JPH07313951A - 生ゴミ,紙オムツ等の水分を含むか又は悪臭を放つ廃棄物の処理方法 - Google Patents

生ゴミ,紙オムツ等の水分を含むか又は悪臭を放つ廃棄物の処理方法

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JPH07313951A
JPH07313951A JP6132415A JP13241594A JPH07313951A JP H07313951 A JPH07313951 A JP H07313951A JP 6132415 A JP6132415 A JP 6132415A JP 13241594 A JP13241594 A JP 13241594A JP H07313951 A JPH07313951 A JP H07313951A
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container
waste
temperature
liquid filter
heated
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JP6132415A
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Inventor
Kenro Motoda
田 謙 郎 元
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Motoda Electronics Co Ltd
Original Assignee
Motoda Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分を多量に含んだ紙オムツや生ゴミ等の廃
棄物を、ダイオキシン等の有害ガスを発生させず、しか
も、効率よく処理する方法を提供することを第一の課題
とし、また、熱分解処理をすると大量の悪臭や悪臭を含
んだ水蒸気が発生する生ゴミ等の廃棄物の熱分解処理に
おける前記悪臭や悪臭を含んだ水蒸気の除去方法を提供
することを第二の課題とする。 【構成】 紙オムツや生ゴミ等のように水分を含みかつ
熱伝導率が低い廃棄物Fを密閉容器1に収容し、該容器
内を約100℃以上で塩化ビニル樹脂の沸点以下の温度で
加熱することにより、前記容器1内に前記廃棄物Fから
生成する高温水蒸気を対流させて前記廃棄物Fを高温に
すると共に、前記容器1内に吸引力を作用させて前記水
蒸気を水フィルタを通して容器1外に放出し、次いで、
前記容器内を適宜真空度に減圧し、かつ、無酸素雰囲気
下において約280℃〜約600℃程度の温度に加熱しその温
度を所要時間保持することにより、前記廃棄物Fを熱分
解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙オムツ等や生ゴミなど
のように水分を含み、かつ、熱伝導率も低い可燃性廃棄
物の効率のよい処理方法、並びに、前記廃棄物や食肉等
の畜産加工品などのように、加熱をすると悪臭を含んだ
多量の高温水蒸気が発生する廃棄物の熱分解処理におけ
る前記水蒸気や悪臭成分を効果的に除去する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙オムツ等のように多くの水
分等を含んだ廃棄物を燃焼させずに熱分解処理すること
が提案されている。また、紙オムツ等は水分を多量に含
んでいるため、これを700℃以上の高温で燃焼させる処
理も行われている。しかし乍ら、生ゴミや紙オムツ、或
は、水産加工や畜産加工品の廃棄物は、焼却したり熱分
解すると、大量の悪臭を含む水蒸気が発生するので、処
理に多大の熱エネルギを要するという問題のほか、発生
する悪臭の効果的な除去方法がないということで、依然
として旧来の埋立て処理がその処理の主流を占めてい
る。
【0003】即ち、水分を多く含んだ廃棄物を単に高温
に加熱して熱分解する処理は、廃棄物自体が多量の水分
を含み、しかも、それ自体の熱伝導率も低いため、処理
すべき廃棄物の全体がすべて熱分解されてしまうまでに
は相当の時間がかかるので、処理効率が上がらず、しか
も多くのエネルギを不可欠とし、また、紙オムツの焼却
処理では、有害なダイオキシンの発生することが最近判
明したが、その原因は紙オムツの原料に塩ビ系資材が使
用されていることによると考えられているものの、正確
な原因は未だ明らかではなく、更に、埋立て処理の場合
には、埋設した廃棄物の腐敗,酸化が進むと悪臭を発す
るという問題があるのである。このため、このような廃
棄物の悪臭除去を合理的,効率的になし得る処理方法の
開発が要請されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
かかる水分を多量に含んだ紙オムツや生ゴミ等の廃棄物
を、ダイオキシン等の有害ガスを発生させず、しかも、
効率よく処理する方法を提供することを第一の課題と
し、また、熱分解処理をすると大量の悪臭や悪臭を含ん
だ水蒸気が発生する生ゴミ等の廃棄物の熱分解処理にお
ける前記悪臭や悪臭を含んだ水蒸気の除去方法を提供す
ることを第二の課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決す
ることを目的としてなされた本発明方法の構成は、紙オ
ムツや生ゴミ等のように水分を含みかつ熱伝導率が低い
廃棄物を密閉容器に収容し、該容器内を約100℃以上で
塩化ビニル樹脂の沸点以下の温度で加熱することによ
り、前記容器内に前記廃棄物から生成する高温水蒸気を
対流させて前記廃棄物を高温にすると共に、前記容器内
に吸引力を作用させて前記水蒸気を水フィルタを通して
容器外に放出し、次いで、前記容器内を適宜真空度に減
圧し、かつ、無酸素雰囲気下において約280℃〜約600℃
程度の温度に加熱しその温度を所要時間保持することに
より、前記廃棄物を熱分解することを特徴とするもので
ある。
【0006】また、上記第2の課題を解決することを目
的としてなされた本発明方法の構成は、生ゴミ,紙オム
ツ,畜産加工物,魚介類等のように加熱すると悪臭を含
む水蒸気が発生する廃棄物の熱分解処理に於て、熱分解
する廃棄物を収容した密閉容器を、上部に空間を残して
液体フィルタを収容したフィルタ容器に接続することに
より前記容器の排気系を形成し、前記容器内で加熱され
る廃棄物から生成する高温水蒸気を、前記液体フィルタ
内を通過させることにより、当該高温水蒸気と悪臭成分
を凝集,除去すると共に、前記液体フィルタを通過した
悪臭成分は更に加熱分解して系外に排出することを特徴
とするものである。
【0007】
【作用】密閉容器内を約100℃以上で塩化ビニルの融点
以下の温度で加熱することにより、該密閉容器内に高温
気流の対流を生じさせ、容器内の温度分布の均一化及び
処理対象の高温化を図り、これによって処理対象の含有
水分を蒸発させ、炭化時間の短縮を図る。上記加熱の
際、容器内を加圧することもある。上記加熱の後、前記
容器内を、適宜真空度に減圧して無酸素雰囲気下にお
き、約280℃〜600℃程度、必要に応じては700℃程度の
高温に加熱し、その温度を所要時間保持することによ
り、処理対象の廃棄物をダイオキシンを発生させないで
熱分解する処理を速やかに進行させる。前記加熱時、密
閉容器内に生じる水蒸気や塩化水素ガス等のガスは、吸
引式の液体フィルタを通してフィルタ液体に接触するこ
とより吸着,吸熱,中和をして系外に排出する。
【0008】一方、加熱時に密閉容器内に生じる悪臭成
分を含んだ高温水蒸気は、液体フィルタを通過すること
によって、その熱と水蒸気分が液体フィルタ吸収,凝集
されるので、液体フィルタを通った排気は水蒸気分が無
くなり、しかも、ほぼ常温になる。また、前記フィルタ
に凝集される水蒸気に含まれる悪臭成分も当該フィルタ
によって除去される。液体フィルタを通過した排気は、
水蒸気分がなく、また、温度も下っているので、これに
残留している悪臭成分を加熱分解により行う除去の効率
を高くできる。
【0009】
【実施例】次に本発明方法の実施例を説明する。図1は
本発明方法を実施するための処理装置の一例を模式的に
示すブロック図、図2は図1の装置における水蒸気凝集
手段、或は、ガス除去手段として機能する吸引式液体フ
ィルタの一例の断面図である。
【0010】図1において、1は密閉容器で、紙オムツ
や生ゴミ等のように多量の水分を含む廃棄物Fを収容し
て密閉し、この実施例では内部の空気を抜き、そこに適
宜の不活性ガスを注入して加圧するか、又は、前記ガス
を注入しないで加圧し、適宜加圧下においた状態で、該
容器1の内部に外側から熱を与えて容器内を約100℃〜
約275℃以下の温度にまで加熱し、この温度を保つため
のものである。この加熱によって容器1内の廃棄物Fか
ら水分等を蒸発させると共に、高温の水蒸気ガスの対流
を容器内に生起させて、廃棄物F全体の温度を高めて水
分の蒸発を促進し、前記廃棄物Fを熱分解理するための
前段処理を行う。ここで、上記の加熱は、密閉容器内を
加圧することなく行うこともある。そして、密閉容器1
は、内側容器1aと、間に空間層1cを保持して前記容器1
を断熱的に覆う外側容器1bとにより形成し、前記内側容
器1aは、外部からの受熱或は内部への放熱の効率を上げ
ると共に、負圧に耐えるためにリブ構造の、凹凸面に形
成されている。
【0011】上記密閉容器1には、内,外側容器1a,1b
に、両者を貫通して廃棄物Fの投入口と処理残渣物の取
出口を兼用した開口部2,3を形成し、各開口部2,3
に、夫々に蓋4a,4bが設けられていると共に、内側容器
1a内の温度を測定するための温度センサ1dが配設されて
いる。なお、投入口と取出口を兼用した開口部2,3
は、夫々に独立した開口部として形成してもよい。ま
た、この内側容器1aには、図の実施例では、内部の空気
を抜く吸引ポンプ1eと、内部に不活性ガスを供給して容
器1aの内部を無酸素下で加圧するため不活性ガスタンク
1fに連結された加圧ポンプ1gとが、それぞれ連結されて
いるが、内部を無酸素加圧下、或は、加圧下におかない
場合には、前記ポンプ1e,ガスタンク1f,加圧ポンプ1g
は設けなくてもよい。1h,1iはこれらのための配管であ
る。。
【0012】前記密閉容器1における空間層1cには、外
部熱源からの熱を制御し乍ら導入するための熱供給部5
が接続されている。熱供給部5における供給熱量の制御
は、前記温度センサ1dの測定温度と別設したタイマ1jに
よる計時デ−タとに基づき制御部1kによって、供給熱量
のコントロ−ルが行われるようになっている。熱供給部
5において、5aは熱導入路、5bは熱量コントロ−ルバル
ブ、5cは排熱路、5dはその開閉バルブである。また、上
記内側容器1aの外面又は内面若しくは内外両面には、補
助熱源として、一例として例えば、電気ヒ−タ51が配設
されている。
【0013】6は上記密閉容器1の内側容器1aの内部を
適宜の真空度に形成したり、内部のガスを排気するため
の吸気系を形成する排気管、7はこの排気管6に接続し
た吸引ファンや真空ポンプ等による吸引手段、8は該吸
引手段の排気側の排気管61に配設したヒ−タやガスバ−
ナによる加熱又は燃焼の加熱分解によって脱臭を図る脱
臭手段で、前記吸引手段7により排気される気体の悪臭
や異臭を、排気管62から系外に放出する前に加熱して熱
分解脱臭をするものである。なお、6aは排気管6の内側
容器1aに近い側に設けた圧力計、6bは調圧弁、6cは開閉
バルブで、調圧弁6bは圧力計6aの検出値によって開閉制
御されるものであり、また、調圧弁6bの開閉制御圧力は
圧力計6aに任意に設定できるものである。
【0014】上記の排気管6から加熱分解による脱臭手
段8まで系により、前記密閉容器1の内側容器1aの内部
を適宜真空度にする負圧手段と、真空にする際、前記容
器1aから吸引排気される蒸発成分が含む悪臭,異臭を酸
化して除去するための脱臭手段を構成する。
【0015】以上の構成により、廃棄物Fを収容して密
閉した容器1において、まず内側容器1aの空気をポンプ
1e、又は、吸引手段7により排気し、この排気のあと、
加圧ポンプ1gを駆動して不活性ガスをそのタンクから前
記内側容器1a内に充満させることにより、内側の容器1a
の内部を無酸素状態にして所定圧での加圧下におくこと
がきる。本発明では、内側容器1aの内部の空気を除去す
ることなく、該容器1aの内部を加圧下において加熱した
り、或は、加圧下におくことなく加熱し、水蒸気ガスを
密閉容器1a内に生成させるようにしてもよい。
【0016】次に、本発明の実施の一例では上記で加圧
下においた、又は、加圧下におかない密閉容器1に対
し、補助熱源のヒ−タ51又は熱供給部5を作動させて、
内側容器内部温度を約100℃から塩化ビニル樹脂の沸点
近くの約273℃程度までの温度に上げる。これにより、
当該廃棄物Fに含有される水分等は内側容器1aの内部で
蒸発し、容器内で高温の水蒸気を主体にした蒸発成分の
対流を生じて廃棄物F全体の温度を高めその廃棄物Fに
含まれる水分を比較的短時間のうちに蒸発させてしま
う。このとき、容器1a内部の圧力が高まるので、本発明
のこの実施例では内側容器1aの内部圧力を圧力計6aによ
り検出し、内部圧力が所定圧以上になると調圧弁6bを制
御し乍ら開けて容器1a内に蒸発して対流している気体
を、その内圧によって排出させるか、又は、排気管6か
ら吸引手段7によって吸引させ、脱臭手段8によって臭
気を除去して系外に放出する。
【0017】上記実施例のように、本発明では密閉容器
1に収容された廃棄物Fが含有する多量の水分を短時間
で除去するために、前記内側容器1aの内部を加圧下、又
は、無酸素状態の加圧下に保持し、若しくは、加圧下に
おくことなく内部温度を上げ、廃棄物Fが含む水分を蒸
発させて放出できるので、このような前処理が施された
廃棄物Fは、後に説明する次の熱分解処理工程におい
て、短時間のうちに均質な熱分解処理が可能になる。ま
た、上記実施例の廃棄物は、後述する液体フィルタ10を
通さないで熱分解時の排気を系外に排出するので、対象
となる廃棄物は、紙のように悪臭が生じないものであ
る。
【0018】上記のように、先の例は廃棄物の加熱時に
生じる水蒸気に悪臭成分を含まない場合に効果的である
が、廃棄物の中には加熱すると大量の水蒸気とともに悪
臭を放つものが多い。そのため、本発明では密閉容器1
の排気側に図に示すような液体フィルタ10を接続した。
以下、この点について説明する。
【0019】図1において、9は外側容器1bを貫通して
内側容器1aの排気管6に接続された排気管で、所定のガ
ス成分、例えば、塩素ガス又は塩化水素ガスの中和液、
或は、他のガス成分の吸着液、又は水を収容した液体フ
ィルタ10が接続され、排気管91を介して吸引ファン式の
排気手段11に接続されている。
【0020】液体フィルタ10は、図2に例示するよう
に、容器10cの上部に空間10aを残し、例えば、水、或
は、液体中和剤10bを収容して形成されている。図2に
おいて、10dは全面に小孔を設けた円板状の混合板、10e
は混合板10dを回転させるモ−タ,10fはpHメ−タ,温度
計を含む計測センサであり、前記混合板10dは、ここで
は液体中和剤又は水10bと吸引される気体との接触面
積,接触時間を増大させるため、全面に小孔を穿ち、か
つ、前記モ−タ10eにより回転させられることにより、
前記中和剤又は水10bに排気管9を通って混入される気
体の泡を分断し細分化する作用をする。また、10gは容
器10cの外側に配設した冷却媒体で、排気管9を通って
中和剤又は水10bに接触させられる排気によって温度上
昇した前記中和剤等10bと熱交換して、中和剤等10bを一
定に保つためのものである。
【0021】なお、図示しないが、本発明では前記排気
管9又は91の中間をU字状に曲げ、このベント部分を冷
却して油分を凝集したり、前記ベント部分の底に形成し
たドレンから当該油分を取出すようにしてもよい。油分
の取出しは、ガス成分がガス除去手段である液体フィル
タ10を通過した後において行うことが望ましい。9aは排
気管9に設けた開閉バルブである。
【0022】排気手段11は、その排気側の排気管92の途
中に、図示しないが、フィンやグリッド等により形成す
る受熱部を設け、該受熱部を、一例としてガスバ−ナに
よるガス燃焼、或は、電気ヒ−タ等の熱源により800℃
程度乃至はそれ以上に加熱,燃焼することにより、この
排気管92を通り排気管93から系外に放出される気体の熱
分解脱臭を行うための脱臭手段12が設けられており、こ
の脱臭手段12によって廃棄物Fが加熱される際に生成さ
れる異臭,悪臭が系外へ放出されないようにしている。
【0023】而して、廃棄物のFのうち、生ゴミや紙オ
ムツのように多量の水分を含み、従って、加熱すると大
量の水蒸気を悪臭を伴って発生するものは、上記液体フ
ィルタ10を通すことにより、前記高温水蒸気を液体中和
剤又は水10bと接触させてその高温水蒸気を凝集させる
と共に、この水蒸気に含まれている悪臭成分を、前記中
和剤又は水10bにより除去する。このようにすると、密
閉容器1の内部に生成される悪臭成分を含む高温水蒸気
を凝集除去するので、液体フィルタ10を通った排気にな
お含まれる臭成分を加熱分解して脱臭する脱臭手段12を
効果的に作用させることができる。
【0024】以上により、本発明方法を実施するための
処理装置の一例を形成するので、次にこの処理装置によ
る廃棄物の処理態様の一例について述べる。
【0025】加熱して水分を蒸発させる一次処理を施し
た廃棄物Fが収容された容器1は、排気手段11を作動さ
せて適宜真空度の減圧下におき、この状態の密閉容器1
に対し、その熱供給部5の熱導入路5aから、外部熱源、
例えば、火力発電所の排熱や、いわゆる深夜電力を利用
して形成した熱が、閉鎖容器1の空間層1cに導入され、
内側容器1aの内部温度の上昇が図られる。例えば、ここ
では内側容器1aの温度を、一例として約273℃〜約600℃
程度の間の適宜温度まで上昇させ、この温度を所要時間
保持する。
【0026】内側容器1aの内部が適宜の真空度におい
て、例えば、約273℃前後、或は、それより少し低い温
度に保持されることより、水分等が蒸発した前記廃棄物
Fに含まれていた塩化ビニル系の組成物から塩素ガス乃
至は塩化水素ガスが生成されるが、このガスは排気手段
11の吸引力によって排気管9から液体フィルタ10の中和
剤又は水10bの中を通り容器1aの外へ排出されることと
なる。
【0027】本発明では、上記排気管9には接続用排気
管91を介して、液体フィルタ10が接続されているので、
上記排気管9に流出する塩化水素系のガスは、該液体フ
ィルタ10における中和剤又は水10b、或は、吸着剤を収
容したフィルタ容器10cを経由することによって吸熱さ
れて冷却されると共に、ほぼ完全に、乃至は、少なくと
も人畜等に安全なレベルまで中和乃至は除去され、系外
に排出される。
【0028】また、前記の加熱温度が所要時間保持され
ることにより、廃棄物Fに含まれていた塩化ビニル系組
成物から生成する塩素ガスを前記液体フィルタ10におい
て、中和乃至は吸着等によりほぼ完全に除去することが
できるので、当該廃棄物Fは、この段階において内側容
器1aの外部へ搬出し、埋立て等に利用することが可能で
あり、安全面で問題はない。
【0029】本発明では、紙オムツ等に使用されている
高分子ポリマ−系の吸水材料が、273℃前後の温度によ
る加熱では分解しないで残留することに着目し、熱供給
部5を制御して次の段階の加熱温度として内側容器1aの
内部を負圧下で約400〜600℃前後の温度にまで加熱し、
その加熱温度を所要時間保持する。
【0030】この段階の加熱によって、上記段階の加熱
完了時点で残留した廃棄物Fの中の未分解成分の熱分解
が進み、廃棄物全体の炭化が促進される。そして、これ
までの加熱において廃棄物Fから生成される各種のガス
を含んだ排気は、所定の有害ガスや不要ガスが液体フイ
ルタ10を通ることにより、冷却されて不要のガス成分が
除去される。液体フィルタ10を通った排気に異臭,悪臭
成分が含まれていても、本発明では脱臭手段12によりそ
の臭気が除去される。
【0031】即ち、本発明では、排気管9における吸引
式の排気手段11の排気管93に脱臭手段12を形成する受熱
部(図示せず)が設けられているので、この受熱部に排
気ガスが接触させることにより、前記排気成分中の臭気
分は加熱分解され排気ガスが無臭化されるのである。
【0032】本発明では、密閉容器1aの内部で、まず約
100℃から塩化ビニル樹脂の沸点である273℃程度まで加
熱して廃棄物Fの水分を除去し、このあと前記容器を適
宜真空度の減圧下において、約273℃前後から600℃程度
までの適宜温度で加熱し、その温度を所要時間保持する
ことによって、前記廃棄物Fの水分等を蒸発させる工程
から熱分解するまでを、段階的に処理すると共に、この
間の排気を加熱分解によって無臭化するので、廃棄物が
全く燃焼されることなく無害化,無臭化でき、従って、
廃棄物Fは、前記容器1aの内部において、ほぼ完全に炭
化し減容化された状態の残渣物となる。
【0033】この残渣炭化物は、無臭,無害ゆえに、そ
のまま埋立てなどに使用しても何ら問題ないことは勿
論、更に進んで活性炭、或は、黒鉛等の炭素資源として
利用することが出来る。特に、塩化ビニル系廃棄物は、
きわめて純度の高い炭素分として取出すことが出来るの
で、活性炭等の炭素資源の一つとして利用する上できわ
めて好適合である。また、前記炭化物は、タ−ル分や溶
融プラスチックスと混ぜて成形することにより固形燃料
化し、該燃料を高温でガス化して燃焼させることができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の通りであって、従来、可
燃性ゴミとし主として焼却や埋立てにより処分されてい
た紙オムツや生ゴミ等のように水分を含み悪臭を発する
廃棄物を、密閉容器内に収容して熱分解処理をすると
き、まず該容器内に生じる水蒸気を除去しつつ高温ガス
の対流を生起させ、廃棄物自体の温度を高め更に水分等
の蒸発をさせ、次いで、水分等の蒸発成分が除去された
廃棄物を無酸素減圧下の容器内でさらに加熱し、その排
気を液体フィルタを通して処理するので、熱分解処理に
要する時間を大巾に短縮することができる。
【0035】また、上記熱分解処理の際、密閉容器内に
生じる悪臭を含む高温水蒸気は、液体フィルタを通すこ
とにより、凝集,除去することができるので、高温水蒸
気やそれに含まれる悪臭が系外に排出されることはな
く、仮に、前記フィルタを通過する悪臭成分があっても
液体フィルタの後で熱分解によって脱臭除去することが
できるので、周辺環境に対する問題も生じない。また、
廃棄物の燃焼を全く行わないので、二酸化炭素の発生を
完全に抑制でき、加熱分解時に生じる有害ガス等も液体
フィルタによって除去したり中和したりできるので、排
気時に加熱分解により行う脱臭と相俟って、悪臭や有害
ガスが処理装置の系外に放出されることもない。
【0036】上記処理により容器内に残る炭化物は、無
害,無臭であるためそのまま活性炭や黒鉛として利用し
たり、加熱軟化して成形し固形燃料として使用すること
ができる。また、炭化した残渣物を更に加熱してそれを
ガス化したり、タ−ル化して取出すこともできる。
【0037】上記のような処理の加熱源に、火力発電所
等で大量に生じる高温の産業廃熱を利用することによ
り、処理に伴うエネルギコストの大幅な削減を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための処理装置の一例を
模式的に示すブロック図。
【図2】図1の装置における水蒸気凝集手段、或は、ガ
ス除去手段として機能する吸引式液体フィルタの一例の
断面図。
【符号の説明】
1 処理容器 1a 内側容器 1b 外側容器 1c 空間層 1d 温度センサ 2,3 開口部 5 熱供給部 5a 熱導入路 5b 熱量コントロ−ルバルブ 5c 排熱路 5d 開閉バルブ 6 排気管 7 吸引手段 8 脱臭手段 9 排気管 10 液体フィルタ 11 排気手段 12 脱臭手段 F 廃棄物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/38 53/74 B09B 3/00 ZAB

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙オムツや生ゴミ等のように水分を含み
    かつ熱伝導率が低い廃棄物を密閉容器に収容し、該容器
    内を約100℃以上で塩化ビニル樹脂の沸点以下の温度で
    加熱することにより、前記容器内に前記廃棄物から生成
    する高温水蒸気を対流させて前記廃棄物を高温にすると
    共に、前記容器内に吸引力を作用させて前記水蒸気を水
    フィルタを通して容器外に放出し、次いで、前記容器内
    を適宜真空度に減圧し、かつ、無酸素雰囲気下において
    約280℃〜約600℃程度の温度に加熱しその温度を所要時
    間保持することにより、前記廃棄物を熱分解することを
    特徴とする水分を含むか又は悪臭を放つ廃棄物の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 炭化した廃棄物は、更に加熱してガス化
    しこれを燃焼させる請求項1の水分を含むか又は悪臭を
    放つ廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 生ゴミ,紙オムツ,畜産加工物,魚介類
    等のように加熱すると悪臭を含む水蒸気が発生する廃棄
    物の加熱分解処理に於て、加熱分解する廃棄物を収容し
    た密閉容器を、上部に空間を残して液体フィルタを収容
    したフィルタ容器に接続することにより前記容器の排気
    系を形成し、前記容器内で加熱される廃棄物から生成す
    る高温水蒸気を、前記液体フィルタ内を通過させること
    により、当該高温水蒸気と悪臭成分を凝集,除去すると
    共に、前記液体フィルタを通過した悪臭成分は更に加熱
    分解して系外に排出することを特徴とする水分を含むか
    又は悪臭を放つ廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 密閉容器には、その排気管に液体フィル
    タの導入側を連結すると共に、前記容器内が所要温度に
    加熱されるとき、前記液体フィルタの排出側に吸引力を
    作用させることにより、当該容器内に生じる高温水蒸気
    やガス成分を前記液体フィルタ内を通過させ凝集又は除
    去する請求項1〜3のいずれかの水分を含むか又は悪臭
    を放つ廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 液体フィルタの排出側に吸引力を作用さ
    せる吸引手段の排気側に加熱手段を設け、密閉容器側か
    ら吸引流出される臭気成分を熱分解して脱臭する請求項
    1〜4のいずれかの水分を含むか又は悪臭を放つ廃棄物
    の処理方法。
  6. 【請求項6】 高温水蒸気が通過することにより温度上
    昇する液体フィルタの温度を、該液体フィルタと外部の
    冷却媒体との熱交換によって一定に保持する請求項1〜
    5のいずれかの水分を含むか又は悪臭を放つ廃棄物の処
    理方法。
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