JPH07318510A - 建物屋根材の劣化度評価方法 - Google Patents
建物屋根材の劣化度評価方法Info
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- JPH07318510A JPH07318510A JP8494495A JP8494495A JPH07318510A JP H07318510 A JPH07318510 A JP H07318510A JP 8494495 A JP8494495 A JP 8494495A JP 8494495 A JP8494495 A JP 8494495A JP H07318510 A JPH07318510 A JP H07318510A
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- deterioration
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 劣化度の評価を精度高く客観的に行え、屋根
材の最適な維持管理・補修が可能である建物屋根材の劣
化度評価方法を提供する。 【構成】 建物屋根材を撮影し、この撮影画像を数値化
して、画像中から解析に必要な対象物を切り出し、この
切り出した画像から劣化部と健全部を画像処理により分
別し、その劣化部の面積率を計算して劣化度を評価す
る。劣化部と健全部を分別する画像処理は、好ましくは
錆の発生を検出する白黒画像処理、塗膜の色変化を検出
するカラー画像処理によって行われる。建物屋根材の撮
影は、マクロ評価の場合には飛行物体を用いて上空から
行い、ミクロ評価の場合にはクレーンや高所作業車等を
用いて近接撮影を行うとよい。
材の最適な維持管理・補修が可能である建物屋根材の劣
化度評価方法を提供する。 【構成】 建物屋根材を撮影し、この撮影画像を数値化
して、画像中から解析に必要な対象物を切り出し、この
切り出した画像から劣化部と健全部を画像処理により分
別し、その劣化部の面積率を計算して劣化度を評価す
る。劣化部と健全部を分別する画像処理は、好ましくは
錆の発生を検出する白黒画像処理、塗膜の色変化を検出
するカラー画像処理によって行われる。建物屋根材の撮
影は、マクロ評価の場合には飛行物体を用いて上空から
行い、ミクロ評価の場合にはクレーンや高所作業車等を
用いて近接撮影を行うとよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工場、倉庫、体育館、
展示館、ドーム球場等の大面積の屋根を持つ構造物や建
築物(以下、建物という)の維持管理、補修に関して、
腐食して孔が明き易い鋼板やめっき鋼板よりなる屋根
材、並びにこれら鋼板に塗装してなる屋根材の劣化度を
評価する方法に関するものである。
展示館、ドーム球場等の大面積の屋根を持つ構造物や建
築物(以下、建物という)の維持管理、補修に関して、
腐食して孔が明き易い鋼板やめっき鋼板よりなる屋根
材、並びにこれら鋼板に塗装してなる屋根材の劣化度を
評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物の劣化は、中に存在する設備やその
機能に大きな影響を与えるため重要な問題である。とり
わけ、屋根部の劣化による孔明きは、雨水の漏れを招
き、場合によっては大きな損失を伴う。そのため、屋根
材の維持、補修は建物を管理する業務を行う者にとって
大きな負担になっている。
機能に大きな影響を与えるため重要な問題である。とり
わけ、屋根部の劣化による孔明きは、雨水の漏れを招
き、場合によっては大きな損失を伴う。そのため、屋根
材の維持、補修は建物を管理する業務を行う者にとって
大きな負担になっている。
【0003】すなわち、建物を管理する業務では、雨水
漏れの事故が起こる前に最適に補修していく必要があ
る。従来一般的には、ある期限を設定して、定期的に補
修していく方法が採用されている。この場合、たとえば
補修期間を仮に5年と設定したとしても、劣化が激しく
て、それまでに孔が明いてしまうこともある。また、そ
のために通常、補修期間は劣化の進行よりも短めに、す
なわち安全側に設定することが多く、結果として通算の
補修回数が増加するので、最適な補修に比べてコストが
増すことになる。そこで、劣化の状況を正確に把握し
て、それぞれの屋根毎に必要な補修時機を設定すること
が必要になる。
漏れの事故が起こる前に最適に補修していく必要があ
る。従来一般的には、ある期限を設定して、定期的に補
修していく方法が採用されている。この場合、たとえば
補修期間を仮に5年と設定したとしても、劣化が激しく
て、それまでに孔が明いてしまうこともある。また、そ
のために通常、補修期間は劣化の進行よりも短めに、す
なわち安全側に設定することが多く、結果として通算の
補修回数が増加するので、最適な補修に比べてコストが
増すことになる。そこで、劣化の状況を正確に把握し
て、それぞれの屋根毎に必要な補修時機を設定すること
が必要になる。
【0004】この劣化の状況を把握する方法として、従
来から目視観察が行われている。特に建物屋根部を目視
観察する調査では、建物の屋根に人が上り、その部位の
劣化状況を診断する方法が取られている。この際、高い
屋根での高所作業のため、作業員の安全性を確保するこ
とが必要となり、かつ、目視診断ができる専門の技術者
が必要となるため、コスト高である。またこれに加え
て、得られた評価結果も個人的な能力の差によってばら
つきが生じ、客観性や整合性に劣るという問題点が生じ
ていた。
来から目視観察が行われている。特に建物屋根部を目視
観察する調査では、建物の屋根に人が上り、その部位の
劣化状況を診断する方法が取られている。この際、高い
屋根での高所作業のため、作業員の安全性を確保するこ
とが必要となり、かつ、目視診断ができる専門の技術者
が必要となるため、コスト高である。またこれに加え
て、得られた評価結果も個人的な能力の差によってばら
つきが生じ、客観性や整合性に劣るという問題点が生じ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の目視観察の方法
では、上記のようにいくつかの問題点を抱えている。特
にその問題点は、人間による評価であることに起因する
ものであるから、建物屋根材の劣化評価を機械的に自動
で行える方法が望まれていた。本発明の目的は、このよ
うな要望に応えて、建物屋根材を撮影し、その撮影画像
を元に画像処理することで屋根材の劣化度を客観的に評
価する方法を提供することにある。
では、上記のようにいくつかの問題点を抱えている。特
にその問題点は、人間による評価であることに起因する
ものであるから、建物屋根材の劣化評価を機械的に自動
で行える方法が望まれていた。本発明の目的は、このよ
うな要望に応えて、建物屋根材を撮影し、その撮影画像
を元に画像処理することで屋根材の劣化度を客観的に評
価する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の劣化度評価方法
では、建物屋根材を撮影し、この撮影画像を数値化し
て、画像中から解析に必要な対象物を切り出し、この切
り出した画像から劣化部と健全部を画像処理により分別
し、その面積率を計算することによって全体の劣化度を
評価する。建物屋根材の撮影方法としては、マクロ的に
評価する場合には、飛行物体を用いて飛行させながら上
空より評価対象を撮影し、ミクロ的に評価する場合に
は、クレーンや高所作業車等を用いて評価対象を近接撮
影するとよい。なお、劣化部と健全部を分別する画像処
理は、錆の発生を検出する白黒画像処理によって、ある
いは塗膜の色変化を検出するカラー画像処理によって行
うとよい。
では、建物屋根材を撮影し、この撮影画像を数値化し
て、画像中から解析に必要な対象物を切り出し、この切
り出した画像から劣化部と健全部を画像処理により分別
し、その面積率を計算することによって全体の劣化度を
評価する。建物屋根材の撮影方法としては、マクロ的に
評価する場合には、飛行物体を用いて飛行させながら上
空より評価対象を撮影し、ミクロ的に評価する場合に
は、クレーンや高所作業車等を用いて評価対象を近接撮
影するとよい。なお、劣化部と健全部を分別する画像処
理は、錆の発生を検出する白黒画像処理によって、ある
いは塗膜の色変化を検出するカラー画像処理によって行
うとよい。
【0007】
【作用】本発明の劣化度評価方法の流れを図1および図
2に示す。まず、図1はマクロ的に劣化度を評価する場
合を示しており、飛行物体により建物屋根材を撮影す
る。ここで言う飛行物体とは、飛行機やヘリコプター、
飛行船、熱気球等をさす。これを用いて建物屋根材の画
像を上空から撮影する。撮影の際には、目的とする建物
がはっきりと見える時刻および天候を選択し、また、他
の建物の陰になるような状況を避けて、撮影することが
必要である。理想的には晴れた日の昼間、真上からの撮
影が望ましい。
2に示す。まず、図1はマクロ的に劣化度を評価する場
合を示しており、飛行物体により建物屋根材を撮影す
る。ここで言う飛行物体とは、飛行機やヘリコプター、
飛行船、熱気球等をさす。これを用いて建物屋根材の画
像を上空から撮影する。撮影の際には、目的とする建物
がはっきりと見える時刻および天候を選択し、また、他
の建物の陰になるような状況を避けて、撮影することが
必要である。理想的には晴れた日の昼間、真上からの撮
影が望ましい。
【0008】撮影の高さは、特に規定するものではない
が、写真上にできるだけ大きく、かつ、はっきりと建物
が写るように設定する必要がある。一般的には、上空数
mから2000m程度が望ましい。ただし、あまり近く
からの撮影は、飛行物体の陰が写ったり、撮影画像が歪
むことがあるので注意を要する。本発明においては画像
の撮影方法は特に限定するものではない。すなわち、フ
ィルムや乾板にカメラを用いて撮影する方法、もしくは
ビデオカメラやデジタルスチルカメラで撮影する方法が
適宜採用される。
が、写真上にできるだけ大きく、かつ、はっきりと建物
が写るように設定する必要がある。一般的には、上空数
mから2000m程度が望ましい。ただし、あまり近く
からの撮影は、飛行物体の陰が写ったり、撮影画像が歪
むことがあるので注意を要する。本発明においては画像
の撮影方法は特に限定するものではない。すなわち、フ
ィルムや乾板にカメラを用いて撮影する方法、もしくは
ビデオカメラやデジタルスチルカメラで撮影する方法が
適宜採用される。
【0009】次に画像の数値化を行う。ここで、画像の
数値化はできるだけ精度良く入力する必要がある。本発
明では、画像を取り込む装置は規定していないが、実際
には、前述したビデオカメラやデジタルスチルカメラの
画像を直接用いる方法と、イメージスキャナー、フライ
ングスポットスキャナー、ドラムスキャナー、フィルム
スキャナー等により数値化する方法が適宜採用される。
数値化はできるだけ精度良く入力する必要がある。本発
明では、画像を取り込む装置は規定していないが、実際
には、前述したビデオカメラやデジタルスチルカメラの
画像を直接用いる方法と、イメージスキャナー、フライ
ングスポットスキャナー、ドラムスキャナー、フィルム
スキャナー等により数値化する方法が適宜採用される。
【0010】本発明では、入力画像の画質、すなわち画
像の数値化の精度は厳密に規定するものではないが、劣
化を充分に評価できる程度の画質は必要である。画質は
一般的にはピクセルサイズとして定義される。ピクセル
サイズは、できるだけ細かくする事が望まれる。しかし
ながら、このサイズを小さくするに伴い、処理を行う画
像の大きさは増し、処理時間は極端に長くなる。そのた
め、最適な画像サイズが存在する。現状の計算機や画像
処理装置のレベルでは、処理可能な画像サイズは最大で
も5000点×5000点が限度である。
像の数値化の精度は厳密に規定するものではないが、劣
化を充分に評価できる程度の画質は必要である。画質は
一般的にはピクセルサイズとして定義される。ピクセル
サイズは、できるだけ細かくする事が望まれる。しかし
ながら、このサイズを小さくするに伴い、処理を行う画
像の大きさは増し、処理時間は極端に長くなる。そのた
め、最適な画像サイズが存在する。現状の計算機や画像
処理装置のレベルでは、処理可能な画像サイズは最大で
も5000点×5000点が限度である。
【0011】実際のピクセルサイズはこの画像サイズと
取り込んだ写真の写っているサイズにより計算される。
例えば、100m×100mの屋根材をこのサイズで読
み込んだ場合、2cm×2cmがピクセルサイズにな
る。解析の精度から、画像サイズとして512×512
以上でピクセルサイズは、50cm以下を用いるのが適
している。ピクセル毎の色数は、やはり解析の精度上白
黒の数値化の場合256色以上、カラー画像の場合、最
低でも512色は必要で、実用的には1660万色が必
要である。これ以上の色数に数値化することで精度をよ
り向上させる事が可能であるが、現状の入力装置ではこ
れ以上の色数を数値化できる装置は実用化されていな
い。また、色を数値化する場合の表色法としては、たと
えば白黒に関しては輝度を用い、カラー画像に関しては
RGB表色法を用いるとよい。
取り込んだ写真の写っているサイズにより計算される。
例えば、100m×100mの屋根材をこのサイズで読
み込んだ場合、2cm×2cmがピクセルサイズにな
る。解析の精度から、画像サイズとして512×512
以上でピクセルサイズは、50cm以下を用いるのが適
している。ピクセル毎の色数は、やはり解析の精度上白
黒の数値化の場合256色以上、カラー画像の場合、最
低でも512色は必要で、実用的には1660万色が必
要である。これ以上の色数に数値化することで精度をよ
り向上させる事が可能であるが、現状の入力装置ではこ
れ以上の色数を数値化できる装置は実用化されていな
い。また、色を数値化する場合の表色法としては、たと
えば白黒に関しては輝度を用い、カラー画像に関しては
RGB表色法を用いるとよい。
【0012】次に、この数値化された画像の中から解析
に不必要な部分を取り除くための画像の切り出し処理を
行う。すなわち、撮影した画像から、解析に必要の無い
部分、例えば煙突や配管等を解析対象から除外し、必要
な部分のみを抽出する処理を行う。この際、陰の部分も
解析対象から外す。この処理は、画像処理装置や計算機
上の画面を見ながらマニュアルで行うことも可能である
が、陰の部分の除去は自動的に画像処理による短周期成
分の除去で行うことも可能である。
に不必要な部分を取り除くための画像の切り出し処理を
行う。すなわち、撮影した画像から、解析に必要の無い
部分、例えば煙突や配管等を解析対象から除外し、必要
な部分のみを抽出する処理を行う。この際、陰の部分も
解析対象から外す。この処理は、画像処理装置や計算機
上の画面を見ながらマニュアルで行うことも可能である
が、陰の部分の除去は自動的に画像処理による短周期成
分の除去で行うことも可能である。
【0013】その後に、画像処理を行い、健全部と劣化
部とを分別する。本発明ではこの健全部と劣化部の分別
処理として2種類の方法を採用する。一つは、白黒で数
値化した画像を輝度値によって分別する方法である。本
発明者らが種々検討した結果、屋根材の劣化は、主とし
て錆発生により起こるものであり、この部位は健全な部
分よりも輝度値が下がっていることを見つけた。そこ
で、画像処理装置上で最適なしきい値を見つけ、これに
より2値化することで、劣化部のみを抽出することが可
能になる。
部とを分別する。本発明ではこの健全部と劣化部の分別
処理として2種類の方法を採用する。一つは、白黒で数
値化した画像を輝度値によって分別する方法である。本
発明者らが種々検討した結果、屋根材の劣化は、主とし
て錆発生により起こるものであり、この部位は健全な部
分よりも輝度値が下がっていることを見つけた。そこ
で、画像処理装置上で最適なしきい値を見つけ、これに
より2値化することで、劣化部のみを抽出することが可
能になる。
【0014】もう一つは、カラーの色コードの違いを利
用するものである。予め健全部の色を設定しておき、こ
れからのはずれ方を指標として劣化部を分別する方法で
ある。例えば、数値化して切りだした写真上での健全部
を読み取り、その色コードがR=115,G=189,
B=211であったとする。ただしこの場合の画像の数
値化は各色256階調で行っている。画像上のあるピク
セルの各色の階調値をR=a,G=b,B=cとする
と、色コードの違いKは、数1で計算される。
用するものである。予め健全部の色を設定しておき、こ
れからのはずれ方を指標として劣化部を分別する方法で
ある。例えば、数値化して切りだした写真上での健全部
を読み取り、その色コードがR=115,G=189,
B=211であったとする。ただしこの場合の画像の数
値化は各色256階調で行っている。画像上のあるピク
セルの各色の階調値をR=a,G=b,B=cとする
と、色コードの違いKは、数1で計算される。
【数1】 このKに対して、しきい値を定め、しきい値以上であれ
ば劣化部との判定を行う。そして、この劣化部と健全部
から劣化部の面積率を計算し出力する。
ば劣化部との判定を行う。そして、この劣化部と健全部
から劣化部の面積率を計算し出力する。
【0015】次に、図2はミクロ的に劣化度を評価する
場合を示す。前記した上空からの写真では、屋根全体の
点検診断が客観的かつマクロ的には可能であるが、例え
ば図3に示すような軒・棟部、凹凸断面屋根の折り曲げ
部、切断面部等、局部的かつ複雑な形状の屋根部分の点
検診断においては、飛行物体を用いると遠景となり、当
該部分を把握することが困難となる。そのような場合に
は、クレーンや高所作業車などを用いて、屋根の細部を
近接写真撮影する。近接撮影する方法は、飛行物体を用
いた撮影方法と同様に、フィルムや乾板にカメラを用い
て撮影する方法、もしくはビデオカメラやデジタルスチ
ルカメラで撮影する方法が適宜採用される。次の画像の
数値化以降の流れは、飛行物体を用いた撮影の場合と同
じでよい。
場合を示す。前記した上空からの写真では、屋根全体の
点検診断が客観的かつマクロ的には可能であるが、例え
ば図3に示すような軒・棟部、凹凸断面屋根の折り曲げ
部、切断面部等、局部的かつ複雑な形状の屋根部分の点
検診断においては、飛行物体を用いると遠景となり、当
該部分を把握することが困難となる。そのような場合に
は、クレーンや高所作業車などを用いて、屋根の細部を
近接写真撮影する。近接撮影する方法は、飛行物体を用
いた撮影方法と同様に、フィルムや乾板にカメラを用い
て撮影する方法、もしくはビデオカメラやデジタルスチ
ルカメラで撮影する方法が適宜採用される。次の画像の
数値化以降の流れは、飛行物体を用いた撮影の場合と同
じでよい。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。 (実施例1)表1は、目視評価の結果と本発明により解
析した結果を示したものである。解析した写真は、軽飛
行機で撮影した製鉄所構内の航空写真である。これを、
写真倍率1/1200に焼き付け、イメージスキャナー
より読み込んだ。最小ピクセル値10cmで白黒256
階調で入力を行った。その中から冷間圧延工場の屋根
(500m×50m)を切り出し、それを10のブロッ
ク(100m×25mサイズ)に分けて(1)から(1
0)とし、それぞれ解析した。劣化評価は、輝度値10
0の値をしきい値として2値化し、これより輝度が低い
ものを劣化部と判定した。目視評価は表2に示した基準
で7段階に分けて劣化ランクとした。劣化ランクは数字
が小さい方が劣化が激しい。本発明の結果と目視評価の
結果には良い対応がある。
する。 (実施例1)表1は、目視評価の結果と本発明により解
析した結果を示したものである。解析した写真は、軽飛
行機で撮影した製鉄所構内の航空写真である。これを、
写真倍率1/1200に焼き付け、イメージスキャナー
より読み込んだ。最小ピクセル値10cmで白黒256
階調で入力を行った。その中から冷間圧延工場の屋根
(500m×50m)を切り出し、それを10のブロッ
ク(100m×25mサイズ)に分けて(1)から(1
0)とし、それぞれ解析した。劣化評価は、輝度値10
0の値をしきい値として2値化し、これより輝度が低い
ものを劣化部と判定した。目視評価は表2に示した基準
で7段階に分けて劣化ランクとした。劣化ランクは数字
が小さい方が劣化が激しい。本発明の結果と目視評価の
結果には良い対応がある。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】(実施例2)解析した写真は一般の航空測
量会社より入手した製鉄所構内の上空1800mより撮
影した航空写真である。撮影倍率は1/12500であ
り、これを約4倍に拡大して焼き付けた。この写真を3
00dpiでイメージスキャナーより、赤、青、緑とも
各256階調、全色で1660万色の条件で読み込ん
だ。最小ピクセル値は約30cmである。画像上の屋根
をランダムに24ヶ所切り出し、これをフルカラーの画
像処理にかけた。最初に陰の部分を切りとり、残りの画
素に対して健全部のデータからの色のずれを計算する。
画像処理のアルゴリズムは、数1で示した方法である。
量会社より入手した製鉄所構内の上空1800mより撮
影した航空写真である。撮影倍率は1/12500であ
り、これを約4倍に拡大して焼き付けた。この写真を3
00dpiでイメージスキャナーより、赤、青、緑とも
各256階調、全色で1660万色の条件で読み込ん
だ。最小ピクセル値は約30cmである。画像上の屋根
をランダムに24ヶ所切り出し、これをフルカラーの画
像処理にかけた。最初に陰の部分を切りとり、残りの画
素に対して健全部のデータからの色のずれを計算する。
画像処理のアルゴリズムは、数1で示した方法である。
【0020】判別のしきい値を0.2(数1の値を25
6で割った値)として、これ以上の部位を劣化部と判定
し、その部位の面積率を計算した。図4はこの劣化面積
率と目視評価の結果をグラフで示したものである。目視
観察による劣化評価と本発明により計算した劣化面積率
に良い対応がある。同時に、劣化面積率では、これま
で、劣化ランクで判断のつかなかった細かな差異まで見
つけることが可能になった。
6で割った値)として、これ以上の部位を劣化部と判定
し、その部位の面積率を計算した。図4はこの劣化面積
率と目視評価の結果をグラフで示したものである。目視
観察による劣化評価と本発明により計算した劣化面積率
に良い対応がある。同時に、劣化面積率では、これま
で、劣化ランクで判断のつかなかった細かな差異まで見
つけることが可能になった。
【0021】(実施例3)耐候性鋼板と亜鉛鍍金鋼板で
作製し、10年経時した屋根を飛行船を用いて撮影し
た。これを写真倍率1/1200に焼き付け、イメージ
スキャナーより読み込んだ。最小ピクセル値10cmで
フルカラー(1660万色)で入力を行った。入力した
画像より屋根10m×10m単位で切り出して解析し
た。画像処理のアルゴリズムは数1を用いた。判別のし
きい値は実施例2と同じである。耐候性鋼板で作製した
屋根では、劣化面積率が大きい部分があったので、この
部分を詳細に観察したところ、一部孔が明いていた。ま
た、亜鉛鍍金鋼板では、端部に錆発生が見られ、その部
分の錆面積率が大きくて、目視観察の結果と一致してい
た。
作製し、10年経時した屋根を飛行船を用いて撮影し
た。これを写真倍率1/1200に焼き付け、イメージ
スキャナーより読み込んだ。最小ピクセル値10cmで
フルカラー(1660万色)で入力を行った。入力した
画像より屋根10m×10m単位で切り出して解析し
た。画像処理のアルゴリズムは数1を用いた。判別のし
きい値は実施例2と同じである。耐候性鋼板で作製した
屋根では、劣化面積率が大きい部分があったので、この
部分を詳細に観察したところ、一部孔が明いていた。ま
た、亜鉛鍍金鋼板では、端部に錆発生が見られ、その部
分の錆面積率が大きくて、目視観察の結果と一致してい
た。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、撮影した画像を画像処
理することにより、建物屋根材の劣化状況を診断するこ
とが可能になる。従って人の目視評価による個人差が無
く、マクロ的あるいはミクロ的に精度の良い客観的な評
価が可能である。そして、精度の良い診断結果が得られ
ることから、建物の屋根材を最適時に維持管理、補修し
ていくことが可能であり、そのコストの節減も可能にな
る。特にミクロ評価においては、屋根の寿命を左右す
る、軒・棟部、折り曲げ部、切断面部などの局部かつ複
雑な部分の腐食劣化まで、観察・評価可能であるため、
従来にまして高精度な劣化度診断や余寿命予測が可能と
なる。
理することにより、建物屋根材の劣化状況を診断するこ
とが可能になる。従って人の目視評価による個人差が無
く、マクロ的あるいはミクロ的に精度の良い客観的な評
価が可能である。そして、精度の良い診断結果が得られ
ることから、建物の屋根材を最適時に維持管理、補修し
ていくことが可能であり、そのコストの節減も可能にな
る。特にミクロ評価においては、屋根の寿命を左右す
る、軒・棟部、折り曲げ部、切断面部などの局部かつ複
雑な部分の腐食劣化まで、観察・評価可能であるため、
従来にまして高精度な劣化度診断や余寿命予測が可能と
なる。
【図1】本発明の建物屋根材の劣化度評価方法におい
て、飛行物体を用いて撮影した画像を解析する場合のフ
ローチャートである。
て、飛行物体を用いて撮影した画像を解析する場合のフ
ローチャートである。
【図2】図1の飛行物体に代って、クレーン・高所作業
車等により近接撮影した画像を解析する場合のフローチ
ャートである。
車等により近接撮影した画像を解析する場合のフローチ
ャートである。
【図3】屋根の寿命を左右する、軒・棟部、折り曲げ
部、切断面部などの局部かつ複雑な部分を例示した模式
図である。
部、切断面部などの局部かつ複雑な部分を例示した模式
図である。
【図4】本発明の実施例2において計算された劣化面積
率と目視観察による劣化評価の対応関係を示すグラフで
ある。
率と目視観察による劣化評価の対応関係を示すグラフで
ある。
1 凹凸屋根断面 2 折り曲げ部 3 切断面部 4 軒部 5 棟部
フロントページの続き (72)発明者 蓑星 裕治 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 山本 正弘 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 等 俊一 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 北村 彰啓 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (5)
- 【請求項1】 建物屋根材を撮影し、この撮影画像を数
値化して、画像中から解析に必要な対象物を切り出し、
この切り出した画像から劣化部と健全部を画像処理によ
り分別し、その劣化部の面積率を計算することにより劣
化度を評価することを特徴とする建物屋根材の劣化度評
価方法。 - 【請求項2】 建物屋根材を、飛行物体を用いて飛行さ
せながら上空から撮影することを特徴とする請求項1に
記載の建物屋根材の劣化度評価方法。 - 【請求項3】 建物屋根材を、クレーンや高所作業車等
を用いて近接撮影することを特徴とする請求項1に記載
の建物屋根材の劣化度評価方法。 - 【請求項4】 上記劣化部と健全部を分別する画像処理
が、錆の発生を検出する白黒画像処理であることを特徴
とする請求項1,2,3のいずれかに記載の建物屋根材
の劣化度評価方法。 - 【請求項5】 上記劣化部と健全部を分別する画像処理
が、塗膜の色変化を検出するカラー画像処理であること
を特徴とする請求項1,2,3のいずれかに記載の建物
屋根材の劣化度評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8494495A JPH07318510A (ja) | 1994-03-28 | 1995-03-16 | 建物屋根材の劣化度評価方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8089794 | 1994-03-28 | ||
JP6-80897 | 1994-03-28 | ||
JP8494495A JPH07318510A (ja) | 1994-03-28 | 1995-03-16 | 建物屋根材の劣化度評価方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07318510A true JPH07318510A (ja) | 1995-12-08 |
Family
ID=26421858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8494495A Pending JPH07318510A (ja) | 1994-03-28 | 1995-03-16 | 建物屋根材の劣化度評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07318510A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2008292263A (ja) * | 2007-05-24 | 2008-12-04 | Pasuko:Kk | 建物屋根の劣化判定方法 |
CN107340296A (zh) * | 2016-05-02 | 2017-11-10 | 富士施乐株式会社 | 变化程度导出设备、变化程度导出系统和已知颜色体 |
JP2018185208A (ja) * | 2017-04-25 | 2018-11-22 | 富士通株式会社 | 変化検知プログラム、変化検知装置及び変化検知方法 |
JP2019128273A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | 積水ハウス株式会社 | 防水シートの診断方法 |
JP2020507776A (ja) * | 2017-02-10 | 2020-03-12 | ボクセルグリッド ゲーエムベーハー | 対象物を分析するためのデバイス及び方法 |
-
1995
- 1995-03-16 JP JP8494495A patent/JPH07318510A/ja active Pending
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