JPH07310579A - エンジンの燃料制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料制御装置

Info

Publication number
JPH07310579A
JPH07310579A JP12810994A JP12810994A JPH07310579A JP H07310579 A JPH07310579 A JP H07310579A JP 12810994 A JP12810994 A JP 12810994A JP 12810994 A JP12810994 A JP 12810994A JP H07310579 A JPH07310579 A JP H07310579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
leading
intake air
fuel
trailing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12810994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3622229B2 (ja
Inventor
Motohiro Okada
基裕 岡田
Hideki Oshita
秀樹 尾下
Yoshitaka Shirotani
佳孝 城谷
Hiroyuki Kido
博行 城戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP12810994A priority Critical patent/JP3622229B2/ja
Publication of JPH07310579A publication Critical patent/JPH07310579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3622229B2 publication Critical patent/JP3622229B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】スロットル開度の増加に対して吸入空気量の増
加が飽和する吸入空気量飽和運転領域(燃料増量の必要
性がない領域)において1サイクル中の先に噴射される
リーディング噴射を制限することで、リーディング噴射
とトレーリング噴射との両タイミング間に減速信号が入
力されても、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑制
でき、かつ上述の吸入空気量飽和運転領域でのみリーデ
ィング噴射の制限を実行することで、加速性の悪化を阻
止する。 【構成】リーディング噴射手段P1とトレーリング噴射
手段P2とスロットル開度検出手段P3と吸入空気量検
出手段P4とを備え、上記両検出手段P3,P4の出力
に基づいてスロットル開度の増加に対して吸入空気量の
増加が飽和する吸入空気量飽和運転領域を検出する飽和
運転領域検出手段P5により吸入空気量の飽和が検出さ
れた時、リーディング噴射手段P1によるリーディング
噴射を制限するリーディング噴射制限手段P6を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば1サイクル中
において予め設定された2つの燃料噴射タイミング(具
体的にはBTDC186゜およびBTDC6゜)で先導
燃料噴射および従動燃料噴射を実行するリーディング噴
射手段およびトレーリング噴射手段を備えたようなエン
ジンの燃料制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のエンジンの燃料制御装置
としては、例えば実開昭61−76143号公報に記載
の装置がある。すなわち1サイクル中において予め設定
された2つの燃料噴射タイミングで先導燃料噴射および
従動燃料噴射を実行するリーディング噴射手段およびト
レーリング噴射手段を備えたレシプロエンジンの燃料制
御装置である。
【0003】このようなレシプロエンジンの燃料分割噴
射制御装置において、リーディング噴射とトレーリング
噴射との間に減速信号が入力された場合、減速による燃
料の減量もしくは燃料カットが要請されるにもかかわら
ず、減速信号入力前に既にリーディング噴射が実行され
ているので、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑制
することができない問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、スロットル開度の増加に対して吸入空気量
の増加が飽和する吸入空気量飽和運転領域(燃料増量の
必要性がない領域)において1サイクル中の先に噴射さ
れるリーディング噴射を制限することで、リーディング
噴射とトレーリング噴射との両タイミング間に減速信号
が入力されても、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを
抑制することができ、かつ上述の吸入空気量飽和運転領
域でのみリーディング噴射の制限を実行することで、加
速性の悪化を招くことがないエンジンの燃料制御装置の
提供を目的とする。
【0005】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、スロットル開度の増
加に対して吸入空気量の増加が飽和する吸入空気量飽和
運転領域においてトレーリング噴射割合に対してリーデ
ィング噴射割合が小さくなるように両噴射の分割比を変
更することで、加速性の悪化を招くことなく、減速に伴
なう空燃比のオーバリッチを抑制することができるエン
ジンの燃料制御装置の提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、スロットル開度の増
加に対して吸入空気量の増加が飽和する吸入空気量飽和
運転領域において、リーディング噴射を禁止すること
で、加速性の悪化を招くことなく、減速に伴なう空燃比
のオーバリッチを抑制することができるエンジンの燃料
制御装置の提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述のリーディング
噴射量およびトレーリング噴射量を噴射タイミング毎に
演算することで、リーディング噴射とトレーリング噴射
との両タイミング間に減速信号が入力された場合におい
ても、この減速に充分対応した修正を行なうことができ
るエンジンの燃料制御装置の提供を目的とする。
【0008】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、スロットル開度をパ
ラメータとしてエンジン回転数の増加に対して吸入空気
量の増加が飽和する吸入空気量飽和運転領域を検出すべ
く構成することで、飽和領域を高精度に検出することが
できるエンジンの燃料制御装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項6記載の発明は、1サイ
クル中において予め設定された2つの燃料噴射タイミン
グで先導燃料噴射および従動燃料噴射を実行するレシプ
ロエンジンにおいて、エンジン回転数がスロットル開度
に応じて設定される設定値以上になった時、リーディン
グ噴射を制限することで、リーディング噴射とトレーリ
ング噴射との両タイミング間において減速信号が入力さ
れても、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑制する
ことができ、かつ加速性の悪化を招くことがなく、しか
も燃料増量の必要性がない領域を高精度に検出すること
ができるエンジンの燃料制御装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、1サイクル中において予め設定された第1の
燃料噴射タイミングで燃料噴射を実行するリーディング
噴射手段および第1の燃料噴射タイミングよりも遅れ側
に設定された第2の燃料噴射タイミングで燃料噴射を実
行するトレーリング噴射手段を備えたエンジンの燃料制
御装置であって、スロットル開度を検出するスロットル
開度検出手段と、吸入空気量を検出する吸入空気量検出
手段と、上記両検出手段の出力に基づいてスロットル開
度の増加に対して吸入空気量の増加が飽和する吸入空気
量飽和運転領域を検出する飽和運転領域検出手段と、上
記飽和運転領域検出手段により吸入空気量の飽和が検出
された時、上記リーディング噴射手段によるリーディン
グ噴射を制限するリーディング噴射制限手段とを備えた
エンジンの燃料制御装置であることを特徴とする。
【0011】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記飽和運転領域検
出手段により吸入空気量の飽和が検出された時、上記リ
ーディング噴射手段によるリーディング噴射割合が上記
トレーリング噴射手段によるトレーリング噴射割合に対
して小さくなるように両噴射の分割比を変更する分割比
変更手段を備えたエンジンの燃料制御装置であることを
特徴とする。
【0012】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記飽和運転領域検
出手段により吸入空気量の飽和が検出された時、上記リ
ーディング噴射手段によるリーディング噴射を禁止する
リーディング噴射禁止手段を備えたエンジンの燃料制御
装置であることを特徴とする。
【0013】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、クランク角を検出す
るクランク角検出手段と、上記クランク角検出手段で検
出されたクランク角がリーディング噴射タイミングと一
致する毎にリーディング噴射量を演算するリーディング
噴射演算手段と、上記クランク角検出手段で検出された
クランク角がトレーリング噴射タイミングと一致する毎
にトレーリング噴射量を演算するトレーリング噴射量演
算手段とを備えたエンジンの燃料制御装置であることを
特徴とする。
【0014】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、エンジン回転数を検
出するエンジン回転数検出手段を備え、上記飽和運転領
域検出手段は、スロットル開度をパラメータとして上記
エンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転数の
増加に対して吸入空気量の増加が飽和する吸入空気量飽
和運転領域を検出するエンジンの燃料制御装置であるこ
とを特徴とする。
【0015】この発明の請求項6記載の発明は、1サイ
クル中において予め設定された第1の燃料噴射タイミン
グで燃料噴射を実行するリーディング噴射手段および第
1の燃料噴射タイミングよりも遅れ側に設定された第2
の燃料噴射タイミングで燃料噴射を実行するトレーリン
グ噴射手段を備えたエンジンの燃料制御装置であって、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
上記エンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転
数がスロットル開度に応じて設定される設定値以上にな
ったか否かを判定する判定手段と、上記判定手段により
エンジン回転数が上記設定値以上になったことが判定さ
れた時、上記リーディング噴射手段によるリーディング
噴射を制限するリーディング噴射制限手段とを備えたエ
ンジンの制御装置であることを特徴とする。
【0016】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、図10にクレーム対応図で示すように、リー
ディング噴射手段P1は1サイクル中において予め設定
された第1の燃料噴射タイミングで燃料噴射を実行し、
トレーリング噴射手段P2は上述の第1の燃料噴射タイ
ミングよりも遅れ側に設定された第2の燃料噴射タイミ
ングで燃料噴射を実行し、スロットル開度検出手段P3
はスロットル開度を検出し、また吸入空気量検出手段P
4は吸入空気量を検出するが、飽和運転領域検出手段P
5によりスロットル開度の増加に対して吸入空気量の増
加が飽和する吸入空気量飽和運転領域であることが検出
された時、上述のリーディング噴射制限手段P6は上記
リーディング噴射手段P1によるリーディング噴射を制
限する。
【0017】このようにスロットル開度TVOの増加に
対して吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運
転領域(燃料増量の必要性がない領域)において1サイ
クル中の先に噴射されるリーディング噴射を制限するの
で、リーディング噴射とトレーリング噴射との両タイミ
ング間に減速信号が入力しても、減速に伴なう空燃比の
オーバリッチを抑制することができ、かつ上述の吸入空
気量飽和運転領域でのみリーディング噴射の制限を実行
するので、加速性の悪化を招くことがない効果がある。
【0018】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の飽和運
転領域検出手段により吸入空気量の飽和が検出された
時、上述の分割比変更手段はリーディング噴射手段によ
るリーディング噴射割合がトレーリング噴射手段による
トレーディング噴射割合に対して小さくなるように両噴
射の分割比を変更する。このため、加速性の悪化を招く
ことなく、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑制す
ることができる効果がある。
【0019】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の飽和運
転領域検出手段により吸入空気量の飽和が検出された
時、上述のリーディング噴射禁止手段はリーディング噴
射手段によるリーディング噴射を禁止する。このため、
加速性の悪化を招くことなく、減速に伴なう空燃比のオ
ーバリッチを抑制することができる効果がある。
【0020】この発明の請求項4記載の発明のよれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、クランク角検
出手段はクランク角を検出し、リーディング噴射量演算
手段は上記クランク角検出手段で検出されたクランク角
がリーディング噴射タイミング(例えばBTDC186
度)と一致する毎にリーディング噴射量を演算し、トレ
ーリング噴射量演算手段は上記クランク角検出手段で検
出されたクランク角がトレーリング噴射タイミング(例
えばBTDC6度)と一致する毎にトレーリング噴射量
を演算する。
【0021】このように上述のリーディング噴射量およ
びトレーリング噴射量を噴射タイミング毎にそれぞれ演
算するので、リーディング噴射とトレーリング噴射との
両タイミング間に減速信号が入力した場合においても、
この減速に充分対応した修正を行なうことができる効果
がある。
【0022】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述の飽和運
転領域検出手段は、スロットル開度をパラメータとして
エンジン回転数の増加に対して吸入空気量の増加が飽和
する吸入空気量飽和運転領域を検出する。すなわちエン
ジン回転数の増加に対する吸入空気量の増加が飽和する
領域はスロットル開度(具体的には8/8を全開とする
時の1/8スロットル開度、2/8スロットル開度、3
/8スロットル開度…)に応じてそれぞれ異なるが、上
記の如く構成することで、飽和領域を高精度に検出する
ことができて、適切なリーディング噴射の制限を実行す
ることができる効果がある。
【0023】この発明の請求項6記載の発明によれば、
リーディング噴射手段は1サイクル中において予め設定
された2つの燃料噴射タイミングのうち先のタイミング
で先導燃料噴射を実行し、トレーリング噴射手段は1サ
イクル中において予め設定された2つの燃料噴射タイミ
ングのうち後のタイミングで従動燃料噴射を実行し、エ
ンジン回転数検出手段はエンジン回転数を検出し、スロ
ットル開度検出手段はスロットル開度を検出するが、上
述のエンジン回転数検出手段で検出されたエンジン回転
数がスロットル開度に応じて設定された設定値以上にな
ったことが上述の判定手段で判定された時、上述のリー
ディング噴射制限手段は上記リーディング噴射手段によ
るリーディング噴射を制限する。
【0024】このようにエンジン回転数がスロットル開
度に応じてそれぞれ設定される設定値以上になった時、
リーディング噴射を制限するので、リーディング噴射と
トレーリング噴射との両タイミング間において減速信号
が入力しても、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑
制することができ、かつ上記リーディング噴射の制限は
上記設定値以上の時のみ実行されるので、加速性の悪化
を招くことがなく、しかも上記設定値はスロットル開度
に応じて設定されるので、燃料増量の必要性がない領域
を高精度に検出することができる効果がある。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はエンジンの燃料制御装置を示し、図1に
おいて、吸入空気を浄化するエアクリーナの後位には吸
入空気量を検出する吸入空気量検出手段としてのエアフ
ロセンサ1を接続して、このエアフロセンサ1で吸入空
気量Qを検出すべく構成している。
【0026】上述のエアフロセンサ1の後位にはスロッ
トルボディ2を接続し、このスロットルボディ2内のス
ロットルチャンバ3には、吸入空気量Qを制御するスロ
ットル弁4を配設している。そして、このスロットル弁
4下流の吸気通路には、所定容積を有する拡大室として
のサージタンク5を接続し、このサージタンク5下流に
吸気ポート6と連通する吸気マニホルド7を接続すると
共に、この吸気マニホルド7にはインジェクタ8を配設
している。
【0027】一方、レシプロエンジン9の燃焼室10と
適宜連通する上述の吸気ポート6および排気ポート11
には、動弁機構(図示せず)により開閉操作される吸気
弁12と排気弁13とをそれぞれ取付け、またシリンダ
ヘッド14にはスパークギャップを上述の燃焼室10に
臨ませた点火プラグ15を取付けている。
【0028】上述の排気ポート11にエキゾーストマニ
ホルド16を接続し、このエキゾーストマニホルド16
と連通する排気通路17に空燃比センサ18を配設する
と共に、この排気通路17の後位には有害ガスを無害化
する触媒コンバータ19いわゆるキャタリストを接続し
ている。
【0029】また、上述のスロットル弁4をバイパスす
るバイパス通路20を設け、このバイパス通路20には
ISC(アイドルスピードコントロール)機構としての
ISCバルブ21を介設する一方、上述のスロットルボ
ディ2にはスロットル開度TVOを検出するためのスロ
ットルセンサ22を、ウオータジャケット23にはエン
ジン冷却水の水温twを検出する水温センサ24をそれ
ぞれ取付けている。
【0030】図2はエンジンの燃料制御装置の制御回路
を示し、CPU30は、エアフロセンサ1からの吸入空
気量Q、スロットルセンサ22からのスロットル開度T
VO、水温センサ24からのエンジン冷却水の水温t
w、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段
としてのディストリビュータ31からのエンジン回転数
Ne、クランク角を検出するクランク角検出手段として
のクランク角センサ32からのクランク角CAなどの必
要な各種信号入力に基づいて、ROM33に格納された
プログラムに従って、インジェクタ8を駆動制御し、ま
たRAM34は図3に示す第1マップM1などの必要な
マップやデータを記憶する。
【0031】ここで、上述の第1マップM1(図3参
照)は横軸にエンジン回転数Neをとり、縦軸に吸入空
気量Qをとると共に、各スロット開度(1/8TVO、
2/8TVO、3/8TVO)毎にエンジン回転数Ne
の増加に対して吸入空気量Qがサチレート(飽和)する
設定値a(1/8TVO)、a(2/8TVO)、a
(3/8TVO)をそれぞれ設定したマップである。な
お上述の各設定値aに相当するエンジン回転数Neの一
例は次の通りである。
【0032】a(1/8TVO)…1500rpm a(2/8TVO)…2000rpm a(3/8TVO)…2300rpm また上述のCPU30は、1サイクル中において予め設
定された2つの燃料噴射タイミング(具体的にはBTD
C186度、BTDC6度)のうち先のタイミング(B
TDC186度)で先導燃料噴射を実行するリーディン
グ噴射手段(図4に示すフローチャートの第13ステッ
プS13参照)と、1サイクル中において設定された2
つの燃料噴射タイミング(具体的にはBTDC186
度、BTDC6度)のうち後のタイミング(BTDC6
度)で従動燃料噴射を実行するトレーリング噴射手段
(図5に示すフローチャートの第7ステップS27参
照)と、スロットルセンサ22およびエアフロセンサ1
の出力に基づいてスロットル開度TVOの増加に対して
吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運転領域
を検出する飽和運転領域検出手段(図4に示すフローチ
ャートの第6ステップS6参照)と、上記飽和運転領域
検出手段により吸入空気量Qの飽和が検出された時、上
述のリーディング噴射手段によるリーディング噴射を制
限するリーディング噴射制限手段(図4に示すフローチ
ャートの第9ステップS9参照)と、クランク角センサ
32で検出された現行のクランク角CAがリーディング
噴射タイミング(BTDC186度)と一致する毎にリ
ーディング噴射量を演算するリーディング噴射量演算手
段(図4に示すフローチャートの第11ステップS11
参照)と、クランク角センサ32で検出された現行のク
ランク角CAがトレーリング噴射タイミング(BTDC
6度)と一致する毎にトレーリング噴射量を演算するト
レーリング噴射量演算手段(図5に示すフローチャート
の第6ステップS26参照)とを兼ねる。
【0033】またこの実施例では、上述のリーディング
噴射制限手段(図4の第9ステップS9参照)は、飽和
運転領域検出手段(図4の第6ステップS6参照)によ
り吸入空気量Qの飽和が検出された時、リーディング噴
射手段(図4の第13ステップS13参照)によるリー
ディング噴射を禁止するリーディング噴射禁止手段に設
定している。
【0034】さらに上述の飽和運転領域検出手段(図4
の第6ステップS6参照)は、スロット開度(1/8T
VO、2/8TVO、3/8TVO)をパラメータにし
てエンジン回転数Neの増加に対して吸入空気量Qの増
加がサチレート(飽和)する吸入空気量飽和運転領域を
検出すると共に、エンジン回転数検出手段としてのディ
ストリビュータ31で検出されたエンジン回転数Neが
スロットル開度(1/8TVO、2/8TVO、3/8
TVO)に応じてそれぞれ設定された設定値a(1/8
TVO)=1500rpm 、a(2/8TVO)=200
0rpm 、a(3/8TVO)=2300rpm 以上になっ
たか否かを判定する判定手段を兼ねる。
【0035】このように構成したエンジンの燃料制御装
置(請求項1,3,4,5,6に対応する実施例)の作
用を、図4および図5に示すフローチャートを参照し
て、以下に詳述する。ここで図4のフローチャートはB
TDC186度毎にその処理が実行され、図5のフロー
チャートはBTDC6度毎にその処理が実行される。
【0036】図4に示すフローチャートの第1ステップ
S1で、CPU30はディストリビュータ31からのエ
ンジン回転数Ne、エアフロセンサ1からの吸入空気量
Q、スロットルセンサ22からのスロットル開度TVO
などの必要な各種信号入力の読込みを実行する。
【0037】次に第2ステップS2で、CPU30はT
p=(Q/Ne)×K(但し、Kは定数)の演算式によ
り燃料の基本噴射量Tpを演算する。次に第3ステップ
S3で、CPU30はインマニウエット補正量を演算
し、次の第4ステップS4で、CPU30は燃料の最終
噴射量Tを演算する。
【0038】次に第5ステップS5で、CPU30は現
行のスロットル開度TVOに対応するエンジン回転数N
eの設定値aを図3の第1マップM1から読込む。
【0039】次に第6ステップS6で、CPU30は現
行のエンジン回転数Neと、吸入空気量Qがサチレート
するエンジン回転数の設定値aとの大小関係を比較し、
Ne>aのYES判定時には次の第7ステップS7に移
行する一方、Ne<aのNO判定時には別の第10ステ
ップS10に移行する。
【0040】上述の第7ステップS7で、CPU30は
インマニウエット量τm が所定値bより大か否かを判定
し、τm >bのYES判定時には次の第8ステップS8
に移行し、τm <bのNO判定時には別の第10ステッ
プS10に移行する。
【0041】上述の第8ステップS8で、CPU30は
Ne>a、τm >bに対応してリーディングパルスを零
に設定し、次の第9ステップS9で、CPU30はリー
ディング禁止フラグをF=1(このF=1の時、リーデ
ィング噴射が禁止される)にする。このため次の第13
ステップS13で、CPU30は本来、BTDC186
度においてリーディング噴射を実行するが、上述のフラ
グがF=1であるため、実質的にリーディング噴射量は
零となる。
【0042】一方、上述の第10ステップS10で、C
PU30はNe<a、τm <bに対応して最終噴射量T
を全量とする際のリーディング噴射割合とトレーリング
噴射割合とを演算または図6の第2マップM2から読込
み処理する。ここで図6の第2マップM2は横軸にエン
ジン回転数Neをとり、縦軸に基本分割比をとって、リ
ーディング噴射とトレーリング噴射との割合を設定した
マップである。
【0043】次に第11ステップS11で、CPU30
は上述の最終噴射量Tおよび分割比の両者からリーディ
ングパルス幅を演算し、次の第12ステップS12で、
CPU30はリーディング禁止フラグをF=0に設定す
る。次に第13ステップS13で、CPU30はリーデ
イング噴射タイミングにおいて上述のリーディングパル
ス幅にてインジェクタ8を駆動して、リーディング噴射
を実行する。
【0044】ところで、図5に示すフローチャートの第
1ステップS21で、CPU30はディストリビュータ
31からのエンジン回転数Ne、エアフロセンサ1から
の吸入空気量Q、スロットルセンサ22からのスロット
ル開度TVOなどの必要な各種信号入力の読込みを実行
する。
【0045】次に第2ステップS22で、CPU30は
Tp=(Q/Ne)×K(但し、Kは定数)の演算式に
より燃料の基本噴射量Tpを求める。次に第3ステップ
S23で、CPU30はインマニウエット補正量を演算
し、次の第4ステップS24で、CPU30は燃料の最
終噴射量Tを演算する。
【0046】次に第5ステップS25で、CPU30は
RAM34の所定エリアに記憶されたリーディング禁止
フラグがF=1か否かを判定し、F=1のYES判定時
には第7ステップS7にスキップする一方、F=0のN
O判定時には次の第6ステップS6に移行する。上述の
第6ステップS26でCPU30は次の[数1]により
トレーリングパルス幅を演算する。
【0047】
【数1】
【0048】次に第7ステップS27で、CPU30は
トレーリング噴射タイミングBTDC6度)にてインジ
ェクタ8を駆動して、トレーリング噴射を実行するが、
F=1の時には図4のフローチャートにおいてリーディ
ング噴射が禁止されているので上述の第4ステップS2
4で演算された最終噴射量Tに相当するトレーリング噴
射が実行され、F=0の時には図4のフローチャートに
おいて分割比に基づいたリーディング噴射が既に実行さ
れているので上述の[数1]に示すように最終噴射量T
から前回のリーディングパルス分を減算した値に相当し
てトレーリング噴射が実行される。次に第8ステップS
28で、CPU30は次に[数2]で示す式によりイン
マニウエット量τm を更新して一連の処理を終了する。
【0049】
【数2】
【0050】以上要するに、リーディング噴射手段(図
4の第13ステップS13参照)およびトレーリング噴
射手段(図5の第7ステップS27参照)は1サイクル
中において予め設定された2つの燃料噴射タイミングで
先導燃料噴射および従動燃料噴射を実行し、スロットル
センサ22はスロットル開度TVOを検出し、またエア
フロセンサ1は吸入空気量Qを検出するが、飽和運転領
域検出手段(図4の第6ステップS6参照)によりスロ
ットル開度TVOの増加に対して吸入空気量Qの増加が
飽和する吸入空気量飽和運転領域であることが検出され
た時、上述のリーディング噴射制限手段(図4の第9ス
テップS9参照)は上記リーディング噴射手段S13に
よるリーディング噴射を制限する。
【0051】このようにスロットル開度TVOの増加に
対して吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運
転領域(燃料増量の必要性がない領域)において1サイ
クル中の先に噴射されるリーディング噴射を制限するの
で、リーディング噴射とトレーリング噴射との両タイミ
ング間に減速信号が入力しても、減速に伴なう空燃比の
オーバリッチを抑制することができ、かつ上述の吸入空
気量飽和運転領域でのみリーディング噴射の制限を実行
するので、加速性の悪化を招くことがない効果がある。
【0052】また、上述の飽和運転領域検出手段(図4
の第6ステップS6参照)により吸入空気量Qの飽和が
検出された時、上述のリーディング噴射禁止手段(図4
の第9ステップS9参照)はリーディング噴射手段(図
4の第13ステップS13参照)によるリーディング噴
射を禁止する。このため、加速性の悪化を招くことな
く、減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑制すること
ができる効果がある。
【0053】さらに、クランク角センサ32はクランク
角CAを検出し、リーディング噴射量演算手段(図4の
第11ステップS11参照)は上記クランク角センサ3
2で検出されたクランク角CAがリーディング噴射タイ
ミング(例えばBTDC186度)と一致する毎にリー
ディング噴射量を演算し、トレーリング噴射量演算手段
(図5の第6ステップS26参照)は上記クランク角セ
ンサ32で検出されたクランク角CAがトレーリング噴
射タイミング(例えばBTDC6度)と一致する毎にト
レーリング噴射量を演算する。
【0054】このように上述のリーディング噴射量およ
びトレーリング噴射量を噴射タイミング毎にそれぞれ演
算するので、リーディング噴射とトレーリング噴射との
両タイミング間に減速信号が入力した場合においても、
この減速に充分対応した修正を行なうことができる効果
がある。
【0055】さらにまた、上述の飽和運転領域検出手段
(図4の第6ステップS6参照)は、スロットル開度T
VOをパラメータとしてエンジン回転数Neの増加に対
して吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運転
領域を検出する。すなわちエンジン回転数Neの増加に
対する吸入空気量Qの増加が飽和する領域はスロットル
開度(具体的には8/8を全開とする時の1/8スロッ
トル開度、2/8スロットル開度、3/8スロットル開
度…)に応じてそれぞれ異なるが、上記の如く構成する
ことで、飽和領域を高精度に検出することができて、適
切なリーディング噴射の制限を実行することができる効
果がある。
【0056】加えて、リーディング噴射手段(図4の第
13ステップS13参照)は1サイクル中において予め
設定された2つの燃料噴射タイミングのうち先のタイミ
ングで先導燃料噴射を実行し、トレーリング噴射手段
(図5の第7ステップS27参照)は1サイクル中にお
いて予め設定された2つの燃料噴射タイミングのうち後
のタイミングで従動燃料噴射を実行し、ディストリビュ
ータ31はエンジン回転数Neを検出し、スロットルセ
ンサ22はスロットル開度TVOを検出するが、上述の
ディストリビュータ31で検出されたエンジン回転数N
eがスロットル開度TVOに応じて設定された設定値a
以上になったことが上述の判定手段(図4の第6ステッ
プS6参照)で判定された時、上述のリーディング噴射
制限手段(図4の第9ステップS9参照)は上記リーデ
ィング噴射手段S13によるリーディング噴射を制限す
る。
【0057】このようにエンジン回転数Neがスロット
ル開度TVOに応じてそれぞれ設定される設定値a以上
になった時、リーディング噴射を制限するので、リーデ
ィング噴射とトレーリング噴射との両タイミング間にお
いて減速信号が入力しても、減速に伴なう空燃比のオー
バリッチを抑制することができ、かつ上記リーディング
噴射の制限は上記設定値a以上の時のみ実行されるの
で、加速性の悪化を招くことがなく、しかも上記設定値
aはスロットル開度TVOに応じて設定されるので、燃
料増量の必要性がない領域を高精度に検出することがで
きる効果がある。
【0058】図7、図8はエンジンの燃料制御装置の他
の実施例を示し、先の実施例においては飽和運転領域検
出手段により吸入空気量Qの飽和が検出された時、リー
ディング噴射を禁止すべく構成したが、この実施例にお
いては飽和運転領域検出手段により吸入空気量Qの飽和
が検出された時、リーディング噴射割合が小さくなるよ
うに分割比を変更すべく構成している。なお、この実施
例においても図1、図2の回路装置および図3、図6の
各マップM1,M2を用いるが、この実施例の場合に
は、上述のCPU30は、1サイクル中において予め設
定された2つの燃料噴射タイミング(具体的にはBTD
C186度、BTDC6度)のうち先のタイミング(B
TDC186度)で先導燃料噴射を実行するリーディン
グ噴射手段(図7に示すフローチャートの第12ステッ
プS42参照)と、1サイクル中において設定された2
つの燃料噴射タイミング(具体的にはBTDC186
度、BTDC6度)のうち後のタイミング(BTDC6
度)で従動燃料噴射を実行するトレーリング噴射手段
(図8に示すフローチャートの第6ステップS56参
照)と、スロットルセンサ22およびエアフロセンサ1
の出力に基づいてスロットル開度TVOの増加に対して
吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運転領域
を検出する飽和運転領域検出手段(図7に示すフローチ
ャートの第7ステップS37参照)と、上記飽和運転領
域検出手段により吸入空気量Qの飽和が検出された時、
上述のリーディング噴射手段によるリーディング噴射を
制限するリーディング噴射制限手段(図7に示すフロー
チャートの第9ステップS39参照)と、クランク角セ
ンサ32で検出された現行のクランク角CAがリーディ
ング噴射タイミング(BTDC186度)と一致する毎
にリーディング噴射量を演算するリーディング噴射量演
算手段(図7に示すフローチャートの第11ステップS
41参照)と、クランク角センサ32で検出された現行
のクランク角CAがトレーリング噴射タイミング(BT
DC6度)と一致する毎にトレーリング噴射量を演算す
るトレーリング噴射量演算手段(図8に示すフローチャ
ートの第5ステップS55参照)とを兼ねる。
【0059】また、この実施例では、上述のリーディン
グ噴射制限手段(図7の第9ステップS39参照)は、
飽和運転領域検出手段(図7の第7ステップS37参
照)により吸入空気量Qの飽和が検出された時、上述の
リーディング噴射手段(図7の第12ステップS42参
照)によるリーディング噴射割合が上述のトレーリング
噴射手段(図8の第6ステップS56参照)によるトレ
ーリング噴射割合に対して小さくなるように両噴射の分
割比を変更する分割比変更手段に設定している。
【0060】さらに上述の飽和運転領域検出手段(図7
の第7ステップS37参照)は、スロット開度(1/8
TVO、2/8TVO、3/8TVO)をパラメータに
してエンジン回転数Neの増加に対して吸入空気量Qの
増加がサチレート(飽和)する吸入空気量飽和運転領域
を検出すると共に、エンジン回転数検出手段としてのデ
ィストリビュータ31で検出されたエンジン回転数Ne
がスロットル開度(1/8TVO、2/8TVO、3/
8TVO)に応じてそれぞれ設定された設定値a(1/
8TVO)=1500rpm 、a(2/8TVO)=20
00rpm 、a(3/8TVO)=2300rpm 以上にな
ったか否かを判定する判定手段を兼ねる。
【0061】このように構成したエンジンの燃料制御装
置(請求項1,2,4,5,6に対応する実施例)の作
用を図7、図8に示すフローチャートを参照して、以下
に詳述する。ここで、図7のフローチャートはBTDC
186度毎にその処理が実行され、図8のフローチャー
トはBTDC6度毎にその処理が実行される。
【0062】図7に示すフローチャートの第1ステップ
S31で、CPU30はディストリビュータ31からの
エンジン回転数Ne、エアフロセンサ1からの吸入空気
量Q、スロットルセンサ22からのスロットル開度TV
Oなどの必要な各種信号入力の読込みを実行する。
【0063】次に第2ステップS32で、CPU30は
Tp=(Q/Ne)×K(但し、Kは定数)の演算式に
より燃料の基本噴射量Tpを演算する。次に第3ステッ
プS33で、CPU30はインマニウエット補正量を演
算し、次の第4ステップS34で、CPU30は燃料の
最終噴射量Tを求める。
【0064】次に第5ステップS35で、CPU30は
最終噴射量Tを全量とした際のリーディング噴射とトレ
ーリング噴射との分割比を演算または図6のマップM2
からの読込み処理を実行する。
【0065】次に第6ステップS36で、CPU30は
現行のスロットル開度TVOに対応するエンジン回転数
Neの設定値aを図3の第1マップM1から読込む。
【0066】次に第7ステップS37で、CPU30は
現行のエンジン回転数Neと、吸入空気量Qがサチレー
トするエンジン回転数の設定値aとの大小関係を比較
し、Ne>aのYES判定時には次の第8ステップS3
8に移行する一方、Ne<aのNO判定時には別の第1
0ステップS40に移行する。
【0067】上述の第8ステップS38で、CPU30
はインマニウエット量τm が所定値bより大か否かを判
定し、τm >bのYES判定時には次の第9ステップS
39に移行し、τm <bのNO判定時には別の第10ス
テップS40に移行する。
【0068】上述の第9ステップS39で、CPU30
はリーディング噴射割合がトレーリング噴射割合に対し
て小さくなるように分割比補正係数を変更する一方、上
述の第10ステップS40では、CPU30は先の第5
ステップS35の基本分割比を維持すべく分割比補正係
数を1.0に設定する。
【0069】次に、第11ステップS41で、CPU3
0は上記分割比補正係数を反映させたリーディングパル
ス幅を演算し、次の第12ステップS42で、CPU3
0はリーディング噴射タイミングにおいて上述のリーデ
ィングパルス幅にてインジェクタ8を駆動して、リーデ
ィング噴射を実行する。
【0070】ところで、図8に示すフローチャートの第
1ステップS51で、CPU30はディストリビュータ
31からのエンジン回転数Ne、エアフロセンサ1から
の吸入空気量Q、スロットルセンサ22からのスロット
ル開度TVOなどの必要な各種信号入力の読込みを実行
する。
【0071】次に第2ステップS52で、CPU30は
Tp=(Q/Ne)×K(但し、Kは定数)の演算式に
より燃料の基本噴射量Tpを演算する。次に第3ステッ
プS53で、CPU30はインマニウエット補正量を演
算し、次の第4ステップS54で、CPU30は燃料の
最終噴射量Tを演算する。
【0072】次に第5ステップS55で、CPU30は
次の[数1]で示すトレーリングパルス幅を演算する。
【0073】
【数1】
【0074】次に第6ステップS56で、CPU30は
トレーリング噴射タイミングにおいて上述のトレーリン
グパルス幅にてインジェクタ8を駆動して、トレーリン
グ噴射を実行する。
【0075】次に第7ステップS57で、CPU30は
次に[数2]で示す演算式によりインマニウエット量τ
m を更新して一連の処理を終了する。
【0076】
【数2】
【0077】以上要するに、リーディング噴射手段(図
7の第12ステップS42参照)およびトレーリング噴
射手段(図8の第6ステップS56参照)は1サイクル
中において予め設定された2つの燃料噴射タイミングで
先導燃料噴射および従動燃料噴射を実行し、スロットル
センサ22はスロットル開度TVOを検出し、またエア
フロセンサ1は吸入空気量Qを検出するが、飽和運転領
域検出手段(図7の第7ステップS37参照)によりス
ロットル開度TVOの増加に対して吸入空気量Qの増加
が飽和する吸入空気量飽和運転領域であることが検出さ
れた時、上述のリーディング噴射制限手段(図7の第9
ステップS39参照)は上記リーディング噴射手段(S
42参照)よるリーディング噴射を制限する。
【0078】このようにスロットル開度TVOの増加に
対して吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運
転領域(燃料増量の必要性がない領域)において1サイ
クル中の先に噴射されるリーディング噴射を制限するの
で、リーディング噴射とトレーリング噴射との両タイミ
ング間に減速信号が入力しても、減速に伴なう空燃比の
オーバリッチを抑制することができ、かつ上述の吸入空
気量飽和運転領域でのみリーディング噴射の制限を実行
するので、加速性の悪化を招くことがない効果がある。
【0079】また、上述の飽和運転領域検出手段(図7
の第7ステップS37参照)により吸入空気量Qの飽和
が検出された時、上述の分割比変更手段(図7の第9ス
テップS39参照)は図9でタイムチャートで示すよう
にリーディング噴射手段(S42参照)によるリーディ
ング噴射割合がトレーリング噴射手段にによるトレーリ
ング噴射割合に対して小さくなるように両噴射の分割比
を変更する。このため、加速性の悪化を招くことなく、
減速に伴なう空燃比のオーバリッチを抑制することがで
きる効果がある。
【0080】さらに、クランク角センサ32はクランク
角CAを検出し、リーディング噴射量演算手段(図7の
第11ステップS41参照)は上記クランク角センサ3
2で検出されたクランク角CAがリーディング噴射タイ
ミング(例えばBTDC186度)と一致する毎にリー
ディング噴射量を演算し、トレーリング噴射量演算手段
(図8の第5ステップS55参照)は上記クランク角セ
ンサ32で検出されたクランク角CAがトレーリング噴
射タイミング(例えばBTDC6度)と一致する毎にト
レーリング噴射量を演算する。
【0081】このように上述のリーディング噴射量およ
びトレーリング噴射量を噴射タイミング毎にそれぞれ演
算するので、リーディング噴射とトレーリング噴射との
両タイミング間に減速信号が入力した場合においても、
この減速に充分対応した修正を行なうことができる効果
がある。
【0082】さらにまた、上述の飽和運転領域検出手段
(図7の第7ステップS37参照)は、スロットル開度
TVOをパラメータとしてエンジン回転数Neの増加に
対して吸入空気量Qの増加が飽和する吸入空気量飽和運
転領域を検出する。すなわちエンジン回転数Neの増加
に対する吸入空気量Qの増加が飽和する領域はスロット
ル開度(具体的には8/8を全開とする時の1/8スロ
ットル開度、2/8スロットル開度、3/8スロットル
開度…)に応じてそれぞれ異なるが、上記の如く構成す
ることで、飽和領域を高精度に検出することができて、
適切なリーディング噴射の制限を実行することができる
効果がある。
【0083】加えて、リーディング噴射手段(図7の第
12ステップS42参照)は1サイクル中において予め
設定された2つの燃料噴射タイミングのうち先のタイミ
ングで先導燃料噴射を実行し、トレーリング噴射手段
(図8の第6ステップS56参照)は1サイクル中にお
いて予め設定された2つの燃料噴射タイミングのうち後
のタイミングで従動燃料噴射を実行し、ディストリビュ
ータ31はエンジン回転数Neを検出し、スロットルセ
ンサ22はスロットル開度TVOを検出するが、上述の
ディストリビュータ31で検出されたエンジン回転数N
eがスロットル開度TVOに応じて設定された設定値a
以上になったことが上述の判定手段(図7の第7ステッ
プS37参照)で判定された時、上述のリーディング噴
射制限手段(図7の第9ステップS39参照)は上記リ
ーディング噴射手段(S42参照)によるリーディング
噴射を制限する。
【0084】このようにエンジン回転数Neがスロット
ル開度TVOに応じてそれぞれ設定される設定値a以上
になった時、リーディング噴射を制限するので、リーデ
ィング噴射とトレーリング噴射との両タイミング間にお
いて減速信号が入力しても、減速に伴なう空燃比のオー
バリッチを抑制することができ、かつ上記リーディング
噴射の制限は上記設定値a以上の時のみ実行されるの
で、加速性の悪化を招くことがなく、しかも上記設定値
aはスロットル開度TVOに応じて設定されるので、燃
料増量の必要性がない領域を高精度に検出することがで
きる効果がある。
【0085】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のリーディング噴射手段は、CPU
30制御による各ステップS13,S14に対応し、以
下同様に、トレーリング噴射手段は、各ステップS2
7,S56に対応し、スロットル開度検出手段は、スロ
ットルセンサ22に対応し、吸入空気量検出手段は、エ
アフロセンサ1に対応し、飽和運転領域検出手段は、各
ステップS6,S37に対応し、リーディング噴射制限
手段は、分割比変更手段もしくはリーディング噴射禁止
手段に対応し、分割比変更手段は、第9ステップS39
(図7参照)に対応し、リーディング噴射禁止手段は、
第9ステップS9(図4参照)に対応し、クランク角検
出手段は、クランク角センサ32に対応し、リーディン
グ噴射量演算手段は、各ステップS11,S41に対応
し、トレーリング噴射量演算手段は、各ステップS2
6,S55に対応し、エンジン回転数検出手段は、ディ
ストリビュータ31に対応し、判定手段は、角ステップ
S6,S37に対応するも、この発明は、上述の実施例
の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの燃料制御装置を示す系統
図。
【図2】制御回路ブロック図。
【図3】RAMに記憶させた第1マップの説明図。
【図4】リーディング噴射処理を示すフローチャート。
【図5】トレーリング噴射処理を示すフローチャート。
【図6】RAMに記憶させた第2マップの説明図。
【図7】リーディング噴射処理を示すフローチャート。
【図8】トレーリング噴射処理を示すフローチャート。
【図9】非飽和領域と飽和領域とにおけるリーディング
噴射およびトレーリング噴射の分割割合の一例を示すタ
イムチャート。
【図10】クレーム対応図。
【符号の説明】
1…エアフロセンサ 22…スロットルセンサ 31…ディストリビュータ 32…クランク角センサ S6,S37…飽和運転領域検出手段(判定手段) S9…リーディング噴射制限手段(リーディング噴射禁
止手段) S11,S41…リーディング噴射量演算手段 S13,S42…リーディング噴射手段 S26,S55…トレーリング噴射量演算手段 S27,S56…トレーリング噴射手段 S39…リーディング噴射制限手段(分割比変更手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 博行 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1サイクル中において予め設定された第1
    の燃料噴射タイミングで燃料噴射を実行するリーディン
    グ噴射手段および第1の燃料噴射タイミングよりも遅れ
    側に設定された第2の燃料噴射タイミングで燃料噴射を
    実行するトレーリング噴射手段を備えたエンジンの燃料
    制御装置であって、スロットル開度を検出するスロット
    ル開度検出手段と、吸入空気量を検出する吸入空気量検
    出手段と、上記両検出手段の出力に基づいてスロットル
    開度の増加に対して吸入空気量の増加が飽和する吸入空
    気量飽和運転領域を検出する飽和運転領域検出手段と、
    上記飽和運転領域検出手段により吸入空気量の飽和が検
    出された時、上記リーディング噴射手段によるリーディ
    ング噴射を制限するリーディング噴射制限手段とを備え
    たエンジンの燃料制御装置。
  2. 【請求項2】上記飽和運転領域検出手段により吸入空気
    量の飽和が検出された時、上記リーディング噴射手段に
    よるリーディング噴射割合が上記トレーリング噴射手段
    によるトレーリング噴射割合に対して小さくなるように
    両噴射の分割比を変更する分割比変更手段を備えた請求
    項1記載のエンジンの燃料制御装置。
  3. 【請求項3】上記飽和運転領域検出手段により吸入空気
    量の飽和が検出された時、上記リーディング噴射手段に
    よるリーディング噴射を禁止するリーディング噴射禁止
    手段を備えた請求項1記載のエンジンの燃料制御装置。
  4. 【請求項4】クランク角を検出するクランク角検出手段
    と、上記クランク角検出手段で検出されたクランク角が
    リーディング噴射タイミングと一致する毎にリーディン
    グ噴射量を演算するリーディング噴射演算手段と、上記
    クランク角検出手段で検出されたクランク角がトレーリ
    ング噴射タイミングと一致する毎にトレーリング噴射量
    を演算するトレーリング噴射量演算手段とを備えた請求
    項1記載のエンジンの燃料制御装置。
  5. 【請求項5】エンジン回転数を検出するエンジン回転数
    検出手段を備え、上記飽和運転領域検出手段は、スロッ
    トル開度をパラメータとして上記エンジン回転数検出手
    段で検出されたエンジン回転数の増加に対して吸入空気
    量の増加が飽和する吸入空気量飽和運転領域を検出する
    請求項1記載のエンジンの燃料制御装置。
  6. 【請求項6】1サイクル中において予め設定された第1
    の燃料噴射タイミングで燃料噴射を実行するリーディン
    グ噴射手段および第1の燃料噴射タイミングよりも遅れ
    側に設定された第2の燃料噴射タイミングで燃料噴射を
    実行するトレーリング噴射手段を備えたエンジンの燃料
    制御装置であって、エンジン回転数を検出するエンジン
    回転数検出手段と、スロットル開度を検出するスロット
    ル開度検出手段と、上記エンジン回転数検出手段で検出
    されたエンジン回転数がスロットル開度に応じて設定さ
    れる設定値以上になったか否かを判定する判定手段と、
    上記判定手段によりエンジン回転数が上記設定値以上に
    なったことが判定された時、上記リーディング噴射手段
    によるリーディング噴射を制限するリーディング噴射制
    限手段とを備えたエンジンの制御装置。
JP12810994A 1994-05-17 1994-05-17 エンジンの燃料制御装置 Expired - Fee Related JP3622229B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12810994A JP3622229B2 (ja) 1994-05-17 1994-05-17 エンジンの燃料制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12810994A JP3622229B2 (ja) 1994-05-17 1994-05-17 エンジンの燃料制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07310579A true JPH07310579A (ja) 1995-11-28
JP3622229B2 JP3622229B2 (ja) 2005-02-23

Family

ID=14976614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12810994A Expired - Fee Related JP3622229B2 (ja) 1994-05-17 1994-05-17 エンジンの燃料制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3622229B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3622229B2 (ja) 2005-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3683681B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関の制御装置
JP3815006B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US8326516B2 (en) Engine control device
JP3768780B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2923849B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US10190519B2 (en) Control device for internal combustion engine
JPH057548B2 (ja)
JPH06280648A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP6536299B2 (ja) 内燃機関制御方法及び内燃機関制御装置
JP2001342885A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH07310579A (ja) エンジンの燃料制御装置
JP2009180098A (ja) エンジンの燃料制御装置
JP2696444B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JPH057546B2 (ja)
JPH1162658A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2001248487A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007170198A (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP2005171765A (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP3916416B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2000097081A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH051614A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09242654A (ja) エンジンの点火時期制御装置
JP3533890B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2012211534A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0192550A (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20041102

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041115

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees