例によれば、既に説明した通り、マ
トリクス駆動時の電流を前記第1及び第2の選択走査電
極に分担させるので、表示素子部への駆動電圧が低下す
ることを抑制できる。特に、前記電子源素子として表面
伝導型電子源素子を用い、該表面伝導型の電子放出素子
を従来のマトリクス回路の駆動方法によって駆動する場
合、素子の点滅のための駆動電圧が比較的小さくできる
反面、表面を流れる無効電流が大きく、十分な表示輝度
を得るための本質的に相当量の電流が必要である。した
がって、本実施例1に示した駆動方法を適用すること
は、駆動電圧の低下を防止するという面から極めて効果
的である。
【0101】次に、実施例1の駆動方法を実現するため
の回路構成及びその動作について更に詳しく説明してお
く。
【0102】図8は、実施例1の駆動方法を実現するた
めの電子源駆動回路の構成例を表わすブロック図であ
る。また、図9は図8に示したブロック図の動作を説明
するタイミングチャートである。741、742はシフ
トレジスタであり、シフトクロック751に同期して入
力されたシリアル画像データ100をパラレル情報へ変
換する。シフトレジスタ741、742はそれぞれ1ラ
イン分の画素数(n)分の容量を有する。743、74
4はラッチ回路であり、シフトレジスタ741、742
のパラレル出力をラッチクロック752に同期してラッ
チする。ラッチ回路743、744は、夫々1ライン分
の画素のデータをラッチする。ここで、シフトレジスタ
741の1画素目の次にシフトレジスタ742の2画素
目という具合に、あるラインとその次のラインの各画素
が交互に並べられて配置される。
【0103】745はセレクタであり、ラッチ回路74
3及び744より出力されたデータの何れか一方をセレ
クト信号753に基づいて選択して出力する。746は
変調器であり、セレクタ745より出力された各画素デ
ータにパルス幅変調を施し、決定されたパルス幅と所定
のパルス電圧(+V0 もしくは−V0 )を有する信号を
生成し、情報側信号として表示パネルの情報側電極に印
加する。
【0104】749は走査信号発生器であり、走査ライ
ン選択信号754及び電圧局性制御信号755に基づい
て、選択された2つの選択走査電極の夫々に対して選択
走査信号が印加される。748は制御回路であり、上述
の各信号(シフトクロック751、ラッチクロック75
2、セレクト信号753、走査ライン選択信号754、
電圧極性制御信号7550)を所定のタイミングで出力
する。また、747は表示パネルである。
【0105】次に、上述の回路の動作を図9のタイミン
グチャートを参照して説明する。まず、2n個のシフト
クロックにより、2ライン分の画像データがシフトレジ
スタ741、742に格納される。2n個のシフトクロ
ックの後にラッチクロック752を1回発生することに
より、シフトレジスタ741、742に格納された2ラ
イン分の画像データがラッチ回路743、744にラッ
チされる。
【0106】ラッチ回路743、744に入力される2
ライン分の画像データは、A型駆動区間用の情報信号
(a1’,b2’,a3’…bn’)と、B型駆動区間
用の情報信号(b1’,a2’,b3’…an’)とに
分離されている。従って、A型駆動区間用の情報信号
と、B型駆動区間用の情報信号は、それぞれセレクタ7
45のCポートとDポートに入力される。
【0107】セレクタ745に対するセレクト信号を、
A型駆動区間ではCポートを選択するように、B型駆動
区間ではDポートを選択するように出力し、セレクタ7
45の出力s1〜snを制御する。
【0108】更に、変調器746は、情報側電極1−1
〜1−nに印加される情報信号を生成する。情報信号
は、奇数番目の画素については図5に示したような第1
の情報信号Vx1となり、偶数番目の画素については図
6に示したような第2の情報信号Vx2とし、更に、各
画素のデータに応じてパルス幅が変調される。
【0109】又、走査側駆動回路749は、走査ライン
選択信号754によりiライン目とi+1ライン目の走
査側電極を選択する(ただし、iは奇数)。この間、走
査側駆動回路749には、P1及びP2なる電圧極性制
御信号が入力される。そして、P1が入力されるA型駆
動区間では、iライン目の走査側電極に+V0 、i+1
ライン目の走査側電極に−V0 が印加される。又、P2
が入力されるB型駆動区間では、iライン目の走査画側
電極に−V0 が、i+1ライン目の走査側駆動電極に+
0 が印加される。
【0110】以上のような動作により、前述の図5及び
図6で説明した選択信号が走査側電極、信号側電極の夫
々に印加されることになる。そして、上述の処理を繰り
返すことにより表示パネル全体の駆動表示が行われる。
【0111】尚、上記実施例1では第1の表示素子群と
第2の表示素子群の表示素子を1つずつ交互に配置して
いるがこれに限られるものではなく、2つ以上の表示素
子を交互に配置するようにしてもよい。
【0112】[実施例2]上述した実施例1では、表示
画像の階調を表現するためにパルス幅を変調している
が、これに限られるものではない。実施例2では、可視
画像における階調の表現を情報側信号のパルス電圧を変
調することにより得るものである。
【0113】図10、図11は実施例2の表示駆動にお
ける駆動電圧波形の具体的なパターンを説明する図であ
る。これらの図にも示されているように、実施例2で
は、第1の情報信号と前記第2の情報信号の電圧値を変
えて階調情報を表示する。
【0114】図10(a)は第1の選択走査電極に印加
される第1の選択走査信号Vy1を示し、251はパル
ス幅ΔTで+V0 なるパルス電圧を持った第1の選択走
査信号波形を示す。又、図10(b)は第2の選択走査
電極に印加される第2の選択走査信号Vy2を示し、2
52はパルス幅ΔTで−V0 なるパルス電圧を持った第
2の選択走査信号波形を示す。更に図10(c)は他の
走査電極に印加される電位0の非選択走査信号Vy3を
示す。
【0115】以上のように、図10(a)〜(c)は、
実施例1(図5)と同様に、走査側駆動回路が互いに異
なる第1の選択信号及び第2の選択信号及び非選択信号
を出力すること、第1の選択信号と前記第2の選択信号
の極性は互いに異なり、非選択信号は電位が0であるこ
とを示す。
【0116】また、図10(d)は第1の走査側電極に
印加される第1の情報信号Vx1の波形パターンを示
し、254は前記第1の選択信号のパルス幅と同じパル
ス幅ΔT1を持ち、パルス電圧が−1.5V0 である全
点燈用書き込み波形である。又、255は第1の選択信
号のパルス幅と同じパルス幅ΔT1を持ち、パルス電圧
が−V0 であることを特徴とする半点燈用書き込み波形
であり、256は電位0であるところの非点燈用書き込
み波形である。
【0117】また、図10(e)〜(f)はマトリクス
電極の各交点を形成する電子放出素子に印加される合成
電圧を示す。図10(e)は第1の走査電極上の表示素
子に印加される第1の走査選択信号Vy1と第1の情報
信号Vx1の合成電圧(Vy1−Vx1)を示す。25
7はパルス幅ΔT1,パルス電圧+2.5V0 の全点燈
用合成電圧波形であり、258はパルス幅ΔT1、パル
ス電圧+2.0V0 の半点燈用合成電圧波形であり、2
56はパルス幅ΔT1、パルス電圧+1.0V 0 の非点
燈用合成電圧波形である。
【0118】また、図12は表面伝導型電子放出素子の
電子放出特性の概略説明図である。本例では、図12の
如き電子放出特性、即ち、素子に印加される電圧のしき
い値Vth=1.7V0 以上で、素子に印加される電圧
Vinに対して電子放出電流Ieが非線形に増加する特
性を有する表面伝導型電子放出素子を用いている。
【0119】それゆえ、表示素子にかかる合成電圧が、
1.0V0 ,2.0V0 ,2.5V 0 では、それぞれの
合成電圧に対して、明状態,グレー状態,暗状態の3段
階の階調表示が得られる。すなわち、第1の情報信号を
画像情報に応じて、254〜256の波形の中から選択
することにより、257〜259の3段階の合成電圧波
形に対応した3段階の階調表示を第1の走査電極上に分
担表示できる。
【0120】図10(f)は、第2の走査電極上の表示
素子に印加される第2の走査選択信号Vy2と第1の情
報信号Vx1の合成電圧(Vy2−Vx1)を示し、2
60はパルス幅ΔT1、パルス電圧+0.5V0 の合成
電圧波形であり、261は電位0の合成電圧波形であ
り、262はパルス幅ΔT1、パルス電圧−1.0V0
の合成電圧波形である。
【0121】ここで、合成波形260〜262はピーク
電圧の絶対値はV0 以下であり、いずれもしきい値Vt
h(=1.7V0 )以下であるため、第1の情報信号V
x1の印加によって第2の走査電極上の表示素子は点燈
しない。
【0122】図10(g)は第1及び第2の選択走査電
極以外の非選択走査電極上の表示素子に印加される非選
択走査信号Vy3と第1の情報信号Vx1の合成電圧
(Vy3−Vx1)を示し、合成電圧波形263〜26
5は第1の情報信号波形254〜256の極性を反転さ
せた波形となる。各合成電圧波形のピーク電圧の絶対値
は1.5V0 以下であり、いずれもしきい値Vth以下
であるため、第1の情報信号Vx1の印加によって、非
選択走査電極上の表示素子が点燈することはない。
【0123】一方、図11(a)〜(c)は図10
(a)〜(c)と同様であり、図11(a)は第1の選
択走査電極に印加される第1の選択走査信号Vy1を示
し、同図(b)は第2の選択走査電極に印加される第2
の選択走査信号Vy2を示し、同図(c)は他の走査電
極に印加される電位0の非選択信号Vy3を示す。
【0124】また、図11(d)は第2の走査電極上の
表示素子の1部に画像情報を書き込むための第2の情報
信号Vx1の波形パターンである。274は第2の選択
信号のパルス幅と同じパルス幅ΔT1を持ち、パルス電
圧が+1.5V0 である全点燈用の信号波形である。
又、275はパルス幅ΔT1、パルス電圧+1.0V0
の半点燈用の信号波形であり、276は電位0であると
ころの非点燈用の信号波形である。以上のように、第2
の情報信号電圧波形274〜276は、第1の情報信号
波形254〜256の極性を反転させた波形である。
【0125】また、図11(e)〜(f)はマトリクス
電極の各交点に印加される合成電圧を示す。図11
(e)は前記第2の走査電極上の表示素子に印加される
第2の走査選択信号Vy2と第2の情報信号Vx2の合
成電圧(Vy2−Vx2)を示す。277はパルス幅Δ
T1、パルス電圧−2.5V0 の全点燈用合成電圧波形
であり、278はパルス幅ΔT1、パルス電圧−2.0
0 の半点燈用合成電圧波形であり、279はパルス幅
ΔT1、パルス電圧−1.0V0 の非点燈用合成電圧波
形である。
【0126】第2の情報信号を画像情報に応じて、27
4〜276の波形の中から選択することにより、277
〜279の3段階の合成電圧波形に対応した階調表示を
第2の走査電極上に分担表示できる。
【0127】図11(f)は前記第1の走査電極上の表
示素子に印加される第1の走査選択信号Vy1と、第2
の情報信号Vx2の合成電圧(Vy1−Vx2)を示
す。280はパルス幅ΔT1、パルス電圧−0.5V0
の合成電圧波形であり、281は電位0の合成電圧波形
であり、282はパルス幅ΔT1、パルス電圧+1.0
0 の合成電圧波形である。すなわち、第1の走査選択
信号Vy1と、第2の情報信号Vx2の合成電圧280
〜282は、図10の合成電圧260〜262を極性反
転させた波形である。
【0128】ここで、合成波形280〜282は、ピー
ク電圧の絶対値が、いずれもしきい値Vth(=1.7
0 )以下であるため、第2の情報信号Vx2の印加に
よって、第1の走査電極上の表示素子が点燈することは
ない。
【0129】図11(g)は第1及び第2の選択走査電
極以外の非選択走査電極上の表示素子に印加される非選
択走査信号Vy3と第2の情報信号Vx1の合成電圧
(Vy3〜Vx2)を示し、合成電圧波形283〜28
5は第2の情報信号波形254〜256の極性を反転さ
せた波形となり、ピーク電圧の絶対値が−1.5V0
下であり、いずれもしきい値Vth以下であるため、第
2の情報信号Vx2の印加によって、非選択走査電極上
の表示素子が点燈することはない。
【0130】また、図13は実施例2における階調表示
の一例を説明する図である。ここでは、実施例1の図3
と同様に、図4の如きパターンを電圧変調による階調表
示方式を用いて表示するための印加電圧のタイムチャー
トが示されている。図11において、v1〜v4は走査
側駆動回路41によって印加される電圧のタイムチャー
ト図であり、vs1〜vs2は情報側駆動回路42によ
って印加される電圧のタイムチャート図である。
【0131】図13において、231はV1〜2に選択
電圧が印加されている時の第1の駆動区間であり、23
2はV1〜2に選択電圧が印加されている時の第2の駆
動区間であり、233はV3〜4に選択電圧が印加され
ている時の第1の駆動区間であり、234はV3〜4に
選択電圧が印加されている時の第2の駆動区間である。
【0132】即ち、図13は、区間231〜232にv
1〜v2が印加される2つの走査電極が選択状態とな
り、区間233〜233にv3〜v4が印加される2つ
の走査電極が選択状態となることを示す。
【0133】ここで、同時に選択される2つの走査電極
をそれぞれ第1の選択走査電極及び第2の選択走査電極
と呼ぶ時、第1の選択走査電極に印加される第1の選択
信号として例えば、第1及び第2の駆動区間でパルス電
圧+V0 とし、2つの駆動区間231〜232で互いに
極性が同じパルスを用い、第2の選択走査電極に印加さ
れる第2の選択信号として、例えば、第1及び第2の駆
動区間でパルス電圧〜V0 とし、2つの駆動区間231
〜232で互いに極性が同じで、かつ、前記第1の選択
信号とは極性が異なるパルスを用いた。
【0134】すなわち、実施例2は、第1及び第2の複
数走査電極を同時に互いに異なる極性の第1及び第2の
選択走査信号パルスで選択し、同じく極性反転をさせた
電圧波形の関係にある第1及び第2の情報信号パルス群
を用い、該第1の情報信号パルス群と該第2の情報信号
パルス群の電圧値を変えて、階調情報を有する画像情報
を前記第1及び第2の複数走査電極上の表示素子に分割
表示することにより、マトリクス駆動時の電流を前記第
1及び第2の複数走査電極に分担させ、表示素子部への
駆動電圧が低下することを抑制すると共に、階調表示を
実現する。
【0135】[実施例3]上述の実施例1及び実施例2
では、同時に2つの走査側電極を選択して駆動して、駆
動電流を分担するが、これに限られるものではない。例
えば、3つ以上の複数の走査側電極を選択して、駆動電
流を分担することにより更に駆動電流を分担し、電圧降
下の影響を低減することができる。
【0136】図14は、同時に4つの選択走査電極を選
択して分割駆動を行う場合の駆動順序の一例を表わす図
である。図中、A、B、C、Dの夫々が、A型駆動区
間、B型駆動区間、C型駆動区間、D型駆動区間におい
て駆動される画素を表わしている。本例では、1つの駆
動区間において上下左右に隣接する画素を駆動しないよ
うに配置してある。図15は、図14で示される表示装
置の駆動タイミングを表わす図である。同図では、上述
のA〜D型駆動区間が示されている。1つの駆動区間に
おいてVs1〜Vs4に印加される情報信号によって、
4つの選択走査ラインの夫々が駆動されるように、V1
〜V4の走査電圧及びVs1〜Vs4の情報信号が印加
されている。
【0137】例えば、各駆動区間の前半ではV1及びV
2が印加される走査ラインが、後半ではV3及びV4が
印加される走査ラインが駆動可能な状態となる。又、こ
れに応じて、各走査ライン上の電子放出素子を全点燈、
半点燈、非点燈の状態にするべくVs1〜Vs4の信号
を印加する。その印加タイミングは、上述の実施例1よ
り明らかであるので、ここでは説明を省略する。尚、本
例では、Vs1、Vs2は各駆動区間の前半で点燈動作
を行う信号であり、Vs3、Vs4は各駆動区間の後半
で点燈動作を行う信号である。以上のタイミングチャー
トに従って図14の回路を駆動すれば、図16の如き表
示を得る。図16は図15のタイミングチャートに従っ
て表示駆動を行った場合の各表示素子の点燈状態を表わ
す図である。
【0138】尚、本実施例3では、全点燈時の素子の駆
動時間が実施例1や2の場合の半分となるが、印加電圧
を調整することで輝度の不足を補うことができる。又、
実施例2の如く、電圧変調により輝度を再現するように
してもよいことはいうまでもない。更に、上述の各実施
例では、3階調表示の例を説明したが、階調数はこれに
限らないことはいうまでもない。
【0139】以上説明したごとく上述の各実施例によれ
ば、画像情報の表示に際して、複数の走査電極を同時に
選択し、同時駆動する素子を複数の走査電極上に分散す
ることが可能となる。このため、マトリクス駆動時の各
走査電極に流れる電流が減少し、表示素子部への駆動電
圧が低下することを抑制でき、画質の低下を防止できる
効果がある。
【0140】更に上述した各実施例は、本発明の実施例
として表面伝導型電子放出素子で構成されたマルチ電子
源への適用例を説明しているが、他の例陰極電子源にも
適用可能であることはいうまでもない。従って、例え
ば、電界放出型電子放出素子(FE)や、金属/絶縁層
/金属型電子放出素子(MIM)で構成されたマルチ電
子源に対しても本発明を適用することは可能であり、上
述の各実施例と同様の効果を得ることができる。
【0141】尚、上述した各実施例に適用された画像表
示パネルには各種の応用が可能であるが、以下にその代
表的な例を説明する。
【0142】図23は、前記説明のディスプレイパネル
に、たとえばテレビジョン放送をはじめとする種々の画
像情報源より提供される画像情報を表示できるように構
成した表示装置の一例を示すための図である。図中11
00はディスプレイパネル、1101はディスプレイパ
ネルの駆動回路、1102はディスプレイコントロー
ラ、1103はマルチプレクサ、1104はデコーダ、
1105は入出力インターフェース回路、1106はC
PU、1107は画像生成回路、1108および110
9および1110は画像メモリインターフェース回路、
1111は画像入力インターフェース回路、1112お
よび1113はTV信号受信回路、1114は入力部で
ある。
【0143】(なお、本図においては、テレビジョンを
はじめとする各入力信号の音声成分に関する処理回路や
スピーカなどは省略している。) 以下、画像信号の流れに沿って各部の機能を説明してゆ
く。
【0144】まず、TV信号受信回路1113は、たと
えば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信する為の回路である。受
信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、た
とえば、NTSC方式,PAL方式,SECAM方式な
どの諸方式でもよい。また、これよりさらに多数の走査
線よりなるTV信号(たとえばMUSE方式をはじめと
するいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に
適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好適
な信号源である。TV信号受信回路1113で受信され
たTV信号は、デコーダ1114に出力される。
【0145】また、TV信号受信回路1112は、たと
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。前記TV信号受信回路1113と同様に、受
信するTV信号の方式は特限られるものではなく、また
本回路で受信されたTV信号もデコーダ1104に出力
される。
【0146】また、画像入力インターフェース回路11
11は、たとえばTVカメラや画像読み取りスキャナな
どの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ1104
に出力される。
【0147】また、画像メモリインターフェース回路1
110は、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略す)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ1104に出力される。
【0148】また、画像メモリインターフェース回路1
109は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を
取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコー
ダ1104に出力される。
【0149】また、画像メモリインターフェース回路1
108は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像
データを記憶している装置から画像信号を取り込むため
の回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ11
04に出力される。
【0150】また、入出力インターフェース回路110
5は、本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコン
ピュータネットワークもしくはプリンタなどの出力装置
とを接続するための回路である。画像データや文字・図
形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によっ
ては本表示装置の備えるCPU1106と外部との間で
制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能で
ある。
【0151】また、画像生成回路1107は、前記入出
力インターフェース回路1105を介して外部から入力
される画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU
1106より出力される画像データや文字・図形情報に
もとづき表示用画像データを生成するための回路であ
る。本回路の内部には、たとえば画像データや文字・図
形情報を蓄積するための書き換え可能メモリや、文字コ
ードに対応する画像パターンが記憶されている読み出し
専用メモリや、画像処理を行うためのプロセッサなどを
はじめとして画像の生成に必要な回路が組み込まれてい
る。
【0152】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ1104に出力されるが、場合によっては
前記入出力インターフェース回路1105を介して外部
のコンピュータネットワークやプリンタに出力すること
も可能である。
【0153】また、CPU1106は、主として本表示
装置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わ
る作業を行う。
【0154】たとえば、マルチプレクサ1103に制御
信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号
を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際に
は表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコント
ローラ1102に対して制御信号を発生し、画面表示周
波数や走査方法(たとえばインターレースかノンインタ
ーレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作
を適宜制御する。
【0155】また、前記画像生成回路1107に対して
画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるい
は前記入出力インターフェース回路1105を介して外
部のコンピュータやメモリをアクセスして画像データや
文字・図形情報を入力する。
【0156】なお、CPU1106は、むろんこれ以外
の目的の作業にも関わるものであって良い。たとえば、
パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのよう
に、情報を生成したり処理する機能に直接関わっても良
い。
【0157】あるいは、前述したように入出力インター
フェース回路1105を介して外部のコンピュータネッ
トワークと接続し、たとえば数値計算などの作業を外部
機器と協同して行っても良い。
【0158】また、入力部1114は、前記CPU11
06に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなど
を入力するためのものであり、たとえばキーボードやマ
ウスのほか、ジョイスティック、バーコードリーダ、音
声認識装置など多様な入力機器を用いる事が可能であ
る。
【0159】また、デコーダ1104は、前記1107
ないし1113より入力される種々の画像信号を3原色
信号、または輝度信号とI信号,Q信号に逆変換するた
めの回路である。なお、同図中に点線で示すように、デ
コーダ1104は内部に画像メモリを備えるのが望まし
い。これは、たとえばMUSE方式方式をはじめとし
て、逆変換するに際して画像メモリを必要とするような
テレビ信号を扱うためである。また、画像メモリを備え
る事により、静止画の表示が容易になる、あるいは前記
画像生成回路1107およびCPU1106と協同して
画像の間引き、補間,拡大,合成をはじめとする画像処
理や編集が容易に行えるようになるという利点が生まれ
るからである。
【0160】また、マルチプレクサ1103は、前記C
PU1106より入力される制御信号にもとづき表示画
像を適宜選択するものである。すなわち、マルチプレク
サ1103はデコーダ1104から入力される逆変換さ
れた画像信号のうちから所望の画像信号を選択して駆動
回路1101に出力する。その場合には、一画面表示時
間内で画像信号を切り替えて選択することにより、いわ
ゆる多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分け
て領域によって異なる画像を表示することも可能であ
る。
【0161】また、ディスプレイパネルコントローラ1
102は、前記CPU1106より入力される制御信号
にもとづき駆動回路1101の動作を制御するための回
路である。
【0162】まず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、たとえばディスプレイパネルの駆
動用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御するため
の信号を駆動回路1101に対して出力する。
【0163】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、たとえば画面表示周波数や走査方法
(たとえばインターレースかノンインターレースか)を
制御するための信号を駆動回路1101に対して出力す
る。
【0164】また、場合によっては表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路1101に対して出力する場
合もある。
【0165】また、駆動回路1101は、ディスプレイ
パネル1100に印加する駆動信号を発生するための回
路であり、前記マルチプレクサ1103から入力される
画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ11
02より入力される制御信号にもとづいて動作するもの
である。
【0166】以上、各部の機能を説明したが、図14に
例示した構成により、本表示装置においては多様な画像
情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル1
100に表示する事が可能である。すなわち、テレビジ
ョン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ11
04において逆変換された後、マルチプレクサ1103
において適宜選択され、駆動回路1101に入力され
る。一方、ディスプレイコントローラ1102は、表示
する画像信号に応じて駆動回路1101の動作を制御す
るための制御信号を発生する。駆動回路1101は、上
記画像信号と制御信号にもとづいてディスプレイパネル
1100に駆動信号を印加する。これにより、ディスプ
レイパネル1100において画像が表示される。これら
の一連の動作は、CPU1106により統括的に制御さ
れる。
【0167】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ1104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路11
07およびCPU1106が関与することにより、単に
複数の画像情報の中から全多久したものを表示するだけ
でなく、表示する画像情報に対して、たとえば拡大,縮
小,回転,移動,エッジ強調,間引き,補間,色変換,
画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合
成,消去,接続,入れ換え,はめ込みなどをはじめとす
る画像編集を行う事も可能である。また、本実施例の説
明では特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と
同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための
専用回路を設けても良い。
【0168】したがって、本表示装置は、テレビジョン
放送の表示機器,テレビ会議の端末機器,画像の編集機
器,コンピュータの端末機器,ワードプロセッサをはじ
めとする事務用端末機器,ゲーム機などの機能を一台で
兼ね備えることが可能で、産業用あるいは民生用として
極めて応用範囲が広い。しかも、ディスプレイパネルの
薄形化が容易なため、装置の奥行きを小さくすることが
できる。それに加えて、大画面化が容易で輝度が高く視
野角特性にも優れるため、臨場感あふれる画像を視認性
良く表示する事が可能である。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表示素子をマトリクス駆動により駆動する際に、各駆動
期間における表示素子の駆動を複数の走査ライン上に分
担させることが可能となる。このため、1つの配線にお
いて同時に駆動される表示素子の数を減少させ、電圧
の影響を低減し、表示画像の品位が向上する。
【0170】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の特徴的な構成を説明する図である。
【図2】図1に示した表示装置の構成を簡略化して表わ
すブロック図である。
【図3】図2で示した表示装置における素子駆動のタイ
ミングチャートである。
【図4】図3のタイムチャートに従って、駆動表示させ
たときの表示状態を表わす図である。
【図5】実施例1の表示駆動における駆動電圧波形の具
体的なパターンを説明する図である。
【図6】実施例1の表示駆動における駆動電圧波形の具
体的なパターンを説明する図である。
【図7】実施例1の表示装置の断面を表わす略図であ
る。
【図8】実施例1の駆動方法を実現するための電子源駆
動回路の構成例を表わすブロック図である。
【図9】図8に示したブロック図の動作を説明するタイ
ミングチャートである。
【図10】実施例2の表示駆動における駆動電圧波形の
具体的なパターンを説明する図である。
【図11】実施例2の表示駆動における駆動電圧波形の
具体的なパターンを説明する図である。
【図12】表面伝導型電子放出素子の電子放出特性の概
略説明図である。
【図13】実施例2における階調表示の一例を説明する
図である。
【図14】同時に4つの選択走査電極を選択して分割駆
動を行う場合の駆動順序の一例を表わす図である。
【図15】図14で示される表示装置の駆動タイミング
を表わす図である。
【図16】図15のタイミングチャートに従って表示駆
動を行った場合の各素子の点燈状態を表わす図である。
【図17】本実施例に用いられる模範的な電子放出素子
の構成を示す図面である。
【図18】電子放出部を有する電子放出素子の形成方法
の一例を表わす図である。
【図19】電子放出素子の電子放出特性を測定するため
の測定評価装置の概略構成図である。
【図20】図17の電子放出素子の放出電流Ie 及び素
子電流If と素子電圧Vf の関係の典型的な例を示す図
である。
【図21】表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示パ
ネルの構成例を示す図である。
【図22】蛍光体膜の形成例を説明する図である。
【図23】テレビジョン放送をはじめとする種々の画像
情報源より提供される画像情報を表示できるように構成
した表示装置の一例を示す図である。
【図24】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成
例を表わす図である。
【符号の説明】
11〜14 走査側電極 21〜24 情報側電極 31a〜31d 表示素子 32a〜32d 表示素子 33a〜33d 表示素子 34a〜34d 表示素子 41 走査側電極駆動回路 42 情報側電極駆動回路 43 シフトレジスタ 51〜52 選択走査波形 53〜54 非選択走査波形 61〜64 情報信号波形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鱸 英俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−225683(JP,A) 特開 平2−67592(JP,A) 特開 平3−125187(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の行方向配線及び列方向配線を有す
    るマトリクス回路により、しきい値を越える大きさの電
    圧が印加されたときには点燈状態となり該しきい値より
    も小さい電圧が印加されたときには非点燈状態となるし
    きい値特性を有する表示素子を駆動して画像表示を行う
    画像表示装置であって、 前記マトリクス回路の2つ以上の行方向配線に対応する
    画像データを格納する格納手段と、 前記格納手段に格納された画像データを表示する駆動期
    間において、前記2つ以上の行方向配線に接続された前
    記表示素子が駆動可能となるように前記2つ以上の行方
    向配線を選択して走査信号を印加する選択手段と、前記列方向配線に情報信号を印加することにより、前記
    走査信号と前記情報信号の組み合わせにより印加される
    電圧が前記しきい値を越えた前記表示素子を点燈状態に
    する駆動手段とを有しており、 前記選択手段と前記駆動手段とは、 前記駆動期間におい
    て、前記2つ以上の行方向配線の夫々に接続される表示
    素子を複数のグループに分割して前記2つ以上の行方向
    配線の夫々において複数のグループに属する前記表示素
    子を時分割で駆動するとともに、駆動される表示素子が
    列方向に重複して存在しないようにして前記2つ以上の
    行方向配線の内の夫々異なる行方向配線に接続される表
    示素子を同時に駆動するように前記走査信号と前記情報
    信号を印加するものであることを特徴とする画像表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記選択手段は、前記マトリクス回路よ
    り2つの行方向配線を選択して走査信号を印加するもの
    であり、 前記駆動期間は第1の駆動期間と第2の駆動期間とから
    なり、 前記グループは前記2つの行方向配線のうちの第1の行
    方向配線に接続される第1の表示素子群と第2の表示
    子群、及び前記2つの行方向配線のうちの第2の行方向
    配線に接続される第3の表示素子群と第4の表示素子群
    からなり、前記選択手段と 前記駆動手段は、前記格納手段に格納
    された画像データに基づいて、前記第1の駆動期間に前
    記第1及び第4の表示素子群を駆動し、前記第2の駆動
    期間に前記第2及び第3の表示素子群を駆動するように
    前記走査信号と 前記情報信号を印加するものであること
    を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の表示素子群と前記第2の表示
    素子群の夫々の表示素子が前記第1の行方向配線交互
    接続され、前記第3の表示素子群と前記第4の表示
    子群の夫々の表示素子が前記第2の行方向配線交互に
    接続されていることを特徴とする請求項2記載の画像表
    示装置。
  4. 【請求項4】 前記選択手段は、前記駆動期間におい
    て、前記マトリクス回路より選択した所定数の行方向配
    線の夫々に異なる態様の走査信号を同時に印加するとと
    もに、該駆動期間内において走査信号の態様を順次切り
    替え、 前記駆動手段は、前記列方向配線を前記所定数のグルー
    プに分割して、前記格納手段に格納された画像データに
    基づく情報信号を各グループ毎に異なる態様で印加し、
    該情報信号の夫々の態様は、前記走査信号のうちの特定
    の信号との組み合わせにより表示素子を駆動することを
    特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記情報信号のパルス幅を変調すること
    により階調情報を表示することを特徴とする請求項4に
    記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記情報信号の電圧値を変調することに
    より階調情報を表示することを特徴とする請求項4に記
    載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記選択手段は、前記駆動期間において
    前記マトリクス回路より選択した2つの行方向配線に互
    いに異なる第1の選択信号及び第2の選択信号を印加
    し、該駆動期間の所定のタイミングで前記第1の選択信
    号と第2の選択信号の印加先を入れ替え、 前記駆動手段は、前記格納手段に格納された画像データ
    に基づいて前記複数の列方向配線へ情報信号を印加する
    に際して、該列方向配線を2つのグループに分け、一方
    のグループに前記第1の選択信号との合成電圧信号が
    素子を駆動するとともに前記第2の選択信号との合成
    電圧信号が表示素子を非駆動状態に保持する第1の情報
    信号を印加し、他方のグループに前記第2の選択信号と
    の合成電圧信号が表示素子を駆動するとともに前記第1
    の選択信号との合成電圧信号が表示素子を非駆動状態に
    保持する第2の情報信号を印加することを特徴とする請
    求項2に記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の選択信号と前記第2の選択信
    号が互いに極性の異なるパルスで構成されていること、
    及び、前記第1の情報信号と前記第2の情報信号が互い
    に極性の異なるパルスで構成されていることを特徴とす
    る請求項7に記載の画像表示装置。
  9. 【請求項9】 電子ビームの照射により可視光を発する
    蛍光板を更に備えており、前記表示素子が冷陰極素子で
    あることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載
    の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記冷陰極素子が表面伝導型の電子放
    出素子であることを特徴とする請求項9に記載の画像表
    示装置。
  11. 【請求項11】 前記冷陰極素子が電界放出型の電子放
    出素子であることを特徴とする請求項9に記載の画像表
    示装置。
  12. 【請求項12】 前記冷陰極素子が金属/絶縁層/金属
    型の電子放出素子であることを特徴とする請求項9に記
    載の画像表示装置。
  13. 【請求項13】 複数の行方向配線及び列方向配線を有
    するマトリクス回路により、しきい値を越える大きさの
    電圧が印加されたときには点燈状態となり該しきい値よ
    りも小さい電圧が印加されたときには非点燈状態となる
    しきい値特性を有する表示素子を駆動して画像表示を行
    う画像表示装置の駆動方法であって、 前記マトリクス回路の2つ以上の行方向配線に対応する
    画像データを格納する格納工程と、 前記格納工程に格納された画像データを表示する駆動期
    間において、前記2つ以上の行方向配線に接続された前
    記表示素子が駆動可能となるように前記2つ以上の行方
    向配線を選択して走査信号を印加する選択工程と、前記列方向配線に情報信号を印加することにより、前記
    走査信号と前記情報信号の組み合わせにより印加される
    電圧が前記しきい値を越えた前記表示素子を点燈状態に
    する駆動工程とを有しており、 前記選択工程と前記駆動工程とは、 前記駆動期間におい
    て、前記2つ以上の行方向配線の夫々に接続される表示
    素子を複数のグループに分割して前記2つ以上 の行方向
    配線の夫々において複数のグループに属する前記表示素
    子を時分割で駆動するとともに、駆動される表示素子が
    列方向に重複して存在しないようにして前記2つ以上の
    行方向配線の内の夫々異なる行方向配線に接続される表
    示素子を同時に駆動するように前記走査信号と前記情報
    信号を印加するものであることを特徴とする駆動方法。
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KR20090013913A (ko) * 2007-08-03 2009-02-06 삼성에스디아이 주식회사 발광 장치 및 이를 이용한 표시 장치, 발광 장치의 구동방법 및 표시 장치의 구동 방법

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