JPH07316913A - 紡糸用口金の洗浄装置 - Google Patents

紡糸用口金の洗浄装置

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JPH07316913A
JPH07316913A JP12979294A JP12979294A JPH07316913A JP H07316913 A JPH07316913 A JP H07316913A JP 12979294 A JP12979294 A JP 12979294A JP 12979294 A JP12979294 A JP 12979294A JP H07316913 A JPH07316913 A JP H07316913A
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信孝 宮本
Shigeki Honda
繁喜 本田
Kaoru Nishimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡糸用口金の洗浄再生を、人手を必要とせず
自動的に行える紡糸用口金の洗浄装置を提供する。 【構成】 洗浄すべき紡糸用口金を一定方向へ搬送する
コンベアと、該コンベアの近傍に設けられた超音波洗浄
装置と、口金の表裏両面にエアを吹きつけるエア吹き付
け乾燥機と、前記コンベアで搬送されてきた口金を把持
して前記超音波洗浄装置の位置と該コンベアとの間を往
復移動する口金チャックとを備えてなる紡糸用口金の洗
浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紡糸用口金を多くの人
手をかけずに能率よく洗浄できる洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性重合体の溶融紡糸に使用
される紡糸用口金は、紡糸を長時間継続すると、口金細
孔の内壁や周辺に熱可塑性重合体中の低揮発分や珪素系
離型剤などの固着物が増大するため、正常な吐出が妨げ
られ、口金直下で糸条が屈折したりして、糸切れの原因
となる。したがって、紡糸用口金は定期的に交換する必
要があり、取り外した口金は、なんらかの方法で固着物
を洗浄除去して再使用しているのである。代表的な口金
の例としては、ステンレス製の円盤型で直径70mm、
厚さ10mm、細孔数100、細孔直径0.1〜0.3
mmのものがある。
【0003】固着物で汚れた紡糸用口金を洗浄再生して
いた従来の装置は、超音波洗浄槽の液中に、ステンレス
製の水平な円盤が回転可能に設けられ、該円盤の同一半
径円周上には口金をセットできる孔が例えば18個設け
られており、また口金をセットできる孔に対して垂直上
方に1〜2個の超音波洗浄チップが固定されているもの
である。口金を洗浄再生する方法は、まず円盤の孔に各
1個の口金をセットし、洗浄チップの下に位置する口金
に対し上方から所定時間、例えば30分洗浄を行う。口
金は表裏両面から洗浄する必要があるため、次に該口金
を裏返してセットし、同様に30分程度洗浄を行う。ひ
とつの口金の超音波洗浄が終わると、ステンレス製円盤
を回転させて次の口金の洗浄に移る。また上記30分の
洗浄時間中に、洗浄済みの口金を取り出してエアを吹き
付けて乾燥させ、空いた孔には別の洗浄が必要な口金を
セットする。このようにして、口金のセット、洗浄、裏
返し、洗浄、口金の取り出し、洗浄の必要な口金のセッ
ト、エア吹き付け乾燥を繰り返し、口金の洗浄再生を行
っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ような装置と方法では、超音波洗浄以外の各操作は人手
で行うものであるから、少なくとも一人の作業者が殆ど
終日機械に付いていなければならないという課題を残し
ていた。
【0005】本発明の目的は、汚れた紡糸用口金の洗浄
を、多くの人手を必要とせず、自動的に行える装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、次のような構成とした。すなわち本発明の
紡糸用口金の洗浄装置は、洗浄すべき紡糸用口金を一定
方向へ搬送するコンベアと、該コンベアの近傍に設けら
れた超音波洗浄装置と、口金の表裏両面にエアを吹きつ
けるエア吹き付け乾燥機と、前記コンベアで搬送されて
きた口金を把持して前記超音波洗浄装置の位置と該コン
ベアとの間を往復移動する口金チャックとを備えている
ことを特徴としている。
【0007】
【作用】コンベア上に供給された使用済みの紡糸用口金
は、所定位置で口金チャックに把持されて超音波洗浄装
置の位置まで運ばれ、洗浄される。洗浄が終了すると、
口金を把持した口金チャックがコンベア上まで復帰する
とともに、エア吹き付け乾燥機によって乾燥される。乾
燥後の口金はコンベアによって搬出される。
【0008】
【実施例】以下図面に表された本発明の1実施例につい
て具体的に説明する。図に示されるように、この紡糸用
口金の洗浄装置1は、超音波洗浄装置2、エア吹き付け
乾燥機3、この両者の間をスライド用シリンダ21に沿
って往復移動可能に設けられた口金チャック22、前記
スライド用シリンダの下方で交差するように設けられた
フィードコンベア4、洗浄すべき口金8を側方からフィ
ードコンベアの上流部分41へ供給し得るように設けら
れたストックコンベア5、洗浄乾燥されフィードコンベ
アの下流部分47へ送られた口金8をフィードコンベア
から受取可能に設けられた排出コンベア6、および、こ
れら全体の自動運転を制御する制御装置Cからなってい
る。
【0009】ストックコンベア5は、洗浄すべき口金8
が横に複数個(図示例では6個)並ぶ幅の広いコンベア
であり、先端部には口金8を1列づつフィードコンベア
4上に送り込むためのゲートピンP1,... 、P
2,... が前後に間隔をおいて向かい合うように設けら
れている。これら前後のゲートピンP1,P2は、コン
ベア5の上方に設けた支持枠7に支持されており、エア
シリンダで上下に昇降し、下降時には口金8の移動を規
制する。すなわち、前側のゲートピンP1,... が下降
し、後側のゲートピンP2,... が上昇した状態でコン
ベア5によって口金8,... が送られてくると、最前列
の口金8,... がゲートピンP1,... に当たって停止
し、後続の口金列も停止する。次に、後側のゲートピン
P2,... が下降して、第2列目以降の運動を規制する
とともに、前側のゲートピンP1,...が上昇して最前
列の口金8,... の規制を解放する。これにより最前列
から順に、1列づつ口金をフィードコンベアの上流部分
41へ供給することができる。コンベアの幅は本実施例
に限定する必要はなく、横に並ぶ1列の口金の数を1〜
10個とすることも可能である。
【0010】フィードコンベア4は、細い3本のベルト
42,42,43が並んだベルトコンベアであり、前記
ストックコンベア5から供給され、1列に並んだ複数個
の口金8,... を先頭から1個づつ洗浄供給位置10へ
送り込むことができる。図5で示すように、フィードコ
ンベアの中央のベルト43は、洗浄供給位置10では凹
んだ形で架設されており、該凹みの空間にリフトシリン
ダ24が設けられている。また、この凹みの位置には、
フィードコンベア4で送られてくる口金を確実に停止さ
せるためのゲートシリンダ9,... が設けられており、
口金8が供給位置10に運ばれてきたとき伸長して該口
金をその位置で停止させる。リフトシリンダ24は洗浄
供給位置10に送り込まれた口金8を載せて上昇し、口
金チャック22が口金を把持できる高さまで持ち上げ
る。リフトシリンダ24は通常はフィードコンベア4の
上面よりも低い収縮位置で待機している。
【0011】超音波洗浄装置2は、上方の超音波発信機
11と、その下部に取り付けられている超音波ホーン1
2と、洗浄水を入れた超音波洗浄槽13と、下側の超音
波発信機15とから成っている。超音波洗浄槽13はシ
リンダ14によって昇降可能に設けられている。
【0012】エア吹き付け乾燥機3は、シリンダ31の
先端に上下2個のエアノズル32,32を取り付けたも
ので、通常はシリンダが収縮してコンベア4から離れた
待機位置にあり、口金乾燥時にはシリンダ31が伸長し
て、ノズル32,32は供給位置10へ前進し、口金チ
ャック22で水平に把持された口金8に対し上下から温
風を吹き付ける。
【0013】口金チャック22は、超音波洗浄装置2の
位置と供給位置10との間を往復移動可能に設けられて
おり、把持シリンダ23の作動により矢印A方向に拡縮
して、口金8を水平に把持したり解放したりすることが
できる。すなわち、図3および図4で示すように、超音
波洗浄装置2と供給位置10との間にスライド用シリン
ダ21が設けられ、該スライド用シリンダにチャック稼
動部23と、口金チャック22が往復移動可能に設けら
れている。
【0014】排出コンベア6は、フィードコンベアの下
流部分47の側方に設けられており、フィードコンベア
4から移し込まれた口金8を搬出するようになってい
る。フィードコンベア下流部分の側方には、シリンダ4
8と押し板49からなる押出し装置50が設けられ、シ
リンダ48の伸長により前進する押し板49がフィード
コンベア4上の口金8,... を排出コンベア6上へ移載
するようになっている。
【0015】次に、本発明の紡糸用口金の洗浄装置の動
作について説明する。ストックコンベア5に洗浄の必要
な口金8,... を置き、制御装置Cのスタートボタンを
押す。この時、フィードコンベア4の上に口金8がなけ
ればストックコンベア5が最前列の6個の口金をフィー
ドコンベア4に供給し、フィードコンベアの上に口金が
あれば、図示を省略したセンサがこれを検出するためス
トックコンベア5は動かずフィードコンベアが動く。フ
ィードコンベア上の先頭の口金が供給位置10へ移動す
ると、図示を省略したセンサがこれを感知してフィード
コンベア4は停止する。
【0016】リフトシリンダ24が上昇して口金8を所
定の高さまで持ち上げる。上方に待機している口金チャ
ック22が口金8を水平に把持し、超音波洗浄槽13の
上方へ移動する。リフトシリンダ24は下降してフィー
ドコンベア面より下の待機位置に戻る。
【0017】口金チャック22が超音波洗浄槽13の上
方まで移動して停止したのち、シリンダ14と共に超音
波洗浄槽13が上昇し、口金チャック22に把持された
口金8と超音波ホーン12とが水に浸漬された状態で超
音波洗浄槽13の上昇が停止する。ついで、超音波発信
機11,15が発信を開始し、所定時間超音波洗浄が行
われる。
【0018】所定の超音波洗浄時間が経過すると、超音
波発信機の発信が止まり、超音波洗浄槽13が元の位置
まで下降したのち、口金8は口金チャック22に把持さ
れたまま供給位置10へ移動し停止する。
【0019】エア吹き付け乾燥機3のシリンダ31が伸
長して、ノズル32が口金の上下へ移動したのち、ノズ
ル32から温風(冷風でもよい)が吹き出し、口金は上
下から所定時間空気乾燥される。この間ノズル32は、
口金の直径の範囲内でシリンダ31が往復移動すること
によって、口金全体を均等に乾燥することができる。
【0020】口金の乾燥が終了すると、乾燥用エアの吹
き出しが止まり、シリンダ31が収縮してエア吹き付け
乾燥機のノズル32は待機位置へ戻る。
【0021】リフトシリンダ24が上昇し、洗浄乾燥済
みの口金8に接すると、口金は口金チャック22から解
放され、リフトシリンダ24に乗って下降し供給位置で
フィードコンベア4に乗り、フィードコンベアが移動し
て下流部分47へ運ばれ、同時に後続の洗浄すべき口金
8が供給位置10へ運び込まれる。
【0022】以上のように、口金8は1個づつ洗浄乾燥
される。洗浄乾燥された口金がフィードコンベア4の下
流部分47に所定個数、例えば6個溜まると、押し出し
シリンダ48が延びて口金が押し板49に押されて排出
コンベア6上へ移動し、所定の位置まで搬出される。排
出コンベア6の幅は本実施例に限定される必要はなく、
横に並ぶ口金の数を1〜10個とすることも可能であ
る。
【0023】制御装置Cは、これら全体の自動運転を制
御できるようになっている。なお、図示例では、超音波
洗浄槽が昇降して口金を液中に浸積するようになってい
るが、洗浄槽を昇降させるかわりに、口金チャックとホ
ーンを昇降させるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る紡糸用口金の洗浄装置は、殆ど人手を要せずに口
金の洗浄ができるようになり、労力の節減をはかること
が可能となった。なお、本発明の装置は、線引きダイス
など、細孔を有する他の物品の洗浄にも使用することが
できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡糸用口金の洗浄装置の1例をあらわ
す斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その要部の側面図で、超音波洗浄中の状態をあ
らわす。
【図4】その要部の側面図で、洗浄後の温風吹き付け乾
燥中の状態をあらわす。
【図5】フィードコンベアの供給位置の説明図である。
【符号の説明】
1 紡糸用口金の洗浄装置 2 超音波洗浄装置 3 エア吹き付け乾燥機 4 フィードコンベア 5 ストックコンベア 6 排出コンベア 8 口金 13 超音波洗浄槽 22 口金チャック 24 リフトシリンダ 32 エア吹き付けノズル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄すべき紡糸用口金を一定方向へ搬送
    するコンベアと、該コンベアの近傍に設けられた超音波
    洗浄装置と、口金の表裏両面にエアを吹きつけるエア吹
    き付け乾燥機と、前記コンベアで搬送されてきた口金を
    把握して前記超音波洗浄装置の位置と該コンベアとの間
    を往復移動する口金チャックとを備えている紡糸用口金
    の洗浄装置。
  2. 【請求項2】 超音波洗浄装置が昇降可能な洗浄槽を有
    し、口金がその直上部まで運ばれてきたときに上昇して
    該口金を洗浄液中に浸積する請求項1に記載の紡糸用口
    金の洗浄装置。
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