JPH07315588A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】給紙カセットを取出す際にカセットプレートを
下げた状態にしておくことができるようにすることが主
たる目的である。 【構成】上面側が開口するカセット本体２０の内側にカ
セットプレート２１が昇降可能に設けられている。カセ
ットプレート２１は、カセットスプリング３５によって
上昇する方向に付勢されている。カセットプレート２１
の上昇位置を規制するストッパ４５と、カセットプレー
ト２１を降下位置に保持する係止機構５０が設けられて
いる。また、カセットプレート２１の両側部に、作動部
の一例としてローラ６３が設けられている。このローラ
６３は、カセット収納部の内側面に設けられたガイド部
に接する。このガイド部は、給紙カセット１２をカセッ
ト収納部から引出す際にカセットプレート２１を降下さ
せる方向にローラ６３を案内するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給紙カセットを用いる
ファクシミリやプリンタあるいは複写機等に適用される
給紙装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】印字機能を有するファクシミリやレーザ
プリンタ等の画像形成機器において、予め所定サイズに
カットされている用紙を用いる場合に、給紙カセットが
使われている。給紙カセットは、上面側が開口するカセ
ット本体の内側にカセットプレートを収容し、カセット
プレートの上に所定サイズの用紙を多数枚重ねて載置す
るようにしている。この給紙カセットは機器本体のカセ
ット収納部に収納され、機器本体内部に設けられたピッ
クアップローラによって、カセットプレート上の用紙が
印字ユニットに送られるようになっている。

【０００３】このような給紙装置においては、給紙カセ
ットが機器本体のカセット収納部に収納された状態では
カセットプレートが上昇しているため、カセット交換時
などにおいてカセットプレート上に用紙が残ったまま給
紙カセットをカセット収納部から引出すと、カセットプ
レート上の用紙がカセット収納部の天井壁のリブなどの
凸部や縁などに触れ、用紙が傷付いたり皺が生じること
があった。このため、給紙カセットをカセット収納部か
ら取出す際にはカセットプレートが降下している方が都
合がよい。

【０００４】そこで特開平５−２９４４７５号公報に記
載されている給紙装置では、給紙カセットの底板にばね
受け体を設け、このばね受け体と押上げ板との間にコイ
ルばねを設け、このばね受け体の下面を装置ケースの係
合斜面に係合させることによって、給紙カセットをカセ
ット収納部に挿入した時に上記コイルばねが上記押上げ
板を押上げるように構成している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記特開平５−２９４
４７５号公報のものでは、ばね受け体が必然的に給紙カ
セットの下面側に突出するため、給紙カセットを装置ケ
ースから取出して机上などに置くと不安定なものとな
る。また、この給紙カセットが机上に置かれるとばね受
け体を介して上記コイルばねに押上げ力が働くため、押
上げ板の上に用紙を供給する際に上記コイルばねの弾力
に抗して押上げ板を下げながら用紙を入れなければなら
ず、用紙をセットしにくいという問題もある。

【０００６】従って本発明の目的は、給紙カセットをカ
セット収納部から取出した際に自動的にカセットプレー
トを下げた状態にすることができ、しかも給紙カセット
の下面側にばね受け体等の凸部を突出させずにすむよう
な給紙装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を果たすために
開発された本発明は、機器本体のカセット収納部に挿入
される給紙カセットを備えた給紙装置において、上記カ
セット収納部のカセット挿入口に出入り可能な形状に構
成されかつ上面側が開口するカセット本体と、上記カセ
ット本体内に昇降可能に収容されかつ上面側に所定サイ
ズの用紙が載置されるカセットプレートと、上記カセッ
トプレートを押上げる方向に付勢するカセットスプリン
グと、上記カセットプレートの上昇位置を規制するスト
ッパと、上記カセットプレートの側部に設けられて上記
カセット本体の外側に突出する作動部と、上記カセット
収納部の内側面において上記作動部を接触させることの
できる位置に設けられかつ上記給紙カセットがカセット
収納部から引出される方向に移動する際に上記カセット
プレートを降下させる方向に上記作動部を案内するガイ
ド部とを具備している。

【０００８】

【作用】カセット交換時等において給紙カセットをカセ
ット収納部から取出す際に、カセットプレートの作動部
がガイド部に接することによって、カセットプレートが
降下しながら給紙カセットがカセット収納部から引出さ
れてくる。このため、カセットプレート上に用紙が残っ
ていても、用紙がカセット収納部の天井壁などに触れる
ことが回避される。上記作動部は給紙カセットの側部に
設けられているため、カセット本体の下面側に突出する
ことはない。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の一実施例について、図１ない
し図５を参照して説明する。図２に示されたファクシミ
リ装置１０の機器本体１１は、給紙カセット１２を用い
る給紙装置１３を備えている。機器本体１１の内部には
給紙カセット１２を収納するカセット収納部１５が設け
られている。機器本体１１の内部に周知の印字ユニット
が設けられている。

【００１０】図１等に示されるように、給紙カセット１
２は、上面側が開口するカセット本体２０と、カセット
本体２０の内側に収容されるカセットプレート２１を備
えている。カセット本体２０は例えば合成樹脂製であっ
て、カセット収納部１５のカセット挿入口２２に出入り
可能な浅い箱状に構成されている。すなわちこのカセッ
ト本体２０は、底板部２５と、左右一対の側板部２６
と、前側の枠部２７と、後側の枠部２８などを備えた合
成樹脂の一体成形品であって、前側の枠部２７はカセッ
ト挿入口２２を塞ぐ形状となっている。前側の枠部２７
は操作用の取っ手を兼用している。

【００１１】カセットプレート２１は例えば金属板から
なり、その上面側に所定サイズの用紙が多数枚重ねた状
態で載置される。カセットプレート２１の前端に左右一
対の凸部３０が設けられている。この凸部３０はカセッ
ト本体２０に形成された受け部３１に挿入される。そし
てこのカセットプレート２１は、カセット本体２０に対
して凸部３０を支点として上下方向に回動できるように
なっている。

【００１２】カセット本体２０の底板部２５とカセット
プレート２１との間に、カセットスプリング３５が設け
られている。このカセットスプリング３５は、カセット
プレート２１を押上げる方向に付勢している。カセット
スプリング３５はカセットプレート２１の後部の左右対
称位置に２か所設けられている。

【００１３】カセット本体２０の両側部に、左右一対の
サイドプレート４０が設けられている。このサイドプレ
ート４０は、ねじ４１によってカセット本体２０に固定
されている。サイドプレート４０の後端側に接続された
端末部品４３の上部にストッパ４５が設けられている。
ストッパ４５は、カセットプレート２１の後縁部４６の
上方に位置しており、このストッパ４５によってカセッ
トプレート２１の上昇高さが規制されるようになってい
る。

【００１４】カセット本体２０の後部に、カセットプレ
ート２１を降下位置で止めるための係止機構５０が設け
られている。この係止機構５０は、カセットフック５１
とフックスプリング５２を備えている。カセットフック
５１は、カセット本体２０に設けられたホルダ５４に挿
入され、カセット本体２０の前後方向に移動自在に保持
されている。フックスプリング５２は、カセット本体２
０に設けられたばね受け部５５とカセットフック５１と
の間に圧縮された状態で設けられており、カセットフッ
ク５１を図示矢印Ａ方向に付勢している。

【００１５】カセットフック５１の上面側に爪５７が設
けられている。この爪５７はカセット本体２０の後側に
突出し、カセットプレート２１が所定位置まで降下した
時にカセットプレート２１側の係止部５８が爪５７に引
っ掛かることにより、カセットプレート２１が降下位置
に保持されるように構成されている。

【００１６】カセットプレート２１の両側部に形成され
た左右一対の舌片部６０を下方に折曲げることにより、
左右一対のブラケット部６１が設けられている。これら
ブラケット部６１に、水平方向の軸（水平軸）６２が設
けられている。この軸６２に作動部の一例としてのロー
ラ６３が回転自在に取付けられている。

【００１７】なお、作動部は上記ローラ６３の代りに、
カセットプレート２１の一部に形成された凸部であって
もよいし、あるいは樹脂製の部品をカセットプレート２
１に取付けたものであってもよい。この作動部は少なく
ともカセットプレート２１の一側部（片側）に設けてあ
ればよい。

【００１８】カセット本体２０の側板部２６とサイドプ
レート４０には、上記ブラケット部６１と対応した位置
に、ブラケット部６１を避けるための切欠穴６５，６６
が設けられている。上記ローラ６３は側板部２６の外側
に突出している。

【００１９】図４に示されるように、カセット収納部１
５の内側面７０にリブ状のガイド部７１が設けられてい
る。このガイド部７１は、カセット本体２０の側板部２
６と対向する位置に設けられており、ガイド部７１の下
面側にローラ６３が転接するようになっている。なお図
４および図５は、ガイド部７１の形状を理解しやすいよ
うにカセット本体２０を省略して描いてある。

【００２０】上記ガイド部７１は、給紙カセット１２を
カセット収納部１５から引出す際にカセットプレート２
１を降下させる方向にローラ６３を案内するように、後
端部７１ａから前端部７１ｂに向って、高さが次第に低
くなるように斜めに延びている。後端部７１ａの高さＨ
1 は、カセットプレート２１がストッパ４５によって規
制される高さまで上昇することを妨げないような寸法に
してある。また前端部７１ｂの高さＨ2 は、カセットプ
レート２１の係止部５８をカセットフック５１の爪５７
に引っ掛けることができる寸法に設定されている。

【００２１】このため、給紙カセット１２をカセット収
納部１５から引出す途中で、係止部５８が爪５７に引っ
掛かることによってカセットプレート２１が降下位置に
保持され、その状態で給紙カセット１２をカセット収納
部１５から取出すことができる。

【００２２】次に、上記構成の給紙装置１３の作用につ
いて説明する。給紙カセット１２が機器本体１１のカセ
ット収納部１５に収納されている時、カセットフック５
１の爪５７がカセットプレート２１の係止部５８から外
れていて係止機構５０が解除状態にあるため、カセット
プレート２１はカセットスプリング３５の弾力によって
上昇位置まで押上げられている。このため、ピックアッ
プローラ７５（図３に示す）がカセットプレート２１上
の用紙を印字ユニットに送り出すことができる状態とな
っている。

【００２３】給紙カセット１２をカセット収納部１５か
ら取出す際には、図５に示すようにローラ６３がガイド
部７１の下面側に転接することによって、カセットプレ
ート２１が降下しつつ給紙カセット１２がカセット収納
部１５から引出されてくる。このため、カセットプレー
ト２１上に用紙が残っていても、用紙がカセット収納部
１５の天井壁１５ａなどに接することが回避され、用紙
が傷付いたり皺が生じるなどの不具合が防止される。

【００２４】この給紙カセット１２は、カセット収納部
１５から取出される途中で、カセットフック５１の爪５
７が係止部５８に引っ掛かることにより、カセットプレ
ート２１が降下位置に保持される。そしてその状態のま
ま給紙カセット１２をカセット収納部１５から取出すこ
とができる。このように給紙カセット１２を取出した時
にカセットプレート２１が降下位置に保持されているか
ら、用紙の補給が容易である。

【００２５】また、給紙カセット１２を再びカセット収
納部１５に挿入する際に、わざわざカセットプレート２
１を手で押下げて係止部５８を爪５７に引っ掛ける操作
が不要であり、誤ってカセットプレート２１を上昇させ
たままカセット収納部１５に挿入してしまうことも回避
される。

【００２６】なお、給紙カセット１２をカセット収納部
１５から取出した状態において、必要に応じてカセット
プレート２１を上昇させるには、カセットフック５１を
引っ込める方向にカセットフック５１を指で押すことに
より、爪５７を係止部５８から外せばよい。

【００２７】給紙カセット１２がカセット収納部１５の
所定位置まで挿入されると、カセットフック５１の先端
が機器本体１１の内部の壁面などに当接することによ
り、爪５７が係止部５８から外れる方向にカセットフッ
ク５１が後退するため、カセットスプリング３５の弾力
によってカセットプレート２１が上昇する。こうして、
カセット収納部１５の内部でカセットプレート２１が上
昇するため、カセットプレート２１上の用紙をピックア
ップローラ７５によって印字ユニットの方向に送り出す
ことができる状態となる。

【００２８】なお本発明は、ファクシミリ以外に、例え
ばレーザプリンタや複写機等の画像形成機器を始めとし
て、印字手段を有する各種ＯＡ機器など、要するに給紙
カセットを用いる電子機器であれば同様に適用できる。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、給紙カセットをカセッ
ト収納部から取出す際に、カセットプレート上に用紙が
残っていても、この用紙をカセットプレートと一緒に降
下させることができるため、給紙カセットを取出す際に
用紙がカセット収納部の天井壁などに触れて傷付くなど
の問題を回避できる。そして机上などに置いた時に不安
定になったり用紙がセットしにくくなるなどの問題も回
避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す給紙装置における給紙
カセットの分解斜視図。

【図２】図１に示された給紙カセットを備えた機器の斜
視図。

【図３】図１に示された給紙カセットの一部の断面図。

【図４】図１に示された給紙カセットの一部とガイド部
を示す断面図。

【図５】図１に示された給紙カセットのカセットプレー
トが降下した状態の断面図。

【符号の説明】

１１…機器本体 １２…給紙カセッ
ト １３…給紙装置 １５…カセット収
納部 ２０…カセット本体 ２１…カセットプ
レート ２２…カセット挿入口 ３５…カセットス
プリング ４５…ストッパ ５０…係止機構 ５１…カセットフック ６１…ブラケット
部 ６２…水平軸 ６３…作動部（ロ
ーラ） ７１…ガイド部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機器本体のカセット収納部に挿入される給
   紙カセットを備えた給紙装置において、 上記カセット収納部のカセット挿入口に出入り可能な形
   状に構成されかつ上面側が開口するカセット本体と、 上記カセット本体内に昇降可能に収容されかつ上面側に
   所定サイズの用紙が載置されるカセットプレートと、 上記カセットプレートを押上げる方向に付勢するカセッ
   トスプリングと、 上記カセットプレートの上昇位置を規制するストッパ
   と、 上記カセットプレートの側部に設けられて上記カセット
   本体の外側に突出する作動部と、 上記カセット収納部の内側面において上記作動部を接触
   させることのできる位置に設けられかつ上記給紙カセッ
   トがカセット収納部から引出される方向に移動する際に
   上記カセットプレートを降下させる方向に上記作動部を
   案内するガイド部と、 を具備したことを特徴とする給紙装置。