JPH07318563A - 薬剤耐性癌細胞の検出方法およびその検出試薬 - Google Patents

薬剤耐性癌細胞の検出方法およびその検出試薬

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JPH07318563A
JPH07318563A JP14691594A JP14691594A JPH07318563A JP H07318563 A JPH07318563 A JP H07318563A JP 14691594 A JP14691594 A JP 14691594A JP 14691594 A JP14691594 A JP 14691594A JP H07318563 A JPH07318563 A JP H07318563A
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鶴尾  隆
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、癌の化学療法において、薬剤耐性の
出現を早期に簡便かつ正確に検出する方法を提供するも
のである。 【構成】本発明は、被験体中の薬剤耐性癌細胞をモノク
ローナル抗体を用いて検出する方法において、被験体と
ビオチンで標識化された薬剤耐性癌に関するモノクロー
ナル抗体を結合させ、次いでこれとアビジンとの結合体
を形成せしめて、これを計測することを特徴とする薬剤
耐性癌細胞を検出する方法、及び、これに使用するビオ
チンで標識化された薬剤耐性癌に関するモノクローナル
抗体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被験体中の薬剤耐性癌
細胞をモノクローナル抗体を用いて検出する方法および
その検出試薬に関する。さらに具体的には、本発明は、
ビオチンで標識化された薬剤耐性癌に関するモノクロー
ナル抗体と蛍光物質標識アビジンを用いる薬剤耐性癌細
胞の検出方法および当該標識化されたモノクローナル抗
体に関する。
【0002】癌を化学療法により治療していく際に、抗
癌剤に対する耐性を有する癌細胞が選択的に出現してく
る現象がみられ、重大な問題となっている。この耐性を
克服するためには抗癌剤の投与量を増やすことが考えら
れよう。しかし、投与量の増大は正常細胞に対する障害
という副作用で患者に不利益となる。 耐性克服のため
の他の手段として他の種類の抗ガン剤を使用することが
考えられよう。しかし、この場合でも、一旦ひとつの薬
剤に対し耐性となった癌細胞はしばしばいわゆる「多剤
交叉耐性(pleiotropic drug res
istance)」を示すことがあって他剤に対しても
効果が少ないことが多い。従って、癌の化学療法におい
ては薬剤耐性が生じたか否かを早期に検出して、薬剤耐
性が生じないよう薬剤の投与計画を作成することが重要
である。しかし、薬剤耐性は個体差も大きく、薬剤の投
与計画を薬剤毎に一律に作成することもできず、個体毎
に薬剤耐性の出現を早期に簡便かつ正確に検出する方法
の確立が重要な課題となっている。
【0003】
【従来の技術】多剤交叉耐性を示す癌細胞に選択性を有
するモノクローナル抗体は既に作成されている〔ジャー
ナル・オブ・クリニカル・オンエコロジー(J.Cli
n.Oncology)、第3巻、第311〜315項
(1985年)〕。これは、多剤交叉耐性を示す癌細胞
の細胞膜に特異的に出現する分子量17万〜18万ダル
トンの糖蛋白質(P糖蛋白質)に反応するモノクローナ
ル抗体である。しかし、このモノクローナル抗体を作成
する際に用いた耐性細胞株は、ヒトではなくてチャイニ
ーズハムスター由来のものである。さらに、このモノク
ローナル抗体は、前記P糖蛋白質に細胞膜の外側からは
結合できないものである。
【0004】薬剤耐性癌細胞の細胞膜中に多数存在する
P糖蛋白質は、ロニンソン(Roninson)らによ
ってクローニングされた。その結果、P糖蛋白質は細胞
膜を12回通過し、その多くは細胞内部に存在するが、
膜表面にその一部が突出していると考えられている。
【0005】本発明者らは先に別種の薬剤耐性癌に関す
るモノクローナル抗体を見出している(特公平4−30
278号)。このモノクローナル抗体は次の(イ)〜
(ニ)の特性を有するものである。 (イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリアマ
イシン耐性株K562/ADMにより免疫されたマウス
から得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融合させ
て作成したハイブリドーマにより生産されるものである
こと。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。 これらのモノクローナル抗体の具体例として、イソタイ
プがIgG2aであるもの、IgGであるものが挙げ
られており、それぞれ、MRK16、MRK17と命名
されている。
【0006】また、ヘビーらは酵素標識アビジンを用い
たビオチン−アビジン系により、抗原または抗体を検出
する方法を報告している(特公昭61−8945号)。
この方法は、被験体中にビオチン標識試薬と酵素標識ア
ビジンを加え、当該酵素に適当な検出反応系を使用して
行われるものである。このビオチン−アビジン系につい
ても、酵素標識アビジンを使用する方法のほかに、アビ
ジンにフルオレセイニソチオシアネート(FITC)や
ローダミンBイソチオシアネート(RITC)などで標
識したものを使用する間接蛍光抗体法や、アビジンにか
えて糖を含まないストレプトアビジンを使用する方法な
ども開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】癌の化学療法におい
て、薬剤を投与してゆくと薬剤耐性癌細胞が出現し、化
学療法の薬剤の効力が損なわれてくる。従って、癌の化
学療法においては、早期に、簡便にかつ正確に薬剤耐性
の出現を検出することが重要となる。従来の薬剤耐性癌
に関するモノクローナル抗体は、P糖蛋白質には結合す
るが、それは細胞膜の表面からではなかったので、この
抗体により癌の薬剤耐性を検出するためには細胞を固定
するか、サポニン等で膜に穴をあけて使用しなければな
らなかった。この場合には、処理が複雑になるばかりで
なく、非特異的な結合をする可能性も高くなり、微量の
ものの検出が困難となるばかりでなく、その精度も十分
なものではなかった。
【0008】本発明者らは、アドリアマイシン耐性腫瘍
細胞で免疫したマウスの牌細胞とマウス骨髄腫細胞とを
融合させて得られたハイブリドーマにより産生される、
次の(イ)〜(ニ)によって定義される薬剤耐性癌に関
するモノクローナル抗体を見出し(特公平4−3027
8号)、これを用いた薬剤耐性癌細胞の検出方法を種々
検討してきた。 (イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリアマ
イシン耐性株K562/ADMにより免疫されたマウス
から得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融合させ
て作成したハイブリドーマにより生産されるものである
こと。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
イシンDに対する感受性を高める能力があること。
(ニ) IgGイソタイプに属するものであること。
【0009】しかし、このモノクローナル抗体はIgG
イソタイプに属し、Fc部分を有することから、被験体
中のFcレセプターとも非特異的に結合し、薬剤耐性癌
細胞のP糖蛋白質との特異的な結合のみを簡便かつ正確
に計測することは困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、被験体中の薬
剤耐性癌細胞をモノクローナル抗体を用いて検出する方
法において、被験体とビオチンで標識化された下記の
(イ)〜(ニ)によって定義される薬剤耐性癌に関する
モノクローナル抗体を結合させ、次いでこれとアビジン
との結合体を形成せしめて、これを計測することを特徴
とする薬剤耐性癌細胞を検出する方法を提供するもので
ある。 (イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリアマ
イシン耐性株K562/ADMにより免疫されたマウス
から得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融合させ
て作成したハイブリドーマにより生産されるものである
こと。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。 アビジンを標識する物質としては、種々の蛍光物質を使
用することができるが、レッド670(Red670)
やレッド613(Red613)などの励起波長と蛍光
波長の差すなわち最大励起波長と最大蛍光波長の差が少
なくとも100nm以上、好ましくは150nm以上の
エネルギー移行型蛍光物質の使用が好ましい。このよう
な蛍光物質を使用した場合には、本発明の方法は特に好
ましい結果を得ることができる。さらに、本発明は当該
方法に使用する新規な、ビオチンで標識されたモノクロ
ーナル抗体を提供するものである。
【0011】本発明で使用するモノクローナル抗体とし
ては、前記の定義に該当するものであれば、どのような
ものでも使用できるが、イソタイプがIgGであるM
RK4や、イソタイプがIgG2aであるMRK16
や、イソタイプがIgGであるMRK17が好まし
く、さらに好ましくは、MRK16を挙げることができ
る。
【0012】モノクローナル抗体のビオチン化は通常の
方法ででき、例えば、ビオチニル−N−ヒドロキシスク
シンイミドエステル(このものは調製してもよいが、P
IERCE社のNHS−LC−BIOTINを使用する
こともできる。)と、モノクローナル抗体とを反応させ
ることにより製造することができる。抗体の標識化の確
認も通常の方法ででき、例えば、ELISA法により標
識化を確認することができる。
【0013】被験体としては、生細胞、死滅した細胞又
は破砕した細胞であってもよいが、細胞膜表面のP糖蛋
白質に特異的に結合できるという本発明のビオチン化モ
ノクローナル抗体の特徴を有利に利用することが出来、
生細胞のまま測定することが可能となる。生細胞を使用
する場合には、破砕や破砕物の分離などの特別な処理を
必要とせず、白血病患者の白血病芽球などの臨床サンプ
ルなどや、リンパ腫のリンパ節をほぐした細胞(リンパ
芽球)などを被験体とすることもできる。
【0014】検出される薬剤耐性癌細胞としては、ひと
つの抗癌剤についての耐性細胞であってもよいし、多剤
耐性細胞であってもよい。耐性となる抗癌剤としては、
通常使用されるものであればよいが、アドリアマイシン
などのアンスラサイクリン系のものや、ビンクリスチン
などのビンカアルカロイド系や、アクチノマイシンDな
どのアクチノマイシン類などが好ましく、さらに植物成
分、天然抗癌物質、抗癌抗生物質などが含まれる。より
好ましくは、アドリアマイシンが挙げられる。癌の種類
としては、上皮性のもの、非上皮性のもの、造血器系の
もののいずれでもよいが、患者からの採取の容易性など
の点から造血器系のものが好ましい。好ましいものとし
ては、白血病、リンパ腫などを挙げることができる。
【0015】被験体とビオチン化モノクローナル抗体と
の結合に先だって、被験体中のFcレセプターやコーン
の2、3分図等をブロックしておくことが好ましい。こ
のブロックのためには、ポリグロビンやコーンの2、3
分画等を使用することができる。また、計測における安
定なコントロールとして、ビオチン化陰性コントロール
用マウスモノクローナル抗体を使用する。このビオチン
化陰性モノクローナル抗体は少なくとも血液細胞とは特
異性をもたず、MRK16等のモノクローナル抗体とま
ったく同じ条件下でビオチン化したものが望ましい。
【0016】本発明で使用されるアビジンとしては、従
来の卵白からのものでもよいが、ストレプトアビジンが
糖を含まず好ましい。アビジンの標識としては、種々の
ものを使用することができ、フルオレセインイソチオシ
アネート(FITC)、ローダミンBイソチオシアネー
ト(RITC)、レッド670(Red670)、レッ
ド613(Red613)など、この分野で通常使用さ
れている蛍光色素を使用できる。ストレプトアビジンR
ED670のように赤系統の蛍光波長をもつ蛍光物質は
通常FACSで用いられるフルオレセインイソチオシア
ネート(FITC)やフィコエリスリン(PE)よりも
長波長領域の600nm以上に最大蛍光波長が存在す
る。このため、現在広く使用され容易に入手できる他の
表面抗原を解析する蛍光モノクローナル抗体を用いた多
重染色も可能であり、その感度も高いことを考え合わせ
ると、これらの方法は非常に有用な蛍光色素である。さ
らには、通常のFACS解析では励起波長の散乱光や、
他の蛍光物質による蛍光が特定の蛍光を測定しようとす
る場合、非特異的な蛍光量として存在する。これは励起
波長あるいは他の蛍光物質の波長と近ければ近い程大き
く影響し、その特異蛍光物質の感度をおとすものであ
る。励起波長と蛍光波長の差すなわち最大励起波長と最
大蛍光波長の差が少なくとも100nm以上、好ましく
は150nm以上のエネルギー移行型蛍光物質をアビジ
ンに結合した蛍光物質標識アビジンの使用が好ましい。
このような蛍光物質としては、レッド670(Red6
70)やレッド613(Red613)を挙げることが
できる。これらは励起波長を490nmとした時それぞ
れ180nm、123nmの波長差があり、前述の非特
異的な蛍光量の減少につながる物質である。このような
関係を、よりよく説明するためにフィコエリスリン(P
E)とレッド613(RED613)を用いたときの励
起波長(図中、実線で示されている。)と蛍光波長(図
中、波線で示されている。)との関係を図1に図示す
る。図1から明らかなように、PEでは励起波長と蛍光
波長との差が小さいので両者の波形が殆ど重なって測定
されるために、十分な感度での測定が困難となるのに対
して、RED613では両者の波形の重なりが少なく、
十分な感度でより正確な測定を行うことができる。しか
しなから、本発明は、これらの蛍光物質に限定されるも
のではなく、前記条件を満たすものであればいずれの蛍
光物質をも使用することができる。
【0017】本発明の計測法としては、アビジンの標識
の種類に応じて通常の方法よればよいが、アビジンの標
識としてレッド670(Red670)やレッド613
(Red613)などの蛍光色素を使用した場合には、
蛍光標示式細胞分取器(FACS)の特性として赤系続
の蛍光感受性が他の波長よりも良好であることから、F
ACSによる蛍光強度を計測する方法が簡便で好まし
い。この時、必要ならば細胞を分取してもよいか、薬剤
耐性癌細胞の有無およびその程度を検出するだけなら
ば、特に細胞を分取する必要はない。
【0018】以下に代表的な例を挙げて本発明を具体的
に説明するが、本発明がこれらの具体例に限定されるも
のではない。
【0019】
【実施例】 実施例1 ビオチンで標識化されたモノクローナル抗体の製造例。 モノクローナル抗体(MRK16)1mlを、0.1M
の炭酸水素ナトリウム溶液0.5ml中にとり、0.1
M炭酸水素ナトリウム溶液に一晩透析した。これに、N
HS−LC−BIOTIN(PIERCE社製)1.3
mgを0.3mlの0.1M炭酸水素ナトリウム溶液に
溶解したものを加えた。4時間室温で攪拌した後、0.
1%のアジ化ナトリウムを含有するリン酸緩衝食塩水
(PBS)に一晩透析し、未反応のビオチンを除去し
た。ビオチンで標識されたMRK16を得た。
【0020】実施例2 実施例1で得たビオチンで標識されたMRK16のEL
ISAチェック。 抗マウスイムノグロブリン(ウサギ)感作マイクロプレ
ートを、5%スキムミルクを含むリン酸緩衝食塩水(P
BS)でブロッキングしたものに、実施例1で得たビオ
チン標識化MRK16を希釈して加えた。これにアビジ
ン標識ペルオキシダーゼを加え、培養した後、o−フェ
ニレンジアミン(OPD)を添加して酵素反応を生起さ
せた。これの吸光度(OD492)を測定した。結果を
図2に示す。これにより、MRK16がビオチンで標識
されていることが確認された。
【0021】実施例3 ビオチン化標識MRK16による検定−その1 ヒト骨髄性白血病細胞株(K562)及びアドリアマイ
シン耐性ヒト骨髄性白血病細胞株(K562/ADM)
の継代培養細胞株より細胞を取り、細胞の生細胞率をト
リパンブルーにてカウントしたとき、その生細胞率が9
5%未満であれば、フィコール法(Ficoll法)に
より死細胞を除去した後、生細胞をカウントして細胞数
を約5×10/mlに調整する。これらを各々50μ
lづつ6本のスピッツに分注して、合計12本(K56
2用6本、K562/ADM用6本)の検体用スピッツ
をつくる。4検体を除き、8検体に非動化ポリグロビン
含有PBS/CMFを添加し、15分間室温でインキュ
ベートし、形どおりFcレセプターをブロックする。次
いでビオチン化陰性コントロール用マウスモノクロナル
抗体をK562及びK562/ADMのそれぞれのスピ
ッツに0,10,0,10,5,0μlづつ分注する。
さらに、ビオチン化MRK−16をそれぞれのスピッツ
に0,0,0,0,5,10lμづつ分注する。2%牛
胎仔血清(FCS)−リン酸緩衝食塩水(PBS)をそ
れぞれのスピッツに10,0,10,0,0,0μlづ
つ分注する。以上の後、約15分おきによく攪拌しなが
ら、約1時間インキュベートする。インキュベート終了
後2%牛胎仔血清(FCS)−リン酸緩衝食塩水(PB
S)にて各スピッツを3回洗浄し、その後約100μl
づつに調整する。ストレプトアビジン−レッド670を
すべてのスピッツに5μlづつ分注する。攪拌後、暗室
てよく攪拌しながら約1時間インキュベートする。イ
ンキュベート終了後2%牛胎仔血清(FCS)−リン酸
緩衝食塩水(PBS)にて3回洗浄する。洗浄後、FA
CS測定糸にて計測する(PMT ボルト 1100m
v Adsフィルター 630nm ロングパス)。各
スピソツの検体番号と添加物及びFACSの結果を表1
に示す。
【0022】
【表1】 この結果から、本発明のビオチン化標識MRK16が細
胞株において、多耐性株と特異的に反応することがわか
る。
【0023】実施例4 ビオチン化標識MRK16による検定−その2 NOMO−1(白血病継代細胞株の一種)及びアドリア
マイシン耐性NOMO−1(NOMO−1/ADM)の
継代培養細胞株より細胞を取り、細胞の生細胞率をトリ
パンブルーにてカウントしたとき、その生細胞率が95
%未満であれば、フィコール法(Ficoll法)によ
り死細胞を除去した後、生細胞をカウントして細胞数を
約5×10/mlに調整する。これらを各々50μ1
づつ3本のスピッツに分注して、合計6本(NOMO−
1用3本、NOMO−1/ADM用3本)の検体用スピ
ッツをつくる。6検体すべてに非動化ポリグロビン含有
PBS/CMFを添加し、15分間インキュベートし、
形どおりFcレセプターをブロックする。次いでビオチ
ン化MRK−16をそれぞれのスピッツに0,0,10
lμづつ分注する。さらに、ビオチン化陰性コントロー
ル用マウスモノクロナル抗体をNOMO−1及びNOM
O−1/ADMのそれぞれのスピッツに0,10,0μ
lづつ分注する。2%牛胎仔血清(FCS)−リン酸緩
衝食塩水(PBS)をそれぞれのスピッツに10,0,
0μlづつ分注する。以上の後、約15分おきによく攪
拌しながら、約1時間インキュベートする。インキュベ
ート終了後2%牛胎仔血清(FCS)−リン酸緩衝食塩
水(PBS)にて各スピッツを3回洗浄し、その後約1
00μlづつに調整する。ストレプトアビジン−レッド
670をすべてのスピッツに5μlづつ分注する。攪拌
後、暗室にて約15分おきによく攪拌しながら約1時間
インキュベートする。インキュベート終了後2%牛胎仔
血清(FCS)−リン酸緩衝食塩水(PBS)にて3回
洗浄する。洗浄後、FACS測定系にて計測する(PM
T ボルト 1100mv Adsフィルター 630
nm ロングパス)。各スピッツの検体番号と添加物及
びFACSの結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例5 ビオチン化標識MRK16による検定−その3 FCレセプターの本発明の方法に及ぼす影響について試
験した。ヒト骨髄性白血病細胞株(K562)及びアド
リアマイシン耐性ヒト骨髄性白血病細胞株(K562/
ADM)の継代培養細胞株より細胞を取り、細胞の生細
胞率をトリパンブルーにてカウントしたとき、その生細
胞率が95%未満であれば、フィコール法(Ficol
l法)により死細胞を除去した後、生細胞をカウントし
て細胞数を約5×10/mlに調整する。これらを各
々50μlづつ4本のスピッツに分注して、合計8本
(K562用4本、K562/ADM用4本)の検体用
スピッツをつくる。2検体を除き、6検体に非動化ポリ
グロビン含有PBS/CMFを添加し、15分間インキ
ュベートし、形どおりFcレセプターをブロックする。
次いでビオチン化陰性コントロール用マウスモノクロナ
ル抗体をK562及びK562/ADMのそれぞれのス
ピッツに0,0,10,0μlづつ分注する。さらに、
ビオチン化MRK−16をそれぞれのスピッツに0,
0,0,10lμづつ分注する。2%牛胎仔血清(FC
S)−リン酸緩衝食塩水(PBS)をそれぞれのスピッ
ツに10,10,0,0μlづつ分注する。以上の後、
約15分おきによく攪拌しながら、約1時間インキュベ
ートする。インキュベート終了後2%牛胎仔血清(FC
S)−リン酸緩衝食塩水(PBS)にて各スピッツを3
回洗浄し、その後約100μlづつに調整する。CD1
6−FITCをすべてのスピッツに10μlづつ分注す
る。攪拌後、暗室にて約15分おきによく攪拌しながら
約1時間インキュベートする。インキュベート終了後2
%牛胎仔血清(FCS)−リン酸緩衝食塩水(PBS)
にて3回洗浄する。洗浄後、FACS測定系にて計測す
る(PMT ボルト 1100mv Adsフィルター
530nm バントパス)。各スピッツの検体番号と
添加物及びFACSの結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】本発明は、癌の化学療法において薬剤耐
性の出現を早期に簡便かつ正確に検出する方法を提供す
る。本発明の方法によれば、従来からの前方散乱光(F
S)と側方散乱光(90’LS)のパラメーターに加え
て、FITC、PE、RED670、RED613など
の蛍光色素を用い、芽球にゲートをかけることにより、
解析される芽球の割合を上げることができる。すなわ
ち、全有核細胞の30%、50%とといった白血病細胞
しか含まれていない検体でも、白血病細胞のみを特異的
に選択でき、薬剤耐性を解析することも可能となる。さ
らに、アビジンの標識として励起波長と蛍光波長の差す
なわち最大励起波長と最大蛍光波長の差が少なくとも1
00nm以上、好ましくは150nm以上のエネルギー
移行型蛍光物質を使用することにより、蛍光標示式細胞
分取器(FACS)を用いてより簡便にかつ正確な測定
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは蛍光物質としてレッド613(RED61
3)を用いたときの励起波長と蛍光波長でのピークを示
している。Bは蛍光物質としてフィコエリスリン(P
E)を用いたときの励起波長と蛍光波長でのピークを示
している。
【図2】ビオチンで標識されたMRK16の生成を確認
するための吸光度の測定結果を示したチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/533 33/577 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (71)出願人 594108959 新庄 香 静岡県浜松市半田町1693番地の2 エクセ ルイトウ203 (72)発明者 鶴尾 隆 神奈川県南足柄市塚原4828番地15 (72)発明者 大野 竜三 静岡県浜松市半田町3776番地 D−315 (72)発明者 竹下 明裕 静岡県浜松市和地山1丁目9番19号 (72)発明者 新庄 香 静岡県浜松市半田町1693番地の2 エクセ ルイトウ 203

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験体中の薬剤耐性癌細胞をモノクロー
    ナル抗体を用いて検出する方法において、被験体とビオ
    チンで標識化された下記の(イ)〜(ニ)によって定義
    される薬剤耐性癌に関するモノクローナル抗体を結合さ
    せ、次いでこれとアビジンとの結合体を形成せしめて、
    これを計測することを特徴とする薬剤耐性癌細胞を検出
    する方法。 (イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリアマ
    イシン耐性株K562/ADMにより免疫されたマウス
    から得られた脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融合させ
    て作成したハイブリドーマにより生産されるものである
    こと。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
    マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
    かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
    イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。
  2. 【請求項2】 被験体が生細胞である、請求項第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 モノクローナル抗体がMRK16又はM
    RK17である、請求項第1又は2項記載の方法。
  4. 【請求項4】 薬剤耐性癌細胞がアドリアマイシン耐性
    癌細胞である、請求項第1、2又は3項のいずれかに記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 アビジンが蛍光標識化されたストレプト
    アビジンである、請求項第1、2、3又は4項のいずれ
    かに記載の方法。
  6. 【請求項6】 計測が蛍光標示式細胞分取器(FAC
    S)によるものである、請求項第1、2、3、4又は5
    項のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 アビジンが、最大励起波長と最大蛍光波
    長の差が少なくとも100nm以上のエネルギー移行型
    蛍光物質で標識化されたアビジンである、請求項第5又
    は6項のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 ビオチンで標識化された下記の(イ)〜
    (ニ)によって定義される薬剤耐性癌に関するモノクロ
    ーナル抗体。 (イ) ヒト骨髄性白血病細胞株K562のアドリアマ
    イシン耐性株K562/ADMにより免疫されたマウス
    から得られた牌細胞とマウスの骨髄腫細胞とを融合させ
    て作成したハイブリドーマにより生産されるものである
    こと。 (ロ) アドリアマイシン耐性株と反応するがアドリア
    マイシン感受性株とは実質上反応しないこと。 (ハ) アドリアマイシン耐性株の細胞増殖を阻害する
    かあるいはその細胞のビンクリスチンまたはアクチノマ
    イシンDに対する感受性を高める能力があること。 (ニ) IgGイソタイプに属するものであること。
  9. 【請求項9】 モノクローナル抗体がMRK16又はM
    RK17である、請求項第7項記載のビオチンで標識化
    されたモノクローナル抗体。
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JPS618945A (ja) * 1984-06-25 1986-01-16 Nec Corp 半導体集積回路装置
JPH0430278A (ja) * 1990-05-28 1992-02-03 Nec Corp 信号変換装置

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