JPH07312531A - 広帯域分岐分配器 - Google Patents

広帯域分岐分配器

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JPH07312531A
JPH07312531A JP10569394A JP10569394A JPH07312531A JP H07312531 A JPH07312531 A JP H07312531A JP 10569394 A JP10569394 A JP 10569394A JP 10569394 A JP10569394 A JP 10569394A JP H07312531 A JPH07312531 A JP H07312531A
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capacitor
output terminals
current transformer
signal
input
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Michiharu Takahashi
橋 道 晴 高
Hitoshi Komine
峰 仁 小
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URO Electronics Ind Co Ltd
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URO Electronics Ind Co Ltd
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広帯域にわたって平坦な挿入損失特性を有す
る広帯域分岐分配器を提供すること。 【構成】 入出力端子間に、高周波信号を伝送すると共
に電源用電力を流すようにした同軸線路用分岐分配器に
おいて、1次巻線(L1)が1個のコンデンサと直列接
続されて前記入出力端子間の信号幹線に挿入され、2次
巻線(L2)は一端が接地されて他端が分岐端子に連な
る分岐線路に接続された電流トランス(T1)と、1次
巻線(L3)が前記電流トランスの2次巻線と前記分岐
端子との間に挿入され、2次巻線(L4)はコンデンサ
(C)と直列接続されてその一端が接地され、他端が前
記信号幹線に接続された電圧トランス(T2)と、前記
入出力端子間に挿入された空心チョークコイル(L)
と、をそなえたことを特徴とする広帯域分岐分配器。電
圧トランス(T2)は省略した構成とすることもでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CATVおよびTV等
の共聴設備に用いられる高周波信号の分岐、分配用の方
向性結合器に係り、とくに広周波数帯域にわたって平坦
な挿入損失特性を有する広帯域分岐分配器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の共聴施設において、いわゆるヘ
ッドエンドからの広帯域高周波信号、たとえば5〜1,
000MHz帯域の多チャンネルTV信号を、同軸ケー
ブルを用いて各家庭に配信する場合に、広帯域な周波数
特性を有する分岐分配器が利用される。この場合、信号
は、ヘッドエンドから端末に行くにしたがって、ヘッド
エンドからの距離によってケーブルの長さが長くなるた
め、ケーブル損失の増加と分配数の累増から、漸次信号
レベルが減衰して行く。これを補償するために、適当な
ケーブル長の位置で、広帯域増幅器を利用して所要レベ
ルまで信号を増幅した上で、再伝送、再分配を行うのが
普通である。
【0003】そのために、このような設備では、増幅器
用の電源電力を供給する必要があるが、その電源ケーブ
ルを、信号伝送用のケーブルと別個に設けることは、設
備費の増加を来たす。そこで、先の信号用同軸ケーブル
に高周波信号の他に電源電力を重畳させて供給してい
る。この場合、同軸ケーブルに接続される分岐分配器
は、電力通過形が要求される。ここで要求される電力通
過の能力は、通常、電圧が、100V以下、DCまたは
電源周波数が120Hz以下のACで、電流量が1Aか
ら10Aである。
【0004】図10は、従来のこの種の電力通過形分岐
分配器の回路構成例を示したものである。この回路にお
いて、入力端子INからは高周波信号および電源電力が
入力されるが、直流または低周波である電源電力は電流
阻止用コンデンサC1、C2で阻止されてT1,T2か
らなる分岐回路には流入せずにコアを有するチョークコ
イルLを通過して出力端子OUTに向かい、出力端子O
UTに接続されたケーブルに再び流入する。
【0005】一方、高周波信号は、チョークコイルLの
インダクタンスが充分大きいとみなせる周波数の信号で
あるから、チョークコイルLで阻止されコンデンサC1
を通り、電流トランス(第一トランス)T1を通過して
さらにコンデンサC2を通り出力端子OUTに出力され
る。ここで一部の高周波信号は、電流トランスと電圧ト
ランス(第2トランス)とで構成される方向性結合器の
分岐端Bに現れる。さらに、この分岐端Bの信号は図示
のように2〜8端子分配器の入力に入り、その出力Pを
各家庭に配分することもあるし、分岐端Bの出力をその
まま幹線分岐出力として用いることもある。
【0006】また、仮に反射などのために、出力端子O
UT側から高周波信号が入力されたとしても、この方向
性結合器の作用によって、分岐端子Bに出てくる信号量
は極めて少ない。この従来形機器のIN−OUT間の伝
送特性は、図11および図12に示す通りである。この
分岐分配器は、チョークコイルのインダクタンスを大き
くするためにコアを用いるのが普通で、直径4mm、長
さ18mm、直流時の比透磁率250の棒状フェライト
コアに、線径0.8mmのポリウレタン被覆銅線を9回
巻いて作成したインダクタンス1.7μHのコア入りチ
ョークコイルLと、他に容量6800pFのコンデンサ
C1、C2と、厚み3mm、リング幅1mm、初透磁率
1000のフェライト材料をトロイダルコアとし、L
1、L3が一回巻き、L2、L4が10回巻きのトラン
スT1、T2と抵抗を用いて構成する。
【0007】そして、その入力対分岐点Bの出力比を−
20dBになるように設計されたものの入力端子IN
と、出力端子OUT間の高周波伝送特性を、図11には
低い周波数領域、図12には高い周波数領域について示
している。
【0008】この図11の特性から明らかなように、こ
の伝送特性は約2.4MHz(frL)で共振してお
り、この共振の影響は、使用帯域に含まれる5MHz付
近の低い周波数領域を悪化させている。また、図12の
特性では、約1200MHz(frH)に、急激なロー
ルオフがあり、そのためにその影響が、800MHz付
近まで影響していることが分かる。
【0009】2.4MHz付近の共振は、図10に示す
チョークコイルLとこれに並列接続されたC1、L1、
C2の直列回路との並列共振により生じており、通常L
1の値がLに比べ極めて小さいから、L、C1、C2の
値だけを用いて計算した共振周波数とほぼ一致してい
る。
【0010】したがって、低い周波数の領域の特性改善
のためには、この共振周波数をさらに低くしなければな
らない。実験によれば、この共振周波数を1.8MHz
以下に出来れば5MHz付近の特性が大幅に改善される
ことが分かっている。そのためにはLの値、もしくはC
1、C2の値を大きくすれば良い。しかし、この場合、
Lの巻数を増加させてLを大きくしたのでは、frHが
低くなり500ないし600MHz付近まで影響を受け
る。
【0011】そこで、この図10の分岐分配器の特性を
改善する方法として、本発明の発明者の一人等が特公平
6−1880号で提案した、図13のような分岐分配器
がある。これは、図10に示したコンデンサC1、C2
を共振回路の容量素子と見たとき、これらの素子が直列
に接続されているので、その容量が一個の場合の半分に
なっているのに対し、図13ではコンデンサ1個を省略
したために、その容量が倍になり、それに応じた共振周
波数の低下を図ったものである。
【0012】図13の各定数を、図10の各定数と同一
にして、その入出力間の伝送特性を図14および図15
に示す。この場合の共振周波数は、チョークコイルLと
C1、L1の直列回路が並列接続された共振周波数に略
一致し、図の如く約1.8MHz付近に低下したため、
5MHz付近の伝送特性が改善されている。
【0013】要求される伝送周波数が5−600MH
z、特に伝送される最高周波数が600MHzであれ
ば、この改善で充分であるが、近年要求される伝送周波
数帯は5−1000MHz、ないしはその上限周波数が
それ以上に要望される場合は、チョークコイルが図10
のものと同じであるため、図15の特性に示すように、
やはり約1200MHz(frH)に、急激なロールオ
フがあり、そのためにその影響が、800MHz付近ま
で影響していることが分かる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図10の構成におい
て、Lを増加することはチョークコイルの巻数を増加さ
せることであり、この場合チョークコイルL自体の自己
共振が所要帯域内の高い周波数に現われて特性を悪化さ
せたり、形を大きくしたりする。
【0015】例えば、図10および図13の回路の場合
は、図15に示すように1200MHz以上の高周波数
帯に、チョークコイルLの自己共振があり、チョークの
巻線長が、略1/2波長になる周波数で、その伝送特性
に大きなディップを生じている。また、重畳する電源電
力を大きくするためには、必然的にチョーク巻線の線径
を大きくしなければならず、これが、また巻線間容量の
増大を生じ、チョーク自体の共振周波数の低下を来た
す。
【0016】それがために、図16に示すように、この
ような電流を流す場合のチョークコイルは、共振回路的
にみた場合のいわゆるQを低下させるために、コイルに
並列にダンプ抵抗Rを入れてこの共振を目立たなくして
いる。この種のコア入りチョークコイルの例としては、
直径4mm、長さ18mm、直流時の比透磁率250を
持つ棒状のフェライトコアに、線径0.8mmのポリウ
レタン被覆銅線を合計14回、2分割巻きして作成した
インダクタンス2μHのコア入りチョークコイルとし、
各7回巻きのコイルにはそれぞれ1.5kΩの抵抗が並
列接続され、電流容量6A用チョークコイルとしてい
る。
【0017】その伝送特性を図17および図18に示す
が、図16のダンプ抵抗のない場合と比較して、そのダ
ンプ抵抗のために、共振は目立たなくなるのに反し、損
失が増えていることが分かる。
【0018】また、Lを増加させる別の手段として、チ
ョークコイルをトロイダル形のフェライトコアに巻装
し、その大きな実効透磁率を有効に生かす手法がある
が、この種の分岐分配器にあっては、先に述べた電流重
畳のため、流れる電流によりコアが磁気飽和する場合が
あり、交流電流の場合は、電流に対する磁性体内の磁束
密度の変化が非直線となり、それがために、高周波信号
に混変調を(ハム変調)を与えてしまう。またコンデン
サC1、C2を増加させることはやはり形状の大型化を
招き、延いては回路を構成するプリント基板や匡体まで
も大きくすることになり経済的でない。
【0019】さらに、高周波帯ではコアの損失が増加
し、チョークコイルのダンプ抵抗の損失と合わせ、この
周波数帯での伝送損失を増加させる。
【0020】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、広帯域にわたって平坦な挿入損失特性を有する広帯
域分岐分配器を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的達成の
ため、請求項1記載の、入出力端子間に、高周波信号を
伝送すると共に電源用電力を流すようにした同軸線路用
分岐分配器において、1次巻線が1個のコンデンサと直
列接続されて前記入出力端子間の信号幹線に挿入され、
2次巻線は一端が接地されて他端が分岐端子に連なる分
岐線路に接続された電流トランスと、1次巻線が前記電
流トランスの2次巻線と前記分岐端子との間に挿入さ
れ、前記電流トランスの2次巻線との接続点が抵抗を介
して接地され、2次巻線はコンデンサと直列接続されて
その一端が接地され、他端が前記信号幹線に接続された
電圧トランスと、前記入出力端子間に挿入された空心チ
ョークコイルと、をそなえたことを特徴とする広帯域分
岐分配器、請求項2記載の、入出力端子間に、高周波信
号を伝送すると共に電源用電力を流すようにした同軸線
路用分岐分配器において、1次巻線が1個のコンデンサ
と直列接続されて前記入出力端子間の信号幹線に挿入さ
れ、2次巻線は一端が抵抗を介して接地され、他端が分
岐端子に接続され、中点がコンデンサを介して前記信号
幹線に接続された電流トランスと、前記入出力端子間に
挿入された空心チョークコイルと、をそなえたことを特
徴とする広帯域分岐分配器、請求項3記載の、入出力端
子間に、高周波信号を伝送すると共に電源用電力を流す
ようにした同軸線路用分岐分配器において、1次巻線が
1個のコンデンサと直列接続されて前記入出力端子間の
信号幹線に挿入され、2次巻線は一端が接地されて他端
が分岐端子に接続された電流トランスと、コンデンサと
抵抗とを有し、前記信号幹線と前記分岐端子とを接続す
る電圧信号回路と、前記入出力端子間に挿入された空心
チョークコイルと、をそなえたことを特徴とする広帯域
分岐分配器、および請求項4記載の、入出力端子間に、
高周波信号を伝送すると共に電源用電力を流すようにし
た同軸線路用分岐分配器において、1次巻線が1個のコ
ンデンサと直列接続されて前記入出力端子間の信号幹線
に挿入され、2次巻線は一端が接地されて他端が分岐端
子に連なる分岐線路に接続された電流トランスと、1次
巻線がコンデンサと直列接続されており、その一端が前
記信号幹線に接続されて他端が接地され、2次巻線は一
端が前記電流トランスの他端に接続され、他端が分岐端
子に接続されて前記電流トランスの2次巻線と共に前記
分岐端子用回路を構成する電圧トランスと、前記入出力
端子間に挿入された空心チョークコイルと、をそなえた
ことを特徴とする広帯域分岐分配器、を提供するもので
ある。
【0022】
【作用】このように構成された本発明の広帯域分岐分配
器では、その入出力端子間を結ぶ線路において、信号は
電流トランスの1次巻線および1個のコンデンサの直列
回路により構成される信号幹線路を通り、電源用電力は
空心チョークコイルを通る。そして、信号幹線路に接続
された分岐端子から信号が分岐される。
【0023】入出力端子間の高周波伝送特性に大きな影
響を持つ共振周波数は、入出力端子間に挿入された空心
コイル、および同じく入出力端子間に空心コイルと並列
に接続された1個のコンデンサと電流トランスの1次巻
線との直列回路によって定まる。そして、コンデンサの
数は1個であるからかなり大容量にでき、共振周波数が
かなり低くなる。この結果、共振周波数が伝送すべき周
波数帯域外になり、伝送すべき周波数帯域内は平坦な伝
送特性となる。
【0024】
【実施例】図1(A),(B)および図2(A),
(B)は、本発明の実施例を示しており、図3および図
4は入力端子IN、出力端子OUT間の挿入損失特性、
換言すれば伝送特性を示している。
【0025】図1(A),(B)および図2(A),
(B)は基本構成が同一の4つの実施例を示している。
まず図1(A)についてみると、コンデンサC1と電流
トランスT1との直列回路、およびこの直列回路に並列
接続された空心チョークコイルLとにより信号幹線路が
構成され、この信号幹線路の各端が入力端子IN、出力
端子OUTに接続されている。電流トランスT1は、1
次巻線L1が信号幹線路に挿入され、2次巻線L2は一
端が接地されて他端が電圧トランスT2の2次巻線L3
と直列接続され相互接続点が抵抗を介して接地されてい
る。そして、電流トランスT1の1次巻線出力端子側は
コンデンサC2と電圧トランスT2の1次巻線L4との
直列回路を介して接地される。
【0026】次に同図(B)は、電流トランスT1の出
力側にコンデンサC1′が配され、電流トランスT1の
1次巻線とコンデンサC1′との相互接続点にコンデン
サC2を介して分岐端子用電圧トランスT2を接続した
点で同図(A)と異なるだけである。また図2(A)
は、図1(A)がコンデンサC2と電圧トランスT2の
1次巻線L4との直列回路を介して接地される。また同
図(C)は、同図(A)がコンデンサC2と電圧トラン
スT2の1次巻線L4との直列回路のL4を接地してい
るのに対し、コンデンサC2の代わりにC2′を介して
接地される点が図1(A)と異なる。
【0027】また図2(B)は、図1(B)がコンデン
サC2と電圧トランスT2の1次巻線L4との直列回路
のL4を接地しているのに対し、コンデンサC2の代り
にC2′を介して接地される点が図1(B)と異なる。
【0028】この構成により、高周波信号は空心チョー
クコイルLで阻止されて電流トランスT1とコンデンサ
C1との直列回路を通ることにより、入力端子INから
出力端子OUTに達し、一方電源電力はコンデンサC
1、C2により阻止されて空心チョークコイルLを通る
ことにより入力端子INから出力端子OUTに達する。
【0029】そして、信号幹線路の高周波信号の一部が
電流トランスT1の出力端子側からコンデンサC2を介
して電圧トランスT2の1次巻線L4に与えられ、2次
巻線L3に分岐信号として取り出される。
【0030】図2(A),(B)は、図1および図2の
実施例について伝送特性を示しており、諸条件を図10
の特性測定時と同様にして実測したものである。すなわ
ちC1=20000[pF]、C2=1000[p
F]、L=0.1[μH]とし、方向性結合器の諸定数
は同一としている。この実測特性から明らかなように5
[MHz]付近では共振による影響がなくなり、100
0[MHz]以上まで平坦な伝送特性となる。
【0031】また、300〜600[MHz]の領域で
も若干の特性改善が見られ、これは信号幹線路の挿入コ
ンデンサが従来の2個から1個に減った結果、コンデン
サの誘電損失が半減したことによる。コンデンサが1個
になったことについてみれば、信号幹線路の入、出力端
子間に只1つのコンデンサが挿入されるようになった結
果、コンデンサの両端電圧は等置、つまり両端間電圧は
零になるから従来のようにコンデンサに電源電圧が加わ
る場合に比べコンデンサが不具合になる可能性が各段に
減る。
【0032】図5は本発明の他の実施例を示したもの
で、図1および図2の実施例における電圧トランスT2
を用いることなく方向性結合器を構成している。この場
合、1次巻線L1が信号幹線路に挿入された電流トラン
スT1の2次巻線L2の中間タップと電流トランスT1
の1次巻線L1の出力側との間にコンデンサC2を接続
し、2次巻線L2の一端を分岐端子Bに接続し、他端を
抵抗Rを介して接地する。この場合、コンデンサC2′
は高周波結合の役割と低周波阻止の役割とを兼ねてい
る。
【0033】図6ないし図9は、それぞれ本発明のさら
に他の実施例を示したものである。これらの実施例で
は、分岐端子Bを信号幹線路のトランス巻線の入力側に
設けている。これに伴い、高周波結合および低周波阻止
のコンデンサも信号幹線路のトランス巻線の入力側と分
岐端子Bとの間に挿入されている。
【0034】これらの実施例のうち図5のものは、信号
幹線路のトランス巻線L1の入力側からコンデンサC
1′および抵抗Rを介して単巻式電圧トランスT2′の
非接地側に接続し、中間タップを電流トランスT1の2
次巻線非接地側と友に分岐端子Bに接続している。図7
のものは信号幹線路のコンデンサをトランス巻線L1の
入力側に移した点だけが図6のものと相違する。
【0035】また図8のものは、図1(B)に対応する
もので、分岐端子B用の電圧トランスT2の1次側を信
号幹線路におけるトランス巻線L1の入力側に接続した
ものである。そして電圧トランスT2の2次巻線L4の
非接地側端をコンデンサC1′を介して接地している点
で図1(B)と相違している。さらに図9のものは、信
号幹線路のトランス巻線L1の中間タップに分岐端子B
用の回路を接続している点で上記各実施例と相違する。
【0036】上述したように、従来のこの種の分岐分配
器にあっては、低い周波数帯での特性改善のため、コア
入りのチョークコイルを使用して、そのインダクタンス
値を大きくする手段を講じていたが、本発明では逆に空
心にすることにより、そのインダクタンス値をコア入り
の場合に比べ小さくし、より特性の良好な分岐分配器を
提供するものである。但しこの場合、高周波信号は、電
流トランスの1次側(L1)と、それに直列に接続され
たコンデンサ(C1)を能率良く通過するためには、こ
の直列インピーダンスは空心コイルのインピーダンスよ
り出来る限り小さいことが望ましい。すなわち、伝送す
る最低周波数をfL 、伝送帯域内の任意の周波数をfと
するとき、電流トランスの巻線と、それに直列に接続さ
れたコンデンサに並列接続される空心コイルは、そのイ
ンダクタンスの値L とし、 1/(2πfC1)<2πf(L+L1) の条件を満足しなければならない。ここで、2πfは帯
域内の任意の周波数であり、通常L1の値がLに比べ非
常に小さいので上式は 1<(2πf)LC) と書き変えて差し支えない。
【0037】さらに、L、L1、C1で作られる共振周
波数は、帯域の下限の周波数をfLとするとき、それ以
下でなければならないから、C1の値は、 C1>1/((2πfL)2L) の条件を満たすコンデンサの値である必要がある。さ
に、空心の場合、実験によれば、Lの値が0.3μH以
上では、周波数が1000MHz以下の周波数に自己共
振があり、目的から外れてしまうのでこれ以下にする必
要がある。
【0038】
【発明の効果】本発明は上述のように、共振周波数を決
定していた電流トランスと直列関係に挿入されていたコ
ンデンサが1個しか含まれなくなったために、その容量
が従来形に比べ大きくなり、共振周波数が低下すると同
時に、高い周波数帯においても、コンデンサの誘電体損
失が約半分になり、コイルの巻線浮遊量の低下、ダンピ
ング抵抗の排除、コアの誘電体損、と磁性体損を有しな
いから、全体として伝送損失が少なく、且つ、電源電流
を通過させるコイルに磁性体を有しないため、磁気飽和
することなく、したがってハム変調を受けることのない
広帯域な高周波分岐分配を行うことが出来る。
【0039】そして、本発明では、電流および電圧の二
つの高周波用トランスからなり、電流トランスの1次巻
線には電源電流を流さないために、コンデンサと直列に
接続してこれを阻止し、この回路を、電源電流を流すた
めに空心コイルと並列に接続して信号幹線路とし、この
信号幹線路の各端を分岐分配器の入、出力端子に接続
し、電圧トランスの2次巻線にも同じく、電源電流を流
さないために、コンデンサと直列接続するなどの手段を
用い、信号幹線路の電流トランスの1次巻線とが電源電
流には絶縁された形で接続されてなる広帯域分配器を提
供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(A),(B)は基本構成が共通する本発
明の2つの実施例の回路図。
【図2】同図(A),(B)は図1の実施例と基本構成
が共通する本発明の実施例を示す回路図。
【図3】図1および図2の実施例の低周波域挿入損失特
性を示した図。
【図4】図1および図2の実施例の高周波域挿入損失特
性を示した図。
【図5】本発明の他の実施例の回路図。
【図6】本発明のさらに他の実施例の回路図。
【図7】本発明のさらに他の実施例の回路図。
【図8】本発明のさらに他の実施例の回路図。
【図9】本発明のさらに他の実施例の回路図。
【図10】従来の電力通過型分岐分配器の回路図。
【図11】図10に示した分岐分配器の低周波域挿入損
失特性を示す図。
【図12】図10に示した分岐分配器の高周波域挿入損
失特性を示す図。
【図13】特公平6−1880号に示された分岐分配器
の回路図。
【図14】図13の分岐分配器の低周波域挿入損失特性
を示す図。
【図15】図13の分岐分配器の高周波域挿入損失特性
を示す図。
【図16】図13の回路において入出力端子間に挿入さ
れるダンプ抵抗付きチョークコイルの回路図。
【図17】図16のチョークコイルを用いた場合の分岐
分配器の低周波域挿入損失特性を示す図。
【図18】図16のチョークコイルを用いた場合の分岐
分配器の高周波域挿入損失特性を示す図。
【符号の説明】
T1 電流トランス T2 電圧トランス L1 電流トランスの1次巻線 L2 電流トランスの2次巻線 L3 電圧トランスの1次巻線 L4 電圧トランスの2次巻線 L チョークコイル C コンデンサ R 抵抗

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入出力端子間に、高周波信号を伝送すると
    共に電源用電力を流すようにした同軸線路用広帯域分岐
    分配器において、 1次巻線が1個のコンデンサと直列接続されて前記入出
    力端子間の信号幹線に挿入され、2次巻線は一端が接地
    されて他端が分岐端子に連なる分岐線路に接続された電
    流トランスと、 1次巻線が前記電流トランスの2次巻線と前記分岐端子
    との間に挿入され、前記電流トランスの2次巻線との接
    続点が抵抗を介して接地され、2次巻線はコンデンサと
    直列接続されてその一端が接地され、他端が前記信号幹
    線に接続された電圧トランスと、 前記入出力端子間に挿入された空心チョークコイルと、
    をそなえたことを特徴とする広帯域分岐分配器。
  2. 【請求項2】入出力端子間に、高周波信号を伝送すると
    共に電源用電力を流すようにした同軸線路用広帯域分岐
    分配器において、 1次巻線が1個のコンデンサと直列接続されて前記入出
    力端子間の信号幹線に挿入され、2次巻線は一端が抵抗
    を介して接地され、他端が分岐端子に接続され、中点が
    コンデンサを介して前記信号幹線に接続された電流トラ
    ンスと、 前記入出力端子間に挿入された空心チョークコイルと、
    をそなえたことを特徴とする広帯域分岐分配器。
  3. 【請求項3】入出力端子間に、高周波信号を伝送すると
    共に電源用電力を流すようにした同軸線路用広帯域分岐
    分配器において、 1次巻線が1個のコンデンサと直列接続されて前記入出
    力端子間の信号幹線に挿入され、2次巻線は一端が接地
    され他端が分岐端子に接続された電流トランスと、 コンデンサと抵抗とを有し、前記信号幹線と前記分岐端
    子とを接続する電圧信号回路と、 前記入出力端子間に挿入された空心チョークコイルと、
    をそなえたことを特徴とする広帯域分岐分配器。
  4. 【請求項4】入出力端子間に、高周波信号を伝送すると
    共に電源用電力を流すようにした同軸線路用広帯域分岐
    分配器において、 1次巻線が1個のコンデンサと直列接続されて前記入出
    力端子間の信号幹線に挿入され、2次巻線は一端が接地
    されて他端が分岐端子に連なる分岐線路に接続された電
    流トランスと、 1次巻線がコンデンサと直列接続されており、その一端
    が前記信号幹線に接続されて他端が接地され、2次巻線
    は一端が前記電流トランスの他端に接続され、他端が分
    岐端子に接続されて前記電流トランスの2次巻線と共に
    前記分岐端子用回路を構成する電圧トランスと、 前記入出力端子間に挿入された空心チョークコイルと、
    をそなえたことを特徴とする広帯域分岐分配器。
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