JPH07317191A

JPH07317191A - 床板

Info

Publication number: JPH07317191A
Application number: JP6131464A
Authority: JP
Inventors: Moriyuki Kaneko; 守行金子
Original assignee: Nozawa Corp
Current assignee: Nozawa Corp
Priority date: 1994-05-20
Filing date: 1994-05-20
Publication date: 1995-12-05

Abstract

(57)【要約】【目的】押出成形セメント板を用いた床にあって、階
下に対する遮音性を向上させることができるようにす
る。【構成】中空部４が所定間隔に形成された押出成形セ
メント板３を基材とし、この押出成形セメント板３の表
面にフローリング等の床材が施工される床構造におい
て、押出成形セメント板３の表面に所定間隔にリブ５を
設け、床材との間の接触面積を低減し、遮音性を向上さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、住宅の床、特に集合住
宅の床に用いるための床板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】押出成形セメント板は中空構造のため、
軽量で、厚みを薄くでき、高強度を有し、様々
な断面形状に加工できるという特徴を備えた建築材料で
ある。このような特徴を有することから、外壁や間仕切
り壁の用途のほか、床板や階段の踏板の構成部品として
も用いられるようになってきている。図５は押出成形セ
メント板による従来の床板の一例を示す正面図である。
床板１はセメントを素材とし、これを所望の形に押出成
形して作られた押出成形セメント板であり、内部には一
定間隔に中空部２（空洞）が形成されている。この中空
部２を通して配線や配管が行えるのも、押出成形セメン
ト板の特徴である。このような構造の押出成形セメント
板は、一般に、厚みが５０〜６０（ｍｍ）程度、その巾
は４５０〜６００（ｍｍ）程度、また、重量は５０〜７
０（ｋｇ／ｍ²）程度である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、押出成形セ
メント板を用いた従来の床板は、住宅、集合住宅の床に
用いる場合、押出成形セメント板の上にフローリング等
を直接施工しているため、押出成形セメント板の表面と
フローリング等の床材の裏面とが全面密着した構造にな
っている。このような密着構造及び押出成形セメント板
自体が薄く中空部分を有する構造であることから、階下
への遮音性が劣るという問題がある。すなわち、２階以
上の住宅では、上階の床に発生した音（人が飛び跳ねる
音、物が落ちた音等）が下の階の天井に直接に伝わるこ
とになり、これが騒音になる。本発明は、押出成形セメ
ント板を床材料に用いながら階下に対する遮音性を向上
させることのできる床板を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、中空部が所定間隔に形成された押出
成形セメント板の表面にフローリング等の床材が施工さ
れる床構造において、前記押出成形セメント板の表面に
所定間隔にリブを設けるようにしている。このリブは、
２本以上を同一方向に平行に設ければよい。また、上記
の目的は、押出成形セメント板の表面に一定間隔に溝を
設け、この溝に緩衝材を立設することによっても達成さ
れる。この場合の溝は、緩衝材が抜け落ちないような台
形断面形状がよく、また、緩衝材にはゴム系の材料を用
いることができる。

【０００５】更に、上記の目的は、押出成形セメント板
の表面と前記中空部との間に第２の中空部を一定間隔に
設けることによっても達成される。そして、第２の中空
部には緩衝材を挿入することができ、この緩衝材には、
例えば吸音特性を有するゴム系材料を用いることができ
る。

【０００６】

【作用】上記した手段によれば、フローリング等の床材
を張るための基礎となる床板に押出成形セメント板を用
いる床構造にあって、押出成形セメント板の表面に設け
られたリブは、前記床材と押出成形セメント板の表面と
の間を帯状に接触させ、従来のような面接触は生じさせ
ない。したがって、床材に付与された音や振動が床板に
伝搬する面積を極めて小さくでき、この結果、下階に対
する遮音性を向上させることができる。

【０００７】また、押出成形セメント板の表面に形成さ
れた溝に嵌入するように立設された緩衝材は、押出成形
セメント板の表面と床材との間に隙間を形成し、かつ緩
衝材は吸音材及び振動吸収材として機能する。したがっ
て、床材側の音及び振動は緩衝材を介して押出成形セメ
ント板側に伝えられることになり、遮音性を向上させる
ことができる。

【０００８】更に、元来備えている第１の中空部に対
し、この中空部と押出成形セメント板との間に設けた第
２の中空部は、厚みを薄くした押出成形セメント板上に
リブを介して薄い床板を載置したのと同じ状態にするこ
とができる。したがって、下階に対する遮音性を向上さ
せることができる。この場合、第２の中空部に挿入した
ゴム等の緩衝材は、その周囲の音を吸音し、下階に伝わ
る音響レベルを低減するように機能する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１は本発明による床板の第１実施
例を示す正面図である。住宅の居室、廊下等に用いられ
る床板１０の主要部分を構成するのが押出成形セメント
板３であり、内部に一定間隔に中空部４（両端に開口が
生じるように作られた貫通孔）が形成されている。この
押出成形セメント板３がセメント材の押出成形により作
られる点は従来と同じであるが、本実施例の特徴は表面
加工にある。即ち、押出成形セメント板３の下面は平坦
にされるが、上面には一定間隔にリブ５が設けられてい
る。したがって、フローリング等の表装用床材（以下、
「床材」という）はリブ５の上に載せられる形となり、
押出成形セメント板３の表面の大部分はフローリング等
との間に隙間（緩衝用空間）が形成された状態になって
いる。

【００１０】このように、フローリング等の床材が施工
される側にリブ５を設けたことにより、押出成形セメン
ト板３と床材との接触状態を、従来の面接触から線接触
に近い形（図１の例では帯状接触）にすることができ
る。この結果、フローリング等に生じた音は小面積を占
めるリブ５にしか伝わらず、遮音性を向上させることが
でき、階下に伝わる騒音を低減することが可能になる。
なお、本実施例では、床材の変形等を少なくするため、
リブ５を中空部４と同一方向に２以上が並行するように
設けているが、中空部４に直交する方向に設けること
も、斜行配置することも、碁盤の目状（交差状）に設け
ることもできる。また、リブを丸形、角形、菱形等の寸
断された形状にし、これを飛び石状に点在させる構成に
しても、同様に床材の変形等を少なくすることができ
る。

【００１１】図２は本発明による床板の第２実施例を示
す正面図である。前記実施例が突起（リブ５）を設けて
いたのに対し、本実施例は溝６を設けたところに特徴が
ある。このままでは、フローリング等の床材に接する面
積が多すぎ、遮音効果を高めることができないので、図
３のように、溝６内に緩衝材７を介在（下端が溝６内に
嵌入し、上端が押出成形セメント板３の表面より数ｍｍ
以上露出した状態）させる。この緩衝材７には、振動や
音の吸収特性に優れ、かつ取扱性に優れる材料、例えば
ゴム系の材料を用いることができる。このような構造に
より、前記実施例と同様に押出成形セメント板３の表面
とフローリング等の床材との間の大部分に隙間を形成で
き、かつ押出成形セメント板３側への音や振動が緩衝材
７によって減衰されるため、前記実施例よりも遮音効果
を高くすることができる。なお、溝６は緩衝材７の抜け
落ちを防止するために台形の断面形状にしているが、こ
の形状に限定されるものではない。溝形状は緩衝材７の
抜け出し、移動等を防止できさえすればよく、例えば、
幅が二段階に変わる構造や楕円形断面等にすることも可
能である。

【００１２】図４は本発明による床板の第３実施例を示
す正面図である。本実施例は、中空部を二段、すなわ
ち、押出成形セメント板３の表面（床材の取付面）と中
空部４との間に中空部８を板の長さ方向へ一定間隔に設
け、この中空部８に吸音（遮音）用の緩衝材９を挿入す
るようにした構成に特徴がある。この場合の中空部８
は、在来の押出成形セメント板の寸法規格の厚み（例え
ば６０ｍｍ）内に収まる範囲内の寸法にするのが望まし
い。また、強度が著しく低下しない範囲の寸法及び形状
にすることも必要である。緩衝材９としては、遮音性
（吸音性）に優れ、かつローコストで取扱いの容易なゴ
ム系の材料を用いているが、このほか、ガラス繊維、ロ
ックウール等の材料も用いることができる。

【００１３】この実施例では、中空部８の相互の仕切り
がリブとして機能している。したがって、中空部４の上
側の肉厚を薄くした押出成形セメント板３の表面にリブ
を介して薄い板を固定したのと同じ構造になる。このた
め、押出成形セメント板３の表面と床材の裏面が密接状
態になっても、振動や押出成形セメント板３自体を伝わ
る音は、中空部８の相互の狭い仕切り部分を通るため、
音や振動が伝わる経路を長くした状態になり、階下への
遮音性を高めることができる。更に、中空部８に配設さ
れた緩衝材９は押出成形セメント板３の厚み方向へダイ
レクトに通過しようとする音を吸音し、遮音性を更に高
めている。

【００１４】なお、前記各実施例においては、いずれも
床材としてフローリングを例にあげたが、これに限定さ
れるものではなく、例えば、縁甲板、パーチクルボー
ド、化粧合板等であってもよい。また、本発明を居室や
廊下等の床に適用するものとしたが、階段の踏板に適用
することもできる。更には、図１の実施例と図４の実施
例の組み合わせ、図１の実施例と図４の実施例の組み合
わせ、図２の実施例と図４の実施例の組み合わせ等によ
る構成も可能である。また、緩衝材７には、上記したよ
うにゴム系の材料を用いて構成した物のほか、例えば、
板バネやコイルバネのような弾性を備えた部材、或いは
油圧やエアーによるダンパ等を用いることもできる（こ
の場合、床面が高くなるのを制限するため、緩衝材の高
さを抑える配慮が望まれる）。これらによっても、ゴム
系の緩衝材の遮音性と同等またはそれ以上の遮音性を得
ることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上より明らかな如く、本発明によれ
ば、中空部が所定間隔に形成された押出成形セメント板
の表面にフローリング等の床材が施工される床構造にお
いて、前記押出成形セメント板の表面に所定間隔にリブ
を設けるようにしたので、下階に対する遮音性を向上さ
せることができる。同様に、押出成形セメント板の表面
に所定間隔に溝を設け、この溝に緩衝材を立設すること
によって、床材側の音及び振動は緩衝材によって吸収さ
れ、下階に対する遮音性を向上させることができる。ま
た、押出成形セメント板の表面と前記中空部との間に第
２の中空部を所定間隔に設けるようにしても、下階に対
する遮音性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による床板の第１実施例を示す正面図で
ある。

【図２】本発明による床板の第２実施例を示す正面図で
ある。

【図３】図２の実施例の緩衝材部分の詳細構成を示す断
面図である。

【図４】本発明による床板の第３実施例を示す正面図で
ある。

【図５】押出成形セメント板による従来の床板の一例を
示す正面図である。

【符号の説明】

１床板２中空部３押出成形セメント板４中空部５リブ６溝７緩衝材８中空部９緩衝材１０床板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中空部が所定間隔に形成された押出成形
セメント板の表面にフローリング等の床材が施工される
床構造において、前記押出成形セメント板の表面に所定
間隔にリブを設けたことを特徴とする床板。
【請求項２】前記リブは、２本以上を平行に設けるこ
とを特徴とする請求項１記載の床板。
【請求項３】中空部が所定間隔に形成された押出成形
セメント板の表面にフローリング等の床材が施工される
床構造において、前記押出成形セメント板の表面に所定
間隔に溝を設け、該溝に緩衝材を立設することを特徴と
する床板。
【請求項４】前記溝は、台形断面を有することを特徴
とする請求項３記載の床板。
【請求項５】前記緩衝材は、ゴム系であることを特徴
とする請求項３記載の床板。
【請求項６】中空部が所定間隔に形成された押出成形
セメント板の表面にフローリング等の床材が施工される
床構造において、前記押出成形セメント板の表面と前記
中空部との間に第２の中空部を所定間隔に設けることを
特徴とする床板。
【請求項７】前記第２の中空部内に緩衝材を挿入する
ことを特徴とする請求項６記載の床板。
【請求項８】前記緩衝材は、ゴム系であることを特徴
とする請求項７記載の床板。