JPH07324204A - 簡易着物 - Google Patents

簡易着物

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Publication number
JPH07324204A
JPH07324204A JP11713494A JP11713494A JPH07324204A JP H07324204 A JPH07324204 A JP H07324204A JP 11713494 A JP11713494 A JP 11713494A JP 11713494 A JP11713494 A JP 11713494A JP H07324204 A JPH07324204 A JP H07324204A
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JP
Japan
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sewn
kimono
collar
shoulder
frontal
Prior art date
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JP11713494A
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English (en)
Inventor
Hiroko Ono
裕子 小野
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Individual
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  • Outerwear In General, And Traditional Japanese Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便に縫製でき、単に羽織って腰紐を締め付
けるだけで安定した着付けができ、しかも立体的で丸み
のある体に自然にフィットし、適度な運動によってもず
れが生じない美しい着姿となる着物を提供する。 【構成】 肩厚み巾16,21を介在させて左右身頃地
1、2を各連続一枚地で形成し、後衿線24は丸くくり
こして形成し、縫着の際にウエストライン沿いにあげを
取っておはしょり10の上縁を同時に縫着し、前身頃で
は脇から前端に至る下り傾斜で縫着し、背中ウエストラ
イン部に紐通し環35を縫着し、その両側には縦タック
30を取り、袖付山位置22を肩厚み巾16の前部に位
置させて袖を付け、身八つ口は後身八つ口27を若干長
く設定し、腰脇後側に横ダーツ31を取り、前上身頃下
端中間に縦タック33を取り、衿7先はおはしょりの前
端部の直上で若干離し縫い34し、2本の腰紐11の各
一端部を前おくみ上端部に縫着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡便に着用できて着崩
れせず美しい着物姿が体現できるかつ安価な着物を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】本格的な着物の着付けを知らなくとも1
人で簡便に着用でき、外観的には着物の着姿を損なわせ
ないようにした簡易着物は種々提供されている。これら
の簡易の主たる点は、装着や調整を省略するためにおは
しょりを予め着物本体に縫い付け或いはベルベット式フ
ァスナーで止着してあること、前身頃を単に合わせるだ
けで前裾上がりとなるように裁断し、前裾が開きっぱな
しとなってしまわないように裾上がり縫製としてあるこ
と、合わせた前身頃が崩れないように腰紐が予め着物の
おはしょり位置に縫い付けてあること等々である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の構成を有していても上下身頃を別々に型取りし、この
上下身頃を互いに縫着するための縫製上の煩雑さがあ
り、着用に際しては腰部を例えば30cm程度たくし上
げて紐で締め付ける必要があった。また、このたくし上
げ部分を留めるための紐の締付けが面倒であった。しか
も、着物全体が直線裁断と平坦面状態の縫製であったた
め、立体で丸みのある体に自然にフィットしないので、
適度な当て物をする必要があり、この当て物をずらさな
いためにしっかりと結束する必要があった。例えば衿刳
りは直線的に裁断縫製してあるため、くりこしを付ける
ための着付けが難しく、しかも運動によって衿周りにず
れが生じやすかった。
【0004】本発明は、上記の如き縫製上の面倒さと着
付け上の面倒さを排除して、簡便に縫製でき、かつ簡単
に単に着衣して腰紐を締め付けるだけで安定した着付け
ができ、しかもその着付け状態が立体的で丸みのある体
に自然にフィットし、適度な運動によってもずれが生じ
ることなく、しかも前裾上がりでくりこしが付いた美し
い着付けとなるような簡易着物を提供せんとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、上前身頃と前スカート部、上後身頃と後ス
カート部を連続一枚地で裁断すると共に前後身頃間に肩
厚み巾を介在させ、これら全体を連続一枚地で裁断して
左右身頃地を形成し、この身頃地の衿肩明の後衿線は丸
くくりこして形成し、これらとおくみ、衿などを縫着す
ると共に、おはしょりの上縁をウエストライン沿いに縫
着し、着物前側のおはしょりは脇からおくみ前端に至っ
て下り傾斜して縫着してなる構成を有して簡易着物とな
したものである。
【0006】上記着物において、ウエストライン沿いに
は適宜上下巾のあげを取り、このあげにおはしょりの上
縁部を合わせて縫着するようにすることができ、着姿に
一層ゆとりを生じさせることができる。背縫い位置のウ
エストライン部分に紐通し環を縫着することにより着姿
を一層安定させる。
【0007】また、上記着物において、背縫いは左右両
後上身頃が下方ほど若干巾狭となるように縫着し、後身
八つ口を前身八つ口よりも若干長く設定し、袖山を肩厚
み巾の前部に位置させて袖を付け、ウエストラインより
下方の脇後側に横ダーツを取り、後上身頃中間下部から
おはしょり上部に亘って縦タックを取り、前上身頃中間
下部からおはしょり上部に亘って縦タックを取るように
構成するのが着姿を一層美しいものとする上で好まし
い。
【0008】衿先はおはしょりの前端部の直上において
若干長さだけ分離した状態で離し縫いするのが好まし
く、体型によっては衿先が突っ張るおそれをなくすこと
ができる。また、2本の腰紐の各一端部を前おくみ上端
部でおはしょり上部の前端裏側に縫着することにより、
着付けが簡単に行えるものとなる。
【0009】上記着物には、裏地を縫着するのが好まし
いが、裏地は、肩部から後上身頃上部に亘る表地部分と
略々同寸に裁断縫着した上部裏地と、おくみを除くスカ
ート部分の表地と略々同寸に裁断縫着した下身頃裏地と
を少なくとも縫着し、これら裏地はいずれも表地の縫製
に添わせ、かつ上記裏地の下縁は開放状態となるように
形成するのが好ましい。
【0010】また、上記着物は次の構成を有する長襦袢
と一対として着用されるのが好ましい。即ち、着物の衿
肩明及び後衿線と同様な形態の衿肩明及び丸くくりこし
た後衿線を形成し、着物の袖付山位置と同様な袖付山位
置として裁断縫製してなる構成を有する長襦袢と共に着
用するようにする。上記長襦袢は、袖付け止り位置に適
度なつまみを設け、衿付け止りのところを適度につまみ
縫いし、このつまみ縫いの先に紐を付け、背縫い位置の
ウエストライン部分に紐通し環を縫着した構成とするの
が好ましい。
【0011】
【作用】この着物を羽織り、前を合わせつつ腰紐をウエ
ストラインに沿って巻き付けて結ぶだけで、着付けが完
了し、必要に応じて帯或いは簡易帯をおはしょりの上に
装着すればよい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面によって説明
する。図1は本発明に係る着物の裁断図、図2は縫製さ
れた着物の一部を分離省略した外側面図である。この着
物は、右身頃地1と左身頃地2、上前おくみ3,下前お
くみ4,衿おくみ5と6、衿7、右袖8と左袖9、おは
しょり10を裁断して互いに縫着し、かつ腰紐11を縫
着して形成したものである。
【0013】上記右身頃地1は、右前上身頃12と右前
スカート部(下身頃)13、右後上身頃14と右後スカ
ート部(下身頃)15を一枚地とし、かつ右後上身頃1
4の上端(裁断身丈の上端位置となる)と右前上身頃1
2との間に肩厚み巾16が介在するようにして、これら
全体を連続した一枚地として裁断し、同様に左身頃地2
も、左前上身頃17と左前スカート部(下身頃)18、
左後上身頃19と左後スカート部(下身頃)20を一枚
地とし、かつ左後上身頃19の上端と左前上身頃17と
の間に肩厚み巾21が介在するようにして、これら全体
を連続した一枚地に裁断して形成してある。
【0014】また、肩厚み巾16,21の前端即ち左右
前上身頃12,17との境界線を袖付山位置22とし、
両肩厚み巾16,21の中間部を布二つ折りの折り山位
置とすると共に、左右両前上身頃12,17と両肩厚み
巾16,21部分の各おくみ側縁はそれぞれ衿肩明2
3,23となるように裁断し、かつ首後ろ周りの衿刳り
を上記折り山位置付近からそれぞれ後上身頃14,19
の上部の背縫い側縁14a,19aに至って丸みをもた
せて裁ち、後衿線24,24によるくりこしが背中側に
丸く型取りされるように形成してある。
【0015】上記左右両後上身頃14,19はいずれも
上部からウエストライン付近に至る間を漸次下方ほど若
干細身になるように裁断し、着姿の下細りが表れるよう
にしてある。背縫い側縁14a,19aはウエストライ
ン及びそれよりも下方部分が上身頃よりも若干例えば2
cm前後細くなるように裁断してある。なお、左右身頃
地1,2共に上下身頃の境界部分(略々ウエストライン
沿い)を若干巾裏側に折り込んで(あげを取って)、こ
の折り込み間におはしょり10の上縁部を挟み込み、下
身頃裏地の上縁縫い代部分と共に同時に縫着することが
できるように寸法を設定してもよい。この寸法にはあそ
び代、各縫着部の縫い代が含まれることは当然である。
【0016】左右の前後上身頃12,14、17,19
の各外側辺上部と肩厚み巾16,21の外側辺は袖付け
部25となり、上記左右の前上身頃12,17の各外側
辺下部は前身八つ口26となり、左右の後上身頃14,
19の各外側辺下部は後身八つ口27となり、後身八つ
口27が前身八つ口26よりも若干長くなるように設定
してある。
【0017】上記左右後身頃14,15と19,20は
互いに背縫いし、前後スカート部13と15、18と2
0は互いに脇縫いし、左右上前身頃12,17のおくみ
付辺部には衿おくみ5,6をそれぞれ縫着すると共に、
左右後上身頃上部の衿刳りを回って衿7を縫着し、右前
スカート部13の前端に上前おくみ3を、左前スカート
部18の前端に下前おくみ4をそれぞれ縫着し、さらに
右袖8と左袖9を縫着するのは従来の工程に準じる。
【0018】なお、衿おくみ5と6を別地として設け
ず、左右前上身頃12,17の前端部が衿おくみに相当
するように裁断したものを使用することもでき、この場
合には直接衿7を縫着することになる。なおまた、衿芯
を用いるか否かは任意である。
【0019】上記縫着過程において、ウエストライン2
8沿いに上記着物地におはしょり10の上縁部を張り付
ける如く合わせて縫着する。おはしょり10の縫着は、
ウエストライン28沿いの着物地を若干巾内側に折り込
んでつまみ縫いするようにし、同時にこの折り込み部に
おはしょり10の上縁部を挟み込んで同時縫着するよう
にすることもできる。この場合は身丈に若干のゆとりを
与えることができる。
【0020】すなわち、後身頃においては、脇をウエス
トライン位置とし、この位置から背方向に若干上がり傾
斜し背中央部で水平状となる若干の上反り縫着ライン2
9となるようにおはしょり10の上縁部を縫着するよう
にし、この際、上記縫着ライン29部分において左右後
身頃14,19の中間部及び背寄りの各1〜2箇所に、
おはしょり上側の身頃部分とおはしょり10上部に亘る
縦タック30をそれぞれ取ってウエスト部分を若干絞っ
て体にフィットした着付け状態となるようにし、左右両
脇のウエストラインよりも若干下方位置例えば約12c
m程度下方に横ダーツ31(両脇よりも若干背方に縦ダ
ーツをとることも可)を取ってお尻部分に若干の膨らみ
を持たせるようにする。
【0021】おはしょり縫着部をつまみ縫いしてあげを
取る場合には、上側つまみ線を上記のようにし、つまみ
代の下縁は水平状とすれば、背中部分に一層自然な丸み
とゆとりが出るので好ましい。
【0022】また、前身頃においては、脇から前身頃に
向かい上下前おくみ前端に至るまで若干の下り傾斜ライ
ン32となるようにおはしょり10の上縁部を縫着し、
この縫着する下り傾斜ラインは、脇から若干巾を水平状
とすると共にその後は左右前上身頃から上下前おくみ
3,4に至るまで適度に下り傾斜した下り傾斜32aと
して縫着し、この際、左右前身頃の中間部1〜2箇所に
おはしょり上側の身頃部分とおはしょり10上部に亘る
縦タック33をそれぞれ取ることにより、上記下り傾斜
と縦タックとの両作用により前身頃に胸の膨らみに対応
する余裕を与えるようにする。また、上記下り傾斜32
aで縫着してあれば、着用時に腰紐を締めると縫着ライ
ン32が自ずとウエストラインに沿うので、着物の前裾
が必ず爪先上がりとなる。
【0023】おはしょり縫着部をつまみ縫いしてあげを
取る場合には、上側つまみ線を上記の下り傾斜32aと
なるようにし、つまみ代の下縁は上記下り傾斜32aの
脇端とおくみ前端とを直線状に結ぶ下り傾斜32bとす
れば、前身頃に一層のゆとりを与えるので好ましい。
【0024】おはしょり10は、二つ折り状に縫製(縫
い代は中とじする)した上縁部を上記縫着ライン32と
合致させ、適当巾(丈)例えば13〜15cm巾で垂れ
るようにしておけばよい。おはしょり10の両端は上下
前おくみ3,4の前端と揃えるか、若干の長短いずれか
の状態に設定する。衿先7a(衿7の前下端部)は、お
はしょり10の直上において上下前おくみ3,4及びお
はしょり10と若干巾例えば2〜4cm程度分離した状
態となるように縫い離し34して形成してなっている。
【0025】さらに、後身頃の背縫い側縁14a又は1
9aに沿い、おはしょり10上部から後上身頃下部に跨
がって紐通し環35を縫着する。腰紐11は2本使用
し、各一端部を上下前おくみ3,4前端上縁部(おはし
ょり10の上縁部裏側の位置)にそれぞれ縫着してあ
る。衿7は、後衿部分を深く衿先に向かって漸次浅くな
るように内折りし、折り込んだ後衿の下端部を止着して
形成しておくのが好ましい。
【0026】上記構成の着物によれば、これを羽織り、
腰紐を一方は身八つ口を通し、他方はそのまま一周さ
せ、前を合わせて腰紐をウエストラインに沿うように結
ぶだけで着付けが完了する。後は任意に帯乃至簡易帯を
着用することができる。
【0027】なお、裏地は次のように付けるのが好まし
く、図3に例示する。裏地は、肩部から後上身頃上部に
亘って付けた上部裏地36と、上記おはしょりの縫着部
から下のおくみを除く部分に付けた下身頃裏地37と、
おくみを除くスカート部の下端部に付けた裾まわし裏地
(八掛地)38とを縫着してあればよい。上部裏地36
は着物の該当部分と同寸に裁断した2枚の裏地を背縫い
して一枚状とし、この縁部を衿付け及び袖付けと同時に
縫い付け、背中側の下縁は開放したままとしておく。
【0028】下身頃裏地37は着物の該当部分、即ち左
右前スカート部分及び左右後スカート部分と同寸(丈は
若干短くてもよい)に裁断した裏地を縫着して一枚状と
し、この上縁部をおはしょり10の上縁部を縫着する時
に同時に、又は予めおはしょり縫着部と同位置かごく僅
かに下位置に縫着し、側部は上下前おくみ3,4の縫着
と同時に縫い込み、下縁は着物下縁よりも若干上位置例
えば3cm程度上がった位置で開放したままとしてお
き、この下縁部と対応する着物表地部分の互いの縫い代
部分、例えば2箇所程度をゆるみのある糸で止め39て
おく。裾まわし裏地38は着物裾裏に当て、下端から約
2mm位表側に見えるように縫い角を褄縫いするように
する。下身頃裏地37の下端はこの裾まわし裏地38の
上部上側に被さる。上記縫着はいずれも中とじ縫いする
ことは当然である。
【0029】このように裏地を縫い付けることにより、
裏地が表地にぴったり添い、布がつったり弛んだりして
その調整に骨を折ることがなくなり、着付けがスマート
なものとなる。また、裏地が少なくて済み、縫製作業も
省力化される。
【0030】また、上記構成の着物を着崩れせずに着用
するためには、長襦袢の影響も大きい。このために、長
襦袢の構成を上記着物に合わせることは重要なことであ
る。好ましい長襦袢40は、図4に例示する如く、上記
着物の衿肩明23及び後衿線24と同様な形態の衿肩明
41及び丸くくりこした後衿線42を形成し、着物の袖
付山位置22と同様な袖付山位置43として裁断する。
【0031】さらに、運動のためのゆとりを持たせるた
めに、袖付け止り位置に適度なつまみ44を設け、衿付
け止りのところを適度につまみ縫い(三角縫い)45
し、このつまみ縫いの先に紐を付けるようにするのが好
ましい。着付けの安定性のために前記と同様に背縫いの
ウエストライン部分に紐通し環46を装着する。衿は芯
を入れてしっかりした感じに仕上げるのがよく、衿巾は
背中心のところで例えば5cmの上りにし、次第に広く
例えば6cmとなるバチ衿の形にすることができる。
【0032】
【発明の効果】上記構成からなる簡易着物は、左右身頃
がそれぞれ前後端に至るまで一枚地として形成されてい
るので、ワンピース型の斬新な着物となっているもので
ある。この一枚の左右身頃地を縫製し、おはしょりをこ
のウエストライン沿いに縫着する簡潔な製法によって着
物を造ることができるので、製造作業が簡便であり、か
つ良い生地を用いても製造コストが安価となる。
【0033】着用に当たっては、上記一枚地に肩厚み巾
を入れてあるので、着用にゆとりが生じ、袖山と身頃の
肩山(袖付山)とを食い違わせ、かつ後身八つ口を前身
八つ口よりも若干長く取る構成を合わせることによっ
て、適度に運動しても着崩れしない効果は一層確実なも
のとなる。
【0034】背縫い縁をウエストライン付近で若干細く
し、ウエストライン背側に縦タックを取れば、立体的な
体にフィットしやすくなり、衿付線もやさしくなる。ウ
エストライン下側の後ろ脇部に横ダーツを取ることによ
り体に沿う自然な丸みを出す着付けが一層十分に出来、
スカート部分のシルエットも美しくなる。
【0035】衿肩明の後衿線を丸く刳ることより、ただ
単に着るだけで適度なくりこしの付いた着付けとなり、
皺も生じることがなく衿付線が美しくなる。従って着付
け時の後衿を丸く補正してくりこしを付ける着付け作業
が不要となる。前身頃におけるおはしょり上縁の縫着位
置を脇から前端に向かって下り傾斜ラインとしてなるこ
とにより、着付け時に胸部分に膨らみを持たせることが
できて衿の納まりがよくなり、また、前裾が若干吊り上
がり状態となって、裾が爪先上がりとなると共に裾前が
めくれたり広がったりするのが防がれるので、裾線が美
しくなる。
【0036】腰紐はおはしょりの前端の上縁部下側に一
端部を縫着してあるので、下前の腰紐は左身八つ口を通
し、上前の腰紐は一周させ、ウエストラインで交差させ
て前で結ぶだけでよく、このように腰紐を単に結ぶだけ
で、上記各部の作用と共に各部の着付け状態を安定さ
せ、普通に着合わせた着姿を着崩れを起こさせず、美し
い着姿として安定させ得る。背中に紐通し環を付け、こ
こに腰紐を通せば、巻き付けた紐位置が一層安定し、く
りこしが崩れることがなく、後姿を美しく保つことがで
きる。
【0037】おはしょりは縫着してあるので、長着と同
じ感じで着付することができ、何の特別な手入れも不要
である。あげが取ってあれば身丈にゆとりを持たせるこ
とができる。
【0038】上記着物に裏地を前記のようにして縫着す
れば、布間のつりや弛みが生じないと共に、着用がスマ
ートとなり、縫製作業も省力化される。また、前記した
長襦袢と一対で着用することにより、着崩れが生じるこ
となくしかも着姿を美しく安定させる効果が一層確実な
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る着物を分解状態で示し
た裁断地の展開外側面図である。
【図2】図1の裁断地を縫製した状態の着物の外側面図
である。
【図3】図2の着物の裏地を示す着物の内側面図であ
る。
【図4】上記着物と対に着用する長襦袢の片身頃の一例
を示す展開図である。
【符号の説明】
1 右身頃地 2 左身頃地 3 上前おくみ 4 下前おくみ 5,6 衿おくみ 7 衿 8,9 左右袖 10 おはしょり 11 腰紐 12 右前上身頃 13 右前スカート部 14 右後上身頃 15 右後スカート部 16,21 肩厚み巾 17 左前上身頃 18 左前スカート部 19 左後上身頃 20 左後スカート部 22 袖付山位置 23 衿肩明 24 後衿線 26,27 前後身八つ口 29 上反り縫着ライン 30 タック 31 ダーツ 32 下り傾斜ライン 33 タック 34 縫い離し 35 紐通し環 36 上部裏地 37 下身頃裏地 38 裾まわし裏地 40 長襦袢

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上前身頃と前スカート部、上後身頃と後
    スカート部を連続一枚地で裁断すると共に前後身頃間に
    肩厚み巾を介在させ、これら全体を連続一枚地で裁断し
    て左右身頃地を形成し、この身頃地の衿肩明の後衿線は
    丸くくりこして形成し、これらとおくみ、衿などを縫着
    すると共に、袖山を肩厚み巾の前部に位置させて袖を付
    け、おはしょりの上縁をウエストライン沿いに縫着し、
    着物前側のおはしょりは脇からおくみ前端に至って下り
    傾斜して縫着してなる構成を有する簡易着物。
  2. 【請求項2】 ウエストライン沿いに適宜上下巾のあげ
    を取り、このあげにおはしょりの上縁部を合わせて縫着
    してなる構成を有する請求項1に記載の簡易着物。
  3. 【請求項3】 背縫い位置のウエストライン部分に紐通
    し環35を縫着してなる請求項1又は2に記載の簡易着
    物。
  4. 【請求項4】 背縫いは左右両後上身頃が下方ほど若干
    巾狭となるように縫着し、後身八つ口を前身八つ口より
    も若干長く設定し、ウエストラインより下方の脇後側に
    横ダーツを取り、後上身頃中間下部からおはしょり上部
    に亘って縦タックを取り、前上身頃中間下部からおはし
    ょり上部に亘って縦タックを取った構成を有する請求項
    1乃至3のいずれかに記載の簡易着物。
  5. 【請求項5】 衿先はおはしょりの前端部の直上におい
    て若干長さだけ分離した状態で離し縫いしてなる構成を
    有する請求項1乃至4のいずれかに記載の簡易着物。
  6. 【請求項6】 2本の腰紐の各一端部を前おくみ上端部
    でおはしょり上部の前端裏側に縫着してなる構成を有す
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の簡易着物。
  7. 【請求項7】 肩部から後上身頃上部に亘る表地部分と
    略々同寸に裁断縫着した上部裏地と、おくみを除くスカ
    ート部分の表地と略々同寸に裁断縫着した下身頃裏地と
    を少なくとも縫着し、これら裏地はいずれも表地の縫製
    に添わせ、かつ上記裏地の下縁は開放状態としてなる構
    成を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の簡易着
    物。
  8. 【請求項8】 着物の衿肩明及び後衿線と同様な形態の
    衿肩明及び丸くくりこした後衿線を形成し、着物の袖付
    山位置と同様な袖付山位置として裁断縫製してなる構成
    を有する長襦袢と一対としてなる請求項1乃至7のいず
    れかに記載の簡易着物。
  9. 【請求項9】 袖付け止り位置に適度なつまみを設け、
    衿付け止りのところを適度につまみ縫いし、このつまみ
    縫いの先に紐を付け、背縫い位置のウエストライン部分
    に紐通し環を縫着した構成を有する長襦袢と一対として
    なる請求項8に記載の簡易着物。
JP11713494A 1994-05-30 1994-05-30 簡易着物 Pending JPH07324204A (ja)

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JP (1) JPH07324204A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017183144A1 (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 真奈企画株式会社 着物、着物の製造方法及び着物の着用方法

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WO2017183144A1 (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 真奈企画株式会社 着物、着物の製造方法及び着物の着用方法

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