JPH07318835A - 光学装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コストを低減できるとともに加工が容易な構
造を備えたレンズユニットを提供すること。 【構成】 レーザ光を出射する半導体レーザ（１）と感
光体（２）との間に設定される光軸上に配置されるカッ
プリングレンズ（２０）におけるレンズセル部（２０
Ａ）とアパーチャ部（２０Ｃ）とを一体成形品で構成し
たことを特徴としている。これにより、部品点数及び組
立工数を減少させることができる。しかも、上記両部品
が成形品であるので大量生産が可能となり部品コストを
さらに低減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光学装置に関し、特
に、光源としてレーザを用いるレーザ走査光学系に用い
られる光学装置の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、複写機やファックスあるいはプ
リンタ等の画像形成装置に用いられる光学装置の一つと
して、半導体レーザを光源として備えた光書込み装置が
あり、その一例としては、図４に示す構成の装置が知ら
れている。

【０００３】図４において、光源となる半導体レーザ１
と表面の感光層が一様帯電されている感光体２とを結ぶ
光軸に沿って、光源側から順に、カップリングレンズ
３、アパーチャ４、第１のシリンドリカルレンズ５、ポ
リゴンミラー６、ｆθレンズ７、反射ミラー８および第
２のシリンドリカルレンズ９が配置されている。

【０００４】画像信号に応じて出射される半導体レーザ
１からのレーザービームは、カップリングレンズ３によ
って平行光束とされ、アパーチャ４によって所定の大き
さのビームサイズに整形される。そして、整形されたレ
ーザービームは、第１シリンドリカルレンズ５を経てポ
リゴンミラー６により偏向され、ｆθレンズ７、反射ミ
ラー８および第２のシリンドリカルレンズ９を介して感
光体表面に結像する。レーザビームの走査方向は、例え
ば、感光体２が図４に示すように、ドラム状であれば、
その軸線方向が主走査方向（ｘ方向）とされ、これに直
交する周方向が副走査方向（ｙ方向）とされている。と
ころで、光書込装置における光源部は、半導体レーザ
１、カップリングレンズ３およびアパーチャ４を組合わ
せてユニットとする場合があり、このユニットの一例と
して、本出願人の先願にかかる特開平４ー５３９１８号
公報に記載された構成を有するユニットが知られてい
る。

【０００５】上記公報によれば、図５に示すように、ユ
ニット１０は、レンズセル１１内に挿入固定されたコリ
メータレンズ１２と、このレンズセル１１の外周に装着
されたアパーチャ部材１３とで構成されている。アパー
チャ部材１３は、断面形状がキャップ状に形成され、そ
の内周面がレンズセル１１の外周面に対して圧入あるい
はネジ結合されることによって一体的に組み立てられる
ようになっている。そして、アパーチャ部材１３は、ビ
ーム整形用として形成されているスリット１３Ａの長手
方向を感光体２に対する主走査方向（ｘ）に一致させた
状態に位置決めされるようになっている。このため、例
えば、詳細は図示しないが、スリット１３Ａの長手方向
の向きが主走査方向に一致するようにアパーチャ部材１
３を回転させ、周方向での位置調整を行うことがある。
このようなユニットに用いられる各光学部品は、それぞ
れ単独部品として製造され、これら各部品を組み立てる
ことによってユニットとしての構成が得られるようにな
っている。前記したカップリングレンズ３も例外ではな
く、コリメータレンズ１２およびこのレンズ１２が内蔵
されているレンズセル１１、さらにはアパーチャ部材１
３等の部品が予め加工されており、これら準備された各
部品が同一の光軸線を維持した状態で組み立てられるよ
うになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各光学
部品を単独部品として製造したり単独部品毎で組み立て
たりすることは加工コストおよび組み立てコストの上昇
につながる。特に、コリメータレンズ１２の光軸とアパ
ーチャ部材１３に形成されているスリット１３Ａの中心
位置とを一致させることは、結像の際のビームの形状が
最適化される、所謂、ガウス分布を得るために重要な要
件であり、このことからいって、加工精度および組み立
て精度を高める必要がある。このため、部品製造および
部品組み立て加工に際しては細心の注意がはらわれなけ
ればならず、位置調整等の作業が必要となるなど、加工
コストや組み立てコストを低減しずらいのが現状であっ
た。

【０００７】そこで、本発明の目的は、加工および組み
立てコストを低減できる構成を備えた光学装置を提供す
ることにある。また本発明の他の目的は、光軸上での各
部品の位置を容易に整合させることが可能な構成を備え
た光学装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、レーザビーム走査方式を用
いる光学装置であって、上記レーザ光を出射する半導体
レーザと感光体との間に設定される光軸上に配置される
カップリングレンズおよびアパーチャ部を備え、上記カ
ップリングレンズは、コリメータレンズとこれを内蔵可
能なレンズセル部とを備え、上記レンズセル部および上
記アパーチャ部が一体成形されたレンズユニットにより
構成されていることを特徴としている。請求項２記載の
発明は、請求項１記載の光学装置において、上記レンズ
ユニットが樹脂成形品によって構成されていることを特
徴としている。請求項３記載の発明は、請求項１記載の
光学装置において、上記レンズユニットの内部には、軸
方向に沿ってコリメータレンズを配置することのできる
内径部とこの内径部よりもわずかに小さい内径を以て形
成された鏡筒部とを有し、上記内径が変化する境界部が
コリメータレンズの位置決め部とされていることを特徴
としている。請求項４記載の発明は、請求項１記載の光
学装置において、上記レンズユニットが、コリメータレ
ンスおよびこのレンズによって得られる平行光束を所定
のビーム形状に整形するアパーチャ部とを備えたサブア
ッセンブリとして構成されるとともに上記アパーチャの
向きを走査方向に一致させた状態で周方向の位置決めを
行う係合部を備えていることを特徴としている。

【０００９】

【作用】請求項１記載の発明では、コリメータレンズを
内蔵しているレンズセル部およびアパーチャ部が一体成
形されてひとつのユニットとして構成されているので、
各部品が予め纏められた構成となる。請求項２記載の発
明では、レンズユニットが樹脂成形品によって構成され
ているので、同一規格により大量生産によって作られ
る。請求項３記載の発明では、レンズセル部内に形成さ
れた位置決め部にコリメータレンズの前面を当接させる
ことによりレンズの位置決めが行なえるので、特に、光
軸の方向が何等他の手段を用いることなく所定方向に設
定される。請求項４記載の発明では、コリメータレンズ
を内蔵しているアパーチャ部を有するレンズユニットが
光学装置を構成する部品のうちのひとつをなすサブアッ
センブリとして扱われるので、このレンズユニットを他
の組立て部品に装備する場合には、レンズユニットが係
合部同士で係合することにより、アパーチャ部材のスリ
ットの向きが必然的に主走査方向に一致する。

【００１０】

【実施例】図１は、本発明による光学装置の要部構造を
示す断面図である。

【００１１】同図に示された要部は、図５に示したカッ
プリングレンズおよびアパーチャに相当する箇所であ
り、この要部は、カップリングレンズ内のレンズセル部
とアパーチャ部とを予め一体成形されたレンズユニット
によって構成されていることを特徴としている。すなわ
ち、レンズユニット２０は、軽量かつ耐熱性を有する合
成樹脂等の材料により断面形状がキャップ状とされた成
形部品で構成され、コリメータレンズ２２を内部に装填
するための開口を備えたレンズセル部２０Ａと、レンズ
セル部２０Ａの開口と反対側に位置する端面に形成され
たスリット２０Ｂを有するアパーチャ部２０Ｃとを備え
ている。レンズセル部２０Ａの開口は、コリメータレン
ズ２２を圧入固定できる程度の内径寸法が設定され、ま
たこの内径寸法をもつ軸方向での長さが、コリメータレ
ンズ２２を収納可能な長さに設定されている。

【００１２】アパーチャ部２０Ｃは、レンズユニット２
０の軸方向におけるレンズセル部２０Ａの末端部から、
レンズセル部２０Ａの開口と反対側に位置する端面まで
の範囲に形成されている。そして、アパーチャ部２０Ｃ
は、レンズセル部２０Ａの内径よりも小さく、かつ、ス
リット２０Ｂの長手方向の長さが含まれる内径をもつ筒
部で構成されている。

【００１３】レンズセル部２０Ａとアパーチャ部２０Ｃ
との内径が変化する境界部は、コリメータレンズ２２の
前面を当接させる位置決め部２０Ｅとして構成され、コ
リメータレンズ２２の前面が当接することによって、そ
のレンズ２２の光軸の向きをアパーチャ部２０Ｃのスリ
ット２０Ｂの中心に向けることができるようになってい
る。レンズユニット２０におけるレンズセル部２０Ａの
開口縁の一部には、開口縁から軸方向に突出した片部で
構成された係合部２０Ｄが設けられている。この係合部
２０Ｄは、後述するレンズユニットホルダ２６に形成さ
れた被係止部２６Ｂに係合することにより、スリット２
０Ｂの向きが主走査方向に一致するように周方向での位
置決めが行える部分となっている。このようなレンズユ
ニット２０は、コリメータレンズ２２がレンズセル部２
０Ａの開口から内部に装填されて固定保持されると、光
学装置内に配置される光学部品の一つに相当するサブア
ッセンブリとして構成される。

【００１４】レンズユニット２０は、図２に示すよう
に、レーザビーム走査光学系の他の光学部品とともに組
み立てられる。すなわち、レーザビーム走査光学系に用
いられる光学装置は、半導体レーザ１の光軸に沿って半
導体レーザ１側から順に配置される光源ベース部材２
４、レンズユニットホルダ２６をそれぞれ備えている。

【００１５】光源ベース部材２４は、半導体レーザ１の
頭部を嵌合させる孔を有し、半導体レーザ１のリード線
が接続される回路を備えている駆動回路基板２８に対し
て脚部を合致させた状態で締結される。一方、レンズユ
ニットホルダ２６は、レンズユニット２０を保持するた
めの開口を有する鏡筒部２６Ａを備えている。レンズユ
ニットホルダ２６には、図３に示すように、その鏡筒部
２６Ａの内部に、レンズユニット２０側の係合部２０Ｄ
が係合する凹部あるいは切り欠き部からなる被係止部２
６Ａが形成されている。この被係止部２６Ａの形状は、
スリット２０Ｂの長手方向の向きが主走査方向に一致す
る状態で係合部２０Ｄを係合させることができる形状に
設定されている。本実施例は以上のような構成であるか
ら、コリメータレンズ２２が固定保持されて予めサブア
ッセブリ部品とされたレンズユニット２０が光学装置の
組み立てのために準備される。

【００１６】レンズユニット２０の内部では、コリメー
タレンズ２２の前面が位置決め部２０Ｅに当接している
ので、コリメータレンズ２２とアパーチャ部２０Ｃのス
リット２０Ｂとの間の間隔が一定距離に維持されるとと
もに、コリメータレンズ２２の光軸の向きがアパーチャ
部２０Ｃのスリット２０Ｂの中心に向けられる。レンズ
ユニット２０は、レンズユニットホルダ２６の鏡筒部２
６Ａ内に挿入される。挿入されたレンズユニット２０
は、係合部２０Ｄとレンズホルダ２６側の被係止部２６
Ｂとが互に係合することにより、レンズホルダ２６に装
着された場合のスリット２０Ｂの向きが主走査方向に一
致させられる。

【００１７】そして、半導体レーザ１を装着した光源ベ
ース部材２４に対してレンズユニットホルダ２６を締結
することにより光学装置の光源部が完成品として構成さ
れる。本発明は、上記実施例に限ることなく、要旨の範
囲内において変形することが可能である。例えば、レン
ズユニットの材料として、合成樹脂だけでなく、この材
料と共通する機能である軽量および耐熱性を有して成形
が容易な材料を用いたダイキャスト品とすることも可能
である。

【００１８】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、コリメー
タレンズを内蔵しているレンズセル部およびアパーチャ
部が一体成形されてひとつのユニットとして構成され、
各部品は予め纏められた構成となっているので、個々の
部品の製造およびこれら部品同士の組立作業を省くこと
ができ、加工および組立の両コストの低減が実現でき
る。請求項２記載の発明によれば、レンズユニットが同
一規格で大量生産されるので、光学部品の加工コストを
より効果的に低減することが可能になる。請求項３記載
の発明によれば、レンズユニットの位置決め部に当接さ
せる状態にコリメータレンズを装填するだけでレンズと
アパーチャとの位置関係が設定できるので、特に、レン
ズの光軸方向を、必然的に何ら調整を要することなくア
パーチャ部のスリットの中心に対して整合させることが
可能である。これにより、結像状態に影響するビームの
向きを調整する作業を不要にして組み立て作業を簡略化
することが可能になる。請求項４記載の発明によれば、
レンズユニットが光学装置を構成する部品のうちのひと
つをなすサブアッセンブリとして扱われ、しかも、この
レンズユニットを他の組立て部品に装備する場合には、
レンズユニットの係合部によって、アパーチャ部材のス
リットの向きを必然的に主走査方向に一致させることが
できるので、従来、組み立て後に行われていたスリット
の向きの調整作業を省略することができ、これにより組
立工数の低減が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す光学装置の要部の斜視
図である。

【図２】図１に示した光学装置の要部の分解斜視図であ
る。

【図３】図２中、符号Ａで示す方向の部分断面図であ
る。

【図４】従来用いられているレーザ走査光学系の一例を
模式的に示す斜視図である。

【図５】図４に示した光学系に用いられる光学装置の従
来構造の一例を示す断面図である。

【符号の説明】

２０ レンズユニット ２０Ａ レンズセル部 ２０Ｂ スリット部 ２０Ｃ アパーチャ部 ２０Ｄ 係合部 ２０Ｅ 位置決め部 ２６ レンズユニットホルダ ２６Ａ 係合部と係合する被係止部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レーザビーム走査方式を用いる光学装置で
   あって、 上記レーザ光を出射する半導体レーザと感光体との間に
   設定される光軸上に配置されるカップリングレンズおよ
   びアパーチャ部を備え、 上記カップリングレンズは、コリメータレンズとこれを
   内蔵可能なレンズセル部とを備え、上記レンズセル部お
   よび上記アパーチャ部が一体成形されたレンズユニット
   により構成されていることを特徴とする光学装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の光学装置において、 上記レンズユニットは、樹脂成形品によって構成されて
   いることを特徴とする光学装置。
3. 【請求項３】請求項１記載の光学装置において、 上記レンズユニットの内部には、軸方向に沿ってコリメ
   ータレンズを配置することのできる内径部とこの内径部
   よりもわずかに小さい内径を以て形成された鏡筒部とを
   有し、上記内径が変化する境界部がコリメータレンズの
   位置決め部とされていることを特徴とする光学装置。
4. 【請求項４】請求項１記載の光学装置において、 上記レンズユニットは、コリメータレンズを内蔵可能な
   レンズセル部とこのレンズによって得られる平行光束を
   所定のビーム形状に整形するアパーチャ部とを備えたサ
   ブアッセンブリとして構成されるとともに、上記アパー
   チャの向きを走査方向に一致させた状態で周方向の位置
   決めを行う係合部を備えていることを特徴とする光学装
   置。