JPH0731934Y2 - 放電加工機のワーク取付治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば、ワイヤー放電加工機で金型を放電加
工する前工程の被加工物（以下、単にワークという）の
水平基準面及び垂直基準面を測定しながらワークを把持
治具に取付けて固定する放電加工機のワーク取付治具に
関する。

（従来の技術） 既に提案されたワイヤー放電加工機は、第４図に示され
るようにして構成されている。

即ち、第４図において、ワイヤー放電加工機おける機枠
１の上部には、ワイヤー電極ａを巻装したリール２が設
けられており、このリール２のワイヤー電極ａは各案内
ローラ３、４を介して一対の供給ローラ５へ掛け渡され
ている。又、この供給ローラ５の下位の上記機枠１に
は、上部ガイド６がワイヤー電極ａを下方へ案内するよ
うにして付設されており、この上部ガイド６の直下の上
記機枠１には、一対の案内レール７が水平に敷設されて
いる。さらに、この案内レール７には、移動テーブル８
がＸ軸方向とＹ軸方向へ移動できるようにして設けられ
ており、この移動テーブル８には、ワーク取付治具９と
一体をなすワークが着脱自在に載置されるようになって
いる。さらに又、上記上部ガイド６の直下の上記移動テ
ーブル８には、下部ガイド10及び一対の排出ローラ11が
設けられており、上記上部ガイド６と下部ガイド10及び
各排出ローラ11との間には上記ワイヤー電極ａが垂直に
して張設されている。

従って、上述したワイヤー放電加工機は、上記移動テー
ブル８に載置されたワーク取付治具９と一体をなすワー
クＷを上記ワイヤー電極ａに電圧を印加することにより
コロナ放電し、これによりワークＷに仕上げ加工等を施
すようになっている。

一方、ワーク取付治具９と一体をなすワークＷは、第２
次加工を開始するものであるから、正確に垂直面と水平
面を出してから研削加工を施さなければならない。

即ち、第５図乃至第７図において、四角形をなす扁平な
定盤12上には、第１スペーサ13と第２スペーサ14とが直
交して設けられており、この第１スペーサ13と第２スペ
ーサ14との各上面には、第１取付ベース15と第２取付ベ
ース16とがそれぞれ固定されている。又、第１取付ベー
ス15と第２取付ベース16との各内側面は、第１垂直基準
面15aと第２垂直基準面16aとを形成しており、この第１
垂直基準面15aと第２垂直基準面16aには、ワークＷを固
定して保持する万力（バイス）17を備えた把持治具18が
各爪付き締付け金具19で着脱自在に取付られている。

特に、上記把持治具18の万力（バイス）17で固定される
ワークＷは、放電加工機で金型を放電加工する前に水平
基準面Wa及び垂直基準面Wbを測定しながら取付けて固定
される関係上、第６図に示される周知の三次元測定装置
20の測定ゲージ21で測定しながらワーク取付治具９に取
付けて固定している。

即ち、この三次元測定装置20は、扁平な定盤22の両側に
一対のガイドレール23を敷設し、この両ガイドレール23
上に門形をなす可動枠体24を前後方向へ摺動自在に設
け、この可動枠体24の上部に一対のガイドレール25を敷
設し、この両ガイドレール25上に移動体26を左右方向へ
摺動するように設け、この移動体26に上記測定ゲージ21
を昇降自在に設けて構成したものである。

従って、第５図に示されるように、予め、上記三次元測
定装置20は、上記把持治具18の万力17で固定されたワー
クＷを放電加工機で放電加工する前に、上記定盤12上に
載置して、上記測定ゲージ21で上記ワークＷの水平基準
面Wa及び垂直基準面Wbを測定しながらワーク取付治具９
に取付けて固定する。しかる後、第７図に示されるよう
に、放電加工機の上記移動テーブル８に載置して放電加
工による研削作業をするようになっている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述した放電加工機に使用される三次元
測定装置20は、取扱い操作が面倒であるばかりでなく、
高密度の測定機器であるため、高価であり、衝撃や振動
等により測定誤差の発生に問題がある。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたものであっ
て、三次元測定装置を使用することなく、通常のダイヤ
ルゲージのような測定ゲージによるスタンドを併用して
把持治具の万力で固定されたワークを放電加工機で放電
加工する前に、定盤上に載置して測定ゲージで上記ワー
クの水平基準面及び垂直基準面を測定しながら把持治具
に取付けて固定するようにした放電加工機のワーク取付
治具を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案は、ワイヤー放電加工機の移動テーブルに載置さ
れる四角形をなす治具本体の上面Ｌ字状の水平基準面を
形成し、この水平基準面に第１取付ベース部及び第２取
付ベース部と直交して設け、この両取付ベース部の内側
面に第１垂直基準面及び第２垂直基準面を形成し、上記
治具本体の各側面に上記第１垂直基準面及び第２垂直基
準面に平行して測定ケージのスタンドの垂直面を当接し
て測定できるように第１垂直面及び第２垂直面を形成し
たものである。

（作用） 本考案は、水平基準面に万力を備えた把持治具を載置
し、これを上記第１取付ベース部及び第２取付ベース部
の第１垂直基準面及び第２垂直基準面に当接して各締付
金具で固定し、上記万力にワークを把持し、しかる後、
上記第１垂直面及び第２垂直面に測定ゲージのスタンド
の垂直面を当接しながら、上記ワークの水平面及び垂直
面を測定ゲージで測定して固定するようにしたものであ
る。また、治具本体をその第１垂直面又は第２垂直面を
下面として定盤の上面に起立させ、この状態でワークの
水平面及び垂直面を測定ゲージで正確に測定することも
できる。

（実施例） 以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

なお、本考案は、上述した具体例と同一構成部材には、
同じ符号を付して説明する。

第１図乃至第３図において、符号30は、ワイヤー放電加
工機の移動テーブル８に載置される導電性の四角形をな
す扁平な治具本体であって、この治具本体30の上面に
は、Ｌ字状の水平基準面30aがその両側縁に沿って形成
されており、この水平基準面30aには、第１取付ベース
部31及び第２取付ベース部32が直交して設けられてお
り、この両取付ベース部31、32の内側面には、第１垂直
基準面31a及び第２垂直基準面32aが形成されている。
又、上記治具本体30の各側面には、第１垂直面30c及び
第２垂直面30bが上記第１垂直基準面31a及び第２垂直基
準面32aにそれぞれ平行して形成されており、この第１
垂直面30c及び第２垂直面30bは、例えば、ダイヤルゲー
ジのような測定ゲージ33を備えたスタンド34の垂直面
（基準垂直面）34aを当接して測定できるように形成さ
れている。

以下、本考案の作用について説明する。

従って、予め、第２図及び第３図に示されるように、測
定ゲージ33のスタンド34の垂直面34aを上記第１垂直面3
0c及び第２垂直面30bを当接して測定ゲージ33で垂直度
を測定して置く。

次に、第１図に示されるように、上記治具本体30の上面
の水平基準面30aに第１取付ベース部31及び第２取付ベ
ース部32が直交して設けられているから、この両取付ベ
ース部31、32の内側面に第１垂直基準面31a及び第２垂
直基準面32aに上記把持治具18の各垂直基準面18a、18b
を当接して上記各締付金具19で固定する。さらに、上記
把持治具18の万力17でワークＷを把持する。

一方、上記ワークＷの水平度は、例えば、ダイヤルゲー
ジのような測定ゲージ33で測定される。又、上記ワーク
Ｗの垂直度は、上記測定ゲージ33で測定される。また、
治具本体30をその第１垂直面30c又は第２垂直面30bを下
面として定盤の上面に起立させ、この状態でワークＷの
水平面及び垂直面を測定ゲージで正確に測定することも
できる。

このように、予め、本考案によるワーク取付治具を使用
してワークＷを測定して固定しておくことにより、直ち
に、これをワイヤー放電加工機の移動テーブルに載置し
て研削加工を開始できるので、ワイヤー放電加工機の稼
働を停止することなく、効率よく研削加工をすることが
できる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、ワイヤー放電加工機
の移動テーブルに載置される四角形をなす治具本体の上
面にＬ字状の水平基準面を形成し、この水平基準面に第
１取付ベース部及び第２取付ベース部と直交して設け、
この両取付ベース部の内側面に第１垂直基準面及び第２
垂直基準面を形成し、上記治具本体の各側面に上記第１
垂直基準面及び第２垂直基準面に平行して測定ゲージの
スタンドの垂直面を当接して測定できるように第１垂直
面及び第２垂直面を形成しているので、三次元測定装置
を使用することなく、把持治具にワークを測定しながら
固定することができるばかりでなく、取扱い操作も簡単
であり、高密度の測定も可能であり、さらに、安価に提
供できる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の放電加工機のワーク取付治具の使用
状態を示す斜面図、第２図及び第３図は、本考案の放電
加工機のワーク取付治具を示す各斜面図、第４図は、既
に提案されているワーク取付治具を使用した放電加工機
を示す断面図、第５図は、既に提案されているワーク取
付治具の使用状態を示す斜面図、第６図は、従来の三次
元測定装置を示す斜面図、第７図は、既に提案されてい
るワーク取付治具を放電加工機の移動テーブル上に載置
した使用状態を示す斜面図である。 30…治具本体、30a…水平基準面、30b…第２垂直面、30
c…第１垂直面、31…第１取付ベース部、32…第２取付
ベース部、31a…第１垂直基準面、32a…第２垂直基準
面、33…測定ゲージ、34…スタンド、34a…垂直面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】方形板よりなる治具本体と、この治具本体
   の上面に形成されたＬ字状の水平基準面と、この水平基
   準面に互いに直交して設けられた第１取付ベース部及び
   第２取付ベース部と、この両取付ベース部の内側面に形
   成された第１垂直基準面及び第２垂直基準面と、これら
   の第１及び第２垂直基準面に当接される垂直基準面を有
   してワークを把持する把持手段と、この把持手段を前記
   第１及び第２取付ベース部に固定する固定手段と、上記
   治具本体の少なくとも１つの側面の全面に上記第１垂直
   基準面に平行して形成された第１垂直面と、上記治具本
   体の少なくとも１つの他の側面の全面に上記第２垂直基
   準面に平行して形成された第２垂直面とを具備したこと
   を特徴とする放電加工機のワーク取付治具。