JPH0732511B2 - スピ−カ−用振動板 - Google Patents

スピ−カ−用振動板

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JPH0732511B2
JPH0732511B2 JP61030928A JP3092886A JPH0732511B2 JP H0732511 B2 JPH0732511 B2 JP H0732511B2 JP 61030928 A JP61030928 A JP 61030928A JP 3092886 A JP3092886 A JP 3092886A JP H0732511 B2 JPH0732511 B2 JP H0732511B2
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JP
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carbon fiber
thermoplastic resin
speaker
diaphragm
resin
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實 北中
一治 清水
明 西村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、スピーカーに使用する振動板に関する。
従来の技術 炭素繊維材料と樹脂との複合材料からなるスピーカー用
振動板は、よく知られている。炭素繊維材料としては、
短繊維マットや織物が使われている。また、樹脂として
は、熱硬化性樹脂が使われていたが、熱硬化性樹脂は振
動減衰性がそれほど大きくなく、出力音圧周波数特性
の、特に高音域において大きな山や谷が現われること、
熱硬化性樹脂は成形に時間がかかり、生産性が低いこと
等の理由から、近年、振動減衰性がより大きくて比較的
平坦な出力音圧周波数特性が得られ、しかも、大量生産
に向いた熱可塑性樹脂が注目されるようになってきた。
そのような、炭素繊維材料と熱可塑性樹脂との複合材料
からなるスピーカー用振動板としては、たとえば特開昭
52−12823号公報に記載されているようなものが知られ
ている。この振動板は、炭素繊維織物と熱可塑性樹脂フ
ィルムとを重ね合わせ、加熱、加圧して両者を複合して
なるものである。ところが、この振動板は、音響特性が
経時的に変化しやすいという問題がある。
発明者は、この経時変化は、織物と熱可塑性樹脂フィル
ムとを単に重ね合わせて加熱、加圧しただけでは炭素繊
維と熱可塑性樹脂との接着が十分に行われず、振動を繰
り返しているうちに界面が剥離してくるために起こるも
のと推定した。また、重ね合せ体の単なる加熱、加圧に
よっては織物と熱可塑性樹脂とが十分に複合されず、炭
素繊維と熱可塑性樹脂との界面に空隙ができているため
とも推定した。
そこで、炭素繊維織物と熱可塑性樹脂フィルムとの重ね
合せ体を加熱、加圧するのではなく、溶融した熱可塑性
樹脂を織物に含浸することを試みた。しかしながら、そ
のようにして得たスピーカー用振動板においても、上述
したものほど著しくはないが、やはり音響特性の経時変
化が現われた。また、熱可塑性樹脂に代えて熱硬化性樹
脂を使用したときには、かかる経時変化がほとんど現わ
れないこともわかった。
発明者は、かかる現象を検討した結果、その原因が、炭
素繊維に付与されているサイジング剤にあることを見出
した。すなわち、炭素繊維は、剛直で大変毛羽立ちやす
く、また、糸切れしやすいために、そのままでは製造工
程におけるガイド類等との接触や製織操作によって大量
の毛羽を発生したり、糸切れを起こしたりして使いもの
にならない。そこで、サイジング剤による表面処理を施
しているが、このサイジング剤が炭素繊維と熱可塑性樹
脂との接着性を悪くし、使用中に両者の界面が剥離して
音響特性の経時変化を引き起こしているのである。この
接着性の低下は、サイジング剤には一般にエポキシ系樹
脂が使われるため、熱硬化性樹脂を使用してもほとんど
起こらず、熱可塑性樹脂を使用すると起こる。
発明が解決しようとする課題 この発明の目的は、従来の振動板の上述した問題点を解
決し、炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面が剥離すること
による音響特性の経時変化がほとんどないばかりか、出
力音圧周波数特性が比較的平坦で、優れた音響特性を得
ることができるスピーカー用振動板を提供するにある。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、この発明は、引張弾性率が
15,000kg/mm2以上で、かつ、サイジング剤が付着してい
ない炭素繊維からなる材料と、熱可塑性樹脂との複合材
料からなるスピーカー用振動板を提供する。
この発明のスピーカー用振動板をその製造方法とともに
詳細に説明するに、この発明においては、まず、炭素繊
維材料と熱可塑性樹脂とを用意する。
炭素繊維材料を構成する炭素繊維には、サイジング剤が
付着している。また、炭素繊維は、振動板の比弾性率を
高くして、より高音域まで再生ができるよう、引張弾性
率が15,000kg/mm2以上のものを用意する。
炭素繊維材料は、短繊維マットや織物の形態をしてい
る。短繊維マットは、チョップドストランドマットや解
繊マットのようなものである。また、織物は、平織物、
綾織物、朱子織物等、いずれの織組織のものであっても
よい。なお、短繊維マットや織物には、少量の、たとえ
ばガラス繊維やアラミド繊維等の他の繊維が混入されて
いてもよい。そのような繊維の併用は、振動板の比弾性
率や内部損失を制御したいときに有効である。
さて、炭素繊維には、上述したようにサイジング剤が付
着しているが、この発明においては、そのサイジング剤
を除去して使用する。サイジング剤の除去は、サイジン
グ剤がエポキシ系樹脂のように水不溶性のものであると
きは、材料を焼成することによる熱分解によって行うこ
とができる。
熱可塑性樹脂は、ナイロン樹脂(ナイロン6やナイロン
66等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン
樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチ
ルペンテン−1)、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
樹脂のようなものである。なかでも、振動減衰性に優れ
るナイロン樹脂やポリオレフィン樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂には、振動減衰性や内部損失を向上させる
目的で、5〜30重量%の、共重合成分や、従来公知の可
塑剤等を含ませてもよい。たとえば、ナイロン6にナイ
ロン12や66を共重合させた樹脂や、ポリプロピレンにエ
チレンや酢酸ビニルを共重合させた樹脂を使用すること
ができる。また、可塑剤としては、たとえば、ナイロン
6に対してはN−エチルPトルエンスルホンアミドを、
ポリプロピレン樹脂に対してはフタル酸ジオクチルを、
それぞれ使用することができる。
さて、この発明においては、次に上記炭素繊維材料と熱
可塑性樹脂とを複合し、所望の大きさの、または、帯状
の複合シートを得る。これは、次のようにして行う。
すなわち、所望の大きさに裁断した炭素繊維材料と熱可
塑性樹脂フィルムとを交互に重ね合わせ、熱可塑性樹脂
の融点以上、好ましくは融点上30℃から80℃の温度下に
5〜100kg/cm2の圧力を加えて複合する。帯状の炭素繊
維材料と熱可塑性樹脂とを重ね合わせて加熱ゾーンに供
給し、その加熱ゾーンで上下一対の無端金属ベルトで挟
み込んで加圧するようにすると、複合を連続的に行うこ
とができるばかりか、帯状の複合シートを得ることがで
きる。複合シートは、また、炭素繊維材料の上に粉状の
熱可塑性樹脂を散布した後、上記と同様に加熱、加圧す
ることによって製造することもできる。さらに、炭素繊
維(マルチフィラメント)に熱可塑性樹脂を含浸もしく
は被覆し、それを織成した後加熱して熱可塑性樹脂を溶
融させることによる方法もある。このとき、炭素繊維に
熱可塑性樹脂を含浸もしくは被覆する代わりに、微粉末
状の熱可塑性樹脂を付着させてもよい。なお、複合シー
トは、炭素繊維の体積含有率が20〜70%程度になるよう
にするのが好ましい。
次に、上述した複合シートを、平らなシート状や、コー
ン状、ドーム状等、所望の振動板形状に成形し、この発
明の振動板を得る。この成形は、熱可塑性樹脂の軟化点
または融点以上、分解温度未満、好ましくは融点上15℃
から60℃の温度に予熱した複合シートを、室温から熱可
塑性樹脂の融点を越えない範囲の温度に保った圧縮成形
型に供給し、5〜500kg/cm2の圧力を加えて行う。
実 施 例 エポキシ樹脂系のサイジング剤が約1重量%付着した東
レ株式会社製炭素繊維“トレカ”(単糸径:7μm、単糸
数:3,000本、引張弾性率:23,500kg/mm2)からなる平織
物#6343(目付:200g/m2)を、380℃の温度下に30分加
熱し、サイジング剤を分解、除去した。
次に、サイジング剤を除去した後の織物と、ナイロン6
のフィルム(厚み:55μm)とを重ね合わせ、その重ね
合せ体を280℃に加熱した平型に入れ、5kg/cm2の圧力下
に5分保持した後、圧力を50kg/cm2まで上昇させ、この
状態で10分かけて冷却し、脱型して、炭素繊維織物とナ
イロン6との複合シートを得た。
次に、上記複合シートを、285℃に予熱した後、150℃に
加熱した圧縮成形型に入れ、100kg/cm2の圧力下に10秒
保持してコーン状に成形し、口径が16cmの振動板を得
た。振動板中の炭素繊維の割合は、58体積%であった。
次に、この振動板を使用してスピーカーを組み立て、周
波数F(Hz)と出力音圧レベルL(dB)との関係、すな
わち、出力音圧周波数特性を測定した。測定は、スピー
カーを45リットルの内容積の密閉エンクロージャーに取
り付け、1Wの正弦波を20Hzから20000Hzまで掃引し、こ
れによって生ずる音の音圧をスピーカーの前面1mの位置
に置いたコンデンサーマイクロホンで測定することによ
って行った。測定結果を図面に実線で示す。
図面から、この振動板は、高音域においても出力音圧周
波数特性が比較的平坦で、著しい山や谷がなく、かつ、
高い音圧レベルが得られることがわかる。しかも、再生
周波数帯域が広い。これらの特性は、スピーカーを15W
の入力で96時間連続して駆動した後においても全く変わ
らなかった。
比 較 例 サイジング剤の除去を行わなかったほかは実施例と全く
同様にして、振動板を得た。振動板中に占める炭素繊維
の割合は、約54体積%であった。
この振動板について、実施例と同様に試験をした。スピ
ーカーを15Wの入力で96時間連続して駆動した後の出力
音圧周波数特性を図面に点線で示す。
図面から明らかなように、この振動板は、高音域におい
て出力音圧周波数特性に著しい山や谷がみられ、しか
も、音圧レベルが低い。
また、試験後の振動板の断面を顕微鏡で観察したとこ
ろ、ところどころに炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面に
おける剥離が認められた。高音域において出力音圧周波
数特性に著しい山や谷ができたり、音圧レベルが大きく
低下した原因は、この剥離によるものと考えられる。
発明の効果 この発明のスピーカー用振動板は、サイジング剤が付着
していない炭素繊維からなる材料と、熱可塑性樹脂との
複合材料からなるものであるから、炭素繊維と熱可塑性
樹脂との接着性がよく、使用中に両者の界面が剥離して
くることによる音響特性の経時変化を防止することがで
きる。しかも、引張弾性率が15,000kg/mm2以上の炭素繊
維を使用しているから比弾性率が大変高く、また、振動
減衰性に優れた熱可塑性樹脂を使用しているから内部損
失が大きく、高音域においても分割振動が抑制されて、
著しい山や谷のない、比較的平坦な出力音圧周波数特性
が得られる。
また、この発明のスピーカー用振動板は、熱可塑性樹脂
をその構成材料とするものであるから、製造上はスタン
ピング成形による大量生産が可能であり、生産性が高い
ばかりか、製造コストも安くなる。
【図面の簡単な説明】
図面は、実施例および比較例に係るスピーカー用振動板
について測定した出力音圧周波数特性を示すグラフであ
る。 F:周波数 L:出力音圧レベル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】引張弾性率が15,000kg/mm2以上で、かつ、
    サイジング剤が付着していない炭素繊維からなる材料
    と、熱可塑性樹脂との複合材料からなるスピーカー用振
    動板。
JP61030928A 1986-02-17 1986-02-17 スピ−カ−用振動板 Expired - Lifetime JPH0732511B2 (ja)

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