JPH07316907A - 簡易着付け用女帯 - Google Patents

簡易着付け用女帯

Info

Publication number
JPH07316907A
JPH07316907A JP13130694A JP13130694A JPH07316907A JP H07316907 A JPH07316907 A JP H07316907A JP 13130694 A JP13130694 A JP 13130694A JP 13130694 A JP13130694 A JP 13130694A JP H07316907 A JPH07316907 A JP H07316907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drum
folded
folding
fold
band
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP13130694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3431998B2 (ja
Inventor
Mieko Sakae
美枝子 寒河江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP13130694A priority Critical patent/JP3431998B2/ja
Publication of JPH07316907A publication Critical patent/JPH07316907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3431998B2 publication Critical patent/JP3431998B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Outerwear In General, And Traditional Japanese Garments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 女性用の着物の帯に係わるものであり、各種
結びの中で最も繁用されているお太鼓結びの帯結びが簡
単に実現され、和装の着付けを誰でもが自在にこなし得
るようにする新規な簡易着付け用女帯を提供する。 【構成】 お太鼓形成部1側を折り畳んでお太鼓11、
垂れ先13および折込み部12に連続形成する一方、胴
巻部2をお太鼓形成側と反対側に折り畳んで重ね合わせ
ると共に、手先側に確保した折返し部22をお太鼓11
とその内側に直接対面する折込み部12との間に差し込
んだ上、胴巻部2、その上の三角寄せ折り部3、その上
の折込み部12、更にその上の折返し部22からなる重
なり部分の四隅をクリップ4で仮着すると共に、刺しピ
ン5を刺し通し、刺しピン先端尖鋭部51を利用して帯
締め中央を着脱自在に固定してなる簡易着付け用女帯。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
【0001】この発明は、我が国固有の装束である和
装、特に女性用の着物の帯に係わるものであり、各種結
びの中で最も繁用されているお太鼓結びの帯結びが、通
常市販されている名古屋帯や袋帯等でも簡単に実現さ
れ、和装の着付けを誰でもが自在にこなし得るようにす
る新規な構造から成る簡易着付け用女帯を提供しようと
するものである。
【0002】
【従来技術】我が国の生活スタイルもすっかり洋風化さ
れてしまい、普段着として和装する人は、特殊な職業に
着いている人を除けば極めて希な存在となってしまって
いる。その結果、和装は、慶弔時のような特別の行事の
際に辛うじて正装としてお目見えするに過ぎないといっ
た廃れ振りである。このような現象は、確かに和装に比
べ、洋装の方が日常的な活動に合理的に対応可能な構
造、機能を有していることから、宿命的にある程度止む
を得ない結果であると首肯せざるを得ない面もない訳で
はないが、しかし、我が国独特の気候風土や生活習慣を
鑑みるに、単なる生活スタイルの洋風化や活動性だけで
国民の大多数が和装を洋装に切り替えてしまったとはい
えない背景も垣間見ることができる。
【0003】即ち、湿気が多く蒸し暑い春から夏に掛け
ての季節、そして、晩秋から翌年の春先までの厳しい寒
さの季節、それらの合間の過ごし易い季節といったよう
に四季折々に比較的明瞭な変化を繰り返す我が国の気候
風土の中で、その変化に自然に対峙する装束としての和
装の価値は、逆に洋装のそれに比較して極めて合理的な
ものであって、長年培ってきた我が国民の知恵が大いに
生かされていて、世界にも誇れる秀れた装束であると評
価する見解等の中にはっきりと見出だすことができる。
【0004】このように我が国の気候風土に合った極め
て合理的な筈の和装も、住宅や職場、あるいはそれらを
繋ぐ交通機関が、経済的な豊かさに裏付けされてどんど
ん空調設備を整備し続け、本来それらの力なくしては我
が国の気候風土に合うことのなかった筈の洋装でも難無
く過ごし得るよう、環境のコントロール化を社会全体が
一丸となって進めてきた結果、和装の利点が極端に薄
れ、洋装の利点だけが取り入れられ、我が国にも定着し
てしまったものといえる。
【0005】こうした情況の変化から、和装は益々日常
生活から遠ざかる一方で、それでなくても洋装に比較
し、着付け、特に女性用の着物の着付けは、極めて特殊
な技能を要する部分が多くて、普段から着こなす回数を
増やすように心掛けない限り、なかなか身に付かないと
いわれている和装だけに、仮令、若者たちの間で和装に
魅力を感じる傾向が生じたとしても、着る機会が極端に
少なくて尚一層習得のチヤンスを失ってしまっている者
にとっては、着付けの難しさが旧態以前として残ってい
るようであれば、その段階で魅力をなくしてしまう虞も
あり、そのようなことにでもなれば更に一層和装離れ現
象に拍車が掛かり、我が国固有の和装の未来が悲劇的な
ものとなってしまい兼ねないこととなる。
【0006】そのため、着物業界に携わる人々にとって
は勿論のこと、このような事態の到来を危惧する心有る
人にとってみれば、せめて着付け、その中でも特に熟練
度を要する帯結びだけでも従前までのしきたりに拘泥せ
ず、初心者でも1〜2回の学習で簡単に習得、実践が可
能となる簡素化された帯結びの開発、完成が待望視さ
れ、これまでにもそれらに関する様々な提案が成されて
きている。例えば、実公昭62−36819号公報に掲
載された考案に代表される「帯保形具」のように、帯と
は別体の器具を用意し、その器具をホルダーとして従前
までの「お太鼓結び」が比較的簡単に実現されるように
したものや、上記考案に関連して「ふくら雀結び」や
「蝶太鼓結び」等の変形帯結びが完成されるようにした
器具等が提案されている。また、実開昭62−2882
5号公報に掲載された考案「帯」では、上記した器具よ
りずっと簡素化された側面U状の挾圧金具で、帯結びの
代表である「お太鼓結び」を実現できるようにした提案
もある。
【0007】前者では、型崩れのない帯結びが比較的簡
便に実現されるという特徴を有してはいるものの、その
使用に精通するためにそれなりの学習を必要とし、しか
も、帯とは別体の特殊な器具を使用しなければならない
上に、その器具自体が高価で普及の面に課題を残すとい
う難点を抱えるものであり、また、後者では、前者の欠
点をうまく解消した利点を有する反面、締結用紐で左右
方向に引っ張る装着時に形の整えられた「お太鼓」部分
が崩れてしまう虞がある上、何よりも胴回りの違う女性
が、自らの体型に合わせて胴部の長さを調整する手段が
繁雑であって、帯の柄を確実に意図する位置に合わせる
ようにする機能の面に課題を残すものとなっている。
【0008】この発明は、上記したものに代表される従
前までの例のものと同じように、着付けで最も難しい帯
結びを簡素化して着物に対する煩わしさを少しでも解消
しようとする狙いを有するものではあるが、それら従前
までのものでも未だ実現し得ていない取り扱い性のより
一層の簡素化、着付け時以降の形崩れ防止の課題を解決
すると共に、一度「お太鼓結び」を完成してしまってさ
えおけば、後は必要があれば何回でも繰り返してそのま
ま着用が可能となる新規な簡易着付け用女帯を実現し得
たものであって、以下では、具体的な実施例と共にその
構成を詳述するものである。
【0009】
【発明の構成】図面に示した実施例からも明確に理解さ
れるように、この発明の簡易着付け用女帯は、次のよう
な構成を基本とするものである。即ち、三角寄せ折り部
を境にして直交状に折り畳み、垂直側が帯巾のままのお
太鼓形成部、水平側が半巾に二つ折りした胴巻部とな
し、お太鼓形成部側を三角寄せ折り部の上に被さる方向
に折り畳んでお太鼓、垂れ先およびお太鼓の内側へ下方
から折り返される折込み部に連続形成する一方、胴巻部
を、その手先側に帯巾よりやや大きい長さ寸法の、お太
鼓と折込み部との間に差し込む折返し部が確保できる位
置で、お太鼓形成側と反対側に折り畳んで重ね合わせる
と共に、手先側に確保した折返し部をお太鼓側へ折り返
し、該折返し部のお太鼓両側縁からの左右への食み出し
巾が略均等となるよう規制してお太鼓とその内側に直接
対面する折込み部との間に差し込んだ上、お太鼓で覆わ
れた形となっている胴巻部、その上の三角寄せ折り部、
その上の折込み部、更にその上の折返し部を重なり合せ
たまま、同重なり部分の四隅をクリップで仮着すると共
に、三角寄せ折り部の裏側に添設された胴巻部側から刺
しピンを刺し通し、前記重なり各部を貫通してお太鼓の
内側に突出させた刺しピン先端尖鋭部を利用して帯締め
中央をお太鼓内側において着脱自在に固定し、予め帯締
めをお太鼓の内側に横設、組み合わせ、お太鼓結びが完
成されてなる簡易着付け用女帯である。
【0010】この発明で対象となる女帯としては、名古
屋帯を代表に、袋帯その他従前から市販されている帯
で、少なくとも「お太鼓結び」を実施できる女帯であれ
ば、全てこの発明の対象の帯とすることができる。名古
屋帯であれば、既に帯自体が、三角寄せ折り部(お太鼓
止まり)を境にしてお太鼓形成部と、該お太鼓形成部に
直交状になる半巾の胴巻部(胴廻りと手および手先とな
る部分)とに形成されていることから、それをそのまま
使用することになり、また、袋帯その他、帯全長が全巾
(通常、30cmあるいは34cm巾、丸帯では68cm。但
し、着用時には二つ折りの30〜32cm巾となる。)の
ままのものでは、お太鼓形成部に必要な長さを考慮した
箇所で三角寄せ折り部を形成するようにし、該三角寄せ
折り部から手先側を半巾となるよう二つ折り(丸帯で
は、四つ折り)にして胴巻部とするようにしてしまわな
ければならない。
【0011】お太鼓形成部は、したがって、常に帯巾全
幅を三角寄せ折り部から垂直方向上方に延ばした状態か
ら、お太鼓(通常、枕丈に胴巻部巾である半巾を加えた
丈)と、垂れ先(通常、中指1本の長さ)とを、従前ま
でのお太鼓結び同様に形成できるように考慮して、三角
寄せ折り部に被さる方向に折り返していき、それらを形
成して余る部分を折込み部で吸収してしまうようにす
る。名古屋帯のように既に三角寄せ折り部(お太鼓止ま
り)の位置が決定されているものと、自らで決める必要
がある、例えば袋帯とでは、該袋帯の長さ(仕上がり
丈)が通常で410〜427cm(多くは420cm)であ
るのに対し、名古屋帯のそれが通常で360cmと違いが
あることから、名古屋帯以外の帯では自ずと三角寄せ折
り部の位置も変って、お太鼓形成部の長さが長くなり、
したがって、この折込み部での長さの吸収のための折り
畳み方も、帯の種類によって必ずしも一様とはならな
い。
【0012】胴巻部は、三角寄せ折り部から手先に掛け
ての部分であって、同所から横に倒し、同一平面上にお
いてお太鼓形成部に対してL字状となるようにすると、
自然に下端縁が「輪」部(折り曲げた折り目部分)の半
巾の胴巻部(伝統的な着付けでは、この部分を腰に2〜
3回巻き付ける部分)を形成する。この胴巻部は、その
手先側に折返し部(上記したお太鼓の直ぐ内側に横刺し
し、お太鼓の左右に夫々約5cm前後食み出し状とする部
分。したがって、帯全巾に約10cm前後を加えた長さを
必要とする。)が確保できるようにした箇所で、お太鼓
形成側と反対側に二つ折りされて重なり状とされ、三角
寄せ折り部の裏に添わせた後、今度は三角寄せ折り部の
表側に折り返されて、折返し部に形成されるものであ
る。
【0013】胴巻部の該折返し部は、既に折り畳み形成
してあるお太鼓の直ぐ内側に面した折込み部との間に差
し込み、お太鼓の両側に手先と折り返した折り目側とが
夫々約5cm前後食み出した状態に形成される。こうし
て、一通りお太鼓と胴巻部とが完成された後、お太鼓で
覆われた状態となっている各部、即ち、三角寄せ折り部
の裏側に添設された胴巻部、三角寄せ折り部、それに折
返し部を、表裏に正しく重ねたままで四隅に大きめのク
リップで仮着し、それらの重なり状態がが崩れてしまわ
ないようにする。
【0014】この仮固定された状態を維持したまま、三
角寄せ折り部の裏側に添設された胴巻部側から、お太鼓
除く上記した重なり部分の中央を貫通可能な長さの刺し
ピンを刺し通し、折返し部から突出した同先端尖鋭部を
利用して帯締めの中央を仮着してしまい、お太鼓の内側
において、該帯締めが、その中央を、お太鼓で覆われ、
クリップ止めしてズレが阻止された重なり部分、即ち、
三角寄せ折り部の裏側に添設された胴巻部、三角寄せ折
り部、および折返し部に一体化された状態で横設される
ことになり、この発明の簡易着付け用女帯が完成され
る。
【0015】刺しピンの構造は、根元が、三角寄せ折り
部の裏側に添設された胴巻部の更に内側、即ち着物表面
側(但し、実際には着物表面に触れることはなく、着用
時にはその間に胴巻部の手先側が介在し、その表面を覆
い隠すこととなる。)に突出状となることから、可能な
限り平坦なボタン状のプラスチック片、金属片、あるい
はそれらの組み合わせからなる素材その他のものから形
成されて押込み部とされ、同部を支持部として先端が尖
鋭部に形成された長めのピン部を垂設し、該ピン部に、
直接帯締めの中央を刺し通して、帯締めから突出した先
端尖鋭部に抜け止めキャップを冠着するようにするか、
あるいは、折返し部から突出した先端尖鋭部に、一旦帯
締め中央止着構造、例えばクリップのような挟着構造の
もの、マジックテープ(商品名)のような雌雄噛合い構
造によるもの等、帯締めが、お太鼓に覆われた重なり部
分において横方向に滑動してしまうのを防止できる公知
の止着構造が組み込まれた止着キャップを冠着し、同止
着キャップに、帯締め中央を確実に固定するようにす
る。以下、この発明の簡易着付け用女帯の代表的な実施
例を、図面と共に詳述することとする。
【0016】
【実施例1】図1の胴巻部2の中途を一部省略した状態
で示す斜視図、および図2以下、図9までの折り畳み過
程における構造を示す各斜視図あるいは正面図、更には
図12の完成した状態における斜視図、および図13の
使用状態における平面図に示した簡易着付け用女帯は、
名古屋帯を採用した場合の実施例である。名古屋帯は、
参考までに図1斜視図に示されているように、お太鼓形
成部1に必要とする長さ部分を帯全巾で確保した上、そ
の部分に繋げて三角寄せ折り部3(お太鼓止り)を形成
し、該三角寄せ折り部3以下、帯の手先側全体が半巾に
折り畳まれ、その重ね合わせ部分の「輪」を除く周縁
を、予め縫合(三角寄せ折り部3が縫い止りとなる。)
してしまって半巾の胴巻部2に形成されてなるものであ
る。
【0017】この名古屋帯を、図2の略正面図に近い斜
視図に示すとおり、その三角寄せ折り部3を境にして直
交状に折り畳み、垂直側が帯巾のままのお太鼓形成部
1、水平側が半巾に二つ折りした胴巻部2となるように
した上、お太鼓形成部1側を三角寄せ折り部3の上に被
さる方向に1aで折り畳んで、図3斜視図に示す状態と
した後、更に折り目部1b,1cを折り、図4斜視図に
示されている如く、お太鼓(約枕丈と胴巻巾、即ち半巾
とを加えた巾部分)11、垂れ先(約中指1本分の巾部
分)13、およびお太鼓の内側へ下方から折り返される
折込み部(前記お太鼓11と垂れ先13とを取って余る
お太鼓形成部)12に連続形成してしまうようにする。
【0018】一方、水平方向に延びる胴巻部2を、その
手先21側に帯巾よりやや大きい長さ寸法の、お太鼓1
1と折込み部12との間に差し込む折返し部22が確保
できる位置となる折り目部2a(図3および4内に表
示)で、お太鼓11形成側と反対側に折り畳んで重ね合
わせ、図5の斜視図に示すとおりの状態とした後、三角
寄せ折り部の裏側を通り越してお太鼓11の横に飛び出
させた手先21側の折返し部22を、折り目部2bでお
太鼓11側へ折り返し、図6斜視図の如く、該折返し部
22のお太鼓11両側縁からの左右への食み出し巾22
a,22b(何れも略5cm前後)とが略均等となるよう
規制してお太鼓11の内側に直接対面する折込み部12
とお太鼓11の間に差し込んでしまう。
【0019】その後、図6斜視図のお太鼓11で覆われ
た形となっている重なり部分、即ち、三角寄せ折り部3
の裏側に添設する胴巻部2、その上の三角寄せ折り部
3、その上の折込み部12、更にその上の折返し部22
を重なり合せたまま、同重なり部分の四隅を大きめのク
リップ4,4,……で仮着して、図7の状態にすると共
に、三角寄せ折り部3の裏側に添設された胴巻部2側か
ら図8に示す刺しピン5を刺し通し、図9の裏側から見
た斜視図の状態を実現した上、前記重なり各部2,3,
12,22を貫通してお太鼓11の内側に突出させた刺
しピン5の先端尖鋭部51を利用して、図8の二点鎖線
表示した帯締め6中央を、お太鼓11内側において着脱
自在に固定し、予め帯締め6をお太鼓11の内側に横
設、組み合わせれば、図12斜視図に示されているとお
りのお太鼓結びが完成されてなるこの発明の簡易着付け
用女帯を完成するものである。
【0020】刺しピン5は、図8の正面図にその代表的
な構造のものが示されていて、お太鼓11で覆われた形
となっている胴巻部2、その上のお太鼓形成部1と三角
寄せ折り部3あるいは胴巻部2、その上の折込み部1
2、更にその上の折返し部22を、重なり合せたままで
貫通できる長さのピン本体52に形成し、着付け後にお
いても重なり部分を前後に貫通させたままの状態に止め
置くことから、それら各部の位置のズレを防止してお太
鼓部分の型崩れを生じさせない機能を果たすと共に、そ
の先端尖鋭部51に、この実施例のように直接帯締め6
の中央を貫通させ、帯締め6を抱持した状態でその先端
がピン本体52を挟着して抜け止め構造を実現するバネ
材54a付き抜け止めキャップ54を着脱自在に固定す
るか、図示にはしていないが、先端尖鋭部51に、一
旦、挟着、ネジ込み、差し込み等といった適宜抜け止め
構造の組み込まれてなる止着キャップを着脱自在に固定
し、該止着キャップに形成した挟着片、押し当て片、食
い込み片等からなる固定構造部に帯締め6の中央を挟
着、固定してあることから、帯締め6の何れかの端部側
を横方向に引いた場合に、お太鼓11がその方向に移動
すると共に、型崩れを起こしてしまうのを防止する機能
を果たすことになる。
【0021】中央が固定された帯締め6は、胴巻部2の
端を、着る人の腹部を回って反対側の脇腹からお太鼓1
1の内側、刺しピン5の押込み部53が露出している部
分と人の背中になる部分との間に差し込み、その差し込
み具合を加減する際に、お太鼓11を含むお太鼓結び部
分全体がその締め上げる方向に移動してしまわないよ
う、帯締め6の、ピン本体52を境にした一方の(移動
しては困る方向と反対側になる)端部を片方の手で掴ん
で真横に引くよう扱うことにより、お太鼓結び部分がホ
ールド状態とされることになる。
【0022】
【実施例2】図10のお太鼓形成部1の折り畳み構造の
中、前記実施例で図2の後に繋がる状態の斜視図、およ
び、前記実施例で図5に相当する段階の図11の斜視図
には、袋帯(丸帯の場合も、二つ折りにして所謂袋帯の
巾と同巾、即ち袋帯の全巾とした後は同様)によるこの
発明の簡易着付け用女帯の、上記した実施例1に示す構
造と異なる構造部分が示されている。
【0023】即ち、三角寄せ折り部3までのお太鼓形成
部1を、垂れ先13巾(実施例1同様、約中指1本分)
を除いた巾部分でお太鼓11形成方向に二つ折り(折り
目部1d)にして、図10に示すとおり、垂れ先13が
胴巻部2の下端縁(「輪」)より下方に突出した状態と
した上、それら二つ折りにされたお太鼓形成部1の中
途、胴巻部2の上端縁から枕巾だけ上方に上がった位置
1eが折り目となるようにして、先の折り目部1dを更
にお太鼓11形成方向に折り下げ、下方にきた折り目部
1dを今度は折り目部1fでその内側に折り返して折込
み部12とし、その折り目部1fが丁度胴巻部2の下端
縁(「輪」)に揃うようにすることにより、折り目部1
eと1fとの間の二重となったお太鼓形成部1の部分が
お太鼓11となる。
【0024】したがって、図11の如く、折返し部22
は、上記実施例1の名古屋帯によるこの発明の簡易着付
け用女帯の場合、それが一重のお太鼓11の内側に位置
する(図4あるいは図5参照)ようになるのに対し、二
重となったお太鼓11の内側に刺し通されることにな
る。お太鼓11の内側に刺し通された該折返し部22
が、お太鼓11両側縁から左右へ均等な食み出す巾11
a,11b(何れも略5cm前後)を確保するようにして
お太鼓11の内側に差し込まれるのは、実施例1と同様
であり、また、それらが形成された後で刺しピン5が三
角寄せ折り部3の裏側に添設された胴巻部2の表面から
差し込まれ、帯締め6の中央を着脱自在に固定する構造
もまた同様である。
【0025】
【作用効果】以上のとおりの構成からなるこの発明の簡
易着付け用女帯は、予め畳の上や机の上等といった平坦
な場所で所定の帯を折り畳み、お太鼓11、垂れ先1
2、折込み部13、枕装着空間14、胴巻部2の折返し
部22が所定の如く組み合わされ、クリップ4,4,…
…と刺しピン5とで型崩れを起こさない状態に完成させ
たお太鼓結びを作り上げてしまうと同時に、この段階
で、着付け時に胴に約一周させるだけの胴巻部2、およ
び中央をお太鼓11の内側に固定し、着付け時のお太鼓
結び部分の横への移動を阻止する帯締め6を形成してし
まったものとして取り扱われることとなる。
【0026】着付け段階では、その完成されたお太鼓結
び部分を背中所定箇所に当てがい、先ず枕をお太鼓11
の内側上方の装着空間14に挿入して、同両端の紐を前
で結んで概略お太鼓結び部分を背中の所定箇所に仮固定
状としてしまい、その後、胴巻部2を着る人の腹部の前
を通してそのまま端部をお太鼓結び部分と背中との間、
刺しピン5の押込み部53よりも更に内側(したがっ
て、押込み部53は、直接着物に触れることがない)に
横から差し入れ、該差し入れた側に垂れた帯締め6の端
部を、図12の如く、略水平にして片方の手で引きなが
ら、他方の手で、差し入れた胴巻部2の端部を更に引き
込んで胴への巻き付き具合を絞り込んだ後、帯締め6の
両端を前に回して結べば、誰でも簡単、確実にお太鼓結
びの着付けが完了するものである。
【0027】したがって、この発明の簡易着付け用女帯
は、先ず何よりも、背中の後ろ、盲の状態で着付けなが
らお太鼓結びを形成していくのではなく、本人が目で確
かめながら完成したものを、単に背中所定箇所に当てが
うという極めて簡単な取り扱いだけで、所望するお太鼓
結びが完成してしまうという大きな利点がある上、その
お太鼓結び部分は、四隅と中央とがクリップ4,4,…
…と刺しピン5とで止められていて、多少手荒に扱われ
ても簡単には型崩れしてしまう虞がないことから、不慣
れな初心者でも安心して着付けをすることができるとい
う特徴が挙げられる。
【0028】更に、胴巻部2が、胴に略一巻きされるだ
けで着付けを完了できることから、着付け手間が簡素化
され、それに要する時間が大幅に短縮される上、重ね巻
きにならないために予め帯の前柄を決めることも容易に
なるという特徴を有するものとなっている。しかも、胴
巻部2の胴への巻き締めに際してその端部を引っ張ると
きに、その引っ張る方向と反対側となる帯締め6の端部
を片方の手で略水平状に引いて実施するようにすれば、
帯締め6の中央が、お太鼓結び部分のお太鼓11を除く
重なり部分を貫通させた刺しピン5に固定されていて、
実質的にその重なり部分に帯締め6が一体化された状態
となっていることから、お太鼓結び部分を巻き締め方向
にズレさせてしまうことを防止でき、その結果、胴巻部
2の巻き締め自体も確実に実施できて、綺麗な着付けが
誰にでも容易にできることとなる、
【0029】叙上の如く、この発明の簡易着付け用女帯
によれば、従前までのお太鼓結びのように、胴巻部を着
る人の胴に2回も3回も巻き付けた上で手先部分を肩に
掛け、その後、お太鼓形成部1側を折り畳み、その都度
着付け紐で仮固定しながらお太鼓11を作り上げていく
という、伝統的な難しい着付けから完全に解放され、誰
の手も借りずに一人で簡単、確実に綺麗なお太鼓結びの
着付けを可能とするものであり、少なくとも着付けの繁
雑さに所以した着物離れ現象を阻止し、我が国伝統の和
装を日常生活の中でも馴染み易くして、より多くの人々
が和装を普段から手軽に装うことができるようにするこ
とを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する幾つかの実施例を示すもの
である。
【図 1】名古屋帯を示す斜視図である。
【図 2】名古屋帯による最初の折り畳み状態を示す斜
視図である。
【図 3】同折込み部を形成する前の段階の折り畳み状
態を示す斜視図である。
【図 4】同折込み部を形成した段階の斜視図である。
【図 5】同胴巻部を折り畳んだ状態の斜視図である。
【図 6】同折返し部をお太鼓内側に差し込んだ状態の
斜視図である。
【図 7】同クリップ止めした状態の斜視図である。
【図 8】同刺しピンの正面図である。
【図 9】刺しピンを刺した状態で、お太鼓結びの裏か
ら見た状態の斜視図である。
【図10】他の実施例によるものの、前記図2に続く段
階の斜視図である。
【図11】同実施例に因るものの、前記図5に相当する
段階の斜視図である。
【図12】実施例1によるものの完成した状態を示す斜
視図である。
【図13】同実施例の着用状態における平面図である。
【符号の説明】
1 お太鼓形成部 11 同お太鼓 12 同折込み部 13 同垂れ先 14 同枕装着用空間 2 胴巻部 21 同手先 22 同折返し部 3 三角寄せ折り部 4 クリップ 5 刺しピン 51 同先端尖鋭部 52 同ピン本体 53 同押込み部 54 同抜け止めキャップ 6 帯締め

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三角寄せ折り部を境にして直交状に折り
    畳み、垂直側が帯巾のままのお太鼓形成部、水平側が半
    巾に二つ折りした胴巻部となし、お太鼓形成部側を三角
    寄せ折り部の上に被さる方向に折り畳んでお太鼓、垂れ
    先およびお太鼓の内側へ下方から折り返される折込み部
    に連続形成する一方、胴巻部を、その手先側に帯巾より
    やや大きい長さ寸法の、お太鼓と折込み部との間に差し
    込む折返し部が確保できる位置で、お太鼓形成側と反対
    側に折り畳んで重ね合わせると共に、手先側に確保した
    折返し部をお太鼓側へ折り返し、該折返し部のお太鼓両
    側縁からの左右への食み出し巾が略均等となるよう規制
    してお太鼓とその内側に直接対面する折込み部との間に
    差し込んだ上、お太鼓で覆われた形となっている胴巻
    部、その上の三角寄せ折り部、その上の折込み部、更に
    その上の折返し部を重なり合せたまま、同重なり部分の
    四隅をクリップで仮着すると共に、三角寄せ折り部の裏
    側に添設された胴巻部側から刺しピンを刺し通し、前記
    重なり各部を貫通してお太鼓の内側に突出させた刺しピ
    ン先端尖鋭部を利用して帯締め中央をお太鼓内側におい
    て着脱自在に固定し、予め帯締めをお太鼓の内側に横
    設、組み合わせ、お太鼓結びが完成されてなる簡易着付
    け用女帯。
JP13130694A 1994-05-19 1994-05-19 簡易着付け用女帯 Expired - Fee Related JP3431998B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13130694A JP3431998B2 (ja) 1994-05-19 1994-05-19 簡易着付け用女帯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13130694A JP3431998B2 (ja) 1994-05-19 1994-05-19 簡易着付け用女帯

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07316907A true JPH07316907A (ja) 1995-12-05
JP3431998B2 JP3431998B2 (ja) 2003-07-28

Family

ID=15054882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13130694A Expired - Fee Related JP3431998B2 (ja) 1994-05-19 1994-05-19 簡易着付け用女帯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3431998B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275311A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Miyoko Okouchi 帯及びその装着方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275311A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Miyoko Okouchi 帯及びその装着方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3431998B2 (ja) 2003-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2888965A1 (en) Kimono
US20090000011A1 (en) Adjustable fashion headband and scarf combination
US20110099686A1 (en) Shirt stay fasten point designed shirt and method of securing same
US2681525A (en) Decorative bow structure
JPH07316907A (ja) 簡易着付け用女帯
WO2005115184A2 (en) Clothing accessory
US4783855A (en) Infant presentation wrap
JP6778424B2 (ja) ショルダネックストラップ
CN219042570U (zh) 一种可调节外套
US2408631A (en) Bow tie device
JP3168790U (ja) 着物風エプロン
JP3090807U (ja) 帯結び補助具
JP3125870U (ja) ズボンの裾構造
JP3011332B1 (ja) 着 物
JP3037653U (ja) 和服用付け帯
JP3156270U (ja) 簡易帯
JPS6214095Y2 (ja)
JPH0124114Y2 (ja)
JP3016001U (ja) 分離された部分からなる和服用の帯
US20120005869A1 (en) Gathering Device
JP2024061589A (ja) 作り帯の体への装着方法
JPS6220421Y2 (ja)
JPS6011044Y2 (ja) 上着
JP2537724B2 (ja) 簡易帯
JP3030405U (ja) 着 物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080523

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees