JPH07320300A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH07320300A
JPH07320300A JP6112781A JP11278194A JPH07320300A JP H07320300 A JPH07320300 A JP H07320300A JP 6112781 A JP6112781 A JP 6112781A JP 11278194 A JP11278194 A JP 11278194A JP H07320300 A JPH07320300 A JP H07320300A
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靖典 鬼島
Takashi Iwamura
貴 岩村
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ピット5が情報信号に対応した記録パターン
で形成された透明基板1上に、可飽和吸収色素と高分子
材料よりなる可飽和吸収色素含有層3が形成されてな
り、上記ピット5の記録パターンが超解像再生メカニズ
ムによって信号再生がなされる光記録媒体において、上
記過飽和級数色素として再生光の波長における分子吸光
係数εが104 ≦ε、緩和時間τが1ns≦τ≦100
nsであるものを用い、上記高分子材料としてカルバゾ
ール基を有するポリマーを用いる。 【効果】 超解像性の発現感度が向上し、再生パワーを
低く設定した場合でも、高C/N比で超解像再生がなさ
れるようになる。したがって、本発明によれば、再生光
の短波長化,フォーカスレンズの開口数NAの増大化,
信号復調方式の変更等の大幅な変更を装置側に施すこと
なく、例えば現行の4倍程度の記録情報量を同サイズの
光記録媒体に収めることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明基板上に、凹凸形
状や光学特性の変化による記録パターンとして記録され
た情報信号を、透明基板側から再生光を照射し、その反
射光量の変化を検出することで信号再生を行う光記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野においては、光学
情報記録方式に関する研究が各所で進められている。こ
の光学情報記録方式は、非接触で記録再生が行えるこ
と、磁気記録方式に較べて一桁以上も高い記録密度が達
成できること、再生専用型や追記型,書き換え可能型の
それぞれのメモリ形態に対応できること等の、数々の利
点を有し、安価な大容量ファイルを実現し得るものとし
て、産業用から民生用まで幅広い用途が考えられてい
る。
【0003】上述のメモリ形態のうち、再生専用型の光
記録媒体としては、デジタルオーディオディスク(いわ
ゆるコンパクトディスク、CD)や光学式ビデオディス
ク(いわゆるレーザーディスク、LD)、さらにはCD
−ROM等が既に広く普及している。
【0004】これらの再生専用型の光記録媒体は、通
常、透明基板上に、ピットが、例えば凹凸形状や光学定
数を変化させる層として情報信号に対応したパターンで
記録され、この記録パターン上に、Al等の金属材料よ
りなる反射層が被着形成された構造とされている。この
ような光記録媒体では、透明基板側よりレーザ光等の再
生光を照射し、その再生スポット内のピットの有無を、
反射光の強弱を検出することで識別し、情報の再生が行
われる。
【0005】ところで、上記再生専用型の光記録媒体に
おいては、VTRのデジタル化やハイビジョンTV(H
DTV)等に対応できる容量を確保すべく、記録密度の
更なる向上が求められるようになっている。一方、操作
上の都合から、光記録媒体ではサイズの小型化も求めら
れており、このような要求からも記録密度の向上が望ま
れている。
【0006】ここで、光記録媒体の記録密度を向上させ
る手段としては、記録パターンの微細化,たとえばピッ
トの周期を短くすることがまず考えられる。しかし、再
生光学系にはスポット径をそれ以上に小さくできない回
折限界λ/2NA(λ:再生光波長 NA:光学系の対
物レンズ開口数)があることから、ピットの周期があま
り短くなると、再生スポット内に複数のピットが重複し
て存在するといった状況が起き、情報信号が再生できな
いといった不都合が生じる。すなわち、再生装置には再
生光学系で定まる分解能の指標となるMTF(Modu
lationtransfer function)の
カットオフ空間周期がある。
【0007】このため、ピットの周期はそのままで信号
コードの方を圧縮化したり、あるいはピット周期の短い
記録パターンに対応できるように、光学系の対物レンズ
の開口数NAを増大化する,さらには再生光を短波長化
することによって再生光の回折限界を向上させる試みが
なされている。また、さらに、最近では超解像(super
resolution)と称される方法が、ピット周期の短い記録
パターンに対応できるものとして注目されている。
【0008】超解像とは、物点位置に照射光の回折限界
よりも小さいアパーチャ(開口)を設定することによ
り、照射光の見かけ上のスポット径を回折限界よりも小
さくすることで解像度を向上させることを原理とするも
のである。この超解像については、例えば“Charles W.
McCutchen,“Super-resolution in Microscopy and the
Abbe Resolution Limit. ”Journal of Optical Societ
y of America, 57(10),1190 (1967) ”、Tony Wilson
and Colin Sheppard, “Theory and Practiceof Scannn
ing Optical Microscopy.”,Academic Press (London),
1984”等で詳細に記載されている。
【0009】このような超解像を実際に光記録媒体の信
号再生に応用するには、光記録媒体上での再生光の移動
に追従してアパーチャも移動する必要がある。
【0010】超解像を光磁気記録媒体に応用した例とし
ては、本願出願人が特開平1−143041号公報及び
特開平1−143042号公報において、光磁気記録再
生方式の磁気カー効果が現れる領域を熱的に再生光のス
ポット径よりも狭くして超解像効果を発現させ、高密度
記録を達成する方法を提案している。しかし、この方法
は、光磁気システムに限って使用され、通常の、磁気ヘ
ッドを用いない光記録システムには適用できない。
【0011】通常の光記録システムに適用できる超解像
の手法としては、特開平2−96926号公報におい
て、反射層に光応答性の材料を用いることが提案されて
いる。この超解像再生の原理は以下の通りである。
【0012】すなわち、光応答性材料を反射層に用いる
光記録媒体では、再生光を照射すると、再生光スポット
内にはその焦点位置をピークとする光量分布があるた
め、その焦点位置近傍の極小部分のみの光学特性を変化
させることができる。この光学特性が変化した部分がア
パーチャとして機能する。
【0013】このようにアパーチャが形成されると、再
生光のスポット内に複数のピットが重複して存在する場
合でも、アパーチャ内に存在するピットのみが検出さ
れ、その他のピットはいわばマスクされた状態となって
検出されることがない。したがって、再生光学系の回折
限界よりも短い周期でピットが形成された微細記録パタ
ーンからの信号再生が行えるということになる。
【0014】ところが、この公報には、光応答性の材料
として再生光によって光学特性が直接的に変化する非線
形光学材料、あるいは再生光の光吸収による熱発生によ
り光学特性が間接的に変化する相変化材料とのみ記載さ
れており、具体的な材料については挙げられていない。
このため、その実現は難しいと言える。
【0015】そこで、具体的な光応答性材料として、カ
ルコゲナイト系の材料や可飽和吸収色素が提案されてい
る。カルコゲナイト系の材料は、レーザ加熱によって固
体からメルト状態へ相変化し、その際に複素屈折率が大
きく変化するものである。一方、可飽和吸収色素は、本
願出願人が特願平5−26805号明細書において提案
した光応答性材料であり、一定量以上の光が照射され、
励起状態になると吸収率が0となるような現象,すなわ
ち可飽和吸収現象を呈する色素材料である。
【0016】例えば、ピットが凹凸形状として形成され
た基板上に、この可飽和吸収色素を含有する可飽和吸収
色素含有層と、反射層が形成された光記録媒体に、再生
光を照射すると、上述の如く再生光スポット内には焦点
位置をピークとする光量分布があることから、この焦点
位置近傍の極小部分のみが強く可飽和吸収となる。この
可飽和吸収となった領域は、吸収率が低下することから
ほかの領域に比べて反射層にまで到達する光量が大きく
高い反射率が得られる。したがって、この可飽和吸収領
域がアパーチャとして機能し、再生光スポット内に複数
のピットが重複して存在する場合でもこの可飽和吸収領
域に存在するピットのみが検出されることになる。な
お、上記可飽和吸収色素含有層は、公報中には、可飽和
吸収色素とPMMA等の高分子材料よりなる構成で報告
されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
超解像性を発現させるための各種光応答性材料が提案さ
れ、様々な媒体構成で適用が試みられている。しかし、
いずれの構成の場合にも、改善の余地が未だ多く残され
ており、例えば可飽和吸収色素含有層を用いる場合で
は、超解像性発現の感度が低く、40dB以上のC/N
比を得るのに4mW以上の再生パワーが必要であるとい
った問題がある。
【0018】そこで、本発明は、このような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、超解像性の発現感度が
高く、再生パワーを低く設定した場合でも、高いC/N
比で超解像再生がなされる光記録媒体を提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、可飽和吸収色
素含有層に用いる高分子材料として、ポリメチルメタク
リレート(PMMA)の代わりにポリビニルカルバゾー
ル(PVK)を用いることで、超解像性の発現感度が向
上するとの知見を得るに至った。
【0020】本発明はこのような知見に基づいて提案さ
れたものであり、情報信号に対応した記録パターンが記
録された透明基板上に、可飽和吸収色素と高分子材料よ
りなる可飽和吸収色素含有層が形成されてなり、上記可
飽和吸収色素は、再生光の波長における分子吸光係数ε
が104 ≦ε、緩和時間τが1ns≦τ≦100nsで
あり、上記高分子材料は、カルバゾール基を有すること
を特徴とするものである。
【0021】本発明が適用される光記録媒体は、ピット
が情報信号に対応した記録パターンで形成された透明基
板上に、可飽和吸収色素及び高分子材料よりなる可飽和
吸収色素含有層と、反射層が形成されてなるものであ
る。上記ピットは、例えば凹凸形状あるいは光学定数を
変化させる層として、再生光学系の回折限界λ/2NA
よりも短い周期で形成されている。このようなピットの
記録パターンからの信号再生は、以下のような超解像再
生メカニズムによって行われる。
【0022】すなわち、上記光記録媒体に、再生光を照
射すると、再生光スポット内にはその焦点位置をピーク
とする光量分布があることから、この焦点位置近傍の極
小部分のみが強く可飽和吸収となり、部分的に可飽和吸
収領域が生じる。この可飽和吸収となった領域は、吸収
率が低下することからほかの領域に比べて反射層にまで
到達する光量が大きく高い反射率が得られる。したがっ
て、アパーチャとして機能し、再生光スポット内に複数
のピットが重複して存在する場合でもこの可飽和吸収領
域に存在するピットのみが検出される。したがって、再
生光学系の回折限界λ/2NAよりも短い周期で形成さ
れたピットの微細記録パターンからの信号再生が可能で
ある。
【0023】以上のように、可飽和吸収色素含有層を用
いる光記録媒体では、可飽和吸収色素含有層が再生光ス
ポット内で部分的に可飽和吸収となり反射率が増大する
ことで超解像性が発現される。本発明ではこの超解像性
の発現感度の向上を図るために、可飽和吸収色素含有層
を構成する高分子材料としてカルバゾール基を有するポ
リマーを用いることとする。
【0024】可飽和吸収色素含有層の高分子材料として
カルバゾール基を有するポリマーを用いた光記録媒体で
は、再生光パワーの増大に伴って再生光スポット内の極
小部分で反射率が大きく増大する。この反射率の増大傾
向は例えばPMMAを用いた光記録媒体を遙に凌ぐもの
である。
【0025】この場合、反射率の増大がすなわちアパー
チャの形成を意味し、再生光パワーの増大に伴って反射
率が大きく増大するということは、超解像性が高い感度
で発現されることを意味する。したがって、上記光記録
媒体は、再生光の照射パワーを低くした場合でも、高い
C/N比で超解像再生がなされることになる。
【0026】なお、高分子材料としては、上記カルバゾ
ール基を有するポリマーを単独で用いても、カルバゾー
ル基を有するポリマーと他のポリマーを混合した混合物
であっても良い。但し、超解像性の発現感度の十分な向
上を図るためには、高分子材料中のカルバゾール基を有
するポリマーの含有量は、50重量%以上とする必要が
ある。
【0027】カルバゾール基を有するポリマーとして
は、例えば化1で示されるポリビニルカルバゾール(P
VK)が代表的である。
【0028】
【化1】
【0029】なお、可飽和吸収色素含有層にPVKを用
いる光記録媒体では、同じ部分に繰り返し再生光を照射
していると、複屈折性,直線2色性を呈するようにな
り、レーザノイズレベルが上昇する。これは以下の理由
によるものと考えられる。
【0030】すなわち、PVKは、側鎖の影響により主
鎖が直鎖状のコンフォメーションをとり易い。このた
め、PVKと可飽和吸収色素よりなる可飽和吸収色素含
有層に再生光を照射すると、PVKがガラス転移し、こ
の際に、可飽和吸収色素分子が直鎖状のコンフォメーシ
ョンをとるPVKの配列により配向する。このことが可
飽和吸収色素含有層に、複屈折性,直線2色性を発生さ
せる原因であると考えられる。
【0031】そこで、このようなPVKを用いる場合に
は、耐熱性を損なわず、色素の配向を防止するためにガ
ラス転移温度が150℃以上の高ガラス転移温度のポリ
マーを混合するのが望ましい。
【0032】ガラス転移温度が異なる2種類のポリマー
を混合した場合、混合物のガラス転移温度は各ポリマー
のガラス転移温度のほぼ中間の値になる。PVKにガラ
ス転移温度の高いポリマーを混合した場合も同様であ
り、PVK単独よりも混合物の方が高いガラス転移温度
を示すことになる。
【0033】したがって、PVKにガラス転移温度の高
いポリマーを混合した混合物を高分子材料として可飽和
吸収色素含有層を構成すれば、レーザ光を照射した際に
高分子材料にガラス転移が生じ難く、可飽和飽和吸収色
素分子の配向が抑えられることになる。その結果、超解
像性の発現感度が高く、しかも再生光を繰り返し照射し
た場合でも、レーザノイズレベルが上昇することのな
い、耐熱性に優れた超解像再生用光記録媒体が実現す
る。なお、この場合にもPVKの高分子材料中の含有量
が50重量%未満にならないように含有比を設定する必
要がある。
【0034】高ガラス転移温度のポリマーとしては、ガ
ラス転移温度が150℃以上であり、且つPVKと相溶
性を有するものであればいずれでも良い。そのようなポ
リマーとしては、化2で示されるポリアセナフチレンが
挙げられる。例えばサイエンティフィック・ポリマー・
プロダクツ社製,#266のポリアセナフチレンはガラ
ス転移温度が214℃である。
【0035】
【化2】
【0036】可飽和吸収色素含有層は、以上のような高
分子材料と可飽和吸収色素で構成される。本発明では、
この可飽和吸収色素として、再生光波長における分子吸
光係数εが104 以上であり、緩和時間τが1ns≦τ
≦100nsのあるものを使用する。
【0037】このような特性を有する可飽和吸収色素含
有層では、再生光波長における分子吸光係数εが104
以上であることから、再生光の照射によって、当該再生
光スポット内のうちある一定量以上の光量になった部分
が可飽和吸収となって部分的に可飽和吸収領域が生じ
る。また、可飽和吸収色素の緩和時間τが1ns≦τ≦
100nsの範囲に規制されていることから、可飽和吸
収となった領域は、再生光の移動に伴う光量の減少によ
って一定の時間範囲内に速やかに初期の状態に戻る。こ
のため、光量が減少した領域で可飽和吸収が維持され
て、例えば可飽和吸収領域が後ろ側に尾を引くといった
ことがなく、常に再生光スポット内のある一定領域のみ
が可飽和吸収となり、理想的な形状のアパーチャが形成
できる。
【0038】なお、再生光が現状の750〜830nm
の波長光である場合には、可飽和吸収色素としてはシア
ニン系,フタロシアニン系,ナフタロシアニン系等の色
素が適している。なかでもナフタロシアニン系色素が、
分子吸光係数が大きく、しかも光学安定性が高いという
点から好適である。
【0039】これら可飽和吸収色素とPVKよりなる可
飽和吸収色素含有層は、例えば可飽和吸収色素とPVK
を溶媒に溶解させた色素溶液を用いるスピンーコート法
によって形成される。
【0040】この可飽和吸収色素含有層の膜厚は、再生
光の光強度に対して、干渉による反射光強度が略極小と
なる厚さであることが望ましい。この膜厚は、可飽和吸
収色素含有層とともに多層構造を構成する後述の反射層
や誘電体層の屈折率によって異なる。反射層がAl,A
g,Auのような高反射率金属で構成されていたり、反
射層や誘電体層が当該色素含有層よりも屈折率の高い材
料で構成されている場合には、略m・λ/2n(但し、
λは再生光の波長、nは実部屈折率,mは任意の正の整
数である)である。逆に、誘電体層が当該色素含有層よ
りも屈折率の低い材料で構成されている場合には、略
(2m−1)λ/4nの厚さである。この膜厚にすれ
ば、再生光の光強度に依存した反射率上昇のコントラス
トが大きくなり、超解像性が向上する。
【0041】このような可飽和吸収色素含有層上には反
射層が形成される。反射層は、再生装置の規格に合った
反射率のものが選択され、例えば、コンパクトディス
ク,レーザディスク,追記型コンパクトディスク等の再
生装置に適用する場合には、これらのディスクで用いら
れている空気界面との反射率が70%以上の、アルミニ
ウム薄膜,金薄膜等に代表される真空薄膜作製法によっ
て成膜された金属薄膜,もしくは誘電体薄膜等が挙げら
れる。
【0042】以上が本発明の光記録媒体の基本的な構成
であるが、本発明の光記録媒体にはこのような可飽和吸
収色素含有層,反射層の他に、基板と可飽和吸収色素含
有層の間に、当該基板及び可飽和吸収色素含有層よりも
実部屈折率が高い高屈折率層を設けるようにしても良
い。
【0043】基板と可飽和吸収色素含有層の間に高屈折
率層を設けると、フレネル反射が強くなり、可飽和吸収
色素含有層内に光を閉じ込める共振器構造が形成され
る。これにより、再生信号強度が大幅に向上する。
【0044】ここで、通常、入手される光透過性の基板
や可飽和吸収色素含有層の実部屈折率は1.5〜1.7
程度である。したがって、上記高屈折率層としては、実
部屈折率が1.8以上の、例えば無機材料,半導体材料
等を真空薄膜形成法によって成膜した材料膜が使用され
る。フレネル反射を強くする効果は、実部屈折率が基板
や可飽和吸収色素含有層の値から大きく異なるもの程、
顕著である。
【0045】高屈折率層を成膜する真空薄膜形成法とし
ては、真空蒸着法,スパッタ法,CVD(化学的気相成
長法)等が挙げられる。基板がポリマーで構成されてい
るか、あるいはガラス2P法で形成されたレジスト膜を
有する場合には、比較的低温で良質な膜を形成すること
ができ、成膜速度も比較的高速であることからスパッタ
法が有利である。
【0046】高屈折率層の材料としては、上述の如く実
部屈折率が上記条件を満たすものであれば特に制限はな
いが、無機セラミックが耐熱性,成膜性に優れ、適して
いる。中でも、ZnSとSiO2 の混成膜を、ピットが
凹凸形状として形成されたタイプの光ディスクに高屈折
率層として形成すると、40dB以上と比較的大きな再
生出力が確実に得られるようになる。
【0047】また、さらに、高屈折率層としては、実部
屈折率が1.8以上であるもののうち、消衰係数が比較
的小さいものを選択するのが望ましい。これは、照射さ
れた光を効率良く可飽和吸収色素含有層で吸収せしめる
目的である。
【0048】なお、このような高屈折率層の代わりに、
これとは逆に基板,可飽和吸収色素含有層よりも実部屈
折率の低い低屈折率層を設けた場合でも、同様に可飽和
吸収色素含有層内に光を閉じ込める共振器構造を形成す
ることができる。
【0049】しかし、低屈折率層とし得る材料では、フ
ッ素系ポリマーの1.3程度が実部屈折率の最低であ
り、例えばフッ化マグネシウムのように、一般的に使用
できる低屈折率材料のほとんどは実部屈折率が1.4程
度である。このため、基板,可飽和吸収色素含有層より
も実部屈折率が大きく異なる低屈折率層,すなわちフレ
ネル反射を強くする効果の高い低屈折率層を得るのは現
実的には困難である。高屈折率層とし得る材料には、無
機材料,半導体材料等を含めて、屈折率最大値4までの
各種材料がある。したがって、低屈折率層を設けるより
も高屈折率層を設ける方が、利便性が高いと言える。
【0050】ここで、高屈折率層,低屈折率層の膜厚
は、(2m−1)λ/4n(但し、λは再生光の波長、
nは高屈折率層または低屈折率層の実部屈折率,mは任
意の正の整数である)、一般的にはλ/4nで表される
膜厚とすることが好ましい。この膜厚で高屈折率層また
は低屈折率層を形成すると、高屈折率層または低屈折率
層と、基板との界面での反射光と、高屈折率層または低
屈折率層と、と可飽和吸収色素含有層との界面での反射
光との位相差が180°となり、いわゆる無反射条件を
満たすようになる。これにより、可飽和吸収色素含有層
でのフレネル反射が最大となり、再生信号の強度を大き
くできる。但し、膜厚がこの値より10%程度ずれてい
ても特に問題はなく、十分な効果が得られる。
【0051】なお、高屈折率層,低屈折率層はそれぞれ
単独で用いずに、これらを交互に積層させた多層膜を基
板と可飽和吸収色素含有層の間に設けるようにしても同
様に再生信号強度を向上できる。
【0052】
【作用】ピットが情報信号に対応した記録パターンで形
成された透明基板上に、可飽和吸収色素と高分子材料よ
りなる可飽和吸収色素含有層が形成されてなり、上記ピ
ットの記録パターンから超解像再生メカニズムによって
信号再生がなされる光記録媒体において、上記高分子材
料として、カルバゾール基を有するポリマーを用いる
と、超解像性の発現感度が向上し、再生光の照射パワー
を低く設定した場合でも、高いC/N比で超解像再生が
なされるようになる。
【0053】なお、高分子材料として特にポリビニルカ
ルバゾールを用いる場合に、ガラス転移温度が150℃
以上の高ガラス転移温度ポリマーを併用すると、再生光
を繰り返し照射したときに見られる複屈折性,直線2色
性の発生が抑えられ、これが原因するレーザノイズレベ
ルの上昇が回避される。
【0054】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。
【0055】実施例1 本実施例で作成した光記録媒体の構成を図1に示す。こ
の光記録媒体は、ピット5が凹凸形状として形成された
基板1上に、高屈折率層2,可飽和吸収色素含有層3,
反射層4が順次積層されてなるものである。本実施例で
は、このような構成の光記録媒体を以下のようにして作
成した。
【0056】まず、直径120mm,厚さ1.2mmの
円盤状のガラス基板1を用意し、このガラス基板上にガ
ラス2P(フォトポリマー)法によってピット5を形成
した。なお、ピット5の記録パターンは、ピット長が
0,3μm,ピット周期が0.6μmである。
【0057】次いで、この基板1の、ピット5を形成し
た側の面上にZnS高屈折率層2を真空蒸着装置(日電
アネルバ社製,商品名EVD500A)を用いて成膜し
た。成膜条件を以下に示す。
【0058】到達真空度:3×10-4P 蒸着時真空度:約1×10-3P 蒸着源の加熱:抵抗加熱法 蒸着源:純度99.99%のZnS 蒸着レート:0.4〜0.5nm/s
【0059】なお、蒸着の間、基板1は加熱せず、膜厚
を均一化するために蒸着源の回りを自公転運動させた。
また、蒸着膜の膜厚は、ファイバー分光器を応用した光
学式膜厚モニターで透過スペクトルをモニターしながら
制御し、最終的に膜厚が85nmとなるようにした。こ
の膜厚は、高屈折率層が最もその効果を発揮するλ/4
n(λ:再生光波長,n:高屈折率層の実部屈折率)に
相当する。
【0060】次に、高屈折率層2上に可飽和吸収色素含
有層3をスピンコータ(ミカサ社製,商品名700L)
を用い最高回転数1000〜1500rpmて形成し
た。
【0061】スピンコート用の色素溶液は、ビス(トリ
−n−ヘキシルシロキシ)ケイ素ナフタロシアニン(S
INC)とポリビニルカルバゾール(PVK,アナン社
製)を、シクロヘキサノン(ANON)に、SINC:
PVK:ANON=1:10:300(重量比)なる組
成比で溶解させたものである。この色素溶液は、まずA
NONにPVKを添加し、攪拌,加熱を数時間行うこと
で溶解させ、その後SINCを添加し、超音波洗浄器に
て完全に溶解させ、調製した。なお、SINC,PV
K,ANONの構造式を化3〜化5にそれぞれ示す。
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】なお、スピンコート膜は、コート後、温度
80度の真空環境下、2時間放置することで溶媒を乾燥
させた。
【0066】最後に、この可飽和吸収色素含有層3上
に、Al反射層4を、真空蒸着装置(日電アネルバ社
製,商品名EVD500A)を用いて形成し、光記録媒
体を作成した。Al反射層の蒸着条件は以下の通りであ
る。
【0067】到達真空度3×10-4P 蒸着時真空度:1×10-3P 蒸着源の加熱:電子銃 蒸着源:純度99.99%のAl 蒸着レート:1〜2nm/s
【0068】なお、蒸着の間、基板は加熱せず、膜厚を
均一化するために蒸着源に回りを自公転運動させた。ま
た、蒸着膜の蒸着レートはクォーツ式の膜厚モニターに
て制御し、最終的に膜厚が400nmとなるようにし
た。
【0069】比較例1 可飽和吸収色素含有層3を形成するに際して、PVKの
代わりにポリメチルメタクリレート(PMMA,サイエ
ンティフィック・ポリマー・プロダクツ社製)を用いる
こと以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作成し
た。ポリメチルメタクリレートの構造式を化5に示す。
【0070】
【化6】
【0071】以上のようにして作成された2種の光記録
媒体に再生光を照射し、その照射パワーを上げていく
と、再生光スポットの焦点位置に相当する極小部分で反
射光量の増大が見られる。このとき反射光量は変化する
が照射光量は変化していないことから、この極小部で見
られる反射光量の増大は反射率の上昇によるものであ
り、可飽和吸収の発現,すなわち超解像性の発現を示唆
するものであると言える。
【0072】そこで、ここでは、再生光の照射パワーを
各種変化させて、極小部での反射率変化を調べること
で、超解像性の発現感度を検討した。反射率特性の調査
に用いた光学系の構成を図2に示す。
【0073】この光学系は、光記録媒体10の基板側に
対向してフォーカスレンズ11が配設され、このフォー
カスレンズ11側から1/4波長板12,偏光ビームス
プリッタ13,再生光源部14がこの順に設けられてな
るものである。なお、上記光記録媒体10は、ターンテ
ーブル(図示せず)上に載置され、ターンテーブルの操
作によって回転自在となされている。
【0074】この光学系では、再生光源部14から出射
されたレーザ光Lは、偏光ビームスプリッタ13,1/
4波長板12及びフォーカスレンズ11を透過して光記
録媒体10上に集光される。そして、光記録媒体10か
らの反射光Rは、フォーカスレンズ11,1/4波長板
12を介して偏光ビームスプリッタ13に到達し、ここ
で再生光より分割されてその先のフォトダイオード等の
受光素子(図示せず)により検出される。本実施例で用
いた装置条件を以下に示す。
【0075】再生光の波長:780nm 再生光の照射パワー:1〜5mW フォーカスレンズの開口数:0.53 光記録媒体の回転速度:4m/s
【0076】以上の光学系を用いて測定された再生光の
照射パワーと反射率の関係を図3に示す。なお、図3は
実施例1の光記録媒体,比較例1の光記録媒体の反射率
特性を併せて示すものである。
【0077】図3からわかるように、実施例1の光記録
媒体,比較例1の光記録媒体は、いずれも再生光の照射
パワーの増大に伴って反射率が増加する。しかし、その
変化の割合は、可飽和吸収色素含有層の高分子材料とし
てPVKを用いた実施例1の光記録媒体の方が、PMM
Aを用いた比較例1の比較記録媒体に比べて遙に大き
い。
【0078】例えば、実施例1の光記録媒体では、再生
光の照射パワーが0mWから3.8mWに増加すると、
反射率は2%から13%へと上昇する。一方、比較例1
の光記録媒体では、再生光の照射パワーが0mWから
4.8mWに増加しても、反射率は1.5%から9%ま
でにしか上昇しない。そして、反射率が8%にまで上昇
するのに必要な照射パワーで比較すると、実施例1の光
記録媒体では2mWで十分であるのに対して、比較例1
の光記録媒体では4mWを要する。
【0079】以上の結果は、実施例1の光記録媒体の方
が比較例1の光記録媒体よりも超解像性の発現感度が高
いことを示唆するものである。
【0080】このことから、超解像性の発現感度を向上
させるためには、PMMAよりもPVKで可飽和吸収色
素含有層を構成する方が有利であることがわかる。
【0081】また、これら光記録媒体で発現される超解
像性の再現性を評価するために、各種再生光パワーで再
生を10000回行い、再生1回目と再生10000回
目での反射率の変化量を調べた。再生光の照射パワーと
反射率の変化量の関係を図4に示す。
【0082】図4からわかるように、可飽和吸収色素含
有層の高分子材料としてPMMAを用いた比較例1の光
記録媒体では、再生パワーを1.2mW以上に上げると
再生1回目と再生10000回目とで反射率が大きく異
なるようになる。この反射率の変化量は再生パワーをさ
らに大きくすると、それに伴って急激に増大する。一
方、可飽和吸収色素含有層の高分子材料としてPVKを
用いた実施例1の光記録媒体では、再生パワーを1.5
mW以上に上げると再生1回目と再生10000回目と
で反射率に変化が見られるようになるが、その変化量は
僅かであり、再生パワーをさらに大きくしても比較例1
の光記録媒体程には反射率の変化量は増大しない。
【0083】このことから、可飽和吸収色素含有層の高
分子材料としてPVKを用いる光記録媒体で発現される
超解像性は、再生操作の繰り返しに対して極めて安定で
あり、再現性が高いことがわかる。
【0084】次に、上記光記録媒体について、実際に信
号再生を行い、C/N比を比較した。なお、信号再生は
反射率の測定に用いたのと同じ光学系を用い、再生光の
照射パワーを各種変化させて行った。
【0085】上記光学系のカットオフ周期λ/2NAは
0.736μmであり、本実施例で形成したピットのピ
ット長0.3μm,ピット周期0.6μmに比べて大き
い。したがって、この場合、ピットの記録パターンは、
光記録媒体に超解像性が発現されないとキャリア信号が
得られない。
【0086】信号再生の結果、可飽和吸収色素含有層の
高分子材料としてPVKを用いた実施例1の光記録媒体
では、2.5mWの再生パワーで40dB以上のC/N
比が得られるのに対して、PMMAを用いた比較例1の
光記録媒体では、再生パワーを4mWにまで上げないと
40dBのC/N比が得られなかった。因みに、実施例
1の光記録媒体を2.5mWの再生パワーで信号再生し
た場合の、再生信号出力スペクトルを図5に示す。
【0087】以上のことから、PVKで可飽和吸収色素
含有層を構成すると、超解像性の発現感度が向上し、再
生パワーを低く設定した場合でも、高いC/N比で超解
像再生がなされるようになることがわかる。
【0088】ところで、可飽和吸収色素含有層の高分子
材料としてPVKを用いると、超解像性の発現感度が向
上する。
【0089】しかし、このPVKを用いた光記録媒体に
対して、照射パワーを3〜4mWにして再生光の照射を
続けると、レーザノイズのレベル上昇が観測されるよう
になる。この現象を解明するために、そのノイズレベル
の上昇に至った信号面をクロスニコルの偏光条件で再生
走査したところ、明るく見られる部分があり、この部分
で複屈折性または直線2色性が誘起され、その主軸方向
は、ディスクの円周,半径方向またはレーザの走査方向
であることが判断された。
【0090】この複屈折性,直線2色性の発生は、再生
光を照射したときに、可飽和吸収色素含有層のPVKが
ガラス転移し、この際に、可飽和吸収色素分子が直鎖状
のコンフォメーションをとるポリビニルカルバゾールの
配列により配向することが原因であると考えられる。
【0091】そこで、高分子材料のガラス転移が起き難
ければ、このような可飽和吸収色素分子の配向が抑えら
れるとの発想から、PVKにガラス転移温度の高いポリ
マー,ポリアセナフチレン(サイエンティフィック・ポ
リマー・プロダクツ社製,#266;Tg=214℃)
を混合し、この混合物を可飽和吸収色素含有層の高分子
材料として光記録媒体を作成した。なお、この混合物を
高分子材料とする可飽和吸収色素含有層は、PVK50
重量部,ポリアセナフチレン50重量部,SINC15
重量部をシクロヘキサノンに溶解させた色素溶液をスピ
ンコートすることで形成した。このこと以外は実施例1
と同様の製造工程である。
【0092】そして、作成された光記録媒体について、
上記光学系を用いて、各種照射パワーで再生光の照射を
続けて行い、レーザノイズの発生状況及び信号面の複屈
折性,直線2色性を調べた。その結果、レーザノイズ
は、照射パワーを9mWにまで上げても上昇せず、再生
走査部分に複屈折性,直線2色性は認められなかった。
一方、信号再生では45dB以上のC/N比が得られ
た。
【0093】このことから、PVKを用いる場合に、ガ
ラス転移温度の高いポリマーを混合すると、再生の繰り
返しによるレーザノイズのレベル上昇が抑えられ、再生
可能回数の大幅な向上が実現することがわかった。
【0094】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光記録媒体は、ピットが情報信号に対応した記録パ
ターンで形成された透明基板上に、可飽和吸収色素と高
分子材料よりなる可飽和吸収色素含有層が形成されてな
り、上記可飽和吸収色素は再生光の波長における分子吸
光係数εが104 ≦ε、緩和時間τが1ns≦τ≦10
0nsであり、上記高分子材料はカルバゾール基を有す
るポリマーを含有するので、超解像性の発現感度が高
く、再生パワーを低く設定した場合でも、高いC/N比
で超解像再生がなされる。
【0095】したがって、本発明によれば、再生光の短
波長化,フォーカスレンズの開口数NAの増大化,信号
復調方式の変更等の大幅な変更を装置側に施すことな
く、例えば現行の4倍程度の記録情報量を同サイズの光
記録媒体に収めることが可能になる。
【0096】また、装置側にこれらの高密度記録化技術
を適用すれば、光記録媒体への記録密度を現状の数10
倍に高めることができる。その結果、例えばデジタルビ
デオディスク,ハイビジョン用のビデオディスクをCD
サイズで構成することも可能となり、工業的に極めて有
用であると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光記録媒体の一構成例を示す
要部概略断面図である。
【図2】本発明の光記録媒体の反射率特性及び再生特性
を調査するのに用いた光学系の構成を示す模式図であ
る。
【図3】光記録媒体について、再生光の照射パワーと、
反射率の関係を示す特性図であるある。
【図4】光記録媒体について、再生光の照射パワーと、
再生1回目と再生10000回目での反射率の変化量の
関係を示す特性図である。
【図5】光記録媒体の再生信号出力スペクトルを示す特
性図である。
【符号の説明】
1 基板 2 高屈折率層 3 可飽和吸収色素含有層 4 反射層 5 ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 眞一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピットが情報信号に対応した記録パター
    ンで形成された透明基板上に、可飽和吸収色素と高分子
    材料よりなる可飽和吸収色素含有層が形成されてなり、 上記可飽和吸収色素は、再生光の波長における分子吸光
    係数εが104 ≦ε、緩和時間τが1ns≦τ≦100
    nsであり、 上記高分子材料は、カルバゾール基を有するポリマーを
    含有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 高分子材料中のカルバゾール基を有する
    ポリマーの含有量が50重量%以上であることを特徴と
    する請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 可飽和吸収色素は、ナフタロシアニン系
    色素であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 カルバゾール基を有するポリマーが、ポ
    リビニルカルバゾールであることを特徴とする請求項1
    記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 高分子材料は、ポリビニルカルバゾール
    と、当該ポリビニルカルバゾールに対して相溶性を有し
    且つガラス転移温度が150℃以上の高ガラス転移温度
    ポリマーの混合物であることを特徴とする請求項1記載
    の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 高ガラス転移温度ポリマーは、ポリアセ
    ナフチレンであることを特徴とする請求項5記載の光記
    録媒体。
  7. 【請求項7】 可飽和吸収色素含有層の厚さが、再生光
    の光強度に対して干渉による反射光強度を略極小とする
    厚さであることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれ
    か記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 可飽和吸収色素含有層上に、空気界面に
    おける反射率が70%以上の反射層が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項7いずれか記載の光記
    録媒体。
  9. 【請求項9】 可飽和吸収色素含有層と透明基板の間
    に、実部屈折率が当該可飽和吸収色素含有層と透明基板
    よりも低い低屈折率層が設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜請求項8いずれか記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 可飽和吸収色素含有層と透明基板の間
    に、実部屈折率が当該可飽和吸収色素含有層と透明基板
    よりも高い高屈折率層が設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜請求項8いずれか記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 可飽和吸収色素含有層と透明基板の間
    に、屈折率が当該可飽和吸収色素含有層と透明基板より
    も低い低屈折率層と、屈折率が当該可飽和吸収色素含有
    層と透明基板よりも高い高屈折率層が交互に積層された
    多層膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜請
    求項8いずれか記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 低屈折率層または高屈折率層の厚さ
    が、略(2m−1)λ/4n(但し、λは再生光の波
    長,nは低屈折率層または高屈折率層の実部屈折率,m
    は任意の正の整数である)であることを特徴とする請求
    項9〜請求項11いずれか記載の光記録媒体。
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