JP3241763U - 建築構造物を建てるための建築システム - Google Patents

Abstract

本考案は、建築物を建てる建築システムに関する。建築システムは、複数の運搬可能なプレキャストコンクリート壁パネルを備え、各壁パネルは、補強構造体と複数の鋳込み接続挿入部とを含み、各接続挿入部は所定の位置に配置され、床パネルもまた、補強構造体と、それぞれが所定の位置に配置された複数の鋳込み接続挿入部とを備え、床パネルは更に、コンクリートの少なくとも一部に沿って凹部をさらに備える。建物システムは、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内で実質的に直立して配置される際に、２つの隣接するパネルの接続挿入部が位置合わせされ、パネルが複数の機械的留め具を使用して接続できるように構成されている。

Description

本考案は、建築構造物を建てるための建築システム、及び建築構造物を建てるための建築システムの製造及び組み立ての方法に関する。

建築構造物を建てるプロセスは、通常、費用がかかり面倒な作業である。

プレハブ建築構造物は、オフサイトで製造される構成要素を含む建築構造物であり、建築構造物を建てるプロセスの前に、構成要素が建築現場に運ばれる。構成要素は通常、工場で製造され、建築現場に運ばれる。建築現場では、構成要素を組み立てて建築構造物を建てる。しかし、従来のプレハブ建築構造物では、建築構造物を建てて構造的に健全にするために、現場での製造と水仕事が依然として多く含まれる場合がある。

従来のプレハブ建築構造物の構成要素を現場で組み立てるプロセスは、典型的には面倒なプロセスであり、専門の機械だけでなく熟練した労働力も必要とする。これにより、建物の構造を構築するためのコストが増加する。

本考案の実施形態が、建築構造物を建てるための建築構造物システムの輸送及び組み立てのプロセスを簡素化するか、又は少なくとも従来のプレハブ建築構造物に代わるものを提供するならば有利である。

本明細書に含まれる文書、行為、材料、装置、物品などについての議論は、これらの事項の一部又はすべてが先行技術の基礎の一部を形成すること、又は、本出願の各請求項の優先日以前に存在していたとして、先行技術の基礎の一部を形成する、若しくは、本考案に関連する分野における一般的な知識であったとみなされるべきではない。

本明細書を通して、「備える」という単語、「具備する」又は「備えている」などの変形の語は、要素、整数若しくは工程又はこれら要素、整数若しくは工程のグループのいずれも除外されることなく、記載された要素、整数、若しくは工程、又はこれら要素、整数若しくは工程のグループを含むものと解される。

本考案の実施形態は、建築構造物を建てるための建築システムに関し、建築システムは、
各壁パネルが補強構造と複数の鋳込み接続挿入部とを含み、各接続挿入部が所定の位置に配置された複数の運搬可能なプレキャストコンクリート壁パネルと、
床パネルもまた、補強構造体及び複数の鋳込み接続挿入部を備え、それぞれが所定の位置に配置され、床パネルが更に、前記床パネルの周囲の少なくとも一部に沿って凹部をさらに備えた、運搬可能なプレキャストコンクリート床パネルと、を含み、
前記建築システムは、各プレキャスト壁パネルが前記床パネルの凹部内に実質的に直立して配置される際に、２つの隣接するパネルの接続挿入部が一致し、複数の機械的留め具を使用してパネルを接続できるように構成されている。

本考案の実施形態は、顕著な利点を提供する。特に、床パネルの周囲の少なくとも一部に沿って凹部を設けることにより、建築構造物が建てられる際に壁パネルを正確に配置することができる。さらに、この特定の構成は、建築構造物の内部空洞に水が入るのを制限するので、建築構造物の防水を助けることができる。また、パネルの接続挿入部を所定の位置に配置して、建築構造物を組み立てる際に実質的に一致させることにより、建築構造物を組み立てるプロセスを簡素化することができる。

さらに、前記床パネル及び前記壁パネルを運搬可能なプレキャストコンクリートパネルとして提供することにより、建築構造物の組み立てを簡素化することができる。さらに、パネルを平箱包装で輸送できるので、建築構造物の構成要素の輸送を良好にすることができる。

一実施形態では、床パネルの凹部は、接続壁パネルの幅と実質的に同じ幅を有する。これには、壁パネルを簡単に配置して、機械的留め具を使用してパネルを互いに接続するための接続挿入部の正確な位置合わせを確保できるという利点がある。

一実施形態では、接続挿入部は、インサートを支持構造に取り付けるためのアタッチメントを備えていてもよく、支持構造は、パネルが成形されるキャスティングベッドに取り付け可能である。このようにして、接続挿入部を所定の位置に正確に位置決めすることが保証される。キャスティングベッドには複数の支持構造を設けることができ、それぞれがキャスティングベッドの側部に取り付け可能であってもよい。

一実施形態では、床パネル及び／又は壁パネルの複数の接続挿入部は、閉鎖端を有する螺子付きインサートの形態である。閉鎖端を有する螺子付きインサートは、形成された建築構造物の内面に配置することができる。特定の実施形態では、鋳込み螺子付きインサートは、拡大されたフーチングを備えることができる。このような螺子付きインサートはエレファントフェルールとも呼ばれる。エレファントフェルールは、コンクリートパネルに打ち込む際の安定性が向上するという利点がある。

さらに、床パネル及び／又は壁パネルの複数の接続挿入部は、パネルを通って延びる開口部の形態であってもよい。開口部には、螺子山が付いていても、付いていなくてもよい。

例えば、床パネルは、閉鎖端を有する複数の螺子付きインサートを含むことができ、床パネルに接続される壁パネルは、それぞれが壁を通って延びる、開口部の形をした複数の接続挿入部を含むことができ、その場合、建築システムは、建築構造物が建てられる際に、留め具を受け入れるために壁パネルの開口部が床パネルの螺子付きインサートと位置合わせされ、それによって壁パネルを床パネルに接続するように構成されている。別の例では、床パネルは複数の開口部を含むことができ、壁パネルは閉鎖端を有する複数の螺子付きインサートを含むことができる。追加的又は代替的に、第１の壁パネルは、閉鎖端を有する複数の螺子付きインサートを備えてもよく、第１のパネルに接続される第２の壁パネルは、それぞれが第２の壁パネルを通って延びる開口部の形態の複数の接続挿入部を備えてもよく、その場合、建築システムは、建築構造物が建てられる際に、留め具を受け入れるために第２の壁パネルの開口部が第１の壁パネルの螺子付きインサートと位置合わせされ、それによって壁パネルを互いに接続するように構成されている。

さらなる実施形態では、建築システムは、留め具を受け入れるためのアングルブラケットなどの複数の接続ブラケットを備えることができる。特定の実施形態では、プレキャストコンクリートパネルを接続するための複数のブラケットは同一であってもよい。これは、建築構造物の構成要素の製造及び建築構造物の組み立てを単純化できるという大きな利点を有する。一実施形態では、各接続ブラケットは、それぞれの留め具を受け入れるための少なくとも１つの開口部を有する２つのプレートを備える。少なくとも１つの開口部は、スロットの形態であってもよいし、ある程度の公差を考慮してより大きな直径を備えていてもよい。

この実施形態では、床パネルの複数の接続挿入部及び壁パネルの複数の接続挿入部は、閉じた端部を有する螺子付きインサートの形態であってもよく、建築システムは、建築構造物が組み立てられる際に、床パネルの螺子付きインサートと壁パネルの螺子付きインサートが接続ブラケットと位置合わせされ、それによって壁パネルが床パネルに接続されるように構成されていてもよい。追加的又は代替的に、第１及び第２の壁パネルは、閉鎖端を有する螺子付きインサートの形態の複数の接続挿入部を備えてもよく、建築システムは、建築構造物が組み立てられる際に、第１及び第２の壁パネルの螺子付きインサートが、機械的な留め具を受け入れるための接続ブラケットと並んでおり、それによってパネルを互いに接続するように構成されてもよい。。

当業者は、建築システムが上記の接続方法を組み合わせて利用できることを理解するであろう。これらの実施形態において、複数の接続挿入部のそれぞれの所定の位置は、建築構造物の単純化された組み立ての利点を提供する。

一実施形態では、プレキャスト床パネルは、例えばパネルの中央部に位置する１つ又は複数の窪み領域を含む。一例では、１つ又は複数の窪み領域は、床パネル表面の大部分にわたって延在してもよい。このように、床パネルは、軽量化されるとともに拡大された外周によって特徴付けられ得る。特定の実施形態では、プレキャスト床パネルは、１つ又は複数の窪み領域を通って延びるように配置された１つ又は複数の構造的リブを備える。このようにして、パネルの強度を高めることができる。１つ又は複数の構造的リブは、同じ方向に沿って延在してもよい。あるいは、１つ又は複数の構造的リブは、格子状構造を形成することができる。

一実施形態では、プレキャスト床パネルは、１つ又は複数の窪み領域内に変位要素を備えることができる。例えば、変位要素は、パネル内の窪んだ領域を提供するためにキャスティングベッド内に配置されてもよい。変位要素は、その後取り外されてもよいし、床パネル内に残っていてもよい。変位要素は、軽量材料及び／又は絶縁材料により作成され得る。例えば、変位要素は発泡体の要素の形態であってもよい。

一実施形態では、建築システムは屋根パネルをさらに備えていてもよく、建築システムは、建築構造物が建てられる際に、屋根パネルが複数の壁パネルの上部に支持されるように構成される。

屋根パネルは、複数の壁パネルの上部に部分的にフィットする蓋を形成するように構成することができる。具体的には、屋根パネルは、屋根パネルの周囲に沿って延びる突出フランジを備えることができる。

特定の実施形態では、屋根パネルは、補強構造と、屋根パネルを壁パネルに接続するための複数の鋳込み接続挿入部とを備える運搬可能なプレキャストコンクリート屋根パネルであり、各接続挿入部は、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内で実質的に直立して配置される際に、屋根パネルが、壁パネルに接続できるように屋根パネルの接続挿入部が壁パネルの接続挿入部と位置合わせされる。

一実施形態では、屋根パネルの鋳込み接続挿入部は、エレファントフェルールなどの閉鎖端を有する螺子付きインサートであってもよい。螺子付きインサートは、建築構造物が建てられる際に屋根パネルの内面に配置していてもよい。具体的には、螺子付きインサートは、屋根パネルの周囲に沿って延びる突出フランジに配置することができる。

プレキャストコンクリート屋根パネルは、１つ又は複数の窪み領域を含むことができる。これは、屋根パネルの重量を減らすことができるという特別な利点を有する。特定の実施形態では、プレキャスト屋根パネルは、１つ又は複数の窪み領域を通って延びる１つ又は複数の構造的リブを備える。このようにして、屋根パネルの強度を向上させることができる。１つ又は複数の構造的リブは、同じ方向に沿って延在することができる。あるいは、１つ又は複数の構造的リブは、窪み領域内に格子状構造を形成することができる。

建築システムは、屋根パネルの窪み領域が複数の壁パネルのそれぞれの上縁に載るように構成されてもよい。これは、建築構造物の屋根の防水を助ける重なりが形成されるという特定の利点を有する。あるいは、プレキャストコンクリート屋根パネルは、複数の壁パネルの上縁を受け入れるための溝を備えてもよい。

具体的には、１つ又は複数の窪み領域は、建築システムが建てられる際に、突出フランジが壁の外面の一部に沿って延びることができるように、屋根パネルの周囲に沿って突出フランジを画定するよう配置されてもよい。

一実施形態では、建築システムは、建築構造物が建てられる際に屋根の外面が傾斜するように構成される。例えば、傾斜面の角度は、１°から１０°の間、特に１°から５°の間、特に２°から３°の間、又は約１°，２°，３°，４°又は５°であってもよい。

屋根の外面が傾斜している実施形態では、屋根パネルは、屋根パネルの主面に対する床パネルの側壁の方向が傾斜の角度を画定するように構成されていてもよい。屋根パネルが突出フランジを備える特定の実施形態では、突出フランジの方向が前記傾斜の角度を画定してもよい。

一実施形態では、各壁パネルは、壁パネルを床パネルに接続する接続ブラケットのプレートを受け入れるための１つ又は複数の凹んだ空間を備えていてもよい。このようにして、建築構造物が建てられる際に接続ブラケットの一部を隠すことができる。

本考案の実施形態は、建築構造物を建てるための建築システムを作製する方法に関し、この方法は、
運搬可能なコンクリート壁パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設ける工程、
キャスティングベッドに補強構造を配置する工程、
壁パネルが成形される時に、螺子付きインサートの各々が壁パネル内の所定の位置に配置されるように、複数の接続挿入部をキャスティングベッドに対して配置する工程と、
壁パネルを成形するためにキャスティングベッドにコンクリートを流し込む工程と、
前述のステップを繰り返して、建築構造物用の複数の運搬可能なプレキャストコンクリート壁パネルを提供する工程と、
運搬可能なコンクリート床パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設ける工程で、キャスティングベッドは、キャスティングベッドパネルの周囲の少なくとも一部に沿って凹部を画定するための少なくとも１つの変位要素を備え、
キャスティングベッドに補強構造を配置する工程と、
床パネルが成形される時、螺子付きインサートの各々が床パネル内の所定の位置に配置されるように、複数の接続挿入部をキャスティングベッドに対して配置する工程と、
床パネルを成形するためにキャスティングベッドにコンクリートを流し込む工程と、
を有し、
この方法は、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内で実質的に直立した姿勢で配置できるように実施され、建築構造物が建てられる際に、パネルが複数の機械的留め具を用いて互いに接続できるように、２つの隣接するパネルの鋳込み接続挿入部が合わされる。

一実施形態では、この方法は、
成形されたパネル内のそれぞれの所定の位置に複数の接続挿入部を配置するための少なくとも1つの支持構造を設けることと、
複数の接続挿入部のうちの１つ又は複数を少なくとも１つの支持構造に取り付けることと、
接続挿入部が所定の位置に鋳込まれるように、少なくとも１つの支持構造をキャスティングベッドに取り付けること、
とを含んでいてもよい。

少なくとも１つの支持構造は、パネルが成形される際に、パネル内への接続挿入部の正確な位置決めを可能にし得る。例えば、キャスティングベッドの側部に取り付けるように少なくとも１つの支持構造を設けてもよい。

一実施形態では、この方法は、パネル内の構造的特徴を画定するために１つ又は複数のキャスティングベッドに取り付けるための少なくともさらなる１つの変位要素を設けることを含んでいてもよい。例えば、少なくとも１つの変位要素をキャスティングベッドに取り付けて、床パネル及び／又は屋根パネル及び／又は壁パネル内に１つ又は複数の窪み領域を画定してもよい。変位要素は、取り除かれても、又は代わりに、絶縁の目的で窪み領域内に残されてもよい。例として変位要素は、発泡体などの軽量材料で作ることができる。しかし、他の適切な変位要素も想定される。

一実施形態では、この方法は、
運搬可能なコンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを提供すること、
キャスティングベッドに補強構造を配置すること、
屋根パネルが成形される時に、各螺子付きインサートが屋根パネル内の所定の位置に配置されるように、複数の接続挿入部をキャスティングベッドに対して配置することと、
コンクリートをキャスティングベッドに流し込んで屋根パネルを成形すること、
を含んでいてもよい。

本方法は、屋根パネル内に１つ又は複数の窪み領域を画定するためにキャスティングベッドに取り付けるための少なくとも１つの変位要素を提供することをさらに含むことができる。少なくとも１つの変位要素は、屋根パネルの周囲に沿って突出フランジを画定するように構成することができる。

特定の一実施形態では、この方法は、
第１の変位要素を設け、第１の変位要素を、コンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドの第１の側部に取り付けることと、
第２の変位要素を提供し、第２の変位要素を、コンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドの第２の側部に取り付ける工程とを含み、第２の側は、第１の側の反対側にあり、
この方法は、第１及び第２の変位要素が屋根パネルの側部の角度を変更し、それによって建築構造物が建てられる時に屋根パネルの傾斜が画定されるように実施される。

屋根パネルの側部の角度を変更するために変位要素を使用することにより、屋根パネルに組み込み傾斜を設けることができる。さらに、斜面を設けるためにコンクリートを斜めに流し込む必要のある複雑なキャスティングベッドも必要とならない。代わりに、パネルの側部を変更することによって傾斜が形成される。

本考案の実施形態は更に上述の建築システムを組み立てる方法に関連して、この方法は、
運搬可能なプレキャストコンクリート床パネルを配置することと、
壁パネルが実質的に直立した姿勢で延びるように、床パネルの凹部に運搬可能なプレキャストコンクリート壁パネルを配置することと、
実質的に直立した姿勢で壁パネルを支持するための一時的な支持要素を設けることと、
隣接するパネルの位置合わせされた接続挿入部に、１つ又は複数の機械的留め具を留めることにより、床パネルに壁パネルを接続することと、
前述のステップを複数の壁パネルについて繰り返すことと、
一時的なサポート要素を取り除くこと、
とを含む。

プレキャストコンクリート床パネルは、１つ又は複数のフーチングなどの基礎の上に配置することができる。基礎はプレキャストでもよい。この例では、この方法は、プレキャストコンクリート床パネルと合わせるために複数のフーチングを所定の位置に配置するテップを含んでいてもよい。

この方法はさらに、複数の壁パネル上に配置するための屋根パネルを設けることを含んでいてもよい。例えば、屋根パネルは、複数の鋳込み接続挿入部を含むプレキャスト屋根パネルであってもよい。

ここで、本考案のある例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。

本考案の一実施形態によるプレハブ建築構造物の概略図である。

図１の建築構造物のプレキャストパネル内の補強構造を示す。

図１の建築構造物のプレキャスト床パネルの異なる図を示す。 図１の建築構造物のプレキャスト床パネルの異なる図を示す。 図１の建築構造物のプレキャスト床パネルの異なる図を示す。

床パネルの中央部分の窪み領域を示す床パネルの概略図である。 床パネルの中央部分の窪み領域を示す床パネルの概略図である。

図１の建築構造物に適した２つの異なるフーチングの概略図である。 図１の建築構造物に適した２つの異なるフーチングの概略図である。

図１の建築構造物の壁パネルの概略図である。 図１の建築構造物の壁パネルの概略図である。 図１の建築構造物の壁パネルの概略図である。

図１のプレハブ建築構造物のプレキャスト側壁パネルの概略図である。

図１の建築構造物の２つの隣接するプレキャスト壁パネル間の接続の等角図である。

図８の２つの隣接するプレキャスト壁パネルの上面図である。

図１の建築構造物のプレキャスト屋根パネルの異なる図を示す。 図１の建築構造物のプレキャスト屋根パネルの異なる図を示す。 図１の建築構造物のプレキャスト屋根パネルの異なる図を示す。

屋根パネルの構造の詳細を示す、図１の建築構造物の屋根パネルの概略図である。 屋根パネルの構造の詳細を示す、図１の建築構造物の屋根パネルの概略図である。 屋根パネルの構造の詳細を示す、図１の建築構造物の屋根パネルの概略図である。 屋根パネルの構造の詳細を示す、図１の建築構造物の屋根パネルの概略図である。

図１の建築構造物の壁パネルと屋根パネルとの間の接続の概略図である。

本考案の一実施形態によるプレハブ建築構造物を製造する方法を示すフローチャートである。

本考案の実施形態は、概して、プレキャストされ、典型的にはオフサイトで組み立てられる運搬可能な構成要素を有する建築構造物を建てるための建築システムに関する。構成要素は、建築構造物を建てることができる建築現場に運ばれる。本考案の実施形態はさらに、建築構造物を建てるために建築システムを製造及び組み立てる方法に関する。

本考案の実施形態による建築構造物を建てるための建築システムは、概して、複数のプレキャストで運搬可能なコンクリート壁パネルを含み、各壁パネルは、補強構造と、各留め具を受けるための複数の鋳込み接続挿入部とを含む。各接続挿入部は、隣接する壁パネルがボルト及び／又は接続ブラケットなどの機械的留め具を使用して接続されるように、隣接する壁パネルの接続挿入部と一致するように画定された所定の位置に配置される。建築システムは更に、プレキャストで運搬可能なコンクリート床パネルをさらに含み、床パネルは、補強構造及び所定の位置に配置された複数の鋳込み接続挿入部も含む。ここでも、所定の位置は、床パネルの接続挿入部が壁パネルの接続挿入部と一致するように画定される。このようにして、床パネルは、機械的留め具を使用して床パネルに接続することができる。

床パネルは、床パネルの周囲の少なくとも一部に沿って凹部を備える。具体的には、凹部は典型的には、複数の壁パネルが床パネルに接続される床パネルの周囲に沿って延在する。当業者は、凹部が床パネルの周囲全体に沿って、又は壁パネルが配置される部分に沿ってのみ延在し得ることを理解するであろう。例えば、凹部は建築構造物のドアが配置されているところでは必要ない場合がある。

本考案の実施形態は、顕著な利点を提供する。特に、建築システムは、建築構造物を建てるための組み立てプロセスを単純化し得る。これは、とりわけ、床パネルの周囲に沿って凹部を設けることによって達成される。これにより、壁パネルは、建築構造物が建てられる際に凹部内に正確に配置することができる。さらに、この特定の構成は、建築構造物の防水に役立つ。これは、建築構造物の内部空間に水、その他の液体が入るのを制限する凹部が設けられているためである。加えて、特に組立工程中に、水又は他の液体が、凹部を介して建築構造物の内部空間から流出することもある。

さらに、建築システムのほとんどの構成要素、特に運搬可能なプレキャスト構成要素は、少なくとも床及び壁パネルがプレキャストされ、互いの上に積み重ねることができるので、平箱包装で輸送することができる。したがって、輸送量を最小限に抑えることができ、輸送コストを削減することができる。さらに、建築構造物を組み立てるためにパネルを相互に接続する方法は、熟練した労働者や特殊な機械の必要性を低減又は排除することさえある。これは、以下でさらに説明するように、成形プロセス中に接続挿入部を所定の位置に配置することによって達成される。建築構造物を組み立てる主なステップは、螺子やボルトなどの機械的留め具を使用して達成されることが好ましい。そのため、建築システムの部品を溶接したり、建築現場でウェット構成要素を使用したりする必要がない場合がある。更なる利点は、添付の図面を参照した本考案の特定の実施形態の説明から明らかになるであろう。

最初に図１を参照すると、建築構造物１０１を建てるための建築システム１００が示されている。この図面において、建築システム１００のプレキャスト構成要素の大部分が組み立てられており、建てられた建築構造物１０１が示されている。この特定の実施形態では、建築システム１００は、複数のフーチング１０４，１０５上に支持される運搬可能なプレキャストコンクリート床パネル１０２を備える。建築システム１００は更に、運搬可能なプレキャストコンクリート前壁パネル１０６、運搬可能なプレキャストコンクリート後壁パネル１０８（不図示）及び対向する運搬可能なプレキャストコンクリート側壁パネル１１０，１１２を備える。この例では、建築システム１００は更に、運搬可能なプレキャストコンクリート屋根パネル１１４を含む。しかし、当業者は、他のコンクリート又はコンクリートでない屋根パネルが想定されることを理解するであろう。例えば、従来の屋根パネルは、より大きな建築構造物に有利であり得る。

前述のパネルはプレキャストコンクリートパネルであるため、パネルはオフサイトで製造され、次いで建築構造物１０１が建てられる建築現場に運ばれる。本考案の考案者は、図１に示されるような建築システム１００を提供することの重要な利点を発見した。具体的には、図１に示されるような建築構造物１０１の建設は、装備を含めて、２４時間以内、例えば３×８時間シフト以内で完了することができる。これは、建築構造物１０１が建てられる際にすべてのパネルが互いにフィットするように、すべての接続挿入部が所定の位置にあることを保証することによって達成することができる。更なる利点は、プレキャストコンクリート壁パネルが前仕上げされているので塗装等を必要としないことである。建築システム１００の別の重要な利点は、ほとんどの構成要素を平箱包装で輸送できることである。

更に、本考案の考案者は、すべてコンクリートのパネルを提供することによって、パネルが比較的高い強度及び耐火等級を有することを発見した。さらに、パネルが互いに接続されている方法により、建築システムの複雑さを比較的低いレベルに保ちながらも、防水性を向上させることができる。これにより、熟練していない労働者が特別な機械を必要とせずに建築構造物１０１を組み立てることが可能になる。

この特定の例では、各壁パネルは、建てられた建築構造物１０１の1つの階又は階層を画定する。しかし、当業者であれば、一つの壁パネルが建築構造物の複数の階又は階層に亘って広げられ得ることを理解されるであろう。例えば、壁パネルは、壁パネルが２階層に沿って延びる高さを有するようなサイズ及び形状を有することができる。

各プレキャストコンクリートパネル１０２，１０６，１０８，１１０，１１２，１１４は、図２に示される補強構造１１６を備える。補強構造１１６は、各パネルの強度を補強する機能を有し、更に持ち上げ要素、メッシュチェア、又は雌螺子等、パネルのその他の構造要素を取り付けるために使用されてもよい。補強構造体１１６は、典型的には鋼でできており、例えば、コンクリートがキャスティングベッドに注がれてパネルを作る前に、メッシュチェアに支持されたキャスティングベッドに配置される。出願人のプレキャストパネル、補強構造、及びメッシュチェアについてのより具体的な詳細は、国際特許出願番号WO2015154132に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

ここで図３及び図４を参照すると、建築システム１００の床パネル１０２の異なる概略図が示されている。具体的には、図３Ａは、建築構造物１０１が建てられた時に上向きになる床パネル１０２の上面図を示す。図３Ｂは、床パネル１０２の側面図を示し、図３Ｃは複数の基礎１０４，１０５によって支持される床パネル１０２の底面図を示す。しかし、当業者であれば、他のフーチング又は基礎が想定されることを理解するであろう。

床パネル１０２は、床パネル１０２の上面の周囲全体に沿って延びる凹部１１８を備える。しかし、当業者は、凹部１１８が周囲の一部に沿ってのみ延びると理解するであろう。凹部１１８は、複数のプレキャストコンクリート壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２が凹部１１８内に配置されて実質的に直立して延びることができるような大きさ及び形状にされる。この関係で、凹部１１８は、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２のそれぞれの幅と同様の幅を有する。一旦複数の壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２が床パネル１０２の凹部１１８に実質的に直立で配置されたら、各パネル１０６，１０８，１１０，１１２は、前記パネル１０６，１０８，１１０，１１２に一時的に取り付け可能で、床パネル１０２の固定要素１３０に固定される１つ又は複数の支柱（図示せず）によって支持され得る。

床パネル１０２は、特に図３Ｃに示されるように、床パネル１０２の底面に窪み領域１２０をさらに備える。床パネル１０２のコンクリートが変位した窪み領域１２０を設けることにより、床パネル１０２の軽量化を図ることができる。加えて、床パネル１０２の強度を向上させるために、プレキャストコンクリート床パネル１０２は、窪み領域１２０を通って延びる複数の構造的リブ１２２を備える。この特定の例では、床パネル１０２は、長方形の床パネル１０２の短辺に沿って延び６つの窪み領域を画定する５つの構造的リブ１２２を備えている。しかしながら、当業者は、リブが任意の方向に延在し、例えば格子状構造を形成することを理解するであろう。

図４Ａ及び図４Ｂは、周囲に沿う凹部１１８及び構造的リブ１２２を有する窪み領域１２０を例示するために、床パネル１０２に沿ったより詳細な断面図を示している。

床パネル１０２は更に、所定の位置に配置された複数の鋳込み接続挿入部、この例では螺子付きインサート１２４をさらに備える。螺子付きインサート１２４の位置は、以下にさらに説明するように、接続ブラケット１６４を使用して床パネル１０２を複数の壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２のそれぞれに接続できるように決定される。この例では、螺子付きインサート１２４のそれぞれは、拡大されたフーチングの形態の閉じた端部を含む。このような螺子付きインサート１２４は、典型的には、エレファントフェルールと呼ばれる。エレファントフェルールは、コンクリートパネルに打ち込む際の安定性が向上するという利点を有する。当業者は、パネル１０２内の螺子付きインサートなどの他の接続挿入部が想定されると理解するであろう。例えば、螺子付きインサートは、パネルを貫通し、それによって留め具を受け入れるための螺子付き開口を画定することができる。

キャスティング床パネル１０２に対する雌螺子１２４の正確な位置決めは、とりわけ、建築構造物１０１の簡素化された組立工程を可能にする。一旦壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２が床パネル１０２の凹部１１８内に配置されると、床パネル１０２の雌螺子１２４は、隣接する壁パネルの螺子付きインサート又は開口部と一致するように配置され、パネル同士を接続するために接続ブラケット及び留め具又は留め具のみを雌螺子１２４に留めることができる。

この例では、複数の螺子付きインサート１２４が、床パネル１０２の周囲に沿って凹部１１８内に配置される。このようにして、図８に例示的に示される接続ブラケット１６４の第１のプレート１６６は、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２が凹部１１８内に配置される前に、床パネル１０２の螺子付きインサート１２４に留められる。これに関して、各壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２は、以下に更に説明するように、接続ブラケット１６４のプレート１６６を受けそれによって隠すように配置され寸法設定された凹部を含む。当業者は、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２が凹部１１８内に配置された後、接続ブラケット１６４が隣接するパネルに固定されるように、螺子付きインサート１２４を代替的に凹部１１８の外側に配置され得ると理解するであろう。

床パネル１０２は更に、多数の要素、例えば、パネル１０２（ストロングバックとも称する）の持ち上げ時に強度を付与する一時的なリブ１２６，パネル１０２の持ち上げを容易にする持ち上げ要素１２８，壁パネルが配置された時に鋼製支柱などの一時的なサポートに取り付けるための固定要素１３０，及びさまざまなサイズと位置の開口部１３２などを備える。この例に示される開口１３２は、電気及び／又は配管システムの要素へのアクセスを提供する機能を有する。

床パネル１０２は、床パネル１０２の底面に設けられた複数のへこみをさらに備えることができる。各へこみは、フーチング１０４，１０５などの選択されたフーチングの上部を受け入れるように配置及び成形される。それによって、複数のへこみは、建築構造物１０１が建てられる際に、床パネル１０２を複数のフーチング１０４，１０５と位置合わせするのを助け得る。

ここで図５Ａ及び図５Ｂを参照すると、フーチング１０４及びフーチング１０５の概略図が示されている。各フーチング１０４，１０５は、補強構造１３４を含むプレキャストコンクリートフーチングであり、この例では鋼製ケージ１３４Ａ，１３４Ｂの形態である。フーチング１０４，１０５は更に、螺子付き構成１３７Ａ，１３７Ｂによって高さを調節できる足部１３６Ａ，１３６Ｂを備える。このようにして、各フーチング１０４，１０５の足部１３６の高さは、床パネル１０２の階層を調節するように調節することができる。これは、平らでない地面に対して特に有利である。

図１に示されるように、各フーチング１０４，１０５は、２つ以上の調節可能な足部１３６Ａ，１３６Ｂを備えることができる。これは、ベランダや階段などの他の建築構造物が前壁パネル１０４に設けられている場合に特に有利であり得る。

ここで図６を参照すると、建築構造物１０１の後壁パネル１０８の３つの異なる図が示されている。具体的には、図６Ａは後壁パネル１０８の外面１４０を示し、図６Ｂは内面１４２を示し、図６Ｃは、例示的な鋳込み螺子付きインサート１４４を示す。

床パネル１０２と同様に、プレキャストコンクリート後壁パネル１０８は、複数の接続挿入部、この例では螺子付きインサート１４４を備え、それらは、隣接する側壁パネル１１０，１１２及び床パネル１０２のそれぞれの接続挿入部、すなわち鋳物螺子付きインサートなど、といわば位置合わせするように、所定の位置に配置される。この例の螺子付きインサート１４４は、閉鎖端と拡大されたフーチングを備えたエレファントフェルールである。この特定の実施形態では、ネジ付きインサート１４４は、以下で更に詳述するように、キャスティングベッド（不図示）に取り付けられた支持要素を用いて壁パネル１０８内に配置される。しかし、当業者は、螺子付きインサート１４４を所定の位置に配置する他の方法が想定されると理解するであろう。例えば、螺子付きインサート１４４は、螺子付きインサートを補強構造１１６に取り付けるためのアタッチメントを備えることができる。更に又は代替として、螺子付きインサート１４４は、メッシュチェアと同様に、パネルが成形された時に螺子付きインサート１４４をキャスティングベッドに配置するための複数の脚を備えることができる。

床パネル１０２と同様に、壁パネル１０８は更に、例えば電気又は配管システムの要素のためのアクセスを提供するための複数の持ち上げ要素１４６及び複数の開口部１４８などの特徴を含む。

特に図６Ｃを参照すると、壁パネル１０８は更に、壁パネル１０８が床パネル１０２に接続されるところとなる、壁パネル１０８の内面１４０の下縁に位置する凹部１５０を備える。凹部１５０は、螺子付きインサート１４４に実質的に位置合わせされるように配置され、接続ブラケット１６４のプレート１６８を受ける形状及び寸法となっている。簡単に上述したように、壁パネル１０８が床パネル１０２に接続される前に、接続ブラケット１６４の第１のプレート１６６は、接続ブラケット１６４の第２のプレート１６８が床パネル１０２から上向きに延びるように、床パネル１０２の凹部１１８内の螺子付きインサートに固定される。そして壁パネル１０８は、上方に延びた接続ブラケット１６４のプレート１６８が壁パネル１０８の凹部１５０内に受け入れられるように配置される。このようにして、接続ブラケット１６４は、建築構造物１０１が建てられる際に隠され得る。

図７は、プレキャストコンクリート側壁パネル１１０を例示している。後壁パネル１０８と同様に、側壁パネル１１０は、複数の螺子付きインサート１５２，１つ又は複数の一時支柱を取り付けるためのフェルール１５４，持ち上げ要素（不図示）及び電気又は配管システム用の複数の開口１５６を備える。

さらに、例示的な側壁パネル１１０は、屋根パネル１１４が側壁パネル１１０に接続される際に、屋根パネル１１４の外面が傾斜して延び、それによって雨などの水及び他の破片が屋根パネル１１４から流れ落ちさせるように形成されている。具体的には、側壁パネル１１０の上縁１６０は、画定された傾斜で延びる。これは、建築システム１００がプレキャストコンクリート屋根パネル１１４も備える場合に特に有利であり、これについては以下で更に詳述する。当業者は、他の例では、側壁パネル１１０の上縁１６０が実質的に水平方向に延在し得ると理解するであろう。

ここで図８を参照すると、後壁パネル１０８と側壁パネル１１０又は後壁パネル１０８と床パネル１０２などの２つの隣接するコンクリートパネル間の接続の等角図が示されている。図９はこの接続の上面図を示す。一般に、隣接するパネルは、ボルトなどの適切な機械的留め具を使用して、１つ又は複数の接続ブラケット１６４をそれぞれのパネルの螺子付きインサートに留めることによって接続される。この特定の例では、図８の分解図に示されるように、接続ブラケット１６４は、第１のプレート１６６と第２のプレート１６８とを備える。各プレート１６６，１６８は、ボルト１７４及びワッシャープレート１７６などの機械的留め具を受け入れるための少なくとも１つの開口部１７０，１７２を備える。この特定の例では、プレート１６６，１６８は同一のサイズ及び形状であり、互いに実質的に直角に配置されている。この実施形態では、各プレート１６６，１６８は、建築構造物１０１を建てるために建築システム１００が組み立てられる際にある程度の公差を付与するために、スロットの形状をした１つの開口部を備える。しかし、当業者は、各プレートが１以上の開口部を有し、開口部は、公差を考慮して拡大された直径など、任意の適切な形状を有していてもよいと考えるであろう。

さらに、この例では、建築システム１００は、プレキャストコンクリートパネルを接続するための複数の接続ブラケット１６４が実質的に同一であるように構成される。換言すれば、パネルが壁パネル、床パネル、又は屋根パネルであるかに関わらず、複数の接続ブラケット１６４のいずれか１つを使用して、任意の２つの隣接するパネルを接続することができる。これは、特定の目的のために特定のブラケットを識別する必要がないので、建築構造物１０１を建てるプロセスを簡素化できるという大きな利点を有する。

２つの隣接するパネルが図８及び図９に示されるように接続される時、ギャップ１７８の形態の公差は、典型的にはパネル１０８，１１０間に提供される。この例におけるギャップ１７８は、幅が５ｍｍから８ｍｍの間である。建築構造物１０１が建てられると、このギャップ１７８は、良好な難燃性材料であるグラウトなどの充填材料で満たされてもよい。

この例において、プレキャストパネル１０２，１０６，１０８，１１０，１１２，１１４はアングルブラケット１６４を使用して接続されているが、当業者は、機械的留め具を使用してパネルを接続する他の方法が想定されると理解するであろう。

例えば、床パネル１０２及び／又は屋根パネル１１４及び／又は壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２のうちの１つ又は複数の接続挿入部は、貫通して延びる開口部の形態であってもよい。開口部には螺子山があってもなくてもよい。この点に関して、建築システム１００は、建築構造物１０１が建てられる際に、パネルが屋根パネルであるか、床パネルであるか又は壁パネルであるかどうかに関係なく、第１のパネルの開口部が第２のパネルの閉じた端部を有する螺子付きインサートと合うように構成することができる。例えば、床パネルは閉鎖端を有する複数の螺子付きインサートを備え、床パネルに接続される壁パネルは、それぞれが壁パネルを貫通する開口の形をした複数の接続挿入部を備える。建築構造物が建てられると、壁パネルの開口部が床パネルの螺子付きインサートと一致し、ヘッドが拡大されたボルトなどの機械的留め具が開口部を通って延び、螺子付きインサートに固定される。

図１に示す建築システム１００を再び参照すると、建築構造物１０１は、プレキャストコンクリート屋根パネル１１４を備える。屋根パネル１１４の異なる図が、図１０Ａ，図１０Ｂ及び図１０Ｃに示される。具体的には、図１０Ａは、建築システム１００が建てられる際に上向きになる屋根パネル１１４の上面図を示す。図１０Ｂは、屋根パネル１１４の側面図を示し、図３Ｃは、建築構造物１０１の内部空間の天井を画定する屋根パネル１１４の底面図を示す。

床パネル１０２と同様に、プレキャストコンクリート屋根パネル１１４は、図１０Ｃに示されるように、屋根パネル１１４の底面に配された窪み領域１８０を含む。コンクリートがくぼんだ窪み領域１８０を設けることにより、重量を軽減することができ、これは、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２によって完全に支持される必要があるため、屋根パネル１１４にとって特に有利である。屋根パネル１１４の強度を向上させるために、この例では、プレキャスト屋根パネル１１４は、窪み領域１８０を通って延びる複数の構造的リブ１８２も備えている。

この例では、屋根パネル１１４は、屋根パネル１１４の短辺に沿って延在する５つの構造的リブ１８２を含み、それによって６つの窪み領域１８０を画定する。窪み領域１８０は、屋根パネル１１４の縁部が屋根パネル１１４から周囲に沿って突出するフランジ１８４を形成するように構成される。このようにして、屋根の重なりを形成することができる。言い換えると、屋根パネル１１４は、図１２に示されるように建築構造物１０１が建てられる際に、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２の上端を覆う蓋を形成する。

具体的には、建築システム１００は、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２が実質的に直立に配置される際に、窪み領域１８０の表面が壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２の上端に載るように構成され、突出フランジ１８４は、壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２の外側部分に沿って延在する。この構成は、複数の利点を有する。例えば、建築構造物の強度を向上させることができ、雨などの水が建築構造物１０１の内部に流れ込まずに屋根パネル１１４から流れ落ちることができる。

床パネル１０２及び壁パネル１０６，１０８，１１０，１１２と同様に、プレキャストコンクリート屋根パネル１１４も複数の接続挿入部、この例では螺子付きインサート１８６を含み、これらは窪み領域１８０内に配置される。しかしながら、この特定の例では、屋根パネル１１４が成形される時に複数の螺子付きインサート１８６が補強構造１１６に取り付けられる。螺子付きインサート１８６は、屋根パネル１１４の内面に配置されるエレファントフェルールの形態である。これは、屋根パネル１１４に滑らかな外面を設けることができるという利点を有する。

プレキャストコンクリート屋根パネル１１４は更に、建築構造物１０１が建てられると、屋根パネル１１４の外面が、この特定の例では３°傾斜するように構成される。言い換えると、屋根パネル１１４は、雨などの水及び他の破片の排水路として機能する組み込み傾斜をする。したがって、雨などの水は屋根から流れ落ちる。この実施形態では、傾斜は、後壁パネル１０８が配置された建築構造物１０１の後部で水が流れ落ちるような方向に延在する。この特定の実施形態は３°の傾斜を提供するが、当業者は、１°から１０°の間、特に１°から５°の間、特に２°から１°の間又は約又は約１°，２°，３°，４、又は５°など、任意の適切な角度が想定されることを理解するであろう。

傾斜した外面領域を設けるための屋根パネル１１４の構成は、図１１Ａ，図１１Ｂ及び図１１Ｃに更に示されている。この特定の例では、屋根パネル１１４の構成は、成形プロセスの特定のプロセス工程によって達成されることに留意すべきである。特に、変位要素は、図に示されるように、屋根パネル１１４を成形するためにキャスティングベッドの側壁に取り付けられてもよい。

屋根パネル１１４は、後壁パネル１０８によって支持される屋根パネル１１４の下端を形成する第１の端部１８８と、前壁パネル１０６によって支持される屋根パネル１１４の上端を形成する第２の端部１９０とを備える。これは、フランジ１８４と窪み領域との間を実質的に９０°に保ちつつ、フランジ１８４と屋根パネル１１４の外面との間の角度を変化させることによって達成される。図１１Ａでは、これは、屋根パネル１１４の外面領域とフランジ１８４によって画定される平面との間の８７°の角度１９２によって示されている。図１１Ｂ及び図１１Ｃでは、３°の傾斜角度１９４が、フランジ１８４の角度を勾配のない屋根パネルのフランジの角度との比較で示されている。

ここで図１３を参照すると、前述の図に示されている建築システム１００の建築構造物１０１などの、プレハブの運搬可能な建築構造物を製造する方法２００を示すフローチャートが示されている。

本方法２００は、コンクリート壁パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設ける最初のステップ２０２を含む。更なるステップ２０４では、補強構造がキャスティングベッドに配置される。補強構造は、例えば、鋼製の補強グリッドであってもよい。補強構造は、キャスティングベッドの底面から補強構造を持ち上げるためにチェアによって支持され得る。

本方法２００はまた、複数の螺子付きインサートをキャスティングベッドに配置するステップ２０６を含む。螺子付きインサートは、製造された壁パネルに１つ又は複数の接続ブラケットを留めるための留め具を受け入れるように構成される。複数の螺子付きインサートをキャスティングベッドに対して配置するステップは、壁パネルが成形される時に螺子付きインサートのそれぞれが壁パネル内の所定の位置に配置されるように行われる。所定の位置は、複数の壁パネル又は一つの壁パネルと床又は屋根パネルとが配置された時に、接続ブラケットが雌螺子に留められて隣接する２つのパネルを連結できるように画定される。次のステップ２０８では、コンクリート又は他の同様の硬化材料が、壁パネルを成形するためにキャスティングベッドに注がれる。

ステップ２０２から２０８を繰り返して、建築構造物用の複数のプレキャストコンクリート壁パネルが提供される。図１から図１２に示される例では、建築構造物１０１は、４つの異なる壁パネルを備える。そうして、ステップ２０２から２０８を４回繰り返して壁パネルを提供する。この点に関して、異なる形状、寸法及び構成で壁パネルを製造するために、異なるキャスティングベッドが設けられ得る。

この特定の例では、本方法２００は更に、コンクリート床パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設けるステップ２１０を含む。キャスティングベッドは、成形された床パネルの周囲の少なくとも一部に沿って凹部を提供するように構成される。これは、特別に設計されたキャスティングベッドを設けることによって達成され得る。代替的には、本方法２００は、凹部を形成するためにキャスティングベッド内に１つ又は複数の変位要素を配置するステップ２１２を含んでもよい。

壁パネルに関しては、方法２００は、補強構造をキャスティングベッドに配置するステップ２１４と、キャスティングベッドに対して複数の螺子付きインサートを配置するステップ２１６と、それに続くコンクリートをキャスティングベッドに流し込み、床パネルを成形するステップ２１８とをさらに含む。

方法２００は、建築構造物が建てられる際に、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部に配置され、床パネルと壁パネルが複数の接続ブラケットを使用して相互に接続され得るように、２つの隣接するパネルの螺子付きインサートが位置合わせされるように配置される。

建築構造物１０１がプレキャストコンクリート屋根パネルも含む上記の例では、本方法はまた、屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを提供するステップを含み得る。このステップの後に、補強構造を配置し、複数の雌螺子を配置し、更にコンクリートをキャスティングベッドに流し込むことも続く。

特定の実施形態では、方法２００は、キャスティングベッドに取り付けるための少なくとも１つの支持構造を設けるステップを含み、支持構造は、パネル内への螺子付きインサートの正確な配置を可能にするために、１つ又は複数の螺子付きインサートを支持するように構成される。例えば、キャスティングベッドの側部に取り付けるために、少なくとも１つの支持構造が設けられてもよい。このように、少なくとも４つの支持構造がキャスティングベッドに取り付けられてもよく、それぞれが複数の雌螺子を支持する。このようにして、パネルが成形される時、雌螺子は、パネルの上面の所定の位置に配置され得る。支持構造はキャスティングベッドに一時的に取り付けられ、成形プロセスが完了すると取り外すことができる。支持構造は、木材、プラスチック、金属などを含む任意の適切な材料で作ることができる。代替的には、支持構造は、キャスティングベッドの縁を取り囲むフレームとして構成されてもよい。フレームは、支持構造の取り扱いが簡素になるように、別々の側面部品に分解することができる。

上記の例では、床パネルと屋根パネルの両方が窪み領域を有する。この点に関して、方法２００は、キャスティングベッドに１つ又は複数の変位要素を取り付けるステップを含むことができる。このようにして、得られるコンクリートパネルは、中央位置に窪み領域を含む。方法２００は、成形プロセスが完了すると、変位要素を除去するステップを更に含んでもよい。代替的に、変位要素は、例えば断熱目的で成形パネル内に残されてもよい。例示的な変位要素は、例えば、発泡体などの軽量材料で作ることができる。しかしながら、他の適切な変位要素が想定される。

上述の例では、屋根パネルは、建築構造物が建てられる際に傾斜を画定する。この点に関し、方法２００は、第１の変位要素を設け、コンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドの第１の側部に第１の変位要素を取り付けるステップを含んでもよい。第１変位要素は、成形された屋根パネルの側部の角度を変更する機能を有する。この方法は更に、第２の変位要素を設け、コンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドの第２の側部に第２の変位要素を取り付けるステップを含み、第２の側部は、第１の側部に対向している。第２変位要素は、屋根パネルの主面に対する成形されたパネルの反対側の角度を変更する機能を有する。これによって、屋根パネルの主面に対する屋根パネルの側部の角度が傾斜を画定する。

変位要素を使用して屋根パネルの側面の角度を変更することにより、屋根パネルに組み込み傾斜を設けることができる。さらに、斜面を作るために斜めにコンクリートを流し込む必要のある複雑なキャスティングベッドも必要ない。代わりに、傾斜は、パネルの側部を変更することによって形成される。

本考案の他の実施形態は、上述のプレハブ建築構造物を建てる方法（図示せず）に関する。この方法は、図５Ａ及び図５Ｂに示されるフーチングなどの複数のフーチングを配置するステップを含んでもよい。複数のフーチングは、典型的には、プレキャストコンクリート床パネルと合うように所定の位置に配置される。上述のいくつかの例では、床パネルは、複数のフーチングと位置合わせするための複数のへこみを含む。一旦プレキャスト床パネルが配置されフーチングに固定されると、この方法は、壁パネルが実質的に直立の姿勢で延びるように、プレキャストコンクリート壁パネルを床パネルの凹部に配置されるステップを含み得る。更なるステップでは、壁パネルを実質的に直立した姿勢を支持するために、支柱などの一時的な支持要素が設けられる。この方法は更に、壁及び床パネル内の複数の雌螺子に１つ又は複数の接続ブラケットを留めることによって、壁パネルを床パネルに接続するステップを含む。これは、ボルトなどの適切な留め具を使用することによって実現され得る。前述のステップは、複数の壁パネルのすべてについて繰り返され、それによって建築構造物が建てられる。建築構造物が建てられると、一時的な支持要素を取り外すことができる。

本方法は、複数の壁パネル上に配置するための屋根パネルを設けることを更に含み得る。例えば、屋根パネルはまた、複数の螺子付きインサートを含むプレキャスト屋根パネルであってもよい。この例では、本方法は、壁及び屋根パネル内の複数の雌螺子に１つ又は複数の接続ブラケットを留めることによって、複数の壁パネルをプレキャストコンクリート屋根パネルに接続するステップを含み得る。

本考案については、本考案の精神又は範囲から逸脱することなく、特定の実施形態及び／又は態様に示され広く説明されているように、多様な変形及び／又は変更がなされ得ることは、当業者には理解されるところである。例えば、本考案の特定の特徴を組み合わせてさらなる実施形態を形成できることは明らかである。したがって、本実施形態及び態様は、すべての点で例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。いくつかの実施形態は、図面を参照して説明された。これらの図面は、本考案のシステム及び方法及びプログラムを実施する特定の実施形態の特定の詳細を示している。しかしながら、図面を用いて本考案を説明することは、図面に示される特徴に関連するいかなる制限も本考案に課すと解釈されるべきではない。

Claims (20)

1. 建築構造物を建てるための建築システムであって、
   各壁パネルが、補強構造と複数の鋳込み接続挿入部とを具備し、各接続挿入部は所定の位置に配置される複数の運搬可能なプレキャストコンクリート壁パネルと、
   床パネルもまた、補強構造体及び複数の鋳込み接続挿入部を具備し、それぞれが所定の位置に配置され、前記床パネルは更に、前記床パネルの周囲の少なくとも一部に沿う凹部を具備する運搬可能なプレキャストコンクリート床パネルと、を備え、
   各プレキャスト壁パネルが、床パネルの凹部内で実質的に直立した姿勢で配置される際に、複数の機械的留め具を使用してパネルが接続されるように２つの隣接するパネルの接続挿入部が一致するよう構成されている建築システム。
2. 前記床パネルの前記凹部は、前記接続壁パネルの幅と実質的に同一の幅を有する請求項１に記載の建築システム。
3. 前記床パネル及び前記複数の壁パネルの接続挿入部が、閉鎖端を有する螺子付きインサートの形態である、請求項１又は２に記載の建築システム。
4. 複数の接続ブラケットを備え、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内で実質的に直立の姿勢で配置される際に、隣接する２つのパネルの螺子付きインサートが複数の機械的留め具を使用してパネルに固定される接続ブラケットと一致するように構成されている、請求項３に記載の建築システム。
5. 前記複数の接続ブラケットが同一である、請求項４に記載の建築システム。
6. 前記床パネル及び／又は前記壁パネルの複数の接続挿入部が、前記パネルを通って延びる開口部の形態であり、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内に実質的に直立した姿勢で配置される際に、第１パネルの開口部が、隣接する第２パネルの閉鎖端を有する螺子付きインサートと位置合わせされ、第１パネル及び第２パネルが、複数の機械的留め具を用いて接続されるように構成されている請求項１から５のいずれか一項に記載の建築システム。
7. 前記プレキャストコンクリート床パネルが、１つ以上の窪み領域と、前記１つ以上の窪み領域を通って延びるように配置された１つ以上の構造的リブとを備える請求項１から６のいずれか一項に記載の建築システム。
8. 補強構造体と、屋根パネルを壁パネルに接続するための複数の鋳込み接続挿入部とを備える運搬可能なプレキャストコンクリート屋根パネルをさらに備え、各接続挿入部は、所定位置に配され、各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内に実質的に直立した姿勢で配置された時に屋根パネルの接続挿入部が壁パネルの接続挿入部と位置合わせされ、屋根パネルが複数の機械的留め具を使用して壁パネルに接続することができるように構成されている請求項１から７のいずれか一項に記載の建築システム。
9. 前記屋根パネルが、前記複数の壁パネルの上部に部分的にフィットする蓋を形成するように構成されている請求項８に記載の建築システム。
10. 前記プレキャストコンクリート屋根パネルが、１つ以上の窪み領域と、前記１つ以上の窪み領域を通って延びる１つ以上の構造的リブとを備える請求項８又は９に記載の建築システム。
11. 前記建築構造物が建てられる際に、前記屋根の外面が傾斜するように構成されている請求項８から１０のいずれか一項に記載の建築システム。
12. 前記屋根パネルの前記主外面に対する前記床パネルの前記側壁の方向が前記傾斜の角度を画定するように構成されている請求項１１に記載の建築システム。
13. 建築構造物を建てるための建築システムを作製する方法であって、
    運搬可能なコンクリート壁パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設ける工程と、
    キャスティングベッドに補強構造を配置する工程と、
    壁パネルが成形される時に、各螺子付きインサートが壁パネル内の所定の位置に配されるように、キャスティングベッドに対して複数の接続挿入部を配置する工程と、
    壁パネルを成形するためにキャスティングベッドにコンクリートを流し込む工程と、
    前記工程を繰り返して、建築構造物用の複数のプレキャストコンクリート壁パネルを設ける工程と、
    運搬可能なコンクリート床パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設ける工程で、キャスティングベッドは、キャスティング床パネルの周囲の少なくとも一部に沿って凹部を画定するための少なくとも１つの変位要素を備える工程と、
    キャスティングベッドに補強構造を配置する工程と、
    床パネルが成形される際に、各螺子付きインサートが床パネル内の所定の位置に配置されるように、複数の接続挿入部をキャスティングベッドに対して位置決めする工程と、
    床パネルを成形するためにキャスティングベッドにコンクリートを流し込む工程とを有し、
    各プレキャスト壁パネルが床パネルの凹部内に実質的に直立した姿勢で配置され、建築構造物が建てられる際に、２つの隣接するパネルの鋳込み接続挿入部が、パネルが複数の機械的留め具を使用して互いに接続されるように一致するように行われる建築システムを作製する方法。
14. 成形されたパネル内のそれぞれの所定の位置に複数の接続挿入部を配置するための少なくとも１つの支持構造を設ける工程と、
    複数の接続挿入部のうちの１つ又は複数を少なくとも１つの支持構造に取り付ける工程と、
    接続挿入部が所定の位置に鋳込まれるように、少なくとも１つの支持構造をキャスティングベッドに取り付ける工程と、
    を有する請求項１３に記載の建築システムを作製する方法。
15. 床パネル及び／又は屋根パネル内に１つ以上の窪み領域を画定するために、少なくとも１つの更なる変位要素をキャスティングベッドに設け及び取り付けることを含む請求項１３又は１４に記載の建築システムを作製する方法。
16. 運搬可能なコンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドを設ける工程と、
    キャスティングベッドに補強構造を配置する工程と、
    屋根パネルが成形される際に、各螺子付きインサートが屋根パネル内の所定の位置に配されるように、キャスティングベッドに対して複数の接続挿入部を配置する工程と、
    コンクリートをキャスティングベッドに流し込んで屋根パネルを成形する工程と、
    を含む、請求項１３から１５のいずれか一項に記載の建築システムを作製する方法。
17. 前記屋根パネル内に１つ又は複数の窪み領域を画定るために、前記キャスティングベッドに取り付け、それによって前記屋根パネルの周囲に沿って突出フランジを形成するための少なくとも一つの変異要素を設ける工程を有する請求項１６に記載の建築システムを作製する方法。
18. 第１の変位要素を設け、コンクリート屋根パネルを製造するために構成されたキャスティングベッドの第１の側部に第１の変位要素を取り付ける工程と、
    第２の変位要素を設け、コンクリート屋根パネルを製造するように構成されたキャスティングベッドの第２の側部に第２の変位要素を取り付け、第２の側部は、第１の側部と対向させている工程とを有し、
    第１及び第２の変位要素が屋根パネルの側部の角度を変更し、それによって建築構造物が建てられる際に屋根パネルの傾斜を画定するように実施される請求項１６又は１７に記載の建築システムを作製する方法。
19. プレキャストコンクリート床パネルを設ける工程と、
    壁パネルが実質的に直立した姿勢で延びるように、床パネルの凹部にプレキャストコンクリート壁パネルを配置する工程と、
    壁パネルを実質的に直立した姿勢で支持するために一時的な支持要素を設ける工程と、
    隣接するパネルの位置合わせされた接続挿入部に１つ以上の機械的留め具を留めることによって、壁パネルを床パネルに接続する工程と、
    複数の壁パネルについて前記工程を繰り返す工程と、
    一時的な支持要素を取り除く工程とを有する請求項１から１２のいずれか一項に規定された建築システムを組み立てる方法。
20. プレキャストコンクリート屋根パネルを設ける工程と、屋根パネルを複数の壁パネル上に配置する工程と、位置合わせされた接続挿入部に複数の機械的留め具を留めることによって、屋根パネルを複数の壁に接続する工程を有する請求項１９に記載の建築システムを組み立てる方法。
    
    

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