JPH073138A - 樹脂組成物および該樹脂組成物より得られる多孔性フ ィルムならびにその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物および該樹脂組成物より得られる多孔性フ ィルムならびにその製造方法

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JPH073138A
JPH073138A JP14376793A JP14376793A JPH073138A JP H073138 A JPH073138 A JP H073138A JP 14376793 A JP14376793 A JP 14376793A JP 14376793 A JP14376793 A JP 14376793A JP H073138 A JPH073138 A JP H073138A
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hydroxyvalerate
porous film
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inorganic filler
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Hiroshi Matsumura
宏 松村
Takaaki Shimada
孝明 島田
Takayuki Hisanaka
隆行 久中
Yoshiki Ochi
与志貴 越智
Tetsuo Kuwaki
哲男 桑木
Yoshinobu Muta
善信 牟田
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ZENEKA KK
Tokuyama Corp
Unicharm Corp
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ZENEKA KK
Tokuyama Corp
Unicharm Corp
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/04Polyesters derived from hydroxy carboxylic acids, e.g. lactones
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    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂組成物およびそれから得られた、微生物
によって容易に分解され得る多孔性フィルムならびにそ
の製造方法を提供する。 【構成】 8ないし15モル%のD−ヒドロキシバリレ
ートに基づく単量体単位を含むD−ヒドロキシブチレー
トとD−ヒドロキシバリレートとの共重合体40ないし
85重量%、およびポリε−カプロラクトン60ないし
15重量%からなる樹脂混合物95ないし60容量%
と、無機充填剤5ないし40容量%とよりなる樹脂組成
物。前記組成物からなり、空隙率が10ないし70%で
ある多孔性フィルム。この多孔性フィルムは、前記組成
物を溶融製膜し、少なくとも一軸方向に延伸することに
よって得られたものが好適である。無機充填剤として
は、硫酸バリウムが好適に使用され、その粒径は、0.
1ないし10.0μmであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物、および該
組成物より得られ、自然条件下において、微生物により
容易に分解され得る多孔性フィルムならびにその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリピロプレン等のポリ
オレフィン樹脂に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の
無機充填剤を配合したものを溶融して成膜し、延伸する
ことにより多孔性フィルムを製造する技術は各分野に広
く応用され、既に、各種包装材料、衛生材料、衣料材料
に利用されている。しかしながら、ポリオレフィン樹脂
に代表されるプラスチック類は化学的に安定であり、使
用済みプラスチック類は自然界において長時間にわたり
原形を保つこと、また、プラスチック類の密度が小さい
ため重量の割には体積の大きい廃棄物であることから、
その処理が大きな社会問題になっている。
【0003】一方、ポリオレフィン樹脂の廃棄処理問題
を解決するために、ポリマー中にでんぷん等の有機物を
混合することが行われている。しかしながら、でんぷん
などの有機物は分解され、ポリオレフィン樹脂の成形物
の形は崩壊する傾向にあるが、樹脂自体は分解せず、廃
棄物の根本的な解決方法とはなっていない。また、自然
界において細菌やかび等の微生物により生分解されるプ
ラスチックとしては、ポリε−カプロラクトンに代表さ
れる化学合成された脂肪族ポリエステル樹脂やポリヒド
ロキシブチレート重合体、ヒドロキシブチレートとヒド
ロキシバリレートとの共重合体に代表される微生物によ
り生産された脂肪族ポリエステル樹脂がある。
【0004】しかし、これらの樹脂は融点が低いこと、
加工性が悪いこと、高価であることなどそれぞれに欠点
があるために、これらの樹脂を使用するにあたっては、
加工性を改良するためにポリヒドロキシブチレートとポ
リε−カプロラクトンをブレンドする方法(特開平3−
157450号公報)や、脂肪族ポリエステルに炭酸カ
ルシウム、でんぷん等の充填剤を添加し、分解速度の制
御や価格の低減を行う方法(特開平4−146952号
公報)が提案されている。
【0005】ところが、前者については、ポリε−カプ
ロラクトンと混合する樹脂成分としては、上記のとお
り、ポリヒドロキシブチレートしか示されておらず、ヒ
ドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合
体を混合することについては示されていない。また、後
者についても、上記脂肪族ポリエステルとしては、ポリ
ヒドロキシブチレートやポリε−カプロラクトン等が示
されているのみで、上記ヒドロキシブチレートとヒドロ
キシバリレートとの共重合体を使用することについては
示されていない。
【0006】そしてさらに、いずれの方法も、かかる樹
脂組成物を単に各種形状の成形品の素材として用いるこ
としか示されておらず、該組成物を前記したような多孔
性フィルムの素材として用いることは示されていない。
しかして、こうした樹脂組成物は、フィルムに加工する
際の伸度が悪かったり、耐熱性等で劣り、多孔性フィル
ムの素材としては不充分なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、使用に際してはフィルムの外観、風合い、機械的強
度、耐熱性などの性能を持続し、廃棄後は微生物により
速かに分解する多孔性フィルムの素材となる樹脂組成物
を提供することにある。本発明の他の目的は、前記樹脂
組成物から成形された多孔性フィルムを提供することに
ある。さらに本発明の他の目的は、前記多孔性フィルム
を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために、使用中は用途に適合した性能を有し、
自然界に廃棄された場合は細菌やかび等の微生物により
短時間に容易に水と炭酸ガスに分解され、環境に対して
負荷の少ないフィルムに付いて鋭意検討を重ねてきた。
その結果、特定の脂肪族ポリエステルからなる樹脂混合
物と無機充填剤からなる新規な樹脂組成物を用いること
により、上記課題が解決できることを見いだし、本発明
を提案するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、8ないし15モル%
のD−ヒドロキシバリレートに基づく単量体単位を含む
D−ヒドロキシブチレートとD−ヒドロキシバリレート
との共重合体40ないし85重量%、およびポリε−カ
プロラクトン60ないし15重量%からなる樹脂混合物
95ないし60容量%と、無機充填剤5ないし40容量
%とよりなる樹脂組成物である。
【0010】また、本発明は、8ないし15モル%のD
−ヒドロキシバリレートに基づく単量体単位を含むD−
ヒドロキシブチレートとD−ヒドロキシバリレートとの
共重合体40ないし85重量%、およびポリε−カプロ
ラクトン60ないし15重量%からなる樹脂混合物95
ないし60容量%と、無機充填剤5ないし40容量%と
よりなり、空隙率が10ないし70%である多孔性フィ
ルムをも提供する。
【0011】
【発明の具体的な説明】本発明において用いられるD−
ヒドロキシブチレートとD−ヒドロキシバリレートとの
共重合体(以下、PHB−HVと略す)は、D−ヒドロ
キシバリレートに基づく単量体単位を8ないし15モル
%含有するものである限り、なんら制限されることなく
使用される。
【0012】一般には、微生物体内にて生産されるもの
を使用するのが好ましい。なお、ヒドロキシブチレート
とヒドロキシバリレートは、いずれもD体を用いること
が必要であり、上記化合物のL体を共重合体の単量体成
分として用いた場合には、該共重合体は微生物分解性を
有さないものとなる。
【0013】PHB−HVはD−ヒドロキシバリレート
の含有率が高くなるほど融点が下がり、柔軟性が増加す
る。D−ヒドロキシバリレートに基づく単量体単位の含
有率が8%未満の場合にはPHB−HVの伸びがなく、
ポリε−カプロラクトン(以下、PCLと略す)の添加
による伸度改良の効果がなく、本発明に用いる樹脂組成
物の多孔化が困難となる。
【0014】また、D−ヒドロキシバリレートに基づく
単量体単位が15モル%を超えた場合には、PCLを添
加しなくとも多孔化することは可能であるが、破断強
度、破断伸度あるいはフィルムの二次加工性等の物性が
必ずしも十分なものではなくなる。PHB−HVの分子
量は特に制限されるものではないが、成形性、多孔性フ
ィルムへの加工性、機械強度を勘案すると、重量平均分
子量が30万以上、とくに60万以上であることが好適
である。PHB−HVの重量平均分子量が30万未満の
場合はPHB−HVの溶融粘度が低く、成形加工が困難
になる。
【0015】上記D−ヒドロキシバリレートに基づく単
量体単位を8ないし15モル%含有するPHV−HV
は、単独では樹脂自体の伸度が低く、充填剤を利用して
延伸多孔化することが困難である。本発明においては、
かかるPHV−HVに前記した特定量のポリε−カプロ
ラクトンを混合することにより、得られる樹脂組成物
は、特に伸度が改良されるため、延伸多孔化する際の加
工性が優れたものとなる。
【0016】PCLは柔軟な樹脂で、その伸度は大き
い。PCLの持つ優れた加工性により本発明に用いられ
る樹脂組成物は、上記したように加工性が改良される。
本発明に用いる樹脂組成物のPCLとPHB−HBとの
配合割合は、PCLが15ないし60重量%の範囲であ
る。PCLが15重量%未満の場合は、樹脂組成物の伸
度の改良が充分でなく、延伸多孔化が困難である。ま
た、60重量%を超えて添加する場合は、PCLの融点
が60℃とかなり低いため、該樹脂組成物の耐熱性が低
下し、その用途が限られるようになる。
【0017】PCLの数平均分子量については、特に制
限されるものではないが、フィルムに成形する場合の成
形性、多孔性フィルムへの加工性、機械強度を勘案した
場合、4万以上、さらに好ましくは7万以上が好適に用
いられる。以上のように、本発明の樹脂組成物により多
孔性フィルムを製造する場合、延伸多孔化により柔軟な
加工特性のよい多孔性フィルムを得るためには、PHB
−HVのD−ヒドロキシバリレートに基づく単量体単位
が8ないし15モル%であること、また、PCLの割合
が15ないし60重量%であることが必要である。
【0018】本発明において用いる無機充填材は、PC
L添加による耐熱性の低下を防止することと延伸による
多孔化のために使用される。耐熱性低下防止は充填剤を
適切にフィルム表面に突出させ、フィルム表面に適切な
凹凸を形成させ、フィルム同士の接触面積を小さくする
ことで行う。
【0019】無機充填剤としては、周期律表第IIA族、
第 IIIB族、および第IVA族よりなる群より選ばれた1
種もしくは2種類以上の金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩または硫酸塩等が好適に用いられる。例えば、周期律
表第IIA族の金属としては、カルシウム、マグネシウ
ム、バリウム等のアルカリ土類金属であり、第 IIIB族
の金属としてはホウ素、アルミニウム等の金属であり、
また、第IVA族の金属としては、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム等の金属が好適に使用される。
【0020】これらの金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩
または硫酸塩は特に限定されることなく使用することが
できる。特に好適に使用される無機充填剤をより具体的
に例示すれば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化バリウム、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム等の酸化物;炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の
水酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミ
ニウム等の硫酸塩等である。
【0021】ポリエステル樹脂は、酸性、アルカリ性の
条件下では容易に加水分解を起こし、フィルムに強度、
伸度の低下を生じさせる。加水分解を防止するためには
充填剤が中性であることが好ましい。また、延伸により
多孔化を行うためには使用される充填剤は、球状あるい
は柱状等の一定の厚みを有する形状であることが好まし
い。これらの条件を勘案した場合、無機充填剤として
は、球状あるいは柱状等の形状にある硫酸バリウムが好
適に用いられる。
【0022】これらの無機充填剤は、必要に応じて撥水
性の表面処理剤により表面処理を施し使用する。撥水性
の表面処理剤としては、シロキサン系表面処理剤、シラ
ン系表面処理剤等が好適に使用することができる。シロ
キサン系表面処理剤としては、変性ポリシロキサン、例
えば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性等
のポリシロキサンが好適に用いられる。また、シラン系
表面処理剤としては下記一般式で表されるモノアルキシ
ランが好適に使用される。 SiRX3 R:炭素数1ないし30の直鎖状のアルキル基、望まし
くはアルキル基の水素の一部をフッ素で置換したもの、
例えばCF3 (CH24 等が好適である。 X:アルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン、アミノ基
などが適している。
【0023】本発明において用いられる無機充填剤の平
均粒径は、特に制限されるものではないが、フィルム中
での分散性の良さ、また、該充填剤がフィルムの表面に
突出して適切な凹凸を形成するためには、0.1μm以
上、とくに1.0μm以上であることが好ましい。一
方、フィルム表面の平滑性を保つためには、平均粒子径
は、10.0μm以下、とくに7.0μm以下であるこ
とが最も好ましい。また、50μm以下の厚みの多孔性
フィルムを成膜する場合には、平均粒径が4μm以下の
無機充填剤が特に好適に用いられる。
【0024】本発明におけるPCLとPHB−HVと無
機充填剤との配合割合は、PCLとPHB−HV樹脂混
合物95容量%ないし60容量%、無機充填剤5容量%
ないし40容量%になるように選ぶ必要がある。無機充
填剤の量が5容量%より少ない場合は、PCL、PHB
−HVの樹脂相と無機充填剤との間で均一な界面剥離が
生じず、厚みの均一な多孔性フィルムを成形できないば
かりでなく、また、多孔化も充分ではなくなる。このた
め、フィルムの表面積は増加せず、分解速度も増加しな
い。また、多孔質フィルムの特性である通気性能や透湿
性能も十分ではない。一方、無機充填剤の量が40容量
%を超える場合は押出機等を用いてフィルム状に成膜す
ることが困難になるため好ましくない。
【0025】以上説明したPHB−HV、PCLおよび
無機充填剤からなる樹脂組成物により多孔性フィルムを
製造する場合、該フィルムの空隙率は10ないし70%
でなければならない。空隙率が10%未満の場合は、無
機充填剤の周囲にできた空隙同士が連結されず、フィル
ムの両面を連結する連通孔が形成されない。このためフ
ィルムの表面積は増加せず、分解速度も増加しない。ま
た、多孔性フィルムの特性である通気性や透湿性も十分
ではない。
【0026】一方、空隙率が70%を超える場合には、
フィルムの機械的強度が不足し、加工工程においてフィ
ルム破断や使用中の破れ等の問題を生じる。特に多孔性
フィルムの機械的物性および分解性の両者を満足させる
ためには、空隙率は25ないし65%であることが好ま
しい。またこうした多孔性フィルムは、微生物分解性の
点から微細な孔が多数設けられていることが好ましく、
メタノールバブリング法にて測定した最大細孔径(以
下、Dmaxともいう。)は10μm以下、さらには、
5μm以下であることが好ましい。本発明のフィルムの
厚みは、十分な機械的強度と十分なしなやかさを発揮さ
せるためには、一般には0.03ないし15mmである
ことが好ましい。
【0027】さらに、本発明の多孔性フィルムは、フィ
ルムの片面からもう一方の面に連通する連通孔を有する
ために通気性を有している。通気性は、通常、100な
いし10,000秒/100ccの範囲であることが、
後述する用途に好適である。通気性は、空隙率と密接な
関係を有しており、空隙率が大きい時は通気性も大きく
なる。本発明において、こうしたPHB−HV、PCL
および無機充填剤からなる樹脂組成物を素材とした多孔
性フィルムは、いかなる方法により製造したものであっ
てもよい。
【0028】具体的には、8ないし15モル%のD−ヒ
ドロキシバリレートに基づく単量体単位を含むD−ヒド
ロキシブチレートとD−ヒドロキシバリレートとの共重
合体40ないし85重量%、およびポリε−カプロラク
トン60ないし15重量%からなる樹脂混合物95ない
し60容量%と、無機充填剤5ないし40容量%とより
なる樹脂組成物を溶融製膜し、少なくとも一軸方向に延
伸することにより得るのが好ましい。
【0029】PHB−HV、PCLおよび無機充填剤
は、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー等を用い
て混合される。次いで、シートに成形する方法は、一般
にインフレーション成形法やT−ダイを用いる押出成形
法が好ましく利用される。また、引続く延伸工程は、テ
ンター延伸機、エヤーインフレーション延伸機等の公知
の延伸機により、少なくとも一軸方向に延伸される。二
軸延伸を行う場合は、縦方向および横方向に逐次二軸延
伸するか、あるいは同時に縦および横方向に延伸する二
軸延伸法が採用される。延伸条件としては、一般に延伸
温度が常温以上、脂肪族ポリエステル樹脂の融点以下で
実施され、延伸倍率としては、縦および横方向にそれぞ
れ1.3ないし3.0倍とすることが、優れた強度特
性、透湿度および耐水圧を得る上で好適である。また、
一般にかかる延伸加工後、熱処理を行うことやコロナ放
電処理等の表面処理を行うこともできる。
【0030】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物から得られた多孔性
フィルムは、同様の組成から得られる無孔フィルムに比
べて生分解性が格段に優れている。具体的には、これら
両者のフィルムを分解酵素溶液に浸漬した場合の重量減
少速度は、多孔性フィルムは無孔フィルムの約1.5倍
であった。これは、PCL、PHB−HVと無機充填剤
との界面剥離によりフィルムが多孔化され、表面積が増
加し、分解酵素との接触面積が拡大したため、フィルム
内部からも分解が生じたためと考えられる。そして、か
かる多孔性フィルムは、使用時には優れた機械的性質や
加工性、耐熱性を有し、使用後は、自然界で微生物等に
より、優れた分解性を有するため、埋め立てによる廃棄
処理が可能である。このフィルムは、農業用フィルム、
紙おむつ用バックシート、各種包装材料、簡易衣料、医
療用シート、医療用衣料、衛生材料等の使い捨ての素材
として好適に使用される。
【0031】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するため
に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、実施例および比較例に示す物性
は下記の方法により測定した。
【0032】(1)<空隙率> 比重測定法により測定。 0 :多孔化前のフィルムの比重 d1 :多孔化後のフィルムの比重
【0033】(2)<最大細孔径>(以下Dmax と略
す) メタノールブバブルポイント法にて測定。
【0034】(3)<引張強度・引張伸度> ASTM−882に準じて測定。尚、表1中のMDはフ
ィルムの巻取り方向、TDはフィルムの巻取り方向と垂
直な方向を表す。
【0035】(4)<通気度> JIS−P−8117(ガーレ通気度)に従って測定。
【0036】(5)<分解速度の評価> 0.04規定のリン酸緩衝液1リットルにリパーゼ酵素
を3mg溶解させた。この水溶液中に100mgのフィ
ルムを浸漬し、37℃のオーブン中でフィルムの重量減
少により分解速度を評価した。分解速度はフィラー充填
量を考慮し、分解開始後3時間での樹脂成分の減少量
(mg)で示した。
【0037】(6)<耐熱性> 60℃の雰囲気下でフィルムを2枚重ね、2分間20g
/cm2 の荷重をかけた。この時のフィルムの融着強度
を25mm幅で測定した。融着強度が5g以下のものを
○、5ないし20gのものを△、20gを超えるものを
×として評価した。
【0038】以下の実施例および比較例におけるPCL
は、ダイセル化学社製「プラクセル−H7」(商品名:
数平均分子量 8万)を用いた。PHB−HVについて
はI・C・I社製の「バイオポール」(商品名)を用い
た。なお、上記樹脂成分の数平均分子量は、樹脂を、ま
ず、クロロホルムに溶かし、40℃において、ゲルパー
ミエイション クロマトグラフにより分析することによ
り測定した。分子量はポリスチレン換算にて求めた。実
施例で用いたシロキサン系表面処理剤として、下記式
(1) で示される信越シリコーン社製「KPN−350
4」を使用した。表面処理剤は、無機充填剤100重量
部に対して1.0重量部添加した。
【化1】
【0039】表1に示すような樹脂組成物をスーパーミ
キサーで5分間混合した後、180℃で二軸押出機を用
いてストランド状に押出した後、ペレット状に切断し
た。得られたペレットを、スクリュー径30mmφ、L
/D=24の押出機に取付けたリップ開度0.8mm、
幅150mmのTダイを用いて180℃で押出し、内部
が30℃の水が循環する直径100mmφの冷却ロール
に接触せしめ、0.8m/分で引き取りシート状物を得
た。このシート状物を、回転速度の異なる2対の加熱ニ
ップロール間で50℃で、延伸倍率1.5ないし2.5
倍に一軸延伸した。更に該一軸延伸フィルムを一軸延伸
方向と垂直方向に延伸温度50℃にて延伸倍率2.0倍
になるようにテンター延伸機で延伸し、厚み40μmの
多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムの物性
および分解性を表2に示す。なお、表1および表2にお
いて、No11ないし16は比較例である。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 孝明 香川県三豊郡三野町大字大見甲第264−1 (72)発明者 久中 隆行 静岡県掛川市亀の甲2−2−11 ユニハイ ツ622 (72)発明者 越智 与志貴 山口県徳山市大字徳山4133番地 (72)発明者 桑木 哲男 山口県徳山市花畠町7−3 (72)発明者 牟田 善信 千葉県浦安市東野1−24−15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8ないし15モル%のD−ヒドロキシバ
    リレートに基づく単量体単位を含むD−ヒドロキシブチ
    レートとD−ヒドロキシバリレートとの共重合体40な
    いし85重量%、およびポリε−カプロラクトン60な
    いし15重量%からなる樹脂混合物95ないし60容量
    %と、無機充填剤5ないし40容量%とよりなる樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 8ないし15モル%のD−ヒドロキシバ
    リレートに基づく単量体単位を含むD−ヒドロキシブチ
    レートとD−ヒドロキシバリレートとの共重合体40な
    いし85重量%、およびポリε−カプロラクトン60な
    いし15重量%からなる樹脂混合物95ないし60容量
    %と、無機充填剤5ないし40容量%とよりなり、空隙
    率が10ないし70%である多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】 8ないし15モル%のD−ヒドロキシバ
    リレートに基づく単量体単位を含むD−ヒドロキシブチ
    レートとD−ヒドロキシバリレートとの共重合体40な
    いし85重量%、およびポリε−カプロラクトン60な
    いし15重量%からなる樹脂混合物95ないし60容量
    %と、無機充填剤5ないし40容量%とよりなる樹脂組
    成物を溶融製膜し、少なくとも一軸方向に延伸すること
    を特徴とする請求項2記載の多孔性フィルムの製造方
    法。
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