JPH0732251A - ドリル研削機 - Google Patents

ドリル研削機

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Publication number
JPH0732251A
JPH0732251A JP17803393A JP17803393A JPH0732251A JP H0732251 A JPH0732251 A JP H0732251A JP 17803393 A JP17803393 A JP 17803393A JP 17803393 A JP17803393 A JP 17803393A JP H0732251 A JPH0732251 A JP H0732251A
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JP
Japan
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drill
tip
swing
grinding
cam
Prior art date
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Pending
Application number
JP17803393A
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English (en)
Inventor
Zenichi Oda
善一 小田
Atsushi Utsuno
敦士 宇津野
Masahide Kanai
昌秀 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研削機を用いてドリルの再研削を行う場合
に、ワンチャックで切れ刃および逃げ面の研削だけでな
くシンニングも連続して行えるようにする。 【構成】 基台2と、この基台2上に支持された研削機
本体3と、前記基台2上を揺動可能に支持された振りベ
ース4と、この振りベース4上に、ドリルD10を前記研
削機本体3の砥石3aに向けた状態で回転可能かつその
軸方向に移動可能に支持するためのドリル支持部と、前
記振りベース4を前記ドリルD10の回転に伴って揺動さ
せるための振り手段と、前記ドリルD10をその回転に伴
って軸方向に送って当該ドリルD10のシンニングを行う
ための送り手段とを備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドリルの切削性能を回
復すべくその先端を再研削するためのドリル研削機に関
する。
【0002】
【従来技術】一般的に、この種の研削を手作業で行う場
合には相当の熟練を要する。このため従来より種々態様
の研削機が考案され、これには例えば実開昭58−19
6048号公報に開示されたものがあった。この研削機
によれば、一度ドリルをセットするだけで熟練者でなく
とも比較的容易にドリルを再研削してその切削性能を回
復させることができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の研削機にあっては、ワンチャックで二枚の切れ刃お
よび逃げ面の研削を行うことができたが、ドリルの切削
抵抗を少なくするために行われるシンニングをワンチャ
ックでは行うことができず、このため従来はドリルを研
削機から取り外した後、改めて手作業等によりシンニン
グを行う必要があった。
【0004】本発明はこの問題に鑑みなされたもので、
二枚の切れ刃および逃げ面の再研削のみならずシンニン
グをもワンチャックで行うことのできるドリル研削機を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため請求項1記載の
発明は、基台と、この基台上に支持された研削機本体
と、前記基台上を揺動可能に支持された振りベースと、
この振りベース上に、ドリルを前記研削機本体の砥石に
向けた状態で回転可能かつその軸方向に移動可能に支持
するためのドリル支持部と、前記振りベースを前記ドリ
ルの回転に伴って揺動させるための振り手段と、前記ド
リルをその回転に伴って軸方向に送って当該ドリルのシ
ンニングを行うための送り手段とを備えたドリル研削機
としたことを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の発明では、前記砥石
に対するドリルの初期設定角度を変更し、かつ前記送り
手段による前記ドリルの送りタイミングと送り量を変更
して、先端一文字形ドリルあるいは先端ロウソク形ドリ
ルを研削可能な構成としたことを特徴とする上記請求項
1記載のドリル研削機としたことを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1記載の構成によれば、先端山形のドリ
ルが以下のようにして再研削される。先ず、この先端山
形のドリルをドリル支持部に装着する。なお、振りベー
スは、ドリルの切れ刃をほぼ水平に位置させた時にこの
切れ刃が砥石に対してほぼ平行となる初期設定角度に設
定しておく。然る後、このドリルを軸方向に送ってその
先端の切れ刃と砥石との間にごくわずかな隙間をおいた
状態とする。この時、切れ刃はほぼ水平に位置させる。
この状態でドリルを軸回りにゆっくりと回転させると、
ドリルは回転しつつ振り手段によって振りベースととも
に徐々に振られ、その過程において切れ刃および逃げ面
に局部的な凸部分があれば砥石に接触して研削される。
こうしてドリルを一回転させたならばもう少しドリルを
軸方向に送って同じ操作を繰り返す。この操作を数回繰
り返すことによって、切れ刃および逃げ面の局部的な凹
凸が取り除かれていき、最終的に切れ刃を砥石にわずか
に接触させてこの切れ刃を研削し、引き続きドリルを回
転させつつ振って逃げ面の仕上げ研削を行う。研削量が
不十分であれば、再度同じ操作を繰り返す。
【0008】このように切れ刃および逃げ面の局部的な
凹凸を取り除きつつ研削を繰り返し、最終的にドリルが
一回転される過程において、このドリルの二枚の切れ刃
と二枚の逃げ面の仕上げ研削とシンニングが行われる。
すなわち、先ず半回転する間に一枚の切れ刃と逃げ面の
研削が終了すると送り手段によってドリルは軸方向に所
定量送られ、これにより先ず一箇所のシンニングが行わ
れる。引き続き残り半回転される間に、二枚目の切れ刃
および逃げ面の研削が行われ、最後にふたたびドリルが
軸方向にわずかに送られて二箇所目のシンニングが行わ
れる。
【0009】請求項2記載の構成によれば、主として型
鋼の穴あけや座グリ等の比較的重切削に好適な先端一文
字形ドリルあるいは薄板の穴あけ等の軽切削に好適な先
端ロウソク形ドリルの再研削を行うことができる。上記
した先端山形のドリルのように通常の穴あけに用いられ
る一般的なドリルの先端部は山形に尖った形状を有して
いるのに対して、先端一文字形ドリルの先端部は両切れ
刃がほぼ一直線上に並んだ形状を有し、また先端ロウソ
ク形のドリルの先端部にあっては両切れ刃が中心部に向
かって下傾して形成された凹状をなし、中心部に小突起
部を有する形状とされている(図10参照)。従って、
先ず上記先端山形のドリルの場合とは砥石に対する振り
ベースの初期設定角度が変更される。すなわち、これら
のドリルの切れ刃と砥石とがほぼ平行となる角度に設定
される。
【0010】そして、上記先端山形のドリルと同様にし
て、切れ刃をほぼ水平の状態でかつ砥石との間にごくわ
ずかな隙間をおいた状態にまでドリルを軸方向に送り、
先ずこの状態でドリルを回転させつつ振りベースととも
に振って、切れ刃あるいは逃げ面の局部的な凸部を除去
していく。そして、この操作を数回繰り返して、最終的
に切れ刃がほぼ水平の状態でわずかに砥石に接触する状
態とし、この状態からドリルを一回転させる過程におい
て所定の範囲でこのドリルを軸方向に送ることによっ
て、その切れ刃、逃げ面および小突起部の仕上げ研削が
行われる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1ないし図10に
基づいて説明する。図1は本例のドリル研削機1の平面
を、図2は右側面を、図3は左側面をそれぞれ示してい
る。本例の研削機1は、以下説明するように図9に示す
先端山形のドリルD10と、図10(a) に示す先端一文字
形のドリルD20と、図10(b) に示す先端ロウソク形の
ドリルD30の三態様のドリルに対応可能な構成とされて
いる。先端山形のドリルD10は、通常の穴あけに用いら
れる一般的なドリルであり、その先端角は約118°と
なっている。このドリルD10に対してその切れ刃d11お
よび逃げ面d12の研削とシンニングd13が行われる。
【0012】先端一文字形のドリルD20はその両切れ刃
d21,d21がほぼ一直線上に配置されたもので、主に型
鋼に穴あけをする場合等の比較的重切削に、あるいは座
グリをする場合に好適に用いられる。両切れ刃d21,d
21の中央すなわち先端面の中心には小突起d23を有して
いる。
【0013】先端ロウソク形のドリルD30は両切れ刃d
31,d31が中心に向かって下傾して先端面が凹状をな
し、中央部でふたたび隆起して小突起部をもつ形状のも
ので、主として薄板に穴あけをする場合等の軽切削に好
適で、抜き側にバリが出ず仕上がりが良好である。この
ドリルD30と上記したドリルD20に対してはシンニング
に相当する研削は行われない。
【0014】さて、本例の研削機1の構成について説明
すると、図1に示すように基台2の上面には、円盤形の
砥石3a,3aを備えた研削機本体3が斜め方向に平行
移動可能に支持されている。前側(図示下側)の砥石3
aの周面は先端に若干小径のテーパ型になっている。こ
の研削機本体3に対向して、基台2上には振りベース4
が、その砥石3a側の先端部の振り中心4aを中心にし
て図示左右方向に揺動可能に支持されている。この振り
中心4aは、砥石3aの端面とドリルD10の軸線との交
点よりも図示下方に位置されている。
【0015】この振りベース4の上面にはドリルD10
(またはD20,D30)を回転可能かつ軸方向に移動可能
に支持するためのドリル支持部が設けられている。すな
わち、図3によく示されているように振りベース4の上
面には支持ブロック5が取付けられ、この支持ブロック
5には砥石3aに向けて若干上傾状に支持孔5aが前後
面(図示左右側面)間に貫通して形成されている。この
支持孔5aには、支持シャフト7が回転可能かつ軸方向
に移動可能に支持されている。
【0016】この支持シャフト7の後端部(図示右端
部)は支持孔5aから突き出され、図示省略したハンド
ルが取付けられるようになっている。また、この支持シ
ャフト7の後端部と支持ブロック5の後端面との間には
圧縮コイルバネ8が介装されている。このため、支持シ
ャフト7はその軸方向に沿って砥石3aから遠ざかる方
向に付勢されている。
【0017】さらに、この支持シャフト7の先端側も支
持ブロック5から突き出されており、この突き出された
部分には、図示するように先端側から順にドリルチャッ
ク9、振りカム10、送りカム11が、それぞれこの支
持シャフト7と同心に取付けられている。
【0018】振りカム10は後述するフォロワ部12と
対をなして、振りベース4を一定の範囲で左右に振るた
めの振り手段を構成するもので、図8に示すように周面
にカム面10aが形成された板カム形状をなす。カム面
10aは、振りカム10が一回転する間すなわちドリル
D10(またはD20、D30)が一回転する間に振りベース
4を二往復揺動させるべく(図4(a) 参照)、点対称に
形成されている。振りベース4が二往復揺動するとドリ
ルD10(またはD20、D30)も当然に二往復揺動する。
【0019】ここで、上記したフォロワ部12について
説明する。図1および図2に示すように、振りベース4
の右側方には支持ベース12aが立ち上がり状に設けら
れ、この支持ベース12aの振りカム10側の側面に
は、先端にスチールボール13が支持された支持柱12
bが振りカム10のカム面10aに向けて突出されてい
る。また、支持ベース12aと振りベース4との間には
引張りコイルバネ14が装着されているため、振りベー
ス4は図示右方向に振られるように付勢され、従って、
上記スチールボール13は振りカム10のカム面10a
に適度な押し付け力で接触した状態に保持されている。
【0020】ここで、上記支持ベース12aは、図1に
示すように (I)〜(III) の三つの位置のうち何れかを選
択して取付け可能となっている。すなわち、(I) の位置
は先端山形のドリルD10に対応した位置であり、(II)の
位置は先端一文字形のドリルD20に対応した位置であ
り、また(III) の位置は先端ロウソク形のドリルD30に
対応した位置とされている。上記三つの位置(I),(II),
(III)のうちいずれかの位置を選択してフォロワ部12
を取付けることにより本例の研削機1をドリルD10用、
ドリルD20用あるいはドリルD30用に変更して用いるこ
とができる。すなわち、フォロワ部12の位置を変更す
ることによって振りベース4ひいてはドリルD10(また
はD20,D30)の砥石3aに対する初期設定角度が変更
される。
【0021】図1は、支持ベース12aを(I) の位置に
取り付けて先端山形のドリルD10用とした研削機1を示
しており、図示する状態において振りベース4は最も右
側に振られた初期位置に位置している。この振りベース
4の初期位置は、スチールボール13が、振りカム10
のカム面10a上の、この振りカム10の中心に最も近
い位置すなわち図8(a)において(イ)で示す基準位置
に位置することにより実現される。振りベース4がこの
初期位置に位置している時に、ドリルチャック9にチャ
ックされてセットされたドリルD10は砥石3aの軸線C
Lに対して約31°の傾きを持って位置され、従ってそ
の切れ刃d11が砥石3aに対してほぼ平行となる。
【0022】支持シャフト7を回転させると振りカム1
0もドリルD10と一体となって回転するので、スチール
ボール13は相対的にカム面10a上を移動して振りカ
ム10の中心から徐々に遠ざかり、このため振りベース
4ひいてはドリルD10が徐々に図1において左方に振ら
れる。スチールボール13が振りカム10の中心から最
も遠ざかった位置すなわち図8(a) において(ロ)で示
す位置に至るとドリルD10は最も左方に振られた状態と
なる。このようにスチールボール13が基準位置(イ)か
ら(ロ)の位置に至る間すなわちドリルD10が左方へ振
られる間にこのドリルD10の切れ刃d11と逃げ面d12の
研削がなされ、かつ以下説明するようにしてシンニング
d13がなされる。
【0023】なお、ドリルD10の先端は振り中心4aよ
りも前方に位置しているので、このドリルD10が左方に
振られるとその先端は図5(a) に示すように逆に砥石3
aの中心から離れる方向に向かって移動する。
【0024】次に、送りカム11は、逃げ面d12の研削
が終了した後にドリルD10を軸方向にわずかな量だけ送
ってシンニングd13を行うための送り手段として設けら
れたもので、そのカム面11aは支持ブロック5に対向
した後面に形成されている。この送りカム11のカム面
11aには、図6に示すように二箇所のシンニングd1
3,d13に対応して周方向180°反対側にそれぞれ突
起部11b(図中黒く塗り潰した部分)をわずかに突出
して形成されている。この突起部11bの突出量がドリ
ルD10のシンニングd13のための送り量となる。また、
この突起部11bは、基準位置(ハ)から周方向へ約9
0°変位した位置に形成されており、このためドリルD
10は初期位置から約90°回転した時に一回目のシンニ
ングd13が行われる。
【0025】一方、図3によく示されているように支持
ブロック5の前面上部であって、送りカム11のカム面
11aに対向する部位にはスチールボール15が同前面
から若干飛び出した状態に支持されている。このため、
このスチールボール15は送りカム11が回転すること
によってそのカム面11a上を相対的に移動し、このス
チールボール15がカム面11aの突起部11bを乗り
越える時にドリルD10が支持シャフト7等と一体となっ
て軸方向に移動してシンニングd13が行われる。なお、
スチールボール15の飛び出し量は送りねじ16の締め
込み量を調整することにより変化させることができるよ
うになっており、研削開始時のドリルD10と砥石3aと
の距離を変えることができる。この送りねじ16は固定
ねじ17によって固定できるようになっている(図1参
照)。また、前記した圧縮コイルバネ8によってこの送
りカム11用のスチールボール15は適度な押し付け力
でカム面11aに押し付けられる。
【0026】このようなカム面11aを有する送りカム
11は、上記振りカム10に対して位相合わせした上で
取付けられている。すなわち、両者の関係を図4の分図
(a)と分図(b) とを比較すれば明らかなように、両者の
基準位置(イ)と基準位置(ハ)とを一致させて、振りカ
ム10を約90°回転させた時点で、スチールボール1
5が突起部11bを乗り越えることとなるよう、この送
りカム11と振りカム10との位相が合わせられてい
る。このため、ドリルD10が半回転する間に、片側の切
れ刃d11および逃げ面d12の研削がなされるとともにド
リルD10はわずかな量だけ軸方向に送られて片側のシン
ニングd13が行われ、このシンニングd13は上記したよ
うに基準位置(イ)(すなわちドリルD10の初期位置)
から約90°回転された時に行われる。そして、ドリル
D10が残り半周を回転する間に、もう一方の切れ刃d11
および逃げ面d12の研削とシンニングd13が行われる。
つまり、ドリルD10が一回転する間に二枚の切れ刃d1
1,d11および逃げ面d12,d12の研削と二箇所のシン
ニングd13,d13が行われる。
【0027】以上説明した送りカム11は、先端山形の
ドリルD10を研削する際に用いられるものであったが、
本例の研削機1にはこの他に一文字形およびロウソク形
のドリルD20、D30用の送りカム20が用意されてい
る。この送りカム20は、図7に示すように上記先端山
形のドリルD10用の送りカム11とは、突起部20bの
形状が異なっている。すなわち、この送りカム20の突
起部20bは、基準位置(ニ)から約45°回転した位
置から約115°回転した位置までの範囲およびこの範
囲に対して点対称となる範囲に盛上がり形成されてな
り、両突起部20bの上面は同図の分図(c) に示すよう
にそれぞれ回転方向に緩やかな角度で上傾して形成され
ている。この両突起部20bによってドリルD20,D30
が送り出されることにより、その切れ刃d21,d31およ
び逃げ面d22,d32さらには小突起部d23,d33の研削
が行われる。
【0028】送りカム20と振りカム10との位相合わ
せは、図4の分図(a) と分図(c) を比較すれば明らかな
ように両者の基準位置(イ)と基準位置(ニ)とを一致
させて、振りカム10が約45°回転した時にスチール
ボール15が突起部20bに差しかかることとなる関係
に合わせられている。なお、振りカム10は上記三態様
のドリルD10、D20、D30について共用される。
【0029】次に、以上のように構成された本例の研削
機1を用いて、先ず先端山形のドリルD10を研削する場
合の手順について説明する。従って、フォロワ部12は
(I)の位置に取り付けられ、かつ送り手段としては送り
カム11が取付けられる。なお、前記したようにスチー
ルボール13が振りカム10の基準位置(イ)に位置
し、かつスチールボール15が送りカム11または送り
カム20の基準位置(ハ)または基準位置(ニ)に位置
した状態におけるドリルD10(またはD20、D30)の位
置を初期位置という。従って、ドリルD10の初期位置
は、図1において最も右方に振り戻されて、砥石3aの
軸線に対して約31°の角度で傾斜した位置である。
【0030】先ず、ドリルチャック9にドリルD10を差
し込んでチャックする。この際、ドリルD10は振りベー
ス4が初期位置に位置する状態においてその切れ刃d11
が水平になるようにチャックする。また、このドリルD
10の先端部は、振りベース4の振り中心4aよりも前方
に突き出した状態とする。
【0031】次に、研削機本体3を起動させるととも
に、送りねじ16を締込んでドリルD10を、その切れ刃
d11が砥石3aに接触するわずか手前となる状態まで前
方に送り出す。この時、図5(a) において二点鎖線で示
すようにドリルD10の先端が回転する砥石3aの周縁角
部よりも若干内周側にずれた状態とする。この状態にお
いて、ドリルD10の切れ刃d11は砥石3aに対して平行
に位置しており、かつ上記したように砥石3aのとの間
にごくわずかなすきまが開けられている。なお、送りね
じ16は所定量締め込んだ後、固定ねじ17によってロ
ックしておく。
【0032】以上の状態にセッティングした後、作業者
は図示省略したハンドルを介してドリルD10をその捩じ
れ方向(通常、右回り方向)にゆっくりと先ず最初の一
回転をさせる。すると、振りカム10も回転するのでス
チールボール13はカム面10aの基準位置(イ)から
(ロ)の位置に向かって相対的に移動し、従って振りベー
ス4すなわちドリルD10が図1において左方に徐々に振
られる。ドリルD10が振られるとその先端部は砥石3a
の中心から離れる方向に向かって移動する。
【0033】この先ず最初の一回転において、砥石3a
が切れ刃d11および逃げ面d12に倣って相対移動され、
この過程において切れ刃D11または逃げ面d12に局部的
な凸部分があるとこの部分が研削される。すなわち、ド
リルD10が振られつつ回転されることによりその逃げ面
d12の研削がなされ、これが完了した後、約90°回転
した時点でスチールボール15が送りカム11の突起部
11bを乗り越え、これによりドリルD10が軸方向にわ
ずかに送られる。なお、ドリルD10の振り量と送り量の
関係が図4(a)、(b) に示されている。
【0034】一方この時、ドリルD10の先端部は砥石3
aのちょうど周縁角部にまで移動しており、従ってドリ
ルD10の先端部は同角部に向かって送られ、これにより
砥石3aに接触すればシンニングd13がなされる。スチ
ールボール15が突起部11bを乗り越えるとシンニン
グd13は完了する。
【0035】その後、スチールボール13はカム面10
a上の(ロ)の位置に至ってドリルD10の振り量は最大
となり、さらに回転されてドリルD10は引張りコイルバ
ネ14の付勢力によって図示右方に振り戻される。ドリ
ルD10は半回転されると初期位置に戻り、さらに残り半
周を回転されることにより上記と同様の動作が繰り返さ
れて、もう一方の切れ刃d11および逃げ面d12の研削が
なされ、さらにもう一箇所のシンニングd13がなされ
る。このようにしてドリルD10が一回転される間に、二
枚の切れ刃d11,d11および逃げ面d12,d12の研削が
なされるとともに二箇所のシンニングd13,d13が行わ
れるのである。
【0036】次に、以上のようにして先ず最初の一回転
をさせた後、もう少し送りねじ16を締込んでドリルD
10を軸方向に送って二回目の一回転を同じようにして繰
り返す。このようにドリルD10を一回転させる毎にわず
かづつ軸方向に送る操作を数回繰り返すことによって、
切れ刃d11および逃げ面d12の局部的な凹凸が徐々に取
り除かれていき、最終的に切れ刃d11を砥石3aにわず
かに接触させてこの切れ刃d11を研削し、引き続きドリ
ルD10を回転させつつ振って逃げ面d12の仕上げ研削を
行う。研削量が不十分であれば、再度同じ操作を繰り返
す。
【0037】以上説明したように切れ刃d11および逃げ
面d12の局部的な凹凸を取り除きつつ研削を繰り返し、
最後の一回転がされる過程において、このドリルD10の
二枚の切れ刃d11,d11と二枚の逃げ面d12,d12の仕
上げ研削と二箇所のシンニングd13,d13が行われるの
である。
【0038】次に、先端一文字形ドリルD20の研削を行
う場合には、フォロワ部12を(II)の位置に付け替える
とともに、送りカム11を一文字形ドリル用の送りカム
20に交換した上でドリルD20をチャックする。然る
後、前記と同じ要領で送りねじ16を締込んでドリルD
20を軸方向に送り、一方の切れ刃d21を水平向きにして
砥石3aとの間にごくわずかな隙間をあけた状態にセッ
ティングする。この際、図5(b) に示すように初期位置
におけるドリルD20は砥石3aの軸線に対してほぼ平行
に位置されている。
【0039】このセッティング状態から図示省略したハ
ンドルを回転させてドリルD20を回転させると、図4
(a),(c) に示すようにドリルD20は回転しつつその先端
を図1において右方に振られ、ドリルD20が約45°回
転すると送りカム20の突起部20bをスチールボール
15が乗り越え始めるのでドリルD20は徐々に送られ、
これにより切れ刃d21、逃げ面d22および先端中心部の
小突起d23がそれぞれ砥石3aに接触すればその研削が
行われる。そして、ドリルD20が一回転する間に二枚の
切れ刃d21,d21と二枚の逃げ面d22,d22および小突
起部d23の全周について局部的な凸部分の研削が行われ
る。そして、前記したと同様に二回目、三回目…の一回
転を繰り返すことにより切れ刃d21と逃げ面d22および
小突起部d23の局部的な凸部分が徐々に除去されて研削
が行われていく。
【0040】先端ロウソク形ドリルD30の研削を行う場
合には、フォロワ部12を(III) の位置に付け替える。
但し、送りカム20は、上記先端一文字形ドリルD20と
共通であるので、そのまま使用でき付け替える必要はな
い。このドリルD30は、図5(c) に示すように砥石3a
の軸線に対して、前記ドリルD10の場合とは反対側に傾
斜した状態にセットされる。後は前記したドリルD10ま
たはドリルD20の場合と同じ要領でドリルD30を回転さ
せつつ振る操作を繰り返すことによりその切れ刃d31、
逃げ面d32および小突起d33の研削が行われる。
【0041】本例は以上のように構成したものであり、
これによればドリルD10はワンチャックによって二枚の
切れ刃d11,d11および二枚の逃げ面d12,d12の研削
と、二箇所のシンニングd13,d13がなされる。従っ
て、従来研削を行った後、ドリルを研削機から取り外
し、別途シンニングを行っていたのであるが、本例の研
削機1によればそのような手間をかけることなく、ワン
チャックで全ての工程を行うことができ、従ってドリル
D10の再研削作業を熟練者でなくとも迅速、確実かつ精
度良く行うことができる。
【0042】また、フォロワ部12の付け替えあるいは
送りカム11、20を交換することによって、一般的な
先端山形ドリルD10だけでなく、特殊用途に適した先端
一文字形ドリルD20さらには先端ロウソク形ドリルD30
の再研削を行うことができ、従来より多様なドリルの再
研削を行うことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、切れ刃と逃げ面の研削
だけでなく、シンニングをもワンチャックで行うことが
できるので従来のように別途シンニングを別工程で行う
手間が省ける。
【0044】また、先端山形のドリルに限らず、先端一
文字形のドリルあるいは先端ロウソク形のドリルの再研
削をも行うことができるので、従来より多様なドリルの
再研削を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る研削機の平面図である。
【図2】図1のA矢視図であって、研削機の右側面図で
ある。
【図3】図1のB矢視図であって、研削機の左側面図で
ある。
【図4】振りカムと二種類の送りカムとの位相を示すタ
イミング線図である。
【図5】砥石に対する初期位置のドリルの当たり具合を
示す図であって、分図(a) は先端山形ドリルの当たり具
合を示し、分図(b) は先端一文字形ドリルの当たり具合
を示し、分図(c) は先端ロウソク形ドリルの当たり具合
を示す。
【図6】先端山形ドリル用の送りカムを示す図であっ
て、分図(a) はその平面図であり、分図(b) はその一部
断面側面図である。
【図7】先端一文字形ドリル用および先端ロウソク形ド
リル用の送りカムを示す図であって、分図(a) はその平
面図であり、分図(b) はその一部断面側面図であり、分
図(c) はそのカム面の一部展開図である。
【図8】振りカムを示す図であって、分図(a) はその平
面図であり、分図(b) はその一部断面側面図である。
【図9】先端山形ドリルを示し、分図(a) はその先端部
の側面図であり、分図(b) はその先端部の平面図であ
る。
【図10】別態様のドリルを示し、分図(a) は先端一文
字形ドリルの先端部の側面図であり、分図(b) は先端ロ
ウソク形ドリルの先端部の側面図である。
【符号の説明】
1…ドリル研削機 3…研削機本体、3a…砥石、CL…砥石の軸線 4…振りベース、4a…振り中心 9…ドリルチャック 10…振りカム 11…送りカム(先端山形ドリル用)、11b…突起部 12…フォロワ部 13…スチールボール 15…スチールボール 16…送りねじ 20…送りカム(先端一文字形ドリル用および先端ロウ
ソク形ドリル用) D10…先端山形ドリル、d11…切れ刃、d12…逃げ面、
d13…シンニング D20…先端一文字形ドリル、d21…切れ刃、d22…逃げ
面、d23…小突起 D30…先端ロウソク形ドリル、d31…切れ刃、d32…逃
げ面、d33…小突起 (I) …先端山形ドリル用のフォロワ部取付け位置 (II)…先端一文字形ドリル用のフォロワ部取付け位置 (III) …先端ロウソク形ドリル用のフォロワ部取付け位
置 (イ)…振りカムの基準位置 (ロ)…振りカムの最大変位位置 (ハ)…先端山形ドリル用の送りカムの基準位置 (ニ)…先端一文字形ドリル用および先端ロウソク形ド
リル用の送りカムの基準位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、この基台上に支持された研削機
    本体と、前記基台上を揺動可能に支持された振りベース
    と、この振りベース上に、ドリルを前記研削機本体の砥
    石に向けた状態で回転可能かつその軸方向に移動可能に
    支持するためのドリル支持部と、前記振りベースを前記
    ドリルの回転に伴って揺動させるための振り手段と、前
    記ドリルをその回転に伴って軸方向に送って当該ドリル
    のシンニングを行うための送り手段とを備えたことを特
    徴とするドリル研削機。
  2. 【請求項2】 前記砥石に対するドリルの初期設定角度
    を変更し、かつ前記送り手段による前記ドリルの送りタ
    イミングと送り量を変更して、先端一文字形ドリルある
    いは先端ロウソク形ドリルを研削可能な構成としたこと
    を特徴とする請求項1記載のドリル研削機。
JP17803393A 1993-07-19 1993-07-19 ドリル研削機 Pending JPH0732251A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999028082A1 (fr) * 1997-11-14 1999-06-10 Bigtool Co., Ltd. Dispositif de polissage de foret
CN108687577A (zh) * 2018-05-17 2018-10-23 朱国强 一种数控铣床的立铣刀在线自动磨刀机

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WO1999028082A1 (fr) * 1997-11-14 1999-06-10 Bigtool Co., Ltd. Dispositif de polissage de foret
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