JPH0731359A - ケーキミックス - Google Patents

ケーキミックス

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JPH0731359A
JPH0731359A JP19998693A JP19998693A JPH0731359A JP H0731359 A JPH0731359 A JP H0731359A JP 19998693 A JP19998693 A JP 19998693A JP 19998693 A JP19998693 A JP 19998693A JP H0731359 A JPH0731359 A JP H0731359A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質のケーキミックスを提供する。 【構成】 グリセリン脂肪酸エステルが0.39〜0.
67重量%、プロピレングリコール脂肪酸エステルが
0.53〜0.90重量%、酵素分解レシチンが0.0
2〜0.12重量%、グルテン分解物が0.04〜0.
20重量%の割合で含まれるケーキミックス。 【効果】 ケーキの膨らみを向上させるだけではなく、
従来の起泡剤を使用したケーキミックス製品の問題点と
されていた当該起泡剤に起因する食味の劣化現象を確実
に防止し、食味を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食味の改善されたケー
キミックスに関するものであり、更に詳しくは、特定の
成分を組み合わせてなる組成物を使用し、家庭等におい
ても適量の水と、更に必要に応じて卵等の材料を添加す
ることによって本格的なケーキ類と比較して品質的にも
何ら遜色のない良質のケーキ類を容易に製造することが
できる高品質のケーキミックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、家庭等においてケーキ類を作る
場合、卵をボールの中でよくときほぐし、それに砂糖を
入れ攪拌、混合した後、小麦粉を入れ、更に所望に応じ
予め溶かしたバター又はショートニングを入れて手早く
均質に混ぜ合わせた後、これを型枠に入れて焼き上げる
という作業を行うことが必要である。こうした煩雑な作
業を解消すべく、従来より、予め小麦粉、砂糖、粉末油
脂等を粉体混合し、使用に当たって、水、更に必要に応
じて卵等の材料を添加し、これを加熱してケーキ類を作
ることができるいわゆるケーキミックスが開発、販売さ
れている。
【0003】現在、ケーキミックス、スポンジミック
ス、バターミックス、パウンドミックス等各種のタイプ
のものが市販されているが、これらのうち、スポンジケ
ーキを例にとれば、スポンジケーキは、鶏卵、砂糖、小
麦粉及び水等の原料を混合して泡立て、加熱して製造す
るものであり、スポンジケーキミックスは、必要成分を
予め粉末状のまま混合し、使用に際しては、生卵、水を
加え、攪拌、起泡させることによって手軽にケーキを焼
成できるようにしたものである。
【0004】ところで、ケーキミックスは、その対象ユ
ーザーにより業務用と家庭用に分類される。業務用と家
庭用とではケーキの作製法が異なるため、ケーキミック
スの配合、形態等も当然異なってくる。つまり、業務用
ではケーキ作製時に起泡剤を使用したり、機械的攪拌を
行なうため、ミックスの配合形態も各種タイプのものが
作製できる。しかし、家庭用ケーキミックスの場合、金
属製のホイッパー等を用い、手によって生地作りを行な
うため、ケーキミックスの配合はできるだけ簡単な混
合、攪拌を行なうだけでケーキができるように組み立て
られている。
【0005】すなわち、一般に市販されている家庭用ケ
ーキミックスは、小麦粉、砂糖、脱脂粉乳、起泡剤、ベ
ーキングパウダー、食塩等が1袋になっており、ケーキ
作製時に、卵、水を加え攪拌する方法がとられている。
一般に、ケーキミックスには、起泡剤が含まれているた
め、攪拌によって生地を泡気させることはできるが、起
泡剤の使用量が多いと苦味、渋味の強い、食味の悪いも
のになる。
【0006】また、別法として、卵白を泡気させてお
き、そこへケーキミックスを加える方法があるが、起泡
剤を用いず卵白の気泡をこわさないようにミックスを加
えるにはかなりの技術が必要であり、各家庭において誰
でもが同様のケーキを作ることは難しいことである。そ
して、時としてボリュームのない、せんべい様のケーキ
を作ってしまうことも多々有り得る。
【0007】このように、従来のケーキミックスを使用
して作ったケーキ類は、起泡剤により苦味、渋味を強く
感じたり、組織中の気泡の大きさが不均一であり、ケー
キ類の表面に大きな亀裂が生じたり、あるいは、しっと
り感、ふんわり感に欠ける等の欠点があった。このよう
な欠点を除去し、本格的なケーキ類と同様の性状を有す
るケーキ類を家庭等で容易に作ることができるケーキミ
ックスを開発するために、その試みが種々行なわれてい
る。
【0008】その代表的なものとしては、まず、油脂、
及び乳化剤の複合系に改良を加える方法があげられる。
このようなものとして、例えば、粉末起泡性油脂と糖類
などからなる系を一方の1組成物とし、小麦粉、脱脂粉
乳、食塩、ベーキングパウダーなどからなる系を他方の
1組成物とし、これら2組成物よりなることを特徴とす
るケーキミックス(特公昭60−5244号公報)、ま
た、液体ショートニング10〜60重量部と、粉末糖ア
ルコール80〜150重量部とを混和練合した混合物を
小麦粉100重量部と微量の膨剤とに混合することを特
徴とする保健性ケーキミックスパウダーの製造法(特公
昭60−28246号公報)、また、ケーキ類を製造す
るに際し、原料配合中に加熱によりゲルを形成するゲル
化剤を添加併用することを特徴とするケーキ類の製造法
(特開平4−173047号公報)、起泡性乳化油脂組
成物100重量部中、クエン酸モノグリセライド、乳酸
モノグリセライド、酢酸モノグリセライド及びソルビタ
ン脂肪酸エステルのうちから選ばれた1種又は2種以上
のα型結晶性の乳化剤2.5〜10重量部、炭素数16
〜18の飽和脂肪酸のモノグリセライド5〜12重量
部、ショ糖脂肪酸エステル1〜5重量部、及び食用油脂
2〜35重量部を含有し、かつプロピレングリコール脂
肪酸エステルを含有しない水中油型の起泡性乳化油脂組
成物(特開平5−76270号公報)、などが提案され
ている。
【0009】更に、特定の油脂、又は乳化剤を使用する
ことに特徴を有するものとして、水溶性でかつ結晶性の
糖類の粉末又は該糖類を主体とする粉末と、添加水とか
らなる粉末状の系を、その品温が100〜140℃にな
るまで加熱処理して多孔質状の不定形粒となし、これに
液状油脂を添加混合して得られた油脂含有粉末を小麦
粉、ベーキングパウダーと粉体混合することを特徴とす
るケーキミックスの製造法(特開平1−30452号公
報)、飽和モノグリセライド、飽和ジグリセリンモノエ
ステル、レシチン及び重合リン酸塩を必須成分とするこ
とを特徴とする粉末起泡剤(特開平4−325049号
公報)、穀粉100重量部に対して、グリセリンジ脂肪
酸エステル5〜100重量部を含有することを特徴とす
るプレミックス(特開平4−349841号公報)、な
どが提案されている。
【0010】このように、従来、油脂、乳化剤、あるい
はそれらの複合系に種々改良を加え、その起泡性等を改
善し高品質のケーキミックスを製造する方法が種々提案
されているものの、これらは、ほとんどの場合、1種以
上の乳化剤を組み合わせ、しかも多量に添加するもので
あり、起泡性の向上は達成されたとしても、乳化剤に起
因する特有の苦味、渋味が強く、食味については必ずし
も満足の行くものではなかった。
【0011】すなわち、従来のケーキミックスについて
は、その主要成分の油脂、及び合成乳化剤の複合系に関
する研究が進み、消泡性の無い油脂、あるいは、起泡性
の有る油脂が出現するなどにより、得られるケーキの外
観は、本格的なケーキと比較してほとんど遜色のない製
品を作ることが可能になっているが、食味に関する研究
の方は一歩遅れをとっており、今日では、前記のような
油脂、及び合成乳化剤の複合系の改善を目的として使用
した合成乳化剤等に起因する食味低下の問題、及び当該
問題を確実に解消するための根本的な改善等が必要とさ
れるなど、食味、品質の点においても、本格的なケーキ
に比較して遜色のない高レベルの品質を有するケーキミ
ックスの開発が強く要請されている状況にあった。
【0012】このような観点に立ち、本発明者らは、前
記従来技術として揚げた各種方法においてみられる如
く、ケーキ生地の起泡性を向上させるために使用されて
いるグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステルを含む起泡剤を調製し、これを用いてケ
ーキミックスを製造したところ、起泡性は向上するが、
食味、品質の点では、苦味、渋味が強く食味が悪くなる
と云う問題が付随し、一方、グリセリン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの使用量を味
覚に影響を及ぼさない量に制限したところ、起泡性向上
効果は維持し得ず、ケーキは充分に膨らまないなど、こ
れを解消することは技術的に困難であることが分った。
【0013】すなわち、ケーキ生地の起泡性を向上させ
るためにグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステルを含む起泡剤を用いたところ、起泡
性は向上するが苦味、渋味が強く食味が悪くなるという
問題があった。一方、味覚に影響を及ぼさない量のグリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステルを含む起泡剤を用いたところ、ケーキ生地は充分
に起泡せず、ケーキも充分に膨らまなかった。
【0014】このような知見に基づいて、本発明者ら
は、従来、ケーキミックスの起泡性を改善する目的で広
く使用されているグリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステルを含む起泡剤の有する前記
問題を確実に解消すると共に、ケーキの膨らみの向上
化、食味、及び品質の点でも本格的なケーキ製品と比較
して何ら遜色のない高レベルの品質のケーキミックスを
開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、
前記グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステルを含む起泡剤に、特定の成分を加えた複
合系からなる組成物の形にすることにより、所期の目的
を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
従来の起泡剤を使用したケーキミックスの問題点とされ
ていた食味の劣化の問題を確実に解消した高レベルの品
質のケーキミックスを提供することを目的とするもので
ある。
【0016】また、本発明は、ケーキの膨らみのみなら
ず食味、品質の点においても本格的なケーキと比較して
遜色のない高いレベルの特性を具備したケーキミックス
を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、以下の(1)〜(2)の技術的手段から構
成されるものである。 (1)グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びグルテン分
解物を含むケーキミックス。
【0018】(2)グリセリン脂肪酸エステルが0.3
9〜0.67重量%、プロピレングリコール脂肪酸エス
テルが0.53〜0.90重量%、酵素分解レシチンが
0.02〜0.12重量%、グルテン分解物が0.04
〜0.20重量%の割合で含まれる前記(1)記載のケ
ーキミックス。
【0019】次に、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明は、ケーキ原料として特定量のグリセリン脂
肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルを
用いると共に、酵素分解レシチン、及びグルテン分解物
を使用することにより、良好な味覚を有し、かつ膨らみ
の良好な柔らかいケーキを得ることをその特徴とするも
のである。
【0020】本発明に使用されるグリセリン脂肪酸エス
テルは、炭素数10〜22の飽和脂肪酸であり、好まし
くはステアリン酸50%以上の構成脂肪酸を持ち、更に
はモノエステル純度90%以上の蒸留モノグリセライド
が好適なものとして使用される。グリセリン脂肪酸エス
テルのケーキミックス中の含有量は、0.39〜0.6
7重量%であり、この場合、0.39重量%よりも少な
い場合には、起泡性の向上は望めず、また0.67重量
%よりも多い場合には、食味を劣化させるので好ましく
ない。
【0021】また、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ルは、ステアリン酸又はパルミチン酸のエステルからな
るものが好適なものとして使用され、ケーキミックス中
の含有量は0.53〜0.90重量%であり、この場合
0.53重量%よりも少ない場合には、起泡性の向上は
望めず、また0.90重量%よりも多い場合には、食味
を劣化させるので好ましくない。
【0022】上記グリセリン脂肪酸エステルとプロピレ
ングリコール脂肪酸エステルは、デキストリン、カゼイ
ンナトリウム等と共にお湯で加熱溶解した後、スプレー
ドライ(噴霧乾燥)して用いることが望ましい。すなわ
ち、グリセリン脂肪酸エステルは、加熱処理によりα結
晶化し、これにより、はじめて起泡効果を奏し、プロピ
レングリコールは、α結晶化したグリセリン脂肪酸エス
テルが徐々にβ結晶化していくことを抑止する効果を有
しているからである。
【0023】本発明に使用される酵素分解レシチンは、
大豆レシチン、卵黄レシチン、それらの分別レシチン等
に、ホスホリパーゼA2 、ホスホリパーゼD等の酵素処
理を施したもの等が好適なものとして使用可能であっ
て、市販製品を適宜使用することができる。その使用量
は、ケーキミックス中において、0.02〜0.12重
量%であり、この場合0.02重量%よりも少ない場合
には、ケーキが充分に膨らまず、また0.12重量%よ
りも多い場合には、食味を劣化させるので好ましくな
い。
【0024】次に、本発明に使用されるグルテン分解物
は、小麦蛋白質であるグルテンを加水分解して得られる
加水分解グルテンであり、市販製品を適宜使用すること
ができる。その使用量は、ケーキミックス中において
0.04〜0.20重量%であり、この場合0.04重
量%よりも少ない場合には、ケーキの膨らみの向上は望
めず、また0.20重量%よりも多い場合には、食味を
劣化させるので好ましくない。
【0025】次に、上記の如きグリセリン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、酵素分解レ
シチン、及びグルテン分解物を含むケーキミックスを常
法により作製するが、ケーキミックスのその他の材料
は、通常のもので良く、例えば、これらの粉体成分に、
穀粉、糖類、更に必要に応じて、ベーキングパウダー、
油脂、乳化剤、粉乳、卵白粉末、乾燥卵、調味料、香辛
料、香料、着色料等を粉体混合してケーキミックスを得
る。このようにして得られたケーキミックスは、スポン
ジケーキ、ロールケーキ、スイスロール、蒸しケーキ、
バタースポンジケーキ、カステラ等多くのケーキ類の製
造に適用することができる。
【0026】この場合、穀粉としては、小麦粉あるいは
これに大麦粉、ライ麦粉、コーンミール、大豆粉等、ま
た、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉の原料を加
えたものなど、焼成食品に使用される澱粉類を適宜使用
することが可能である。
【0027】また、糖類としては、上白糖、グラニュー
糖、粉糖、粉末水飴、粉末還元麦芽糖等、一般にケーキ
ミックスに使用されるものを適宜用いることが可能であ
る。
【0028】本発明で云うケーキミックスとは、前記各
材料の全部又は一部を混合したもので、水その他のもの
を加え、加熱調理(蒸す、焼く、煮る、揚げるなど)す
るだけで、簡単にケーキ類や調理食品を作れる調整粉を
総称したものを意味する。
【0029】以上詳述したように、本発明のケーキミッ
クス中に含有させるグリセリン脂肪酸エステル等の各乳
化剤及び酵素分解レシチン、グルテン分解物において、
それらの使用量が下限未満では何れもケーキの膨らみの
向上と食味、品質の向上と云う二律背反の効果を得がた
く、また上限を越えても充分な効果は得られない。
【0030】かくして得られる本発明のケーキミックス
は、これをスポンジケーキ等のベーカリー製品の製造に
オールインミックス法によって製造しても、焼製品がネ
トつくことがなく、ケーキの膨らみに優れたものであ
り、かつ起泡剤に特有の苦味、渋味のない良好な食感と
風味を保持した高レベルの品質のものである。
【0031】このように、グリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステルを含む起泡剤を使
用し、これらの成分により不可避的に生起するとされて
いた苦味、渋味による食味の劣化現象を確実に解消する
と共に、本格的なケーキの品質と比較して、ケーキの膨
らみの点のみならず、食味、品質の点においても何ら遜
色のない高レベルの品質の製品が得られることは、まさ
に驚くべきことである。そして、このような効果は、前
記したような特定の構成によってはじめてなし得るもの
であり、しかも、本発明者らの知るところによれば、か
かる知見についてこれまで報告された例はなく、本発明
者らが見い出した新規なものである。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例 1)起泡剤の調製 グリセリン脂肪酸エステル14重量部、及びプロピレン
グリコール脂肪酸エステル19重量部に、カゼインNa
5重量部、及びデキストリン58重量部を加え、加水混
合して加熱溶解後、常法によりスプレードライを行い、
グリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール
脂肪酸エステルを含む粉末状の起泡剤を得た。
【0033】2)品質改良剤の調製 酵素分解レシチン19重量部、及びグルテン分解物40
重量部に、デキストリン40重量部を加え、加水混合し
て加熱溶解後、常法によりスプレードライを行い、酵素
分解レシチン、及びグルテン分解物を含む粉末状の品質
改良剤を得た。
【0034】3)ケーキミックスの調製 小麦粉79重量部、グラニュー糖107重量部、脱脂粉
乳3重量部、及びベーキングパウダー1重量部に対し
て、上記粉末起泡剤7重量部、及び上記品質改良剤0.
6重量部を混合して、本発明のケーキミックスを得た。
【0035】4)スポンジケーキの調製 上記ケーキミックスに対して、卵115重量部、及び水
20重量部を加え、ナショナル製ハンドミキサーで5分
間よく攪拌した後、これを18cmφ丸型へ充填し、1
80℃で約30分間焼成して、スポンジケーキを得た。
【0036】比較例1 実施例において、上記酵素分解レシチン、及びグルテン
分解物を含む品質改良剤を使用しない他は、実施例の場
合と同様にして、スポンジケーキを調製した。
【0037】比較例2 実施例において、上記酵素分解レシチン、及びグルテン
分解物を含む品質改良剤を使用せずに、上記グリセリン
脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エス
テルを含む粉末起泡剤の添加量を1.7倍にした他は、
実施例の場合と同様にして、スポンジケーキを調製し
た。
【0038】比較例3 実施例において、上記グリセリン脂肪酸エステル、及び
プロピレングリコール脂肪酸エステルを含む粉末起泡剤
を使用しない他は、実施例の場合と同様にして、スポン
ジケーキを調製した。
【0039】品質評価試験 実施例及び比較例1〜3のスポンジケーキ製品につい
て、その食感、風味、及び外観(膨らみ)に関し、官能
評価方法、及び計測による品質評価を実施した。官能評
価は、20人のパネルによる5点満点評価(5…大変良
い、4…良い、3…普通、2…悪い、1…とても悪い)
により行った。また、外観(膨らみ)については、スポ
ンジケーキのサイド部の膨らみ(高さ)、中央部の膨ら
み(高さ)、及び他のサイド部の膨らみ(高さ)の3項
目について計測し、その膨らみの程度を評価した。表1
に、品質評価試験の結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、本発明のケーキ
ミックスを用いて作製した製品は、起泡剤に特有の苦
味、渋味が全くなく、風味が優れたものであり、食感
は、本格的なケーキ製品と比較して何ら遜色のない高レ
ベルのものであり、かつ外観(膨らみ)も優れたもので
あった。これに対して、比較例の製品(従来製品)は、
苦味、渋味が残存しており、風味が不良であり、食感も
満足し得ないものであることが確認された。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、グリセ
リン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エス
テル、酵素分解レシチン、及びグルテン分解物を含むケ
ーキミックスに係るものであり、本発明によれば、グリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステルを含む起泡剤を使用した場合に不可避的にみられ
る苦味、渋味が強く食味が劣化すると云う問題を確実に
解消し得ると共に、ケーキの膨らみの向上と食味、品質
の向上と云う二律背反の効果を共に達成し得ることを可
能にすることができる。
【0043】また、本発明によれば、従来のグリセリン
脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル
を含む起泡剤と比較して、これらの成分の使用量をより
少ない形に制限しても同様のケーキの膨らみの向上効果
が得られるものであり、これらの成分の使用量を確実に
低下させ、当該成分に起因する食味の劣化の問題を確実
に解消することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
    グリコール脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、及びグ
    ルテン分解物を含むケーキミックス。
  2. 【請求項2】 グリセリン脂肪酸エステルが0.39〜
    0.67重量%、プロピレングリコール脂肪酸エステル
    が0.53〜0.90重量%、酵素分解レシチンが0.
    02〜0.12重量%、グルテン分解物が0.04〜
    0.20重量%の割合で含まれる請求項1記載のケーキ
    ミックス。
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