JPH07315883A - 熱線遮断透明体およびその製造方法 - Google Patents

熱線遮断透明体およびその製造方法

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JPH07315883A
JPH07315883A JP6109999A JP10999994A JPH07315883A JP H07315883 A JPH07315883 A JP H07315883A JP 6109999 A JP6109999 A JP 6109999A JP 10999994 A JP10999994 A JP 10999994A JP H07315883 A JPH07315883 A JP H07315883A
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heat ray
glass
transparent
coating
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JP6109999A
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Kazuyoshi Noda
和良 野田
Takashi Hosomi
隆 細美
Katsuaki Aikawa
勝明 相川
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
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Abstract

(57)【要約】 【構成】透明基板上のAgを主成分とする膜を少なくと
も1層有する熱線遮断膜を覆って、湿式法によって膜厚
0.03μm以上200μm以下の透明保護膜を設け
る。 【効果】機械的強度、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐
薬品性が大幅に向上した、被膜を露出させたまま単板状
態で使用することが可能な熱線遮断透明体を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱線遮断透明体および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車ガラスには、快適さ、空調
負荷低減、車内のプライバシーを得ること等を目的とし
て様々な熱線反射被膜、熱線遮断被膜がコートされたも
のが使用されている。
【0003】従来、運転視界域外のリアサイドガラス、
バックライト等には、可視光線透過率が70%以下のい
わゆる濃色ガラスが多く採用されてきた。この濃色ガラ
スは太陽放射遮蔽性能が高いことによる室内の快適性や
空調負荷低減、高級感を与える色調の選択が可能、デザ
イン的に優れた意匠性、車内のプライバシー保護、等の
面で優れている。
【0004】しかし、運転視界域とみなされるフロント
ウィンドシールドやフロントドアガラスには明確な法規
制があり可視光線の垂直透過率>70%が義務づけられ
ているため、法規内の可視光線透過率の高い熱線反射被
膜、熱線遮断被膜が用いられてきた。
【0005】これらの高透過熱線反射被膜は、被膜無し
ガラスに比べて最低透過率までのマージンが少なく、ま
た運転視界域のため極端な色彩を与えにくいため、膜構
成に制約があった。
【0006】フロントウィンドシールドは法規で合わせ
安全ガラス化が義務づけられているので、ガラスの合わ
せ内面にAg、またはAg合金の金属層を含んだ多層被
膜から成る、近赤外域からそれ以上の長波長に亘る領域
での反射率を著しく高めた熱線遮断被膜が採用されるこ
とが多い。
【0007】この多層被膜は熱線遮断性能に優れ、具体
的には可視光線透過率>70%の法規制内で、ZnO
(450Å)/Ag(120Å)/ZnO(450Å)
の3層構成で太陽放射反射率=20%、太陽放射透過率
=50%が達成され、ZnO(320Å)/Ag(10
0Å)/ZnO(750Å)/Ag(100Å)/Zn
O(320Å)の5層構成で太陽放射反射率=30%、
太陽放射透過率=35%が達成される。
【0008】また、この多層被膜は5μm以上の波長域
でほぼ100%の反射率を持つため、人類が生活する程
度の温度の物体から輻射される波長10〜30μm程度
の熱輻射を通さない。そのため、気温が高い場合は車外
からの熱輻射流入が少なく、逆に気温が低い場合は車内
からの熱輻射流出が少なく、車内温度保持、冷暖房負荷
低減に大きい効果を持つ。
【0009】しかし、これらのAg層を含んだ熱線遮断
被膜は、Ag層の柔らかさ、Agの粒成長および凝集し
易さ、Ag層とその上下層の界面付着力の弱さ等によ
り、機械的強度、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品
性に極端に劣り、とても被膜が露出した状態では使用で
きなかった。
【0010】そのため、合わせガラス化やペアガラス化
等の方策がなされてきた。現段階では生産工程が確立し
ている合わせガラス内に被膜を封入する方法が一般的に
行われている。
【0011】サイドガラス、リアガラスに用いる高透過
熱線反射被膜の構成としては、Ti、Cr、Zr、T
a、Si等の比較的ガラスとの密着性に優れ、耐擦傷
性、耐摩耗性、耐候性および耐薬品性に優れた元素の、
金属、酸窒化膜、硼化物膜を用いた単層から多くても1
5層から成る多層干渉膜が用いられてきた。
【0012】これらの被膜は、耐擦傷性、耐摩耗性、耐
候性、耐薬品性においては十分実用的であるが、Ag層
を用いた被膜ほど優れた熱線遮断性能は有しない。
【0013】具体的には可視光線透過率>70%の法規
制内で、TiNx (100Å)/ZrSi2x (10
0Å)の2層構成で太陽放射反射率=10%、太陽放射
透過率=65%が達成され、ZrSi2x (600
Å)/TiNx (150Å)/ZrSi2x (600
Å)の3層構成で太陽放射反射率=13%、太陽放射透
過率=60%が達成される程度である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、Agま
たはAg合金を用いた熱線遮断被膜は、現在の一般的な
自動車ガラス生産工程で生産可能な膜構成の中では、熱
線反射性能は非常に優れているが、機械的強度、耐擦傷
性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性に劣り、被膜が露出し
た状態では使用できず、自動車のサイドガラスや、リア
ガラスに適用しようとすれば、被膜を隠蔽させることが
必要で、合わせガラス化、ペアガラス化等の方策が必要
であった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するためになされたものであり、透明基板上に、Ag
を主成分とする膜を少なくとも1層有する熱線遮断膜
と、該熱線遮断膜を覆って膜厚0.03μm以上200
μm以下の透明保護膜とが設けられた熱線遮断透明体、
および平板状の透明基板上に、Agを主成分とする膜を
少なくとも1層有する熱線遮断膜を形成し、その上に透
明保護膜形成用の塗布液またはペーストを塗布し、その
後前記透明基板を加熱して曲げ加工すると同時に前記塗
布液またはペーストを焼成して膜厚0.03μm以上2
00μm以下の透明保護膜を形成することを特徴とする
熱線遮断透明体の製造方法、を提供するものである。
【0016】本発明により、熱線遮断性能に優れ、しか
も機械的強度、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性および耐薬
品性に優れた被膜が形成されていて、該被膜が露出した
単板状態で使用することが可能であり、特に自動車用窓
ガラスとして適用可能な、熱線遮断透明体を提供でき
る。
【0017】本発明における透明基板としては、自動車
用窓ガラスとして使用でき、被膜硬化する加熱温度に耐
える材料であればよく、ガラス単板の他、合成樹脂ガラ
ス、合成樹脂や別のガラス板を積層、接着したものでも
よく、その形態の例としては、ガラス/合成樹脂膜、ガ
ラス/合成樹脂膜/ガラス、ガラス/合成樹脂膜/ガラ
ス/合成樹脂膜、ガラス/合成樹脂膜/合成樹脂膜、等
が挙げられる。
【0018】本発明において、熱線遮断膜は、該膜を保
護するため、その透明基板が自動車、その他各種車両、
建造物の窓に取り付けられた時、室内側となる面あるい
は積層体の間に形成されるのが好ましい。
【0019】本発明において、熱線遮断膜は、熱線遮断
のための金属材料として、Agを主成分とする膜を少な
くとも1層有するものである。Agを主成分とする膜は
さらに、熱線遮断性能を有する金属材料として、Au、
Cu、Pt、Pd、Al等の貴金属を含んでいてもよ
く、或いは、電気抵抗や透過率をあまり下げずに膜の硬
度を向上させるために、Ti、Si、Sn、In、W、
Mg、Cr、Ni、Zr、Ta等を含んでいてもよい。
【0020】本発明の熱線遮断膜としては、耐久性およ
び光学干渉により可視域の反射率を小さくし可視光線透
過率を高めるために、かかるAgを主成分とする膜と透
明膜とを組み合わせて多層化したものが好ましい。たと
えば、透明基板/透明膜/Agを主成分とする膜/透明
膜、の三層構成や、透明基板/透明膜/Agを主成分と
する膜/透明膜/Agを主成分とする膜/透明膜、の5
層構成のものなどが挙げられる。代表的な例としては、
3層構成の場合、概ね、透明膜300〜450Å/Ag
を主成分とする膜80〜180Å/透明膜300〜45
0Åのようになる。
【0021】上記透明膜としては、比較的機械的強度、
耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性に優れた材料が
好ましく、MgO、SiO2 、SnO2 、In23
TiO2 、ZnO、WO2 、Al23 、Bi23
ZrO2 、Ta23 、Y23 、Cr23 等の酸化
物や、ZrSi2x など、上記の酸化物のうち2種以
上の混合酸化物や、SiNなどの窒化物、ZrB2 など
の硼化物、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0022】透明基板とAgを主成分とする膜との間の
透明膜は、透明基板側の第一の透明膜(ガラスとの付着
力が高く耐久性の高い材料、例えば、Ti,Si,W,
Ta,Cr,Zrのうち少なくとも1種の酸化物などか
らなり、5Å以上100Å以下程度の膜厚の膜)と、A
gを主成分とする膜側の第二の透明膜(耐久性が高く、
安価で、成膜速度の速い材料、例えばTi,Cr,S
n,Si,Al,W,Y,Zrのうち少なくとも1種の
酸化物などからなり、200Å以上1000Å以下程度
の膜厚の膜)の2層構造としてもよい。
【0023】また、透明保護膜と接することになる最上
層の透明膜は、Agを主成分とする膜側の第一の透明膜
(耐久性が高く、安価で、成膜速度の速い材料、例えば
Ti,Cr,Sn,Si,Al,W,Y,Zrのうち少
なくとも1種の酸化物などからなり、200Å以上10
00Å以下程度の膜厚の膜)と、透明保護膜側の第二の
透明膜(耐久性が高く、透明保護膜との相性がよい材
料、例えば、Ti,Cr,Sn,Si,Al,W,Y,
Ta,Nb,Zrのうち少なくとも1種の酸化物などか
らなり、10Å以上200Å以下程度の膜厚の膜)の2
層構造としてもよい。
【0024】さらに、透明膜とAgを主成分とする膜と
の間に、膜間の付着力による応力を緩和するため、およ
び反応性スパッタリングにより上層の透明膜を形成する
際にAgを主成分とする膜が酸素プラズマで酸化されな
いように、耐久性の高い金属、例えば、Ti,Cr,S
n,Si,Al,W,Ta,Nb,Mg,Zr等、ある
いはこれらのうち2種以上の混合物などからなり、数Å
以上100Å以下程度の膜厚の膜を形成してもよい。こ
の膜は、最終的には酸化されて酸化物となっている場合
もある。
【0025】上記した熱線遮断膜の構成は代表的なもの
を示したに過ぎず、更に多層化したり、異種の被膜によ
り多層化したり、複合膜化したり、その他の物質からな
る被膜を選んだりしてもよい。
【0026】材料選択によって、基本的な熱線遮断の機
能に、紫外線遮蔽の機能も付与できる。
【0027】本発明は、かかる熱線遮断膜を覆って、加
熱により堅牢度、薬品耐久性が大きく向上する透明保護
膜を形成し、全被膜形成後に加熱成形或いは単なる加熱
処理をし、加熱により機械的強度、耐擦傷性、耐摩耗
性、耐候性、耐薬品性を大幅に向上させ、被膜を露出さ
せたまま単板状態で使用することを可能としたことを特
徴とするものである。
【0028】かかる透明保護膜としては、スクリーン印
刷法、フレキソ印刷法、或いはディップ法等のいわゆる
湿式法で塗布され、後に加熱することによって硬化され
る、硬度、平滑性に優れた膜が好ましく、その材料とし
ては、硬化後に残る固形部分が、MgO、SiO2 、S
nO2 、InO2 、TiO2 、ZnO、WO3 、Al2
3 、Bi23 、ZrO2 、Cr23 、NiO、T
23 、ZrSiOx 等の酸化物や、ガラスペースト
を焼成した酸化物などである膜が挙げられる。
【0029】透明保護膜用の塗布液としては、上記酸化
物の金属のアルコキシドを含む液や、上記酸化物の超微
粒子を分散した液などが挙げられる。
【0030】透明保護膜の膜厚としては、0.03μm
(300Å)未満では、耐擦傷性、耐摩耗性を十分に改
善できないことが多く、また膜厚ムラに起因する色調ム
ラが発生し易いので、0.03μm以上が好ましい。
0.5μm(5000Å)以上であると、耐久性の点で
も十分であり、干渉ムラも見えないので特に好ましい。
また、200μmより厚いと、加熱焼成時にクラックが
発生し易く、耐久試験でも応力により下層のAgを主成
分とする膜とその上の透明膜間で剥離し易いので望まし
くない。また、加熱処理時に収縮でガラスが被膜形成側
に反る傾向があるが、膜厚が厚くなると反り量が大きく
なるので、この点からも、透明保護膜の膜厚としては、
200μm以下であることが好ましい。
【0031】本発明の熱線遮断透明体は、上記の被膜ガ
ラスの可視光線透過率>50%、該被膜のシート抵抗<
20Ω/ □、金属反射を主要素とする太陽放射反射率>
15%であることが望ましい。
【0032】本発明の熱線遮断透明体は、上記の熱線遮
断膜および透明保護膜の他に、さらに、周辺部遮光層
や、防曇用通電プリントが設けられていてもよい。
【0033】本発明の熱線遮断透明体の一連の製造方法
を、透明基板としてガラス板を用いる場合を例にして以
下に説明する。
【0034】まず、所望の形状に切断されたガラス板を
用意する。合わせガラスとして用いる場合には二枚のガ
ラス板を合わせガラス用素板ガラスとして用意する。
【0035】このガラスの被膜をコートする面を十分に
酸化セリウムの粉末を研磨材として用いながら洗浄し、
純水リンス、乾燥、除塵する。
【0036】次にこの表面のうち、必要に応じた部分を
マスキングした後、減圧反応性スパッタリング法、真空
蒸着法、プラズマ蒸着法その他各種真空成膜法、スプレ
ー法、CVD法、CLD法、メッキ法、ディップ法、印
刷法等の適宜の被膜成形法により、熱線遮断膜を形成す
る。
【0037】マスキングの材料としては、各種のテー
プ、各種の光レジスト等が利用できる。また、マスキン
グ材の上にそのマスキング領域より若干大きめのガラス
板などのある程度剛性のあるカバー材で覆ってから被膜
を形成すれば、カバー材と、被膜の材料がカバー材の下
に若干回り込むようにすることができ、被膜の境界をぼ
かすことができるので外観上好ましい場合もある。
【0038】また、ガラス全面に被膜を形成した後、エ
ッチング等によって所定部分の被膜を剥すことによっ
て、該自動車用窓ガラスを製造することもできる。
【0039】熱線遮断膜を設けた後、次に被膜面に、ス
クリーン印刷法、フレキソ印刷法、スプレー法、ディッ
ピング塗布法、CVD法、CLD法、メッキ法、印刷法
等のいわゆるウェット法を用いて、透明保護膜形成用の
塗布液またはガラスフリットペーストを、厚さ最低0.
06μm〜最大400μmで塗布する。
【0040】その後、仮焼成という80℃〜150℃の
オーブンで約5〜30分乾燥させる処理工程を通し、最
上層に含まれる有機溶媒を十分蒸発、乾燥硬化させ、そ
の後の短期間の保管、ある程度の被膜面の機械接触には
耐える状態にする。
【0041】しかし、上述の状態では最外層被膜はまだ
十分硬質でなく、また有機溶媒が蒸発した被膜は微視的
にはポーラスであり、十分な耐久性は持たない。
【0042】上記透明保護膜の組成によっては、仮焼
成、硬化処理にはUV照射処理を併用、或いは単独で用
いることでその効果が得られることもある。
【0043】その後、ガラス成形炉で580〜680℃
のガラス成形温度まで加熱し、ガラス自重曲げ方法、或
いはプレス曲げ方法等の成型方法で曲げ成形を行う。
【0044】透明保護膜はこの加熱時に、およそ1/2
に収縮し密度を増し、ポーラスでない強固な膜になる
が、ガラス軟化温度で収縮が起こるとガラスが反り易い
ので、ガラス軟化点温度より低温に被膜硬化温度があ
り、ガラス軟化時には既に十分収縮硬化している材料、
組成を選ぶのが都合がよい。
【0045】透明保護膜収縮時に被膜にクラックが入る
ことがあるので、組成の選択には熟慮が必要である。必
要に応じて、成形直後の急冷で強化ガラスにする。
【0046】透明保護膜の組成によってはガラス成形後
に保護被膜を設け、ガラスが変形しない500℃以下の
温度で硬化することもあり得る。
【0047】[実施例1]酸化セリウム粉で洗浄した後
純水でリンス、乾燥させた通常のソーダライムガラスの
片面に反応性スパッタリング方法によってTiO2 (3
50Å)/Ag(120Å)/TiO2 (350Å)/
SiO2 (100Å)を成膜した。
【0048】その後、スクリーン印刷法でTiとSiの
アルコキシドを主成分とする塗布液を1.0±0.3μ
m(10000±3000Å)の厚さで塗布し、120
℃のオーブンで10分間仮焼成した。
【0049】その後、ガラスのプレス成形炉で680℃
まで昇温し、プレスで所定の形状に曲げ成形した。曲げ
成形時に、空気吹き付けで急速冷却することによって強
化ガラスにした。
【0050】このようにして製造された窓ガラスの性能
は、可視光線透過率=75%、可視光線反射率=11
%、太陽放射透過率=51%、太陽放射反射率=17%
シート抵抗=8Ω/□であった。
【0051】このようにして製造されたガラスと、実施
例1の工程から一部の工程を省いて形成した被膜(比較
例1〜3)について、自動車用窓ガラスの通常の品質評
価方法で評価した結果を表2に示す。
【0052】この結果より、スパッタ被膜のみ(比較例
3)では耐擦傷、耐摩耗性が悪く、スパッタ被膜+スク
リーン被膜(比較例2)、スパッタ被膜+スクリーン被
膜+仮焼成(比較例1)でも耐擦傷性、耐摩耗性は改善
されないが、スパッタ被膜+スクリーン被膜+仮焼成+
加熱成形強化を施したもの(実施例1)は、耐擦傷性が
改善できたことがわかる。
【0053】また、透明保護膜形成時の溶媒の濃度を調
整して、加熱成形後の透明保護膜の膜厚を変えた場合の
耐擦傷性、耐摩耗性について評価した結果を表3に示
す。
【0054】この結果より、最外保護層厚さ0.03μ
m以上で耐擦傷性が改善できたことがわかる。
【0055】[実施例2]板厚3. 5mmのブロンズガ
ラスを自動車バックライト窓ガラスの形状に切断し、酸
化セリウム洗浄後、純水でリンス洗浄し十分乾燥させた
後、真空スパッタ成膜装置に搬入し、ArとO2 の混合
ガスを導入しながら、Tiメタルのスパッタソースを使
用し、反応性スパッタリングで酸化チタン(TiOx
膜を約350Åの厚さで成膜し、その上にArガスを導
入しながら極薄い約10ÅのTi金属を成膜し、その上
にAgメタルのスパッタソースを使用し、スパッタリン
グでAg金属膜を約120Åの厚さで成膜し、その上に
極薄い約10ÅのTi金属を成膜し、同様にTiOx
酸化チタン膜を約350Åの厚さで成膜し、最後に最上
層に金属Tiを約50Åの厚さで成膜した(このTi膜
は、後の加熱により酸化され、その下の酸化チタン膜と
区別ができなくなっていた。)。
【0056】次に、ナイロン#50番の目粗さのスクリ
ーン印刷法で、Si−Pb−B−Oの鉛ガラスペースト
を厚さ20μmの膜厚で塗布成膜した。
【0057】80℃のオーブンで20分間加熱し、塗布
被膜を乾燥させた。
【0058】次にスクリーン印刷法で、周辺部遮光層を
印刷し、乾燥後、防曇用Agプリントを重ね刷り印刷
し、乾燥した。
【0059】3日後、実際に量産に用いている電気加熱
プレス成形炉で、量産ガラスに混ぜて、上記被膜成形ガ
ラスを加熱、プレス成形、風冷強化を施した。
【0060】こうして製造された窓ガラスの性能は、可
視光線透過率=72%、可視光線反射率=10%、太陽
放射透過率=50%、太陽放射反射率=17%、シート
抵抗=8Ω/□および表4のようになり、自動車の後部
バックライト窓ガラスとして単板で使用しても差し支え
ないことが確認できた。また、透明保護膜の膜厚は、1
0μmであった。
【0061】[実施例3]既に自動車の窓ガラス形状に
切断され、ガス曲げ炉で曲げ強化加工を施してある出荷
段階の板厚3. 5mmのブロンズガラスを用意し、酸化
セリウム洗浄後、純水でリンス洗浄し十分乾燥させた
後、周辺部10mmをステンレス製のマスキング材でマ
スキングし、真空スパッタ成膜装置に搬入し、ArとO
2 の混合ガスを導入しながら、スパッタソースはSn−
Si(原子比50:50)焼結体のスパッタソースを使用
し、反応性スパッタリングでSn−Si(原子比50:5
0)の酸化錫シリコン膜を約450Åの厚さで成膜し、
その上にAr ガスを導入しながら極薄い約10ÅのTi
−Cr(原子比80:20)金属を成膜し、その上にAgメ
タルのスパッタソースを使用し、スパッタリングでAg
金属膜を約120Åの厚さで成膜し、その上に極薄い約
10ÅのTi−Cr(原子比80:20)の金属を成膜し、
同様にSn−Si(原子比50:50)の酸化錫シリコン膜
を約450Åの厚さで成膜し、最後に最上層にTi−C
r(原子比80:20)金属膜を約50Åの厚さで成膜した
(このTi−Cr(原子比80:20)金属膜は、後の加熱
により、酸化され、酸化物膜となっていた。)。
【0062】次に、スプレー塗布法で、Sn−Ti(原
子比50:50)のアルコキシドを含む液を1μmの膜厚で
塗布した。
【0063】120℃のオーブンで10分間加熱し、塗
布被膜を乾燥させた。
【0064】次に650℃まで昇温可能な電気炉で、上
記被膜付きガラスをガラス温度400℃まで昇温し5分
間保持した後、5分間で冷却し取り出した。
【0065】こうして製造された窓ガラスの性能は、可
視光線透過率=75%、可視光線反射率=11%、太陽
放射透過率=51%、太陽放射反射率=17%、シート
抵抗=8Ω/□および表5のようになり、自動車用窓ガ
ラスとして単板で使用しても差し支えないことが確認で
きた。透明保護膜の厚さは、0.5μmであった。
【0066】[実施例4]実施例1〜3により得られた
熱線遮断透明体をマンションの窓ガラスとして、被膜面
を室内側にして単板状態で使用したところ、夏期、太陽
が照りつける日中は室内への日射流入、熱輻射流入を低
減し、室内温度上昇の低減、肌のじりじり感、冷房負荷
低減、冷房速度の改善が得られ、逆に外気温度が低い時
期には、室内からの熱輻射流出を低減し、暖房負荷低
減、暖房速度の改善が得られ、良好な室内環境が得られ
ることが判り、通常の使用状態では長期に渡り何等劣化
を起こすことはなかった。
【0067】また、実施例1〜3により得られた熱線遮
断透明体を自動車の窓ガラスとして、被膜面を車内側し
て単板状態で使用したところ、夏期、太陽が照りつける
日中は車内への日射流入、熱輻射流入を低減し、駐停車
中の車内温度上昇の低減、肌のじりじり感、冷房負荷低
減、冷房速度の改善が得られ、逆に外気温度が低い時期
には、車内からの熱輻射流出を低減し、暖房負荷低減、
暖房速度の改善が得られ、良好な車内環境が得られるこ
とが判り、通常の使用状態では長期に渡り何等劣化を起
こすことはなかった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【発明の効果】本発明を用いれば、機械的強度、耐擦傷
性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性が大幅に向上し、被膜
を露出させたまま単板状態で使用することが可能な熱線
遮断透明体を提供することが可能となる。本発明の熱線
遮断透明体は、自動車、鉄道車両、航空機などの窓に好
適に使用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に、Agを主成分とする膜を少
    なくとも1層有する熱線遮断膜と、該熱線遮断膜を覆っ
    て膜厚0.03μm以上200μm以下の透明保護膜と
    が設けられた熱線遮断透明体。
  2. 【請求項2】平板状の透明基板上に、Agを主成分とす
    る膜を少なくとも1層有する熱線遮断膜を形成し、その
    上に透明保護膜形成用の塗布液またはペーストを塗布
    し、その後前記透明基板を加熱して曲げ加工すると同時
    に前記塗布液またはペーストを焼成して膜厚0.03μ
    m以上200μm以下の透明保護膜を形成することを特
    徴とする熱線遮断透明体の製造方法。
JP6109999A 1994-05-24 1994-05-24 熱線遮断透明体およびその製造方法 Pending JPH07315883A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001500100A (ja) * 1997-07-05 2001-01-09 サン―ゴバン・ヴイトラージユ 板ガラスを加熱するためのローラ型加熱炉
JP2002121052A (ja) * 2000-05-09 2002-04-23 Saint-Gobain Glass France Sa 腐食防止された透明表面コーティングを有する合わせガラスユニットを製造する方法、および合わせガラスユニット

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JP2002121052A (ja) * 2000-05-09 2002-04-23 Saint-Gobain Glass France Sa 腐食防止された透明表面コーティングを有する合わせガラスユニットを製造する方法、および合わせガラスユニット

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