JPH07313985A - 水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置 - Google Patents

水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置

Info

Publication number
JPH07313985A
JPH07313985A JP13799594A JP13799594A JPH07313985A JP H07313985 A JPH07313985 A JP H07313985A JP 13799594 A JP13799594 A JP 13799594A JP 13799594 A JP13799594 A JP 13799594A JP H07313985 A JPH07313985 A JP H07313985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
water
platinum
iridium
tantalum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13799594A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Kawashima
幸雄 川嶋
Hiroaki Saitou
弘聡 斎藤
Kazumi Takahashi
和美 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP13799594A priority Critical patent/JPH07313985A/ja
Publication of JPH07313985A publication Critical patent/JPH07313985A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性基体上に、金属換算で白金1〜50モ
ル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル10
〜50モル%を含有する白金金属と酸化イリジウムと酸
化タンタルとの被覆層を設け、これを電極として電解を
行い、塩素を発生させて水道水の衛生保持を行うか、あ
るいは強酸性イオン水を生成させる。 【効果】 陽極、陰極とし、極性を逆転して使用する場
合にも、電極寿命が長い。また、陽極として用いて残留
塩素が多くなり、長時間に亘って安定して水の衛生保持
や強酸性イオン水の生成を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気分解によって飲料水
の衛生保持を行う方法および装置と、強アルカリイオン
水を生成する方法および装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属チタンを導電性基体として、
その上に白金族金属やその酸化物の被覆層を設けた金属
電極が種々の電解工業の分野において使用されている。
しかし、飲料水、特に水道水の衛生保持ないし殺菌用あ
るいはイオン水生成用として、上記の電極を適用した例
は一部のものを除いては少ない。
【0003】水道水の電気分解は以下のような点で重要
である。すなわち、水道水にはミネラル水とは異なり、
濾過のみでは殺菌が不十分であり、しかも万一配水管が
汚染された場合でも安全でなければならないので、持続
性の殺菌力のある塩素が消毒剤として注入されている。
この量は、水道法施行規則において、配水管末での残留
塩素量は遊離形では0.1ppm 以上、結合形では0.4
ppm 以上とするよう定められている。
【0004】ところで、コップ販売式自動販売機や製氷
機など、機内で原料と水を調合して清涼飲料水などを自
動的に調理して販売したり、製氷したりする場合、使用
される水は水道法による水道により供給される水と食品
衛生法で規定されている。しかし、供給された水は、機
内の貯水槽に貯留されるので、遊離残留塩素が消費され
て、塩素イオンに還元されたり、大気中に散通したりし
て、衛生上問題となる。
【0005】このため、機内に電解槽を設け、供給され
た水を電気分解し、水道水中の塩素イオンから塩素を生
成させ、貯留水中の塩素濃度を適量に規制し、機内の衛
生を確保する提案がなされている ( SANYO TECHNICAL P
EVIEW VOL.21 No.1 FEB.1989)。
【0006】これとは別に、機能水として強酸性イオン
水の用途が広がっている。強酸性イオン水はpH3以
下、特に2.7以下の電気分解によって得られたイオン
水で、電解の結果、有効塩素が高く、溶存塩素も多く、
微生物が生存できない環境を作るものである。このた
め、手指の洗浄、床、室内、まな板、ふきん、食器等の
洗浄などの衛生面、果実、花菜類、布等への散布、ビニ
ールハウスの洗浄等の植物栽培、生鮮野菜の洗浄、魚、
肉解凍洗浄等の食品分野などで利用されている。強酸性
イオン水を生成するには、微孔性隔膜で電解槽を区画し
て、従来は白金めっきチタンあるいはフェライトの陽極
と、ステンレス鋼の陰極とを電解槽中に没し、これら電
極に直流電圧を印加する。この装置では、水に食塩を添
加した塩水を用い、電極間に直流電界を形成して、陰極
側にナトリウム、カリウム、カルシウム等の金属イオン
を集める一方、陽極側に塩素イオン、重炭酸イオン等の
陰イオンを集め、陰極側の電解槽中の電解で生じた強酸
性イオン水を使用する。
【0007】しかし、従来のフェライト電極を陽極とし
て使用して、飲料水の衛生保持を行ったり、強酸性イオ
ン水を作製する場合、製造上、板状か棒状かに限られ、
薄型にならない。またセラミックのため衝撃などに弱
い。また、チタン基材上に貴金属あるいは貴金属酸化物
をめっきあるいはコーティングした電極などもこの用途
に使用されている。例えばルテニウムとチタンの酸化物
の被覆を施した電極あるいはルテニウムとスズの酸化物
の被覆を施した電極などが塩素発生用陽極として知られ
ている(特公昭46−21884号公報、特公昭48−
3954号公報、特公昭50−11330号公報)。し
かし、ルテニウム系の酸化物電極は酸化ルテニウムが食
品衛生上有害物となるため、飲料水の衛生保持用には使
用できない。また、強酸性イオン水は酸素発生を伴う電
解で得られるので、ルテニウム系の酸化物電極は電極寿
命が短い。また、従来より使用されている白金めっきチ
タン電極あるいは白金コーティングチタン電極(特開平
5−57283号公報)は、食品衛生上安全であるが、
陽極での塩素発生効率が低く、飲料水の衛生保持や強酸
性イオン水生成には適していない。
【0008】また、酸化パラジウム系などの塩素発生効
率の高い電極(特公昭55−35473号公報、特公昭
55−8595号公報)をこれらに用いることも考えら
れる。しかし、これらの電極を陽極として使用し、酸素
発生用電極として用いたときには、電極寿命も短くな
る。特に使用頻度が多くなるにつれ、この問題は顕著に
なる。
【0009】また、飲料水の衛生保持や強酸性イオン水
生成では、電解を続けるうちに陰極表面にカルシウムイ
オンあるいはマグネシウムイオンが水酸化物のスケール
として付着して装置の性能を阻害する。このため、陽陰
極の極性を切り替えてスケールの付着を防止する必要が
ある。この場合、高電圧下で陽陰極の切り替えを行うの
で、これらのパラジウム系の電極では電極寿命が短い。
【0010】酸素発生用電極としては、酸化イリジウム
系ならびに酸化イリジウム−酸化タンタル系(特開昭6
3−235493号公報、特開平2−61083号公
報、特開平3−193889号公報、特公昭60−21
232号公報、特公昭60−2207号公報、特開昭5
7−116786号公報、特開昭60−184690号
公報等)も知られている。しかし、高電圧下での極性逆
転の際に十分な耐食性が得られない。また、商業的にコ
スト高となることが問題である。
【0011】また、飲料水の衛生保持用の電極として、
チタン基体上に白金40〜90モル%と、チタン、タン
タル、ジルコニウム、ニオブおよびスズの酸化物から選
ばれた1種以上60〜10モル%とを被覆させた電極
(特開平6−33280号公報)が知られている。しか
しこのものは残留塩素濃度が飲料水の衛生保持用や、強
酸性イオン水生成用としては不十分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、塩素発生が多く、しかも極間の極性逆転を繰り返し
ても寿命が長く、電流効率の劣化がなく、耐久性に優れ
た電極を用いた水の衛生保持および強酸性イオン水生成
を行う方法および装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタンの
ような導電性基体上に、白金金属、酸化イリジウムと酸
化タンタルの特定割合の被覆層を設けることにより、電
気抵抗を上げずに密着強度が高く、さらに極性逆転後に
陽極とした時に基体のチタン酸化に伴う劣化を抑制しう
ることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至
った。
【0014】すなわち、上記の目的は下記(1)〜(1
0)の構成によって達成される。 (1)導電性基体上に、金属換算で白金1〜50モル
%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル10〜
50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよび酸化
タンタルの被覆層を有する不溶性電極を用い、水を電解
して塩素を発生させて水の衛生を保持するとともに、電
極の極性を反転させてスケールの付着を防止する水の衛
生保持方法。 (2)前記被覆層の白金、イリジウムおよびタンタルの
含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル%、45〜
70モル%および20〜50モル%である上記(1)の
水の衛生保持方法。 (3)前記水が飲料水である上記(1)または(2)の
水の衛生保持方法。 (4)水道水供給口と、飲料水給水口と、電解槽と、少
なくとも一対の電極と、電源と、極性切替手段とを有
し、前記電極が導電性基体上に、金属換算で白金1〜5
0モル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル
10〜50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよ
び酸化タンタルの被覆層を有する不溶性電極である水の
衛生保持装置。 (5)前記被覆層の白金、イリジウムおよびタンタルの
含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル%、45〜
70モル%および20〜50モル%である上記(4)の
水の衛生保持装置。 (6)導電性基体上に、金属換算で白金1〜50モル
%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル10〜
50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよび酸化
タンタルの被覆層を有する不溶性電極を用い、食塩水を
電解して強酸性イオン水を生成するとともに、電極の極
性を反転させてスケールの付着を防止する強酸性イオン
水生成方法。 (7)前記被覆層の白金、イリジウムおよびタンタルの
含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル%、45〜
70モル%および20〜50モル%である上記(6)の
強酸性イオン水生成方法。 (8)強酸性イオン水のpHが3以下である上記(6)
または(7)の強酸性イオン水生成方法。 (9)食塩水導入口と、強酸性イオン水排出口と、酸ア
ルカリイオン水排出口と、電解槽と、少なくとも一対の
電極と、この電極間に設けられた隔膜と、電源と、極性
切替手段とを有し、前記電極が導電性基体上に、金属換
算で白金1〜50モル%、イリジウム40〜80モル%
およびタンタル10〜50モル%を含有する白金、酸化
イリジウムおよび酸化タンタルの被覆層を有する不溶性
電極である強酸性イオン水生成装置。 (10)前記被覆層の白金、イリジウムおよびタンタル
の含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル%、45
〜70モル%および20〜50モル%である上記(9)
の強酸性イオン水生成装置。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0016】本発明で電極に用いられる導電性基体とし
ては例えばチタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブな
どのバルブ金属またはこれらのバルブ金属の中から選ば
れた2種以上の金属の合金が好ましい。
【0017】本発明の電極においては、これらの導電性
基体上に白金金属、酸化イリジウムおよび酸化タンタル
からなる被覆層が設けられている。この層の白金、イリ
ジウム、タンタルの割合は、金属換算で、白金1〜50
モル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル1
0〜50モル%、より好ましくは白金3〜30モル%、
イリジウム45〜70モル%およびタンタル20〜50
モル%の範囲にすることが必要である。この範囲内にお
いてのみ良好な結果が得られる。タンタルが50モル%
を超えると塩素過電圧の増加を招き、電流効率の低下を
招き、また寿命も短くなってしまう。タンタルが10モ
ル%未満になると、密着強度が低下し、塩素発生電流効
率の経時変化が大きくなってしまう。また、白金が50
モル%を超えると塩素過電圧の増加を招き、電流効率の
低下を招いてしまい、白金が1モル%未満となると塩素
過電圧が高くなり、電流効率も低下してしまう。さらに
酸化イリジウムが80モル%を超えると塩素過電圧の増
加と電流効率の低下を招いてしまい、40モル%未満と
なると塩素過電圧の増加と電流効率の低下や経時変化を
招いてしまう。なお、このような電極は、特開平1−3
01876号公報や特開平2−263989号公報に提
案された塩水を用いた酸素発生用、あるいは塩素発生用
の電極組成と重複している。しかし、これらの公報に
は、上記組成範囲にて選択的に実現する極性逆転の際の
耐久性については示唆すらされていない。
【0018】所期の効果を十分達成するためには、上記
被覆層は、白金族金属を金属換算で0.01mg/cm2〜5
mg/cm2の割合となるように担持させることが好ましい。
0.01mg/cm2未満となると本発明の実効が得られず、
また5mg/cm2を超えると密着強度が低下する。
【0019】次に、用いられる電極の製造方法について
説明する。まず、導電性基体上に、白金化合物、イリジ
ウム化合物およびタンタル化合物を含有する溶液を塗布
したのち、酸化性雰囲気中で熱処理して、白金1〜50
モル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル1
0〜50モル%を含有する白金金属、酸化タンタルおよ
び酸化イリジウムからなる被覆層を設ける。この際、使
用する塗布液は、熱分解によって白金金属になる化合
物、例えば塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2O)、
塩化白金などの白金化合物と、熱分解によって酸化イリ
ジウムになる化合物、例えば塩化イリジウム酸等のイリ
ジウム化合物と熱分解によって酸化タンタルになる化合
物、例えば酸化タンタル、タンタルアルコキシドなどの
タンタル化合物とを所定の割合で適当な溶媒に溶解する
ことによって調製することができる。
【0020】このように調製した塗布液を塗布したの
ち、酸化性雰囲気中での熱処理はこの塗布液を導電性基
体上に塗布し乾燥したのち、酸素の存在下、好ましくは
400〜650℃の範囲の温度において焼成することに
よって行われる。この操作は必要な担持量に達するまで
複数回繰り返される。このようにして所望の担持量を有
する白金−酸化イリジウム−酸化タンタルの被覆層が施
され、本発明の電極が得られる。なお、酸化性雰囲気に
おける酸素分圧は一般に0.05気圧以上とする。
【0021】このように被覆層の形成のための熱処理を
酸化性雰囲気で行うことにより、酸化タンタルや酸化イ
リジウムの酸化が十分に行われ、電極の耐久性が向上す
る。これに対し、被覆層を形成するための熱処理を酸化
性雰囲気中で行わない場合には、酸化が不十分になり金
属が遊離状態で存在するので電極の耐久性が低下する。
【0022】このような電極は、飲料水の衛生保持用あ
るいは強酸性イオン水生成用の電解槽ないし電解室に陽
極として配設され、残留塩素を発生させるものである。
また、この電極は陰極としても用いることができる。そ
して、陽極近傍で塩素により滅菌した飲料水あるいは陽
極側で強酸性イオン水を生成して飲料水あるいは各種機
能水として用いる。この際、随時、通常一定時間毎に電
極間の極性逆転を行ってスケールの付着を防止する。そ
して、このような電解を行うときの陽極および陰極とし
て用いられる。このように水道水から滅菌した飲料水あ
るいは強酸性イオン水を生成させる際、陰極側にカルシ
ウムやマグネシウムがスケールとして付着して電解効率
が低下するが、陽極と陰極とを逆転して通電することに
より、これらの付着物の除去を行って電解効率の回復を
図るのである。本発明の電極は極性逆転を繰り返しても
寿命が長いので、このような使用法に耐えることができ
る。
【0023】図1に強酸性イオン水を得るための生成装
置の一構成例が示されている。図1に示されるように、
成水器1は食塩水タンク15と連結した電解槽11を有
する。電解槽11内には隔膜Mを介し陰極31および陽
極32が配設されている。食塩水導入口13aから食塩
水を導入し、両極31、32に通電する。この際、陰極
31および陽極32には本発明の電極が用いられてい
る。そして、電源17から極性切替手段16を介して電
極31、32に通電される。
【0024】このような構成で通電を行い、隔膜Mによ
って仕切られた陽極室で強酸性イオン水が、また陰極室
で強アルカリ性イオン水が得られ、それぞれの排出口1
3b、13cからタンク18、19内にイオン水がスト
ックされる。なお、隔壁Mはイオンの移動、液の移動等
の可能なものであって、強酸性イオン水と強アルカリイ
オン水の分離が可能なものであれば特に制限はなく用い
ることができる。このようなものとしてはポリエチレン
系、ポリプロピレン系、ナイロン系等の樹脂、イオン交
換膜、セラミックス製の多孔性膜などがある。
【0025】このような場合、通常は5〜50V 程度の
電圧を印加し、電流密度0.1〜10A/dm2 程度とす
る。図1では電極31、32は板状のものを用いている
が、このときの電極間の距離は1〜20mm程度とし、電
解槽容量0.1〜5リットル程度とする。このようにし
て得られる強酸性イオン水はpH2〜3、特に2〜2.
7程度で塩素量はCl2 換算で0.3〜100ppm 程度
である。用いる食塩水濃度は1〜250g/l 程度とす
る。なお、強アルカリ性イオン水は排水してもよいし、
土地改良や地表散布、食品の油取り洗浄、魚等のヌメリ
取り等の前洗浄、アク取り他の食品の調理、各種脱脂な
どに用いてもよい。
【0026】図1においては、板状の電極としており、
本発明の電極の形状には特に制限はなく、棒状、柱状、
円筒状等のいずれであってもよい。例えば、図2
(a)、(b)に示すように、ともに円筒状の陰極33
および陽極34を、陽極34を内側に、陰極33を外側
に同軸的に配置し、この間に円筒状の隔膜M1を配置す
る構成とすることもできる。
【0027】図3には、極性切替手段を有する飲料水の
衛生保持装置10が示される。この場合は、隔膜を設け
ずに電解槽11内に少なくとも一対の電極31、32を
配置する。電解条件は電圧5〜50V 程度、電流密度
0.1〜10A/dm2 程度、電極間距離は1〜10mm程
度、電解槽容量1〜30リットル程度とする。塩素量は
Cl2 換算で0.1〜30ppm 程度が得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0029】実施例1 所定量の塩化白金酸(H2 PtCl6 ・6H2 O)と、
塩化イリジウム酸(H2 IrCl6 ・6H2 O)とタン
タルエトキシド(Ta(OC255 )とをブタノー
ルに溶解して、白金/イリジウム/タンタルの組成比を
変化させた金属換算濃度80g/l の塗布液を調製した。
【0030】別に、熱シュウ酸でエッチングしたチタン
基体上に、前記塗布液を刷毛で塗布し、乾燥した後、電
気炉に入れて空気を吹き込みながら550℃で焼き付け
た。この塗布、乾燥、焼き付けの操作を適当な回数所定
の担持量になるまで繰り返して、白金金属と酸化タンタ
ルとの被覆層の電極試料を作成した。これらをサンプル
No. 1〜No. 11とする。
【0031】次に、この作成した電極(サンプルNo. 1
〜No. 11)について、塩素過電圧を測定した。測定方
法は電位走査法により、走査速度10mV/sec、30℃、
30重量%NaCl水溶液(pH=1に調整)中で電流
密度20A/dm2 における値を求めた。その結果を表1に
示す。
【0032】さらにまた、この電極について30℃、標
準合成水中[炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )21
ppm 、塩化カルシウム(CaCl2 )28ppm 、硫酸マ
グネシウム(MgSO4 )30ppm 、炭酸水素カリウム
(KHCO3 )2.5ppm ]で極性逆転を伴う寿命試験
を行った。陽極、陰極共に同種の電極を用い、電流密度
5A/dm2 で15分間毎に極性を逆転させて電解を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0033】さらにまたこの電極について20℃、標準
合成水溶液で電解直後ならびに極性逆転を伴う寿命試験
を行い電解12時間後の塩素発生効率の測定を行った。
測定方法としては、ガラスビーカーに150mlの0.5
mMNaCl水溶液をとり20℃で陰極に白金電極を用
い、電極面積を20cm2 として2A/dm2 で12クーロン
通電後、発生した塩素量の測定はオルトトリジン法にて
残留塩素を測定し、電気量と塩素発生量かつ電流効率
(%)を算出した。その結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】なお、電極寿命は電解可能な時間を示して
おり、また塩素発生の電流効率も表中の基準は以下のと
おりである。
【0036】塩素過電圧 ○;50mV未満 △;50mV以上〜95mV未満 ×;95mV以上 極性逆転での電極寿命 ○;750時間以上 △;500時間超〜1750時間未満 ×;500時間未満 電解開始直後の塩素発生の電流効率 ○;10%以上 △;5%以上〜10%未満 ×;5%未満 12時間後の塩素発生の電流効率 ○;8%以上 △;5%以上〜8%未満 ×;5%未満
【0037】この結果から明らかなように本発明の電極
は、比較の電極に比べ電極寿命が長く、塩素発生の電流
効率が高いレベルで保つ特徴をもつ。
【0038】実施例2 実施例1のサンプルNo. 1〜5を陽極、陰極として図2
に示す成水器に適用した。陽極の形状は内径40mm、高
さ70mm、厚さ0.5mm、陰極の形状は内径60mm、高
さ90mm、厚さ0.5mmとして陽極に密着したポリプロ
ピレン製の隔膜を設け、陽極と陰極とを仕切った。槽容
量は0.5リットルである。
【0039】上記の成水器を用い、食塩水(200g/l
)の電解を行った。電圧30V 、電流密度5A/dm2
電解条件として15分間の運転と、3〜5分電極の極性
を逆転した運転とを繰り返した。すなわち、1回あたり
では合計1時間の運転と0.25時間の極性逆転運転と
を行った。
【0040】20%食塩水を5〜10ml/minの注入を行
いながら6ケ月間運転したところ、pH2.7、残留塩
素濃度20ppm の強酸性イオン水を安定に得ることがで
きた。これに対し比較用サンプルNo. 6〜11では6ケ
月間運転したところ、pH3以上、残留塩素濃度5ppm
以下の強酸性イオン水となってしまい、残留塩素濃度の
経時変化が大きく安定的に得ることができなかった。
【0041】実施例3 図3の装置を用い、水道水の衛生保持を行った。電解条
件は電圧25V 、電流密度0.2A/dm2 、電極間距離3
mmとし、運転時間90秒で1日20回、24時間ごとに
極性切替を20秒行い、計10ケ月運転した。No. 1〜
5の本発明のサンプルでは10ケ月後も2ppm の残留塩
素濃度が±0.5ppm に維持されたが、比較用のサンプ
ルNo. 6〜11では1ケ月後残留塩素濃度が0.5ppm
以下となってしまい、水道水の衛生保持に不適な水道水
となった。
【0042】
【発明の効果】本発明で用いる電極は、極性逆転による
電解ならびに高電圧下において、特に極性逆転後の陽極
反応においても十分な耐久性を示し、長期間の安定な使
用が可能である。そして残留塩素量が十分高く、飲料水
の衛生保持や強酸性イオン水生成を行う優れた方法と装
置とが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強酸性イオン水生成装置の概略構成図
である。
【図2】本発明における電解槽を示し、(a)は縦断面
図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】本発明の水の衛生保持装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1 強酸性イオン生成装置 10 水の衛生保持装置 11 電解槽 16 極性逆転手段 17 電源 31、32、33、34 電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、金属換算で白金1〜5
    0モル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル
    10〜50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよ
    び酸化タンタルの被覆層を有する不溶性電極を用い、 水を電解して塩素を発生させて水の衛生を保持するとと
    もに、電極の極性を反転させてスケールの付着を防止す
    る水の衛生保持方法。
  2. 【請求項2】 前記被覆層の白金、イリジウムおよびタ
    ンタルの含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル
    %、45〜70モル%および20〜50モル%である請
    求項1の水の衛生保持方法。
  3. 【請求項3】 前記水が飲料水である請求項1または2
    の水の衛生保持方法。
  4. 【請求項4】 水道水供給口と、飲料水給水口と、電解
    槽と、少なくとも一対の電極と、電源と、極性切替手段
    とを有し、 前記電極が導電性基体上に、金属換算で白金1〜50モ
    ル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル10
    〜50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよび酸
    化タンタルの被覆層を有する不溶性電極である水の衛生
    保持装置。
  5. 【請求項5】 前記被覆層の白金、イリジウムおよびタ
    ンタルの含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル
    %、45〜70モル%および20〜50モル%である請
    求項4の水の衛生保持装置。
  6. 【請求項6】 導電性基体上に、金属換算で白金1〜5
    0モル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル
    10〜50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよ
    び酸化タンタルの被覆層を有する不溶性電極を用い、 食塩水を電解して強酸性イオン水を生成するとともに、
    電極の極性を反転させてスケールの付着を防止する強酸
    性イオン水生成方法。
  7. 【請求項7】 前記被覆層の白金、イリジウムおよびタ
    ンタルの含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル
    %、45〜70モル%および20〜50モル%である請
    求項6の強酸性イオン水生成方法。
  8. 【請求項8】 強酸性イオン水のpHが3以下である請
    求項6または7の強酸性イオン水生成方法。
  9. 【請求項9】 食塩水導入口と、強酸性イオン水排出口
    と、酸アルカリイオン水排出口と、電解槽と、少なくと
    も一対の電極と、この電極間に設けられた隔膜と、電源
    と、極性切替手段とを有し、 前記電極が導電性基体上に、金属換算で白金1〜50モ
    ル%、イリジウム40〜80モル%およびタンタル10
    〜50モル%を含有する白金、酸化イリジウムおよび酸
    化タンタルの被覆層を有する不溶性電極である強酸性イ
    オン水生成装置。
  10. 【請求項10】 前記被覆層の白金、イリジウムおよび
    タンタルの含有量が、金属換算でそれぞれ3〜30モル
    %、45〜70モル%および20〜50モル%である請
    求項9の強酸性イオン水生成装置。
JP13799594A 1994-05-27 1994-05-27 水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置 Withdrawn JPH07313985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13799594A JPH07313985A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13799594A JPH07313985A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07313985A true JPH07313985A (ja) 1995-12-05

Family

ID=15211609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13799594A Withdrawn JPH07313985A (ja) 1994-05-27 1994-05-27 水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07313985A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001198575A (ja) * 1999-10-29 2001-07-24 Toyama Chem Co Ltd 海水を電気分解して得られる弱アルカリ水溶液からなる殺菌剤および海水に殺菌作用を付与する方法。
JP2013163180A (ja) * 2012-01-10 2013-08-22 Ishifuku Metal Ind Co Ltd 殺菌水生成装置
WO2024101613A1 (ko) * 2022-11-07 2024-05-16 농업회사법인 주식회사 도크 모듈형 재배실을 이용한 작물 재배 시스템

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001198575A (ja) * 1999-10-29 2001-07-24 Toyama Chem Co Ltd 海水を電気分解して得られる弱アルカリ水溶液からなる殺菌剤および海水に殺菌作用を付与する方法。
JP4691684B2 (ja) * 1999-10-29 2011-06-01 富山化学工業株式会社 海水を電気分解して得られる弱アルカリ水溶液からなる殺菌剤および海水に殺菌作用を付与する方法。
JP2013163180A (ja) * 2012-01-10 2013-08-22 Ishifuku Metal Ind Co Ltd 殺菌水生成装置
WO2024101613A1 (ko) * 2022-11-07 2024-05-16 농업회사법인 주식회사 도크 모듈형 재배실을 이용한 작물 재배 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4306952A (en) Electrolytic process and apparatus
JP4116949B2 (ja) 電気化学的殺菌及び制菌方法
JP5129442B2 (ja) 液体の帯電物質の濃度調節装置
CN102892714B (zh) 用于电化学产生次氯酸盐的系统
US4088550A (en) Periodic removal of cathodic deposits by intermittent reversal of the polarity of the cathodes
JPH07969A (ja) 廃水処理法
JP5595213B2 (ja) 殺菌水製造装置および殺菌水の製造方法
JP2006515389A5 (ja)
JPH09262583A (ja) 酸性水及びアルカリ性水の製造方法
JPH05148676A (ja) 電極とその製法およびその電極を有する電解槽ならびに電解方法
JP2001286868A (ja) 電解水製造方法および電解水
JP2004204328A (ja) 次亜塩素酸水の製造方法及び利用方法
KR20130049031A (ko) 약산성 차아염소산 수용액을 얻기 위한 살균 소독제 조성물 및 이를 이용한 살균수 제조 방법
JP2010125353A (ja) 軟水化方法及びその装置
JP5105406B2 (ja) 逆電解用電極
US8075751B2 (en) Water chlorinator having dual functioning electrodes
JPH07313985A (ja) 水の衛生保持方法および装置ならびに強酸性イオン水生成方法および装置
JP2014098203A (ja) 電解方法及びその装置並びに電解処理装置
JP3285978B2 (ja) 飲料水電解用電極およびその製造方法ならびにイオン水生成装置
GB2056495A (en) Process for the preparation of low hydrogen overvoltage cathodes
JPS61500321A (ja) 極性反転可能な電極
GB2113718A (en) Electrolytic cell
JPH06246273A (ja) 殺菌水生成器
JP3550858B2 (ja) 電解装置及びイオン水生成器
JPH07313980A (ja) イオン水生成装置用電極およびその製造方法ならびにイオン水生成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010731