JPH0732099U - 角用コンクリート型枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 角部型枠の姿勢を簡単に補正し、殊に発泡ス
チロール樹脂製型枠を使用したコンクリート基礎施工に
有用な姿勢調節機構を有する角用コンクリート型枠を提
供する。 【構成】 角部位置で外または内に屈折した矩形金属板
からなる本体５に上縁６と下縁７を構成し、下縁７にそ
れぞれ複数の位置決め兼用姿勢調節用小孔１１を穿設し
て外角及び内角用型枠１，３を構成する。下縁７と同一
平面形状になる金属板によって構成した部材に、各小孔
１１と対応する位置に高さ調節用ボルト１２を立設した
取付金具２，４を構成し、高さ調節用ボルト１２と螺合
するナット１４及び高さ調節用スペーサ１５を介して両
部材を締結することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はコンクリート型枠の改良に係り、殊に発泡スチロール樹脂板をコンク リート型枠として使用するコンクリート打設施工に有用な角用コンクリート型枠 に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりコンクリート打設時に使用するコンクリート打設用仮設機材として合 板のパネルからなる型枠または鋼板のパネルからなる型枠が一般に使用されてお り、型枠締付用セパレータによって二枚の型枠間の間隔を一定に保持し、コンク リートを打ち込んで所定厚さのコンクリート基礎或はコンクリート壁を構築して いる。

【０００３】 そして、逆Ｔ字状断面の基礎を構築する場合、一般にはコンクリートの基礎底 部を構築した後、立ち上がり上部を構成するが、基礎底部の上面が必ずしも平坦 でない。このため、従来のコンクリート型枠では角部を形成する角部型枠は、該 角部型枠に隣設する充分な重量を有する型枠端部間に吊り込んだ状態で組み立て ており、隣設する型枠の姿勢（通常は垂直である）を正確に設定することによっ て該角部型枠も必然的に正確な姿勢が確保できる構造になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

近年、建造物の大型高層化に伴い、架設機材の全重量を軽減する必要からコン クリート型枠として従来の木製合板または金属板製のコンクリート型枠に代えて 発泡スチロール樹脂の板材からなる型枠の使用が試みられている。しかし上記発 泡スチロール樹脂製型枠の場合、該部材の軽量の結果、従来の逆Ｔ字状基礎を構 築しようとすると、型枠自体が浮いてしまい、その姿勢を正確に確保することが 困難であるため、むしろ金属製角部型枠の姿勢を正確に保持して該角部型枠に発 泡スチロール樹脂製型枠を連結し、コンクリート型枠全体の姿勢を確保しなくて はならなくなった。

【０００５】 然るに基礎底部の上面には凹凸があり、設置端部長さの長い通常の型枠と比較 して設置端部長さの短い角部型枠の姿勢を正確に保持することは、相当な熟練を 要するものであった。

【０００６】 本考案は上記問題に鑑みてなされたものであり、角部型枠の姿勢を簡単に補正 し、殊に発泡スチロール樹脂製型枠を使用したコンクリート基礎施工に有用な姿 勢調節機構を有する角用コンクリート型枠を提供することを目的とするものであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る角用コンクリート型枠は、角部位置で外または内に屈折した矩形 金属板からなる本体の上端と下端をそれぞれ外側に直角に屈折して上縁と下縁を 構成し、前記下縁にはそれぞれ複数の位置決め兼用姿勢調節用小孔を穿設すると 共に、前記角用型枠の下縁と同一平面形状になる金属板によって構成した部材の 上面に、前記角用型枠の下縁に穿設した各小孔と対応する位置に高さ調節用ボル トを立設してなる取付金具を構成し、前記高さ調節用ボルトと螺合するナット及 び高さ調節用スペーサを介して両部材を締結することを要旨とするものである。

【０００８】 また、前記本体の上縁と下縁の幅が連結する型枠の厚さと略同一にすると共に 、下縁の端縁が更に上向きに屈折した係止縁を折曲構成してもよい。さらに、前 記上縁と下縁の間に、端縁から後退した位置に補強リブを溶接等によって固設し てもよい。

【０００９】

【作用】

上記角用コンクリート型枠は、下縁を支持する取付金具との間にボルトとの螺 合による高さ位置調節機構を構成し、スペーサを増減したり、ナットの締結位置 を変えることによって、型枠を載置する面が傾斜していてもその姿勢及びレベル を自由に調整し、また確実に固定することができる。従って、該角用型枠に連結 する型枠が軽量であっても該型枠が浮くことがなくなり、また姿勢も維持させる ことができるから連結する型枠が発泡スチロール樹脂製のような軽量の材料であ っても施工精度を確保することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る角用コンクリート型枠の一実施例を図面に従って説明する 。図１は角用コンクリート型枠の分解斜視図であり、符号１は外角用型枠、符号 ２は該外角用型枠１の取付金具、符号３は内角用型枠、符号４は該内角用型枠３ の取付金具である。以下、外角用型枠１と該外角用型枠１の取付金具２について 、その構成を説明する。（内角用型枠３と該内角用型枠３の取付金具４について の構成の説明は、角部折曲の方向と長さ寸法が異なるだけであるから外角用の部 材と同一符号を付して省略する。）

【００１１】 外角用型枠１は、角部位置（矢印Ａ）で外折した矩形金属板からなる本体５の 上縁と下縁を外側に直角に屈折して上縁６と下縁７を構成してなる。該上縁６と 下縁７の幅Ｌ１は発泡スチロール樹脂製型枠ａの厚さと略同一になるように構成 してあり、下縁７は更に上向きに屈折した係止縁８を折曲構成してなる。

【００１２】 型枠の外面において、上記上縁６と下縁７の間には、端縁から後退した位置（ １００〜１５０ｍｍ）に補強兼隣設する発泡スチロール樹脂製型枠ａの端部当接 用の補強リブ９が溶接等によって固設してある。また該補強リブ９から端縁より の本体５には、上下方向に適当な間隔をもって横方向に延びる複数（実施例では ２個）の型枠連結用長孔１０，１０が穿設してある。上記板縁７，７にはそれぞ れ複数の位置決め兼用姿勢調節用小孔１１，１１が穿設してあり、後述する取付 金具２と対応している。

【００１３】 取付金具２は上記外角用型枠１の下縁７と同一平面形状になる金属板によって 構成されており、該部材の上面には、外角用型枠１の下縁７に穿設した各小孔１ １，１１…と対応する位置に高さ調節用ボルト１２，１２…を立設してなる。ま た符号１３，１３…は、釘等を挿通して該取付金具２を位置決め固定するための 固定用長孔である。

【００１４】 尚、符号１４は上記高さ調節用ボルト１２と螺合するナット、符号１５は高さ 調節用スペーサであり、該スペーサ１５は０．５〜２．０ｍｍの厚さを有する高 さ調節用ボルト１２に対して横から外挿可能な馬蹄形を呈している。

【００１５】 上記構成の角用コンクリート型枠は図２乃至図５に示すように、発泡スチロー ル樹脂製型枠ａ，ａ…と連結して使用される。 基礎底部ｂの外角用型枠１と内角用型枠３の立設位置上面に取付金具２，４を 固定する。この固定は、固定用長孔１３，１３…を利用して釘または小型のカス ガイを使用して行う。

【００１６】 該取付金具２，４の高さ調節用ボルト１２，１２…に外角用型枠１と内角用型 枠３の小孔１１，１１…を外挿し、それぞれナット１４を螺合して締結するもの であるが、水平レベル及び／または高さを調節する場合は、図４に示すように、 取付金具２，４の上面と下縁７の下面との間にスペーサ１５を挿入し、その数を 増減して高さを調節した後、ナット１４によって緊締する。

【００１７】 また高さ位置を大きく補正する場合は、図５に示すように、高さ調節ボルト１ ２にナット１４をその上面が固定レベルになるように螺合し、該ナット１４の上 面に外角用型枠１及び／または内角用型枠３の小孔１１部を載置し、その上から 更にナット１４を螺合して締結する。

【００１８】 上記姿勢及び高さ調節により外角用型枠１と内角用型枠３の正確な設置位置と 姿勢を確保することができるもので、発泡スチロール樹脂製の型枠ａを外角用型 枠１と内角用型枠３の各端縁に嵌合し（上縁６と下縁７及び本体５と係止縁８に よって囲まれる端部に、補強リブ９に当接する位置まで押し込まれる）、型枠連 結用長孔１０を利用してセパレータｃを挿通して両型枠１，３の間隔を保持した 状態で行われる。該セパレータｃは、金属板材を細い短冊状に切断加工した公知 構造になるものであり、両端にはストッパーｄを取り外し可能に嵌着することが できるようになっている。

【００１９】 上述のように両角用型枠１，３に発泡スチロール製型枠ａ，ａ…を連結し、姿 勢を調節保持した状態で並設した型枠の間に生コンクリートを流し込み、基礎の 立ち上がり部コンクリート打施工を行う。

【００２０】 尚、前記実施例の説明では、殊に本考案の効果が発揮できる発泡スチロール樹 脂製の型枠を接続する場合について説明したが、本考案の角用コンクリート型枠 は、木製合板や金属製型枠の角用部材としても使用することができることは言う までもない。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたように本考案に係る角用コンクリート型枠は、下縁を支持する取付 金具との間にボルトとの螺合による高さ位置調節機構を構成したことにより、型 枠を載置する面が傾斜していてもその姿勢及びレベルを自由に調整すると共に、 確実に固定することができる。従って、連結する型枠が軽量であっても該型枠が 浮くことがなくなり、また姿勢も維持させることができる特徴を有するものであ り、本考案実施後の実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る角用コンクリート型枠の一実施例
を示す分解斜視図である。

【図２】同型枠の施工状態を示す斜視図である。

【図３】同型枠の取付状態（１）を示す一部切欠した要
部正面図である。

【図４】同型枠の取付状態（２）を示す一部切欠した要
部正面図である。

【図５】同型枠の取付状態（３）を示す一部切欠した要
部正面図である。

【符号の説明】

１ 外角用型枠 ２ 取付金具 ３ 外角用型枠 ４ 取付金具 ５ 本体 ６ 上縁 ７ 下縁 ８ 係止縁 ９ 補強リブ １０ 型枠連結用長孔 １１ 小孔 １２ 高さ調節用ボルト １３ 固定用長孔 １４ ナット １５ 高さ調節用スペーサ ａ 発泡スチロール樹脂製型枠 ｃ セパレータ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 角部位置で外または内に屈折した矩形金
   属板からなる本体の上端と下端をそれぞれ外側に直角に
   屈折して上縁と下縁を構成し、前記下縁にはそれぞれ複
   数の位置決め兼用姿勢調節用小孔を穿設すると共に、前
   記角用型枠の下縁と同一平面形状になる金属板によって
   構成した部材の上面に、前記角用型枠の下縁に穿設した
   各小孔と対応する位置に高さ調節用ボルトを立設してな
   る取付金具を構成し、前記高さ調節用ボルトと螺合する
   ナット及び高さ調節用スペーサを介して両部材を締結す
   ることを特徴とする角用コンクリート型枠。
2. 【請求項２】 前記本体の上縁と下縁の幅が連結する型
   枠の厚さと略同一になると共に、下縁の端縁が更に上向
   きに屈折した係止縁を折曲構成されることを特徴とする
   請求項１記載の角用コンクリート型枠。
3. 【請求項３】 前記上縁と下縁の間に、端縁から後退し
   た位置に補強リブを溶接等によって固設したことを特徴
   とする請求項１記載の角用コンクリート型枠。