JPH07316502A - ワニス - Google Patents

ワニス

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JPH07316502A
JPH07316502A JP13248294A JP13248294A JPH07316502A JP H07316502 A JPH07316502 A JP H07316502A JP 13248294 A JP13248294 A JP 13248294A JP 13248294 A JP13248294 A JP 13248294A JP H07316502 A JPH07316502 A JP H07316502A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラーフィルターの上に液晶配向制御膜、又
は、保護膜を設ける構成の液晶表示素子において、カラ
ーフィルターの着色料(染料、顔料)を溶出したり、あ
るいは、カラーフィルターを損傷したりする事のないワ
ニスを提供する。 【構成】 ポリイミド前駆体を含有するワニスの溶剤組
成において、非プロトン性溶剤(成分A)と、成分Aよ
りも高い沸点、又は、小さい蒸気圧を有し、成分Aと相
溶性の良い溶剤を含有するワニス組成物。 【効果】 カラーフィルターの着色剤を溶出する事な
く、又、カラーフィルターに何の損傷も与える事なく、
液晶配向制御膜、又は、保護膜を形成する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー液晶表示素子に
おける液晶配向制御膜、又は、保護膜用ワニス組成に関
するものである。特に、カラーフィルター上への液晶配
向制御膜、又は、保護膜を配した構成における液晶表示
素子の該膜用ワニスとして有効なワニス組成物に関する
ものである。
【0002】液晶表示素子は、低電圧駆動、低消費電
力、薄型表示素子等の特徴により時計をはじめ、電卓、
TV、ワープロ、パソコン等、各種の表示素子として使
用される様になってきてきた。そして、今後ますますそ
の用途を広げようとしている。それを支える技術とし
て、セルの基板、スペーサー、光源、駆動技術、液晶材
料、表示方式、シール材、カラーフィルター、電極技
術、配向膜等の数々の技術開発が行われており、これら
の技術が同時に平行して完成されて初めて優れた液晶表
示素子となる。
【0003】
【従来の技術】液晶の配向膜としては、無機系配向膜、
及び有機系配向膜に分類されるが、一般的には、ライン
生産に適した有機系配向膜が用いられている。又、有機
系配向膜の中でも、実用的には、耐熱性、配向制御性、
電気特性、膜の安定性等が優れているポリイミド系高分
子膜が用いられている。
【0004】しかし、液晶表示素子が多方面に使用され
る様になってくると、より表示品質の高い表示素子が求
めれる様になり、又、より作業性の良い配向剤が要求さ
れる様になってきている。又、液晶表示素子を製造する
技術として、安価なコストによる製造技術も産業上重要
な事であり、特にカラー液晶表示素子においては、重要
な課題でもある。カラー液晶表示素子の構成は、通常、
ガラス基板上にカラーフィルターを配し、その上に順
次、保護膜、透明電極、液晶配向制御膜を構成し、該液
晶配向制御膜は液晶化合物と直接接触する構成となって
いる。
【0005】一方、最近、コストダウン等の見直しか
ら、液晶配向制御膜の下にカラーフィルターを配する構
成の液晶表示素子も検討されるようになってきている。
カラーフィルターの上に直接液晶配向制御膜を形成する
事により、保護膜の削減、及び保護膜形成工程の削減等
のメリットがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】カラーフィルター上に
液晶配向制御膜、又は、保護膜を形成する場合の問題点
は、該膜用ワニスの溶剤により、カラーフィルターの着
色剤が溶出されたり、あるいは、溶出とまではいかなく
ともカラーフィルターの着色剤がフィルター上で損傷を
受ける事である。とりわけ赤色系統の染料にこの問題が
発生しやすい。それは、赤色染料がポリイミド前駆体の
溶剤に溶解しやすいからである。
【0007】従って本発明は、カラーフィルターの上に
液晶配向制御膜、又は、保護膜を設ける構成の液晶表示
素子において、カラーフィルターの着色料(染料、顔
料)を溶出したり、あるいは、カラーフィルターを損傷
したりする事のないワニスを提供する事を主要な目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、カラーフィル
ター上にポリイミド系液晶配向制御膜、又は、保護膜を
形成するに当り、カラーフィルターを損傷する事のない
ようにポリイミド前駆体ワニスの特別に配慮された溶剤
組成により、その目的を達成しようとするものである。
【0009】即ち、本発明はポリイミド前駆体を含有す
るワニスの溶剤組成において、非プロトン性溶剤(成分
A)と、成分Aよりも高い沸点、又は、小さい蒸気圧を
有し、成分Aと相溶性の良い溶剤を含有するワニス組成
物である。また、本発明はポリイミド前駆体を含有する
ワニスにおいて、下記成分A群の中から選ばれる化合物
の少なくとも1種と、下記成分B群の中から選ばれ、含
有する成分Aよりも高い沸点、又は、小さい蒸気圧を有
する少なくとも1種の化合物(B−1群)とを含有する
ワニス組成物である。
【0010】このワニス組成物を用いる事により、カラ
ーフィルターを損傷しないポリイミド系液晶配向制御
膜、又は、保護膜を形成する事が出来る。又、更に、上
記成分Aと成分Bとに加えて、B群の中から、含有する
A成分の沸点より低い沸点、又は、高い蒸気圧を有する
化合物(B−2群)を少なくとも1種含有するワニス組
成物を提供する。このワニス組成物を用いる事により、
カラーフィルターの損傷のない、かつ、塗布性に優れ、
ワニスの乾燥速度を適度に調節し、又、溶剤の組合せに
よっては、有害性の小さいワニス組成物を得る事が出来
る。
【0011】沸点が高いか、又は、蒸気圧が低い成分
と、沸点が低いか、又は高い蒸気圧成分を適度に含有す
る事により、適度な乾燥性を得る事が出来る。特に、印
刷法により、ワニスを塗布する場合には、溶剤の乾燥速
度が早すぎると、印刷の版が乾燥しやすく、又、ロール
上等のワニスの濃度が変化して、膜厚が不均一になりや
すい。その点、スピンナー塗布の場合は、印刷による場
合よりも溶剤の選択幅を比較的広くすることができる。
【0012】成分A:N−メチル−2−ピロリドン(以
下、NMPと略記する)、N−メチルカプロラクタム、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジエチルホ
ルムアミド(以下、DEFAと略記する)、N,N−ジ
エチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン(以
下、DMIと略記する)、N−メチルプロピオンアミ
ド、γ−ブチルラクトン(以下、BLと略記する)。
【0013】成分B: R−O(C24O)nR’ (1) (但し、R、R’はメチル基又はエチル基であり、nは
2〜4である) R−O(C36O)nR’ (2) (但し、R、R’はメチル基又はエチル基であり、nは
2〜4である) (R−O(C24O)nH (3) (但し、nが1の時は、Rは炭素数4〜6個を有するア
ルキル基、又はフェニル基、nが2又は3の時は、Rは
炭素数2〜6個を有するアルキル基、又は、フェニル基
である) R−O(C36O)nH (4) (但し、nが1の時は、Rは炭素数4〜6個を有するア
ルキル基、又は、フェニル基、nが2又は3の時は、R
は炭素数1〜6個を有するアルキル基、又は、フェニル
基、nが4の時は、Rはメチル基である) 及び 乳酸アルキル、3−メチル,3−メトキシブタノール、
テトラリン、デカリン、メチルシクロヘキサノン、イソ
ホロン (5) 成分Aの溶剤系は、極性の強い溶剤系であり、溶剤とし
ての性能が優れているため、カラーフィルター上へ塗布
するワニスの溶剤としては、一般的には、好ましくない
溶剤系である。これらの成分Aの中では、NMP、DM
I、DEFA、γ−ブチルラクトン等が好ましい。その
含有量は2〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは、
5〜20重量%である。40重量%を超えると、カラーフィ
ルターの損傷が大きくなり、又、2重量%未満では、ポ
リイミド前駆体の溶解性に難点が出て来るので好ましく
ない。これらの溶剤は、主に反応溶剤の主成分として使
用されている。
【0014】成分Bの含有量は、成分B、あるいは、成
分Aの種類及びこれらの濃度によって含有量の有効範囲
が変わるので一概に規定する事は出来ない。成分Aより
も、成分Bの量が少なすぎると、カラーフィルターが損
傷を受け安い。B−1群用化合物としては、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、イソホロン、ジ又は、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましく、
又、B−2群用化合物としては、プロピレングリコール
モノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチルブタノ
ール、乳酸ブチル、ブチルセロソルブ等が好ましいが、
B−1群とB−2群については、使用するA成分の沸点
(又は、蒸気圧)によって交差し得るので、一該にB−
1とB−2に分類する事はできない。
【0015】本発明におけるポリイミド前駆体として
は、一般式
【0016】
【化1】
【0017】(式中、R1 は4価の脂環式、又は芳香族
炭化水素、又は複素環式残基を主要構成成分とし、基中
にはハロゲン等の基を有する事も出来る。R2 は2価の
基を示し、炭化水素残基を主要構成成分とし、基中に−
O−、あるいは−S−、あるいはハロゲン基や−CN等
の基を有する事も出来る。)で示される構造単位を有す
るポリアミック酸が用いられる。即ち、ポリイミド前駆
体としては、ピロメリット酸二無水物の様な芳香族環を
有するテトラカルボン酸二無水物や、シクロブタン環等
の脂環式テトラカルボン酸にジアミノ化合物を反応させ
て得られるポリアミック酸等が用いられる。
【0018】テトラカルボン酸二無水物としては、ピロ
メリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタリン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタリ
ンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族系テトラカルボ
ン酸等を、又、脂環式テトラカルボン酸としては、シク
ロブタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ビシクロ
オクタンや下記記載の脂環式テトラカルボン酸等を挙げ
ることができる。
【0019】
【化2】
【0020】又、ジアミノ化合物として、 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]シクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−メチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−エチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nプロピルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nブチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nペンチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nヘキシルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nヘプチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nオクチルシクロヘキサン
【0021】2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ブタン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ペンタン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘキサン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ヘプタン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]オクタン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ノナン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]デカン 2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]ドデカン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
シクロヘキサン
【0022】1,1−ビス[4−(4−アミノベンジ
ル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−エチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nプロピルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nブチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nペンチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nヘキシルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nヘプチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
−4−nオクチルシクロヘキサン 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]
メタン
【0023】4,4’−ジアミノフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジ(メタ−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、4,4’−(パラ−アミノフ
ェノキシ)ジフェニルスルホン、オルト−フェニレンジ
アミン、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレン
ジアミン、ベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェ
ノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−
ジアミノジフェニル−2,2−プロパン、1,5−ジア
ミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サメチルプロパン等の芳香族ジアミノ化合物、1,4−
ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロ
ヘキシルメタン等の脂環式ジアミノ化合物がある。しか
し、本発明で用いられるテトラカルボン酸二無水物やジ
アミノ化合物はこれらに限定されるものではない。
【0024】更に、酸無水物及びジアミノ化合物は2種
類以上を組合わせて用いることもできる。これらの原料
から合成されたポリイミド前駆体の濃度は、0.1〜40重
量%とすることができるが、通常のワニスの塗布手段
(例えば、スピンナー塗布、印刷塗布、浸漬塗布、スプ
レー塗布等)で用いるには、1〜10重量%程度の濃度が
適量である。又、これらのポリイミド前駆体の一部がイ
ミド化されたポリアミド・イミド、或いは可溶性ポリイ
ミドのワニスにおいても適用することが可能である。
又、本発明は、カラーフィルター上へ配する液晶配向制
御膜、又は、保護膜として、特に有効であるが、カラー
フィルター上のみに限定するものではない。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示す。 [実験1:カラーフィルターの作成]本実験で使用した
カラーフィルターは、以下のようにして作成した。アク
リル系カラーフィルター材料(チッソ(株)製CFP−
8017EBN) を用いて、以下に示す工程に従って、
カラーフィルターを作った。
【0026】工程1 ガラス基板の上にCFP−8017EBNをスピンコー
ト法で塗布し、120℃、10分間乾燥して塗膜を形成し
た。 工程2 次いで、該塗膜にマスクを介して、面照度12mW/cm2
紫外線を15秒間照射した。
【0027】工程3 純水で30秒間現像し、硬化パターンを形成し、150℃、3
0分間加熱した。 工程4 このパターン部を緑色染料51P(日本化薬(株)製)
1%を含む水溶液に65℃、10分間浸漬染色した。
【0028】次いで、この染色パターンをタンニン酸1
%を含む水溶液に60℃、1分間、続いて吐酒石1%を含
む水溶液に60℃、1分間浸漬して、染料の固定化処理を
行った。処理後の膜厚は0.9μであった。つづいて、緑
色パターンを形成した基板に工程1、2を施した。染色
工程のみは、赤色染料24P(日本化薬(株)製)を用
いて赤色に染色した。赤色及び緑色パターンを形成した
基板に工程1から4を施し、染色工程のみ青色染料43
P(日本化薬(株)製)を用いて青色に染色した。
【0029】[実験2:溶剤系のみでのカラーフィルタ
ーの損傷テスト]以下に成分A、及びB、及びその他の
溶剤系について実験1で作成したカラーフィルターを用
いてカラーフィルターの損傷テストを行った。以下にそ
の実験内容と結果を示す。
【0030】1)実験方法 3cm×3cmの大きさにカットしたカラーフィルター付き
基板を50ccのビーカーに入れ、その中に、各溶剤を単独
で20cc注いで室温で5分間放置した後取りだして、90℃
にセットしたホットプレート上に10分間放置し、溶剤を
乾燥した。その後、顕微鏡で該フィルターの損傷を観察
した。その結果を成分Aについては表1に、成分Bにつ
いては表2に、その他の溶剤については表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】××:損傷が著しい。 ×:カラーフィルター上に結晶成長の様な模様が発生。 *1:ビーカー内の溶剤が着色した。
【0033】
【表2】
【0034】B群の数字は、成分Bの(1)〜(5)に
相当する数字である。 〇:溶剤に浸漬する前と変わらないことを示す。
【0035】
【表3】
【0036】実施例1〜11 A群の溶剤とB群の溶剤の2成分系での溶剤組成で、実
験2と同じ方法で実験を行い、カラーフィルターの損傷
テストを行った。その結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】実施例12〜22 A群の溶剤とB群のB−1及びB−2の溶剤の3成分系
での溶剤組成で、実験2と同じ方法で実験を行い、カラ
ーフィルターの損傷テストを行った。その結果を表5に
示す。
【0039】
【表5】
【0040】TDM:ジメチルトリグリコール(以下、
TDMと略記する) MMB:3−メチル−3−メトキシブタノール(以下、
MMBと略記する) 比較例1〜8 A群の溶剤とB群のB−2の溶剤の2成分系での溶剤組
成で、実験2と同じ方法で実験を行い、カラーフィルタ
ーの損傷テストを行った。その結果を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】BC :ブチルセロソルブ(以下、BCと
略記する) △:若干、結晶成長のような模様が見られる。 実施例21〜23 本実施例では、実際にポリイミド前駆体を製造し、該前
駆体を含有するワニスにて、実験2と同じ方法でカラー
フィルターの損傷テストを行った。但し、本実験では、
ワニスからカラーフィルター基板を取り出した後、スピ
ンナ−(2000rpm)で5秒間回転させ、過剰のワニスを飛
ばしてから同じ乾燥条件で乾燥した。以下にワニスの製
造方法及びカラーフィルターの損傷テストの結果を示す
(表7)。
【0043】1)母液1の製造 300mlのフラスコに攪はん装置、温度計、コンデンサ−
及び窒素置換装置を付し、フラスコ内を窒素ガスにより
置換した後、脱水精製したNMP90g及びTDM36gを
添加した。次いで、1,1−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]−4−nペンチルシクロヘキサン
16.3gを仕込み攪はん溶解した後、5℃に氷冷した。次
ぎに、ピロメリット酸二無水物7.5gを一度に投入し、冷
却しながら攪はん反応させ、1時間反応後、パラアミノ
フェニルトリメトキシシランO.2gを加え、10℃、1時間
攪はん反応により16%のポリアミド前駆体を製造した。
この透明ワニス液を母液1とする。 母液1の組成 NMP=60%、TDM=24%、ポリイミド前駆体16%
【0044】2)ワニスの調合 母液1を用いて、ワニスの組成が表7に示す組成になる
様に調合した。 3)ワニスによるカラーフィルターの損傷テスト ポリイミド前駆体を4%含有した実施例21、22、23の結
果は以下の通り。
【0045】
【表7】
【0046】実施例24 1)母液2の製造 300mlのフラスコに攪はん装置、温度計、コンデンサ−
及び窒素置換装置を付し、フラスコ内を窒素ガスにより
置換した後、下記混合溶剤を88g添加した。次いで、
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]−4−nペンチルシクロヘキサン8.15gを仕込み攪
はん溶解した後、5℃に氷冷した。次に、ピロメリット
酸二無水物を3.75g一度に投入し、冷却しながら攪はん
反応させ、1時間反応後、パラアミノフェニルトリメト
キシシラン0.1gを加え、10℃、1時間攪はん反応により
12%のポリイミド前駆体を製造した。この透明ワニス液
を母液2とする。
【0047】混合溶剤の組成 BL=15.6%、TDM=41.7%、MMB=42.7% 母液2の組成 BL=13.7%、TDM=36.7%、MMB=37.6% ポリイミド前駆体12% 2)ワニスの調合 母液2を用いて、ワニスの組成が表8に示す組成になる
様に調合した。 3)ワニスによるカラーフィルターの損傷テスト ポリイミド前駆体を4%含有した実施例24の結果は以下
の通り。
【0048】
【表8】
【0049】比較例9 1)母液3の製造 300mlのフラスコに攪はん装置、温度計、コンデンサ−
及び窒素置換装置を付し、フラスコ内を窒素ガスにより
置換した後、脱水精製したNMP30g及びモノメチルカ
ルビトール(以下、MCaと略記する)64.5gを添加し
た。次いで、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]−4−nペンチルシクロヘキサン12.2g
を仕込み攪はん溶解した後、5℃に氷冷した。次ぎに、
ピロメリット酸二無水物5.65gを一度に投入し、冷却し
ながら攪はん反応させ、1時間反応後、パラアミノフェ
ニルトリメトキシシラン0.15gを加え、10℃、1時間攪
はん反応により16%のポリアミド前駆体を製造した。こ
の透明ワニス液を母液2とする。
【0050】母液3の組成 NMP=26.7%、MCa=17.3%、 ポリイミド前駆体=16% 2)ワニスの調合 母液3を用いて、ワニスの組成が表8に示す組成になる
様に調合した。 3)ワニスによるカラーフィルターの損傷テスト ワニスによるカラーフィルターの損傷テストは実施例21
〜23と同じ方法でテストを行った。その結果を表9に示
す。
【0051】
【表9】
【0052】比較例10 市販の液晶配向剤ワニスによるカラーフィルターの損傷
テスト 以下にポリイミド前駆体を溶解した市販の液晶配向制御
剤(PSI−A−2001(チッソ(株)製)を用いて
実施例21〜23と同じ方法でカラーフィルターの損傷テス
トを行った。その結果を表9に示す。
【0053】
【発明の効果】以上の実施例及び、比較例から判るよう
に、本発明の成分A、B有機溶剤を適度に組み合わせて
用いる事により、カラーフィルターの着色剤を溶出する
事なく、又、カラーフィルターに何の損傷も与える事な
く、液晶配向制御膜、又は、保護膜を形成する事ができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド前駆体を含有するワニスの溶
    剤組成において、非プロトン性溶剤(成分A)と、成分
    Aよりも高い沸点、又は、小さい蒸気圧を有し、成分A
    と相溶性の良い溶剤を含有するワニス組成物。
  2. 【請求項2】 ポリイミド前駆体を含有するワニスにお
    いて、下記成分A群の中から選ばれる化合物の少なくと
    も1種と、下記成分B群の中から選ばれ、含有する成分
    Aよりも高い沸点、又は、小さい蒸気圧を有する少なく
    とも1種の化合物とを含有するワニス組成物。 成分A:N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプ
    ロラクタム、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
    ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N
    −ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
    ド、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルプロピオン
    アミド、γ−ブチルラクトン。 成分B: R−O(C24O)nR’ (1) (但し、R、R’はメチル基又はエチル基であり、nは
    2〜4である) R−O(C36O)nR’ (2) (但し、R、R’はメチル基又はエチル基であり、nは
    2〜4である) (R−O(C24O)nH (3) (但し、nが1の時は、Rは炭素数4〜6個を有するア
    ルキル基、又はフェニル基、nが2又は3の時は、Rは
    炭素数2〜6個を有するアルキル基、又はフェニル基で
    ある) R−O(C36O)nH (4) (但し、nが1の時は、Rは炭素数4〜6個を有するア
    ルキル基、又はフェニル基、nが2又は3の時は、Rは
    炭素数1〜6個を有するアルキル基、又はフェニル基、
    nが4の時は、Rはメチル基である) 及び 乳酸アルキル、3−メチル,3−メトキシブタノール、
    テトラリン、デカリン、メチルシクロヘキサノン、イソ
    ホロン (5)
  3. 【請求項3】 更に、前記成分B群の中から選ばれ、含
    有する成分Aよりも低い沸点(又は、高い蒸気圧)を有
    する少なくとも1種の化合物を含有する請求項2記載の
    ワニス組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のワニス組成物
    を使用した液晶表示素子用液晶配向制御膜。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のワニス組成物
    を使用した液晶表示素子用保護膜。
  6. 【請求項6】 カラーフィルターの上に液晶配向制御膜
    を配した構成の液晶表示素子において、請求項4記載の
    制御膜を使用した液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 カラーフィルターの上に保護膜を配した
    構成の液晶表示素子において、請求項5記載の保護膜を
    使用した液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003074587A1 (fr) * 2002-03-05 2003-09-12 Suzuka Fuji Xerox Co., Ltd. Solution de precurseur de polyimide, element de fixation/transfert, et procede de fabrication d'une ceinture sans couture en polyimide

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WO2003074587A1 (fr) * 2002-03-05 2003-09-12 Suzuka Fuji Xerox Co., Ltd. Solution de precurseur de polyimide, element de fixation/transfert, et procede de fabrication d'une ceinture sans couture en polyimide

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