JPH07314365A - チャック装置 - Google Patents

チャック装置

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JPH07314365A
JPH07314365A JP6115017A JP11501794A JPH07314365A JP H07314365 A JPH07314365 A JP H07314365A JP 6115017 A JP6115017 A JP 6115017A JP 11501794 A JP11501794 A JP 11501794A JP H07314365 A JPH07314365 A JP H07314365A
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JP
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work
chuck device
chuck
distance
pallet
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Application number
JP6115017A
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English (en)
Inventor
Hisao Nakayama
尚男 中山
Mitsuo Yoshimoto
光雄 吉本
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Hiroki Komatsu
宏樹 小松
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Hitachi Setsubi Engineering Co Ltd
Hitachi Computer Electronics Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Setsubi Engineering Co Ltd
Hitachi Computer Electronics Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 置かれているワークの高さのバラツキや傾き
にかかわらず、ワークを確実に保持できるチャック装置
を提供する。 【構成】 ワーク30を非接触で保持するための非接触
ヘッド4と、ワーク30を外側から一定の力で把持する
ための開閉爪5とを有する。装置側面に設けた投光装置
2から光ビーム28を出し、その反射光ビームを装置側
面に設けた受光装置3で受光することにより、ワーク3
0又はパレット29との相対的距離を測定する。 【効果】 距離測定を行なうことにより、チャック装置
をワークに対し最適な距離まで近づけてチャッキングを
行ない、また、チャック装置を移載先パレットに対し最
適な距離まで近づけてワークを放すことができる。非接
触ヘッド4のエアー流量を減らすことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークを保持して移送
するためのチャック装置に係り、特に、表面が平らなワ
ークを扱うチャック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面が平らなワークをハンドリン
グする装置は、ワークが位置決めされる位置に、チャッ
ク装置を移動させてワークを把持する構成のものがほと
んどであった。また、ワークを粗位置決めして保持する
チャック装置として、特開昭−63−267178号公
報に述べられているような、ロボットに非接触タイプの
チャック装置を取付けた装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のチャッ
ク装置は、ワークの水平方向の位置決めができても、ワ
ークの厚さのバラツキ、ワークの載っているパレットの
精度のバラツキ等により、ワークとチャック装置との間
の距離が変動すると、ワークの把持又は吸着の失敗が起
こりやすいという問題点がある。また、非接触タイプの
チャック装置では、ワークとの距離のバラツキやワーク
の傾きがあってもワークを安定に保持できるよう、ワー
クの懸垂力を十分に高める必要があるために、非接触チ
ャックの流体流量を多くしなければならず、また、その
ために動作時の騒音が大きくなるという問題点がある。
【0004】本発明の目的は、ワーク又はパレットとの
距離変動あるいはワーク又はパレットの傾きに対応し
て、安定したワークのハンドリングを可能にするチャッ
ク装置を提供することにある。本発明のもう一つの目的
は、流体を利用する非接触タイプのチャック装置におい
て、流体流量を減らすことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、ワークを保持するためのチャッ
ク手段を有するチャック装置において、該チャック手段
の前方に存在するワーク又は他の物体との相対的距離を
測定するための距離センサ装置を設ける。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明のチャ
ック装置の距離センサ装置を、光ビームを照射し、その
反射光ビームを受光する構成の装置とするとともに、該
照射光ビーム及び該反射光ビームの経路を、該チャック
手段に保持された状態のワークより外側に設定する。
【0007】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
の発明のチャック装置において、距離センサ装置を少な
くとも3組設ける。
【0008】
【作用】請求項1乃至3の発明によれば、チャック装置
に設けた距離センサ装置によってワークとの相対的距離
を測定できるため、ワークの厚さのバラツキ等によりワ
ークとの距離に変動があっても、その変動を補正してチ
ャック装置をワークに対し最適な距離に制御した状態
で、チャック手段によりワークを安定確実に保持させる
ことが可能である。ワークとの距離を最適化できるた
め、流体を利用する非接触タイプのチャック手段を用い
る場合、その流体流量を減らすことができ、また、流量
減少の分だけ動作時の騒音も減らすことができる。
【0009】請求項2の発明によれば、ワークを保持し
た状態においても、距離センサ装置によりワークの移載
先パレットとの相対距離の測定が可能である。したがっ
て、移載先パレットの精度のバラツキ等があっても、チ
ャック装置と移載先パレットとを最適な距離に制御した
状態でワークを放し、安定に移載することができる。ま
た、パレットへの接近し過ぎによるワークの損傷も避け
られる。
【0010】さらに、請求項3の発明によれば、3個以
上の距離センサ装置によって、保持しようとするワーク
又は移載先パレットとの距離を3点以上について測定で
きるため、ワーク又はパレットの傾きをも把握すること
ができる。したがって、ワーク又はパレットの傾きを補
正し、ワークを確実に取り上げ又はパレットへワークを
確実に載せることができる。特に、流体を利用する非接
触タイプのチャック手段を用いる場合、その先端面とワ
ークとの距離を最適化できと同時に、ワークの傾きを補
正してチャック手段の先端面をワーク表面に倣わせ平行
に保つことができるため、チャック手段によるワークの
保持失敗を防止できるとともに、チャック手段の流体流
量を最小限の流量まで大幅に削減することができ、ま
た、流体による騒音も大幅に減らすことができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例について
説明する。なお、各図において、同等部又は対応部は同
一の符号を用いて示す。
【0012】<実施例1>図1は、本実施例のチャック
装置の外観を示す斜視図である。このチャック装置は、
非接触チャックとメカニカルチャックとを兼ね備えたワ
ーク保持部1を有し、その側面に距離センサ装置を構成
する投光装置2と受光装置3が取り付けられている。ワ
ーク保持部1は、非接触でワークを保持する非接触ヘッ
ド4と、その前後左右に配された開閉可能な4個の爪5
を本体ヘッド6に取り付けてなる。本体ヘッド6には、
爪5を開閉させるための機構が内蔵される。図示されて
いないが、このチャック装置は、取付け穴51を介して
駆動機構に取り付けられる。チャック装置は、例えば図
1に示すように、格子状に区切られたパレット29上の
ワーク30を他のパレットへ移載するために利用され
る。このような移載動作において、投光装置2からワー
ク30へ向けて光ビームを照射し、ワーク30の表面で
反射された光ビームを受光装置3により受光することに
よって、ワーク30の表面までの相対的距離を測定す
る。このような光ビームを利用した距離測定方法そのも
のは周知である。
【0013】非接触ヘッド4の構造の一例について図2
及び図3により説明する。図2は非接触ヘッド4の先端
を真下より見た構造を示す平面図であり、図3は非接触
ヘッド4の断面図であって図2のA−A線に沿って切断
した構造を表わしている。非接触ヘッド4の先端面に
は、図2に見られるように、エアー供給穴56が開口
し、また、同エアー供給穴56の開口より吹き出すエア
ーによって周囲の大気圧に対して負圧を作り出すための
十字状の平面形状を持つ溝57が形成され、さらに、溝
57に供給されたエアーを外部に洩らさないようにする
とともに、吸引力を安定させるためにエアー吸引穴55
が溝57の周囲に開口されている。このような溝57と
各穴56,57の開口とによって非接触チャック部を構
成する。エアー吸引穴55の他の端はエアー回収口53
(図1)と接続しており、エアー供給穴56の他の端は
エアー供給口52(図1)と接続している。
【0014】この非接触ヘッド4によりワークをピック
アップして非接触で保持する動作について説明する。図
示しないエアー供給回収装置を作動させて、エアー供給
口52よりエアーを供給し、エアー回収口53よりエア
ーを回収する動作を開始すると、非接触ヘッド4の先端
面とワーク30とがある距離より離れている間は、エア
ー供給穴56より吹き出したエアーによってワーク30
を非接触ヘッド4より離間させようとする力がワーク3
0に働く。しかし、その距離よりも非接触ヘッド4がワ
ーク30に近づくと、ワーク30を非接触ヘッド4に引
き寄せようとする力がワーク30に働く。これは、非接
触ヘッド4の先端面とワーク30の表面との間に負圧が
発生するためである。しかし、非接触ヘッド4がワーク
30に近づきすぎると、逆にワーク30を遠ざけようと
する力が発生する。このようなワーク30を引き寄せよ
うとする負圧と遠ざけようとする圧力とのバランスがと
れる距離だけ非接触ヘッド4の先端面から離れた位置
で、ワーク30は非接触にて保持されることになる。
【0015】さて、非接触ヘッド4の先端面に対してワ
ーク30の傾きが小さい場合(ヘッド先端面とワーク表
面が略平行であれば)、ワーク30は非接触ヘッド4の
先端面に略平行姿勢で真っ直に引き寄せられ、上に述べ
たように非接触状態で保持される。しかし、ワーク30
の傾きがある許容限界を超えた場合、ワーク30を横方
向へ移動させようとする無視できない強さの力が発生
し、安定な保持が不可能になる。例えば、図4に示すよ
うに、ワーク30は矢印Bの方向に吸い上げられ、爪5
の先端に当たって傾いた状態で保持されたり、あるいは
保持することができなかったり、さらにはワーク30を
損傷することがある。
【0016】図5に爪5とその開閉駆動のための機構の
構造を示す。爪5はワーク30を外側より挾んで把持す
る役割をするものであるあるが、ワーク30にダメージ
を与えないよう所定値以上の把持力は発生しない構造と
なっている。爪5はピン8によって回動可能に支持され
る。爪5の上端部は、それを押し広げる方向の一定の力
を圧縮バネ7によって加えられる。9は爪5の開閉角度
をコントロールするためのテーパシャフトである。爪5
より内側に延びた腕部には、テーパシャフト9の側面に
沿って回動するガイドローラが取り付けられている。ブ
ロック17によってテーパシャフト9に接続されたブッ
シュ17は、ボールねじ13の溝に沿って上下する構造
になっている。ブッシュ10の上下移動量を押えるため
のストッパ11と、ブッシュ10の水平方向の動きを押
えるための水平ガイド12、ボールねじ13を固定する
固定ベアリング14、ボールねじ13を回転駆動するた
めのモーター15、モーター15の回転軸とボールねじ
13を接続するカップリング16が設けられている。
【0017】爪5の動作について説明する。モーター1
5が作動してボールねじ13が回転すると、ブッシュ1
0が上下し、ブッシュ10に固定されているテーパシャ
フト9が上下する。この上下動作により、テーパーシャ
フト9に倣うガイドローラ18間の距離が変化し、回転
ピン8を中心として爪5が開閉する。
【0018】ワーク30を把持する動作は次のとおりで
ある。初めは、テーパーシャフト9が下がった位置にあ
って、爪5は開いた状態で、爪5の先端はワーク30よ
り外側に位置している。テーパーシャフト9が上昇し始
めると、爪5が閉じ始める。爪5の先端がワーク30に
接触した状態になった後は、テーパーシャフト9の側面
からガイドローラ18が離れた状態となる。かくして、
図5に示すように、ワーク30は爪5によって把持され
るが、この際の爪5による保持力は圧縮バネ7の力のみ
により決まるため、過度な力がワーク30に加わること
はない。
【0019】図6に距離センサ装置を構成する投光装置
2及び受光装置3(図1)の構造の一例を示す。23は
光ビームを照射する発光素子又は光センサ(以下、セン
サ素子と総称する)であり、測定しようとする距離に応
じて、センサ素子23の取り付け角度を調整できる構造
とされる。底面が開放した外部ブロック19の内部に、
センサ素子23は押えピン20によって回転可能に取り
付けられる。センサ素子23の上端部は引っ張りバネ2
1によって引っ張られ、押出しネジ22と係合する。
【0020】投光装置2の場合、チャック装置とワーク
30とが所定の基準距離にある状態において、センサ素
子(発光素子)23から出た光ビームがワーク30の測
定ポイント(本実施例ではワーク30の中心)にあたる
ように、押出しネジ22を操作してセンサ素子23の角
度を調整する。受光装置3の場合、チャック装置とワー
ク30とが所定の基準距離にある状態において、センサ
素子(光センサ)23の受感部の中心にワーク30の中
心(測定ポイント)からの反射光ビームがあたるよう
に、センサ素子23の角度を押出しネジ22により調整
する。
【0021】本実施例のチャック装置によるワーク30
の移載動作について説明する。図7は、この動作のフロ
ーチャートである。
【0022】まず、パレット29上の目的のワーク30
の位置までチャック装置を水平移動する(A−1)。こ
の位置で、投光装置2より出てワーク30の表面で反射
された光ビーム28が受光装置3に受光されるが、この
時の受光装置3の出力信号に基づき図示しない制御装置
においてチャック装置とワーク30との間の距離を測定
する(A−2)。
【0023】図示しない制御装置において、測定した距
離と基準距離の差を求め、チャック装置の基準降下移動
量をその差の分だけ補正する(A−3)。そして、この
補正後の移動量だけチャック装置を下降させる(A−
4)。図示しない制御装置は、非接触ヘッド4の先端が
ワーク30に対して所定の距離まで近づいた時点で、図
示しないエアー供給回収装置によるエアーの供給と回収
を開始させる(A−5)。かくして、図2及び図3に関
連して説明したように、非接触ヘッド4にワーク30が
引き上げられ、非接触で保持される。距離センサ装置に
よって実測された距離を基に、チャッキングの際のワー
クとの相対的距離が最適に制御されるため、非接触ヘッ
ド4のエアー流量を従来ほど多くしなくとも、安定確実
な保持が可能である。
【0024】なお、非接触ヘッド4を使用しない場合、
ステップ(A−5)において、エアーの供給回収を開始
しないで、チャック装置を爪5のみでワーク30を把持
できる位置まで、さらに下降させる。
【0025】次に、図示しない制御装置は、モータ15
を作動させて爪5を閉じさせ、ワーク30を所定の弱い
力で把持させる(A−6)。このようにしてワーク30
を保持すると、チャック装置を所定の位置まで上昇させ
(A−7)、移載先のパレットの目的の位置の真上まで
チャック装置を水平移動させる(A−8)。
【0026】図示しない制御装置は、距離センサ装置の
受光装置3の出力信号に基づき、パレット上の目的の位
置にワークが載っていないことを確認するとともに、ワ
ークを置くべき位置のパレット表面までの距離を測定す
る(A−9)。
【0027】なお、このようにワーク30を保持した状
態でパレット面までの距離測定及びワークの有無検出が
可能であるのは、投光装置2と受光装置3をチャック装
置の側面に配置し、距離センサ装置の照射光ビーム及び
反射光ビームの経路を、保持された状態のワーク30の
外側に設定しているためである。
【0028】ステップ(A−9)に続いて、保持してい
るワーク30を移載元パレット29よりピックアップし
た時と同様に、測定した距離により下降移動量を補正し
(A−10)、補正した移動量だけチャック装置を下降
させ(A−11)、図示しないエアー供給回収装置によ
る非接触ヘッド4に対するエアーの供給回収を停止させ
る(A−12)。勿論、非接触ヘッド4を使用しない場
合は、このエアー供給停止のステップは存在しない。次
に、モータ15を逆向きに作動させてテーパーシャフト
9を下降させることによって、爪5を開かせる(A−1
3)。かくして、ワーク30は爪5より開放され、移載
先パレットの目的位置に載置される。その後、図示しな
い制御装置は、チャック装置を所定の位置まで上昇させ
(A−14)、1回の動作を終了する。このような移載
動作をワーク数分繰り返すことにより、あるパレットか
ら他のパレットへワークを移載することができる。
【0029】なお、本実施例のチャック装置は、非接触
ヘッド4による保持力が失われても爪5によってワーク
保持を維持でき、また、爪5のみを利用しメカニカルチ
ャックとしても使用することができる。さらに、爪5に
よって、ワークのセンター位置決めもできる。
【0030】<実施例2>図8は、本実施例のチャック
装置の斜視図である。このチャック装置は、その3側面
に距離センサ装置123を1個ずつ設け、ワーク面上又
はパレット面上の三つのポイントについて距離を同時に
測定できるようにしたものである。
【0031】各距離センサ装置123は、実施例1のチ
ャック装置(図1)に設けられている投光装置2と受光
装置3を組み合わせて一つのボックスに一体化したもの
に相当し、その内部の発光素子より光ビームを照射し、
その反射光ビームを内部の光センサで受光することによ
り、1個で一つの測定ポイントについて距離測定が可能
である。より具体的には、各距離センサ装置123は、
例えば、図6に示した構造において、1個のセンサ素子
23に代えて、発光素子と光センサを、それぞれ逆向き
に若干傾けて回転可能に取り付け、それぞれの角度を、
センサ素子23と同様に、押し出しネジ22及び引っ張
りバネ21の組み合わせによって調節可能にした構造と
することができる。
【0032】これ以外の構造は、前記実施例1のチャッ
ク装置と同様であるので、説明を省略する。
【0033】本実施例のチャック装置は、同時に3つの
測定ポイントについて距離を測定できるため、チャック
装置に対するワーク又はパレットの傾きの検出も可能で
ある。したがって、このチャック装置の傾きを補正する
ための機構を備え、ワークをパレットよりピックアップ
する時並びにワークを移載先パレットに置く時に傾き補
正を行なえば、より確実安定な移載動作を達成できる。
【0034】このような傾き補正を行なうための一例を
図9に示す。ここに示す例は、本実施例のチャック装置
100を多節ロボット36に取り付け、この多節ロボッ
ト36によってチャック装置100の水平移動、垂直移
動及び傾き補正を行なうことにより、ワーク30をパレ
ット34からパレット35へ移載する。
【0035】すなわち、パレット34上のワーク30を
チャック装置100でピックアップする際に、各距離セ
ンサ装置123を利用してワーク30までの距離を三ポ
イントについて測定するとともに、それらの測定距離よ
りワーク30の傾きを求める。チャック装置100に対
してワーク30が傾いている場合は、チャック装置10
0の下降移動量を補正する一方で、チャック装置100
の非接触ヘッド4の先端面をワーク30の傾きに倣わせ
るように、多節ロボット36によってチャック装置10
0の角度を補正し、それに応じて水平位置も微調整す
る。ワークに傾きが無いと判断された時は、チャック装
置100の傾き補正及び水平位置調整は不要である。こ
の後、チャック装置100を下降させてワーク30を保
持させるようにすれば、図4に関連して説明したよう
な、傾きによるチャッキングの失敗やワークの損傷を防
止できる。
【0036】この後、チャック装置100を上昇させ、
移載先パレット35の目的の位置の真上まで水平移動さ
せ、実施例1に関連して説明したと同様の手順で、ワー
ク30をパレット35の目的の位置に載置することにな
る。この際にも、3個の距離センサ装置123によっ
て、パレット面の距離を3点について測定し、測定距離
に応じてチャック装置100の下降移動量を補正すると
ともに、測定距離からパレット面の傾きの検出も行な
う。傾きがある場合は、傾き補正を行なう。例えば、図
10に示すように、移載先パレット35が水平面からθ
だけ傾いている場合、図11に示すようにチャック装置
100をθだけ傾けることにより、チャック装置100
と移載先パレット35とを平行に倣わせる。このように
してチャック装置100に保持したワーク30をパレッ
ト35の表面に倣わせた状態で放せば、ワーク30を確
実にパレット35に載せることができる。また、ワーク
の損傷も防ぐことができる。
【0037】なお、合計4個の距離センサ装置123を
チャック装置の各側面に設け、ワークの四隅部を測定ポ
イントとして距離測定を行なうようにしてもよい。かか
る構成によれば、ワークの位置がずれていると、いずれ
かの距離センサ装置123からの光ビームがワークから
外れ反射されなくなるため、ワークの位置ずれの検出も
可能となる。
【0038】<実施例3>図12は本実施例のチャック
装置の正面図である。本実施例のチャック装置において
は、非接触ヘッド4のセンター部に設けられたスペース
内に、前記実施例2に用いられたものと同様の発光素子
と光センサを一体化したタイプの距離センサ装置123
が埋め込まれている。また、非接触ヘッド4の先端面に
は、図13に示すように、4組の非接触チャック部58
が4隅に分散して設けられている。各非接触チャック部
58の構造と作用は、図2及び図3に示した非接触チャ
ックと同様である。これ以外の構成は前記実施例1のチ
ャック装置と同様である。
【0039】このチャック装置によって、前記実施例1
のチャック装置の場合と同様にワーク30のハンドリン
グを行なうことができることは明らかである。
【0040】このチャック装置は、前記各実施例のチャ
ック装置のように距離センサ装置を外側に設けたものに
比べ、横方向の装置サイズを減らすことができ、また、
距離センサ装置を取り付けるための手段も省くことがで
きるため、装置全体を小型軽量にできる。ただし、この
チャック装置は、ワーク30を保持した状態では、ワー
ク30により距離センサ装置123の前方が遮られるた
め、距離センサ装置123によって移載先パレットとの
距離を測定することはできない。
【0041】<実施例4>図14は、本実施例のチャッ
ク装置の正面図である。このチャック装置は、前記実施
例1のチャック装置の非接触ヘッド4を吸着パッド25
に置き換えるともに、爪5を省いた如き構造である。爪
5がないため、その駆動のための図5に示したような機
構は本体ヘッド6に設けられないが、吸着パッド25と
ワークとの間を負圧にするためのエアー抜き用の穴が本
体ヘッド6に設けられる。
【0042】このチャック装置を用いて、あるパレット
上のワークを別のパレットへ移載する動作は、基本的に
前記各実施例の場合と同様であるが、前記各実施例のチ
ャック装置に設けられていた爪5に関連した動作はな
く、また、吸着パッド25によってワークを吸着保持す
る点が違う。
【0043】なお、図14に示すように、投光装置2か
ら照射された光ビーム28はワーク表面26に当り、そ
の反射光ビームを受光装置3で受光するが、ワーク表面
26の高さが基準面27に対してΔX変動すると、反射
光ビームの経路が変化し、この変化量が受光装置3で増
幅される。この動作原理は、前記各実施例における距離
センサ装置に共通するものであるが、便宜ここで説明し
た。
【0044】<実施例5>図15は、本実施例のチャッ
ク装置の正面図である。このチャック装置は、前記実施
例3に用いられたものと同様の発光素子と光センサを一
体化にした距離センサ装置123をヘッド6のセンター
部分に埋め込み、その周りに吸着パッド25を配設した
構造である。距離センサ装置123によって光ビーム2
8をワーク30に照射し、その反射光ビームを受光する
ことによりワークまでの距離を測定することができ、吸
着パッド25によりワーク30を吸着保持して搬送する
ことができる。
【0045】前記実施例3と同様、このチャック装置
は、距離センサ装置123をセンター部分に配置するこ
とにより、前記実施例4のチャック装置に比べて小型軽
量にできる。
【0046】<実施例6>図16は本実施例のワーク移
載装置の概略斜視図である。このワーク移載装置は、ト
レイA42からトレイB43へ、またはその逆方向に、
ワークを移載する装置である。ここで、トレイA42は
蓋付きであるが、トレイB43は蓋が無い構造になって
いる。
【0047】このワーク移載装置は、トレイA,Bを投
入するローダ37、回収するアンローダ38、トレイ
A,B上のワークの有無を判別する判別センサ39、ト
レイA,Bを搬送するコンベア40、トレイA42の蓋
を開ける蓋開け機構44と蓋を閉める蓋閉め機構45、
トレイA,Bに付されたバーコードよりトレイ種類を認
識するバーコード認識部50、ワークを把持して搬送す
るチャック装置24、このチャック装置24のX−Y−
Z方向移動及び傾き補正のための機構を有する直行ロボ
ット46、これをコントロールするロボットコントロー
ラ47、処理条件の入力及び管理をすると共に処理進行
状況を逐次表示するパソコン48、各部制御機器をコン
トロールするシーケンサ49で構成される。チャック装
置24は、図8に示したチャック装置である。
【0048】トレイA42上のワークをトレイB43へ
移載する場合の動作を以下に説明する。ローダ37にワ
ークの入ったトレイA42と空のトレイB43を置く。
そして、パソコン48より移載方向、移載ワーク数、ワ
ークサイズ等を入力し、起動をかけると、次のような一
連の動作がスタートする。
【0049】コンベア40によって、トレイA,Bが搬
送され、バーコード認識部50でトレイ種類が認識さ
れ、この認識結果によってトレイA,Bのワークサイズ
等の整合性の確認がなされる。トレイAは蓋開け機構4
4によって蓋を取られ、この蓋は蓋搬送用コンベア54
に送られて蓋閉め機構45の位置まで搬送される。つぎ
に、トレイA,B上のワーク有無を判別センサ39によ
って認識する。
【0050】トレイA,Bがコンベア40によって移載
ステージまで搬送されて位置決め固定されると、チャッ
ク装置24は直行ロボット46によってトレイA42の
ワーク上へ移動する。チャック装置24の距離センサ装
置を利用してワークまでの距離が3ポイントについて測
定され、ワークとの距離及びワークの傾きが求められ
る。測定した距離及び傾きに応じて、チャック装置24
の下降移動量補正及び傾き補正が行なわれた後、チャッ
ク装置24が下降してワークを取りに行く。チャック装
置24はワークを保持して上昇し、トレイB43上へ移
動し、その位置でワークを置くべき場所に確かにワーク
が無いか、ワークを置くべき距離、傾きを認識する。そ
の場所にワークがなければ、必要な補正を行なってから
下降しワークをトレイB43上に置く。
【0051】以上のトレイAからトレイBへの移載動作
をワーク数分、繰り返して行うが、1回の動作を行なっ
た都度、パソコン48から入力されたワーク数と実際に
移載したワーク数との比較を行って、移載の終了を判断
する。
【0052】必要回数の移載動作を終了すると、トレイ
A,Bはそれぞれコンベア40によって搬送され、途中
でトレイA42に蓋締め機構45により蓋がかぶされ、
移載が終了する。トレイBからトレイAへのワーク移載
動作も同様である。
【0053】ここでは、本発明のチャック装置を利用し
た移載装置の例を示したが、本発明のチャック装置は、
ワークを仕分けるための仕分け装置、その他様々な装置
に応用可能である。
【0054】
【発明の効果】請求項1乃至3の発明によれば、チャッ
ク装置に設けた距離センサ装置によってワークとの相対
的距離を測定できるため、ワークの厚さのバラツキ等に
よりワークとの距離に変動があっても、その変動を補正
してチャック装置をワークに対し最適な距離に制御した
状態で、チャック手段によりワークを安定確実に保持さ
せることが可能である。ワークとの距離を最適化できる
ため、流体を利用する非接触タイプのチャック手段を用
いる場合、その流体流量を減らすことができ、また、流
量減少の分だけ動作時の騒音も減らすことができる。
【0055】請求項2の発明によれば、ワークを保持し
た状態においても、距離センサ装置によりワークの移載
先パレットとの相対距離の測定が可能である。したがっ
て、移載先パレットの精度のバラツキ等があっても、チ
ャック装置と移載先パレットとを最適な距離に制御した
状態でワークを放し、安定に移載することができ、パレ
ットへの接近し過ぎによるワークの損傷も避けられる。
【0056】さらに、請求項3の発明によれば、3個以
上の距離センサ装置によって、保持しようとするワーク
又は移載先パレットとの距離を3点以上について測定で
きるため、ワーク又はパレットの傾きをも把握すること
ができ、したがって、ワーク又はパレットの傾きを補正
し、ワークを確実に取り上げ又はパレットへワークを確
実に載せることができる。特に、流体を利用する非接触
タイプのチャック手段を用いる場合、その先端面とワー
クとの距離を最適化できと同時に、ワークの傾きを補正
してチャック手段の先端面をワーク表面に倣わせ平行に
保つことができるため、チャック手段によるワークの保
持失敗を防止できるとともに、チャック手段の流体流量
を最小限の流量まで大幅に削減することができ、また、
流体による騒音も大幅に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のチャック装置の外観及びワークとの
関係を示す斜視図である。
【図2】図1に示した非接触ヘッドの先端面を示す平面
図である。
【図3】図1に示した非接触ヘッドの断面図である。
【図4】非接触ヘッドによるワーク保持動作の説明図で
ある。
【図5】図1に示した爪と開閉駆動機構の構造の一例を
示す図である。
【図6】図1示した投光装置又は受光装置の構造の一例
を示す断面図である。
【図7】図1に示したチャック装置によるワーク移載動
作のフローチャートである。
【図8】実施例2のチャック装置の外観及びワークとの
関係を示す斜視図である。
【図9】図8に示したチャック装置の移動及び傾き補正
をロボットにより行なう装置を示す斜視図である。
【図10】パレット面の傾きの検出を説明するめための
図である。
【図11】パレット面の傾きに対する補正を説明するた
めの図である。
【図12】実施例3のチャック装置を示す正面図であ
る。
【図13】図12に示した非接触ヘッドの先端面の平面
図である。
【図14】実施例4のチャック装置を示す正面図であ
る。
【図15】実施例5のチャック装置を示す正面図であ
る。
【図16】本発明のチャック装置を利用したワーク移載
装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ワーク保持部 2 投光装置 3 受光装置 4 非接触ヘッド 5 爪 6 本体ヘッド 7 圧縮バネ 8 回転ピン 9 テーパーシャフト 10 ブッシュ 11 ストッパ 12 水平ガイド 13 ボールネジ 14 固定ベアリング 15 モーター 16 カップリング 17 ブロック 18 ガイドローラ 19 外部ブロック 20 押えピン 21 引っ張りバネ 22 押出しネジ 23 センサ素子(発光素子又は光センサ) 24 チャック装置 25 吸着パッド 26 ワーク表面 27 基準面 28 ビーム 29 パレット 30 ワーク 34 パレット 35 パレット 36 ロボット 37 ローダ 38 アンローダ 39 判別センサ 40 コンベア 42 トレイA 43 トレイB 44 蓋開け機構 45 蓋閉め機構 46 直行ロボット 47 ロボットコントローラ 48 パソコン 49 シーケンサ 50 バーコード認識部 51 取付け穴 52 エアー供給口 53 エアー回収口 54 蓋搬送用コンベア 55 エアー供給穴 56 エアー回収穴 57 溝 58 非接触チャック部 100 チャック装置 123 距離センサ装置
フロントページの続き (72)発明者 中山 尚男 茨城県日立市会瀬町二丁目9番1号 日立 設備エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 吉本 光雄 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 長谷川 寛 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所汎用コンピュータ事業部内 (72)発明者 小松 宏樹 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立コンピュータエレクトロニクス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを保持するためのチャック手段を
    有するチャック装置において、該チャック手段の前方に
    存在するワーク又は他の物体との相対的距離を測定する
    ための距離センサ装置を備えることを特徴とするチャッ
    ク装置。
  2. 【請求項2】 該距離センサ装置は光ビームを照射し、
    その反射光ビームを受光する構成の装置であって、該照
    射光ビーム及び該反射光ビームの経路が該チャック手段
    に保持された状態のワークより外側に設定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のチャック装置。
  3. 【請求項3】 該距離センサ装置を少なくとも3組備え
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のチャック装
    置。
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