JPH073181A - 肌色系焼結顔料およびこれを含有してなる肌色系メークアップ化粧料 - Google Patents
肌色系焼結顔料およびこれを含有してなる肌色系メークアップ化粧料Info
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- JPH073181A JPH073181A JP16861793A JP16861793A JPH073181A JP H073181 A JPH073181 A JP H073181A JP 16861793 A JP16861793 A JP 16861793A JP 16861793 A JP16861793 A JP 16861793A JP H073181 A JPH073181 A JP H073181A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 肉眼における化粧仕上りに優れると共に、写
真撮影時のカラー写真の無彩色化現象を解消した肌色系
焼結顔料と肌色系メークアップ化粧料を提供する。 【構成】 酸化チタンと酸化第2鉄とを94:6〜8
0:20、好適には92:8〜85:15の重量比で混
合し焼成して得られる焼結顔料であり、その焼結顔料の
ハンタ−L−a−b系表色系における測色値がa値:2
0以下、b値:10〜40(20kg/cm2 プレス圧
成型時)の範囲にある肌色系焼結顔料を、メークアップ
化粧料中に好適には5重量%以上含有する。
真撮影時のカラー写真の無彩色化現象を解消した肌色系
焼結顔料と肌色系メークアップ化粧料を提供する。 【構成】 酸化チタンと酸化第2鉄とを94:6〜8
0:20、好適には92:8〜85:15の重量比で混
合し焼成して得られる焼結顔料であり、その焼結顔料の
ハンタ−L−a−b系表色系における測色値がa値:2
0以下、b値:10〜40(20kg/cm2 プレス圧
成型時)の範囲にある肌色系焼結顔料を、メークアップ
化粧料中に好適には5重量%以上含有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、化粧品用として
好適な肌色系焼結顔料およびこれを含有したメークアッ
プ化粧料に関し、詳しくはカラー写真撮影時の写真顔面
部の無彩色化現象を防止し、写真映りの良い肌色系焼結
顔料とこれを用いた肌色系メークアップ化粧料を提供す
るものである。
好適な肌色系焼結顔料およびこれを含有したメークアッ
プ化粧料に関し、詳しくはカラー写真撮影時の写真顔面
部の無彩色化現象を防止し、写真映りの良い肌色系焼結
顔料とこれを用いた肌色系メークアップ化粧料を提供す
るものである。
【0002】
【発明の背景】メークアップした時に肉眼では異和感な
く仕上ったにも拘わらず、カラー写真撮影をするとカラ
ー写真における彩度が著しく低下し、顔面部が白く浮き
あがった状態を呈するという現象(以下、無彩色化現象
と称す)が発生する。この無彩色化現象は、太陽光下の
ような充分な光量がある場合には発生しないが、室内や
曇天下又は夕方のように光量が不充分な状態でフラッシ
ュ等を用いて撮影した場合に頻発する。
く仕上ったにも拘わらず、カラー写真撮影をするとカラ
ー写真における彩度が著しく低下し、顔面部が白く浮き
あがった状態を呈するという現象(以下、無彩色化現象
と称す)が発生する。この無彩色化現象は、太陽光下の
ような充分な光量がある場合には発生しないが、室内や
曇天下又は夕方のように光量が不充分な状態でフラッシ
ュ等を用いて撮影した場合に頻発する。
【0003】この無彩色化現象の発生機序としては、以
下の如く考察される。すなわち、現在のメークアップ化
粧料は、隠ぺい力を付与するためのタルク、酸化チタン
等の白色体質顔料と好みの色味を肌上に付与するための
黄色〜赤色系の有色顔料とで構成されている。
下の如く考察される。すなわち、現在のメークアップ化
粧料は、隠ぺい力を付与するためのタルク、酸化チタン
等の白色体質顔料と好みの色味を肌上に付与するための
黄色〜赤色系の有色顔料とで構成されている。
【0004】ところで、太陽光においては青領域(40
0〜420nm)の光に対する黄〜赤領域(600〜7
00nm)の光の比率が充分大きいのに対し、フラッシ
ュ光では青領域に対する黄〜赤領域の光の比率が太陽光
に比べてはるかに小さい。このフラッシュ光を用いてカ
ラー写真撮影を行なうと黄色〜赤色に対して補色関係に
ある青領域の光が相対的に多く照射されることになっ
て、肌色系メークアップ化粧料中の黄色〜赤色の有色顔
料の色味を薄める結果となる。
0〜420nm)の光に対する黄〜赤領域(600〜7
00nm)の光の比率が充分大きいのに対し、フラッシ
ュ光では青領域に対する黄〜赤領域の光の比率が太陽光
に比べてはるかに小さい。このフラッシュ光を用いてカ
ラー写真撮影を行なうと黄色〜赤色に対して補色関係に
ある青領域の光が相対的に多く照射されることになっ
て、肌色系メークアップ化粧料中の黄色〜赤色の有色顔
料の色味を薄める結果となる。
【0005】一方、肌色系メークアップ化粧料中の白色
体質顔料は、フラッシュ光を受けても補色関係がないた
め白色がそのまま演出される。従って、カラー写真上で
は黄色〜赤色系の色味と白色のバランスが崩れて無彩色
化現象が発生し、肉眼で見た場合とは異なった化粧仕上
り感を呈する。
体質顔料は、フラッシュ光を受けても補色関係がないた
め白色がそのまま演出される。従って、カラー写真上で
は黄色〜赤色系の色味と白色のバランスが崩れて無彩色
化現象が発生し、肉眼で見た場合とは異なった化粧仕上
り感を呈する。
【0006】
【従来の技術】かかる問題を解決するため、従来は2つ
の方法が考えられていた。すなわち、フラッシュ光に
多量に含まれる青光と補色関係にある黄色〜赤色系の有
色顔料の肌色系メークアップ化粧料中における割合を標
準量より増やす方法と、逆に肌色系メークアップ化粧
料中における白色体質顔料を標準量より減らす方法とで
ある。
の方法が考えられていた。すなわち、フラッシュ光に
多量に含まれる青光と補色関係にある黄色〜赤色系の有
色顔料の肌色系メークアップ化粧料中における割合を標
準量より増やす方法と、逆に肌色系メークアップ化粧
料中における白色体質顔料を標準量より減らす方法とで
ある。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、写真では異和感のない仕上りになるもの
の、肉眼では黄〜赤味が強くなり自然な肌色とはかけ離
れた異様なメーク仕上りとなってしまう。また、の方
法では、隠ぺい力が不足してシミ、ソバカス、肌のくす
み等を隠せないという欠点を生じる。
の方法では、写真では異和感のない仕上りになるもの
の、肉眼では黄〜赤味が強くなり自然な肌色とはかけ離
れた異様なメーク仕上りとなってしまう。また、の方
法では、隠ぺい力が不足してシミ、ソバカス、肌のくす
み等を隠せないという欠点を生じる。
【0008】本発明はかかる実情に鑑みてなされたもの
であって、肉眼における化粧仕上りは勿論のこと、フラ
ッシュ撮影等においてもカラー写真の無彩色化現象を解
消し、肉眼と同等の異和感のない仕上りが得られる肌色
系メークアップ化粧料を提供することを課題とする。
であって、肉眼における化粧仕上りは勿論のこと、フラ
ッシュ撮影等においてもカラー写真の無彩色化現象を解
消し、肉眼と同等の異和感のない仕上りが得られる肌色
系メークアップ化粧料を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、酸化チタンと鉄化
合物とから形成される特定の焼結顔料が、フラッシュ撮
影等においても無彩色化現象を起こさず肉眼と同等の色
味を呈することを見出し、これに基づいて本発明を完成
した。
解決するため鋭意研究を重ねた結果、酸化チタンと鉄化
合物とから形成される特定の焼結顔料が、フラッシュ撮
影等においても無彩色化現象を起こさず肉眼と同等の色
味を呈することを見出し、これに基づいて本発明を完成
した。
【0010】すなわち、本発明は、酸化チタンと鉄化合
物とを94:6〜80:20、好ましくは92:8〜8
5:15の重量比(鉄化合物を酸化第2鉄に換算)で混
合し、好適には温度730〜1200℃、1〜8時間の
条件下で焼成して得られる焼結顔料であり、該焼結顔料
の1種又は2種以上の混合物のハンタ−L−a−b系表
色系における測色値がa値:20以下、b値:10〜4
0(20kg/cm2プレス圧成型時)の範囲にある肌
色系焼結顔料に関する。
物とを94:6〜80:20、好ましくは92:8〜8
5:15の重量比(鉄化合物を酸化第2鉄に換算)で混
合し、好適には温度730〜1200℃、1〜8時間の
条件下で焼成して得られる焼結顔料であり、該焼結顔料
の1種又は2種以上の混合物のハンタ−L−a−b系表
色系における測色値がa値:20以下、b値:10〜4
0(20kg/cm2プレス圧成型時)の範囲にある肌
色系焼結顔料に関する。
【0011】また本発明は、上記の肌色系焼結顔料の少
なくとも1種以上を好ましくは5重量%以上含有する肌
色系メークアップ化粧料に関する。
なくとも1種以上を好ましくは5重量%以上含有する肌
色系メークアップ化粧料に関する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の肌色系焼結顔料は、酸化チタンと
鉄化合物とを94:6〜80:20、好ましくは92:
8〜85:15の重量比(鉄化合物を酸化第2鉄に換
算)で均一に混合した後、焼成して得られる焼結顔料で
ある。
鉄化合物とを94:6〜80:20、好ましくは92:
8〜85:15の重量比(鉄化合物を酸化第2鉄に換
算)で均一に混合した後、焼成して得られる焼結顔料で
ある。
【0014】ここで、用いられる鉄化合物としては、酸
化第2鉄が最も好ましいが、その他酸化第1鉄、四三酸
化鉄、水酸化鉄、有機酸鉄例えばシュウ酸鉄、クエン酸
鉄等、および無機酸鉄例えば塩化鉄、硫酸鉄等を挙げる
ことができる。
化第2鉄が最も好ましいが、その他酸化第1鉄、四三酸
化鉄、水酸化鉄、有機酸鉄例えばシュウ酸鉄、クエン酸
鉄等、および無機酸鉄例えば塩化鉄、硫酸鉄等を挙げる
ことができる。
【0015】また、本発明の肌色系焼結顔料は、単独で
又は2種以上の混合物の状態で、ハンタ−L−a−b系
表色系における測色値がa値:20以下、b値:10〜
40、好ましくはa値:16以下、b値:15〜36
(20kg/cm2 プレス圧成型時)の範囲にあること
が必要である。
又は2種以上の混合物の状態で、ハンタ−L−a−b系
表色系における測色値がa値:20以下、b値:10〜
40、好ましくはa値:16以下、b値:15〜36
(20kg/cm2 プレス圧成型時)の範囲にあること
が必要である。
【0016】すなわち、酸化チタンと鉄化合物との混合
重量比において、酸化チタン量が上記範囲よりも多くな
ると、白みが強くなり無彩色化現象を防ぐことができ
ず、反対に鉄化合物量が上記範囲よりも多くなると色味
(赤み又は黄み)が強くなり肌色系顔料となり得ないと
共に、仮にこれを有色顔料の一つとして肌色系メークア
ップ化粧料を調製したとしても、やはり無彩色化現象が
生じてしまう。
重量比において、酸化チタン量が上記範囲よりも多くな
ると、白みが強くなり無彩色化現象を防ぐことができ
ず、反対に鉄化合物量が上記範囲よりも多くなると色味
(赤み又は黄み)が強くなり肌色系顔料となり得ないと
共に、仮にこれを有色顔料の一つとして肌色系メークア
ップ化粧料を調製したとしても、やはり無彩色化現象が
生じてしまう。
【0017】一方、測色値のa値が20を越えると、赤
みが強くなり、肌色系とするには白色顔料による補正が
必要であり、無彩色化現象を引き起こす。
みが強くなり、肌色系とするには白色顔料による補正が
必要であり、無彩色化現象を引き起こす。
【0018】また、b値が10より小さくなると黄みが
弱くなると共に、単独でも無彩色化現象が発生し、反対
にb値が40より大きくなると黄みが強くなり、肌色系
とするには青色顔料による補正が必要であり、結果とし
て無彩色化現象を引き起こす。
弱くなると共に、単独でも無彩色化現象が発生し、反対
にb値が40より大きくなると黄みが強くなり、肌色系
とするには青色顔料による補正が必要であり、結果とし
て無彩色化現象を引き起こす。
【0019】次に、焼成条件としては通常大気中で、焼
成温度が730〜1200℃、好ましくは750〜11
00℃、焼成時間が1〜8時間、好ましくは1.5〜5
時間の範囲である。
成温度が730〜1200℃、好ましくは750〜11
00℃、焼成時間が1〜8時間、好ましくは1.5〜5
時間の範囲である。
【0020】すなわち、特に焼成温度については色みに
対する影響が強く、温度によってルチル、ヘマタイト、
シュードブルッカイトの構成比率が変化するため、低温
から高温になるにつれ赤みの強い状態から黄みの強い状
態へと変化する。
対する影響が強く、温度によってルチル、ヘマタイト、
シュードブルッカイトの構成比率が変化するため、低温
から高温になるにつれ赤みの強い状態から黄みの強い状
態へと変化する。
【0021】従って、前記の酸化チタンと鉄化合物との
混合比に対して最適な焼成温度と焼成時間とを組み合わ
せることにより、本発明の肌色系焼結顔料を得ることが
できる。
混合比に対して最適な焼成温度と焼成時間とを組み合わ
せることにより、本発明の肌色系焼結顔料を得ることが
できる。
【0022】尚、730℃より低い焼成温度では、酸化
チタン結晶構造に対する酸化鉄の置換が進まないので避
けた方が良い。
チタン結晶構造に対する酸化鉄の置換が進まないので避
けた方が良い。
【0023】上記した本発明の肌色系焼結顔料は、例え
ばポスター塗料用の肌色系顔料として、またメークアッ
プ化粧料用の肌色系顔料として用いることができる。
ばポスター塗料用の肌色系顔料として、またメークアッ
プ化粧料用の肌色系顔料として用いることができる。
【0024】次に、本発明の肌色系メークアップ化粧料
について説明する。
について説明する。
【0025】本発明の肌色系メークアップ化粧料には、
前記した肌色系焼結顔料の少なくとも1種以上を好まし
くは5重量%以上配合する。
前記した肌色系焼結顔料の少なくとも1種以上を好まし
くは5重量%以上配合する。
【0026】配合される肌色系焼結顔料の量が5重量%
より少ないと、隠ぺい力が不足しシミ、ソバカス等を隠
すことができない為、隠ぺい力に優れた酸化チタン、酸
化亜鉛等の体質顔料が多く必要となり、これは無彩色化
現象の原因ともなるので5重量%以上であることが好ま
しい。
より少ないと、隠ぺい力が不足しシミ、ソバカス等を隠
すことができない為、隠ぺい力に優れた酸化チタン、酸
化亜鉛等の体質顔料が多く必要となり、これは無彩色化
現象の原因ともなるので5重量%以上であることが好ま
しい。
【0027】また、本発明のメークアップ化粧料中に
は、前記特定の肌色系焼結顔料の特性、すなわち測色値
のa,b値に対して殆ど影響を与えない白色顔料例えば
タルク、セリサイト等については併用しても良いが、上
記の如くa,b値に対して影響を与える白色顔料例えば
酸化チタン、酸化亜鉛等については極力使用を控えた方
が良い。
は、前記特定の肌色系焼結顔料の特性、すなわち測色値
のa,b値に対して殆ど影響を与えない白色顔料例えば
タルク、セリサイト等については併用しても良いが、上
記の如くa,b値に対して影響を与える白色顔料例えば
酸化チタン、酸化亜鉛等については極力使用を控えた方
が良い。
【0028】更に、本発明の肌色系メークアップ化粧料
中には、通常メークアップ化粧料に用いられる油剤、活
性剤、保湿剤、防腐剤、香料などを配合することができ
る。
中には、通常メークアップ化粧料に用いられる油剤、活
性剤、保湿剤、防腐剤、香料などを配合することができ
る。
【0029】ここで、本発明の特徴について述べると、
一定の酸化チタンと鉄化合物との混合比(鉄化合物を酸
化第2鉄に換算)を有する混合物を焼成し、且つ一定の
a,b値の範囲を有する焼結顔料とすること、及びこれ
をメークアップ化粧料基剤中に配合することによって、
焼結顔料自体又はこれを配合したメークアップ化粧料が
肉眼で自然な肌色を有するばかりでなく、これを顔面等
に塗布した場合にも無彩色化現象を引き起こさないよう
にした点にある。
一定の酸化チタンと鉄化合物との混合比(鉄化合物を酸
化第2鉄に換算)を有する混合物を焼成し、且つ一定の
a,b値の範囲を有する焼結顔料とすること、及びこれ
をメークアップ化粧料基剤中に配合することによって、
焼結顔料自体又はこれを配合したメークアップ化粧料が
肉眼で自然な肌色を有するばかりでなく、これを顔面等
に塗布した場合にも無彩色化現象を引き起こさないよう
にした点にある。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例とを用いて
本発明を更に詳細に説明する。尚、処方系中における配
合割合は重量部である。
本発明を更に詳細に説明する。尚、処方系中における配
合割合は重量部である。
【0031】実施例1.酸化チタンと酸化第2鉄とを9
0:10の重量比で均一に混合し、大気中で950℃、
2時間の条件で焼成した後、粉砕して帯赤肌色の焼結顔
料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色系
における測色値は、a値:12、b値:24(20kg
/cm2 プレス圧成型時)であった。
0:10の重量比で均一に混合し、大気中で950℃、
2時間の条件で焼成した後、粉砕して帯赤肌色の焼結顔
料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色系
における測色値は、a値:12、b値:24(20kg
/cm2 プレス圧成型時)であった。
【0032】実施例2.酸化チタンと酸化第2鉄とを8
5:15の重量比で均一に混合し、大気中で1050
℃、2.5時間の条件で焼成した後、粉砕して帯黄肌色
の焼結顔料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b
系表色系における測色値は、a値:10、b値:32
(20kg/cm2 プレス圧成型時)であった。
5:15の重量比で均一に混合し、大気中で1050
℃、2.5時間の条件で焼成した後、粉砕して帯黄肌色
の焼結顔料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b
系表色系における測色値は、a値:10、b値:32
(20kg/cm2 プレス圧成型時)であった。
【0033】実施例3.酸化チタンと水酸化鉄とを9
1:9(酸化第2鉄換算で92:8)の重量比で均一に
混合し、大気中で800℃、5時間の条件で焼成した
後、粉砕して帯黄肌色の焼結顔料を得た。この焼結顔料
のハンタ−L−a−b系表色系における測色値は、a
値:7.5、b値:28.6(20kg/cm2 プレス
圧成型時)であった。
1:9(酸化第2鉄換算で92:8)の重量比で均一に
混合し、大気中で800℃、5時間の条件で焼成した
後、粉砕して帯黄肌色の焼結顔料を得た。この焼結顔料
のハンタ−L−a−b系表色系における測色値は、a
値:7.5、b値:28.6(20kg/cm2 プレス
圧成型時)であった。
【0034】比較例1.酸化チタンと酸化第2鉄とを8
0:20の重量比で均一に混合し、大気中で800℃、
10時間の条件で焼成した後、粉砕して帯赤肌色の焼結
顔料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色
系における測色値は、a値:21、b値:42(20k
g/cm2 プレス圧成型時)であった。
0:20の重量比で均一に混合し、大気中で800℃、
10時間の条件で焼成した後、粉砕して帯赤肌色の焼結
顔料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色
系における測色値は、a値:21、b値:42(20k
g/cm2 プレス圧成型時)であった。
【0035】比較例2.酸化チタンと酸化第2鉄とを7
0:30の重量比で均一に混合し、大気中で700℃、
2時間の条件で焼成した後、粉砕して濃赤肌色の焼結顔
料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色系
における測色値は、a値:26、b値:45(20kg
/cm2 プレス圧成型時)であった。
0:30の重量比で均一に混合し、大気中で700℃、
2時間の条件で焼成した後、粉砕して濃赤肌色の焼結顔
料を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色系
における測色値は、a値:26、b値:45(20kg
/cm2 プレス圧成型時)であった。
【0036】比較例3.酸化チタンと酸化第2鉄とを9
5:5の重量比で均一に混合し、大気中で900℃、2
時間の条件で焼成した後、粉砕して淡黄肌色の焼結顔料
を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色系に
おける測色値は、a値:−0.5、b値:9(20kg
/cm2 プレス圧成型時)であった。
5:5の重量比で均一に混合し、大気中で900℃、2
時間の条件で焼成した後、粉砕して淡黄肌色の焼結顔料
を得た。この焼結顔料のハンタ−L−a−b系表色系に
おける測色値は、a値:−0.5、b値:9(20kg
/cm2 プレス圧成型時)であった。
【0037】 実施例4.パウダーファンデーション 帯赤肌色焼結顔料(実施例1) 19 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 2.5 タルク 30 セリサイト 38 ジメチルシリコーン 10
【0038】 比較例4−1.パウダーファンデーション 酸化チタン 17.1 黄酸化鉄 3.4 ベンガラ 1.5 タルク 30 セリサイト 38 ジメチルシリコーン 10
【0039】 比較例4−2.パウダーファンデーション 帯赤肌色焼結顔料(比較例1) 19 ベンガラ 1 タルク 30 セリサイト 40 ジメチルシリコーン 10
【0040】 比較例4−3.パウダーファンデーション 帯赤肌色焼結顔料(比較例1) 10 酸化チタン 10 黄酸化鉄 3 ベンガラ 1 タルク 30 セリサイト 36 ジメチルシリコーン 10
【0041】 比較例4−4.パウダーファンデーション 淡黄肌色焼結顔料(比較例3) 19 ベンガラ 1 タルク 30 セリサイト 40 ジメチルシリコーン 10
【0042】 比較例4−5.パウダーファンデーション 淡黄肌色焼結顔料(比較例3) 10.5 酸化チタン 3 黄酸化鉄 5 ベンガラ 2.5 タルク 30 セリサイト 40 ジメチルシリコーン 10
【0043】実施例5.クリームファンデーション 帯黄肌色焼結顔料(実施例2) 10 黄酸化鉄 2 タルク 8 スクワラン 10 オリーブ油 10 ステアリン酸 2 グリセリルモノステアレート 2 POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2 グリセリン 5 トリエタノールアミン 0.8 純 水 48.2
【0044】 比較例5−1.クリームファンデーション 酸化チタン 8.5 黄酸化鉄 3 ベンガラ 0.5 タルク 8 スクワラン 10 オリーブ油 10 ステアリン酸 2 グリセリルモノステアレート 2 POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2 グリセリン 5 トリエタノールアミン 0.8 純 水 48.2
【0045】 比較例5−2.クリームファンデーション 帯赤肌色焼結顔料(比較例1) 10 黄酸化鉄 2 タルク 8 スクワラン 10 オリーブ油 10 ステアリン酸 2 グリセリルモノステアレート 2 POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2 グリセリン 5 トリエタノールアミン 0.8 純 水 48.2
【0046】 比較例5−3.クリームファンデーション 帯赤肌色焼結顔料(比較例1) 5 酸化チタン 6 黄酸化鉄 1 タルク 8 スクワラン 10 オリーブ油 10 ステアリン酸 2 グリセリルモノステアレート 2 POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2 グリセリン 5 トリエタノールアミン 0.8 純 水 48.2
【0047】 比較例5−4.クリームファンデーション 淡黄肌色焼結顔料(比較例3) 10 黄酸化鉄 2 タルク 8 スクワラン 10 オリーブ油 10 ステアリン酸 2 グリセリルモノステアレート 2 POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2 グリセリン 5 トリエタノールアミン 0.8 純 水 48.2
【0048】 比較例5−5.クリームファンデーション 淡黄肌色焼結顔料(比較例3) 8 酸化チタン 2 黄酸化鉄 2.5 ベンガラ 1.5 タルク 6 スクワラン 10 オリーブ油 10 ステアリン酸 2 グリセリルモノステアレート 2 POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2 グリセリン 5 トリエタノールアミン 0.8 純 水 48.2
【0049】 実施例6.オイルゲルファンデーション(カバーマーク) 帯黄肌色焼結顔料(実施例3) 25 酸化チタン 5 セリサイト 10 ミツロウ 5 マイクロクリスタリンワックス 10 イソオクタン酸セチル 45
【0050】 比較例6−1.オイルゲルファンデーション(カバーマーク) 酸化チタン 28 酸化鉄 2 セリサイト 10 ミツロウ 5 マイクロクリスタリンワックス 5 イソオクタン酸セチル 50
【0051】 比較例6−2.オイルゲルファンデーション(カバーマーク) 帯赤肌色焼結顔料(比較例1) 25 酸化チタン 5 セリサイト 10 ミツロウ 5 マイクロクリスタリンワックス 5 イソオクタン酸セチル 50
【0052】 比較例6−3.オイルゲルファンデーション(カバーマーク) 帯赤肌色焼結顔料(比較例1) 15 酸化チタン 15 セリサイト 10 ミツロウ 5 マイクロクリスタリンワックス 5 イソオクタン酸セチル 50
【0053】 比較例6−4.オイルゲルファンデーション(カバーマーク) 淡黄肌色焼結顔料(比較例3) 25 酸化チタン 5 セリサイト 10 ミツロウ 5 マイクロクリスタリンワックス 5 イソオクタン酸セチル 50
【0054】 比較例6−5.オイルゲルファンデーション(カバーマーク) 淡黄肌色焼結顔料(比較例3) 20 黄酸化鉄 7 酸化鉄 3 セリサイト 10 ミツロウ 5 マイクロクリスタリンワックス 5 イソオクタン酸セチル 50
【0055】比較試験 本発明の化粧料と比較品の化粧料とについて、製品系の
ハンタ−L−a−b系表色系の測色と顔面塗布後のカラ
ー写真における無彩色化現象の有無について測定した。
ハンタ−L−a−b系表色系の測色と顔面塗布後のカラ
ー写真における無彩色化現象の有無について測定した。
【0056】1)製品系の測色試験 (方法)パウダーファンデーションについては、20k
g/cm2 でプレスした成型物の表面を、またクリーム
ファンデーション及びオイルゲルファンデーションにお
いては測色用ガラスセルに充填後、色差計(日本電色製
Σ90)を用いてL,a,b値を測定した。その結果を
表1に示す。
g/cm2 でプレスした成型物の表面を、またクリーム
ファンデーション及びオイルゲルファンデーションにお
いては測色用ガラスセルに充填後、色差計(日本電色製
Σ90)を用いてL,a,b値を測定した。その結果を
表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】2)無彩色化現象測定試験 (方法)パウダーファンデーション及びオイルゲルファ
ンデーションについては0.15g、またクリームファ
ンデーションについては0.3gを全顔に均一に塗布し
た。その後、室内にて蛍光灯のみを照明とし、被写体か
ら1.5mの距離からフラッシュをたいて撮影した。得
られたカラー写真を肉眼及び色差計(ミノルタ製CM1
000)を用いてマンセル値を測定した。その結果を表
2に示す。
ンデーションについては0.15g、またクリームファ
ンデーションについては0.3gを全顔に均一に塗布し
た。その後、室内にて蛍光灯のみを照明とし、被写体か
ら1.5mの距離からフラッシュをたいて撮影した。得
られたカラー写真を肉眼及び色差計(ミノルタ製CM1
000)を用いてマンセル値を測定した。その結果を表
2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2の結果に示された如く、本発
明の肌色系焼結顔料を含有したメークアップ化粧料は、
何れも自然な肌色を呈し、且つ顔面塗布時においても無
彩色化現象を引き起こさないのに対し、焼結顔料を用い
ない又は本発明の条件から逸脱した焼結顔料を用いた比
較品のメークアップ化粧料は、何れも不自然な色調を呈
するか、もしくは色調補正した場合にあっても無彩色化
現象を引き起こすものであって、本発明の優秀性が立証
された。
明の肌色系焼結顔料を含有したメークアップ化粧料は、
何れも自然な肌色を呈し、且つ顔面塗布時においても無
彩色化現象を引き起こさないのに対し、焼結顔料を用い
ない又は本発明の条件から逸脱した焼結顔料を用いた比
較品のメークアップ化粧料は、何れも不自然な色調を呈
するか、もしくは色調補正した場合にあっても無彩色化
現象を引き起こすものであって、本発明の優秀性が立証
された。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、肉眼における化粧仕上
りに優れるばかりでなく、フラッシュ撮影等におけるカ
ラー写真の無彩色化現象を解消して肉眼と同等の異和感
のない仕上りを付与することができる。
りに優れるばかりでなく、フラッシュ撮影等におけるカ
ラー写真の無彩色化現象を解消して肉眼と同等の異和感
のない仕上りを付与することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 酸化チタンと鉄化合物とを94:6〜8
0:20の重量比(鉄化合物を酸化第2鉄に換算)で混
合し焼成して得られる焼結顔料であり、該焼結顔料の1
種又は2種以上の混合物のハンタ−L−a−b系表色系
における測色値がa値:20以下、b値:10〜40
(20kg/cm2 プレス圧成型時)の範囲にあること
を特徴とする肌色系焼結顔料。 - 【請求項2】 前記焼結顔料における酸化チタンと鉄化
合物との混合重量比(鉄化合物を酸化第2鉄に換算)が
92:8〜85:15である請求項1記載の肌色系焼結
顔料。 - 【請求項3】 前記焼結顔料の焼成条件が温度730〜
1200℃、時間1〜8時間である請求項1記載の肌色
系焼結顔料。 - 【請求項4】 前記肌色系焼結顔料の少なくとも1種以
上を含有することを特徴とする肌色系メークアップ化粧
料。 - 【請求項5】 前記肌色系焼結顔料の含有量が化粧料全
体に対して5重量%以上である請求項3に記載の肌色系
メークアップ化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16861793A JP2863688B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | カラー写真撮影用肌色系メークアップ化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16861793A JP2863688B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | カラー写真撮影用肌色系メークアップ化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH073181A true JPH073181A (ja) | 1995-01-06 |
JP2863688B2 JP2863688B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=15871384
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16861793A Expired - Lifetime JP2863688B2 (ja) | 1993-06-15 | 1993-06-15 | カラー写真撮影用肌色系メークアップ化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2863688B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0913989A (ja) * | 1995-06-23 | 1997-01-14 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ガスタービンまたはジェットエンジンの圧縮機駆動方法およびそれに用いる圧縮機構造 |
US6099249A (en) * | 1996-08-09 | 2000-08-08 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki | Structure of output section of jet propulsion engine or gas turbine |
JP2007291090A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Kose Corp | 粉末化粧料 |
JP2017002019A (ja) * | 2015-06-08 | 2017-01-05 | 株式会社ピカソ美化学研究所 | メイクアップ化粧料 |
-
1993
- 1993-06-15 JP JP16861793A patent/JP2863688B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0913989A (ja) * | 1995-06-23 | 1997-01-14 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ガスタービンまたはジェットエンジンの圧縮機駆動方法およびそれに用いる圧縮機構造 |
US6099249A (en) * | 1996-08-09 | 2000-08-08 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki | Structure of output section of jet propulsion engine or gas turbine |
JP2007291090A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Kose Corp | 粉末化粧料 |
JP2017002019A (ja) * | 2015-06-08 | 2017-01-05 | 株式会社ピカソ美化学研究所 | メイクアップ化粧料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2863688B2 (ja) | 1999-03-03 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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