JP3068420B2 - 光学的情報記録媒体の再生方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体の再生方法

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JP3068420B2
JP3068420B2 JP6280204A JP28020494A JP3068420B2 JP 3068420 B2 JP3068420 B2 JP 3068420B2 JP 6280204 A JP6280204 A JP 6280204A JP 28020494 A JP28020494 A JP 28020494A JP 3068420 B2 JP3068420 B2 JP 3068420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報記録媒体及びその再
生方法に係り、特にレーザ光を用いて情報を再生する書
き換え型、追記型あるいは再生専用型の情報記録媒体及
びその再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の情報記録媒体及びその再生
方法の一例を説明する図である。同図(B)に示すよう
に、この従来の情報記録媒体1は円盤状の透明基板2上
にレジスト3、反射膜4及び紫外線硬化樹脂5が順次に
積層された構成とされており、レジスト3に記録情報に
応じて断続するピットの列、すなわち凹部と凸部の繰り
返しが形成された、コンパクトディスク−リード・オン
リ・メモリ(CD−ROM)などの再生専用型の光ディ
スクである。
【0003】この従来の情報記録媒体1の既記録情報の
再生時には、図9(B)に示すように、光学ヘッド6内
の対物レンズ7によりレーザ光源(図示せず)よりのレ
ーザビーム8を透明基板2を介してレジスト3に合焦す
る。これにより、反射膜4には図9(A)に示す如く直
径Dで、光軸に垂直な面に対してガウシアン分布を示す
光強度の光スポットが形成される。この光スポットの反
射光の光強度がレジスト3の凹部と凸部とで変化するた
め、この反射光の光強度の変化を検出することにより、
既記録情報を再生することができる。
【0004】このような情報記録媒体1では、近年ます
ます高密度化が要求されており、そのための技術の一つ
として光スポットの直径(スポット径)Dを小さくする
技術が従来より知られている。例えば、光源からの光を
平行光にした後、この光路中に遮蔽板あるいはV字形の
プリズムを置くことで、光ディスク上には回折パターン
が現れ、中央に現れるスポット径は光源の波長で決まる
スポット径よりも20%小さくなり、記録密度が1.5
倍となる超解像ヘッド技術がある。
【0005】この超解像ヘッド技術を用いた情報記録媒
体として、光磁気ディスクやMUSE方式レーザディス
ク用の光ディスクについて次の文献1〜文献3に記載が
ある。ここで文献1:”High Density Optical Recordi
ng by Superresolution",International Symposium on
Optical Memory 1989 Technical Digest,27D-17,pp.99-
100,Sept.1989。文献2:「超解像光ヘッドによる高密
度光磁気ディスクの再生C/N特性」,『第39回応用
物理学関係連合講演会講演予稿集No.3』,31p-L-6,
p.1002,1992年3月。文献3:"High Density Video Disc Us
ing Superresolution and Green Laser",International
Symposium on Optical Memory and Optical Data Stor
age '93,Tul.4,July 1993。
【0006】また、従来の情報記録媒体には位相差を利
用して既記録情報が再生される光媒体があり、そのピッ
ト形成記録媒体として、Pb−Te−Se膜(M.Terao,
et al.:J.Appl.Phys.,62(3),1029(1987).)、Te−T
i−Ag−Se膜、Te−C膜(市原勝太郎、大川秀
樹:エレクトロニク・セラミックス,11月号,p.5(19
87). M/Mashita,N.Yasuda:Proc.SPIE,329,p190(198
2).)、CS2−Te膜(H.Yamazaki,et al.:Rev.Elect
r.Commun.Lab.,32,260(1984))が知られている。また、
有機記録膜として、特開昭62−119755号公報に
開示された技術がすでに商品化されている。
【0007】更に、光スポット径を小さくすることによ
り記録密度を高密度化する従来の情報記録媒体として、
低照度の光ビームに対しては光透過率が低く、高照度の
光ビームに対しては光透過率が高くなる光透過率特性を
有する光制御膜を、透明基板と記録膜又は反射膜との間
に設けた情報記録媒体も従来より知られている(特開平
6−44609号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の位相
差を利用して再生信号を得る従来の情報記録媒体におい
ては、超解像光学系の再生ビームの回折パターン中心部
のメインローブ成分と回折パターン円周部のサイドロー
ブ成分とが媒体面上のピット(記録部)により位相変調
を受けることで、メインローブ成分とサイドローブ成分
とが干渉し合い、再結像点でのビームプロファイルが変
化してピンホールやスリット通過後の再生信号に位相パ
ターン依存性のあるエッジシフトが起こるため、再生信
号に歪みが生じ、ジッタ値が増加するという問題点があ
る。
【0009】また、上記の光制御膜を設けた従来の情報
記録媒体においては、光制御膜が光ビームの照度に応じ
て光透過率が変化するため、反射光の光量が減少し、再
生信号の劣化が生じ、また、トラックサーボがかかりに
くいという欠点を有する。
【0010】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
再生時のサイドローブ成分のメインローブ成分への影響
を減少し、かつ、反射光中心と周辺部分とで光量変化の
無い情報記録媒体及びその再生方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の情報記録媒体は、透明基板上方の記録膜の形
状変化若しくは特性変化を利用して情報をレーザビーム
により記録し、これを再生する書き換え型、追記型の光
学的情報記録媒体、あるいは形状変化により記録膜に記
録されている情報をレーザビームにより再生する再生専
用型の光学的情報記録媒体において、透明基板と記録膜
との間に、所定光強度より大なる光強度のレーザビーム
に対する屈折率の変化が、所定光強度以下の光強度のレ
ーザビームに対する屈折率の変化より大であり、所定光
強度以下の光強度のレーザビームに対して、記録部と未
記録部の反射光の位相差と反射率差が、所定光強度より
大なる光強度のレーザビームに対するそれよりも小であ
る、少なくとも一層以上の非線形屈折率特性を有する光
調整膜を設けたものである。
【0012】また、本発明の光調整膜は、次式
【0013】
【化2】 で表されるポリ−(2、5−チェニレンビニレン)を用
いることが、使用波長範囲が広く、高速応答性を有し、
かつ、動作入力光強度が小さいので実用に供して望まし
い。
【0014】また、本発明の情報記録媒体の再生方法で
は、透明基板上方の情報面上の記録膜の形状変化若しく
は特性変化を利用して記録された情報をレーザビームに
より再生する書き換え型、追記型の光学的情報記録媒
体、あるいは形状変化により記録膜に記録されている情
報をレーザビームにより再生する再生専用型の光学的情
報記録媒体の再生方法において、透明基板と記録膜との
間に設けられた上記の光調整膜により、再生時に記録膜
の形状変化若しくは特性変化により生じる、反射率、吸
収率、透過率及び記録部と未記録部の位相差とを調整
し、光調整膜が情報面の焦点深度内に位置するようにし
て再生することにより、上記の目的を達成する。
【0015】
【作用】本発明では、非線形光学効果の一つである非線
形屈折率効果を有する光調整膜を透明基板と記録膜との
間に設けることにより、記録レーザビームのスポット径
を実質的に小径化することができ、また、超解像光学系
による再生時のサイドローブ成分のメインローブ成分へ
の影響を大幅に減少させることができる。
【0016】 ここで、上記の非線形光学効果とは、物
質に光が入射した時の当該物質の電気分極を、次の一般
式 χ(1)E+χ(2)+χ(3)+・・・ で表したときに、第2項以降で表される効果をいう。こ
こで、χ(i)はi次の電気感受率、Eは光の電界強度
である。特に、第2項による第2次高調波発生(SH
G)や第3項による第3次高調波発生(THG)は変換
効果としてよく知られているが、第3項はまた、光強度
に応じた光学定数の変化、例えば非線形屈折率効果や非
線形吸収効果を与えるものとして重要である。例えば、
非線形屈折率効果は物質の屈折率nが入射光強度に依存
して変化するものであり、n=n+nIで記述され
る。ここで、nは定数、nは非屈折率係数である。
【0017】次に、光調整膜の作用について説明する。
情報記録媒体に適用される記録・再生用光ビームとして
は、一般的にレーザビームが用いられる。レーザビーム
の光強度分布は、前記したように光軸に垂直な面に対し
てガウシアン分布になっており、中心部が強く、周辺部
に至るに従って弱くなる。かかる光強度分布を有するレ
ーザビームを、情報記録媒体の情報面の焦点深度内に前
記非線形屈折率効果を有する光調整膜が設けられた情報
記録媒体に透明基板側から照射すると、前記所定光強度
以下の低照度レーザビームが照射されている周辺部は屈
折率の変化を殆ど発生しないため、光調整膜の膜厚調整
により記録部と未記録部の位相差が無くなり、再生信号
として検出されなくなり、中央部の前記所定光強度より
大なる高照度のレーザビームが照射されている光調整膜
のみが屈折率変化を生じ、記録部と未記録部に反射率と
位相差が発生し、再生信号として検出が可能となる。こ
のような作用は反射率差あるいは位相差を用いて再生を
行うすべての情報記録媒体にあてはまる。
【0018】つぎに、光調整膜を有する情報記録媒体を
超解像光学系で再生したときの作用について説明する。
光ヘッド内の対物レンズの中心部を遮光するか、あるい
は対物レンズの中心部を透過する光の位相を対物レンズ
の周辺部を透過する光の位相よりも早めると、記録膜又
は反射膜上に合焦されるレーザビームの半値幅径を小さ
くすることができる。
【0019】このようにして小径化されたレーザビーム
を前記光調整膜を有する本発明情報記録媒体に照射する
ことによって、記録膜又は反射膜上に照射されるスポッ
ト径のより一層の小径化を達成できる。なお、対物レン
ズ中心を遮光するか、あるいは対物レンズ中心部を透過
する光の位相を対物レンズの周辺部を透過する光の位相
よりも早めると、小径化されたメインローブの周辺にサ
イドローブが発生するが、サイドローブの光強度はメイ
ンローブの光強度に比べて格段に小さいので、光調整膜
に屈折率変化が実質的に発生しない。
【0020】
【実施例】次に、本発明の各実施例について説明する。
図1は本発明になる情報記録媒体及びその再生方法の第
1実施例の説明図を示す。同図中、図9と同一構成部分
には同一符号を付してある。図1(B)の断面図に示す
ように、本実施例の情報記録媒体10は、透明基板2上
に光調整膜11、記録膜12、反射膜4及び紫外線硬化
樹脂5が順次に積層された構成であり、前記レジスト3
に相当する記録膜12に記録情報に応じて断続するピッ
トの列、すなわち凹部と凸部の繰り返しが形成された再
生専用型の光ディスクである。
【0021】透明基板2は、例えばガラスなどの透明セ
ラミックや、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリ
レート、ポリネチルペンテン、エポキシなどの透明樹脂
材料を用いて、ディスク状あるいはカード状などの所望
の形状に形成されるが、ここでは一例としてディスク状
であるものとしている。
【0022】 光調整膜11は、図2に示すように、光
強度Ib以下の低照度のレーザビームに対しては屈折率
が光強度に依存して増加し、光強度Ibより大なる高照
度のレーザビームに対しては上記低照度のレーザービー
ムの屈折率変化よりも大なる増加率で屈折率が光強度に
比例して増加する非線形屈折率特性を有する。このよう
な非線形屈折率特性を有する光調整膜11としては、前
記の化1で示した式で表されるポリ−(2、5−チェニ
レンビニレン)(略称PTV)や、分子回転非線形効果
(光電界に応じた分子の回転配列により屈折率が光強度
依存性を示す)を作動原理とする非線形光学液体の二硫
化炭素(CS)を満たしたガラスセル、非線形屈折率
効果が純粋に電子分極に由来するポリジアセチレンビス
ー(パラトルエンスルホネート)(略称PTS)などが
存在する。
【0023】特に、PTVはアモルファス構造を持つ導
電性ポリマ材料として既に知られており、使用波長範囲
が広く、高速応答性を有し、かつ、動作入力光強度が小
さい実用に供し得る高性能非線形光学材料で、光調整膜
11に適している。
【0024】 次に、PTVによる光調整膜11の作成
方法について説明する。まず、2,5−チニレンビス
(ジメチルスルホニウム)ジクロライドを0℃条件下で
アルカリ水溶液で処理した後、メタノール−水混合溶液
中で0.3モルのテトラメチル水酸化アンモニウムを加
え、−30℃条件下で攪拌しポリマ化した。得られた黄
色の沈殿物を採取し、ジクロロメタンに溶解させた後、
これをスピンコーティング法により石英ガラス基板上に
フィルム化し、風乾した。最後にこれを200〜250
℃、5時間、10−2Torrの真空下で加熱すること
により、重合度n=1000からn=10000の光学
品質に優れたPTV光調整膜11を得ることができる。
【0025】次に図1(B)に示した記録膜12は、書
換型、追記型、あるいは再生専用型の情報記録媒体の情
報記録層として形成されるものであって、公知に属する
任意の材質からなるものを用いることができる。一方、
反射膜4は書換型、追記型、再生専用型の情報記録媒体
の記録膜面上に積層されるものであって、公知に属する
任意の材質からなるものを用いることができる。
【0026】この情報記録媒体10の既記録情報の再生
には、図1(B)に示すように、光学ヘッド6内の対物
レンズ7によりレーザ光源(図示せず)よりのレーザビ
ーム8を透明基板2を介して記録膜12又は反射膜4に
合焦する。光学ヘッド6はレーザ光源として半導体レー
ザを備え、オートフォーカス用のアクチュエータを備え
た従来より公知の構成のものがそのまま適用される。
【0027】次に、この情報記録媒体10の既記録情報
の再生動作について説明する。対物レンズ7により回折
限界まで絞られたレーザビーム8は、透明基板2を透過
し光調整膜11を介して記録膜12又は反射膜4上に合
焦される。これにより、反射膜4には図1(A)に示す
如く、光軸に垂直な面に対してガウシアン分布を示す光
強度の光スポットが形成される。この光スポットの反射
光の光強度が記録膜12の凹部と凸部とで変化するた
め、この反射光の光強度の変化を検出することにより、
既記録情報を再生することができる。
【0028】ここで、前記したように、光調整膜11は
光強度がIb以下の低照度レーザビームに対しては屈折
率の変化が小さいため、レーザビーム8の周辺部の光強
度がIb以下の部分は光調整膜11の屈折率に対して実
質的に影響を及ぼさない。一方、レーザビーム8の中央
部の光強度がIbより大なる部分は、光調整膜11の屈
折率を高めた後、記録膜12又は反射膜4に達する。
【0029】光調整膜11の屈折率変化によって情報記
録媒体10の光学特性(反射率、吸収率、透過率、位
相)が光強度Ibを境界として変化する。従って、予め
情報記録媒体10の光学設計条件を光調整膜11の屈折
率変化のない状態において記録部(例えば凹部)と未記
録部(例えば凸部)との光学特性(反射率、吸収率、透
過率、位相)がほぼ同等となるように設定し、かつ、光
調整膜11の屈折率変化が発生した状態で、光学特性
(反射率、吸収率、透過率、位相)に違いが生じるよう
に設定しておくことにより、光強度Ibより大である範
囲の光調整膜11を透過した光により再生信号が検出可
能となる。
【0030】従って、再生信号の検出が可能となる光強
度がIbより大である光スポット部分は、図1(A)に
示したようにスポット径がD2であり、実際の光スポッ
ト径のD1よりも小径の範囲で再生信号の検出ができ、
スポット径を小径化したのと同等の効果が得られる。こ
れにより、従来よりも高密度に記録された情報記録媒体
に対しても、既記録情報を再生することができる。
【0031】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図3は本発明になる情報記録媒体及びその再生方法
の第1実施例の説明図を示す。同図中、図1と同一構成
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図3
(B)の断面図に示すように、本実施例の情報記録媒体
10は、図1(B)に示した情報記録媒体10と同一構
造の再生専用型の光ディスクである。
【0032】本実施例は再生方法が第1実施例と異な
る。すなわち、本実施例は、光学ヘッド13が対物レン
ズ7の光入射側の中央部に、不透明な遮光板14を配置
した構成である点に特徴がある。このように、対物レン
ズ7の光入射側の中央部に遮光板14を披着してレーザ
ビーム8を遮光すると、記録膜12又は反射膜4に合焦
するレーザビーム8の光強度分布として、図3(A)に
実線で示すように、遮光板14が設けられていない場合
の同図(A)に破線で示す光強度分布よりもスポット径
がD3で示すように小さなメインローブ8aが対物レン
ズ7の中心部を通る光軸上に形成され、また、その周辺
部にメインローブ8aよりも光強度が小さなサイドロー
ブ8b及び8cが発生する。
【0033】従って、メインローブ8aのピーク値より
も低く、サイドローブ8b及び8cのピーク値よりも高
い光強度をしきい値Ibとする光調整膜11を透明基板
2と記録膜12との間に設けた情報記録媒体10を用い
ることにより、前記した光調整膜11の非線形屈折率効
果と情報記録媒体の光学設計の効果により、記録膜12
又は反射膜4上に照射されるスポット径をより一層小径
化することができ、第1実施例よりもなお一層の高密度
化が可能となる。
【0034】次に、本発明の情報記録媒体の第2実施例
について説明する。図4は本発明になる情報記録媒体の
第2実施例を従来の情報記録媒体の一例と対比して示す
断面図である。同図(A)は本発明の情報記録媒体の第
2実施例の断面図で、情報記録媒体20は透明基板21
上に、光調整膜22、下地保護膜23、記録膜24、光
干渉保護膜25、反射膜26及び紫外線硬化樹脂27が
順次に積層された構造である。
【0035】本実施例は図4(B)に示す従来の情報記
録媒体と比較すると、透明基板21と下地保護膜23と
の間に光調整膜22が設けられている点に特徴がある。
本実施例は記録膜23に情報を相状態の変化として記録
する、書き換え型の一例の相変化型情報記録媒体で、例
えば透明基板21がポリカーボネートにより1.2mm
の膜厚で、光調整膜22はPTVにより50nmの膜厚
で、下地保護膜23はZnS−SiOにより140n
mの膜厚で、記録膜24はGeSbTeにより2
0nmの膜厚で、光干渉保護膜25はZnS−SiO
により100nmの膜厚で、反射膜26はAlにより6
0nmの膜厚で、更に紫外線硬化樹脂27は50μmの
膜厚でそれぞれ形成されている。
【0036】光調整膜22は図1及び図3に示した光調
整膜11と同様に、図2に示した光強度対屈折率特性を
有している。なお、図4(B)に示す従来のZnS−S
iO光干渉保護膜25の膜厚は20nmである。
【0037】次に、この図4(A)に示した情報記録媒
体20の光調整膜22の膜厚変化に対する記録部と未記
録部との反射率と位相差の変化の各例について説明す
る。まず、図5は情報記録媒体20において低照度のレ
ーザビームの照射により屈折率変化が低い状態のPTV
光調整膜22の膜厚変化に対する、記録膜24の記録部
(アモルファス)と未記録部(結晶)の反射率と位相差
の変化を、680nmのレーザビームの波長における光
学計算結果を示す。
【0038】図5において、破線Iは未記録部の反射
率、実線IIは記録部の反射率、+は記録部と未記録部の
位相差を示す。同図からわかるように、本実施例では低
照度のレーザビームに対して、光調整膜22の膜厚によ
らず、記録部と未記録部の反射率が45%と差異がな
く、位相差も約10°と低くできる。
【0039】図6は情報記録媒体20において高照度の
レーザビームの照射により屈折率変化が高い状態のPT
V光調整膜22の膜厚変化に対する、記録膜24の記録
部(アモルファス)と未記録部(結晶)の反射率と位相
差の変化を、680nmのレーザビームの波長における
光学計算結果を示す。
【0040】図6において、破線IIIは未記録部の反射
率、実線IVは記録部の反射率、+は記録部と未記録部の
位相差を示す。同図からわかるように、本実施例では高
照度のレーザビームに対して、光調整膜22の膜厚が3
0[nm]≦d(PTV)≦60[nm]にかけて、記
録部と未記録部の反射率差が約20%存在し、位相差も
約10°と低くでき、再生信号として検出が可能であ
る。
【0041】図7は情報記録媒体20において、ZnS
−SiO光干渉保護膜25の膜厚を150nmとした
とき、低照度のレーザビームの照射により屈折率変化が
低い状態のPTV光調整膜22の膜厚変化に対する、記
録膜24の記録部(アモルファス)と未記録部(結晶)
の反射率と位相差の変化を、680nmのレーザビーム
の波長における光学計算結果を示す。
【0042】図7において、破線Vは未記録部の反射
率、実線VIは記録部の反射率、+は記録部と未記録部の
位相差を示す。同図からわかるように、本実施例では低
照度のレーザビームに対して、光調整膜22の膜厚によ
らず、記録部と未記録部の反射率が約60%と差異がな
く、位相差も約6°と低くできる。
【0043】図8は情報記録媒体20において、ZnS
−SiO光干渉保護膜25の膜厚を150nmとした
とき、高照度のレーザビームの照射により屈折率変化が
高い状態のPTV光調整膜22の膜厚変化に対する、記
録膜24の記録部(アモルファス)と未記録部(結晶)
の反射率と位相差の変化を、680nmのレーザビーム
の波長における光学計算結果を示す。
【0044】図8において、破線VIIは未記録部の反射
率、実線VIIIは記録部の反射率、+は記録部と未記録部
の位相差を示す。同図からわかるように、本実施例では
高照度のレーザビームに対して、光調整膜22の膜厚が
70[nm]≦d(PTV)≦90[nm]にかけて、
記録部と未記録部の反射率差が約20%存在し、位相差
も約6°と低くでき、再生信号として検出が可能であ
る。
【0045】なお、本発明は以上の実施例に限定される
ものではなく、1回のみ記録ができ、再生は繰り返しで
きる追記型の情報記録媒体、書き換え型情報記録媒体の
一例である情報を磁化の方向の変化として記録する光磁
気記録媒体などにも適用することができる。また、光調
整膜11、22は2層以上の構成でもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光調整膜により、所定光強度以下の低照度レーザビーム
が照射されている周辺部は屈折率の変化を殆ど発生しな
いため、記録部と未記録部の位相差が殆ど無くなり、再
生信号として検出されず、所定光強度より大なる高照度
のレーザビームが照射されている中央部は屈折率変化を
生じて、記録部と未記録部に反射率と位相差が発生する
ため、再生信号として検出でき、従って、レーザビーム
を照射することにより記録膜上のスポット径を実質的に
小径化でき、これにより記録密度を高密度化できる。
【0047】また、本発明によれば、光ヘッド内の対物
レンズの中心部を遮光するか、あるいは対物レンズの中
心部を透過する光の位相を対物レンズの周辺部を透過す
る光の位相よりも早めて、記録膜又は反射膜上に合焦さ
れるレーザビームの半値幅径を小さくすることにより、
記録膜又は反射膜上に照射されるスポット径のより一層
の小径化を達成できる。
【0048】また、本発明によれば、対物レンズ中心を
遮光するか、あるいは対物レンズ中心部を透過する光の
位相を対物レンズの周辺部を透過する光の位相よりも早
めたときに、小径化されたメインローブの周辺に発生す
るサイドローブは、光調整膜により記録部と未記録部の
位相差を減少されるためにメインローブへの影響を大幅
に低減させることができ、よって記録密度の高密度化を
実現できる。
【0049】更に、本発明によれば、光調整膜は屈折率
を照度に応じて変化させている構成であり、従来の情報
記録媒体のような光制御膜が光ビームの照度に応じて光
透過率が変化するものではないため、反射光の光量が減
少することはなく、よって再生信号の劣化が生じたり、
トラックサーボがかかりにくいという不具合を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体及び再生方法の第1実施
例の説明図である。
【図2】本発明の要部の光調整膜の一例の特性図であ
る。
【図3】本発明の情報記録媒体の第1実施例及び再生方
法の第2実施例の説明図である。
【図4】本発明の情報記録媒体の第2実施例と従来の情
報記録媒体とを対比して示す断面図である。
【図5】低照度のレーザビームに対するPTV光調整膜
の膜厚と反射率及び位相差との関係の一例を示す特性図
である。
【図6】高照度のレーザビームに対するPTV光調整膜
の膜厚と反射率及び位相差との関係の一例を示す特性図
である。
【図7】低照度のレーザビームに対するPTV光調整膜
の膜厚と反射率及び位相差との関係の他の例を示す特性
図である。
【図8】高照度のレーザビームに対するPTV光調整膜
の膜厚と反射率及び位相差との関係の他の例を示す特性
図である。
【図9】従来の情報記録媒体及び再生方法の一例の説明
図である。
【符号の説明】
2、21 透明基板 4、26 反射膜 5、27 紫外線硬化樹脂 6、13 光学ヘッド 7 対物レンズ 8 レーザビーム 8a メインローブ 8b、8c サイドローブ 10 第1実施例の情報記録媒体 11、22 光調整膜 12、23 記録膜 20 第2実施例の情報記録媒体 23 下地保護膜 25 光干渉保護膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上方の記録膜の形状変化若しく
    は特性変化を利用して情報をレーザビームにより記録
    し、これを再生する書き換え型、追記型の光学的情報記
    録媒体、あるいは形状変化により再生する再生専用型の
    光学的情報記録媒体の再生方法において、前記透明基板と前記記録膜との間に、 所定光強度より大なる光強度の前記レーザビームに対す
    る屈折率の変化が、該所定光強度以下の光強度の該レー
    ザビームに対する屈折率の変化より大であり、 該所定光強度以下の光強度の前記レーザビームに対して
    は、記録部と未記録部との反射光の位相差と反射率差が
    小となり、且つ、 該所定光強度より大である光強度の前記レーザビームに
    対しては、前記記録部と前記未記録部との反射光の位相
    差が小となるとともに、反射率差が、再生信号を検出可
    能な程度に存在するような非線形屈折率特性を有するよ
    うに調整された少なくとも一層以上の光調整膜を設け、 前記レーザビームを透明基板より入射して前記記録膜上
    に合焦させる光ヘッド内の対物レンズ中心を遮光する
    か、あるいは該対物レンズ中心部を透過する光の位相を
    該対物レンズの周辺部を透過する光の位相よりも早める
    ことで、レーザビーム径を絞った光学系(超解像光学
    系)により再生することを特徴とする特徴とする光学的
    情報記録媒体の再生方法。
  2. 【請求項2】前記光調整膜は、 【化1】 で表されるポリ−(2,5−チニレンビニレン)を用
    いることを特徴とする請求項1記載の光学的情報記録媒
    体の再生方法。
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