JP3504641B2 - スピーカのセンターキャップ用複合材およびその製造方法ならびにスピーカのセンターキャップ - Google Patents

スピーカのセンターキャップ用複合材およびその製造方法ならびにスピーカのセンターキャップ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカのセンタ
ーキャップに用いられるセンターキャップ用複合材、そ
の製造方法、およびこれを用いて作製されたセンターキ
ャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、スピーカの一例を示すもので、
ここに示すスピーカは、磁気回路ユニット11と、振動
ユニット12と、フレーム13とを備えている。磁気回
路ユニット11は、ヨーク14と、環状のマグネット1
5と、環状のトッププレート16とを備えている。ヨー
ク14は、ボトムプレート17と、センターポール18
とを備えている。トッププレート16とセンターポール
18との間は、磁気空隙部19とされている。
【0003】振動ユニット12は、ボイスコイルボビン
20と、ボビン20の外周に設けられたボイスコイル2
1と、ボビン20を振動可能となるように支持するダン
パ22と、ボビン20上部に取り付けられた振動板23
と、振動板23の外周縁に取り付けられたエッジ部24
と、振動板23中央部に取り付けられたセンターキャッ
プ25を備えている。ボイスコイル21は、磁気回路ユ
ニット11の磁気空隙部19に配置されている。エッジ
部24の外周縁は、フレーム13に取り付けられてい
る。
【0004】センターキャップ25は、振動板23の前
後の空間を音響的に遮断し、このスピーカの音響特性を
向上させるためのもので、断面略円弧状の椀状に形成さ
れ、その周縁部において振動板23に取り付けられてい
る。センターキャップ25は、基材布がポリウレタン樹
脂などの樹脂材料で被覆されたシート状の複合材からな
るものである。センターキャップ25は、スピーカ前面
側に相当する外周面が、光沢があり美観に優れたものと
なるように、被覆樹脂を外周面側に位置させて形成され
ている。
【0005】このセンターキャップ25は、通常、以下
のようにして製造される。図9に示すように、コータな
どを用いて、熱可塑性のポリウレタン樹脂などの樹脂材
料を基材布26の表面に塗布し、シート状の複合材を得
る。この複合材は、基材布26表面に樹脂層27が形成
されたものとなる。次いで、この複合材を、樹脂層27
が外周面側となるように、金型を用いて高温条件(例え
ば約200℃)でプレス成形することによって、椀状の
センターキャップ25を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】センターキャップ25
は、振動により音波を発生させる振動ユニット12に属
するものであるため、センターキャップ25の重量は、
スピーカの音響特性に大きな影響を与える。特に、高音
域用スピーカの音響特性は、センターキャップ重量の影
響を受けやすい。このため、センターキャップの軽量化
を目的として、目が粗い(糸の織り密度が低い)基材布
の使用が検討されている。しかしながら、上記従来のセ
ンターキャップ用複合材では、目が粗い基材布を用いる
と、プレス成形時に、被覆樹脂が軟化して基材布に浸透
しやすくなるため、基材布表面がわずかに露出した状態
となり、複合材表面が凹凸を有する形状となることがあ
る。この場合には、センターキャップの外周面の光沢が
失われ、その美観が損なわれる問題があった。本発明は
上記事情に鑑みてなされたもので、軽量であり、かつ美
観に優れたセンターキャップを得ることができるセンタ
ーキャップ用複合材、その製造方法、およびこれを用い
て作製されたセンターキャップを提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカのセン
ターキャップ用複合材の製造方法は、布材からなる基材
に、接着材が硬化して得られた接着層を形成する接
着層形成工程と、被覆樹脂材をシート状に成形し、これ
を硬化させて被覆樹脂層を形成する被覆樹脂層形成工程
と、この工程で得られた被覆樹脂層を、前記接着層形成
工程で形成された接着層に積層させて、基材布と被覆樹
脂層とが接着層を介して積層されたセンターキャップ用
複合材を得る積層工程とを有することを特徴とする。被
覆樹脂層は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ゴム、
シリコーン樹脂のうち少なくとも1種からなることが好
ましい。接着層は、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、
ゴム、シリコーン樹脂のうち少なくとも1種からなるこ
とが好ましい。本発明のスピーカのセンターキャップ用
複合材は、上記製造方法によって製造されたスピーカの
センターキャップ用複合材であって、布材からなる基材
布と、被覆樹脂層とが接着層を介して積層され、被覆樹
脂層と接着層がいずれもポリウレタン樹脂からなること
を特徴とする。本発明のスピーカのセンターキャップ
は、上記製造方法によって製造されたセンターキャップ
用複合材からなるスピーカのセンターキャップであっ
て、布材からなる基材布と、被覆樹脂層とが接着層を介
して積層され、被覆樹脂層と接着層がいずれもポリウレ
タン樹脂からなることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のスピーカのセン
ターキャップ用複合材の一実施形態を示す一部断面図で
ある。ここに示すセンターキャップ用複合材10は、布
材からなる基材布1と、被覆樹脂層3とが接着層2を介
して積層されて構成されている。基材布1としては、単
糸4からなる織布を用いるのが好ましい。基材布1とし
ては、たて単糸4aとよこ単糸4bとを、平織、斜文
織、朱子織等の織物組織を構成するように組み合わせた
織布が好適である。
【0009】単糸4の素材としては、天然繊維を用いて
もよいし、合成繊維を用いてもよい。単糸4に好適な素
材としてはポリエステル、ナイロン、アラミド、絹、
綿、T/C混紡を挙げることができる。なかでも特に、
ポリエステルを用いるのが好ましい。単糸4は、細すぎ
れば基材布1の強度が低下し、また太すぎれば基材布1
の柔軟性が低くなって取扱い性が低下するため、その太
さ(外径)は、5〜75デニールとするのが好ましい。
単糸4の織り密度(単位幅または単位長さあたりの単糸
4の数)は、50〜200本/インチとするのが好まし
い。この密度がこの範囲未満であると、基材布1の強度
が低下する。また密度が上記範囲を越える場合には、基
材布1の重量が大きくなり、複合材10の軽量化が難し
くなる。
【0010】単糸4としては、所望の色を呈するものを
用いることができる。例えば、黒色を呈するものを用い
れば、成形品(センターキャップ)に重量感を与えるこ
とができる。また赤色、青色、黄色、緑色、橙色等を呈
するものを採用すれば、成形品に独自のデザイン性を付
与することができる。
【0011】基材布1の機械的特性(引張り強度、伸び
率など)を均一化するため、たて単糸4aの織り密度
は、よこ単糸4bの織り密度にほぼ等しくなるように設
定するのが好ましい。基材布1は、薄すぎれば強度が低
下し、厚すぎれば柔軟性が低下するため、その厚さ(図
1に示す厚さA)は、50〜200μmとするのが好ま
しい。
【0012】なお基材布1としては、織布に限らず、不
織布を用いることもできる。不織布を用いる場合には、
目付が5〜30g/m3であるものを用いるのが好まし
い。
【0013】接着層2は、基材布1と被覆樹脂層3を接
着するためのもので、その材料としては、合成樹脂を用
いるのが好ましい。この材料としては、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂、ゴム、シリコーン樹脂のうち少なく
とも1種を用いるのが好ましい。アクリル樹脂として
は、ポリアクリル酸エステルを用いることができる。ゴ
ムとしては、天然ゴム、合成ゴムを用いることができ
る。合成ゴムとしては、ジエン系ゴム(ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブ
タジエン−アクリロニトリルゴムなど)、非ジエン系ゴ
ム(イソプレンゴム、イソブチレンーイソプレンゴム、
エチレン−プロピレンゴムなど)、熱可塑性エラストマ
などを用いることができる。シリコーン樹脂としては、
フェニルシリコーン、ジメチルシリコーンを用いること
ができる。これらのなかでも特に、熱可塑性のポリウレ
タン樹脂が好適である。接着層2は、薄すぎれば基材布
1と被覆樹脂層3との間の接着力が低下し、厚すぎれば
この樹脂材料のコストがかさむことになるため、接着層
2の厚さ、すなわち基材布1上面と被覆樹脂層3下面と
の距離(図1に示す厚さB)は、5〜10μmとするの
が好ましい。
【0014】被覆樹脂層3には、ポリウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、ゴム、シリコーン樹脂のうち少なくとも1
種を用いるのが好ましい。アクリル樹脂としては、ポリ
アクリル酸エステルを用いることができる。ゴムとして
は、天然ゴム、合成ゴムを用いることができる。合成ゴ
ムとしては、ジエン系ゴム(ブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエン−ア
クリロニトリルゴムなど)、非ジエン系ゴム(イソプレ
ンゴム、イソブチレンーイソプレンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴムなど)、熱可塑性エラストマなどを用いる
ことができる。シリコーン樹脂としては、フェニルシリ
コーン、ジメチルシリコーンを用いることができる。
【0015】被覆樹脂層3の材料としては、所望の色を
呈するものを用いることができる。例えば、黒色を呈す
る材料を用いれば、成形品(センターキャップ)に重量
感を与えることができる。また赤色、青色、黄色、緑
色、橙色等を呈するものを採用すれば、成形品に独自の
デザイン性を付与することができる。また透明材料を用
いれば、成形品に透明感を与えることができる。
【0016】被覆樹脂層3の厚さ(図1に示す厚さC)
は、10〜30μmとするのが好ましい。この厚さがこ
の範囲未満であると、被覆樹脂層3の表面が基材布1に
沿う凹凸を有するものとなり、その光沢が低下するおそ
れがある。また厚さが上記範囲を越えると、樹脂コスト
がかさむことになるため好ましくない。
【0017】次に、図1に示すセンターキャップ用複合
材10を、図2に示す製造装置を用いて製造する場合を
例として、本発明のセンターキャップ用複合材の製造方
法の一実施形態を説明する。以下に示す製造方法は、次
の3つの工程を有する。 (1)基材布1に、接着材を塗布して接着層2を形成す
る接着層形成工程。 (2)被覆樹脂材をシート状に成形し、これを硬化させ
て被覆樹脂層3を形成する被覆樹脂層形成工程。 (3)この工程で得られた被覆樹脂層3を、前記接着層
形成工程で形成された接着層2に積層させる積層工程。 以下、各工程について詳しく説明する。
【0018】(1)接着層形成工程 図2に示すように、PET等の樹脂や紙などからなるシ
ート状の型材31を、送出ローラ32を用いて送り出
す。次いで、接着材供給部(コータなど)33を用い
て、接着層2となる接着材(熱可塑性ポリウレタン樹脂
など)を、型材31上に所定の厚さとなるよう塗布す
る。次いで、基材布供給ローラ34を用いて基材布1を
供給し、この基材布1を接着材に重ね合わせ、これらを
乾燥機35に送り込み、接着材を乾燥させて硬化させ、
十分な硬度をもつ接着層2とする。これによって、型材
31上に接着層2と基材布1とが積層された第1中間製
品M1が得られる(図3を参照)。この第1中間製品M
1は、引取ローラ36で引き取られる。
【0019】(2)被覆樹脂層形成工程 図4に示すように、別の型材31を、送出ローラ32を
用いて送り出し、この型材31上に、被覆樹脂材供給部
(コータなど)37を用いて、被覆樹脂層3となる被覆
樹脂材(ポリウレタン樹脂など)を、所定の厚さとなる
よう塗布する。次いで、これらを乾燥機35に送り込
み、被覆樹脂材を乾燥させて硬化させ、十分な硬度をも
つ被覆樹脂層3とする。被覆樹脂材を乾燥、硬化させる
際には、温度条件を100〜130℃とし、処理時間を
1〜5分とするのが好ましい。これによって、型材31
上に被覆樹脂層3が形成された第2中間製品M2が得ら
れる(図5を参照)。
【0020】(3)積層工程 図4に示すように、上記第1中間製品M1(図3)を、
送出ローラ38から送り出す。この際、引取ローラ39
を用いて、型材31を接着層2から剥離させ、基材布1
と接着層2とからなる第3中間製品M3を得る(図6を
参照)。この第3中間製品M3を圧着ローラ40に送り
込み、圧着ローラ40を用いて、上記第2中間製品M2
(図5)に重ね合わせ、これらを圧着する。この際、接
着層2が被覆樹脂層3に圧着されるようにする。これに
よって、基材布1と接着層2と被覆樹脂層3とを有する
複合材10が、型材31上に形成された第4中間製品M
4(図7を参照)が得られる。第4中間製品M4は、引
取ローラ41によって引き取られる。最後に、第4中間
製品M4から型材31を剥離させ、図1に示す複合材1
0を得る。
【0021】この複合材10は、図示せぬプレス機を用
いて、高温(例えば200℃)条件でプレスし、椀状に
成形することによって、スピーカに使用可能なセンター
キャップとすることができる。この際、複合材10は、
被覆樹脂層3が外周面側に向くように成形する。このセ
ンターキャップは、図8に示すセンターキャップ25と
して使用できる。
【0022】このセンターキャップは、顔料、塗料など
を用いて表面(外周面)を任意の色に着色することもで
きる。例えば、銀を含む顔料、塗料をセンターキャップ
表面に付着させれば、銀色を呈するセンターキャップを
得ることができる。また赤色、青色、黄色、緑色、橙色
等の顔料、塗料を用いてセンターキャップを着色するこ
とも可能である。
【0023】本実施形態の複合材10は、基材布1上
に、接着層2を介して被覆樹脂層3が積層されているの
で、プレス成形の際に、基材布1が表面(図1中上面)
に露出した状態となるのを防ぎ、表面を平坦にすること
ができる。このため、目が粗く(糸の織り密度が低い)
重量が小さい基材布1を用いた場合でも、成形品に十分
な光沢を与えることができる。従って、軽量であり、か
つ美観に優れた成形品(センターキャップ)を得ること
ができる。さらには、基材布1として目が粗いものを用
いることができるため、複合材10の光透過性を高め、
成形品に透明感を与えることができる。
【0024】また一般に、スピーカの音響特性、特に高
音域用スピーカの音響特性は、センターキャップの重量
に影響を受けやすい。この複合材10を用いて作製した
センターキャップは、軽量化が可能であるため、特に高
音域用のスピーカにおいて、優れた音響特性を得ること
ができる。
【0025】また、上記製造方法によれば、基材布1上
に接着層2を形成し、別の工程で形成した被覆樹脂層3
を、硬化させた後に接着層2に積層させるので、この積
層の際に、被覆樹脂層3が基材布1に浸透するのを防ぐ
ことができる。このため、十分な厚さをもつ被覆樹脂層
3が、接着層2を介して基材布1に積層された複合材1
0を得ることができる。よって、プレス成形の際に基材
布1が表面に露出した状態となるのを防ぎ、表面を平坦
とし、成形品に十分な光沢を与えることができる。従っ
て、軽量であり、かつ美観に優れた成形品(センターキ
ャップ)を得ることができる。さらに、成形品に透明感
を与えることができる。
【0026】
【0027】
【実施例】(実施例1)以下に示す複合材10を作製し
た。 (1)基材布1 単糸素材:テトロン 単糸外径:30デニール 織物組織:平織 織り密度:99本/インチ 基材布厚さ:100μm (2)接着層2 材質:ポリウレタン樹脂 接着層厚さ:10μm (3)被覆樹脂層3 材質:ポリウレタン樹脂 被覆樹脂層厚さ:15μm
【0028】この複合材10は、次の方法で作製した。
図2に示すように、型材31上にポリウレタン樹脂から
なる接着材を塗布し、その上に上記基材布1を重ね合わ
せ、接着材を乾燥機35で乾燥、硬化させ(乾燥処理温
度:110℃、処理時間:4分)、第1中間製品M1
(図3)を得た。次いで、図4に示すように、別の型材
31上に、ポリウレタン樹脂からなる被覆樹脂材を塗布
し、これを乾燥機35で乾燥、硬化させ、第2中間製品
M2(図5)を得た。次いで、第1中間製品M1から型
材31を剥離させて得られた第3中間製品M3(図6)
を、第2中間製品M2に圧着させ、第4中間製品M4
(図7)を得た。この第4中間製品M4から型材31を
剥離させ、複合材10を得た。
【0029】(実施例2)被覆樹脂層3の材料として、
ポリウレタン樹脂に代えて、アクリル樹脂(ポリアクリ
ル酸エステル)を用いること以外は実施例1と同様にし
て複合材10を作製した。
【0030】(実施例3)被覆樹脂層3の材料として、
ポリウレタン樹脂に代えて、ゴム(イソプレンゴム)を
用いること以外は実施例1と同様にして複合材10を作
製した。
【0031】(実施例4)被覆樹脂層3の材料として、
ポリウレタン樹脂に代えて、シリコーン樹脂(フェニル
シリコーン)を用いること以外は実施例1と同様にして
複合材10を作製した。
【0032】(比較例1)実施例1で用いたものと同様
の基材布の表面に、熱可塑性のポリウレタン樹脂を塗布
し、基材布26表面に樹脂層27が形成されたシート状
の複合材(図9)を得た。
【0033】実施例1〜4、比較例1の複合材をプレス
成形(200℃、5秒間)することによって、椀状のセ
ンターキャップを作製した。センターキャップは、実施
例1〜4、比較例1のそれぞれについて100個ずつ作
製し、外周面の光沢の有無を確認した。その結果、比較
例1の複合材から得られたセンターキャップは、100
個のうち10個が光沢に欠けるものとなったのに対し、
実施例1〜4の複合材10から得られたセンターキャッ
プは、全て十分な光沢をもつものとなったことが確認さ
れた。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセンター
キャップ用複合材は、基材布上に、接着層を介して被覆
樹脂層が積層されているので、プレス成形の際に、基材
布が表面に露出するのを防ぎ、表面を平坦とすることが
できる。このため、目が粗い(糸の織り密度が低い)基
材布を用いた場合でも、成形品に十分な光沢を与えるこ
とができる。従って、軽量であり、かつ美観に優れた成
形品(センターキャップ)を得ることができる。さら
に、成形品に透明感を与えることができる。この複合材
を用いて作製したセンターキャップは、軽量化が可能で
あるため、特に高音域用のスピーカにおいて、優れた音
響特性を得ることができる。
【0035】また、本発明のセンターキャップ用複合材
の製造方法によれば、基材布上に接着層を形成し、別の
工程で形成した被覆樹脂層を、硬化させた後に接着層に
積層させるので、この積層の際に、被覆樹脂層が基材布
に浸透するのを防ぐことができる。このため、十分な厚
さをもつ被覆樹脂層が接着層を介して基材布に積層され
た複合材を得ることができる。よって、プレス成形の際
に基材布が表面に露出するのを防ぎ、表面を平坦とし、
成形品に十分な光沢を与えることができる。従って、軽
量であり、かつ美観に優れた成形品(センターキャッ
プ)を得ることができる。さらに、成形品に透明感を与
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセンターキャップ用複合材の一実
施形態を示す一部断面図である。
【図2】 図1に示す複合材を製造するために使用可
能な製造装置を示す概略構成図である。
【図3】 図1に示す複合材を製造する過程で得られ
る中間製品を示す一部断面図である。
【図4】 図1に示す複合材を製造するために使用可
能な製造装置を示す概略構成図である。
【図5】 図1に示す複合材を製造する過程で得られ
る中間製品を示す一部断面図である。
【図6】 図1に示す複合材を製造する過程で得られ
る中間製品を示す一部断面図である。
【図7】 図1に示す複合材を製造する過程で得られ
る中間製品を示す一部断面図である。
【図8】 図1に示す複合材を用いて作製されたセン
ターキャップを使用可能なスピーカを示す概略構成図で
あり、(a)は全体図、(b)は要部拡大図である。
【図9】 従来のセンターキャップ用複合材の一例を
示す一部断面図である。
【符号の説明】
1・・・基材布、2・・・接着層、3・・・被覆樹脂層、10・・・
複合材、25・・・センターキャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向田 誠 埼玉県草加市住吉二丁目一番六号 昭和 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−123599(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 9/02 H04R 31/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布材からなる基材布に、接着材が硬化
    して得られた接着層を形成する接着層形成工程と、 被覆樹脂材をシート状に成形し、これを硬化させて被覆
    樹脂層を形成する被覆樹脂層形成工程と、 この工程で得られた被覆樹脂層を、前記接着層形成工程
    で形成された接着層に積層させて、基材布と被覆樹脂層
    とが接着層を介して積層されたセンターキャップ用複合
    材を得る積層工程とを有することを特徴とするスピーカ
    のセンターキャップ用複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 被覆樹脂層が、ポリウレタン樹脂、アク
    リル樹脂、ゴム、シリコーン樹脂のうち少なくとも1種
    からなるものであることを特徴とする請求項1記載のス
    ピーカのセンターキャップ用複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】 接着層が、ポリウレタン樹脂、アクリル
    樹脂、ゴム、シリコーン樹脂のうち少なくとも1種から
    なるものであることを特徴とする請求項1または2記載
    のスピーカのセンターキャップ用複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載
    の製造方法によって製造されたスピーカのセンターキャ
    ップ用複合材であって、 布材からなる基材布と、被覆樹脂層とが接着層を介して
    積層され、被覆樹脂層と接着層がいずれもポリウレタン樹脂からな
    ことを特徴とするスピーカのセンターキャップ用複合
    材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載
    の製造方法によって製造されたセンターキャップ用複合
    材からなるスピーカのセンターキャップであって、 布材からなる基材布と、被覆樹脂層とが接着層を介して
    積層され、被覆樹脂層と接着層がいずれもポリウレタン樹脂からな
    ことを特徴とするスピーカのセンターキャップ。
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